JP2009088388A - 太陽エネルギー利用装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽エネルギー利用装置10は、第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜23で被覆された光入射側透明基材21の表面に、第2の官能基を有する第2の膜化合物の形成する被膜34で表面の少なくとも一部が被覆された撥水性の透明微粒子12が、第1及び第2の官能基と、カップリング剤の有するカップリング反応基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定されている撥水性透光部材24を有する。
【選択図】図1
Description
光入射側透明基材の光入射側の表面及び透明微粒子の表面に存在するヒドロキシル基等の表面基は、第1及び第2の膜化合物の有するSiと反応して、シロキサン結合等の安定な共有結合を形成する。そのため、光入射側透明基材及び透明微粒子の表面をそれぞれ被覆する第1及び第2の膜化合物の形成する被膜の耐剥離性が向上し、これらの被膜の剥離による撥水性の透明微粒子の脱落が抑制されるので、得られる太陽エネルギー利用装置の耐候性を向上させる。
なお、「平均粒径が10nm以上」とは、透明微粒子の一次平均粒径が10nm以上であり、かつ粒径が10nm未満である微粒子数の、微粒子全体に占める割合が5%以下であることをいう。同様に、「平均粒径が300nm以下」とは、透明微粒子の一次平均粒径が300nm以下であり、かつ粒径が300nmを超える微粒子数の、微粒子全体に占める割合が5%以下であることをいう。
さらに、これら微粒子が中空の微粒子であれば、光透過率を向上させる効果が高い。
なお、「未反応物」とは、工程Aにおいては未反応の第1の膜化合物を、工程Bにおいては未反応の第2の膜化合物をそれぞれ意味する。
なお、「アルコキシシラン化合物」とは、前記第1及び第2の結合基が、一般式−Si(OR)3(Rは任意のアルキル基を表す)で表されるアルコキシシリル基である膜化合物をいう。
なお、「ハロシラン化合物」とは、第1及び第2の結合基が、一般式−SiX3(Xは塩素、臭素、及びヨウ素のいずれかを表す)で表されるハロシリル基である膜化合物をいう。
この場合において、前記工程Dの後に、未反応の前記第3の膜化合物を洗浄除去することが好ましい。
なお、「アルコキシシラン化合物」とは、前記第3の結合基が、一般式−Si(OR)3(Rは任意のアルキル基を表す)で表されるアルコキシシリル基である膜化合物をいう。
なお、「ハロシラン化合物」とは、第3の結合基が、一般式−SiX3(Xは塩素、臭素、及びヨウ素のいずれかを表す)で表されるハロシリル基である膜化合物をいう。
請求項6記載の太陽エネルギー利用装置においては、第3の膜化合物の形成する撥水被膜が単分子膜であるので、撥水被膜による光の反射や散乱の影響を最小限に抑制でき、高い光透過性を有する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る太陽エネルギー利用装置は、太陽電池10であって、撥水性ガラス板24(撥水性透光部材の一例)を有する。
撥水性ガラス板24は、エポキシ基(第1の官能基の一例)を有する第1の膜化合物の単分子膜(第1の膜化合物の形成する被膜の一例)23で光入射側の表面が被覆された光入射側透明基材の一例であるガラス基材21の表面に、エポキシ基(第2の官能基の一例)を有する第2の膜化合物の単分子膜(第2の膜化合物の形成する被膜の一例)34で表面の少なくとも一部が被覆された撥水性の透明微粒子の一例である撥水性アルミナ微粒子12が、カップリング剤の一例である2−メチルイミダゾールの1−位及び3−位の窒素原子(カップリング反応基の一例)と、エポキシ基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定された構造を有する。
また、撥水性アルミナ微粒子12は、第2の膜化合物の単分子膜34で表面が被覆された透明微粒子の一例であるアルミナ微粒子31(すなわち、被覆透明微粒子の一例であるエポキシ化アルミナ微粒子33)の大気側に露出した部分の表面が、CF3基を含むフッ化炭素基(撥水性官能基の一例)、例えば、パーフルオロオクチル基(CF3(CF2)7−)を有するハロシラン化合物(第3の膜化合物の一例)の形成する撥水性単分子膜13(第3の膜化合物の形成する撥水被膜の一例)でさらに被覆された構造を有する。
n型半導体層52とp型半導体層53との接合面(pn接合)に、禁制帯幅(バンドギャップエネルギー)よりも大きなエネルギーを有する光を照射すると、光起電力が発生し、銀ペースト櫛型電極51とアルミニウム蒸着バック電極54との間に起電力が生じる。
以下、工程A〜Dについてより詳細に説明する。
エポキシ化ガラス基材11の製造に用いるガラス基材21の材質、形状、及び大きさについて特に制限はなく、太陽電池10において使用される任意のガラス基材を用いることができる。また、表面にヒドロキシル基等の活性水素基が存在していれば、反射防止膜等の表面被膜が形成されていてもよい。なお、本実施の形態において、活性水素基はヒドロキシル基22であるが、活性水素を含むアミノ基やイミノ基等であってもよい。
(2) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OCH3)3
(3) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OCH3)3
(4) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OCH3)3
(5) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OCH3)3
(6) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OCH3)3
(7) (CH2OCH)CH2O(CH2)3Si(OC2H5)3
(8) (CH2OCH)CH2O(CH2)7Si(OC2H5)3
