JP2009090313A - パイプと被接合部材との接合方法 - Google Patents

パイプと被接合部材との接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合強度の向上を図ることができるパイプと被接合部材の接合方法を提供する。
【解決手段】被接合部材15の挿通孔16内に挿通されたパイプ11の中空部13内に、複数個のダイセグメント21aに分割されたダイ21を配置する。次いで、各ダイセグメント21aをパイプ11の半径方向外向きに移動させることにより、パイプ11の所定部位をエキスパンド加工する。これによりパイプ11に被接合部材15を接合する。この接合方法において、ダイセグメント21aはパイプ11の所定部位を押圧する押圧部23を有している。パイプ11の肉厚をt、パイプ11の半径方向におけるダイセグメント21aの移動量をD、パイプ11の中心軸Pからダイセグメント21aの押圧部23までの距離をD1、パイプ11の中心軸Pから被接合部材15の被接合面19までの距離をD2とする。エキスパンド加工は次の関係式(1)を満足するように行う。1<(D+D1+t)/D2 …(1)
【選択図】図7

Description

本発明は、パイプとフランジ等の被接合部材とを接合する方法、及び該方法に用いられる接合装置に関する。
従来、パイプにフランジ等の被接合部材を接合する方法として、例えば次の方法が知られている。
パイプを被接合部材に設けられた挿通孔内に挿通するとともに、パイプの中空部内にエキスパンド加工用ダイを配置する。このダイは、その中心部に楔孔部がダイの中心軸と同軸に設けられるとともに、ダイの中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されている。次いで、マンドレルの楔部をダイの楔孔部内に差し込むことにより、ダイの各ダイセグメントをパイプの半径方向外向きに移動させる。これにより、パイプの挿通孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とからなるエキスパンド加工対象部の少なくとも挿通部分をエキスパンド加工(即ち拡管加工)し、パイプに被接合部材を接合する。なお、この接合方法はリッジロック加工方法とも呼ばれている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この接合方法では、パイプのエキスパンド加工対象部はエキスパンド加工によって外側膨出状態に塑性変形される。被接合部材は、パイプのこの塑性変形に伴って外側膨出状態に弾性変形し、これにより被接合部材に弾性復元力が蓄積される。そして、接合後では、被接合部材に蓄積された弾性復元力(スプリングバック力)によって被接合部材がパイプの外周面にパイプに対して外嵌状態に圧接固定される。これにより、パイプに被接合部材が接合される。
こうしてパイプに被接合部材が接合されて製造された接合構造体において、もし仮にこの接合構造体が車両のフレーム等の構造部材に用いられる場合には、一般に、被接合部材のねじり強度と抜け強度とについてそれぞれ高い強度が要求される。
被接合部材のねじり強度には、パイプと被接合部材との間の単位面積当たりの接触残留圧力、接触面積、接触面の摩擦係数などが影響する。被接合部材の抜け強度には、これらの影響因子と、更に、パイプの挿通部分の軸方向両側近傍部分に外側膨出状に局部的に形成された凸部のサイズや形状が影響する。
特開平4−8818号公報(第2頁、第8図) 特開平11−36859号公報 特開平7−223030号公報(段落番号[0004]〜[0007]、図5〜7)
而して、従来の接合方法では、被接合部材のねじり強度や抜け強度などの接合強度が不足する場合があった。また、エキスパンド加工の途中でパイプが破断する場合があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、被接合部材のねじり強度や抜け強度等の接合強度の向上を図ることができるパイプと被接合部材との接合方法、及び前記接合方法に用いられる接合装置を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合方法において、
前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部を有しており、
前記パイプの肉厚をt、
前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
前記パイプの中心軸から前記被接合部材の被接合面までの距離をD2とするとき、
次の第1関係式(1)を満足するようにエキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
1<(D+D1+t)/D2 …(1)
[2] 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
次の第2関係式(2)を満足するダイを用いてエキスパンド加工を行う前項1記載のの接合方法。
1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
[3] 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
次の第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行う前項1又は2記載の接合方法。
1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
[4] 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合方法において、
前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
前記パイプの肉厚をt、
接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
次の第2関係式(2)を満足するダイを用いてエキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
[5] 前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
次の第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行う前項4記載の接合方法。
1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
[6] 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合方法において、
前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
次の第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
[7] 前記パイプの断面形状は円形状であり、
前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状である前項1〜6のいずれかに記載の接合方法。
[8] 前記パイプの断面形状は多角形状であるとともに、前記パイプの各角部の断面形状は円弧状であり、
前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、前記パイプの断面形状に対応した形状であり、
前記ダイは、前記パイプの各平坦壁部の幅方向中間部に対応する位置で分割されており、
前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの各角部に向かって前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行う前項1〜6のいずれかに記載の接合方法。
[9] 前記ダイの外周面における前記パイプの各平坦壁部に対応する部位に、前記ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている前項8記載の接合方法。
[10] 前記被接合部材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部が前記パイプの軸方向に突出して一体に設けられており、
前記被接合部材の挿通孔内に挿通されたパイプの外周面に前記被接合部材の座部を重合させた状態で、エキスパンド加工を行う前項1〜9のいずれかに記載の接合方法。
[11] 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを備え、
被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合装置において、
前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部を有しており、
前記パイプの肉厚をt、
前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
前記パイプの中心軸から前記被接合部材の被接合面までの距離をD2とするとき、
次の第1関係式(1)を満足するようにD及びD1が設定されていることを特徴とするパイプと被接合部材との接合装置。
1<(D+D1+t)/D2 …(1)
[12] 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
次の第2関係式(2)を満足するようにW2が設定されている前項11記載の接合装置。
1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
[13] 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
次の第3関係式(3)を満足するようにD、D1及びD3が設定されている前項11又は12記載の接合装置。
