JP2009084328A - 硬化性樹脂組成物及びハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 末端に2以上の反応性官能基を有する分子量が3,000以上の化合物と、2つ以上の反応性官能基を有する分子量が10,000未満の化合物、及び、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子からなる硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
また、ハードコート層の硬度を向上させる方法として、シリカ微粒子を添加する方法もあるが、当該微粒子は凝集しやすく、表面に凝集物の凹凸が生じることもあった。
しかしながら、特許文献1のハードコート層は、実施例に示されたように厚み188μmのポリエチレンテレフタレートのような厚い基材では効果が得られるものの、比較例7に示された薄い基材を用いた場合は、充分な硬度を得られず、カールを抑制することも困難である。また、ハードコートフィルムをきれいに切断できず復元性に乏しい。
しかしながら、特許文献2のハードコート層は、無機の超微粒子が架橋性を有するものではない。また、実施例に記載されているように、光硬化時の光照射量を多くしなければならず、トリアセチルセルロースフィルムのような熱ダメージを受けやすい基材を用いると、ハードコートフィルムを重合させる際の重合熱により、基材が熱ダメージを受けて、目視でも明らかな皺が生じるという問題がある。また、特許文献2のハードコート層によっても、硬度を維持しつつ、カールやひび割れの発生を抑制することはできない。
このように、充分な耐擦傷性を有し、クラックを生じず、カールが抑えられ、硬化時に基材の収縮皺を生じ難く、かつ、高い生産速度で製造可能なハードコートフィルムを得ることはできなかった。
(A)式(1):
で表され、末端に2つ以上の反応性官能基を有する分子量が3,000以上の化合物、
(B)2つ以上の反応性官能基を有する分子量が10,000未満の化合物、及び、
(C)少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子からなる硬化性樹脂組成物を提供する。
また、前記表面修飾化合物が、少なくとも1種の水素結合形成基を有する化合物であることが、有機成分を効率よく表面修飾できる点から好ましい。
更に、前記表面修飾化合物が重合性不飽和基を有することが好ましい。この場合、導入された無機微粒子(C)は架橋結合を形成しやすいため、硬化膜の硬度を向上することができる。
−Q1−C(=Q2)−NH− (2)
(式中、Q1は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す)
に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られることが、有機成分への分散性、及び膜強度が向上する点から好ましい。
また、本発明のハードコートフィルムは、前記光透過性樹脂基材と前記ハードコート層との間及び/又は前記ハードコート層の上に、帯電防止層、防眩層、低屈折率層、及び防汚層よりなる群から選択される1種以上の層を形成してなるものでも良い。
従って、本発明の硬化性樹脂組成物を用いたハードコートフィルムは、充分な耐擦傷性を有しつつ、クラックを生じず、カールが抑えられ、硬化時に基材の収縮皺を生じ難く、且つ高い生産速度で製造可能であるという効果を奏する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、
(A)式(1):
で表され、末端に2つ以上の反応性官能基を有する分子量が3,000以上の化合物、
(B)2つ以上の反応性官能基を有する分子量が10,000未満の化合物、及び、
(C)少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子を含有し、
前記化合物(A)、前記化合物(B)、及び前記無機微粒子(C)が互いに反応することが可能であることを特徴とする。
しかしながら、上記化合物(B)及び上記無機微粒子(C)のみを組み合わせると、硬度は高くなるものの、少し曲げただけでクラックを生じる上、密着性も低下し実用上問題がある。また、クラック発生防止のため更に可撓性を付与するようにソフトセグメント成分を追加すると、使用上問題になるほど硬度が低下する。
また、特許文献1のようなエチレン性二重結合を有する単量体を重合させた重合体の側鎖に重合性基を有する架橋性化合物を組み合わせると、当該重合体の比較的硬い主鎖構造により、可撓性は付与されても復元性が出ないため、切断時のクラック発生を防止できない。
これに対し、本発明においては、上記化合物(B)と無機微粒子(C)に、更に、上記化合物(B)と無機微粒子(C)と反応可能な上記末端に2つ以上の反応性官能基を有する分子量が3,000以上の化合物(A)を組み合わせて用いるため、薄膜であっても所望の硬度を維持しつつ、可撓性及び復元性を付与できるため、曲げたり切断する際のクラック発生を防止できる。
すなわち、上記化合物(A)は、分子中に嵩高く、ハードセグメント成分の環状構造を持つことで可撓性及び復元性を付与可能になる。一方で化合物(A)は、末端の反応性官能基により、ハードセグメント成分である上記化合物(B)及び無機微粒子(C)の両方と架橋できることから、薄膜であっても所望の硬度を達成することが可能になる。
したがって、本発明により、充分な耐擦傷性を有し、クラックを生じず、カールが抑えられ、硬化時に基材の収縮皺を生じさせ難く、且つ高い生産速度でハードコートフィルムを形成可能な、硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、本明細書中において(メタ)アクリロイルは、アクリロイル及びメタクリロイルを表し、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを表す。また、本明細書中の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
また、本明細書中の熱硬化性官能基とは、加熱によって同じ官能基同士または他の官能基との間で重合反応または架橋反応等を進行させて塗膜を硬化させることができる官能基を意味し、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等を挙げられる。
