JP2014178533A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着画像の画質を低下させることなく、記録媒体の定着部材に対する巻きこみを防止する。
【解決手段】無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面に当接する加圧ローラ31と、定着ベルト21の内周側に配置され、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接してニップを形成するニップ形成部材26と、を備え、加圧ローラ31の回転力により定着ベルト21を従動回転させる定着装置20において、ニップ形成部材26は、記録媒体搬送方向におけるニップ部Nの出口側に、ニップ部側に凸形状部27を有するとともに、該凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触状態が可変する。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。さらに詳述すると、複写機、ファクシミリ、プリンタ、またはそれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に装着される定着装置および画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置として、電子写真方式を利用した画像形成装置が種々考案されており公知技術となっている。その画像形成プロセスは、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により記録媒体(用紙、記録紙、記録材ともいう)に転写して画像を担持させ、圧力や熱等を用いる定着装置によって記録媒体上の未定着トナー像を定着する過程により成立している。
定着装置としては、様々な方式のものが提案されており、所定の温度に維持された定着ローラと、定着ローラに圧接する加圧部材としての加圧ローラとを備え、加圧ローラと定着ローラとの圧接によって形成されたニップ部(定着ニップ部)により、未定着トナー像を担持した記録媒体を挟持搬送しつつ加熱し、定着させるローラ定着方式が知られている。
また、加圧ローラに対向配置される定着ローラと、定着ローラと加熱ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトとを備え、加圧ローラと定着ベルトとの圧接によって形成されたニップ部にて、定着ベルトを介して加熱ローラの熱を転写材に与えることで、未定着トナー像を記録媒体に加圧し、定着させるベルト定着方式が知られている(例えば、特許文献1)。また、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着方式も知られている。
ベルト定着方式の定着装置では、近年、さらなるウォームアップ時間(電源投入時など常温状態から印刷可能な所定の温度までに要する時間をいう)や、ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間をいう)の短縮化が望まれている(課題(1))。
また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足すること(温度落ち込み、という)が問題となっている(課題(2))。
上記の課題(1)を解決するために、例えば、特許文献2のようなフィルム加熱方式の加熱装置(定着装置)が提案されている。このフィルム加熱方式では、ベルト定着方式の定着装置に比べ、低熱容量化、小型化が可能となるが、ニップ部のみを局所加熱しているため、その他の部分では加熱されておらず、ニップ部への記録媒体の入口側においてフィルムは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。特に、高速機においては、フィルムの回転が速く、ニップ部以外でのフィルムの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという問題があった(課題(3))。
以上のような課題(1)〜(3)を解決するために、特許文献3には、無端ベルトを用いる構成において、そのベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ、高速回転時の熱量不足を解消して、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案されている。
図7は、特許文献3の定着装置の概略構成を示す断面図である。この定着装置では、無端ベルト91の内部にパイプ状の金属熱伝導体92を、無端ベルト91の移動をガイドすることが可能に固定し、金属熱伝導体92内の熱源93により金属熱伝導体92を介して無端ベルト91を加熱している。さらに、無端ベルト91を介して金属熱伝導体92に接してニップ部Nを形成する加圧ローラ94を備え、加圧ローラ94の回転に連れ回りするようにして無端ベルト91を周方向に移動させる。この構成により、定着装置を構成する無端ベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
また、更なる省エネ性およびファーストプリントタイム向上のためには熱効率を更に向上させる必要がある。このような熱効率の更なる向上を図った定着装置として、例えば、特許文献4には、金属熱伝導体を介して無端ベルトを間接的に加熱するのではなく、金属熱伝導体等を介さずに無端ベルトを直接加熱する定着装置が開示されている。
このように、特許文献4の定着装置によれば、無端ベルトを直接加熱するので、伝熱効率を大幅に向上させることができ、消費電力を低減すると共に、加熱待機時からのファーストプリントタイムを更に短縮することが実現できる。また、金属熱伝導体を設けないことによるコストダウンも可能となる。
ところで、上記のような定着装置において、水分量が多く含まれる記録媒体がニップ部を通過すると、この水分の収縮によるバイメタル効果により、記録媒体が定着ベルト側にカールし、記録媒体が定着ベルトに巻きつく可能性が生じるという問題があった。
