JP6812891B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シートの表面に担持されたトナー像を加熱して定着させる定着装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される定着装置において、ウォームアップ時などに定着ベルトとニップ部形成部材(ニップ形成部材)とが摺動する部分に介在された潤滑剤が充分に温められない状態になり、潤滑剤の粘性が高くなり装置の駆動トルクが大きくなる不具合が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
詳しくは、特許文献1、2の定着装置は、定着ベルト、加圧ローラ、定着ベルトを介して加圧ローラに圧接してニップ部を形成するために定着ベルトの内側に設置されたニップ部形成部材、定着ベルトの内周面に対向するように設置されたヒータ(加熱手段)、等で構成されている。また、ニップ部形成部材には、定着ベルトとの摩擦抵抗を低下させるために、定着ベルトに摺接する部分に潤滑剤が直接的に塗布されたり、潤滑剤が含浸されたシート状部材が覆設されたりしている。
そして、駆動手段によって加圧ローラが回転駆動されて、ニップ部における加圧ローラとの摩擦抵抗によって、定着ベルトも加圧ローラの回転にともない従動回転(連れ回り)することになる。
そして、ヒータによって定着ベルトが直接的に加熱されて、ニップ部に向けて搬送されるシート上のトナー像が、ニップ部にて熱と圧力とを受けてシート上に定着されることになる。
一方、特許文献1には、上述した駆動トルクが大きくなる不具合を防止することを目的として、ウォーミングアップ時にニップ部におけるニップ圧が通常時よりも低くなるように、圧接力調整機構によって、加圧ローラを回転可能に保持するフレームを定着ベルトから離れる方向に移動させて、その状態で加圧ローラを回転させながら定着ベルトを従動回転させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、上述した駆動トルクが大きくなる不具合を防止することを目的として、ウォーミングアップ時に定着ベルトをヒータ(加熱手段)によって加熱して、潤滑剤の粘性が低くなるように潤滑剤を温める技術が開示されている。
上述した特許文献1の定着装置は、ニップ部におけるニップ圧が低い状態で、ニップ部における加圧ローラとの摩擦抵抗によって定着ベルトを従動回転させようとしているため、装置の駆動トルクは低下するものの、定着ベルトの従動回転が不充分かつ不安定になってしまっていた。そのため、ヒータ(加熱手段)によって加熱される定着ベルトにおいて、周方向の一部が局所的に昇温してしまったり、周方向の加熱ムラが生じてしまったりしていた。
また、上述した特許文献2の定着装置は、ヒータ(加熱手段)によって加熱された定着ベルトの熱が、ニップ部の位置に介在される潤滑剤に充分に伝わらずに、潤滑剤の粘性が充分に低くならなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、潤滑剤の粘性が高くなる状態であっても、その潤滑剤の粘性を充分に低くするとともに、装置の駆動トルクがそれほど大きくなることなく、加圧ローラの回転駆動にともない定着ベルトが充分に安定的に従動回転する、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明における定着装置は、駆動手段によって所定方向に回転駆動される中空状の加圧ローラと、加熱手段によって加熱されて、前記加圧ローラの回転にともない従動回転する定着ベルトと、前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記加圧ローラの内部において前記ニップ部に対向するように設置された赤外線ヒータと、前記加圧ローラの内部において前記赤外線ヒータを介して前記ニップ部に対向するように設置されて、前記赤外線ヒータから射出された赤外線を前記ニップ部に向けて反射する反射部材と、を備え、前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在されたものである。
本発明によれば、潤滑剤の粘性が高くなる状態であっても、その潤滑剤の粘性を充分に低くするとともに、装置の駆動トルクがそれほど大きくなることなく、加圧ローラの回転駆動にともない定着ベルトが充分に安定的に従動回転する、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置を示す構成図である。 定着装置を幅方向にみた側面図である。 ニップ部の近傍を示す拡大図である。 定着ベルトとガイド部材とを幅方向に示す概略図である。 加圧ローラを示す断面図である。 プレヒートモードが実行されるときの、定着装置における制御を示すタイミングチャートである。 プレヒートモードが実行されないときの、定着装置における制御を示すタイミングチャートである。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部、等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、モータによって図1の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像部76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78の表面に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送されたシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98(タイミングローラ対)等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙部12には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である)。