本発明に用いられる反応性官能基としては、特に、反応性の点から、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基(CH2=CH−)、CH2=CR−(ここでRは炭化水素基)、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基、エチニル基等の重合性不飽和基が好適に用いられる。
本発明において用いられる化合物(A)は、式(1):
で表され、末端に2つ以上の反応性官能基を有する分子量が3,000以上の化合物である。分子量が3,000より小さい化合物であると、得られた樹脂に充分な柔軟性が与えられず、クラック発生の原因となることから好ましくない。
また、前記無機微粒子(C)の含有量が、前記化合物(A)と前記化合物(B)の合計量100重量部に対して10〜60重量部であることが望ましく、更に、20〜40重量部であることが望ましい。成分(C)の含有量が10重量部以下であるとハードコート層に充分な硬度が得られず、また、60重量部以上になると、ハードコート層中の無機微粒子の量が多すぎて脆くなり、その結果、硬度の低下やクラックの発生を引き起こすため望ましくない。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記2つ以上の反応性官能基を有する分子量が10,000未満の化合物(B)が、無機微粒子(C)と相俟って、樹脂組成物の硬化膜の硬度を向上させ、充分な耐擦傷性を付与するものである。なお、上記化合物(A)の構造を有するものは、2つ以上の反応性官能基を有する分子量が10,000未満の化合物(B)から除かれる。
重合性不飽和基を有する具体例として、重合性不飽和基を1分子内に2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのEO(エチレンオキサイド、以下EOという)、PO(プロピレンオキサイド、以下POという)、エピクロルヒドリン変性品、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、イソシアヌール酸EO変性トリ(メタ)アクリレート(東亞合成製アロニックスM−315等)、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、フタル酸水素−(2,2,2−トリ−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品等の3官能(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン変性品、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の5官能(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのEO、PO、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル、ウレタン変性品等の6官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられるポリオールとして、1,6−ヘキサンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、ポリエステルジオール等が挙げられる。上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ヘキサメレチンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。上記ウレタン(メタ)アクリレート類に用いられる水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記ポリエステルアクリレート類に用いられるポリエステルポリオールを形成するためのポリオールとして、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、多塩基酸として、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
で表される重合体を用いることもできる。
一般式(3)中の連結基Lの好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**、*−(CH2)2−NH−**、*−(CH2)4−O−**、*−(CH2)6−O−**、*−(CH2)2−O−(CH)2−O−**、*−CONH−(CH2)3−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**等が挙げられる。ここで、*は、化合物主鎖側の連結部位を表し、**は、(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。
中でも、本発明の前記化合物(A)との組み合わせにおいて好適に用いられるウレタン(メタ)アクリレートとして、イソホロンジイソシアネートの単量体又は多量体とペンタエリスリトール多官能アクリレートとジペンタエリスリトール多官能アクリレートとを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。当該ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、商品名UV−1700B(日本合成化学製)が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有する樹脂として、脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又は、シクロヘキセン環、シクロペンテン環含有化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化する事によって得られる脂環族エポキシ樹脂;脂肪族多価アルコール、又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートのホモ化合物、コ化合物などの脂肪族エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFや水添ビスフェノールA等のビスフェノール類、又はそれらのアルキレンオキサイド付加体、カプロラクトン付加体等の誘導体と、エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル、及びノボラックエポキシ樹脂等でありビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明においては、充分な耐擦傷性を有するように硬度を著しく向上させることを第一の目的として、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子(C)を含有する。当該無機微粒子(C)は、ハードコート層に更に機能を付与するものであっても良く、目的に合わせて適宜選択して用いる。
