JP5355963B2 - パイプと被接合部材との接合方法 - Google Patents

パイプと被接合部材との接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5355963B2
JP5355963B2 JP2008216570A JP2008216570A JP5355963B2 JP 5355963 B2 JP5355963 B2 JP 5355963B2 JP 2008216570 A JP2008216570 A JP 2008216570A JP 2008216570 A JP2008216570 A JP 2008216570A JP 5355963 B2 JP5355963 B2 JP 5355963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
joined
die
polygonal
corner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008216570A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010051975A (ja
Inventor
貞男 小久保
斉礼 川田
良知 加藤
雅洋 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2008216570A priority Critical patent/JP5355963B2/ja
Publication of JP2010051975A publication Critical patent/JP2010051975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5355963B2 publication Critical patent/JP5355963B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)

Description

本発明は、パイプと被接合部材(例:ブラケット、フランジ)との接合方法、及び、パイプと被接合部材との接合構造体に関する。
パイプと該パイプに外挿した被接合部材(ブラケット、フランジ等)とを接合する方法として、例えば、特開2007−275932号公報(特許文献1)及び特開平11−36859号公報(特許文献2)に開示された方法が知られている。
前者の公報では、四角形パイプと被接合部材とをエキスパンド加工用ダイを用いてエキスパンド加工することにより、四角形パイプに被接合部材を接合する方法が開示されている。
後者の公報では、互いに外径の異なる2個のパイプと被接合部材とを、エキスパンド加工用ダイを用いてエキスパンド加工することにより、両パイプに被接合部材を接合する方法が開示されている。
これらの接合方法の原理について図11及び12を参照して説明すると次のとおりである。
被接合部材105に設けられた挿通孔106内に四角形パイプ101を挿通する。この状態では、挿通孔106の内周面107とパイプ101の外周面103との間にはクリアランスCが存在している。また、図12に示すようにパイプ101の肉厚は周方向に均一である。そして、パイプ101の中空部101x内に配置されたエキスパンド加工用ダイ111の各ダイセグメント111aでパイプ101の挿通孔106内への挿通部分102をパイプ101の半径外方向に押圧することにより、パイプ101の挿通部分102をエキスパンド加工する。これにより、パイプ101に被接合部材105が接合される。
なお、これらの図において、118aは、ダイ111の各ダイセグメント111aをパイプ101の半径外方向に移動させるためのマンドレル118の楔部である。114は、マンドレル118の楔部118aが差し込まれるダイ111の楔孔部である。105aは、パイプ101の外周面103に重合される被接合部材105の座部である。104は、パイプ101の内周面である。101aはパイプ101の角部、101bはパイプ101の辺部である。
このエキスパンド加工では、エキスパンド加工量(拡管量)がクリアランスCよりも大きくなるようにパイプ101の挿通部分102をダイ111の各ダイセグメント111aで押圧し、これによりパイプ101の挿通部分102と被接合部材105とを一緒にパイプ101の半径外方向へ押し拡げる。そして、ダイセグメント111aでパイプ101の挿通部分102を押圧するのをやめることにより生じるパイプ101と被接合部材105とのスプリングバック量の差によって、被接合部材105がパイプ101に圧接固定される。
このエキスパンド加工による接合方法(即ち拡管接合方法)では、パイプ101と被接合部材105との接合強度を高めるためには、パイプ101のスプリングバック量はなるべく小さい方が望ましい。