特許文献3には、図8に示すように、このようなカールの発生を低減するために、ニップ部Nの下流側における記録媒体の搬送経路に凸部95を形成することが開示されている。
特許文献3に記載の定着装置において、ニップ部Nを通過した記録媒体は、凸部95により定着ベルト91と反対方向に曲げられた状態で搬送されるので、ニップ部Nで形成されたカールが矯正される。
しかしながら、特許文献3のように、定着ニップ部が直線的に形成され、金属熱伝導体のニップ部の下流側に凸部が形成されていると、記録媒体の先端部が凸部に到達すると、凸部の直上流側で記録媒体と定着ベルトとの間に隙間が生じやすくなるという問題がある。このように、隙間が生じてしまうと、定着ベルトの熱が記録媒体に伝達せず、トナー画像がユズ肌画像になるなど画質が低下してしまうおそれがあった。
そこで本発明は、定着画像の画質を低下させることなく、記録媒体の定着部材に対する巻きこみを防止することができる定着装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの外周面に当接する加圧部材と、前記定着ベルトの内周側に配置され、前記定着ベルトを介して前記加圧部材に当接してニップを形成するニップ形成部材と、を備え、前記加圧部材の回転力により前記定着ベルトを従動回転させる定着装置において、前記ニップ形成部材は、記録媒体搬送方向における前記ニップ部の出口側に、ニップ部側に凸形状部を有するとともに、該凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態が可変するものである。
本発明によれば、定着画像の画質を低下させることなく、記録媒体の定着部材に対する巻きこみを防止することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。 複数の楔形状の矯正部材がニップ形成部材の長手方向において、所定間隔をおいて配設されている例を示す模式図である。 楔形状の矯正部材がニップ形成部材の長手方向端部に配設されている例を示す模式図である。 ニップ形成部材と支持部材をニップ部の出口側から見た上面図であって、楔形状の矯正部材が、ニップ形成部材の凹部に配置されている例を示す模式図である。 ニップ形成部材と支持部材の側面図であって、矯正部材が支持部材に収容されている例を示す模式図である。 定着装置の従来の構成を示す側面断面図(1)である。 定着装置の従来の構成を示す側面断面図(2)である。
以下、本発明に係る構成を図1から図6に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
(画像形成装置)
[構成]
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるタンデム型カラー複写機の全体構成を説明する概略構成図である。図1を参照して、この画像形成装置の内部構成の概要及び動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタにより構成されている。画像形成装置1は、本体内部の上方にボトル収容部101を有しており、このボトル収容部101には、4つのトナーボトル102Y,102M,102C,102Kが着脱自在に設置されており、これらのトナーボトル102Y,102M,102C,102Kには、対応する各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーがそれぞれ収容されている。
ボトル収容部101の下方には、中間転写ユニット85が配設されている。中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84および中間転写クリーニング部80を有している。また、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78に対向し各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y,4M,4C,4Kを有している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77および図示しない除電部が配設されている。
感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは、円筒状に形成され、図示しない駆動源により回転駆動される。感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの外周面部には感光層が設けられており、露光装置から出射された破線で示す光ビームが感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの外周面にスポット照射されることにより、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの外周面には原稿読取部が読み取った画像情報あるいは端末からネットワークを介して取得した画像情報に応じた静電潜像が書き込まれる。
帯電部75は、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの外周面を一様に帯電するようになっており、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kに対して接触により帯電する接触方式のものが採用されている。
現像部76は、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kにトナーの供給を行い、供給されたトナーが感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの外周面に書き込まれた静電潜像に付着することにより、感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上の静電潜像がトナー像として顕像化させるものであり、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kに対し接触せずにトナーを付着させる非接触方式のものが採用されている。
