JP6880500B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
そして、駆動モータの駆動力が、加圧ローラの軸部に設置されたギアに伝達されて、加圧ローラが回転駆動される。そして、ニップ部における加圧ローラとの摩擦抵抗によって、定着ベルトも加圧ローラの回転にともない従動回転(連れ回り)することになる。
このような不具合を解決するために、そのように加圧ローラを移動させる力をキャンセルするように回動する回動部材を設置する方策が考えられるが、その場合に回動部材を設置することで装置が極端に大型化しないようにする必要がある。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
定着装置20は、シートP(未定着状態のトナーが担持されたシートである。)を加熱しながら搬送する装置である。
図2〜図4等を参照して、定着装置20は、定着回転体としての定着ベルト21、ニップ部形成部材26、補強部材23、加熱手段(加熱源)としてのヒータ25、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度検知センサ40(温度検知手段)、シート状部材22(潤滑剤供給部材)、等で構成される。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、シートP上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が5〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルフォン)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
ここで、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内側(内周面側)において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して、シートPが搬送されるニップ部を形成している。すなわち、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内周面に摺接するように設置されている。そして、ニップ部形成部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、シートPが搬送されるニップ部が形成される。
詳しくは、加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又は、カーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の筐体43(側板)に固定されている(図3を参照できる。)。そして、制御部60により出力制御されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱によって、定着ベルト21においてニップとは異なる加熱領域(ヒータ25に対向する領域である。)が主として加熱される。さらに、加熱された定着ベルト21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーモパイル、サーミスタ等の温度検知センサ40(温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内周面側に2本のヒータ25(加熱手段)を設置したが、定着ベルト21の内周面側に1本又は3本以上のヒータを設置することもできる。
特に、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21がヒータ25(加熱手段)によって直接的に加熱されるように構成されているため、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上するとともに、定着装置20をさらに低コスト化・小型化することができる。
詳しくは、2つのガイド部材29は、耐熱性樹脂材料等で形成されていて、定着装置20の幅方向両端部の筐体43(側板)にそれぞれ嵌め込まれている。ガイド部材29には、定着ベルト21の略円筒の姿勢を維持しながら定着ベルト21を保持するためのガイド部29aや、定着ベルト21の幅方向の移動(ベルト寄り)を規制するためのストッパ部、等が設けられている。
なお、ガイド部材29は、ニップ部形成部材26によるニップ部の形成を妨げないように、ニップ部を除く周方向の範囲であって、幅方向両端に配置されている。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21のさらなる加熱効率の向上や装置の低コスト化・小型化等を目的として、パイプ状の加熱部材を取り外して、パイプ状の加熱部材を介することなく定着ベルト21を加熱手段(ヒータ25)によって直接的に加熱する構成を採用している。
図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さがニップ部形成部材26よりも長くなるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の筐体43(側板)に保持されている。
そして、補強部材23がニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部においてニップ部形成部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、鏡面処理を施したり断熱部材を設けたりした場合であっても、同じような効果を得ることができる。
加圧ローラ31の芯金32は、金属材料で形成された中空構造体である。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には駆動モータ61による駆動力が入力されるギア65が設置されていて、加圧ローラ31は駆動モータ61によって図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の筐体43(側板)に軸受42を介して回転可能に支持されている。
なお、加圧ローラ31(定着装置20)を回転駆動する駆動機構については、後で図6、図8等を用いて詳しく説明する。