なお、単位面積当りの有機成分量は、以下の方法により求めたものである。まず、示差熱重量分析(TGA)により、有機成分重量/無機成分重量を測定する。次に、重量と用いた無機微粒子の比重から無機成分全体の体積を計算する。また、被覆前の無機微粒子が真球状であると仮定し、被覆前の無機微粒子の平均粒径から被覆前の無機微粒子1個当りの体積を計算する。無機成分全体の体積と被覆前の無機微粒子1個当たりの体積から、被覆前の無機微粒子の個数を求める。次に、無機微粒子(C)1個当たりの有機成分重量を、被覆前の無機微粒子1個当たりの表面積で割ることにより、被覆前の無機微粒子の単位面積当たりの有機成分量を求めることができる。
なお、ここでの平均粒子径は、50%平均粒子径であり、例えば、日機装(株)社製Microtrac粒度分析計を用いて求めることができる。
中でも、本発明においては、被覆している有機成分が無機微粒子(C)中に、被覆前の無機微粒子の単位面積当たり1.00×10-3g/m2以上含まれることが可能で、無機微粒子同士の凝集を抑制し、膜の硬度を向上させる点から、以下の(i)(ii)(iii)の無機微粒子のいずれかを適宜選択して用いることが好ましい。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β−ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
(ii)粒子径500nm以下の無機微粒子を疎水性ビニルモノマーに分散したモノマーを、親水化された多孔質膜を通して水中に吐出し、無機微粒子が分散したモノマー液滴の水分散体とした後、重合することにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
(iii)当該無機微粒子に導入したい反応性官能基、式(2):
−Q1−C(=Q2)−NH− (2)
(式中、Q1は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す)
に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β−ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
上記(i)の無機微粒子を用いる場合には、有機成分含量が少なくても膜強度を向上できるというメリットがある。
例えば、疎水性分子残基としては、不活性化又は反発作用をもたらす、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル又はフッ素含有アルキル基等が挙げられる。親水性基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基又はポリエステル基等が挙げられる。
上記表面修飾化合物の上記分子残基中に、上記化合物(A)や上記化合物(B)と反応できる反応性官能基が含まれる場合には、上記表面修飾化合物中に含まれる第1の官能基を無機微粒子の表面に反応させることによって、上記(i)の無機微粒子の表面に上記化合物(A)や上記化合物(B)と反応できる反応性官能基を導入することが可能である。例えば、第1の官能基のほかに、更に重合性不飽和基を有する表面修飾化合物が、好適なものとして挙げられる。
一方で、上記表面修飾化合物の上記分子残基中に、第2の反応性官能基を含有させ、当該第2の反応性官能基を足掛かりにして、上記(i)の無機微粒子の表面に上記化合物(A)や上記化合物(B)と反応できる反応性官能基が導入されても良い。例えば、第2の反応性官能基として水酸基及びオキシ基のような水素結合が可能な基(水素結合形成基)を導入し、当該微粒子表面上に導入された水素結合形成基に、更に別の表面修飾化合物の水素結合形成基が反応することにより、上記化合物(A)や上記化合物(B)と反応できる反応性官能基を導入されることが好ましい。すなわち、表面修飾化合物として、水素結合形成基を有する化合物と、重合性不飽和基などの上記化合物(A)や上記化合物(B)と反応できる反応性官能基と水素結合形成基を有する化合物とを併用して用いることが好適な例として挙げられる。水素結合形成基の具体例としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジル基、アミド基といった官能基、もしくはアミド結合を示すものである。ここで、アミド結合とは、−NHC(O)や>NC(O)−を結合単位に含むものを示す旨である。本発明の表面修飾化合物に用いられる水素結合形成基としては、中でもカルボキシル基、水酸基、アミド基が好ましい。
上記(i)の無機微粒子に用いられる上記表面修飾化合物は、表面修飾のための反応条件下で好ましくは液体であり、分散媒中で溶解性又は少なくとも乳化可能であるのが好ましい。中でも分散媒中で溶解し、分散媒中で離散した分子又は分子イオンとして一様に分布して存在することが好ましい。
アミノ酸の例としては、β−アラニン、グリシン、バリン、アミノカプロン酸、ロイシン及びイソロイシンが挙げられる。
用いられるシランとしては特に限定されないが、例えば、CH2=CHSi(OOCCH3)3、CH2=CHSiCl3、CH2=CH−Si(OC2H5)3、CH2=CHSi(OC2H5)3、CH2=CH−Si(OC2H4OCH3)3、CH2=CH−CH2−Si(OC2H5)3、CH2=CH−CH2−Si(OC2H5)3、CH2=CH−CH2−Si(OOCCH3)3、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)、γ−グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTS)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、N−(2−アミノエチル)−3アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[N'−(2'−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ビス−(ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン及び3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