クリーニング部77は、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの外周面に付着している残留トナーを除去するようになっており、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの外周面にブラシを接触させるブラシ接触方式のものが採用されている。
中間転写ベルト78は、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83およびテンションローラ84によって張架・支持されるとともに、2次転写バックアップローラ82の回転駆動によって図1に示す矢印方向に無端移動される。
中間転写ベルト78は、樹脂フィルム、または、ゴムを基体として形成された無端状ベルトにより構成されており、感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上に形成されたトナー像が転写されるようになっている。また、この中間転写ベルト78に転写されたトナー像が、記録媒体Pに未定着画像として転写される。
各感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは、帯電工程、露光工程、現像工程、1次転写工程、クリーニング工程を含む作像プロセスが実行されるようになっており、各感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上に各色の画像が形成されるようになっている。
1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。また、1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kには、トナーの極性とは逆の極性となる転写バイアスが印加されるようになっている。
[作像プロセス]
次に作像プロセスについて説明する。まず、帯電工程において、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kは、不図示の駆動モータによって図1における時計回りに回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面が一様に帯電される。
そして、露光工程において、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面が、露光部3から発せられたレーザ光の照射位置に達し、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される。
次に、現像工程において、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面が、現像部76との対向位置に達し、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される。
次に、1次転写工程において、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面が、中間転写ベルト78および第1転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される。このとき、感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上には、未転写トナーが僅かに残存する。
次に、クリーニング工程において、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される。
そして、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上の残留電位が除去される。これにより、感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kにおける作像プロセスが終了する。
上記の現像工程を経て各感光体ドラム上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト78上に重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
[転写プロセス]
次に、転写プロセスについて説明する。中間転写ベルト78は、図1の矢印方向に走行することにより、各1次転写バイアスローラ79Y,79M,79C,79Kの1次転写ニップを順次通過する。これにより、感光体ドラム5Y,5M,5C,5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
そして、中間転写ベルト78は、各色のトナー像が重ねて転写された状態で2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。これにより、中間転写ベルト78における転写プロセスが終了する。
[画像形成プロセス]
次に、画像形成プロセスについて説明する。記録媒体Pは、画像形成装置1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して2次転写ニップの位置に搬送される。給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。これにより、画像形成プロセスが完了する。
[制御部]
画像形成装置1は、図示しない本体制御部および操作入力部を備えている。本体制御部は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータにより構成されており、予めROMに記憶されたプログラムを、CPUによって実行するようになっている。
また、本体制御部は、操作入力部および画像形成装置1に設けられた各種センサ類やモータ等と接続されている。本体制御部は、各種センサから入力される検出信号に基づいて、上述した感光体ドラム5Y,5M,5C,5Kを駆動する駆動モータや、加圧ローラ31を回転駆動するための駆動機構などの各モータ類を制御するとともに、ヒータ25に対する通電制御を実行するようになっている。