また、本実施の形態における定着装置20には、加圧ローラ31を定着ベルト21(ニップ部形成部材26)に向けて加圧する加圧機構も設置されているが、これについても後で図6等を用いて詳しく説明する。
なお、本実施の形態では、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、ニップ部形成部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状がシートPの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21とシートPとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出されたシートPを定着ベルト21から容易に分離することができる。
なお、シート状部材22に含浸される潤滑剤としては、フッ素グリス、シリコーングリス、シリコーンオイル等を用いることができる。本実施の形態では、シート状部材22に含浸される潤滑剤として、特に耐摩耗性に優れるフッ素グリスを用いている。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、ニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動回転(連れ回り)する。
その後、給紙部12からシートPが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、シートP上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、ガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強されたニップ部形成部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出されたシートPは、矢印Y11方向に搬送される。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における定着装置20には、定着ベルト21や加圧ローラ31やニップ部形成部材26などの部材が設置されている。
定着ベルト21は、ヒータ25(加熱手段)によって加熱される定着回転体として機能するものである。加圧ローラ31は、定着ベルト21(定着回転体)に当接してシートPが搬送されるニップ部を形成する加圧回転体として機能するものである。特に、本実施の形態では、定着ベルト21の内側において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接してニップ部を形成するニップ部形成部材26が設けられている。
また、定着装置20には、加圧ローラ31が定着ベルト21に対して接離する方向(図2、図6、図7の左右方向であって、以下、適宜に「接離方向」と呼ぶ。)に移動できるように軸受42を保持する筐体43(側板)が設けられている。図6、図7に示すように、筐体43には、接離方向に延在するように切欠き部43aが幅方向両端部にそれぞれ形成されている。そして、これらの切欠き部43aにそれぞれ軸受42が嵌合されることで、筐体43に対して加圧ローラ31が接離方向にスライド移動可能に保持されるとともに回転可能に保持されることになる。
また、定着装置20には、加圧ローラ31が定着ベルト21に圧接するようにレバー部材51を付勢する付勢部材としての引張スプリング52が設置されている。引張スプリング52(付勢部材)は、その一端側がレバー部材51に接続され、その他端側が筐体43に接続されている。
このような構成により、レバー部材51と引張スプリング52とは、加圧ローラ31を定着ベルト21(ニップ部形成部材26)に向けて加圧する加圧機構として機能することになる。
ギア65(加圧ローラギア)は、加圧ローラ31の軸部31a(駆動側の軸部である。)に設置されていて、加圧ローラ31とともに回転する平歯車(又は、ハスバ歯車)である。
第1アイドラギア64は、ギア65(加圧ローラギア)に噛合するアイドラギアであって、後述する回動部材53に設置されたスタッド54(軸部材)に回転可能に保持されている。
第2アイドラギア63は、第1アイドラギア64(アイドラギア)に噛合して駆動を伝達するものであって、後述する回動部材53の回転中心軸53aに回転可能に設置(保持)されている。また、本実施の形態において、第2アイドラギア63は、駆動モータ61(駆動手段)のモータ軸に設置された駆動ギア62に噛合するように構成されている。
このような構成により、駆動モータ61が稼働されることで、駆動モータ61の駆動力が第2アイドラギア63に伝達されて、その駆動力がさらに第1アイドラギア64を介してギア65に伝達されて、加圧ローラ31が図6、図8の時計方向に回転駆動されることになる。また、そのような加圧ローラ31の回転駆動にともない、定着ベルト21が図6、図8の反時計方向に従動回転することになる。すなわち、駆動モータ61、駆動ギア62、ギア列63〜65が、定着装置20を駆動する駆動機構として機能することになる。
詳しくは、定着装置20のギア列63〜65は、それぞれ、図6の破線矢印方向に回転するように構成されている。特に、加圧ローラ31とともに回転するギア65は、図6の時計方向に回転するように構成されている。そのため、加圧ローラ31のギア65には、第1アイドラギア64から駆動力が伝達されるときに、図6の黒矢印方向に力を受けることになる。そして、この力が、いわゆる「駆動引込力」として、加圧ローラ31を定着ベルト21に近づける方向(ニップ部におけるニップ圧が高まる方向である。)に移動させるように作用することになる。
特に、本実施の形態では、定着回転体として、定着ローラではなくて、可撓性を有する定着ベルトを用いていて、ニップ部形成部材26を用いて形成するニップ部において定着ベルト21にかかるトルクが大きくなる。そのため、「駆動引込力」が生じると、定着ベルト21に変形が生じてしまって、定着ベルト21の走行不良や定着画像不良などの不具合が生じやすくなる。
そして、本実施の形態において、回動部材53は、レバー部材51の回動と連動して、筐体43において回転中心軸53aを中心に回動するように構成されている。
そして、回動部材53は、駆動機構61〜65によって加圧ローラ31が回転駆動されるときに第1アイドラギア64(アイドラギア)を介してスタッド54に作用する力によって、加圧ローラ31が定着ベルト21に対して離間する方向(図6の時計方向である。)にレバー部材51とともに回動することになる。
