JP6872172B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
そして、駆動手段によって加圧ローラが回転駆動されて、ニップ部における加圧ローラとの摩擦抵抗によって、定着ベルトも加圧ローラの回転にともない従動回転(連れ回り)することになる。
そして、ヒータによって定着ベルトが加熱されて、ニップ部に向けて搬送されるシート上のトナー像が、ニップ部にて熱と圧力とを受けてシート上に定着されることになる。
また、新品の定着装置が使用開始されてから、ある程度の使用期間が経過すると、再び定着装置の駆動トルクが増大してしまう不具合が生じてしまっていた。
そして、そのように定着装置の駆動トルクが一時的にでも増大してしまうと、定着装置自体や定着装置を駆動する駆動機構に破損などのダメージが生じてしまう可能性があった。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
定着装置20は、シートP(未定着状態のトナーが担持されたシートである。)を加熱しながら搬送する装置である。
図2〜図4等を参照して、定着装置20は、定着回転体としての定着ベルト21、ニップ部形成部材26、移動部材としての補強部材23、加熱手段(加熱源)としてのヒータ25、反射板27、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度検知センサ40(温度検知手段)、シート状部材22(潤滑剤供給部材)、記憶手段としてのRFID35、等で構成される。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、シートP上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が5〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルフォン)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
ここで、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内側(内周面側)において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して、シートPが搬送されるニップ部を形成している。すなわち、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内周面に摺接するように設置されている。そして、ニップ部形成部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、シートPが搬送されるニップ部が形成される。
なお、図2、図3等を参照して、ニップ部形成部材26は、補強部材23にネジ締結などによって接合されている。そして、ニップ部形成部材26は、補強部材23とともに、カム機構50(ニップ圧可変機構)によって図2の黒両矢印方向に移動可能に構成されているが、これについては後で詳しく説明する。
詳しくは、加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又は、カーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、制御部60により出力制御されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱によって、定着ベルト21においてニップとは異なる加熱領域(ヒータ25に対向する領域である。)が主として加熱される。さらに、加熱された定着ベルト21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーモパイル、サーミスタ等の温度検知センサ40(温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内周面側に2本のヒータ25(加熱手段)を設置したが、定着ベルト21の内周面側に1本又は3本以上のヒータを設置することもできる。
特に、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21がヒータ25(加熱手段)によって直接的に加熱されるように構成されているため、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上するとともに、定着装置20をさらに低コスト化・小型化することができる。
詳しくは、2つのガイド部材29は、耐熱性樹脂材料等で形成されていて、定着装置20の幅方向両端部の側板43にそれぞれ嵌め込まれている。ガイド部材29には、定着ベルト21の略円筒の姿勢を維持しながら定着ベルト21を保持するためのガイド部29aや、定着ベルト21の幅方向の移動(ベルト寄り)を規制するためのストッパ部、等が設けられている。
なお、ガイド部材29は、ニップ部形成部材26によるニップ部の形成を妨げないように、ニップ部を除く周方向の範囲であって、幅方向両端に配置されている。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21のさらなる加熱効率の向上や装置の低コスト化・小型化等を目的として、パイプ状の加熱部材を取り外して、パイプ状の加熱部材を介することなく定着ベルト21を加熱手段(ヒータ25)によって直接的に加熱する構成を採用している。