操作入力部は、画像形成装置1の本体に設けられ、テンキーやプリントスタートキーなどの各種キーおよび各種表示器を有しており、各種キーを介して入力された入力信号を本体制御部に出力するようになっている。
なお、画像形成装置1がFAXトレーを有するようにし、本体制御部は、電話回線を介してFAX信号により画像を表すデータを受信した場合には、定着装置20により画像が定着された記録媒体PをFAXトレーに搬送するようにしてもよい。
(定着装置)
次に、画像形成装置1に設置される定着装置20について説明する。
本実施形態に係る定着装置は、無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面に当接する加圧部材としての加圧ローラ31と、定着ベルト21の内周側に配置され、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接してニップを形成するニップ形成部材26と、を備え、加圧ローラ31の回転力により定着ベルト21を従動回転させる定着装置20において、ニップ形成部材26は、記録媒体搬送方向におけるニップ部Nの出口側に、ニップ部側に凸形状部27を有するとともに、該凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触状態が可変するものである。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、反射部材22、支持部材23、熱源としてのヒータ25、当接部材としてのニップ形成部材26、ニップ形成部材26と支持部材23とを固定する位置決め部材29、加圧部材としての加圧ローラ31および温度センサ30を備えている。
定着装置20は、定着ベルト21を介して圧接されるニップ形成部材26と加圧ローラ31によって形成されるニップ部Nに未定着トナー像を担持した記録媒体Pを通紙して加熱定着を行うものである。
ニップ部Nを通紙した記録媒体Pは、定着ベルト21側に配置された分離部材34によって先端部が分離されて、次工程に排出される。
定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトにより形成されており、図2に示す矢印方向(反時計回り)に走行する。定着ベルト21は、ニップ形成部材26との摺接面となる内周面側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層され、全体の厚さが1mm以下となるよう形成されている。
また、定着ベルト21は、回転方向の両端部で定着ベルト保持部材(図示せず)により保持されており、両端部以外では、ヒータ25から直接加熱される。
定着ベルト21の基材層は、層厚が20〜35μmであり、ニッケル、ステンレスなどの金属材料やポリイミドなどの樹脂材料により形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであり、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴムあるいはフッ素ゴムなどのゴム材料で形成されている。この弾性層が設けられることにより、定着ニップ部Nにおける定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像に均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミドあるいはPES(ポリエーテルサルファイド)などにより形成されている。この離型層が設けられることにより、トナー像に対する離型性、すなわち剥離性が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmに設定されると好適である。本実施の形態においては、定着ベルト21の直径は30mm程度に設定されている。
反射部材22、支持部材23、ヒータ25およびニップ形成部材26は、定着ベルト21の内周面側に固設されている。
図2に示すように、支持部材23のヒータ25側の面に反射部材22を設けられている。反射部材22は、金属材料の表面を鏡面状に研磨したものである。反射部材22は、ヒータ25から放出される輻射熱を反射することで支持部材23に流入する熱量を減らし、定着ベルト21に対する加熱効率を向上させる。また、反射部材22に替えて、支持部材23におけるヒータ25に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、BA処理や鏡面研磨処理を施したりすることもできる。
支持部材23は、金属などの板材が板金加工されてなり、定着ベルト21の軸方向の長さに対応する長さを有した剛性部材である。
ニップ形成部材26は、定着ベルト21の内周面に摺接するように固定されている。このニップ形成部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することにより、記録媒体Pを記録媒体搬送方向に搬送するニップ部Nが形成される。
ニップ形成部材26は、幅方向の両端部が定着装置20の側板に固定支持されている。ニップ部Nにおけるニップ形成部材26の強度を支持する支持部材(ステー)23が、定着ベルト21の内周面側に固設されている。支持部材23は、幅方向の長さがニップ形成部材26と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板(不図示)に固定支持されている。
そして、支持部材23がニップ形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部においてニップ形成部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。また、ニップ形成部材26は、位置決め部材29を介して支持部材23に固定されており、定着ベルト21の回転方向にニップ形成部材26が位置ずれしないように支持されている。