特開2007−275932号公報 特開平11−36859号公報
しかしながら、パイプ101がスプリングバックの大きな材料で製作されている場合には、パイプ101のスプリングバック量が大きいので、パイプ101と被接合部材105との接合強度が小さいという難点があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、パイプのスプリングバック量を小さくし、これよりパイプと被接合部材との接合強度を向上させることができるパイプと被接合部材との接合方法、及び、パイプと被接合部材との接合強度が高いパイプと被接合部材との接合構造体を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分をエキスパンド加工することにより、パイプに被接合部材を接合するパイプと被接合部材との接合方法において、
パイプとして、肉厚が周方向に不均一な偏肉パイプを用いることを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
[2] 偏肉パイプは、外周面の断面形状が非円形状の異形パイプである前項1記載のパイプと被接合部材との接合方法。
[3] 異形パイプは、外周面の断面形状が多角形状の多角形パイプである前項2記載のパイプと被接合部材との接合方法。
[4] 多角形パイプは、角部が厚肉、辺部の幅方向中間部が薄肉に形成されている前項3記載のパイプと被接合部材との接合方法。
[5] 周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用いて、パイプの挿通部分をエキスパンド加工する前項1〜4のいずれかに記載のパイプと被接合部材との接合方法。
[6] 多角形パイプの各辺部の幅方向中間部に対応する位置にて、周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
多角形パイプの中空部内に配置されたダイの各ダイセグメントを多角形パイプの各角部に向かって半径外方向に移動させることにより、パイプの挿通部分をエキスパンド加工する前項4記載のパイプと被接合部材との接合方法。
[7] 被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプが挿通された状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分がエキスパンド加工されることにより、パイプに被接合部材が接合されたパイプと被接合部材との接合構造体において、
パイプとして、肉厚が周方向に不均一な偏肉パイプが用いられていることを特徴とするパイプと被接合部材との接合構造体。
[8] 偏肉パイプは、外周面の断面形状が非円形状の異形パイプである前項7記載のパイプと被接合部材との接合構造体。
[9] 異形パイプは、外周面の断面形状が多角形状の多角形パイプである前項8記載のパイプと被接合部材との接合構造体。
[10] 多角形パイプは、角部が厚肉、辺部の幅方向中間部が薄肉に形成されている前項9記載のパイプと被接合部材との接合構造体。
本発明は以下の効果を奏する。
なお本明細書では、パイプに被接合部材が接合されて製造された接合構造体において、パイプの周方向の荷重に対する被接合部材の接合強度を「ねじり強度」といい、パイプの軸方向の荷重に対する被接合部材の接合強度を「抜け強度」という。
[1]の発明では、パイプとして、肉厚が周方向に不均一な偏肉パイプを用いることにより、パイプがその薄肉部で塑性変形し易くなり、これによりパイプのスプリングバック量を小さくすることができ、もってパイプと被接合部材との接合強度を向上させることができる。
さらに、パイプがその薄肉部で塑性変形し易くなっているので、パイプの挿通部分をエキスパンド加工するのに要する押圧力を低減することができる。
[2]の発明では、偏肉パイプが異形パイプなので、パイプに対する被接合部材のねじり強度を向上させることができる。
[3]の発明では、異形パイプが多角形パイプなので、ねじり強度を確実に向上させることができる。
[4]の発明では、多角形パイプは、角部が厚肉、辺部の幅方向中間部が薄肉に形成されている。したがって、パイプの角部の強度が高くなっているので、ねじり強度を更に向上させることができる。
[5]の発明では、パイプの挿通部分を確実にエキスパンド加工することができる。
[6]の発明では、パイプの挿通部分の各角部を重点的にエキスパンド加工することができ、これにより、ねじり強度を更に一層向上させることができる。
[7]〜[10]の発明では、それぞれ上記[1]〜[4]の発明の効果と同様の効果を奏する。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜5は、本発明の一実施形態に係るパイプと被接合部材との接合方法を説明する図である。図1において、1はパイプ、5は被接合部材である。K1は、パイプ1に被接合部材5が接合されて製造された接合構造体である。