図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さがニップ部形成部材26よりも長くなるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に図3の上下方向(図2の左右方向である。)に移動可能に保持されている。
そして、補強部材23がニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部においてニップ部形成部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
なお、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、鏡面処理を施したり断熱部材を設けたりした場合であっても、同じような効果を得ることができる。
加圧ローラ31の芯金32は、金属材料で形成された中空構造体である。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には駆動モータ61の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転可能に支持されている。
なお、本実施の形態では、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、ニップ部形成部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状がシートPの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21とシートPとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出されたシートPを定着ベルト21から容易に分離することができる。
なお、シート状部材22に含浸される潤滑剤としては、フッ素グリス、シリコーングリス等のグリスや、シリコーンオイル等のオイル、などを用いることができる。
なお、本実施の形態における定着装置20には、その他に、記憶手段としてのRFID35も設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、ニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動回転(連れ回り)する。
その後、給紙部12からシートPが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、シートP上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、ガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強されたニップ部形成部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出されたシートPは、矢印Y11方向に搬送される。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21(定着回転体)と加圧ローラ31(加圧回転体)とが圧接してシートPが搬送されるニップ部を形成するように構成されたものである。
本実施の形態において、定着装置20は、画像形成装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に設置されるものである。詳しくは、図1に示すように、画像形成装置本体1の開閉カバー110が支軸110aを中心に矢印方向に回動されると、画像形成装置本体1において定着装置20が露呈した状態になる。そして、その状態で、定着装置20が図1の白矢印方向に着脱されて、定着装置20が新品のものに交換されたり、定着装置20がメンテナンスされたりすることになる。
図3に示すように、カム機構50は、カム51の回転方向の姿勢を可変することで加圧ローラ31に対してニップ部形成部材26を接離する方向(図3の上下方向である。)に移動させてニップ圧を可変するニップ圧可変機構として機能するものである。特に、本実施の形態におけるカム機構50は、移動部材としての補強部材23に当接して補強部材23とともにニップ部形成部材26をも上述した接離する方向(接離方向)に移動させるように構成されている。
なお、本実施の形態において、カム51は樹脂材料で形成されている。
これに対して、制御部60によるカムモータの制御によって、カム51が図3(B)に示す位置(補強部材23を押動する位置である。)に回動しているときには、圧縮スプリング52の付勢力に抗するように補強部材23がニップ部形成部材26とともに離間方向に押動される。これにより、ニップ部におけるニップ圧が減圧されることになる。なお、本実施の形態では、このようなカム機構50の動作により、ニップ部形成部材26が定着ベルト21から完全に離間して、ニップ部を形成せず、ニップ圧がゼロになるように構成されている。そして、このような状態(図3(B)、図4(B)の状態である。)で、次に述べるように「エイジングモード」や「調整モード」が開始されることになる。