なお、第2アイドラギア63には、駆動ギア62から伝達される駆動力や、第1アイドラギアギア64に駆動力を伝達するときに第1アイドラギア64から受ける反力が作用することになるが、これらの力を第2アイドラギア63を介して受けるのは回転中心軸53aであるため、回動部材53を回動させる回転モーメントは生じないことになる。換言すると、第2アイドラギア63を回転中心軸53aに設置することで、上述したような回動部材53の回動がロスおこなわれることになる。
すなわち、図9に示す定着装置120のように、回動部材153(回転中心軸153aを中心に回動可能に筐体43に設置されている。)が軸受42の全体を保持するように形成されて、その回動部材153にレバー部材51が直接的に当接するように構成した場合には、定着装置20が右方に大型化してしまったり、回動部材153が大型化する分だけ定着装置20が重量化してしまったりすることになる。さらに、図9に示す定着装置120においては、レバー部材51と回動部材153とが係合しているため、本実施の形態のものとは異なり、レバー部材51と回動部材153とをそれぞれ単独で組付けたり取り外したりする作業が難しくなる(回動部材153やレバー部材51の組付け性やメンテナンス性が悪くなる)。
詳しくは、回動部材53のフック状部(軸受42に当接する当接面である。)は、軸受42の接離方向に対して略直交する方向(図6の略上下方向である。)の移動を制限するのではなくて、その略直交する方向に軸受42が回動部材53に対して相対的に移動(摺動)できるように形成されている。具体的に、回動部材53のフック状部(当接面)は、接離方向に対して略直交する方向を長手方向とする仮想長円の外周半分の軌跡にほぼ沿うように形成されている。
このような構成により、回動部材53が回動するときに、軸受42の接離方向の動作が回動部材53によって妨げられることなく、軸受42を介した回動部材53とレバー部材51との連動がスムーズにおこなわれることになる。
図10は、変形例1としての定着装置20の駆動側を示す概略図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
図10に示すように、変形例1では、回動部材53が、軸受42に当接することなく、レバー部材51に直接的に当接するように構成されている。詳しくは、回動部材53の先端部に形成されたフック状部は、軸受42に当接しないように大きな径で形成されていて、そのフック状部の先端がレバー部材51に当接するように形成されている。
このように構成した場合であっても、回動部材53とレバー部材51とは、本実施の形態のものと同様に、互いに連動して回動することになる。そして、変形例1においても、駆動機構61〜65によって加圧ローラ31が回転駆動されると、回動部材53(及び、レバー部材51)が「駆動引込力」をキャンセルする方向に回動することになるため、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
また、変形例1において、回動部材53は、レバー部材51が軸受42に当接する位置よりも支軸51aに対して遠い位置(図10にて破線で囲んだ位置である。)でレバー部材51に当接している。このように構成した場合には、力点と作用点との関係から、回動部材53によって小さい力でレバー部材51を時計方向に回動させることができる。
図11は、変形例2としての定着装置20の駆動側を示す概略図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
図11に示すように、変形例2においても、前記変形例1と同様に、回動部材53が、軸受42に当接することなく、レバー部材51に直接的に当接するように構成されている。詳しくは、回動部材53においてナイフ状に形成された先端部が、レバー部材51に当接するように形成されている。
このように構成した場合であっても、回動部材53とレバー部材51とは、本実施の形態のものと同様に、互いに連動して回動することになる。そして、変形例2においても、駆動機構61〜65によって加圧ローラ31が回転駆動されると、回動部材53(及び、レバー部材51)が「駆動引込力」をキャンセルする方向に回動することになるため、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
ここで、変形例2において、回動部材53は、レバー部材51が軸受42に当接する位置よりも支軸51aに対して近い位置(図11にて破線で囲んだ位置である。)でレバー部材51に当接している。このように構成した場合には、回転中心軸53aからレバー部材51(当接位置)までの距離が短くなるため、回動部材53を回動してレバー部材51を時計方向に回動させる力を大きくすることができるとともに、回動部材53を小型化することができる。
図12は、変形例3としての定着装置20の駆動側を示す概略図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
変形例3における定着装置20は、前記実施の形態のものとは異なり、加圧ローラ31が回転駆動されるときにギア65に作用する力によって、加圧ローラ31が定着ベルト21に対して離間する方向(図12の右方である。)に移動するように構成されている。
詳しくは、変形例3における定着装置20は、シートPの搬送方向、加圧ローラ31の回転方向、定着ベルト21の回転方向、ギア列63〜65の回転方向、がそれぞれ、前記実施の形態のものに対して逆方向になるように構成されている。特に、加圧ローラ31のギア65は、図12の反時計方向に回転するため、第1アイドラギア64から駆動力が伝達されるときに、図12の黒矢印方向に力を受けることになる。そして、この力が、いわゆる「駆動引離力」として、加圧ローラ31を定着ベルト21から遠ざける方向(ニップ部におけるニップ圧が弱まる方向である。)に移動させるように作用することになる。そして、このように「駆動引離力」が生じる場合にも、定着装置20におけるニップ圧が安定しないで、定着画像にムラが生じてしまいやすくなる。
このとき、変形例3において、回動部材53は、「駆動引離力」をキャンセルするように動作することになる。具体的に、回動部材53は、加圧ローラ31が回転駆動されるときに第1アイドラギア64を介してスタッド54に作用する力(白矢印方向の力である。)によって、加圧ローラ31が定着ベルト21に対して当接する方向(図12の反時計方向である。)にレバー部材51とともに回動することになる。