図2に示すように、パイプ1は、肉厚が周方向に不均一な偏肉パイプであり、詳述すると外周面3の断面形状が非円形状の異形パイプであり、更に詳述すると外周面3の断面形状が略四角形状の四角形パイプである。
このパイプ1の四辺部1b、1b、1b、1bの長さは互いに等しく、更に、互いに隣り合う二辺部1b、1bの間の角度は直角である。したがって、このパイプ1の外周面3の断面形状は略正四角形状である。さらに、パイプ1の各角部1aの外面3aは丸く面取りされた状態になっており、そのため、各角部1aの外面3aの断面形状は円弧状に形成されている。また、このパイプ1の各辺部1bの外面3bは平坦状に形成されている。
さらに、このパイプ1の各角部1aの内面4aは内側に僅かに膨出した状態になっており、一方、このパイプ1の各辺部1bの内面4bの幅方向中間部は外側に「く」字状に僅かに窪んだ状態になっている。その結果、このパイプ1の各角部1aが厚肉に形成されるとともに、各辺部1bの幅方向中間部が薄肉に形成されている。また、このパイプ1の各角部1aの内面4aの断面形状は円弧状である。以上のようにパイプ1の断面形状が形成されることにより、パイプ1を後述する被接合部材5の挿通孔6内に挿入し易くなる。
ここで、パイプ1の厚肉部をT1、薄肉部をT2とするとき、パイプ1の厚肉部T1は各角部1aであり、パイプ1の薄肉部T2は各辺部1bの幅方向中間部である。
パイプ1の厚肉部T1の肉厚t1は様々に設定可能であり、例えば2〜6mmの範囲内に設定される。また、パイプ1の厚肉部T1の肉厚t1と薄肉部T2の肉厚t2との比は、t1:t2=1:0.4〜0.9であることが望ましい。
パイプ1は、弾性変形及び塑性変形可能な材料からなり、例えば金属からなり、特にアルミニウム(その合金を含む。以下同じ)又はマグネシウム合金の押出材からなることが望ましい。こうすることにより、得られる接合構造体K1の軽量化を図ることができるし、更にパイプ1をコスト的に有利に製造することができる。本実施形態では、パイプ1は押出材からなり、そのため、パイプ1の肉厚はその軸方向(即ち長さ方向)に一定に設定されている。
被接合部材5は、例えば、他の部材に取り付けられるフランジやブラケットとして用いられるか、あるいはカムローブとして用いられるものである。ただし本発明では、被接合部材5はフランジ、ブラケット、カムローブであることに限定されるものではなく、その他の部材であっても良い。
被接合部材5は、弾性変形可能な材料からなり、例えば金属からなり、詳述すると例えばアルミニウム又はマグネシウム合金からなる。
被接合部材5は板状である。被接合部材5の中央部には、パイプ1が挿通される挿通孔6が設けられている。この挿通孔6の断面形状は、パイプ1の外周面3の断面形状に対応した形状であり、即ち略正四角形状である。挿通孔6の内周面7の各角部は、パイプ1の各角部1aの外面3aに対応して丸く形成されている。
さらに、被接合部材5の挿通孔6の周縁部には、該挿通孔6を包囲するように短角筒状の座部5aがパイプ1の軸方向の片側に突出して一体形成されている。この座部5aは、被接合部材5の挿通孔6の周縁部を、その全周に亘って短角筒状にプレス曲げ加工することにより、形成されたものである。
被接合部材5の挿通孔6の内形寸法は、パイプ1の外形寸法よりも例えば0.1〜1mm程度大きく設定されている。したがって、図1及び2に示すように、被接合部材5の挿通孔6内にパイプ1が挿通された状態では、被接合部材5の挿通孔6の内周面7とパイプ1の外周面3との間に、挿通孔6の内形寸法とパイプ1の外形寸法との寸法差に対応したクリアランスC(隙間)が存在している。被接合部材5の座部5aの肉厚は例えば1〜20mmの範囲内に設定される。ただし本発明では、被接合部材5の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものでない。
本実施形態の接合構造体K1では、図3及び4に示すように、パイプ1が被接合部材5の挿通孔6内に挿通されるとともに、被接合部材5の座部5aがパイプ1の外周面3に重合されている。そしてこの状態で、パイプ1の挿通孔6内への挿通部分2がその周方向の全周に亘ってエキスパンド加工(拡管加工)され、これによりパイプ1に被接合部材5が固定状態に接合されている。
パイプ1の挿通部分2には、エキスパンド加工によって、パイプ1の外側に局部的に膨出した膨出部Bが形成されている。この膨出部Bは、エキスパンド加工によってパイプ1の挿通部分2が外側に膨出状に塑性変形されて形成されたものである。さらに、被接合部材5は、自己のスプリングバック力(弾性復元力)によってパイプ1の膨出部Bの外周面に圧接固定されている。
次に、本発明の一実施形態に係る接合装置10の構成について以下に説明する。
