JP2009097756A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷凍装置30は、インバータ圧縮機32Aを設けた第1冷凍回路31Aと、一定速圧縮機32Bを設けた第2冷凍回路31Bとの2系統の独立した冷凍回路を備える一方、凝縮管33は両冷凍回路31A,31Bに共用される。通常はインバータ圧縮機32Aが駆動され、必要に応じて一定速圧縮機32Bが併せて駆動される。凝縮管33は、冷却用空気の流通方向に沿った姿勢で同流通方向と交差する方向に間隔を開けて並べられた複数枚のフィン40からなるフィン群41を有する。このフィン群41における下半分の領域41Dに、第1冷凍回路31Aの第1凝縮管45Aが、上半分の領域41Uに第2冷凍回路31Bの第2凝縮管45Bがそれぞれ配管される。
【選択図】図2
Description
そして通常は、第1冷凍回路すなわちインバータ圧縮機のみを駆動し、具体的には同インバータ圧縮機の回転数を制御しつつ冷却運転(コントロール冷却運転)を行い、第1冷凍回路(インバータ圧縮機側)のみでは能力不足と判断された際に、第2冷凍回路すなわち一定速圧縮機を併せて駆動するといった使い方がなされている。
上記従来の凝縮器構造では、インバータ圧縮機側の第1冷凍回路の凝縮管は、凝縮器における冷却用空気の風上側に配管され、一定速圧縮機側の第2冷凍回路の凝縮管は、同風下側に配管されているため、インバータ圧縮機と一定速圧縮機とが共に運転された場合には、一定速圧縮機側の凝縮管は、風上にあるインバータ圧縮機側の凝縮管と熱交換された後の、周囲温度よりも高い温度の空気と熱交換されることになり、一定速圧縮機側の第2冷凍回路では凝縮温度が高くなり、凝縮効率が悪くなるといった問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、空冷式の凝縮器における凝縮効率を高めるところにある。
(1)前記能力可変式の圧縮機が設けられた冷凍回路の前記凝縮管が、前記凝縮器の最下段に配管されている。
この構成では、能力可変式の圧縮機のみが駆動されている場合、同圧縮機が設けられた冷凍回路の凝縮管の熱が、フィン群における上段側に立ち上って伝導し、その上段側のフィン群からも放熱が促進される。空いているフィン群をより有効に利用し、さらに効率良く凝縮できる。
この構成では、一の冷凍回路の能力可変式の圧縮機のみが駆動されている場合、凝縮器のフィン群では、一の冷凍回路の凝縮管が配管された上下いずれか一方の領域に加え、他の冷凍回路の凝縮管が配管された他方の領域も、冷却用空気との熱交換に利用でき、効率良く凝縮できる。また、両冷凍回路の圧縮機が共に駆動されている場合は、両冷凍回路の凝縮管並びにそれが配管されたフィン群の上下全領域が、周囲温度とほぼ同じ温度の冷却用空気と熱交換ができ、他の冷凍回路での凝縮温度の上昇が抑えられる。
この構成では、最も高温である凝縮管の入口が、凝縮器の中央に配管されることになるから、上側の領域が空いている場合に、同入口側の高熱が上側の領域のフィン群に効果的に伝導して放熱が促進される。
本発明の一実施形態を図1ないし図7に基づいて説明する。本実施形態では、業務用の縦型冷凍庫を例示している。
図1及び図2において、符号10は、前面の開口された断熱箱体からなる冷凍庫本体であって、内部が冷凍室11とされているとともに、冷凍室11の前面開口には、上下一対の観音開き式の断熱扉12が装着されている。冷凍庫本体10は、底面の四隅に配された脚13によって支持され、その上面には、回りにパネルが立てられることで機械室14が構成されている。
図3に模式的に示されるように、第1冷凍回路31Aは、回転数が可変のインバータ圧縮機32Aと、共通の凝縮器33と、ドライヤ35Aと、減圧手段であるキャピラリチューブ36Aと、共通の蒸発器37とを、冷媒配管で循環接続して形成されている。なお、第1冷凍回路31Aでは、蒸発器37の出口側の冷媒配管に、アキュムレータ38が介設されている。
第2冷凍回路31Bは、回転数が一定の一定速圧縮機32Bと、共通の凝縮器33と、ドライヤ35Bと、減圧手段であるキャピラリチューブ36Bと、共通の蒸発器37とを、冷媒配管で循環接続して形成されている。