分散媒は、蒸留(任意に減圧下)により容易に除去できる沸点を有することが好ましく、沸点が200℃以下、特に150℃以下の溶媒が好ましい。
この場合の機械粉砕は一般的にミル、ニーダー(混練機)、シリンダーミル又は例えば高速度分散機で行われる。機械粉砕に適する粉砕機械は、ホモジナイザー、ターボ撹拌機、離れた粉砕工具を有するミル(ボールミル、ロッドミル、ドラムミル、コーンミル、チューブミル、自生粉砕ミル、遊星ミル、振動ミル及び撹拌機ミル)、ヘビーローラーニーダー、コロイドミル及びシリンダーミルである。中でも特に好ましいミルは、運動撹拌機と粉砕手段としての粉砕ボールを有する撹拌ボールミルである。
粉砕及びホモジナイジングを有する粉砕は好ましくは室温で行われる。所要時間は混合の種類と用いられる粉砕機により適宜調製する。
上記(ii)の無機微粒子を用いる場合には、粒度分布の点から単分散性がより高まり、粗大粒子を含む場合のイレギュラーな性能の発現を抑えられるというメリットがある。
−Q1−C(=Q2)−NH− (2)
(式中、Q1は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基を有する無機微粒子。
上記(iii)の無機微粒子を用いる場合には、有機成分量が高まり、分散性、および膜強度がより高まるというというメリットがある。
上記反応性官能基修飾加水分解性シランにおいて、当該無機微粒子に導入したい反応性官能基は、上記化合物(A)及び化合物(B)と反応可能なように適宜選択すれば特に限定されない。上述したような重合性不飽和基を導入するのに適している。
[(RaO)mRb 3-mSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
また、Rdは2価の有機基であり、通常、分子量14〜1万、好ましくは分子量76〜500の2価の有機基の中から選ばれる。例えば、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合、さらには前記式(2)に示す基を含むこともできる。
Y’は反応性官能基を有する1価の有機基を示す。上述のような反応性官能基そのものであっても良い。例えば反応性官能基を重合性不飽和基から選択する場合、(メタ)アクリロイル(オキシ)基、ビニル(オキシ)基、プロペニル(オキシ)基、ブタジエニル(オキシ)基、スチリル(オキシ)基、エチニル(オキシ)基、シンナモイル(オキシ)基、マレエート基、(メタ)アクリルアミド基等を挙げることができる。また、nは好ましくは1〜20の正の整数であり、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。
また、ポリイソシアネ−ト化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を好適に用いることができる。
また、活性水素含有重合性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト等を挙げることができる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を用いることができる。
無機微粒子(C)の含有量は前記化合物(A)と前記化合物(B)の合計量100重量部に対し、10〜60重量部、更に25〜40重量部であることが好ましい。10重量部未満の場合、ハードコート層表面の硬度が不充分となる恐れがあり、60重量部超過の場合、ハードコート層と基材の界面の密着性が不充分となる恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記必須成分のほかに、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤、溶剤を含有しても良い。更に、反応性又は非反応性レベリング剤、各種増感剤等の各種添加剤が混合されていても良い。帯電防止剤及び/又は防眩剤を含む場合には、本発明の硬化性樹脂組成物は、更に帯電防止性及び/又は防眩性を付与できる。
(重合開始剤)
本発明においては、上記ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基の開始又は促進させるために、必要に応じてラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を用いても良い。これらの重合開始剤は、光照射及び/又は加熱により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合やカチオン重合を進行させるものである。
帯電防止層を形成する帯電防止剤のとしては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物及びそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、且つ、電離放射線により重合可能なモノマーまたは化合物、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有する且つ、カップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
帯電防止剤は、上記化合物(A)と上記化合物(B)の合計量100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは3〜15重量部含有させる。
防眩剤としては、後記する防眩層の項で説明する防眩剤と同様のものを、上記化合物(A)と上記化合物(B)の合計量100重量部に対し、20〜30重量部、好ましくは10〜25重量部含有させる。
溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ニトロメタン、N―メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン等のその他の物;またはこれらの混合物が挙げられる。より好ましい溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、一般的な調製法に従って、上記成分を混合し分散処理することにより調製される。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等を用いることができる。無機微粒子(C)が溶剤中に分散された状態で得られる場合には、その分散状態のまま、上記化合物(A)、上記化合物(B)、溶剤を含むその他成分を適宜加え、混合し分散処理することにより調製される。