この接合装置10は、図1及び2に示すように、エキスパンド加工用ダイ11、マンドレル18などを備えている。
マンドレル18は、例えば工具鋼や超硬合金製の楔部18aを有している。この楔部18aはマンドレル18の先端部に先細り状に形成されている。楔部18aは、円錐状又は多角錐状であり、本実施形態では円錐状である。
また、マンドレル18の基端部には、該マンドレル18をその軸方向に押圧移動又は牽引移動させるマンドレル駆動手段(図示せず)が接続されている。本実施形態では、マンドレル駆動手段は、マンドレル18をその軸方向に押圧移動させるものである。この駆動手段として、例えば、油圧シリンダ等の流体圧シリンダが用いられている。
ダイ11は、パイプ1よりも高い強度を有しており、例えば工具鋼や超硬合金製である。
ダイ11の断面形状は、パイプ1の中空部1xの断面形状に対応した形状であり、即ち四角形状である。ダイ11は、パイプ1の中空部1x内に配置された状態でパイプ1のエキスパンド加工対象部としての挿通部分2をパイプ1の外側へ押圧して局部的に膨出させるものである。
ダイ11の中心部には、マンドレル18の楔部18aに対応する楔孔部14がダイ11の中心軸Qと同軸に且つダイ11の軸方向に貫通して設けられている。この楔孔部14の形状は、マンドレル18の楔部18aに対応する形状であり、即ち円錐状である。
さらに、このダイ11は、その中心軸Qを中心に周方向に複数個のダイセグメント11aに均等に分割されており、すなわち楔孔部14を中心に周方向に複数個のダイセグメント11aに均等に分割されている。本実施形態では、ダイ11の分割数は4個である。したがって、このダイ11は、互いに同形同寸の4個のダイセグメント11aが互いに組み合わされて構成されたものである。これらのダイセグメント11aは互いに同一形状で同一構成である。ダイ11の分割位置は、パイプ1の各辺部1bの幅方向中間部に対応する位置であり、即ちパイプ1の各薄肉部T2に対応する位置である。
各ダイセグメント11aのパイプ1側に向いた外面は、パイプ1を押圧する押圧面部に対応している。
次に、この接合装置10を用いたパイプ1と被接合部材5との接合方法について、以下に説明する。
まず、図1及び2に示すように、パイプ1を被接合部材5の挿通孔6内に遊挿状態に挿通する。この状態では、被接合部材5の挿通孔6の内周面7とパイプ1の外周面3との間に、挿通孔6の内形寸法とパイプ1の外形寸法との寸法差に対応したクリアランスC(隙間)が存在している。
さらに、パイプ1の中空部1x内における被接合部材5に対応する位置に、ダイ11を配置する。この状態において、ダイ11は、その中心軸Qがパイプ1の中心軸Zと一致するようにパイプ1の中空部1x内に配置されている。
次いで、マンドレル18の楔部18aをダイ11の楔孔部14内に差し込む。これにより、図3及び4に示すように、ダイ11の各ダイセグメント11aをパイプ1の各角部1aに向かって半径外方向に移動させ、これにより、各ダイセグメント11aでパイプ1の挿通部分2、特に挿通部分2の角部1aを重点的に半径外方向に押圧してエキスパンド加工(拡管加工)する。
このエキスパンド加工では、エキスパンド加工量(拡管量)がクリアランスCよりも大きくなるようにパイプ1の挿通部分2を各ダイセグメント11aで押圧し、これによりパイプ1の挿通部分2と被接合部材5とを一緒にパイプ1の半径外方向へ押し拡げる。この押し拡げ動作に伴いパイプ1と被接合部材5とにそれぞれスプリングバック力(弾性復元力)が蓄積されていく。
そして、パイプ1の挿通部分2に所定の膨出量の膨出部Bが形成されたとき、エキスパンド加工を終了するためにマンドレル18の楔部18aをダイ11の楔孔部14から抜出し、ダイセグメント11aでパイプ1の挿通部分2を押圧するのをやめる。すると、パイプ1と被接合部材5とのスプリングバック量の差によって被接合部材5がパイプ1に圧接固定されて被接合部材5がパイプ1に接合される。これにより、接合構造体K1が製造される。
図5(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、本実施形態の接合方法において、パイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工する前、途中及び後の状態を示す断面図である。Aは、パイプ1の各辺部1bの幅である。各辺部1bの幅Aは等しく設定されている。αは、エキスパンド加工の途中で生じたパイプ1の各辺部1bの幅の増加量である。
図13(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、従来の接合方法において、パイプ101の挿通部分102をエキスパンド加工する前、途中及び後の状態を示す断面図である。このパイプ101の肉厚は周方向に均一である。Aは、パイプ101の各辺部101bの幅である。各辺部101bの幅Aは等しく設定されている。αは、エキスパンド加工の途中で生じたパイプ101の各辺部101bの幅の増加量である。