そして基本的には、冷凍装置30と庫内ファン26とが駆動されると、図2の矢線に示すように、冷凍室11内の空気が吸込口25から蒸発器室23内に吸引され、蒸発器37を通過する間に熱交換により生成された冷気が、吹出口27から冷凍室11に吹き出されるといったように循環されることで、冷凍室11内が冷却され、併せて庫内温度が制御されるようになっている。
凝縮器33は、図4ないし図6に示すように、縦長の長方形の金属プレートからなるフィン40が、複数枚(本実施形態では130枚程度)、一定間隔を開けて左右方向に並べられることによって、左右方向に細長くかつ奥行の小さいブロック状をなすフィン群41が形成されている。
フィン群41の左右両端面には、それぞれエンドプレート43X,43Yが配されている。両エンドプレート43X,43Yは、フィン40の2倍弱の奥行を有し、フィン群41と前端を揃えて配されているとともに、それぞれの下端部には脚44が設けられ、各脚44をユニット台20上にねじで固定することにより、フィン群41がユニット台20から少し浮いた状態に配置されるようになっている。
より具体的には、第1凝縮管45Aは、図6に示すように、フィン群41の下半分の領域41Dにおいて、奥の列の一番上の段における正面から見た右端が出発点45Asとされ、各フィン40を左方向に貫通し、左側のエンドプレート43Xを突出したのち、中央の列における一番上の段の左端位置に斜め下向きの姿勢でUターンし、そこから各フィン40を右方向に貫通し、続いて右側のエンドプレート43Yを突出したのち、手前の列における一番上の段の右端位置に斜め上向きの姿勢でUターンし、再び左方に向かい、これにより前後3列の一番上の段の配管が完了する。
そののち左側のエンドプレート43Xを突出すると、同じく手前の列の上から二番目の段の左端位置に縦向きにUターンして、そこから各フィン40を右方向に貫通し、右側のエンドプレート43Yを突出したら、中央の列の上から二番目の段の右端位置に斜め下向きの姿勢でUターンして引き続き左方に向かい、左側のエンドプレート43Xを突出したら、奥の列の上から二番目の段の左端位置に斜め上向きの姿勢でUターンしたのち右方に向かい、これにより前後3列の上から二番目の段の配管が完了する。
以上により第1凝縮管45Aは、フィン群41の下半分の領域41Dにおいて、奥の列の一番上の段の右端を出発点45Asとし、同列の一番下の段の右端を終点45Aeとして、上下4段ずつでかつ奥行方向に3列に亘って配管される。上記の出発点45Asに接続された入口46Aは、右側のエンドプレート43Yの外に突出したのち後方に延出され、また終点45Aeに接続された出口47Aは、右側のエンドプレート43Yの外に突出したのち、初めは斜め下方に続いて水平に後方に延出される。
また、第2凝縮管45Bにおける奥の列の一番上の段の右端に位置する出発点45Bsに接続された入口46Bは、右側のエンドプレート43Yの外に突出したのち後方に延出され、同じく奥の列の一番下の段の右端に位置する終点45Beに接続された出口47Bは、右側のエンドプレート43Yの外に突出したのち、同様に後方に延出されている。
この実施形態では、庫内温度が予め定められたコントロール冷却特性に従うように、インバータ圧縮機32Aの増減速制御がなされる。具体的には、運転制御部には、コントロール冷却特性が、目標となる温度降下の経時的変化態様のデータとして予め記憶されており、冷却運転中は、所定のサンプリング時間ごとに、庫内温度センサで庫内温度を検出して、同検出温度に基づいて実際の温度降下度が算出される一方、上記の記憶されたデータからその庫内温度における目標の温度降下度が出力され、実際の温度降下度が目標の温度降下度よりも小さければインバータ圧縮機32Aが増速制御され、逆の場合はインバータ圧縮機32Aが減速または停止する減速制御が行われ、その繰り返しにより、コントロール冷却特性に従って冷却される。
言い換えると、通常はインバータ圧縮機32Aを有する第1冷凍回路31Aのみが作動され、同第1冷凍回路31Aのみでは冷凍能力が不足する場合には、一定速圧縮機を有する第2冷凍回路31Bが併せて作動される。