また、新品の定着装置20の使用が開始されてから、定着装置20の累積走行距離(又は、累積駆動時間)が所定値Xに達するごとに、非画像形成時のタイミングで、カム機構50によってニップ圧を可変して定着装置20を空駆動する「調整モード(コンディションモード)」が実行される。具体的に、調整モード時には、ニップ圧がゼロに減圧された状態で、ヒータ25をオン状態にしたまま、定着装置20を正方向(図4に示す回転方向である。)に空駆動することになる。
特に、本実施の形態において、「エイジングモード」と「調整モード」とは、実行されるタイミングを除いて、互いに同じ条件で定着装置20を空駆動するものである。
このように、定着装置20自体に記憶手段としてのRFID35を設置することで、定着装置20が他の画像形成装置1に装着されたり、画像形成装置1に一時的に別の定着装置20が装着されたりしても、定着装置20自体の種々の状態を管理することが可能になる。
また、定着装置20に関する情報を記憶する記憶手段として不揮発メモリを用いることで、記憶手段への給電が遮断された状態になっても記憶した情報が消去されることがないため、情報を安定的に管理することができる。また、記憶手段としてRFIDを用いることで、装置本体1への定着装置20の着脱動作にともない記憶手段が装置本体側に接触しにくくなり記憶手段の破損を防止することができるとともに、接続子が不要になり装置をコンパクト化することができる。
なお、RFID35に記憶される累積走行距離(又は、累積駆動時間)は、装置本体1におけるタイマー64(又は、カウンタ)によって検知される時間に基いて求められて、制御部60によるリーダライタ65の制御によって時々刻々と書き換えられるものである。RFID35に記憶される累積走行距離(又は、累積駆動時間)は、画像形成装置1において新品の定着装置20の使用が開始されるとゼロから情報が書き換えられて、所定値Xに達して「調整モード」が実行された後に、ゼロにリセットされることになる。
なお、ニップ部が形成されていない状態での定着ベルト21の連れ回り性を向上させるために、ガイド部材29と定着ベルト21との摺動抵抗が低くなるように構成することが好ましい。具体的には、ガイド部材29のガイド部29aの表面粗さを粗く設定したり、ガイド部29aの接触面積を小さく設定したり、することが好ましい。
そして、リーダライタ65によってRFID35に記憶された駆動トルクに関する情報が読み取られて、その駆動トルクが閾値Wに達したことが制御部60によって認識されたときに、「調整モード」が実行されるとともに、調整モードが実行された履歴に関する情報がカウントアップされる。
このように構成した場合には、定着装置20(駆動モータ61)の駆動トルクが経時で増大する不具合がさらに軽減されることになる。
そして、カム機構50の累積使用時間が所定時間Tに達したときに、複数の当接位置A1〜A3のうち、それまでに使用されていない当接位置を補強部材23(移動部材)に当接させて通常の定着工程がおこなわれるように、カム機構50の回転方向の姿勢が制御される。
このような制御をおこなうのは、カム機構50がある程度使い込まれていくと、補強部材23との摺接によってカム51の表面(当接位置)が摩耗して、カム51の中心軸51aから当接位置までの距離が短くなってしまい、所望のニップ圧が得られなくなってしまうためである。
そして、カム機構50の累積使用時間がさらに所定時間Tに達すると、定着工程時において、図6(C)に示すように、3つの当接位置A1〜A3のうち、それまでに使用されていない第3当接位置A3が補強部材23に当接するように、カム機構50のカムモータが制御される。
このような制御をおこなうことで、経時においても、ニップ部におけるニップ圧が変化しにくくなって、良好な定着画像を形成することができる。
調整モードが実行されるときには、ニップ圧を減圧するためにカム機構50が一度稼働されるため、調整モードが終了して通常のニップ圧に戻される動作に合わせて当接位置A1〜A3を変更する動作をおこなうことができる。そのため、双方の動作にかかる時間を効率的に利用することができる。
まず、制御部60にプリント指令が入力されると、リーダライタ65によるRFID35の情報の読み取りによって、装置本体1にセットされた定着装置20が新品であるかが判別される(ステップS1)。その結果、定着装置20が新品であるものと判別された場合、エイジングモードが実行されて(ステップS2)、新品情報のフラグがオフされる(ステップS3)。
その後、リーダライタ65によるRFID35の情報の読み取りによって、定着装置20の累積走行距離が所定値X以上であるかがが判別される(ステップS4)。その結果、累積走行距離が所定値X以上であるものと判別された場合、調整モードが実行されて(ステップS5)、累積走行距離がクリアされるとともに調整モードの実行履歴が更新される(ステップS6)。
その後、タイマー64の検知結果に基いて、カム機構50の累積使用時間が所定時間T以上であるかがが判別される(ステップS7)。その結果、累積使用時間が所定時間T以上であるものと判別された場合、カム51の当接位置A1〜A3が変更される(ステップS8)。