図13(A)で示したパイプ101の断面積と図5(A)で示したパイプ1の断面積とは等しくなっており、また、図13(B)で示したαと図5(B)で示したαとは等しくなっている。
図13(A)に示すように、従来の接合方法によれば、パイプ101は肉厚が周方向に均一なものであるから、パイプ101は偏肉パイプ1に比べて塑性変形し難い。そのため、このパイプ101の挿通部分102をエキスパンド加工すると、図13(B)に示すように、パイプ101がその周方向に略均一に弾性変形又は塑性変形する。したがって、図13(C)に示すように、エキスパンド加工の終了後に生じるパイプ101のスプリングバック量S1は大きい。
これに対して、図5(A)に示すように、本実施形態の接合方法によれば、パイプ1は上述したように肉厚が周方向に不均一なものであるから、パイプ1はその薄肉部T2で塑性変形し易くなっている。そのため、このパイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工すると、図5(B)に示すように、パイプ1がその薄肉部T2で局部的に塑性変形する。したがって、図5(C)に示すように、エキスパンド加工の終了後に生じるパイプ1のスプリングバック量S2は小さい。すなわち、S2<S1である。
以上のように、本実施形態の接合方法によれば、パイプ1のスプリングバック量S2を小さくすることができる。そのため、パイプ1と被接合部材5との接合強度を向上させることができる。
さらに、このパイプ1がその薄肉部T2で塑性変形し易くなっているので、パイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工するのに要する押圧力を低減することができる。
さらに、このパイプ1が外周面3の断面形状が非円形状の異形パイプなので、パイプ1に対する被接合部材5のねじり強度を向上させることができる。
さらに、このパイプ1が四角形パイプ(即ち多角形パイプ)なので、ねじり強度を確実に向上させることができるあ。
さらに、このパイプ1は、各角部1aが厚肉、各辺部1bの幅方向中間部が薄肉に形成されている。したがって、パイプ1の各角部1aの強度が高くなっているので、ねじり強度を更に向上させることができる。すなわち、一般に、パイプ1にその周方向の荷重が作用した場合、パイプ1の各角部1aにねじり荷重が集中して加わる。しかるに、本実施形態では、パイプ1の各角部1aが厚肉に形成されることでその強度が高くなっているので、ねじり強度を更に向上させることができる。
さらに、周方向に複数個のダイセグメント11aに分割されたエキスパンド加工用ダイ11を用いて、パイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工するので、パイプ1の挿通部分2を確実にエキスパンド加工することができる。
さらに、ダイ11は、パイプ1の各辺部1bの幅方向中間部に対応する位置にて分割されており、ダイ11の各ダイセグメント11aをパイプ1の各角部1aに向かって半径外方向に移動させることにより、パイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工するので、パイプ1の挿通部分2の各角部1aを重点的にエキスパンド加工することができ、これにより、ねじり強度を更に一層向上させることができる。さらに、図5(B)に示すように、エキスパンド加工時において、パイプ1の各薄肉部T2の位置で、互いに隣り合う2個のダイセグメント11a、11aの間が開くから、薄肉部T2の塑性変形が薄肉部T2とダイセグメント11aとの接触摩擦力により阻害されることが殆どない。そのため、薄肉部T2を容易に且つ確実に塑性変形させることができ、もってパイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工するのに要する押圧力を確実に低減することができる。
而して、本発明は、上記実施形態で示したパイプ1であることに限定されるものではなく、様々に変更可能である。その幾つかの変形例について上記実施形態とは異なる点を中心に図面を参照して以下に示す。
図6は、本実施形態の第1変形例に係るパイプ1の端面図である。このパイプ1は、外周面3の断面形状が六角形状(詳述すると正六角形状)で且つ内周面4の断面形状が円形状の六角形パイプである。外周面3と内周面4は互いに同軸に形成されている。
このパイプ1の各角部1aの外面3aは丸く面取りされた状態になっており、そのため、各角部1aの外面3aの断面形状は円弧状に形成されている。また、このパイプ1の各辺部1bの外面3bは平坦状に形成されている。このパイプ1の厚肉部T1は各角部1aであり、パイプ1の薄肉部T2は各辺部1bの幅方向中間部である。