第1凝縮管45Aはフィン群41の下半分の領域41Dに配管されていて、第1凝縮管45A並びに同第1凝縮管45Aが配管された領域のフィン40に対して、上記の冷却用空気が当てられて冷却されることで、凝縮液が生成される。
この構造であると、インバータ圧縮機32Aのみが駆動されている場合、凝縮器33のフィン群41では、インバータ圧縮機32A側の第1冷凍回路31Aの第1凝縮管45Aが配管された下側の領域41Dに加え、第2冷凍回路31Bの第2凝縮管45Bが配管された上側の領域41Uも、冷却用空気との熱交換に利用でき、効率良く凝縮できる。また、インバータ圧縮機32Aと併せて、第2冷凍回路31Bの一定速圧縮機32Bが駆動されている場合も、両冷凍回路31A,31Bの凝縮管45A,45B並びにそれが配管されたフィン群41の上下全領域が、周囲温度とほぼ同じ温度の冷却用空気と熱交換ができ、第2冷凍回路31Bでの凝縮温度の上昇が抑えられる。
結果、全体として凝縮器33における凝縮効率を高めることができて、省エネルギ等を図ることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態とは逆に、インバータ圧縮機側の第1冷凍回路の第1凝縮管をフィン群の上半分の領域に、一定速圧縮機側の第2冷凍回路の第2凝縮管を下半分の領域にそれぞれ配管した構造としてもよい。この構造では、一定速圧縮機が停止中で空いた状態にあるフィンを放熱に利用する場合、同フィンが下側に来るために第1凝縮管の熱が伝わり難く、放熱の効率向上は多少落ちるかも知れないが、少なくとも両圧縮機が運転されている場合は、各冷凍回路の凝縮管並びにそれが配管されたフィン群を、周囲温度とほぼ同じ温度の冷却用空気と熱交換することができる。
(3)補助的に使用する第2冷凍回路の圧縮機にインバータ圧縮機を用いてもよい。
(4)能力可変式の圧縮機は、インバータ圧縮機に限らず、多気筒で負荷に応じて駆動する気筒数を調整するアンロード機能付きの圧縮機等、他の形式のものであってもよい。
(6)蒸発器については、各冷凍回路ごとに別々に備えてもよく、そのようなものも本発明に含まれる。
(7)本発明は、上記実施形態に例示した業務用の冷凍庫に限らず、冷凍冷蔵庫、冷蔵庫、恒温高湿庫等の他の冷却貯蔵庫全般に装備される冷凍装置について、広く適用することができる。
Claims (4)
- 複数系統の独立した冷凍回路を有し、少なくとも一つの冷凍回路には能力可変式の圧縮機が設けられるとともに、各冷凍回路に凝縮器が共用され、この凝縮器は、冷却用空気の流通方向に沿った姿勢で同流通方向と交差する方向に間隔を開けて並べられた複数枚のフィンからなるフィン群を有し、このフィン群に対して凝縮管が各フィンを貫通しつつ複数段に亘って配管された構造になり、かつ前記各冷凍回路の凝縮管は互いに異なった段ごとに配管されていることを特徴とする冷凍装置。
- 前記能力可変式の圧縮機が設けられた冷凍回路の前記凝縮管が、前記凝縮器の最下段に配管されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 2系統の独立した冷凍回路が設けられ、一の冷凍回路には能力可変式の圧縮機が、他の冷凍回路には別の圧縮機が備えられるとともに、両冷凍回路に凝縮器が共用され、前記一の冷凍回路の凝縮管と前記他の冷凍回路の凝縮管とはそれぞれ、前記凝縮器における上側と下側の互いに異なった領域において、前記冷却用空気の流通方向と交差する方向において交互に向きを変え、かつ高さ位置を次第に変えるように蛇行しながら前記フィン群を貫通して配管されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 前記一の冷凍回路の凝縮管が前記凝縮器の下側の領域に配管され、かつ前記凝縮管の上端側が入口となっていることを特徴とする請求項3記載の冷凍装置。
Priority Applications (1)
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