このような構成により、変形例3においては、駆動機構61〜65によって加圧ローラ31が回転駆動されると、回動部材53(及び、レバー部材51)が「駆動引離力」をキャンセルする方向に回動することになるため、本実施の形態のものと同様に、定着装置20におけるニップ圧を幅方向にわたって均一化することができる。
図13は、変形例4としての定着装置20の駆動側を示す概略図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
変形例4における定着装置20も、前記変形例3のものと同様に、加圧ローラ31が回転駆動されるときにギア65に作用する力によって、加圧ローラ31が定着ベルト21に対して離間する方向(図13の右方である。)に移動するように構成されている。
また、変形例4における定着装置20は、前記変形例1、2のものと同様に、回動部材53が、軸受42に当接することなく、レバー部材51に直接的に当接するように構成されている。ただし、変形例4における定着装置20は、前記変形例1、2のものとは異なり、「駆動引離力」をキャンセルする方向に回動部材53をレバー部材51とともに回動する必要があるため、レバー部材51を図13の反時計方向に回動させるためにレバー部材51(軸受42との当接位置に対して支軸51aの反対側に延伸された部分である。)に当接する当接部53bを回動部材53に設けている。
このように構成した場合にも、変形例3のものと同様に、駆動機構61〜65によって加圧ローラ31が回転駆動されると、回動部材53(及び、レバー部材51)が「駆動引離力」をキャンセルする方向に回動することになるため、定着装置20におけるニップ圧を幅方向にわたって均一化することができる。
これにより、定着装置20がそれほど大型化することなく、加圧ローラ31のギア65に駆動力が入力されることによってニップ部におけるニップ圧が不安定になる不具合を生じにくくすることができる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
そして、このような場合には、先に説明したように定着回転体として定着ベルト21を用いた場合に比べて定着回転体の変形が顕著に軽減されるような効果は少ないものの、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着回転体)、
22 シート状部材、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 ニップ部形成部材(固定部材)、
29 ガイド部材(フランジ)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
31a 軸部、
42 軸受、
43 筐体(保持部材)、
51 レバー部材(加圧レバー)、
51a 支軸、
52 引張スプリング(付勢部材)、
53 回動部材(回動板)、
53a 回転中心軸、
54 スタッド(軸部材)、
61 駆動モータ(駆動手段)、
62 駆動ギア、
63 第2アイドラギア、
64 第1アイドラギア(アイドラギア)、
65 ギア、
P シート(記録媒体)。
Claims (8)
- 加熱手段によって加熱される定着回転体と、
前記定着回転体に当接してシートが搬送されるニップ部を形成する加圧回転体と、
前記加圧回転体の軸部を回転可能に保持する軸受と、
前記加圧回転体が前記定着回転体に対して接離する方向に移動できるように前記軸受を保持する筐体と、
前記筐体において支軸を中心に回動可能に設置されて、前記軸受に当接するレバー部材と、
前記加圧回転体が前記定着回転体に圧接するように前記レバー部材を付勢する付勢部材と、
前記加圧回転体の軸部に設置されて、前記加圧回転体とともに回転するギアと、
前記ギアに噛合するアイドラギアを回転可能に保持するスタッドを具備して、前記レバー部材の回動と連動して前記筐体において回転中心軸を中心に回動する回動部材と、
を備え、
前記回動部材は、前記レバー部材に当接することを特徴とする定着装置。 - 前記加圧回転体が回転駆動されるときに前記ギアに作用する力によって、前記加圧回転体が前記定着回転体に対して当接する方向に移動するように構成され、
前記回動部材は、
前記筐体において前記回転中心軸を中心に回動可能に保持されて、
前記加圧回転体が回転駆動されるときに前記アイドラギアを介して前記スタッドに作用する力によって、前記加圧回転体が前記定着回転体に対して離間する方向に前記レバー部材とともに回動することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記加圧回転体が回転駆動されるときに前記ギアに作用する力によって、前記加圧回転体が前記定着回転体に対して離間する方向に移動するように構成され、
前記回動部材は、
前記筐体において前記回転中心軸を中心に回動可能に保持されて、
前記加圧回転体が回転駆動されるときに前記アイドラギアを介して前記スタッドに作用する力によって、前記加圧回転体が前記定着回転体に対して当接する方向に前記レバー部材とともに回動することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記回動部材は、前記レバー部材が前記軸受に当接する位置よりも前記支軸に対して遠い位置で前記レバー部材に当接することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記回動部材は、前記レバー部材が前記軸受に当接する位置よりも前記支軸に対して近い位置で前記レバー部材に当接することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記アイドラギアに噛合して駆動を伝達する第2アイドラギアが前記回転中心軸に設置されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着回転体は、定着ベルトであって、
前記加圧回転体は、加圧ローラであって、
前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接して前記ニップ部を形成するニップ部形成部材を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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