すなわち、支持部材23を設けない場合には、ニップ形成部材26は加圧ローラ31から加圧力を受けて撓んでしまうため、これを防止するために、ニップ形成部材26の変形を制限する位置に支持部材23が配設されている。これにより、ニップ形成部材26がニップ部Nに対して所定の位置を保つことが可能となる。
ニップ形成部材26は、支持部材23を基準位置として、加圧ローラ31側に、その端部より中央部が凸形状となるように滑らかにアーチ形状を有している。なお、支持部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。
ニップ形成部材26は、LCP(液晶ポリマー)や、ポリイミド樹脂、PAI(ポリアミドイミド樹脂)などの耐熱性を有する樹脂部材である。
熱源としてのヒータ25は、ハロゲンヒータやカーボンヒータなど公知のヒータにより構成されており、両端部が定着装置20の側板(図示せず)に固定されている。本体制御部は、輻射熱によって定着ベルト21が加熱されるようヒータ25に対し通電制御を実行するようになっている。
本体制御部は、定着ベルト21の外周面に対向する温度センサ30からベルト表面温度の検出結果を表す信号を取得し、この信号に応じてヒータ25の通電制御を行うようになっている。このようなヒータ25に対する通電制御によって、定着ベルト21の定着ニップ部Nにおける温度、すなわち定着温度を所望の温度に設定することができる。温度センサ30は、例えば、サーミスタにより構成されている。
加圧ローラ31は、定着ベルト21の外周面に加圧回転体として圧接し、加圧ローラ31と定着ベルト21とによって所望の幅(図2における上下方向)を有するニップ部Nを形成するようになっている。本実施形態においては、加圧ローラ31は、直径が30mmに設定されており、中空構造の芯金32上に弾性層33が形成されている。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの材料により形成されている。なお、加圧ローラ31は、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けていてもよい。
加圧ローラ31は、図示しない駆動機構の駆動ギアに噛合するギアが設置されていて、加圧ローラ31は本体制御部によって図2の矢印方向(時計回り)に回転駆動するよう制御される。この加圧ローラ31の回転力により定着ベルト21は従動回転する。
また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板に軸受を介して回転自在に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けてもよい。
加圧ローラ31の弾性層33が発泡性シリコーンゴムなどスポンジ状の材料で形成される場合には、定着ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、ニップ形成部材26に生じる撓みを軽減することができる。また、加圧ローラ31の断熱性が高まり定着ベルト21の熱が加圧ローラ31に移動しにくくなるため、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
(ニップ形成部材)
次に、ニップ形成部材26の突起部である凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触状態を変更させる制御について説明する。
ニップ形成部材26は、記録媒体Pの搬送方向におけるニップ部Nの出口側に、ニップ部側に突起した凸形状部27を有している。また、ニップ形成部材26は、軸方向の両端部を、加圧ローラ31を押し付けた状態を基準位置とした位置に定着装置20の側板に固定されている。ニップ形成部材26の軸方向の端部以外の箇所は、加圧ローラ31により押し込まれた位置で、支持部材23に押し付けられるように位置を確定する構成となっている。
ここで、定着ベルト21の曲率(1/R)が大きければ(すなわち、半径Rが小さい)、記録媒体Pは定着ベルト21から分離されやすく、曲率が小さければ記録媒体Pは定着ベルトから分離されにくい。すなわち、凸形状部27と定着ベルト21の接触状態が弱く、定着ベルト21の曲率が小さい場合(曲がり具合が小さい場合)は、記録媒体Pを分離しにくく、凸形状部27と定着ベルト21の接触状態が強く、定着ベルト21の曲率が大きい場合(曲がり具合が大きい場合)は、記録媒体Pは分離しやすいといえる。
そこで、本実施形態に係る定着装置20は、ニップ形成部材26の凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触状態を少なくとも2つ以上の状態に変化させるものである。
また、この接触状態の変化を通紙条件に応じて行う(可変制御する)ことにより、例えば、分離しにくい条件の画像形成時においても、安定して定着ベルト21から記録媒体Pを分離して、下流側の搬送工程へ送ることが可能となる。
本実施形態に係る定着装置20は、以下、図3〜図6を参照して説明するように、ニップ形成部材26の加圧ローラ31と反対側、すなわち、ニップ形成部材26と支持部材23との間には、ニップ形成部材26を加圧ローラ31(定着ベルト21の内周面)側に変位させることが可能な位置変更矯正部材(以下、矯正部材40という)を備えている。
矯正部材40は、ニップ部Nの搬送方向の出口側に設けられたニップ形成部材26の凸形状部27に対応する位置に配置される。矯正部材40を加圧ローラ31側へ変位させることで、ニップ形成部材26の凸形状部27は定着ベルト21の内周面に対して接触状態が変化する。なお、矯正部材40の材質は特に限られるものではないが、例えば、支持部材23と同様の金属材料からなるものとすればよい。
[矯正部材の変位]
図3は、矯正部材40の一例を示している。なお、図3および図4においては、定着ベルト21の図示は省略している。
矯正部材40は楔(クサビ)形状を有し、ニップ形成部材26の長手方向(加圧ローラ31の軸方向)において、複数の矯正部材40が所定間隔をおいて配設されている。また、各矯正部材40は、図中の矢印方向Aに矯正部材40を変位させる矯正部材駆動手段(図示せず)に接続されている。なお、矯正部材駆動手段は、矯正部材40を所定幅で往復動作可能に駆動させるものであればよく、特に限られるものではないが、例えば、カム機構を用いて構成することができる。また、矯正部材40の駆動量は各矯正部材40を独立して、その駆動量が制御可能とすることが好ましい。