その後、シートPは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図8にて、画像形成装置本体1に設置される、定着装置20の構成・動作について詳述する。
定着装置20は、シートP(未定着状態のトナーが担持されたシートである。)を加熱しながら搬送する装置である。
図2〜図4等を参照して、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、ニップ部形成部材26、補強部材23、加熱手段(第1加熱手段)としてのヒータ25(熱源)、反射板27(第1反射板)、加圧ローラ31、温度検知手段としての温度検知センサ40、シート状部材22(潤滑剤供給部材)、第2加熱手段としての赤外線ヒータ35、反射部材36(第2反射板)、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、加圧ローラ31に外接して、加圧ローラ31の回転にともない従動回転する無端状のベルト部材である。ベルト部材としての定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2の矢印方向(反時計方向)に回転(従動回転)する。定着ベルト21は、内周面(ニップ部形成部材26との摺接面である。)側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、シートP上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が5〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルフォン)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
定着ベルト21の内側(内周面側)には、ニップ部形成部材26、ヒータ25(加熱手段)、補強部材23、シート状部材22、反射板27、等が設置されている。
ここで、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内側(内周面側)において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して、シートPが搬送されるニップ部を形成している。すなわち、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内周面に摺接するように設置されている。そして、ニップ部形成部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、シートPが搬送されるニップ部が形成される。
そして、定着ベルト21は、その内部に設置されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱により直接的に加熱される。すなわち、加熱手段(第1加熱手段)としてのヒータ25は、シートPを加熱するために定着ベルト21を加熱するものである。ヒータ25(加熱手段)は、ニップ部とは異なる定着ベルト21の周方向の領域を加熱領域として加熱するように構成されている。
詳しくは、加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又は、カーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、制御部60により出力制御されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱によって、定着ベルト21においてニップとは異なる加熱領域(ヒータ25に対向する領域である。)が主として加熱される。さらに、加熱された定着ベルト21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーモパイル、サーミスタ等の温度検知センサ40(温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内周面側に2本のヒータ25(加熱手段)を設置したが、定着ベルト21の内周面側に1本又は3本以上のヒータを設置することもできる。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、定着ベルト21が周方向の比較的広い範囲にわたって加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
特に、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21がヒータ25(加熱手段)によって直接的に加熱されるように構成されているため、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上するとともに、定着装置20をさらに低コスト化・小型化することができる。
図5を参照して、ガイド部材29は、定着ベルト21の略筒状の姿勢が保持されるように定着ベルト21の幅方向両端部を内周面側からそれぞれガイドするものである。