(9) (CH2OCH)CH2O(CH2)11Si(OC2H5)3
(10) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)2Si(OC2H5)3
(11) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)4Si(OC2H5)3
(12) (CH2CHOCH(CH2)2)CH(CH2)6Si(OC2H5)3
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルキレートの具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
また、直鎖状アルキレン基の両末端に、アミノ基及びアルコキシシリル基をそれぞれ有し、下記の一般式(化5)で表されるアルコキシシラン化合物を用いることもできる。
また、アミノ基は、化5に示したような1級アミン以外に2級アミンでもよく、アミノ基の代わりにピロール基、イミダゾール基等のイミノ基を有する官能基を含むアルコキシシラン化合物を用いることができる。
この場合において、用いることができるアミノ基を有するアルコキシシラン化合物の一例としては、下記(21)〜(28)に示した化合物が挙げられる。
(22) H2N(CH2)5Si(OCH3)3
(23) H2N(CH2)7Si(OCH3)3
(24) H2N(CH2)9Si(OCH3)3
(25) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(26) H2N(CH2)5Si(OC2H5)3
(27) H2N(CH2)7Si(OC2H5)3
(28) H2N(CH2)9Si(OC2H5)3
したがって、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合には、カルボン酸スズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボン酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレートを除き、第1の溶液と同様の化合物を単独で又は2種類以上を混合して縮合触媒として用いることができる。
用いることのできる助触媒の種類及びそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、及び助触媒の濃度、反応条件ならびに反応時間についてはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合と同様であるので、説明を省略する。
(以上工程A)
製造される太陽電池10の光透過性を損なわないためには、エポキシ化アルミナ微粒子33の製造に用いるアルミナ微粒子31の粒径は、可視光波長(380〜700nm)より小さいことが好ましい。具体的には、アルミナ微粒子31の平均粒径は10〜300nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。用いられるアルミナ微粒子31の粒径は単一であってもよいが、2以上の異なる粒径を有するアルミナ微粒子を混合して用いると、得られる太陽電池10の表面がフラクタル性を有し、撥水撥油防汚性が向上するため好ましい。
用いることができる透明微粒子としては、シリカやジルコニア等の他の無機酸化物系透明微粒子が挙げられる。また、耐摩耗性が若干劣るが、ガラス微粒子を用いてもよい。これらの微粒子に対して、表面の少なくとも一部をアルキル基又はフルオロアルキル基等の疎水性の官能基で予め化学修飾してもよい。
あるいは、表面にヒドロキシル基、アミノ基等の活性水素基を有していれば、アクリル系樹脂等の有機透明微粒子、有機−無機ハイブリッド微粒子等を用いることもできる。
(以上工程B)
2−メチルイミダゾールはエポキシ基と反応するアミノ基及びイミノ基をそれぞれ1−位及び3−位に有しており、下記の化6に示すようなカップリング反応により結合(N−CH2CH(OH)−結合)を形成する。
塗布は、ドクターブレード法、ディップコート法、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法等の任意の方法により行うことができる。
あるいは、LB(ラングミュア−ブロジェット)法等の公知の薄膜形成法を用いてもよい。
塗布後、再度加熱して、エポキシ化アルミナ微粒子33の表面のエポキシ基と2−メチルイミダゾールの窒素官能基(アミノ基及びイミノ基のいずれか)とをカップリング反応させ、カップリング反応により形成された結合を介して、ガラス基材21の表面にアルミナ微粒子31を固定する。
2−メチルイミダゾールの添加量、塗布する溶液の濃度、加熱温度及び加熱時間は、用いる基材及び微粒子の種類、形成する微粒子膜の膜厚等に応じて適宜調節される。
(31) 2−メチルイミダゾール(R2=Me、R4=R5=H)
(32) 2−ウンデシルイミダゾール(R2=C11H23、R4=R5=H)
(33) 2−ペンタデシルイミダゾール(R2=C15H31、R4=R5=H)
(34) 2−メチル−4−エチルイミダゾール(R2=Me、R4=Et、R5=H)
(35) 2−フェニルイミダゾール(R2=Ph、R4=R5=H)
(36) 2−フェニル−4−エチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Et、R5=H)
(37) 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(R2=Ph、R4=Me、R5=CH2OH)
(38) 2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール(R2=Ph、R4=R5=CH2OH)
なお、Me、Et、及びPhは、それぞれメチル基、エチル基、及びフェニル基を表す。
これらのジイソシアネート化合物の添加量は、2−メチルイミダゾールの場合と同様、エポキシ化アルミナ微粒子の5〜15重量%が好ましい。この場合、膜前駆体の製造に用いることのできる溶媒としては、キシレン等の芳香族有機溶媒が挙げられる。