この矯正部材40を図中の矢印A方向に変動させて、楔形状の先端部41を、ニップ形成部材26と支持部材23との間の隙間へ突入させる際の突入量を変動させることで、ニップ形成部材26をニップ部N側へ僅かに変位させることができる(図中の矢印B)。これにより、ニップ形成部材26の凸形状部27の定着ベルト21内周面への押圧力を変化させて、接触状態を変化させることができる。また、先端部41の突入量を複数段階制御することで、凸形状部27の変化量についても複数段階制御することが可能となる。
ここで、矯正部材40の配置位置および配置数は、画像形成装置(定着装置)の使用条件、通紙条件等に応じて、適宜選択されるものであればよい。例えば、図4に示すように、楔形状の矯正部材40をニップ形成部材26の軸方向の両端側に設けるようにしても良い。
また、複数の矯正部材40間の駆動量(突入量)を異なるものとすることにより、長手方向での凸形状部27の変位量を均一でないものとして、長手方向における凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触圧を異なるものとすることができる。
例えば、記録媒体Pの通紙幅の端部に相当する位置や、小さなサイズの記録媒体Pに相当する位置に矯正部材40を設けておくことで、所定の位置のニップ形成部材26の定着ベルト21内周面との接触状態を変えることができ、さまざまな通紙条件に対応した使い方が可能となる。
また、矯正部材40をより細かく配置することで、例えば、A4サイズ端部用、A5サイズ端部用など、記録媒体Pのサイズに対応した場合に、どの矯正部材40を有効とする(駆動させる)かの制御を行うことにより、記録媒体Pのサイズごとに分離性を向上させることが可能となる。また、記録媒体Pにおいて画像(トナー量)が多い部分で分離性が劣化する場合や、定着装置20の使用期間が経過し、定着ベルト21の離型性が一部劣化しているような場合でも、その位置に対応した矯正部材40を駆動させることで、分離性を確保することができる。
また、矯正部材40の形状は、上記のような楔形状に限られるものではなく、種々の形状を採用することができる。また、矯正部材40は、ニップ形成部材26と支持部材23との間の間隙に突入させる形状に限られず、予め、ニップ形成部材26と支持部材23との間に設けられ、ニップ形成部材26に対して近づけたり(押し付けたり)、遠ざけたり(離間させたり)する矯正部材駆動手段を備え、当該矯正部材駆動手段により、矯正部材40の位置を変更して、ニップ形成部材26の凸形状部27を変位させるものであっても良い。
図5は、ニップ形成部材26と支持部材23をニップ部Nの出口側から見た上面図を示している。例えば、図5に示すように、ニップ形成部材26の支持部材23側の形状に凹部28を設けておき、楔形状の矯正部材40を図中の矢印C方向にスライド移動させることで、ニップ形成部材26の凸形状部27を変位させて(矢印B方向)、ニップ形成部材26の定着ベルト21の内周への接触が強くしたり、弱くしたりする構成とすることもできる。
また、図6は、ニップ形成部材26と支持部材23の側面図を示している。例えば、図6に示すように、支持部材23のニップ形成部材26の凸形状部27が設けられている側の位置(ニップ部出口側でのニップ形成部材26の支持位置)に、孔状の収容部24を設け、該収容部24に矯正部材40を矢印D方向に突出可能に収容としておくことも好ましい。
この構成において、矯正部材駆動手段により、矯正部材40を必要に応じて突出させることで、矯正部材40の突出量に応じて、ニップ形成部材26の凸形状部27を変位させて(矢印B方向)、ニップ形成部材26と定着ベルト21の内周面の接触状態を変更するようにしても良い。
[ニップ形成部材の熱膨張]
また、矯正部材40を設けず、ニップ形成部材26の熱膨張による特性を利用して、ニップ形成部材26を定着ベルト21内周面に部分的に近づける構成とすることもできる。
すなわち、ニップ形成部材26の熱膨張の変化量が軸方向において一様でなく、ニップ形成部材26の熱膨張により定着ベルト21の内周面の接触位置が変位して凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触状態を変化させるものである。
上述のように、ニップ形成部材26は、その両端を定着装置20の側板に固定されており、無負荷状態では支持部材23を基準位置として、加圧ローラ31側にその端部より中央部が凸形状となるように滑らかにアーチ形状を有している。
定着装置20の動作時に、ニップ形成部材26は加温され、熱膨張し、長さ方向に伸びようとする。この際、両端は固定されているので、ニップ形成部材26はアーチ形状をより強く描く方向、すなわち、定着ベルト21の内周面に向かって変形を強くする。
このとき、ニップ形成部材26と定着ベルト21の内周面とは接触状態が変化する。定着装置20の加温が高ければ膨張が大きく、ニップ形成部材26のアーチ状変形が大きく定着ベルト21との接触が強く従って定着ベルト21の曲率が大きくなる。そこで、例えば、画像形成をする記録媒体Pの種別や形成する画像の条件等に応じて、定着ベルト21の加温温度を管理することで、定着ベルト21の曲率を大きくすることが可能となる。
[矯正部材の熱膨張]
また、矯正部材40に熱膨張による変形する部材を用いることもできる。例えば、支持部材23とニップ形成部材26との間に熱膨張による変形する矯正部材40を配置する。この場合、矯正部材40が熱膨張により変形することで、ニップ形成部材26への矯正力が変化する。これにより、凸形状部27の定着ベルト21の内周面の接触状態が変化するものである。
また、熱膨張係数の異なる材質からなる複数の矯正部材40を、支持部材23とニップ形成部材26との間において、ニップ形成部材26の軸方向(長手方向)に間隔をおいて設けておくことも好ましい。この時、矯正部材40の材質を熱膨張係数の異なる材質から選択するとともに、軸方向の配置位置を適宜設定することで、軸方向におけるニップ形成部材26の変化量を制御して、ニップ形成部材26の定着ベルト21の内周側への接触状態を変化させることができる。