詳しくは、2つのガイド部材29は、耐熱性樹脂材料等で形成されていて、定着装置20の幅方向両端部の側板43にそれぞれ嵌め込まれている。ガイド部材29には、定着ベルト21の略円筒の姿勢を維持しながら定着ベルト21を保持するためのガイド部29aや、定着ベルト21の幅方向の移動(ベルト寄り)を規制するためのストッパ部、等が設けられている。
なお、ガイド部材29は、ニップ部形成部材26によるニップ部の形成を妨げないように、ニップ部を除く周方向の範囲であって、幅方向両端に配置されている。
なお、本実施の形態において、定着ベルト21の内周面に接触する部材は、幅方向両端でルーズに接触するガイド部材29と、ニップ部形成部材26(実際にはシート状部材22を介している。)と、のみであって、それ以外に内周面に接触して定着ベルト21の回転をガイドするような部材(ベルトガイド)は存在しない。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21のさらなる加熱効率の向上や装置の低コスト化・小型化等を目的として、パイプ状の加熱部材を取り外して、パイプ状の加熱部材を介することなく定着ベルト21を加熱手段(ヒータ25)によって直接的に加熱する構成を採用している。
ここで、本実施の形態では、ニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31のローラ部に当接するように、補強部材23が定着ベルト21の内側に設置されている。補強部材23は、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の強度を補強するものである。
図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さがニップ部形成部材26よりも長くなるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持されている。
そして、補強部材23がニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部においてニップ部形成部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
なお、本実施の形態では、補強部材23とヒータ25との間に、反射板27が固設されている。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱であって、赤外線である。)が反射板27で反射されて定着ベルト21の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上することになる。なお、反射板の材料としては、アルミニウムやステンレス等を用いることができる。
なお、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、鏡面処理を施したり断熱部材を設けたりした場合であっても、同じような効果を得ることができる。
図2を参照して、加圧ローラ31は、芯金32(軸部)上に弾性層33が設けられたものであって、駆動手段としての駆動モータ61によって所定方向(図2の時計方向である。)に回転駆動されるものである。
加圧ローラ31の芯金32は、金属材料で形成された中空構造体である。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には駆動モータ61の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転可能に支持されている。
加圧ローラ31の弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、ニップ部形成部材26に生じる負荷を軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
なお、本実施の形態では、加圧ローラ31の内部に、赤外線ヒータ35と反射部材36とが設けられているが、これについては後で詳しく説明する。
図4を参照して、定着ベルト21の内周面に摺接するニップ部形成部材26は、加圧ローラ31との対向面(摺接面)が、加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、シートPは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後のシートPが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態では、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、ニップ部形成部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状がシートPの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21とシートPとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出されたシートPを定着ベルト21から容易に分離することができる。
なお、ニップ部形成部材26を形成する材料としては、樹脂材料や金属材料を用いることができるが、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがない程度の剛性があり、熱性と断熱性とを有する樹脂材料(液晶ポリマー(LCP)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等である。)が好適である。本実施の形態では、ニップ部形成部材26の材料として、液晶ポリマー(LCP)を用いている。
