JP2009084216A - Atp産生促進剤および表皮細胞賦活化剤。 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたATP産生促進作用及び/又は表皮細胞賦活作用を有し、かつ、安全性の高いATP産生促進剤及び/又は表皮細胞増賦活剤を提供すること。
【解決手段】本発明のATP産生促進剤及び/又は表皮細胞増殖促進剤は、モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウからの各植物抽出物、ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンから選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有せしめる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のATP産生促進剤及び/又は表皮細胞増殖促進剤は、モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウからの各植物抽出物、ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンから選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有せしめる。
【選択図】なし
Description
本発明は、植物からの抽出物ならびにそれらに含まれる化合物を有効成分とするATP産生促進剤及び表皮細胞賦活化剤に関する。
表皮は、ケラチノサイトの基底層における分裂とその後の分化過程を通して、絶えず新陳代謝を繰り返している。皮膚において紫外線、著しい空気の乾燥、過度の皮膚洗浄、ストレス、喫煙等の外的因子の影響、加齢が進むこと等により、表皮細胞の活動低下や分裂能低下にともなう表皮ターンオーバー速度の遅延が起きる。(非特許文献1)それに伴い、表皮の菲薄化や角質層肥厚などの分化不全を引き起こし、その結果、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、角質の異常剥離が起こり、皮膚の老化に伴う変化、即ち、シワ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等が生じる。(特許文献1)
細胞分裂を促進するためには、分裂に必要なエネルギーを細胞に補給することが重要である。生体のエネルギー物質としては、ATPが挙げられ、このATPの産生量を上げることにより、細胞内のエネルギー代謝が促進され、細胞増殖につながると考えられるが、上記のように、機能の低下した細胞や加齢した細胞では、エネルギー物質であるATP量が正常細胞より減少することが報告されている。(特許文献2)
したがって、ATP産生を促進することは、細胞を活性化し、細胞分裂を促し、それにともなうターンオーバーの正常化に繋がり、外的因子の影響や加齢による皮膚の老化を防止・改善する上で重要である。
従来、ATP産生促進作用を有する物質としては、植物油(特許文献3)、月下美人(特許文献1)、グリコーゲン(特許文献2)等が報告されている。
以上のようにATP産生を促進することは、細胞を活性化し、外的因子の影響や加齢による皮膚の老化を防止・改善する上で重要である。しかしながら、これまでのATP産生促進作用を有する物質がいくつか報告されているが、ATPの産生促進作用を有する天然物由来の成分の数は少なく、より効果の高い物質が求められている。
本発明は、天然物の中から、ATPの産生促進作用を有する成分の多様化を図り、これを有効成分として含有するATP産生促進剤並びに表皮細胞賦活化剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、種々検討を行ったところ、モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、ヒマラヤンラズベリー、ケイヒ、ショウブ、タイソウの各植物抽出物、ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンにATP産生促進作用を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によると、モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウの各抽出物、ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンから選択される少なくとも1種を含有してなるATP産生促進剤が、優れたATP産生促進作用および表皮細胞賦活化作用を有し、加齢によるATPの減少を抑え老化によるシワ、肌荒れなどの皮膚症状の予防・改善、細胞増殖を促すことによる、シミの原因であるメラニンの排泄を効果的に行うことができる。
本発明のATP産生促進剤は、モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウの各抽出物、ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンから選択される少なくとも1種を含有してなり、さらに必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記モモは、バラ科(Rosaceae)の植物であり、学名はPrunus persica Batschである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、蕾、果実、果皮、果核、種子、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも種子(トウニン)が好ましい。
前記センキュウは、セリ科(Umbelliferae)の植物であり、学名はCnidium officinale Makinoである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、果実、根、根茎、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも根茎が好ましい。
前記サンザシは、バラ科(Rosaceae)の植物であり、学名はCrataegus cuneata Sieb.et Zucc.である。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、蕾、果実、果皮、果核、種子、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも果実が好ましい。
前記カミツレは、キク科(Compositae)の植物であり、学名はMatricaria chamomilla L.である。抽出原料となる構成部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、葉、花、根、樹皮、枝又はこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも、花が好ましい。
前記マチルスオドラチシマは、クスノキ科(Lauraceae)の植物であり、学名はMachilus odoratissima Neesである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、樹皮、果実、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも樹皮が好ましい。