1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
[14] 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを備え、
被接合部材に設けられた挿通孔内に挿通されたパイプの中空部内に前記ダイが配置された状態で、前記ダイの各ダイセグメントが前記パイプの半径方向外向きに移動されることにより、前記パイプの挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合装置において、
前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
前記パイプの肉厚をt、
接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
次の第2関係式(2)を満足するようにW2が設定されている特徴とするパイプと被接合部材との接合装置。
1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
[15] 前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
次の第3関係式(3)を満足するようにD、D1、及びD3が設定されている前項14記載の接合装置。
1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
[16] 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを備え、
前記被接合部材に設けられた挿通孔内に挿通されたパイプの中空部内に前記ダイが配置された状態で、前記ダイの各ダイセグメントが前記パイプの半径方向外向きに移動されることにより、前記パイプの挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合装置において、
前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
次の第3関係式(3)を満足するようにD、D1及びD3が設定されていることを特徴とするパイプと被接合部材との接合装置。
1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
[17] 前記パイプの断面形状は円形状であり、
前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、前記パイプの断面形状に対応した形状である前項11〜16のいずれかに記載の接合装置。
[18] 前記パイプの断面形状は多角形状であるとともに、前記パイプの各角部の断面形状は円弧状であり、
前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、前記パイプの断面形状に対応した形状であり、
前記ダイは、前記パイプの各平坦壁部の幅方向中間部に対応する位置で分割されており、
前記各ダイセグメントは、エキスパンド加工時に、前記パイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動されるものである前項11〜16のいずれかに記載の接合装置。
[19] 前記ダイの外周面における前記パイプの各平坦壁部に対応する部位に、前記ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている前項18記載の接合装置。
本発明は以下の効果を奏する。
なお本明細書では、パイプに被接合部材が接合されて製造された接合構造体において、パイプの周方向の荷重に対する被接合部材の接合強度を「ねじり強度」といい、パイプの軸方向の荷重に対する被接合部材の接合強度を「抜け強度」という。
[1]の発明では、第1関係式(1)を満足するようにエキスパンド加工を行うことにより、接合強度の向上を図ることができる。
[2]の発明では、第2関係式(2)を満足するダイを用いてエキスパンド加工を行うことにより、接合強度の更なる向上を図ることができる。
[3]の発明では、第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行うことにより、接合強度の更なる向上を図ることができるし、更に、パイプの破断を確実に防止できる。
[4]の発明では、第2関係式(2)を満足するダイを用いてエキスパンド加工を行うことにより、接合強度の向上を図ることができる。
[5]の発明では、接合強度の更なる向上を図ることができるし、更に、パイプの破断を確実に防止できる。
[6]の発明では、第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行うことにより、接合強度の向上を図ることができるし、更に、パイプの破断を確実に防止できる。
[7]の発明では、断面円形状のパイプに対して被接合部材の接合強度の向上を図ることができる。
[8]の発明では、パイプの断面形状は多角形状であり、被接合部材の挿通孔の断面形状はパイプの断面形状に対応した形状であるから、パイプが被接合部材の挿通孔内に挿通された状態において被接合部材のねじり強度が更に向上する。
さらに、パイプの各角部の断面形状が円弧状であるから、被接合部材にパイプの周方向の荷重が加わった場合において、パイプの各角部に応力が集中するのを確実に防止できる。そのため、接合構造体の強度的信頼性が向上する。
さらに、ダイの各ダイセグメントをパイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行うことから、パイプの各角部を平坦壁部よりも重点的にエキスパンド加工することができる。これにより、パイプの各角部を確実に大きく膨出させることができる。その結果、接合強度の更なる向上を図ることができる。
[9]の発明では、ダイの外周面におけるパイプの各平坦壁部に対応する部位に、ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられているので、ダイのダイセグメントとパイプの内周面との接触面積を減少できる。これにより、エキスパンド加工時にダイセグメントとパイプの内周面との間の摩擦力を低減できる。その結果、パイプの各角部を平坦壁部よりも更に確実に大きく膨出できるし、またエキスパンド加工に要する力を低減できる。
[10]の発明では、被接合部材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部がパイプの軸方向に突出して一体に設けられているので、被接合部材の挿通孔内にパイプを挿通するとともにパイプの外周面に被接合部材の座部を重合させることにより、被接合部材とパイプの外周面との接触面積が増加する。これにより、接合強度の更なる向上を図ることができる。
[11]〜[19]の発明では、それぞれ上記[1]〜[9]の発明に係る接合方法に好適に用いられる接合装置を提供できる。
次に、本発明の幾つかの好ましい実施形態について図面を参照して以下に説明する。
<第1実施形態>
図1において、(S1)は、本発明の第1実施形態に係る接合方法によりパイプ(11)に被接合部材(15)が接合されて製造された接合構造体である。
パイプ(11)は真直な丸パイプであり、したがってパイプ(11)の断面形状は円形状である。このパイプ(11)はその軸方向に延びた中空部(13)を有している。この中空部(13)の断面形状は円形状である。パイプ(11)の内径及び肉厚はパイプ(11)の軸方向において一定に設定されている。
パイプ(11)は、弾性変形及び塑性変形可能な材料からなり、例えば金属からなり、詳述すると例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。ただし本発明では、パイプ(11)の材質はアルミニウム又はアルミニウム合金であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼、銅等の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。また、パイプ(11)は押出材からなるものである。ただし本発明では、パイプ(11)は押出材からなるものに限定されるものではなく、その他に、例えば、電縫管、溶接管又は引抜き管からなるものであっても良いし、他の方法により製造されたものであっても良い。
被接合部材(15)は、例えば、他の部材に取り付けられるフランジとして用いられるものである。この被接合部材(15)は板状のものであり、詳述すると円環板状のものである。さらに、この被接合部材(15)の外周縁部には径方向外側に突出した4個の突片部(15a)が一体形成されている。各突片部(15a)には、ボルト挿通孔(15b)等の締結具挿通孔が設けられている。ただし本発明では、被接合部材(15)はフランジとして用いられるものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、ブラケットやステイを有するものであっても良いし、その他の目的に用いられるものであっても良い。
被接合部材(15)の中央部には、パイプ(11)が挿通される挿通孔(16)が被接合部材(15)の厚さ方向に貫通して設けられている。この挿通孔(16)の断面形状は、パイプ(11)の断面形状に対応した形状であり、即ち円形状である。
さらに、被接合部材(15)の挿通孔(16)の周縁部には、該挿通孔(16)を包囲するように短円筒状の座部(18)がパイプ(11)の軸方向の片側に突出して一体形成されている。この座部(18)は、被接合部材(15)の挿通孔(16)の周縁部を、その全周に亘ってパイプ(11)の軸方向の片側に突出するように短円筒状にプレス曲げ加工することにより、形成されたものである。すなわち、この座部(18)は、被接合部材(15)の挿通孔(16)の周縁部からパイプ(11)の軸方向の片側に突出するように屈曲して形成されたものである。したがって、この座部(18)は、被接合部材(15)の挿通孔(16)の周縁部の全周に亘って形成されている。また、この座部(18)の内側の中空部の断面形状は挿通孔(16)の断面形状と同じであり、即ち円形状である。この座部(18)は、エキスパンド加工時にパイプ(11)の外周面に重合されるものである(図3参照)。