また、図4を参照して、ニップ部形成部材26には、定着ベルト21との摺動抵抗を減ずるために、PTFE等の低摩擦材料からなるシート状部材22が覆設されている。詳しくは、シート状部材22は、ニップ部の位置でニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に幅方向のほぼ全域にわたって介在されるように、ニップ部形成部材26の周囲(図4に示すような断面でみたニップ部形成部材26の周囲である。)の一部又は全部を覆うように設置されている。また、本実施の形態におけるシート状部材22は、潤滑剤が含浸された繊維材料(PTFE等のフッ素樹脂からなる布部材である。)で形成されている。これにより、ニップ部形成部材26と定着ベルト21とが当接する面に潤滑剤が保持された状態になる。したがって、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との摺接によって双方の部材21、26が磨耗する不具合が軽減される。
なお、シート状部材22に含浸される潤滑剤としては、フッ素グリス、シリコーングリス、シリコーンオイル等を用いることができる。本実施の形態では、シート状部材22に含浸される潤滑剤として、特に耐摩耗性に優れるフッ素グリスを用いている。
このように、本実施の形態では、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に、潤滑剤が含浸されたシート状部材22を設けているために、定着ベルト21がニップ部形成部材26に対して間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在されていることになる。これに対して、潤滑剤が含浸されたシート状部材を設置せずに、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に潤滑剤を直接的に塗布することにより、定着ベルト21がニップ部形成部材26に対して直接的に摺接する部分に潤滑剤を介在させても良い。
以下、上述のように構成された定着装置20の通常時の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、ニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動回転(連れ回り)する。
その後、給紙部12からシートPが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、シートP上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、ガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強されたニップ部形成部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出されたシートPは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、本実施の形態における定着装置20において、特徴的な構成・動作について、詳しく説明する。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における定着装置20には、加圧ローラ31や定着ベルト21やニップ部形成部材26などの部材が設置されている。
加圧ローラ31は、駆動手段としての駆動モータ61によって所定方向(図2の時計方向である。)に回転駆動される中空状のローラ部材である。
定着ベルト21は、加熱手段としてのヒータ25(第1ヒータ)によって加熱されて、加圧ローラ31の回転にともない従動回転する無端状ベルトである。
ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内側において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して、シートPが搬送されるニップ部を形成する剛体である。
また、定着ベルト21がニップ部形成部材26に対してシート状部材22を介して間接的に摺接する部分には、潤滑剤が介在されている。具体的に、本実施の形態では、ニップ部形成部材26に覆設されたシート状部材22に潤滑剤としてのフッ素グリスが含浸されている。
ここで、図2に示すように、本実施の形態における定着装置20には、中空状の加圧ローラ31の内部に、第2加熱手段としての赤外線ヒータ35(第2ヒータ)と、反射部材36(第2反射板)と、が設けられている。
赤外線ヒータ35は、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどの棒状ヒータであって、加圧ローラ31の内部においてニップ部に対向するように設置されている。この赤外線ヒータ35は、定着装置20が駆動停止した状態であるとき(特に、駆動開始される直前のタイミングである。)に、加圧ローラ31の内部から芯金32や弾性層33を介してニップ部を加熱して、ニップ部の位置にある潤滑剤を温めるためのものである。
また、反射部材36は、加圧ローラ31の内部において赤外線ヒータ35を介してニップ部に対向するように設置されている。この反射部材36は、赤外線ヒータ35から射出された赤外線(赤外線光)をニップ部に向けて反射するものである。すなわち、赤外線ヒータ35から射出された赤外線(熱)は、そのままニップ部に向けて進行するものの他に、それとは異なる方向に進行した後に反射部材36で反射されてニップ部に向けて進行するものがあることになる。そのため、加圧ローラ31の内部から芯金32や弾性層33を介してニップ部を効率的に加熱して、ニップ部の位置にある潤滑剤を充分に温めることができる。