前記トウキは、セリ科(Umbelliferae)の植物であり、学名はAngelica acutiloba Kitagawaである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、果実、根、根茎、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも根が好ましい。
前記ワイルドタイムは、シソ科(Labiatae)の植物であり、学名はThymus serpyllum L.である。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、葉、枝、樹皮、幹、茎、果実、種子、花、地上部、根またはこれらの部位の混合物等が挙げられ、これらの中でも地上部が好ましい。
前記サンショウは、ミカン科(Rutaceae)の植物であり、学名はZanthoxylum piperitum De Candolleである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、蕾、果実、果皮、果核、地上部、全草またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも果皮が好ましい。
前記クスノハガシワは、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)の植物であり、学名はMallotus philippinensis Mueller−Argoviensis.である。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、花、根、樹皮、枝、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも樹皮が好ましい。
前記シャクヤクは、ボタン科(Paeoniaceae)の植物であり、学名はPaeonia lactiflora Pallasである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、果実、根、根茎、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも根が好ましい。
前記オニイチゴは、バラ科(Rosaceae)の植物でありヒマラヤンラズベリーともよばれており、学名はRubus ellipticus Smithである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、枝、花、蕾、果実、果皮、果核、地上部、根部、全草またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも根部が好ましい。
前記ケイヒは、クスノキ科(Lauraceae)のCinnamomum cassia Blumeである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、樹皮、果実、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも樹皮が好ましい。
前記ショウブは、サトイモ科(Araceae)の植物であり、学名はAcorus calamus L.である。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、果実、根、根茎、地上部またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも根茎が好ましい。
前記タイソウは、クロウメモドキ科(Rhamnaceae)の植物であり、学名はZizyphus jujuba Miller var.inermis Rehderである。構成部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、茎、花、蕾、果実、果皮、果核、地上部、またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも成熟した果実が好ましい。
前記抽出原料は、採取後ただちに乾燥し粉砕したものが適当である。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。
前記抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。各植物に含まれるATP産生促進作用を示す成分は、極性溶媒を抽出溶媒とする抽出処理によって容易に抽出することができる。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、該親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との抽出溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
本発明において、前記各抽出原料からATP産生促進物質を抽出するにあたって特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に各抽出原料を投入し、更に必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜4時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)である。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明のATP産生促進剤及び/又は表皮細胞賦活化剤の有効成分として使用することができる。
得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
なお、得られた抽出液はそのままでもATP産生促進剤及び/又は表皮細胞賦活化剤として使用することができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを添加してもよい。
また、各抽出原料は特有の匂いと味を有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、化粧料に添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。精製は、具体的には活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。
前記ペオニフロリン(paeoniflorin)とは、「[(1aR)‐5bβ‐[(Benzoyloxy)methyl]‐3aβ,5,5aβ,5b‐tetrahydro‐5β‐hydroxy‐2‐methyl‐2α,5α‐methano‐3,4‐dioxa‐1H‐cyclobuta[cd]pentalen‐1aβ(2H)‐yl]β‐D‐glucopyranoside」として表現される化合物である。
前記ペオニフロリンの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シャクヤクからの抽出物に含有されていたものであってもよく、化学合成されたものであってもよい。前記ペオニフロリンがシャクヤクからの抽出物に含有されていた場合には、当該抽出物からペオニフロリンを単離・精製して、使用される。
前記ケルセチン(quercetin)とは、「2−(3,4−dihydroxyphenyl)−3,5,7−trihydroxy−chromen−4−one」として表現される化合物である。