また、カップリング剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の2又は3以上のエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。
(以上工程C)
また、Yは、(CH2)k(kは1〜3の整数を表す)及び単結合のいずれかを表し、Zは、O(エーテル酸素)、COO、Si(CH3)2、及び単結合のいずれかを表す。
(42) CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(43) CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(44) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(45) CF3COO(CH2)15SiCl3
(46) CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3
また、太陽電池10において、ガラス基材21の表面に形成されたアルミナ微粒子31及び撥水性単分子膜13を含む被膜の厚さは、全体で100nm程度であるため、ガラス基材21の透明性が損なわれることもない。
(52) CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH3)3
(53) CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(54) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(55) CF3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(56) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(57) CF3CH2O(CH2)15Si(OC2H5)3
(58) CF3(CH2)3Si(CH3)2(CH2)15Si(OC2H5)3
(59) CF3(CF2)5(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(60) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(61) CF3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(62) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3
(以上工程D)
まず、撥水性ガラス板24の裏面に印刷法を用いて銀ペースト櫛形電極51を形成し、次いで蒸着法により、n型半導体層52及びp型半導体層53を順に形成する。更にその上に反射膜を兼ねたアルミニウム蒸着バック電極54を蒸着形成することにより、太陽電池層60が形成される。
n型半導体層52及びp型半導体層53の形成に用いることができる半導体としては、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、カルコパイライト系等の化合物半導体等が挙げられる。
n型半導体層52、p型半導体層53、及びアルミニウム蒸着バック電極54の形成に用いることができる蒸着法としては、PVD法、CVD法等が挙げられる。
異なる体積の水滴(0.02〜0.08mL)を用いて、撥水性表面上における水滴に対する接触角と転落角の関係を検討した実験結果より、水滴接触角が150度以上のとき、水滴の体積に関係なく転落角は15度以下となることがわかっている。そのため、太陽電池10において、撥水性ガラス板24の表面に付着した水滴の殆どは、表面にとどまることができずに転落することがわかる。
また、ガラス基材21の表面に固定された撥水性アルミナ微粒子12は、屈折率を緩やかに変化させることにより入射光の反射率を低減させるため、n型半導体層52とp型半導体層53との接合面(pn接合面)への光透過率を向上できる。
なお、本実施例では、代表例として太陽電池を取り上げて説明する。
(1)エポキシ化ガラス基材の調製
太陽電池の光入射側透明基材(ガラス製。以下「ガラス基材」という)を用意し、よく洗浄して乾燥した。
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(化9、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、及びジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、第1の溶液を調製した。
その後、クロロホルムで洗浄し、過剰なアルコキシシラン化合物及びジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(化9、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、及びジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、第2の溶液を調製した。
その後、クロロホルムで洗浄し、過剰なアルコキシシラン化合物及びジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
(1)で調製したエポキシ化ガラス基材の表面に、2−メチルイミダゾールのエタノール溶液を塗布し、100℃で加熱すると、エポキシ基と2−メチルイミダゾールのアミノ基とが反応して反応性ガラス基材が得られた。エタノールで洗浄することにより余分な2−メチルイミダゾールを除去した。
このようにして得られた、2−メチルイミダゾールの形成する被膜でさらに表面が被覆されたエポキシ化ガラス基材の表面に、(2)で調製したエポキシ化アルミナ微粒子のエタノール分散液を塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分なエポキシ化アルミナ微粒子を除去した。