そして、プリント動作が開始され(ステップS9)、本フローを終了する。
なお、ステップS1にて、定着装置20が新品でないものと判別された場合には、ステップS4以降のフローがおこなわれる。また、ステップS4にて、定着装置20の累積走行距離が所定値X以上でないものと判別された場合には、ステップS7以降のフローがおこなわれる。さらに、ステップS7にて、カム機構50の累積使用時間が所定時間T以上でないものと判別された場合には、ステップS9以降のフローがおこなわれる。
図8は、変形例としての、エイジングモード時や調整モード時における定着装置の動作を示す図である。
変形例では、「エイジングモード」と「調整モード」とを、それぞれ、ニップ圧と、ヒータ25(加熱手段)による定着ベルト21の加熱温度と、定着ベルト21及び加圧ローラ31を回転させる方向と、を可変しながら20定着装置を空駆動するものとしている。
詳しくは、変形例において、「エイジングモード」や「調整モード」が実行されるとき、図8(A)に示すように、定着工程時と同じニップ圧(通常ニップ圧)で、定着工程時と同じヒータ25の加熱温度(通常加熱温度)で、定着工程時と同じ回転方向(正回転方向)で定着装置20を空駆動する動作と、図8(B)に示すように、定着工程時よりも低いニップ圧で、定着工程時よりも高いヒータ25の加熱温度で、定着工程時とは逆の回転方向(逆回転方向)で定着装置20を空駆動する動作と、が交互に繰り返しおこなわれる。
特に、図8(B)に示すように、カム機構50によってニップ部形成部材26(及び、補強部材23)が離間方向(図8の左方である。)に移動されるときに、ニップ部形成部材26が定着ベルト21の内周面から完全に離間するのではなくて、ニップ部形成部材26の角部が定着ベルト21の内周面に部分的に接触した状態(軽加圧した状態である。)になる。
また、変形例のように「調整モード」を実行することにより、経時において、シート状部材22の上流側に溜まった摩耗粉や、シート状部材22の繊維に入り込んだ摩耗粉が、その部分から絞り出されるように移動することになるため、潤滑剤とともに定着ベルト21の内周面の全域にわたってすばやく分散されることになる。そのため、調整モード後に、ニップ圧を通常時のものに戻して定着工程をおこなっても、定着装置20(駆動モータ61)の駆動トルクが増大する不具合を防止することができる。
なお、ニップ圧と、加熱温度と、回転方向と、の組み合わせは、この変形例のものに限定されることなく、種々の組み合わせが可能である。
これにより、新品の定着装置20の使用が開始されたときに駆動トルクが初期的に増大してしまう不具合や、経時で定着装置20の駆動トルクが増大してしまう不具合が、効率的に抑止される。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着回転体)、
22 シート状部材、
23 補強部材(移動部材)、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 ニップ部形成部材、
29 ガイド部材(フランジ)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
35 RFID(記憶手段)、
40 温度検知センサ(温度検知手段)、
50 カム機構(ニップ圧可変機構)、
51 カム(カム機構)、
52 圧縮スプリング(カム機構)、
61 駆動モータ(駆動手段)、
65 リーダライタ(読取手段)、
A1〜A3 当接位置、
P シート(記録媒体)。
Claims (9)
- 画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されて、定着回転体と加圧回転体とが圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するように構成された定着装置と、
前記定着回転体と前記加圧回転体との前記ニップ部のニップ圧を可変させるニップ圧可変機構と、
を備え、
前記定着装置が新品であることが認識されたときに、非画像形成時のタイミングで、前記ニップ圧を可変して前記定着装置を空駆動するエイジングモードが実行され、
前記定着装置の累積走行距離又は累積駆動時間が所定値に達するごとに、非画像形成時のタイミングで、前記ニップ圧を可変して前記定着装置を空駆動する調整モードが実行され、
前記定着装置は、少なくとも、新品であるか否かに関する情報と、前記累積走行距離又は前記累積駆動時間に関する情報と、前記調整モードが実行された履歴に関する情報と、が記憶された書き換え可能な記憶手段を具備し、
前記画像形成装置本体は、前記記憶手段に記憶された情報を読み取り可能な読取手段を具備し、
前記定着装置が前記画像形成装置本体に装着された状態で前記読取手段によって前記記憶手段に記憶された前記新品であるか否かに関する情報が読み取られて、前記定着装置が新品であることが認識されたときに、前記エイジングモードが実行されるとともに、前記記憶手段に記憶された新品である旨の情報が新品でない旨の情報に書き換えられ、