図7は、本実施形態の第2変形例に係るパイプ1の端面図である。このパイプ1は、外周面3の断面形状が五角形状(詳述すると正五角形状)で且つ内周面4の断面形状が円形状の五角形パイプである。外周面3と内周面4は互いに同軸に形成されている。
このパイプ1の各角部1aの外面3aは丸く面取りされた状態になっており、そのため、各角部1aの外面3aの断面形状は円弧状に形成されている。また、このパイプ1の各辺部1bの外面3bは平坦状に形成されている。このパイプ1の厚肉部T1は各角部1aであり、パイプ1の薄肉部T2は各辺部1bの幅方向中間部である。
図8は、本実施形態の第3変形例に係るパイプ1の端面図である。このパイプ1は、外周面3の約左半部の断面形状が円弧形状で、外周面3の約右半部の断面形状が不等辺多角形状で、内周面4の約左半部の断面形状が円弧形状で、内周面4の約右半部の断面形状が不等辺多角形状の異形パイプである。このパイプ1では、その約左半部の肉厚は周方向に均一であるが、その約右半部の肉厚は周方向に不均一になっている。
図9及び10は、本発明の第4変形例に係るパイプ1と被接合部材5との接合方法を説明する図である。
図9に示すように、このパイプ1の各角部1aの外面3aは外側に円弧状に大きく膨出した状態になっており、一方、このパイプ1の各辺部1bの内面4bが外側に「く」字状に僅かに窪んだ状態になっている。その結果、このパイプ1の各角部1aが厚肉に形成されるとともに、各辺部1bの幅方向中間部が薄肉に形成されている。したがって、このパイプ1の厚肉部T1は各角部1aであり、パイプ1の薄肉部T2は各辺部1bの幅方向中間部である。
さらに、被接合部材5の挿通孔6内にパイプ1が挿通された状態では、被接合部材5の挿通孔6の内周面7の各角部7aとパイプ1の各角部1aの外面3aとの間に大きなクリアランスが生じている。一方、被接合部材5の挿通孔6の内周面7の各辺部7bとパイプ1の各辺部1bとの間には小さなクリアランスが生じているか又はクリアランスが全く生じていない。被接合部材5の挿通孔6の内周面7の各角部7aの形状は、パイプ1の各角部1aの外面3aの形状に対応した形状になっている。また、マンドレル18の楔部18aとダイ11の楔孔部14とはそれぞれ四角錐状である。
図10に示すように、この変形例では、ダイ11の各ダイセグメント11aをパイプ1の各角部1aに向かって半径外方向に移動させることにより、パイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工する。これにより、パイプ1の挿通部分2の各角部1aを重点的にエキスパンド加工することができ、もってねじり強度を更に一層向上させることができる。
以上で本発明の実施形態及び幾つかの変形例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、様々に変更可能である。
また本発明では、パイプ1のエキスパンド加工対象部は、パイプ1の挿通部分2と更にその軸方向両側近傍部分とであっても良い。すなわち本発明では、パイプ1の挿通部分2と更にその軸方向両側近傍部分とをエキスパンド加工しても良い。この場合、パイプ1に対する被接合部材5のねじり強度だけではなく更に被接合部材5の抜け強度も向上させることができる。
また本発明では、パイプ1の薄肉部T2が各角部1aであり、パイプ1の厚肉部T1が各辺部1bの幅方向中間部であっても良い。この場合、ダイ11の各ダイセグメント11aでパイプ1の各辺部1bを半径外方向に押圧することにより、パイプ1の挿通部分2がエキスパンド加工される。
また本発明では、パイプ1の外周面3の断面形状は、四角形状、五角形状、六角形状であることに限定されるものではなく、その他に三角形状であっても良いし、七角形以上の多角形状であっても良い。
また本発明では、圧力媒体(液体、気体、ゴム等)を用いたエキスパンド加工によって、パイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工しても良い。しかしながら、上記実施形態で示したようにエキスパンド加工用ダイ11を用いてパイプ1の挿通部分2をエキスパンド加工するのが特に望ましい。
本発明は、例えば、自動車のバンパーステイ、ステアリングサポートビーム、ステアリングコラムホルダ、マフラ、フレーム、プロペラシャフト、サスペンションアーム、カムシャフト、その他の自動車の部品を製作する際に用いられ、あるいは、自動車以外の製品として、例えば配管材を製作する際に用いられる、パイプと被接合部材との接合方法、及び、パイプと被接合部材との接合構造体に利用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係るパイプと被接合部材との接合方法において、パイプをエキスパンド加工する前の状態を示す断面図である。 図2は、図1の正面図である。 図3は、パイプをエキスパンド加工する途中の状態を示す断面図である。 