本発明のハードコートフィルムは、基材上、好ましくは光透過性樹脂基材上に、前記の硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層を備える。
本発明のハードコートフィルムは、基材、好ましくは光透過性樹脂基材上に、前記硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層を備えることにより、充分な耐擦傷性を有しつつ、クラックを生じず、カールが抑えられ、硬化時に基材の収縮皺を生じさせ難く、且つ高い生産速度で生産可能である。
すなわち、本発明においてはハードコート層を形成するための硬化性樹脂組成物が、上記化合物(B)と無機微粒子(C)に、更に、上記化合物(B)と無機微粒子(C)と反応可能な上記末端に3つ以上の反応性官能基を有するポリアルキレンオキシド鎖含有化合物(A)を含有する。当該ポリアルキレンオキシド鎖含有化合物(A)は、主鎖が短く、櫛状のポリアルキレンオキシド鎖の末端の反応性官能基によりハードセグメント成分である上記化合物(B)及び無機微粒子(C)の両方と架橋できることから、本発明のハードコート層は、薄膜であっても所望の硬度を維持しつつ、可撓性及び復元性を付与できるため、曲げたり切断する際のクラック発生を防止できる。
また、本発明のハードコートフィルムは、前記ハードコート層が帯電防止剤および/または防眩剤を含むことにより、帯電防止機能や防眩機能が付与されるものであってもよい。
以下、本発明のハードコートフィルムを構成する各層について順に説明する。
基材は、光を透過するものであれば、透明、半透明、無色または有色を問わないが、可視光域380〜780nmにおける平均光透過率は50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは85%以上である。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。これらの光透過性樹脂基材は、薄さ、軽さ、割れにくさ、フレキシブル性等の点で優れている。
また、ハードコート層を積層した後の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以下であることが好ましい。ここで表面粗さ(Ra)は、JIS B0601に準拠して測定する。
本発明に用いられるハードコート層は、前記硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層である。
本発明において「ハードコート層」とは、上述のように、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものである。当該硬度は、上記基材の種類や厚みに依存する値であり、用途や要求性能に合わせて適宜選択されるが、本発明のハードコート層は、好ましくは鉛筆硬度試験で2H以上、更に好ましくは3H以上、特に好ましくは4H以上である。
また、本発明のハードコートフィルムにおいて、前記ハードコート層は必須であるが、他の硬化性樹脂組成物からなるハードコート層を更に含んでいても良い。
ハードコート層が薄すぎると、ハードコート層の耐擦傷性が不充分であり、一方、ハードコート層が厚すぎると硬度は向上するものの、クラックやカールが発生しやすくなるため、上記基材の強度や要求性能に応じて適宜選択する。
本発明によるハードコートフィルムは、光透過性樹脂基材とハードコート層とにより構成されてなる。しかしながら、ハードコートフィルムとしての機能または用途を加味して、本発明のハードコート層の他に、更に下記のような一又は二以上の層を含有していてもよい。また更に、中屈折率層や高屈折率層を含んで形成しても良い。
帯電防止層は、帯電防止剤と樹脂を含んでいる。帯電防止剤は、ハードコート層の欄で説明したものと同様である。帯電防止層の厚さは、30nm〜1μm程度であることが好ましい。
光硬化性組成物としては、分子中に重合性不飽和基または、エポキシ基を有するプレ化合物、化合物、及び/又はモノマーを適宜に混合したものである。
光硬化性組成物中のプレ化合物、化合物、及びモノマーとしては、前記ハードコート層の化合物(B)で挙げたのと同様のものを用いることができる。
防眩層は、透過性樹脂基材とハードコート層または低屈折率層との間に形成されてよい。防眩層は樹脂と防眩剤とを含んでなるものであり、樹脂は、上記帯電防止層の項で説明したのと同様であってよい。
8R≦Sm≦30R
R<Hmax<3R
1.3≦θa≦2.5
1≦R≦8
全てを同時に満たすものが好ましい。
防眩剤としては微粒子が挙げられ、微粒子の形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系材料により形成されてなるものが好ましい。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものがよい。微粒子の具体例としては、プラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、透明性を有するものが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。微粒子の添加量は、樹脂組成物100重量部に対し、2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度である。
防眩層の膜厚(硬化時)は0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが好ましい。膜厚がこの範囲にあることにより、防眩層としての機能を充分に発揮することができる。
低屈折率層は、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有する樹脂、低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂から構成され、屈折率が1.46以下の、やはり30nm〜1μm程度の薄膜、または、シリカ、もしくはフッ化マグネシウムの化学蒸着法もしくは物理蒸着法による薄膜で構成することができる。フッ素樹脂以外の樹脂については、帯電防止層を構成するのに用いる樹脂と同様である。