被接合部材(15)及び座部(18)は、弾性変形可能な材料からなり、例えば金属からなり、詳述すると例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。ただし本発明では、被接合部材(15)及び座部(18)の材質はアルミニウム又はアルミニウム合金であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼、銅等の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。また、この被接合部材(15)及び座部(18)はプレス成形により製造されたものであるが、本発明では、その他に、例えば、押出加工やダイカストにより製造されたものであっても良いし、その他の方法により製造されたものであっても良い。
パイプ(11)の長さは例えば50〜2000mmの範囲内に設定されている。パイプ(11)の外径は例えば20〜100mmの範囲内に設定されている。パイプ(11)の肉厚tは例えば0.5〜5mmの範囲内に設定されている。
だたし本発明では、パイプ(11)の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものではなく、パイプ(11)の使用目的や用途に応じて様々に設定されるものである。
被接合部材(15)の外径は例えば30〜300mmの範囲内に設定されている。被接合部材(15)の挿通孔(16)の直径は、パイプ(11)の外径よりも例えば0.1〜1mm大きく設定されている。被接合部材(15)及び座部(18)の肉厚は例えば1〜20mmの範囲内に設定されている。座部(18)の突出長さ(即ち、座部(18)のパイプ(11)軸方向に沿う長さ)は例えば3〜30mmの範囲内に設定されている。
ただし本発明では、被接合部材(15)及び座部(18)の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものではなく、被接合部材(15)の使用目的や用途に応じて様々に設定されるものである。
第1実施形態の接合構造体(S1)では、図1及び図2に示すように、パイプ(11)が被接合部材(15)の挿通孔(16)内に挿通されるとともに、被接合部材(15)の座部(18)がパイプ(11)の外周面に重合されている。そして、この状態で、パイプ(11)の挿通孔(16)内への挿通部分(12a)とその軸方向両側近傍部分(12b)(12b)とからなるエキスパンド加工対象部(12)が、パイプ(11)の周方向の全周に亘ってエキスパンド加工(拡管加工)され、これによりパイプ(11)に被接合部材(15)が固定状態に接合されている。
パイプ(11)の両近傍部分(12b)(12b)には、エキスパンド加工によって、パイプ(11)の外側に局部的に膨出した断面円弧状の2個の膨出部(B)(B)が形成されている。これら2個の膨出部(B)(B)はパイプ(11)の周方向の全周に亘って形成されている。被接合部材(15)は、これら2個の膨出部(B)(B)間で被接合部材(15)の座部(18)が挟まれた状態にパイプ(11)に接合されている。これにより、被接合部材(15)の抜け強度の向上が図られている。また、パイプ(11)の挿通部分(12a)もパイプ(11)の外側に少し膨出しており、これにより当該挿通部分(12a)にも膨出部(B)がパイプ(11)の周方向の全周に亘って形成されている。
次に、本発明の第1実施形態に係る接合装置(20)の構成について、以下に説明する。
図3〜図6に示すように、この接合装置(20)は、エキスパンド加工用ダイ(21)、マンドレル(28)などを備えている。
マンドレル(28)は、例えば工具鋼や超硬合金製の楔部(29)を有している。この楔部(29)はマンドレル(28)の先端部に先細り状に形成されている。楔部(29)は、円錐状又は多角錐状であり、本第1実施形態では八角錐状であり、詳述すると正八角錐状である。したがって、この楔部(29)の断面形状は八角形状であり、詳述すると正八角形状である(図4参照)。
また、マンドレル(28)の基端部には、該マンドレル(28)をその軸方向に押圧移動又は牽引移動させるマンドレル駆動手段(図示せず)が接続されている。本実施形態では、マンドレル駆動手段は、マンドレル(28)をその軸方向に押圧移動させるものである。この駆動手段として、例えば、油圧シリンダ等の流体圧シリンダが用いられている。
ダイ(21)は、パイプ(11)よりも高い強度を有しており、例えば工具鋼や超硬合金製である。
ダイ(21)の断面形状は、パイプ(11)の中空部(13)の断面形状に対応した形状であり、即ち円形状である。詳述すると、ダイ(21)は、円柱状に形成されており、パイプ(11)の中空部(13)内に配置された状態でパイプ(11)のエキスパンド加工対象部(12)をパイプ(11)の外側へ押圧して局部的に膨出させるものである。
ダイ(21)の中心部には、マンドレル(28)の楔部(29)に対応する楔孔部(24)がダイ(21)の中心軸(Q)と同軸に且つダイ(21)の軸方向に貫通して設けられている(図7参照)。この楔孔部(24)の形状は、マンドレル(28)の楔部(29)に対応する形状であり、即ち八角錐状であり、詳述すると正八角錐状である。また、楔孔部(24)の断面形状は、マンドレル(28)の楔部(29)の断面形状に対応した形状であり、即ち八角形状であり、詳述すると正八角形状である。
さらに、図4に示すように、このダイ(21)は、その中心軸(Q)を中心に周方向に複数個のダイセグメント(21a)に均等に分割されており、すなわち楔孔部(24)を中心に周方向に複数個のダイセグメント(21a)に均等に分割されている。本第1実施形態では、ダイ(21)の分割数は8個である。したがって、このダイ(21)は、互いに同形同寸の8個のダイセグメント(21a)が互いに組み合わされて構成されたものである。これらのダイセグメント(21a)は互いに同一形状で同一構成である。
図3及び図5に示すように、各ダイセグメント(21a)は、パイプ(11)の挿通部分(12a)を押圧する押圧部(23)と、パイプ(11)の挿通部分(12a)の軸方向両側近傍部分(12b)(12b)のうち一方(12b)を局部的に押圧する第1押圧凸部(22)と他方(12b)を局部的に押圧する第2押圧凸部(22)とを有している。両押圧凸部(22)(22)は、ダイ(11)の軸方向における押圧部(23)の両側にダイ(11)の軸方向に互いに離間して配置されている。両押圧凸部(22)(22)の形状及び寸法は互いに同一である。したがって、ダイセグメント(21a)の押圧部(23)に対する両押圧凸部(22)(22)の頂部の高さ(D3)は互いに等しく設定されており、また両押圧凸部(22)(22)の幅(W3)は互いに等しく設定されている。
押圧部(23)は、ダイセグメント(21a)の外周面に、パイプ(11)の軸方向に平坦状に形成されている。なお本実施形態では、ダイセグメント(21a)の外周面とは、ダイセグメント(21a)のパイプ(11)側に向いた外面を意味する。
両押圧凸部(22)(22)は、ダイセグメント(21a)の外周面における押圧部(23)の軸方向両側近傍部に、ダイ(21)の周方向に延びて形成されている。図3に示すように、各押圧凸部(22)の断面形状は例えば円弧状である。
図3〜図5に示すように、マンドレル(28)は、マンドレル駆動手段によって、マンドレル(28)の楔部(29)をパイプ(11)の中空部(13)内に配置されたダイ(21)の楔孔部(24)内に差し込むことにより、ダイ(21)の各ダイセグメント(21a)をパイプ(11)の半径方向外向きに移動させるものである。
マンドレル駆動手段によるマンドレル楔部(29)のダイ楔孔部(24)内への差込み量を設定することにより、パイプ(11)の半径方向における各ダイセグメント(21a)の移動量が設定される。すなわち、マンドレル駆動手段は、マンドレル楔部(29)のダイ楔孔部(24)内への差込み量を設定する差込み量設定部を有している。そして、マンドレル駆動手段は、この差込み量設定部に設定された差込み量に基づいて、マンドレル(28)の楔部(29)をダイ(1)の楔孔部(24)内に差し込みことにより、パイプ(11)の半径方向における各ダイセグメント(21a)の移動量を設定することができるものとなされている。
ダイ(21)の各ダイセグメント(21a)は、マンドレル(28)の楔部(29)によってパイプ(11)の半径方向外向きに移動されることによりパイプ(11)のエキスパンド加工対象部(12)をエキスパンド加工するものである。
次に、この接合装置(20)を用いたパイプ(11)と被接合部材(15)との接合方法について、以下に説明する。
まず、図3及び図4に示すように、パイプ(11)を被接合部材(15)の挿通孔(16)内に遊挿状態に挿通する。これにより被接合部材(15)の座部(18)がパイプ(11)の外周面に重合される。さらに、パイプ(11)の中空部(13)内における被接合部材(15)(詳述すると被接合部材(15)の座部(18))に対応する位置に、ダイ(21)を配置する。この状態において、ダイ(21)は、その中心軸(Q)がパイプ(11)の中心軸(Z)と一致するようにパイプ(11)の中空部(13)内に配置されている。
次いで、マンドレル(28)を、その楔部(29)の中心軸がパイプ(11)の中心軸(Z)と一致するようにパイプ(11)の中空部(13)内に配置する。そして、この状態で、マンドレル(28)の楔部(29)をマンドレル駆動手段によって該マンドレル(28)の軸方向に移動(詳述すると押圧移動)させることにより、マンドレル(28)の楔部(29)をダイ(21)の楔孔部(24)内に差し込む。これにより、図5及び図6に示すように、ダイ(21)の各ダイセグメント(21a)をパイプ(11)の半径方向外向きに移動させ、パイプ(11)の挿通部分(12a)とその軸方向両側近傍部分(12b)(12b)とからなるエキスパンド加工対象部(12)をエキスパンド加工(拡管加工)する。