図4は、図3の正面図である。 図5は、パイプをエキスパンド加工する前、途中及び後の状態を示す断面図である。 図6は、本実施形態の第1変形例に係るパイプの端面図である。 図7は、本実施形態の第2変形例に係るパイプの端面図である。 図8は、本実施形態の第3変形例に係るパイプの端面図である。 図9は、本実施形態の第4変形例に係るパイプと被接合部材との接合方法において、パイプをエキスパンド加工する前の状態を示す正面図である。 図10は、パイプをエキスパンド加工する途中の状態を示す正面図である。 図11は、従来のパイプと被接合部材との接合方法において、パイプをエキスパンド加工する前の状態を示す断面図である。 図12は、図11の正面図である。 図13は、パイプをエキスパンド加工する前、途中及び後の状態を示す断面図である。
符号の説明
K1:接合構造体
1:パイプ
1a:角部
1b:辺部
2:挿通部分
3:外周面
3a:角部の外面
3b:角部の内面
4:内周面
4a:角部の内面
4b:辺部の内面
T1:厚肉部
T2:薄肉部
B:膨出部
5:被接合部材
6:挿通孔
7:内周面
10:接合装置
11:エキスパンド加工用ダイ
11a:ダイセグメント
14:楔孔部
18:マンドレル
18a:楔部

Claims (4)

  1. 被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプを挿通した状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分をエキスパンド加工することにより、パイプに被接合部材を接合するパイプと被接合部材との接合方法において、
    パイプとして、肉厚が周方向に不均一で外周面の断面形状が多角形状の多角形パイプを用いるものとし、
    多角形パイプは、角部が厚肉、辺部の幅方向中間部が薄肉に形成されていることを特徴とするパイプと被接合部材との接合方法。
  2. 周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用いて、パイプの挿通部分をエキスパンド加工する請求項記載のパイプと被接合部材との接合方法。
  3. 多角形パイプの各辺部の幅方向中間部に対応する位置にて、周方向に複数個のダイセグメントに分割されたエキスパンド加工用ダイを用い、
    多角形パイプの中空部内に配置されたダイの各ダイセグメントを多角形パイプの各角部に向かって半径外方向に移動させることにより、パイプの挿通部分をエキスパンド加工する請求項記載のパイプと被接合部材との接合方法。
  4. 被接合部材に設けられた挿通孔内にパイプが挿通された状態で、パイプの挿通孔内への挿通部分がエキスパンド加工されることにより、パイプに被接合部材が接合されたパイプと被接合部材との接合構造体において、
    パイプとして、肉厚が周方向に不均一で外周面の断面形状が多角形状の多角形パイプが用いられており、
    さらに、多角形パイプは、角部が厚肉、辺部の幅方向中間部が薄肉に形成されていることを特徴とするパイプと被接合部材との接合構造体。
JP2008216570A 2008-08-26 2008-08-26 パイプと被接合部材との接合方法 Active JP5355963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008216570A JP5355963B2 (ja) 2008-08-26 2008-08-26 パイプと被接合部材との接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008216570A JP5355963B2 (ja) 2008-08-26 2008-08-26 パイプと被接合部材との接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010051975A JP2010051975A (ja) 2010-03-11
JP5355963B2 true JP5355963B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=42068454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008216570A Active JP5355963B2 (ja) 2008-08-26 2008-08-26 パイプと被接合部材との接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5355963B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6573517B2 (ja) * 2015-09-28 2019-09-11 株式会社神戸製鋼所 バンパー部材の接合方法及びバンパー構造体