「空隙を有する微粒子」は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。
本発明の好ましい態様によれば、低屈折率層の最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けてもよい。防汚層は、ハードコートフィルムに対して防汚性と耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能となる。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコート積層体として、好ましくは反射防止積層体として利用される。また、本発明のハードコートフィルムは、透過型表示装置に利用される。特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、液晶パネル、プラズマディスプレイなどのディスプレイの表面に用いられる。
まず、上述のハードコート層の説明において挙げた透過性樹脂基材を準備する。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を準備する。
次に、得られた硬化性樹脂組成物を透明基材上に塗布、乾燥する。
塗布方法は、基材フィルム表面にハードコート層形成用樹脂組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
また、光透過性樹脂基材上への塗工量としては、得られるハードコートフィルムが要求される性能により異なるものであるが、乾燥後の塗工量が1g/m2〜30g/m2の範囲内、特に5g/m2〜25g/m2の範囲内であることが好ましい。
光照射には、主に、紫外線、可視光、電子線、電離放射線等が使用される。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2程度である。本発明においては、ハードコート層用樹脂組成物に含まれる上記必須成分の化合物(A)、化合物(B)、無機微粒子(C)の全てが反応性官能基を有し、塗膜中のほぼ全成分が架橋するため、低いエネルギーでも有効に硬化させることが可能である。例えば、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、100〜200mJ/cm2とすることができる。その結果、短時間硬化が可能となり、生産効率を高めることが可能である。また、電子線硬化の場合には、100keV〜300keVのエネルギーを有する電子線等を使用する。
加熱する場合は、通常40℃〜120℃の温度にて処理する。また、室温(25℃)で24時間以上放置することにより反応を行っても良い。
(1)鉛筆硬度
得られたハードコートフィルムのハードコート層表面の鉛筆硬度をJISK5600−5−4(1999)に準じて評価した。4Hの鉛筆を用いて、500g荷重で5本線を引きその後のハードコート層の傷の有無を目視し下記の基準にて評価した。
<評価基準>
評価◎:傷は0〜1本であった。
評価○:傷は2〜3本であった。
評価×:傷は4〜5本であった。
ハードコートフィルムを10×10cmの大きさに切り取ったシートをハードコート層を上にして平らなところに置いて、両端の浮き上がり状態を観察し、平面からの4角の浮いた高さの平均値を測定することで評価した。
<評価基準>
評価◎:30mmより少なかった。
評価○:30〜50mmであった。
評価×:50mmを超えた。
10×2cmの大きさに切り取ったハードコートフィルムを、ハードコート面を上にして曲率のある円柱に巻きつけ、ひび割れが発生し始める曲率直径を測定することで評価した。
<評価基準>
評価◎:10mmより少なかった。
評価○:10〜20mmであった。
評価×:20mmを超えた。
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、1,4−ブタンジオール(原料1)10.0重量部、p−メトキシフェノール0.05重量部、ジブチルチンジラウレート0.05重量部及びメチルエチルケトン50.0重量部を仕込み、窒素流下で50℃まで撹拌しながら昇温した。一方、滴下容器にイソホロンジイソシアネート(原料2)49.3重量部を仕込み、1時間かけて反応容器に均一滴下した。その際、反応容器温度を50±3℃に保った。撹拌しながら1時間保温した後、p−メトキシフェノール0.05重量部、ジブチルチンジラウレート0.05重量部を更に追加で添加し、窒素気流下で60℃まで撹拌しながら昇温した。その後、滴下容器に仕込んだ4−ヒドロキシブチルアクリレート(原料3)32.0重量部を撹拌しながら1時間かけて反応容器に均一滴下した。
滴下終了後、滴下容器をメチルエチルケトン50.0重量部を用いて洗浄し、洗浄後の溶液は反応容器にそのまま投入した。さらに撹拌しながら2時間保温した後、75℃に昇温した。その後、赤外吸収スペクトルのイソシアナート由来のピークが消失するまで、75±3℃で撹拌保温を続けた。およそ4〜6時間でイソシアナート由来のピークが消失した。このピークの消失を確認後60℃まで降温し、メタノール3.5重量部を添加し、60±3℃で30分保温した。その後メチルエチルケトンを60.4重量部添加し、透明な樹脂溶液を得た。最後にエバポレーターを用いて溶剤を除去し、72.5重量部の化合物(A)−1を得た。
撹拌機、温度計、冷却管及び空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、1,6−ヘキサンジイソシアネートの三量体10.0重量部、ジブチルチンジラウレート0.05重量部及びメチルエチルケトン50.0重量部を仕込み、空気気流下で65℃まで撹拌しながら昇温した。滴下容器にペンタエリスリトールトリアクリレート21.2重量部を仕込み、3時間かけて反応容器に均一滴下した。その際、反応容器温度を65±3℃に保った。
滴下終了後、滴下容器をメチルエチルケトン50.0重量部を用いて洗浄し、洗浄後の溶液は反応容器にそのまま投入した。さらに撹拌しながら2時間保温した後、75℃に昇温した。その後、赤外吸収スペクトルのイソシアナート由来のピークが消失するまで、75±3℃で撹拌保温を続けた。およそ4〜6時間でイソシアナート由来のピークが消失した。このピークの消失を確認後60℃まで降温し、メタノール5.0重量部を添加し、60±3℃で30分保温した。その後メチルエチルケトンを50.0重量部添加し、透明な樹脂溶液を得た。最後にエバポレーターを用いて溶剤を除去し、29.3重量部の化合物(A)−5を得た。