このエキスパンド加工では、パイプ(11)の挿通部分(12a)は、各ダイセグメント(21a)の押圧部(23)によってパイプ(11)の外側に膨出するように押圧されて塑性変形される。さらに、このようにパイプ(11)の挿通部分(12a)が膨出することに伴い、被接合部材(15)の座部(18)がパイプ(11)の挿通部分(12a)によってパイプ(11)の外側に押し出されて座部(18)の弾性変形域内で弾性変形される。これにより、座部(18)に弾性復元力が蓄積される。また、パイプ(11)の挿通部分(12a)の軸方向両側近傍部分(12b)(12b)は、各ダイセグメント(21a)の両押圧凸部(22)(22)によってパイプ(11)の外側に膨出するように押圧される。これにより、当該両近傍部分(12b)(12b)は外側膨出状に塑性変形される。
次いで、マンドレル(28)の楔部(29)をダイ(21)の楔孔部(24)内から抜出する。すると、被接合部材(15)の座部(18)に蓄積された弾性復元力(スプリングバック力)により、被接合部材(15)の座部(18)がパイプ(11)の外周面に、パイプ(11)に対して外嵌状態に圧接固定される。これにより、被接合部材(15)がパイプ(11)(詳述するとパイプ(11)の外周面)に接合され、もって図1及び図2に示した接合構造体(S1)が製造される。
この接合方法では、被接合部材(15)の挿通孔(16)の周縁部に、短円筒状の座部(18)がパイプ(11)の軸方向の片側に突出して一体に設けられていることから、被接合部材(15)の挿通孔(16)内にパイプ(11)を挿通するとともにパイプ(11)の外周面の被接合部材(15)の座部(18)を重合させることにより、被接合部材(15)とパイプ(11)との接触面積が増加する。これにより、被接合部材(15)の接合強度を増大できる。
而して、この接合方法では、エキスパンド加工は、次の第1関係式(1)、第2関係式(2)及び第3関係式(3)を満足するように行われるのが望ましい。
第1関係式:1<(D+D1+t)/D2 …(1)
第2関係式:1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
第3関係式:1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
ここで、各関係式(1)(2)及び(3)において、t、D、D1、D2、D3、DP、W1及びW2は、図7に示すように次のとおりである。
tは、パイプ(11)の肉厚である。
Dは、パイプ(11)の半径方向におけるダイセグメント(21a)の移動量である。
D1は、パイプ(11)の中心軸(Z)からダイセグメント(21a)の押圧部(23)までの距離である。
D2は、パイプ(11)の中心軸(Z)から被接合部材(15)の被接合面(19)までの距離である。
D3は、ダイセグメント(21a)の押圧部(23)に対する押圧凸部(22)の頂部の高さである。
DPは、パイプ(11)の中心軸(P)からパイプ(11)の内周面までの距離である。
W1は、接合初期にパイプ(11)と当接する被接合部材(15)の被接合面(19)の幅である。
W2は、ダイセグメント(21a)の両押圧凸部(22)(22)の頂部間の距離である。
ここで本実施形態では、上述したように、エキスパンド加工時にダイ(21)の中心軸(Q)がパイプ(11)の中心軸(Z)と一致するようにダイ(21)がパイプ(11)の中空部(13)内に配置されることから、D1は、ダイ(21)の中心軸(Q)からダイセグメント(21a)の押圧部(23)までの距離であると換言することができる。
また本実施形態では、被接合部材(15)の挿通孔(16)の内周面、即ち被接合部材(15)の座部(18)の内周面が、被接合部材(15)の被接合面(19)に対応している。ただし、座部(18)の内周面における被接合部材(15)に対して屈曲した屈曲部側の周面部は、断面円弧状に形成されているので、接合初期にパイプ(11)とは当接しない。したがって、この周面部は接合初期の被接合面(19)には該当しない。
また本実施形態では、エキスパンド加工は、ダイ(21)の各ダイセグメント(21a)について第1〜第3関係式(1)(2)(3)を満足するように行われている。
上記第1関係式(1)を満足することにより、エキスパンド加工時に被接合部材(15)の座部(18)がパイプ(11)の外側に確実に押し出される。その結果、被接合部材(15)の座部(18)とパイプ(11)との間に高い接触残留圧力を発生でき、これにより、被接合部材(15)の接合強度、特にねじり強度の向上を確実に図ることができる。
もし第1関係式(1)を満足しない場合、即ち1≧(D+D1+t)/D2の場合、被接合部材(15)の座部(18)とパイプ(11)との間に接触残留圧力が発生せず、そのため被接合部材(15)の接合強度、特にねじり強度を向上させることが困難である。
ただし本発明では、第1関係式(1)を必ずしも満足する必要はなく、すなわち第1関係式(1)を満足することは本発明の必須要件ではない。
第1関係式(1)の右辺の上限値は特に限定されず、例えば、エキスパンド加工時において被接合部材(15)の座部(18)が弾性変形域内での変形となる値まで許容される。すなわち本発明では、エキスパンド加工による被接合部材(15)の座部(18)の変形形態が塑性変形ではなく弾性変形である条件のもとで、つまりエキスパンド加工により被接合部材(15)の座部(18)が塑性変形しないで弾性変形する条件のもとで、上記第1関係式(1)を満足することが特に望ましい。具体的に第1関係式(1)の右辺の上限値について示すと、第1関係式(1)の右辺の上限値は例えば1.2(特に好ましくは1.1)であることが望ましい。
第1関係式(1)では、ダイセグメント(21a)は、押圧凸部(22)を有していても良いし、あるいは図8に示すように押圧凸部を有していなくても良い。すなわち、接合構造体(S1)において被接合部材(15)の抜け強度とねじり強度がともに必要な場合には、ダイセグメント(21a)は押圧凸部(22)を有していることが望ましく、一方、被接合部材(15)のねじり強度だけが必要な場合には、ダイセグメント(21a)は押圧凸部(22)を必ずしも有していなくても良い。
なお、パイプ(11)の半径方向における各ダイセグメント(21a)の移動量の設定は、マンドレル駆動手段によるマンドレル楔部(29)のダイ楔孔部(24)内への差込み量を調節することにより、行われる。
上記第2関係式(2)を満足することにより、被接合部材(15)の接合強度の向上を確実に図ることができる。
図9は、第2関係式(2)を満足し且つ第2関係式(2)の中辺の値が1.0に近い場合における接合例を示している。
もし第2関係式(2)の中辺の値が1.0未満の場合には、エキスパンド加工によって被接合部材(15)の座部(18)がパイプ(11)の両近傍部分(12b)(12b)と一緒に変形されることにより、被接合部材(15)の抜け強度やねじり強度が低下する虞があるし、更に、エキスパンド加工時に被接合部材(15)の座部(18)のエッジ部がパイプ(11)の外周面に食い込む虞がある。
図10は、上記第2関係式(2)を満足し且つ第2関係式(2)の中辺の値が3.0に近い場合における接合例を示している。
もし第2関係式(2)の中辺の値が3.0を超えた場合には、エキスパンド加工によりパイプ(11)の両近傍部分(12b)(12b)に形成される2個の膨出部(B)(B)の位置が被接合部材(15)の座部(18)から離れすぎるため、被接合部材(15)の接合強度、特にねじり強度が低下する虞がある。
第2関係式(2)において特に望ましい関係式(2a)は次のとおりである。
1.0≦W2/(W1+2t)≦1.5 …(2a)
ただし本発明では、第2関係式(2)を必ずしも満足する必要はなく、すなわち第2関係式(2)を満足することは本発明の必須要件ではない。
上記第3関係式(3)を満足することにより、被接合部材(15)の接合強度、特に抜け強度の向上を確実に図ることができるし、エキスパンド加工時におけるパイプ(11)の破断を確実に防止できる。
もし第3関係式(3)の中辺の値が1.0以下の場合、パイプ(11)の両近傍部分(12b)(12b)に膨出部(B)が形成されないため、被接合部材(15)の接合強度、特に抜け強度の向上を図ることが困難になる。一方、中辺の値が1.2を超える場合、例えばエキスパンド加工時にパイプ(11)が破断する虞がある。
第3関係式(3)において特に望ましい関係式(3a)は次のとおりである。
1.1≦(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3a)
ただし本発明では、第3関係式(3)を必ずしも満足する必要はなく、すなわち第3関係式(3)を満足することは本発明の必須要件ではない。
なお本発明では、ダイセグメント(21a)の押圧凸部(22)の幅W3は特に限定されるものではなく、例えば3〜30mmの範囲内に設定される。また、押圧凸部(22)の形状についても特に限定されるものではない。ここで、押圧凸部(22)におけるパイプ(11)と当接する部分にはエッジを設けず、この部分は滑らかな曲面で形成されていることが望ましい。本実施形態では、上述したように押圧凸部(22)は断面円弧状に形成されている。また本発明では、ダイセグメント(21a)の押圧部(23)と押圧凸部(22)との間の境界部に丸みが付けられていても良い。
本実施形態の接合装置(20)では、第1関係式(1)を満足するようにD及びD1が設定されていることが望ましく、及び/又は、第2関係式(2)を満足するようにW2が設定されていることが望ましく、及び/又は、第3関係式(3)を満足するようにD、D1及びD3が設定されていることが望ましい。このように設定された接合装置(20)を用いてパイプ(11)と被接合部材(15)とを接合することにより、上述した効果を確実に奏することができる。
<第2実施形態>