[接触状態の制御]
以上説明した、ニップ形成部材26のニップ出口側の凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触状態の変更は、定着装置20の通紙条件に基づいて制御がなされることが好ましい。ここでいう、通紙条件とは、記録媒体Pの状態、作像状態等をいい、例えば、記録媒体Pの厚さ、記録媒体Pへのトナー付着量、記録媒体Pの画像面積、記録媒体Pの先端部の余白量、記録媒体Pの表面および裏面の印字条件等である。
定着装置20を通過する記録媒体Pは、その通紙条件により、分離しやすいものと分離しにくいものがある。
すなわち、定着ベルト21からの分離性は、上述したように、ニップ部Nの出口側において、定着ベルト21の曲率が大きい方が向上する。このため、どのような通紙条件であっても、原則として、定着ベルト21の曲率を大きくしておけば、分離性は向上する。
しかしながら、定着ベルト21の変形量を大きくすることは、定着ベルト21への負荷が高くなり、長期の使用に対して耐久性が劣化することに繋がる。そこで、凸形状部27と定着ベルト21の内周面との接触状態の変更は、定着装置20の通紙条件に基づいて、適宜、適切な変化量に制御することが好ましい。具体的には、分離が不利となる通紙条件(分離し難い通紙条件)の場合に変化させるものであることが好ましいといえる。
例えば、通紙条件として、記録媒体Pの状態により、凸形状部27と定着ベルト21の接触状態を変更する制御とすることができる。記録媒体Pの状態は、例えば、画像形成装置1の操作部から入力される記録媒体Pの種別(種類、厚みなど)や、給紙部12などに設置された記録媒体Pの状態(水分量、表面状態など)を検知するセンサからの出力や、画像形成装置の設置環境を判断するセンサ(温湿度センサなど)の出力(設置環境により紙の温度や含水分量が変化することによる)等がある。このような記録媒体Pの状態に応じて、最適な定着ベルト21の曲率となるように、駆動させる矯正部材40の選択およびその駆動量の制御、または、加熱手段の制御を行うものである。
また、例えば、作像条件により、凸形状部27と定着ベルト21の接触状態を変更する制御とすることができる。作像条件は、例えば、画像面積、トナーの使用量(たとえば複数色を重ねて使用する画像を出力する場合や、画像の1枚内の面積が一定以上の比率になる場合)、記録媒体における画像の位置(たとえば定着装置20に進入する先端部の画像ない余白の領域の大きさによる)、両面や片面モードの場合(表面では、凸形状部27を強く接触させるが、裏面では凸形状部27を強く接触させることで加圧ローラ31側へ定着ベルト21を変形させるため、加圧ローラ31への巻きつきが不利となるため、表面と裏面で凸部の接触状態を変更するなど)等がある。このような作像条件に基づいて、最適な定着ベルト21の曲率となるように、駆動させる矯正部材40の選択およびその駆動量の制御、または、加熱手段の制御を行うものである。
具体的には、例えば、薄紙を通紙する場合は、ニップ部出口側の定着ベルト21の曲率を大きくし、厚紙を通紙する場合は、ニップ部出口側の定着ベルト21の曲率を小さくすることが好ましい。
また、記録媒体Pのトナー付着量が多い場合は、ニップ部出口側の定着ベルト21の曲率を大きくし、トナー付着量が少ない場合は、ニップ部出口の定着ベルト21の曲率を小さくすることが好ましい。
また、高画像面積の場合は、ニップ部出口側の定着ベルト21の曲率を大きくし、低画像面積の場合は、ニップ部出口側の定着ベルト21の曲率を小さくすることが好ましい。
また、記録媒体Pの先端の余白が小さい場合は、ニップ部出口側の定着ベルト21の曲率を大きくし、記録媒体Pの先端の余白が大きい場合、ニップ部出口側の定着ベルト21の曲率を小さくすることが好ましい。
また、記録媒体Pの表面(定着ベルト側)が分離困難な条件の場合、凸形状部27を加圧ローラ31に近づける方向に位置変更し、記録媒体Pの裏面(加圧ローラ側)が分離困難な条件の場合、凸形状部27を加圧ローラ31から遠ざける方向に位置変更することが好ましい。
このように、種々の通紙条件に応じてニップ部Nの出口側の定着ベルト21の曲率を最適化することで分離性を確保しつつ、定着ベルト21の短寿命化(磨耗や疲労破壊)を防止することができる。なお、列挙した通紙条件の2以上の条件に基づいて、凸形状部27の変化量を制御することとしても良いのは勿論である。
以上説明したように、定着装置20における記録媒体Pの分離性はニップ部Nの出口側の定着ベルト21の曲率(1/R)が大きい(半径Rが小さい)ほど、向上する。しかしながら、曲率を大きくするため、定着ベルト21を部分的に屈曲させると、屈曲箇所での歪みが増して、定着ベルト21の磨耗や疲労破壊を招き、定着ベルト21の短寿命化に繋がってしまっていた。
そこで、本実施形態に係る定着装置20は、ニップ形成部材26が内周側から定着ベルト21に接触する箇所(凸形状部27)を設け、定着ベルト21を内部から突き出す形状とし、凸形状部27を設けず、定着ベルト21の該当外周面を凸形状部27が接触しない場合よりも曲率が大きく変化させるようにしている。
さらに、記録媒体Pの分離性は通紙条件によって異なるため、通紙条件に応じて、凸形状部27の位置を可変制御することにより、ニップ部Nの出口側の定着ベルト21の曲率を最適化することで、記録媒体Pの分離性を確保しつつ、定着ベルト21の磨耗や疲労破壊を抑制し、高寿命化を図るものである。
また、定着ベルト21を回転軸方向における両端部のみで保持し、両端部以外は直接定着ベルト21を加熱する定着装置20では、ニップ部Nの出口側の定着ベルト21の曲率が長手方向で不均一になりやすい。すなわち、定着ベルト21の両端部では、定着ベルト21の形状は、定着ベルト21を保持する定着ベルト保持部材の形状に倣うため、任意の曲率を得られるが、長手方向の中央側では、形状を規制する部材がないため、両端部と同等の曲率を得るのは難しい。