このように定着装置20が駆動停止した状態であるとき(特に、駆動開始される直前のタイミングである。)に、ニップ部の位置にある潤滑剤を温めるのは、定着ベルト21とニップ部形成部材26(シート状部材22)とが摺動する部分に介在された潤滑剤が充分に温められておらず粘性が高くなった状態で、通常のニップ部を形成したままで定着装置20を駆動開始してしまうと、潤滑剤が潤滑剤として機能せずに、定着装置20(駆動モータ61)の駆動トルクがかえって大きくなってしまったり、定着ベルト21がスリップして従動回転しなかったりするためである。このような問題は、定着装置20の駆動が停止されてからの時間(停止時間)が長くなるほど、潤滑剤の温度が低下して粘性が高くなりやすくなるため、顕著になる。
そして、定着装置20が駆動停止した状態であるときには、定着ベルト21の内部に設置されたヒータ25を点灯しても、定着ベルト21の一部(ヒータ25に対向する部分である。)が局所的に加熱されるだけで、ニップ部の位置にある潤滑剤を温めることはほとんどできない。
これに対して、本実施の形態では、定着装置20が駆動停止した状態であっても、赤外線ヒータ35によって加圧ローラ31の内部からニップ部を加熱しているため、ニップ部の位置にある潤滑剤を充分に温めることができる。そのため、ニップ部の位置に介在される潤滑剤の粘性が充分に低下した状態で、定着装置20の駆動が開始されることになり、駆動開始直後に定着装置20(駆動モータ61)の駆動トルクが大きくなる不具合や、定着ベルト21の回転不良が生じにくくなる。また、定着装置20の駆動が開始されるときには、ニップ部の圧力が減ぜられることなく、通常のニップ部が形成された状態であるため、加圧ローラ31の回転駆動にともない定着ベルト21が充分に安定的に従動回転することになる。
なお、赤外線ヒータ35の加熱温度は、その熱によって定着ベルト21が停止状態で加熱されても熱的劣化が生じない程度の温度であって、潤滑剤を温めるのに充分な温度である。
ここで、図2に示すように、本実施の形態において、赤外線ヒータ35は、加圧ローラ31の内側において回転中心よりもニップ部に近い位置に配置されている。これにより、赤外線ヒータ35の熱がニップ部に達しやすくなり、ニップ部の位置にある潤滑剤を効率的に温めることができる。
また、反射部材36は、金属材料からなる板状部材(板金)であって、曲げ加工を施して略V字状に形成したものである。これにより、赤外線ヒータ35から射出された赤外線をニップ部に向けて反射する反射面が形成された反射部材36を、比較的低いコストで製造することができる。なお、反射部材36の材料としては、光反射性に優れた光輝アルミニウム合金などが好ましい。
先に説明したように、加圧ローラ31は、芯金32上に弾性層33が設けられたものである。
図6に示すように、本実施の形態では、加圧ローラ31の芯金32が、大径の胴部32aと、小径のジャーナル部32bと、で構成されている。芯金32の胴部32a上には弾性層33が形成されていて、この部分が定着ベルト21との間にニップ部を形成することになる。ジャーナル部32bは、図3に示す軸受42やギア45が設置される部分であって、胴部32aに圧入されている。胴部32aとジャーナル部32bとは、いずれも中空構造体であって、同径の中空部に赤外線ヒータ35や反射部材36が設置されることになる。
ここで、本実施の形態では、芯金32の胴部32aは、赤外線ヒータ35の熱を効率的にニップ部に伝えるために、アルミニウムなどの熱伝導性が高く低熱容量の材料で形成されている。また、胴部32aは、その機械的強度の許す範囲で、なるべく薄い肉厚で形成されている。
これに対して、芯金32のジャーナル部32bは、軸受42との摺接による削れを防止するために、ステンレス鋼などの耐摩耗性が高い材料で形成されている。すなわち、本実施の形態では、胴部32aとジャーナル部32bとを、それぞれの役割に応じて、それぞれ異なる材料で形成している。
また、本実施の形態において、加圧ローラ31は、赤外線ヒータ35に対向する内周面が黒色に形成されている。詳しくは、図6にて一点鎖線で示す胴部32aの内周面に、耐熱性のあるフッ素樹脂系塗料やシリコン系塗料などによる黒色塗装が施されている。
これにより、赤外線ヒータ35の熱を効率的にニップ部に伝えることができる。
ここで、本実施の形態では、駆動モータ61(駆動手段)による加圧ローラ31の回転駆動(定着装置20の駆動)が開始される前のタイミングで、加圧ローラ31に内設された赤外線ヒータ35を点灯させる「制御モード」が実行される。この制御モードは、先に説明したように駆動開始する前にニップ部にある潤滑剤を温めるためにおこなう制御であって、以下、適宜に「プレヒートモード」と呼ぶ。
図7に示すように、「プレヒートモード(制御モード)」は、装置本体1の主電源がオンされた後や、待機モードや省エネモードが終了した後であって、定着工程をおこなうために駆動モータ61が駆動開始(オン)される直前のタイミングで実行される。
具体的に、図2を参照して、赤外線ヒータ35は、制御部60による制御によって、電源部50から所定のタイミングで電圧が印加されて、所定時間点灯されることになる。こうして、定着装置20が駆動開始される直前に、シート状部材22に含浸された潤滑剤が充分に温められることになる。