図11〜図15は、本発明の第2実施形態に係る接合方法及び該接合方法に用いられる接合装置(20)を説明する図である。これらの図には、上記第1実施形態の接合装置の要素と同一の要素には同一の符号が付されている。本第2実施形態の接合方法及び接合装置(20)について、上記第1実施形態の接合方法及び接合装置とは異なる点を中心に以下に説明する。
パイプ(11)は、真直な角パイプであり、その断面形状は多角形状である。本第2実施形態では、パイプ(11)の断面形状は四角形状である。また、パイプ(11)はその軸方向に延びた中空部(13)を有している。この中空部(13)の断面形状は四角形状である。パイプ(11)の断面の各辺の長さは同じである。
パイプ(11)は、その軸方向に延びるとともに互いに周方向に並んだ4個の平坦壁部(11a)(11a)(11a)(11a)と、互いに隣り合う2個の平坦壁部(11a)(11a)間に配置された角部(11b)とを有している。各角部(11b)の断面形状は、所定の曲率半径の円弧状である。このパイプ(11)の材質は、上記第1実施形態と同じであり、即ちアルミニウム又はアルミニウム合金である。
被接合部材(15)は平面視略四角形の板状のものである。被接合部材(15)の中央部にはパイプ(11)が挿通される挿通孔(16)が被接合部材(15)の厚さ方向に貫通して設けられている。この挿通孔(16)の断面形状は、パイプ(11)の断面形状に対応した形状であり、即ち四角形状である。挿通孔(16)の各角部の断面形状は、パイプ(11)の各角部(11b)の断面形状に対応した形状であり、即ち円弧状である。
さらに、被接合部材(15)の挿通孔(16)の周縁部には、該挿通孔(16)を包囲するように短角筒状(詳述すると短四角筒状)の座部(18)が、パイプ(11)の軸方向の片側に突出して一体形成されている。被接合部材(15)及び座部(18)の材質は、第1実施形態と同じであり、即ちアルミニウム又はアルミニウム合金である。
パイプ(11)の断面の各辺の長さは例えば20〜100mmの範囲内に設定されている。パイプ(11)の各角部(11b)の外側曲率半径(R)は例えば5〜45mmの範囲内に設定されている。パイプ(11)の長さ及び肉厚tは第1実施形態と同じである。
ただし本発明では、パイプ(11)の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものではなく、パイプ(11)の使用目的や用途に応じて様々に設定されるものである。
被接合部材(15)の各辺の長さは例えば30〜150mmの範囲内に設定されている。被接合部材(15)の挿通孔(16)の断面の各辺の長さは、パイプ(11)の断面の各辺の長さよりも例えば0.1〜1mm大きく設定されている。挿通孔(16)の各角部の曲率半径は例えば5.1〜47mmの範囲内に設定されている。被接合部材(15)及び座部(18)の肉厚は第1実施形態と同じであり、また座部(18)の突出長さは第1実施形態と同じである。
ただし本発明では、被接合部材(15)及び座部(18)の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものではなく、被接合部材(15)の使用目的や用途に応じて様々に設定されるものである。
本第2実施形態の接合装置(20)において、マンドレル(28)の楔部(29)は四角錐状である。したがって、図13に示すように、楔部(29)の断面形状は四角形状である。
ダイ(21)の断面形状はパイプ(11)の中空部(13)の断面形状に対応した形状であり、即ち四角形状である。ダイ(21)の中心部には、マンドレル(28)の楔部(29)に対応した楔孔部(24)が設けられている。さらに、ダイ(21)は、その中心軸(Q)を中心に周方向に均等に複数個のダイセグメント(21a)に分割されている。本第2実施形態では、ダイ(21)の分割数は4個である。詳述すると、ダイ(21)は、パイプ(11)の各平坦壁部(11a)の幅方向中間部に対応する位置で分割されている。
この接合装置(20)の他の構成は、上記第1実施形態の接合装置と同じである。
次に、この接合装置(20)を用いた接合方法について以下に説明する。
まず、図12及び図13に示すように、パイプ(11)を被接合部材(15)の挿通孔(16)内に遊挿状態に挿通する。これにより、被接合部材(15)の座部(18)がパイプ(11)の外周面に重合される。さらに、パイプ(11)の中空部(13)内における被接合部材(15)の座部(18)に対応する位置に、ダイ(21)を配置する。この状態において、ダイ(21)は、その中心軸(Q)がパイプ(11)の中心軸(Z)と一致するようにパイプ(11)の中空部(13)内に配置されている。
次いで、マンドレル(28)の楔部(29)をダイ(21)の楔孔部(24)内に差し込む。これにより、図14及び図15に示すように、ダイ(21)の各ダイセグメント(21a)をパイプ(11)の各角部(11b)に向かってパイプ(11)の半径方向外向きに移動させ、パイプ(11)の挿通部分(12a)とその軸方向両側近傍部分(12b)(12b)とからなるエキスパンド加工対象部(12)をエキスパンド加工(拡管加工)する。
こうして得られた接合構造体(S2)では、図11に示すように、パイプ(11)の挿通部分(12a)の軸方向両側近傍部分(12b)(12b)には、エキスパンド加工によってパイプ(11)の外側に局部的に膨出した断面円弧状の2個の膨出部(B)(B)がパイプ(11)の周方向の全周に亘って形成されている。被接合部材(15)は、これら2個の膨出部(B)(B)間で被接合部材(15)の座部(18)が挟まれた状態でパイプ(11)に接合されている。これにより、被接合部材(15)の抜け強度の向上が図られている。
第2実施形態の接合方法において、エキスパンド加工は、上記の第1関係式(1)、第2関係式(2)及び/又は第3関係式(3)を満足するように行われるのが望ましい。
第2実施形態の接合方法では、上記第1実施形態の上述した利点がある上、更に次の利点がある。
すなわち、パイプ(11)の断面形状は四角形状であり、被接合部材(15)の挿通孔(16)の断面形状はパイプ(11)の断面形状に対応した形状であるから、パイプ(11)が被接合部材(15)の挿通孔(16)内に挿通された状態において被接合部材(15)のねじり強度が更に向上する。したがって、もし仮に被接合部材(15)にパイプ(11)の周方向の荷重が加わった場合であっても、被接合部材(15)はパイプ(11)の周方向にずれ動き難くなる。
さらに、パイプ(11)の各角部(11b)の断面形状が円弧状であることから、被接合部材(15)にパイプ(11)の周方向の荷重が加わった場合において、パイプ(11)の各角部(11b)に応力が集中するのを確実に防止できる。そのため、接合構造体(S2)の強度的信頼性が向上する。
さらに、ダイ(21)の各ダイセグメント(21a)をパイプ(11)の各角部(11b)に向かってパイプ(11)の半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行うことから、パイプ(11)の各角部(11b)を平坦壁部(11a)よりも重点的にエキスパンド加工することができる。これにより、パイプ(11)の各角部(11b)を確実に大きく膨出させることができる。その結果、接合強度、特にねじり強度の更なる向上を図ることができる。
<第3実施形態>
図16及び図17は、本発明の第3実施形態に係る接合方法及び該接合方法に用いられる接合装置(20)を説明する図である。これらの図面には、上記第1及び第2実施形態の接合装置の要素と同一の要素には同一の符号が付されている。本第3実施形態の接合方法及び接合装置(20)について、第1及び第2実施形態の接合方法及び接合装置とは異なる点を中心に以下に説明する。
本第3実施形態では、パイプ(11)及び被接合部材(15)は上記第2実施形態と同じである。
本第3実施形態では、接合装置(20)のダイ(21)の外周面におけるパイプ(11)の各平坦壁部(11a)に対応する部位に、ダイ(21)の軸方向(即ち、パイプ(11)の軸方向)に延びた断面コ字状の凹条部(25)が設けられている。
この接合装置(20)の他の構成は、上記第2実施形態の接合装置と同じである。
本第3実施形態の接合方法は、上記第2実施形態の接合方法と同じである。また、本第3実施形態の接合方法において、エキスパンド加工は、上記の第1関係式(1)、第2関係式(2)及び/又は第3関係式(3)を満足するように行われるのが望ましい。
本第3実施形態の接合方法で得られた接合構造体(S3)では、パイプ(11)のエキスパンド加工対象部(12)の周方向の全周がエキスパンド加工されているのではなく、エキスパンド加工対象部(12)の各角部(11b)だけが局部的にエキスパンド加工されている。すなわち、パイプ(11)の挿通部分(12a)の各角部(11b)と該挿通部分(12a)の軸方向両側近傍部分(12b)(12b)の各角部(11b)とがパイプ(11)の外側に局部的に膨出するようにエキスパンド加工されており、一方、パイプ(11)の挿通部分(12a)の平坦壁部(11a)と該挿通部分(12a)の軸方向両側近傍部分(12b)(12b)の各平坦壁部(11a)とはエキスパンド加工されていない。したがって、パイプ(11)の挿通部分(12a)の軸方向両側近傍部分(12b)(12b)の各角部(11b)には、エキスパンド加工によってパイプ(11)の外側に局部的に膨出した断面円弧状の2個の膨出部(B)(B)が形成されており、一方、パイプ(11)の挿通部分(12a)の軸方向両側近傍部分(12b)(12b)の各平坦壁部(11a)にはそのような膨出部は形成されていない。
本第3実施形態の接合方法では、ダイ(21)の外周面におけるパイプ(11)の各平坦壁部(11a)に対応する部位に、ダイ(21)の軸方向に延びた凹条部(25)が設けられているので、ダイ(21)のダイセグメント(21a)とパイプ(11)の内周面との接触面積を減少できる。これにより、エキスパンド加工時にダイセグメント(21a)とパイプ(11)の内周面との間の摩擦力を低減できる。その結果、パイプ(11)の各角部(11b)を平坦壁部(11a)よりも更に確実に大きく膨出できるし、またエキスパンド加工に要する力を低減できる。