前記ケルセチンの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンザシからの抽出物に含有されていたものであってもよく、化学合成されたものであってもよい。前記ケルセチンがサンザシからの抽出物に含有されていた場合には、前記抽出物からケルセチンを単離・精製して、使用される。
前記フロレチン(phloretin)とは、「3−(4−hydroxyphenyl)−1−(2,4,6−trihydroxyphenyl)propan−1−one」として表現される化合物である。
前記フロリジン(phloridzin)とは、「1−[2,4−dihydroxy−6−[(2S,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−trihydroxy−6−(hydroxymethyl)oxan−2−yl]oxy−phenyl]−3−(4−hydroxyphenyl)propan−1−one」として表現される化合物である。
前記フロレチンおよびフロリジンの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湖南甜茶からの抽出物に含有されていたものであってもよく、化学合成されたものであってもよい。
前記湖南甜茶は、ブナ科の(Fagaceae)のLithocarpus litseifoliusである。構成部位は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、花部、葉部、枝部、果実部、樹皮、根部等が挙げられ、これらのうち、特に枝部又は葉部を使用するのが好ましい。
前記湖南甜茶は、ブナ科の(Fagaceae)のLithocarpus litseifoliusである。構成部位は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、花部、葉部、枝部、果実部、樹皮、根部等が挙げられ、これらのうち、特に枝部又は葉部を使用するのが好ましい。
なお、前記ATP産生促進剤及び/又は表皮細胞賦活化剤の有効成分として、前記ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンそのものが含まれていてもよく、その薬理学的に許容される塩が含まれていてもよい。また前記ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンまたはその薬理学的に許容される塩の水和物または溶媒和物が含まれていてもよい。また前記ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンはATP産生促進作用を損なわない限り、修飾または置換されてもよい。
前記薬理学的に許容される塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素塩、硝酸塩、硫酸水素酸塩、リン酸塩、作酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、酒石酸塩などが挙げられる。
前記単離・精製する方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。以下に、前記単離・精製する方法の具体例を示す。
まず、乾燥したシャクヤク、サンザシ、湖南甜茶をエタノールなどの抽出溶媒に浸漬し、得られた抽出液を濃縮し、多孔性樹脂などを用いたカラムクロマトグラフィーに供して、水、アルコール(メタノールなど)の順で溶出させ、アルコール(メタノールなど)で溶出される分画物として得る。このとき、前記分画物に対して、さらにODS(オクタデシルシリル化シリカゲル)を用いた逆相シリカゲルクロマトグラフィーや再結晶などに供することで、粗生成物を得ることができる。
そして前記分画物または粗生成物を、例えば、液体クロマトグラフィーなどを用いて分離・精製することにより、精製されたペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンを得ることができる。
また、前記合成方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法により合成することができる。
本発明のATP産生促進剤及び/又は表皮細胞賦活化剤は、製剤化により粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形とすることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、本実施例で使用する、トウニン抽出液、センキュウ抽出液、サンザシ抽出液、カミツレ抽出液、マチルス抽出液BG、トウキ抽出液、ワイルドタイム抽出液BG、サンショウ抽出液、クスノハガシワ抽出液BG、ヒマラヤンラズベリー抽出液BG80、ケイヒ抽出液W−LA、ショウブ抽出液、タイソウ抽出液またはシャクヤク抽出液(シャクヤクエキスパウダー)(全て丸善製薬社製)は各凍結乾燥品を試料として用いた。ペオニフロリン(和光純薬製)、フロレチン(シグマ製)、フロリジン(東京化成工業製)およびケルセチン(和光純薬製)は市販のものを試料として用いた。
〔試験例1〕ATP産生促進作用試験
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(NHEK)を正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(EpiLife-KG2)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×105cells/mLの濃度にEpiLife−KG2で希釈した後、コラーゲンコートした96wellプレートに1well当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、培地を抜き、EpiLife−KG2で溶解した被験試料を各wellに100μL添加し、2時間培養した。ATP産生促進作用は、ホタルルシフェラーゼ発光法を用いて細胞内のATP量を測定した。すなわち、培養終了後、『「細胞の」ATP測定試薬』(東洋ビーネット社)を各wellに100μLずつ添加した。反応後、化学発光量を測定した。
ATP産生促進作用の計算方法は以下のとおりである。
ATP産生促進率(%)=A/B×100
式中、Aは「被験試料を添加した細胞での化学発光量」を表し、Bは「被験試料を添加しない細胞での化学発光量」を表す。
上記試験の結果を表1〜18に示す。なお、上記計算式において、試料無添加のATP産生促進率は100%となる。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(NHEK)を正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(EpiLife-KG2)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×105cells/mLの濃度にEpiLife−KG2で希釈した後、コラーゲンコートした96wellプレートに1well当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、培地を抜き、EpiLife−KG2で溶解した被験試料を各wellに100μL添加し、2時間培養した。ATP産生促進作用は、ホタルルシフェラーゼ発光法を用いて細胞内のATP量を測定した。すなわち、培養終了後、『「細胞の」ATP測定試薬』(東洋ビーネット社)を各wellに100μLずつ添加した。反応後、化学発光量を測定した。