さらに詳しくは、図7に示すように、赤外線ヒータ35(加圧ローラ・ヒータ)は、駆動モータ61によって加圧ローラ31の回転駆動と定着ベルト21の従動回転とが開始される前に、駆動モータ61の駆動を停止した状態で、ニップ部(潤滑剤)のプレヒートを所定時間おこなっている。
すなわち、ウォーミングアップ時において、加圧ローラ31の回転駆動にともない定着ベルト21の従動回転がおこなわれる前に、加圧ローラ31や定着ベルト21が回転停止した状態で、赤外線ヒータ35によるプレヒートがおこなわれる。
なお、図7に示すように、本実施の形態では、ニップ部にシートPが送入される前(実際に定着工程がおこなわれる前である。)から予めヒータ25(加熱手段)によって定着ベルト21を加熱しながら駆動モータ61(駆動手段)による加圧ローラ31の回転駆動をおこなうように制御している。
すなわち、定着工程(シートを加熱しながら搬送する工程である。)が開始される前に、ウォーミングアップ動作に含まれる動作として、温度検知センサ40によって検知される温度が所定値に達するようにヒータ25(加熱手段)を出力制御しながら、駆動モータ61によって加圧ローラ31や定着ベルト21を回転させている。このような定着工程の直前に定着装置20を駆動する動作を「プレ駆動」と呼ぶ。
このように「プレ駆動」をおこなうことにより、定着工程前に定着ベルト21の表面温度(定着温度)を周方向にわたって均一化することができるとともに、定着ベルト21とニップ部形成部材26(シート状部材22)との間に介在される潤滑剤を、定着ベルト21の熱によって、さらに温めて低粘度化することができる。
ここで、本実施の形態において、「プレヒートモード(制御モード)」は、定着装置20が新品であるときからの累積稼働時間(又は、累積走行距離、累積通紙枚数)が所定値Aに達するまでは実行されないようにすることもできる。
すなわち、累積稼働時間(又は、累積走行距離、累積通紙枚数)が所定値Aに達するまでは、図8に示すように、定着装置20の駆動が開始される前であっても、赤外線ヒータ35(加圧ローラ・ヒータ)によるプレヒートはおこなわない。そして、累積稼働時間(又は、累積走行距離、累積通紙枚数)が所定値Aに達してからは、図7に示すように、定着装置20の駆動が開始される前に、赤外線ヒータ35(加圧ローラ・ヒータ)によるプレヒートがおこなわれる。
このような制御をおこなうのは、潤滑剤の粘性は経時になるほど高くなるためであって、定着装置20(潤滑剤)が新品状態から暫くの間は、赤外線ヒータ35によるプレヒートをおこなわなくても、プレ駆動時のヒータ25(定着ベルト・ヒータ)による加熱でも潤滑剤の粘度が充分に低くなる。このような制御をおこなうことにより、潤滑剤の粘性の程度に応じて、赤外線ヒータ35(第2加熱手段)によるプレヒートを効率的におこなうことができる。
また、定着装置20が新品状態から暫くの間は、定着ベルト21の表面が比較的粗い状態であるとともに、加圧ローラ31の弾性層33のへたりも生じていないため、定着ベルト21のスリップも生じにくくなっている。そのため、このような制御をおこなっても、新品時から経時にかけて定着ベルト21のスリップが生じないことになる。
なお、定着装置20が新品であるときからの累積稼働時間(又は、累積通紙枚数)は、図2に示すタイマー64(又は、カウンタ63)によって検知される。また、定着装置20が新品であるときからの累積走行距離は、図2に示すタイマー64の検知結果(累積稼働時間)に基いて間接的に検知される。そして、タイマー64(又は、カウンタ63)による検知結果に基いて、制御部60により赤外線ヒータ35の電源部50が制御されることになる。
なお、潤滑剤の粘度が高い状態のときには、定着装置20(駆動モータ61)の駆動トルクも大きくなるため、トルク検知部62(図2を参照できる。)によって駆動モータ61の駆動トルクをモータ電流の変化から検知して、駆動トルクが所定値を超えた場合にのみ「プレヒートモード(制御モード)」をおこなうように制御することもできる。そのような制御をおこなう場合には、駆動トルクを検知するために定着装置20を駆動する必要があるが、その駆動時間は僅かなもので足りるため、駆動トルクが大きな状態で定着装置20を駆動することによる影響は少ない。
また、本実施の形態において、「プレヒートモード(制御モード)」の実行の有無を任意に設定できるように構成することもできる。
具体的に、サービスマン(又は、ユーザー)は、画像形成装置本体1の外装部に設置された操作パネル110(図2を参照できる。)を操作して、定着装置20が駆動開始される直前にプレヒートモード(制御モード)を実行するか否かを選択することができる。そして、プレヒートモードを実行するように設定した場合には、図7に示すように、定着装置20が駆動開始される直前にプレヒートモードが実行されることになる。これに対して、プレヒートモードを実行しないように設定した場合には、図8に示すように、プレヒートモードは実行されないことになる。
このように構成した場合には、予期せぬ原因で潤滑剤の粘度が上昇して、駆動トルクの増加や定着ベルト21のスリップが生じてしまうような場合であっても、操作パネル110の操作によってプレヒートモードを実行することができる。
以上説明したように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21の内側において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接してシートPが搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材26が設けられている。定着ベルト21がニップ部形成部材26に対して直接的又は間接的に摺接する部分には、潤滑剤が介在されている。そして、加圧ローラ31の内部には、ニップ部に対向するように設置された赤外線ヒータ35と、赤外線ヒータ35を介してニップ部に対向するように設置されて赤外線ヒータ35から射出された赤外線をニップ部に向けて反射する反射部材36と、が設けられている。