<第4実施形態>
図18は、本発明の第4実施形態に係る接合方法及び該接合方法に用いられる接合装置(20)を説明する図である。これらの図面には、上記第1及び第2実施形態の接合装置の要素と同一の要素には同一の符号が付されている。本第4実施形態の接合方法及び接合装置(20)について、第1及び第2実施形態の接合方法及び接合装置とは異なる点を中心に以下に説明する。
本第4実施形態では、パイプ(11)の断面形状は三角形状である。また、パイプ(11)の中空部(13)の断面形状は三角形状である。パイプ(11)の断面の各辺の長さは同じである。パイプ(11)の各角部(11b)の断面形状は、所定の曲率半径の円弧状である。
本第4実施形態の接合装置(20)において、マンドレル(28)の楔部(29)は三角錐状である。したがって、楔部(29)の断面形状は三角形状である。
ダイ(21)の断面形状はパイプ(11)の中空部(13)の断面形状に対応した形状であり、即ち三角形状である。ダイ(21)の中心部には、マンドレル(28)の楔部(29)に対応した楔孔部(24)が設けられている。さらに、ダイ(21)は、その中心軸(Q)を中心に周方向に均等に複数個のダイセグメント(21a)に分割されている。本第2実施形態では、ダイ(21)の分割数は3個である。詳述すると、ダイ(21)は、パイプ(11)の各平坦壁部(11a)の幅方向中間部に対応する位置で分割されている。
この接合装置(20)の他の構成は、上記第1実施形態の接合装置と同じである。
本第4実施形態の接合方法は、上記第2実施形態の接合方法と同じである。また、本第4実施形態の接合方法において、エキスパンド加工は、上記の第1関係式(1)、第2関係式(2)及び/又は第3関係式(3)を満足するように行われるのが望ましい。
<第5実施形態>
図19は、本発明の第5実施形態に係る接合方法及び該接合方法に用いられる接合装置(20)を説明する図である。これらの図面には、上記第1及び第2実施形態の接合装置の要素と同一の要素には同一の符号が付されている。本第5実施形態の接合方法及び接合装置(20)について、第1及び第2実施形態の接合方法及び接合装置とは異なる点を中心に以下に説明する。
本第5実施形態では、パイプ(11)の断面形状は五角形状である。また、パイプ(11)の中空部(13)の断面形状は五角形状である。パイプ(11)の断面の各辺の長さは同じである。パイプ(11)の各角部(11b)の断面形状は、所定の曲率半径の円弧状である。
本第5実施形態の接合装置(20)において、マンドレル(28)の楔部(29)は五角錐状である。したがって、楔部(29)の断面形状は五角形状である。
ダイ(21)の断面形状はパイプ(11)の中空部(13)の断面形状に対応した形状であり、即ち五角形状である。ダイ(21)の中心部には、マンドレル(28)の楔部(29)に対応した楔孔部(24)が設けられている。さらに、ダイ(21)は、その中心軸(Q)を中心に周方向に均等に複数個のダイセグメント(21a)に分割されている。本第2実施形態では、ダイ(21)の分割数は5個である。詳述すると、ダイ(21)は、パイプ(11)の各平坦壁部(11a)の幅方向中間部に対応する位置で分割されている。
この接合装置(20)の他の構成は、上記第1実施形態の接合装置と同じである。
本第5実施形態の接合方法は、上記第2実施形態の接合方法と同じである。また、本第5実施形態の接合方法において、エキスパンド加工は、上記の第1関係式(1)、第2関係式(2)及び/又は第3関係式(3)を満足するように行われるのが望ましい。
<第6実施形態>
図20は、本発明の第6実施形態に係る接合方法及び該接合方法に用いられる接合装置(20)を説明する図である。これらの図面には、上記第1及び第2実施形態の接合装置の要素と同一の要素には同一の符号が付されている。本第6実施形態の接合方法及び接合装置(20)について、第1及び第2実施形態の接合方法及び接合装置とは異なる点を中心に以下に説明する。
本第6実施形態では、パイプ(11)の断面形状は六角形状である。また、パイプ(11)の中空部(13)の断面形状は六角形状である。パイプ(11)の断面の各辺の長さは同じである。パイプ(11)の各角部(11b)の断面形状は、所定の曲率半径の円弧状である。
本第6実施形態の接合装置(20)において、マンドレル(28)の楔部(29)は六角錐状である。したがって、楔部(29)の断面形状は六角形状である。
ダイ(21)の断面形状はパイプ(11)の中空部(13)の断面形状に対応した形状であり、即ち六角形状である。ダイ(21)の中心部には、マンドレル(28)の楔部(29)に対応した楔孔部(24)が設けられている。さらに、ダイ(21)は、その中心軸(Q)を中心に周方向に均等に複数個のダイセグメント(21a)に分割されている。本第2実施形態では、ダイ(21)の分割数は6個である。詳述すると、ダイ(21)は、パイプ(11)の各平坦壁部(11a)の幅方向中間部に対応する位置で分割されている。
この接合装置(20)の他の構成は、上記第1実施形態の接合装置と同じである。
本第6実施形態の接合方法は、上記第2実施形態の接合方法と同じである。また、本第6実施形態の接合方法において、エキスパンド加工は、上記の第1関係式(1)、第2関係式(2)及び/又は第3関係式(3)を満足するように行われるのが望ましい。
以上で、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に変更可能である。
例えば、本発明では、パイプ(11)の断面形状は、円形状、三角形状、四角形状、五角形状又は六角形状であることに限定されるものではなく、その他に、七角形状以上であっても良い。
また本発明では、パイプ(11)の内部に、該パイプ(11)の軸方向に延びた、中空部(13)を仕切る仕切り壁部(図示せず)が配置されていても良い。
また本発明では、被接合部材(15)の座部(18)の外側に配置された規制部材(図示せず)によって座部(18)の外側への膨出量を規制した状態で、エキスパンド加工を行っても良い。
また本発明では、被接合部材(15)は必ずしも座部(18)を有していなくても良く、すなわち被接合部材(15)の挿通孔(16)の周縁部に座部(18)が形成されていなくても良い。
また上記実施形態では、いずれも、マンドレル(28)の楔部(29)をマンドレル駆動手段によってマンドレル(28)の軸方向に押圧移動させることにより、マンドレル(28)の楔部(29)がダイ(21)の楔孔部(24)内に差し込まれている。しかるに、本発明では、マンドレル(28)の楔部(29)をダイ(21)の楔孔部(24)内に差し込む方法は、上述の方法であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、マンドレル(28)の楔部(29)をマンドレル駆動手段によってマンドレル(28)の軸方向に牽引移動させることにより、マンドレル(28)の楔部(29)がダイ(21)の楔孔部(24)内に差し込まれるものとなされていても良い。
次に、本発明の具体的な実験例を以下に示す。ただし本発明は、以下の実験例に示したものであることに限定されるものではない。
<実験例A−1〜A−17>
様々な断面寸法の断面円形状のパイプ(11)を準備した。このパイプ(11)を用いて図1〜図7に示した上記第1実施形態の接合装置(20)によりパイプ(11)に被接合部材(15)を接合し、これにより接合構造体(S1)を得た。その後、この接合構造体(S1)を人工時効処理した。この人工時効処理の条件は190℃×7hである。
次いで、この接合構造体(S1)について被接合部材(15)のねじり強度及び抜け強度を評価した。その結果を表1に示す。また、この接合に用いた接合装置(20)のダイ(21)及び接合条件も表1に示した。
使用したパイプ(11)はアルミニウム合金押出材からなるものであり、その材質は、JIS(日本工業規格)に準拠したアルミニウム合金番号A6N01−T1である。パイプ(11)の長さは200mmである。
使用した被接合部材(15)はアルミニウム合金押出板材からなるものであり、その材質は、JISに準拠したアルミニウム合金番号A6N01−T5である。被接合部材(15)及び座部(18)の肉厚は10mmである。被接合部材(15)の外径は150mmである。
Figure 2009090313
[ねじり強度の評価方法]
被接合部材(15)のねじり強度の評価方法は次のとおりである。
パイプ(11)の一端部を固定しておき、被接合部材(15)にパイプ(11)の周方向の荷重を加えることにより被接合部材(15)がパイプ(11)の周方向に0.5°回転したときのトルクを、ねじり強度とした。
[抜け強度の評価方法]
被接合部材(15)の抜け強度の評価方法は次のとおりである。
被接合部材(15)を固定しておき、パイプ(11)にその軸方向の荷重を加えることによりパイプ(11)がその軸方向に被接合部材(15)に対して0.5mm変位したときの荷重を、抜け強度とした。
表1及び表2において、「ねじり強度」の符号の意味は次のとおりである。
◎:500Nm以上
○:300Nm以上、500Nm未満
△:100Nm以上、300Nm未満
×:100Nm未満
「抜け強度」の符号の意味は次のとおりである。
◎:20kN以上
○:10kN以上、20kN未満
△:5kN以上、10kN未満
×:5kN未満
なお、実験例A−9及びA−17では、接合装置(20)のダイ(21)として、図8に示すように押圧凸部がないダイを用いてエキスパンド加工を行った。
[接合強度の評価]
表1から分かるように、断面円形状のパイプ(11)に被接合部材(15)を接合する場合において、第1関係式(1)、第2関係式(2)及び/又は第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行うことにより、接合強度の向上を図ることができる。
<実験例B−1〜B−17>