そこで、本実施形態のように、凸形状部27の定着ベルト21の内周面への接触圧を、矯正部材40等の制御により、長手方向で異なるように制御することで、この不均一を補正して、長手方向の曲率の均一化を図ることができる。したがって、長手方向において、分離性能を制御することができる。
また、本実施形態に係る定着装置20では、上述した凸形状部27の制御を矯正部材40の駆動制御や、熱膨張を利用して制御するという簡易な構成により実現可能としている。
また、以上説明した構成による定着装置20を備えた画像形成装置(図1)とすることにより、定着画像の画質を低下させることなく、記録媒体Pの定着部材に対する巻きこみを防止することができる定着装置を用いた画像形成装置を提供することができる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1 画像形成装置
3 露光部
4Y,4M,4C,4K 作像部
5Y,5M,5C,5K 感光体ドラム
12 給紙部
20 定着装置
21 定着ベルト
22 反射部材
23 支持部材(ステー)
24 収容部
25 ヒータ(熱源)
26 ニップ形成部材
27 凸形状部
28 凹部(支持部材側)
29 位置決め部材
30 温度センサ
31 加圧ローラ
32 芯金
33 弾性層
34 分離部材
40 矯正部材
41 先端部
75 帯電部
76 現像部
77 クリーニング部
78 中間転写ベルト
79Y,79M,79C,79K 1次転写バイアスローラ
80 中間転写クリーニング部
82 2次転写バックアップローラ
83 クリーニングバックアップローラ
84 テンションローラ
85 中間転写ユニット
89 2次転写ローラ
97 給紙ローラ
98 レジストローラ対
99 排紙ローラ対
100 スタック部
101 ボトル収容部
102Y,102M,102C,102K トナーボトル
P 記録媒体
特開2004−286922号公報 特許第2861280号公報 特開2007−334205号公報 特開2013−24901号公報

Claims (10)

  1. 無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの外周面に当接する加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周側に配置され、前記定着ベルトを介して前記加圧部材に当接してニップを形成するニップ形成部材と、を備え、
    前記加圧部材の回転力により前記定着ベルトを従動回転させる定着装置において、
    前記ニップ形成部材は、記録媒体搬送方向における前記ニップ部の出口側に、ニップ部側に凸形状部を有するとともに、
    該凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態が可変することを特徴とする定着装置。
  2. 前記ニップ形成部材の前記凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触圧は、前記ニップ形成部材の長手方向において均一でないことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ベルトの内周側に配置され、前記ニップ形成部材をニップ部の反対側から支持する支持部材を備え、
    前記ニップ形成部材と前記支持部材との間に、該ニップ形成部材を前記加圧部材側に変位させる矯正部材を有し、
    該矯正部材により、前記凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記矯正部材を変位させる矯正部材駆動手段を備え、
    前記矯正部材は、前記矯正部材駆動手段により、その配置位置が、前記ニップ形成部材が前記加圧部材側へ押圧するように変位することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記矯正部材は、楔形状を有し、
    該矯正部材の楔形状の先端部を、前記ニップ形成部材と前記支持部材との間に形成される間隙への突入させる際の突入量を変動させることで、前記凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態を変化させることを特徴とする請求項3または4に記載の定着装置。
  6. 前記矯正部材は、前記支持部材に収容されており、
    該矯正部材を前記支持部材から突出させる際の突出量を変動させることで、前記凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態を変化させることを特徴とする請求項3または4に記載の定着装置。
  7. 前記ニップ形成部材の熱膨張の変化量が長手方向において一様でなく、該ニップ形成部材の熱膨張により、
    前記凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態を変化させることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  8. 前記矯正部材は、熱膨張により前記ニップ形成部材を押圧し、
    前記凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態を変化させることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  9. 前記定着装置の下記(1)〜(5)で示される通紙条件、
    (1)記録媒体の厚さ
    (2)記録媒体へのトナー付着量
    (3)記録媒体の画像面積
    (4)記録媒体の先端部の余白量
    (5)記録媒体の表面および裏面の印字条件
    から選択される一または二以上の条件に応じて、
    前記凸形状部と前記定着ベルトの内周面との接触状態を変化させることを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の定着装置。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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