これにより、潤滑剤の粘性が高くなる状態であっても、その潤滑剤の粘性を充分に低くするとともに、定着装置20の駆動トルクがそれほど大きくなることなく、加圧ローラ31の回転駆動にともない定着ベルト21を充分に安定的に従動回転させることができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21を加熱する加熱手段としてヒータ25を用いたが、定着ベルトを加熱する加熱手段はこれに限定されることなく、例えば、加熱手段として電磁誘導コイルを用いることもできるし、加熱手段として抵抗発熱体を用いることもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
なお、本願明細書等において、「幅方向」とは、シートの搬送方向に対して直交する方向であって、定着ベルトや加圧ローラの回転軸方向と同じ方向であるものと定義する。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 シート状部材、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段、第1加熱手段)、
26 ニップ部形成部材(固定部材)、
27 反射板、
29 ガイド部材(フランジ)、
29a ガイド部、
31 加圧ローラ、
32 芯金、
32a 胴部、 32b ジャーナル部、
33 弾性層、
35 赤外線ヒータ(第2加熱手段)、
36 反射部材、
61 駆動モータ(駆動手段)、
P シート(記録媒体)。
特開2004−286933号公報 特開2014−178586号公報

Claims (10)

  1. 駆動手段によって所定方向に回転駆動される中空状の加圧ローラと、
    加熱手段によって加熱されて、前記加圧ローラの回転にともない従動回転する定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    前記加圧ローラの内部において前記ニップ部に対向するように設置された赤外線ヒータと、
    前記加圧ローラの内部において前記赤外線ヒータを介して前記ニップ部に対向するように設置されて、前記赤外線ヒータから射出された赤外線を前記ニップ部に向けて反射する反射部材と、
    を備え、
    前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記赤外線ヒータは、前記加圧ローラの内側において回転中心よりも前記ニップ部に近い位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記駆動手段による前記加圧ローラの回転駆動が開始される前のタイミングで、前記赤外線ヒータを点灯させる制御モードが実行されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記ニップ部にシートが送入される前から予め前記加熱手段によって前記定着ベルトを加熱しながら前記駆動手段による前記加圧ローラの回転駆動をおこなうように制御され、
    前記制御モードは、当該定着装置が新品であるときからの累積稼働時間、累積走行時間、累積通紙枚数のうちの1つが所定値に達するまでは実行されないことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記ニップ部にシートが送入される前から予め前記加熱手段によって前記定着ベルトを加熱しながら前記駆動手段による前記加圧ローラの回転駆動をおこなうように制御され、
    前記制御モードの実行の有無を任意に設定できることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 前記加圧ローラは、胴部とジャーナル部とからなる芯金と、前記芯金の前記胴部上に形成された弾性層と、を具備し、
    前記胴部は、熱伝導性が高い材料で形成されて、
    前記ジャーナル部は、耐摩耗性が高い材料で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記加圧ローラは、前記赤外線ヒータに対向する内周面が黒色に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記反射部材は、金属材料からなる板状部材であって、
    前記潤滑剤は、フッ素グリスであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 前記ニップ部形成部材及び前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに当接するように、前記定着ベルトの内側に設置された補強部材と、
    前記定着ベルトの略筒状の姿勢が保持されるように前記定着ベルトの幅方向両端部をそれぞれガイドするガイド部材と、
    を備え、
    前記加熱手段は、前記ニップ部とは異なる前記定着ベルトの周方向の領域を加熱領域として加熱するように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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