様々な断面寸法の断面四角形状及び六角形状のパイプ(11)を準備した。このパイプ(11)を用いて、図11〜図15に示した上記第2実施形態の接合装置(20)又は図20に示した上記第6実施形態の接合装置(20)によりパイプ(11)に被接合部材(15)を接合し、これにより接合構造体(S2)を得た。その後、この接合構造体(S2)を人工時効処理した。この人工時効処理の条件は190℃×7hである。
次いで、この接合構造体(S2)について被接合部材(15)のねじり強度及び抜け強度を評価した。その結果を表2に示す。また、この接合に用いた接合装置(20)のダイ(21)及び接合条件も表2に示した。
使用したパイプ(11)はアルミニウム合金押出材からなるものであり、その材質は、JISに準拠したアルミニウム合金番号A6N01−T1である。パイプ(11)の長さは200mmである。
使用した被接合部材(15)はアルミニウム合金押出板材からなるものであり、その材質は、JISに準拠したアルミニウム合金番号A6N01−T5である。被接合部材(15)及び座部(18)の肉厚は10mmである。被接合部材(15)の外径は150mmである。
Figure 2009090313
実験例B−1〜B−8、B−10〜B−16では、図21に示すように、パイプ(11)の断面形状は四角形状である。また、パイプ(11)の断面の各辺の長さは同じである。
実験例B−9、B−17では、図22に示すように、パイプ(11)の断面形状は六角形状である。また、パイプ(11)の断面の各辺の長さは同じである。
表2の「パイプの断面形状」欄において「a」とは、図21及び図22に示すように、パイプ(11)の外幅を示す。
また、「評価対象」欄において、「平坦壁部」とは、図21及び図22に示すように、パイプ(11)の中心軸(Z)からパイプ(11)の平坦壁部(11a)に向かう方向(X)における評価を意味する。また、「角部」とは、パイプ(11)の中心軸(Z)からパイプ(11)の角部(11b)に向かう方向(Y)における評価を意味する。
被接合部材(15)のねじり強度及び抜け強度の評価方法は上述した方法と同じである。「ねじり強度」及び「抜け強度」の符号の意味は上述した符号の意味と同じである。
[接合強度の評価]
表2から分かるように、断面多角形状(詳述すると断面四角形状又は六角形状)のパイプ(11)に被接合部材(15)を接合する場合において、第1関係式(1)、第2関係式(2)及び/又は第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行うことにより、接合強度の向上を図ることができる。
本発明は、例えば、自動車のステアリングサポートビーム、ステアリングコラムホルダ、マフラ、フレーム、プロペラシャフト、サスペンションアーム、その他の自動車の部品を製作する際に用いられ、あるいは、自動車以外の製品として、例えば配管材を製作する際に用いられる、パイプと被接合部材との接合方法、及び前記接合方法に用いられる接合装置に利用可能である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る接合装置により断面円形状のパイプに被接合部材が接合されて製造された接合構造体の斜視図である。 図2は、同接合構造体の断面図である。 図3は、同接合装置によりパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の断面図である。 図4は、図3中のX−X線断面図である。 図5は、同接合装置によりパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工した状態の断面図である。 図6は、図5中のX−X線断面図である。 図7は、同接合装置によりパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の断面図である。 図8は、同接合装置のダイが押圧凸部を有していない場合の断面図である。 図9は、第2関係式を満足し且つ第2関係式の中辺の値が1.0に近い場合における一接合例を示す要部断面図である。 図10は、第2関係式を満足し且つ第2関係式の中辺の値が3.0に近い場合における一接合例を示す要部断面図である。 図11は、本発明の第2実施形態に係る接合装置により断面四角形状のパイプに被接合部材が接合されて製造された接合構造体の斜視図である。 図12は、同接合装置によりパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の断面図である。 図13は、図12中のX−X線断面図である。 図14は、同接合装置によりパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工した状態の断面図である。 図15は、図14中のX−X線断面図である。 図16は、本発明の第3実施形態に係る接合装置により断面四角形状のパイプに被接合部材が接合された製造された接合構造体の斜視図である。 図17は、同接合装置によりパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の断面図である。 図18は、本発明の第4実施形態に係る接合装置により断面三角形状のパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の断面図である。 図19は、本発明の第5実施形態に係る接合装置により断面五角形状のパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の断面図である。 図20は、本発明の第6実施形態に係る接合装置により断面六角形状のパイプのエキスパンド加工対象部をエキスパンド加工する前の状態の断面図である。 図21は、表2において使用した断面四角形状のパイプを説明するための断面図である。 図22は、表2において使用した断面六角形状のパイプを説明するための断面図である。
符号の説明
S1、S2、S3…接合構造体
11…パイプ
11a…平坦壁部
11b…角部
12…エキスパンド加工対象部
12a…挿通部分
12b…近傍部分
13…中空部
B…膨出部
Z…パイプの中心軸
15…被接合部材
16…挿通孔
18…座部
19…被接合面
20…接合装置
21…ダイ
21a…ダイセグメント
22…押圧凸部(第1押圧凸部、第2押圧凸部)
23…押圧部
24…楔孔部
25…凹条部
28…マンドレル
29…楔部
Q…ダイの中心軸

Claims (19)

  1. 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
    被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合方法において、
    前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部を有しており、
    前記パイプの肉厚をt、
    前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
    前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
    前記パイプの中心軸から前記被接合部材の被接合面までの距離をD2とするとき、
    次の第1関係式(1)を満足するようにエキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
    1<(D+D1+t)/D2 …(1)
  2. 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
    前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
    次の第2関係式(2)を満足するダイを用いてエキスパンド加工を行う請求項1記載のの接合方法。
    1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
  3. 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
    前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
    次の第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行う請求項1又は2記載の接合方法。
    1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
  4. 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
    被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合方法において、
    前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    前記パイプの肉厚をt、
    接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
    前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
    次の第2関係式(2)を満足するダイを用いてエキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
    1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
  5. 前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
    前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
    前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
    前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