1,6−ヘキサンジイソシアネートの三量体10.0重量部の代わりに1,6−ヘキサンジイソシアネートの二量体10.0重量部を用い、ペンタエリスリトールトリアクリレートを17.7重量部用いた以外は合成例5と同様の手法で化合物(A)−6を26.7重量部を得た。
(1)表面吸着イオン除去
粒子径90nmの水分散コロイダルシリカ(スノーテックスZL、商品名、日産化学工業(株)製、固形分濃度40重量%、pH9〜10)を陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK1B、三菱化学(株)製)400gを用いて3時間イオン交換を行い、次いで、陰イオン交換樹脂(ダイヤイオンSA20A、三菱化学(株)製)200gを用いて3時間イオン交換を行った後、洗浄し固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液を得た。
この時、シリカ微粒子の水分散液のNa2O含有量は、シリカ微粒子当たり各7ppmであった。
上記(1)の処理を行ったシリカ微粒子の水分散液10gに150mlのイソプロパノール、4.0gの3,6,9−トリオキサデカン酸、及び4.0gのメタクリル酸を加え、30分間撹拌し混合した。
得られた混合液を、60℃で5時間加熱しながら撹拌する事で、シリカ微粒子表面にメタクリロイル基が導入されたシリカ微粒子分散液を得た。得られたシリカ微粒子分散液をロータリーエバポレーターを用いて蒸留水、及びイゾプロパノールを留去させ、乾固させないようにメチルエチルケトンを加えながら、最終的に残留する水やイソプロパノールを0.1重量%とし、固形分50重量%のシリカ分散メチルエチルケトン溶液を得た。
このようにして得られた無機微粒子(C)−1は、日機装(株)社製Microtrac粒度分析計により測定した結果、d50=92nmの平均粒子径を有していた。また、シリカ微粒子表面を被覆する有機成分量は、熱重量分析法により測定した結果4.05×10−3g/m2であった。
(1)表面吸着イオン除去
製造例1と同様に、表面吸着イオンを除去したシリカ微粒子の水分散液を得た。
(2)表面処理(多官能モノマーの導入)
製造例1におけるメタクリル酸を、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR399、商品名、サートマー(株)製)に変更した以外は製造例1と同様の手法で表面処理を行った。
このようにして得られた無機微粒子(C)−2は、上記粒度分析計により測定した結果、d50=93nmの平均粒子径を有していた。また、シリカ表面を被覆する有機成分量は熱重量分析法により測定した結果3.84×10−3g/m2であった。
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6部を撹拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間撹拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱撹拌することで化合物(1)を得た。
(1)硬化性樹脂組成物の調製
以下の各成分を混合し、溶剤で固形分50重量%に調整し、硬化性樹脂組成物を調製した。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・KRM7804(商品名、ダイセル・サイテック製;上記化合物(A)に該当、9官能、分子量3,000):20重量部(固形分量換算値)
・UV1700B(商品名、日本合成化学製;上記化合物(B)に該当、10官能、分子量2,000):50重量部(固形分量換算値)
・製造例1の無機微粒子(C)−1:30重量部(固形分量換算値)
・メチルエチルケトン:100重量部
・イルガキュア184(商品名、チバスペシャルティケミカルズ製、ラジカル重合開始剤):0.4重量部
光透過性樹脂基材として80μmセルローストリアセテートフィルムを用い、当該基材上に、(1)で調製された硬化性樹脂組成物をWET重量40g/m2(乾燥重量20g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線200mJ/cm2を照射して実施例1のハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)としてKRM8321(商品名、ダイセル・サイテック製;9官能、分子量3,000)を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)としてHMP−2M(商品名、根上工業製;9官能、分子量8400)を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)−1を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)−2を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)−3を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)−4を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)−5を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、化合物(A)−6を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
さらに、上記硬化性樹脂組成物において、化合物(A)、化合物(B)、無機微粒子(C)の各成分を、表1の実施例10〜14に記載のものとして、実施例2と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果を示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物におけるKRM7804(上記化合物(A))を用いず、UV1700−Bを70重量部とした以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、式(1)で示される化合物でAは炭素原子数が6の鎖状構造であるUN−904(商品名、根上工業製;10官能、分子量5,000)を20重量部とした以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