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン(化10)1重量部を、脱水したノナン100重量部に溶解し、第3の溶液を調製した。
(3)で調製した、微粒子固定ガラス基材の表面に、相対湿度30%以下の乾燥空気中で第3の溶液を塗布し反応させた。反応後、フロン系溶媒で洗浄し、未反応のトリクロロシラン化合物を除去した。
(4)で得られた撥水性ガラス板の裏面に、印刷法を用いて銀ペーストを塗布後、銀ペーストの塗膜を硬化させて、銀ペースト櫛形電極を形成した。次いで、CVD法により、n型アモルファスシリコン層及びp型アモルファスシリコン層を順次形成した。更にその上に、アルミニウムを蒸着させてバック電極を形成し、撥水性ガラス板の裏面に太陽電池層を形成した。
ここで、アモルファスシリコンの製膜やアルミニウム電極の蒸着は、450℃以下で実施したので、撥水性ガラス板の表面に固定したアルミナ微粒子の剥離や、撥水性単分子膜の破壊等は起こらなかった。
比較のために、アルミナ微粒子を固定していないガラス基材の表面に(4)と同様の方法を用いて撥水性単分子膜を形成し、水滴接触角の測定を行ったところ最大水滴接触角は115度程度であった。
ガラス基材及びアルミナ微粒子の表面に、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いて単分子膜を形成し、カップリング剤としてヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートを用いる以外は、実施例1の(1)〜(4)と同様の方法によっても、撥水性ガラス板を製造できた。
その後、実施例1の(5)と同様の方法を用いて、太陽電池を製造できた。
Claims (25)
- 第1の官能基を有する第1の膜化合物の形成する被膜で被覆された光入射側透明基材の表面に、第2の官能基を有する第2の膜化合物の形成する被膜で表面の少なくとも一部が被覆された撥水性の透明微粒子が、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第2のカップリング反応基とを有するカップリング剤と、前記第1及び前記第2の官能基とのカップリング反応により形成された結合を介して固定されていることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1記載の太陽エネルギー利用装置において、前記第1及び第2の膜化合物は、Siを介して、それぞれ前記光入射側透明基材の表面及び前記透明微粒子の表面に共有結合していることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、前記第1及び第2の膜化合物の形成する被膜のいずれか一方又は双方が単分子膜であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、前記撥水性の透明微粒子の大気側に露出した部分の表面が、撥水性官能基を有する第3の膜化合物の形成する撥水被膜でさらに被覆されていることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項4記載の太陽エネルギー利用装置において、前記撥水性官能基が−CF3基を含むことを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項4及び5のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、前記第3の膜化合物の形成する撥水被膜が単分子膜であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、前記透明微粒子が透光性のシリカ、アルミナ、及びジルコニアからなる群より選択されるものであることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、前記透明微粒子の平均粒径が10nm以上300nm以下であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基又はイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CH2CH(OH)結合であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基又はイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置において、水に対する接触角が150度以上180度以下であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
- 分子の両端にそれぞれ第1の官能基及び第1の結合基を有する第1の膜化合物を含む第1の溶液を光入射側透明基材の光入射側の表面に接触させ、前記第1の結合基と前記光入射側透明基材の表面との間で結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する被膜を光入射側の表面に有する被覆光入射側透明基材を調製する工程Aと、
分子の両端にそれぞれ第2の官能基及び第2の結合基を有する第2の膜化合物を含む第2の溶液を透明微粒子の表面に接触させ、前記第2の結合基と前記透明微粒子の表面との間で結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する被膜で前記透明微粒子の表面の少なくとも一部が被覆された被覆透明微粒子を調製する工程Bと、