    次の第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行う請求項4記載の接合方法。
    1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
  6. 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
    被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合方法において、
    前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
    前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
    前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
    前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
    次の第3関係式(3)を満足するようにエキスパンド加工を行うことを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
    1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
  7. 前記パイプの断面形状は円形状であり、
    前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、パイプの断面形状に対応した形状である請求項1〜6のいずれかに記載の接合方法。
  8. 前記パイプの断面形状は多角形状であるとともに、前記パイプの各角部の断面形状は円弧状であり、
    前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、前記パイプの断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイは、前記パイプの各平坦壁部の幅方向中間部に対応する位置で分割されており、
    前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの各角部に向かって前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、エキスパンド加工を行う請求項1〜6のいずれかに記載の接合方法。
  9. 前記ダイの外周面における前記パイプの各平坦壁部に対応する部位に、前記ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている請求項8記載の接合方法。
  10. 前記被接合部材の挿通孔の周縁部に、短筒状の座部が前記パイプの軸方向に突出して一体に設けられており、
    前記被接合部材の挿通孔内に挿通されたパイプの外周面に前記被接合部材の座部を重合させた状態で、エキスパンド加工を行う請求項1〜9のいずれかに記載の接合方法。
  11. 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを備え、
    被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、前記パイプの中空部内に配置された前記ダイの各ダイセグメントを前記パイプの半径方向外向きに移動させることにより、前記パイプの前記挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合装置において、
    前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部を有しており、
    前記パイプの肉厚をt、
    前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
    前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
    前記パイプの中心軸から前記被接合部材の被接合面までの距離をD2とするとき、
    次の第1関係式(1)を満足するようにD及びD1が設定されていることを特徴とするパイプと被接合部材との接合装置。
    1<(D+D1+t)/D2 …(1)
  12. 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
    前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
    次の第2関係式(2)を満足するようにW2が設定されている請求項11記載の接合装置。
    1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
  13. 前記ダイセグメントは、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
    前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
    次の第3関係式(3)を満足するようにD、D1及びD3が設定されている請求項11又は12記載の接合装置。
    1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
  14. 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを備え、
    被接合部材に設けられた挿通孔内に挿通されたパイプの中空部内に前記ダイが配置された状態で、前記ダイの各ダイセグメントが前記パイプの半径方向外向きに移動されることにより、前記パイプの挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも前記挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合装置において、
    前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    前記パイプの肉厚をt、
    接合初期に前記パイプと当接する前記被接合部材の被接合面の幅をW1、
    前記ダイセグメントの両押圧凸部の頂部間の距離をW2とするとき、
    次の第2関係式(2)を満足するようにW2が設定されている特徴とするパイプと被接合部材との接合装置。
    1.0≦W2/(W1+2t)≦3.0 …(2)
  15. 前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
    前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
    前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
    前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
    次の第3関係式(3)を満足するようにD、D1、及びD3が設定されている請求項14記載の接合装置。
    1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
  16. 中心軸を中心に周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを備え、
    前記被接合部材に設けられた挿通孔内に挿通されたパイプの中空部内に前記ダイが配置された状態で、前記ダイの各ダイセグメントが前記パイプの半径方向外向きに移動されることにより、前記パイプの挿入孔内への挿通部分とその軸方向両側近傍部分とのうち少なくとも挿通部分をエキスパンド加工し、これにより前記パイプに前記被接合部材を接合する接合装置において、
    前記ダイの断面形状は、前記パイプの中空部の断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイセグメントは、前記パイプの前記挿通部分を押圧する押圧部と、前記パイプの前記両近傍部分のうち一方を押圧する第1押圧凸部と他方を押圧する第2押圧凸部とを有しており、
    前記パイプの半径方向における前記ダイセグメントの移動量をD、
    前記パイプの中心軸から前記ダイセグメントの押圧部までの距離をD1、
    前記ダイセグメントの押圧部に対する押圧凸部の頂部の高さをD3、
    前記パイプの中心軸から前記パイプの内周面までの距離をDPとするとき、
    次の第3関係式(3)を満足するようにD、D1及びD3が設定されていることを特徴とするパイプと被接合部材との接合装置。
    1.0<(D+D1+D3)/DP≦1.2 …(3)
  17. 前記パイプの断面形状は円形状であり、
    前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、前記パイプの断面形状に対応した形状である請求項11〜16のいずれかに記載の接合装置。
  18. 前記パイプの断面形状は多角形状であるとともに、前記パイプの各角部の断面形状は円弧状であり、
    前記被接合部材の挿通孔の断面形状は、前記パイプの断面形状に対応した形状であり、
    前記ダイは、前記パイプの各平坦壁部の幅方向中間部に対応する位置で分割されており、
    前記各ダイセグメントは、エキスパンド加工時に、前記パイプの各角部に向かってパイプの半径方向外向きに移動されるものである請求項11〜16のいずれかに記載の接合装置。
  19. 前記ダイの外周面における前記パイプの各平坦壁部に対応する部位に、前記ダイの軸方向に延びた凹条部が設けられている請求項18記載の接合装置。
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