前記読取手段によって前記記憶手段に記憶された前記累積走行距離又は前記累積駆動時間に関する情報が読み取られて、前記累積走行距離又は前記累積駆動時間が前記所定値に達したことが認識されたときに、前記調整モードが実行されるとともに、前記記憶手段に記憶された前記累積走行距離又は前記累積駆動時間に関する情報がリセットされて、前記調整モードが実行された履歴に関する情報がカウントアップされることを特徴とする画像形成装置。 - 前記記憶手段は、前記定着装置の駆動トルクに関する情報が記憶され、
前記読取手段によって前記記憶手段に記憶された前記駆動トルクに関する情報が読み取られて、前記駆動トルクが閾値に達したことが認識されたときに、前記調整モードが実行されるとともに、前記調整モードが実行された履歴に関する情報がカウントアップされることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記記憶手段は、不揮発メモリ又はRFIDであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記加圧回転体は、駆動手段によって所定方向に回転駆動される加圧ローラであって、
前記定着回転体は、加熱手段によって加熱されて、前記加圧ローラの回転にともない従動回転する定着ベルトであって、
前記定着装置は、前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接して前記ニップ部を形成するニップ部形成部材を具備し、
前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在され、
前記ニップ圧可変機構は、カムの回転方向の姿勢を可変することで前記加圧ローラに対して前記ニップ部形成部材を接離する方向に移動させて前記ニップ圧を可変するカム機構であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記カムは、そのカム面上に、通常の定着工程時における前記ニップ圧を所定の値に設定するために移動部材に当接可能な当接位置が複数形成され、
前記カム機構の累積使用時間が所定時間に達したときに、前記複数の当接位置のうち、それまでに使用されていない当接位置を前記移動部材に当接させて通常の定着工程がおこなわれるように、前記カム機構が制御されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されて、駆動手段によって所定方向に回転駆動される加圧回転体としての加圧ローラと、加熱手段によって加熱されて前記加圧ローラの回転にともない従動回転する定着回転体としての定着ベルトと、が圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するように構成された定着装置と、
前記定着ベルトと前記加圧ローラとの前記ニップ部のニップ圧を可変させるニップ圧可変機構と、
を備え、
前記定着装置が新品であることが認識されたときに、非画像形成時のタイミングで、前記ニップ圧を可変して前記定着装置を空駆動するエイジングモードが実行され、
前記定着装置の累積走行距離又は累積駆動時間が所定値に達するごとに、非画像形成時のタイミングで、前記ニップ圧を可変して前記定着装置を空駆動する調整モードが実行され、
前記定着装置は、前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接して前記ニップ部を形成するニップ部形成部材を具備し、
前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在され、
前記ニップ圧可変機構は、カムの回転方向の姿勢を可変することで前記加圧ローラに対して前記ニップ部形成部材を接離する方向に移動させて前記ニップ圧を可変するカム機構であり、
前記カムは、そのカム面上に、通常の定着工程時における前記ニップ圧を所定の値に設定するために移動部材に当接可能な当接位置が複数形成され、
前記カム機構の累積使用時間が所定時間に達したときに、前記複数の当接位置のうち、それまでに使用されていない当接位置を前記移動部材に当接させて通常の定着工程がおこなわれるように、前記カム機構が制御されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記カム機構の累積使用時間が所定時間に達したときであって、前記調整モードが実行された後に、前記複数の当接位置のうち、それまでに使用されていない当接位置を前記移動部材に当接させて通常の定着工程がおこなわれるように、前記カム機構が制御されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記定着装置は、前記定着回転体を加熱する加熱手段を具備し、
前記エイジングモードと前記調整モードとは、それぞれ、前記ニップ圧と、前記加熱手段による前記定着回転体の加熱温度と、前記定着回転体及び前記加圧回転体を回転させる方向と、を可変しながら前記定着装置を空駆動するものであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記エイジングモードと前記調整モードとは、実行されるタイミングを除いて、互いに同じ条件で前記定着装置を空駆動するものであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
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