前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する1又は2以上の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する1又は2以上の第2のカップリング反応基とを有するカップリング剤を、前記被覆光入射側透明基材の光入射側の表面及び前記被覆透明微粒子の表面にそれぞれ接触させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応、及び前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させ、前記被覆透明微粒子を前記被覆光入射側透明基材の光入射側の表面に結合固定する工程Cとを含むことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。 - 請求項12記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記工程A及びBのいずれか一方又は双方の後に、未反応物を洗浄除去することを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項12及び13のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基又はイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CH2CH(OH)結合であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項12及び13のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記カップリング反応により形成された結合が、アミノ基又はイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項12〜15のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第1及び第2の溶液にそれぞれ含まれる前記第1及び第2の膜化合物のいずれか一方又は双方はアルコキシシラン化合物であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項12〜15のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第1及び第2の溶液にそれぞれ含まれる前記第1及び第2の膜化合物のいずれか一方又は双方はハロシラン化合物であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項16記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第1及び第2の溶液のうち前記アルコキシシラン化合物を含むものは、さらに、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1又は2以上の化合物を含むことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項16及び18のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第1及び第2の溶液のうち前記アルコキシシラン化合物を含むものは、さらに、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、及びアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1又は2以上の化合物を含むことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項12〜19のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記工程Cの後に、前記被覆透明微粒子の大気側に露出した表面に、分子の両端に、撥水性官能基と、前記第2の官能基と反応する第3の結合基とをそれぞれ有する第3の膜化合物を含む第3の溶液を接触させ、前記第3の結合基と前記第2の官能基との間で結合を形成させ、前記大気側に露出した表面に前記第3の膜化合物の形成する撥水被膜を形成する工程Dをさらに含むことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項20記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記工程Dの後に、未反応の前記第3の膜化合物を洗浄除去することを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項20及び21のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第3の溶液に含まれる前記第3の膜化合物はフッ化炭素基を含むアルコキシシラン化合物であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項20及び21のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第3の溶液に含まれる前記第3の膜化合物はフッ化炭素基を含むハロシラン化合物であることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項22記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第3の溶液は、さらに、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレートからなる群から選択される1又は2以上の化合物を含むことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
- 請求項22及び24のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置の製造方法において、前記第3の溶液は、さらに、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、及びアミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1又は2以上の化合物を含むことを特徴とする太陽エネルギー利用装置の製造方法。
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