前記実施例1の硬化性樹脂組成物において、KRM7804を20重量部の代わりに、式(1)で示される化合物でAが環状構造であるUV−7605B(商品名、日本合成製;6官能、分子量1200)を20重量部とした以外は、実施例1と同様に、硬化性樹脂組成物を調製した。
また、実施例1と同様に、ハードコートフィルムを作製した。表1に、上記評価結果についても併せて示す。
2 ハードコート層
3 低屈折率層
Claims (20)
- 前記化合物(A)、前記化合物(B)、及び前記無機微粒子(C)が、反応性官能基として重合性不飽和基を有する、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記化合物(A)の含有量が、前記化合物(B)100重量部に対して5〜100重量部であり、且つ、前記無機微粒子(C)の含有量が前記化合物(A)と前記化合物(B)の合計量100重量部に対して10〜60重量部である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記化合物(A)の環状構造が、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート、1,3−アダマンタンジオール、1,6−ヘキサンジイソシアネートから選択したものであり、
前記化合物(A)の炭素原子数が4以上の鎖状構造が、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジイソシアネート、1,5−ヘプタンイソシアネート、1,6−ヘキサンイソシアネート、1,6−ヘプタンジイソシアネートから選択したものである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。 - 前記化合物(B)が、1分子中に反応性官能基を3個以上含み、分子量が5,000未満である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記化合物(B)が、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリブタジエンメタクリレート、多官能アクリレートエポキシ、多官能メタクリレートエポキシである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記無機微粒子(C)の平均粒子径が20〜500nmである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記無機微粒子(C)を被覆している前記有機成分が、被覆前の無機微粒子の単位面積当たり1.00×10-3g/m2以上含まれる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記無機微粒子(C)が、飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β−ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中に無機微粒子を分散させることにより得られる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記表面修飾化合物が、少なくとも1種の水素結合形成基を有する化合物である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記表面修飾化合物の少なくとも1種が、重合性不飽和基を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記無機微粒子(C)が、粒子径500nm以下の無機微粒子を疎水性ビニルモノマーに分散したモノマーを、親水化された多孔質膜を通して水中に吐出し、無機微粒子が分散したモノマー液滴の水分散体とした後、重合することにより得られる、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記無機微粒子(C)が、当該無機微粒子表面に導入される反応性官能基、式(2):
−Q1−C(=Q2)−NH− (2)
(式中、Q1は、NH、O(酸素原子)、またはS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示す)
に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、金属酸化物微粒子とを結合することにより得られる、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。 - 硬化膜を形成した時の、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験によるハードコート層表面の硬度が、厚み80μmのトリアセチルセルロース基材上で4H以上である、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 基材の少なくとも片面に、ハードコート層を有するハードコートフィルムであって、ハードコート層形成材料が、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物からなり、前記化合物(A)、前記化合物(B)、及び前記無機微粒子(C)を、互いに反応させることを特徴とするハードコートフィルム。
- 前記基材が、セルロースアシレート、シクロオレフィンポリマー、アクリレート系ポリマー、又はポリエステルを主体とする、請求項15に記載のハードコートフィルム。
- 前記基材と前記ハードコート層との間及び/又は前記ハードコート層の上に、帯電防止層、防眩層、低屈折率層、及び防汚層よりなる群から選択される1種以上の層を形成してなる、請求項1又は16に記載のハードコートフィルム。
- 光学素子の面に、請求項15乃至17のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを有する光学素子。
- 請求項15乃至17のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを有する画像表示装置。
- 基材の少なくとも片面に、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を塗布し硬化反応させてハードコート層を形成する、ハードコートフィルムの製造方法。
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