JP6653150B2 (ja) * 2015-09-28 2020-02-26 株式会社神戸製鋼所 部材の接合方法及び装置
JP6573522B2 (ja) * 2015-10-01 2019-09-11 株式会社神戸製鋼所 部材の接合方法および装置
DE102015224905A1 (de) 2015-12-10 2017-06-14 Thyssenkrupp Ag Verfahren zur dauerhaften Befestigung von Nocken auf einem Trägerrohr
JP6711668B2 (ja) * 2016-03-31 2020-06-17 株式会社神戸製鋼所 部材の接合方法
JP6721451B2 (ja) * 2016-08-02 2020-07-15 株式会社神戸製鋼所 部材の加工方法および部材の接合方法
WO2019003764A1 (ja) * 2017-06-27 2019-01-03 株式会社神戸製鋼所 部材の接合方法および接合体
JP7118645B2 (ja) * 2017-06-27 2022-08-16 株式会社神戸製鋼所 部材の接合方法および接合体
CN109954769B (zh) * 2019-04-30 2020-05-05 安徽和泰汽车配件股份有限公司 一种冲压件冲压回弹控制方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02255225A (ja) * 1989-03-29 1990-10-16 Nippon Steel Corp 偏肉鋼管の径拡大加工方法
JP3807524B2 (ja) * 1997-07-24 2006-08-09 カルソニックカンセイ株式会社 自動車用排気マフラとその製造方法
JP4921019B2 (ja) * 2006-04-06 2012-04-18 昭和電工株式会社 部材同士の接合方法
JP4988246B2 (ja) * 2006-05-02 2012-08-01 昭和電工株式会社 パイプと板材との接合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010051975A (ja) 2010-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5355963B2 (ja) パイプと被接合部材との接合方法
JP5399663B2 (ja) パイプと被接合部材との接合方法
JP4921019B2 (ja) 部材同士の接合方法
JP5373277B2 (ja) フランジ付パイプの製造方法
JP4843356B2 (ja) 部材同士の接合方法
US20150165507A1 (en) Forming Tool and Method for Enlarging an Opening by Means of an Enlarging Device
US9327337B2 (en) Expansion head for expansion tools and expansion tool comprising said expansion head
JP6103384B2 (ja) 流体圧シリンダに用いられるピストンの連結構造及びその連結方法
JP5019791B2 (ja) パイプのエキスパンド加工装置
JP4995665B2 (ja) パイプと複数個の被接合部材との接合方法
JP2002102959A (ja) 偏心拡径管端部をもつ金属管の製造方法
JP4988246B2 (ja) パイプと板材との接合方法
JP2010046697A (ja) パイプと被接合部材との接合方法
US9272354B2 (en) Cylinder device
JP2011036912A (ja) スピニング加工方法
JP2016073988A (ja) ハイドロフォーミング加工品の製造方法および製造装置
JP2006000873A (ja) 金属管の接合方法
JP5355874B2 (ja) パイプと被接合部材との接合方法
JP6535476B2 (ja) 金属容器用しごき成形装置及びアイオニングダイ用支持体
JPH0230336A (ja) 金属管の拡管方法
JP2017177151A (ja) 金属管材の製造方法および金属管材
JP2006095593A (ja) 筒体の製造方法
JP2006102752A (ja) 重合体とその製造方法
JP2007209998A (ja) 金属管部材
JP4799812B2 (ja) テーラードチューブのハイドロフォーム加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5355963

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350