ATP産生促進作用の計算方法は以下のとおりである。
ATP産生促進率(%)=A/B×100
式中、Aは「被験試料を添加した細胞での化学発光量」を表し、Bは「被験試料を添加しない細胞での化学発光量」を表す。
上記試験の結果を表1〜18に示す。なお、上記計算式において、試料無添加のATP産生促進率は100%となる。
〔表1〕
モモの種子抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 115.9%
10μg/mL 116.4%
5μg/mL 117.6%
モモの種子抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 115.9%
10μg/mL 116.4%
5μg/mL 117.6%
〔表2〕
センキュウ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 112.6%
10μg/mL 110.6%
5μg/mL 106.7%
センキュウ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 112.6%
10μg/mL 110.6%
5μg/mL 106.7%
〔表3〕
サンザシ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 109.0%
10μg/mL 109.1%
5μg/mL 108.1%
サンザシ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 109.0%
10μg/mL 109.1%
5μg/mL 108.1%
〔表4〕
カミツレ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 105.3%
10μg/mL 107.2%
5μg/mL 110.7%
カミツレ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 105.3%
10μg/mL 107.2%
5μg/mL 110.7%
〔表5〕
マチルス抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 110.4%
10μg/mL 125.3%
5μg/mL 124.4%
マチルス抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 110.4%
10μg/mL 125.3%
5μg/mL 124.4%
〔表6〕
トウキ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 107.6%
10μg/mL 105.9%
5μg/mL 103.8%
トウキ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 107.6%
10μg/mL 105.9%
5μg/mL 103.8%
〔表7〕
ワイルドタイム抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 107.0%
10μg/mL 105.9%
5μg/mL 101.9%
ワイルドタイム抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 107.0%
10μg/mL 105.9%
5μg/mL 101.9%
〔表8〕
サンショウ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 103.2%
10μg/mL 105.8%
5μg/mL 108.5%
サンショウ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 103.2%
10μg/mL 105.8%
5μg/mL 108.5%
〔表9〕
クスノハガシワ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 106.2%
10μg/mL 120.9%
5μg/mL 107.8%
クスノハガシワ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 106.2%
10μg/mL 120.9%
5μg/mL 107.8%
〔表10〕
オニイチゴ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 107.4%
10μg/mL 114.7%
5μg/mL 116.2%
オニイチゴ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 107.4%
10μg/mL 114.7%
5μg/mL 116.2%
〔表11〕
ケイヒ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 100.6%
10μg/mL 101.1%
5μg/mL 107.0%
ケイヒ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 100.6%
10μg/mL 101.1%
5μg/mL 107.0%
〔表12〕
ショウブ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 103.4%
10μg/mL 100.5%
5μg/mL 105.1%
ショウブ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 103.4%
10μg/mL 100.5%
5μg/mL 105.1%
〔表13〕
タイソウ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 105.8%
10μg/mL 102.7%
5μg/mL 111.8%
タイソウ抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 105.8%
10μg/mL 102.7%
5μg/mL 111.8%
〔表14〕
シャクヤク抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 111.3%
10μg/mL 112.9%
5μg/mL 115.2%
シャクヤク抽出物の添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 111.3%
10μg/mL 112.9%
5μg/mL 115.2%
〔表15〕
ペオニフロリンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 110.5%
10μg/mL 113.2%
5μg/mL 112.5%
ペオニフロリンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 110.5%
10μg/mL 113.2%
5μg/mL 112.5%
〔表16〕
ケルセチンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 105.8%
10μg/mL 102.7%
5μg/mL 111.8%
ケルセチンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 105.8%
10μg/mL 102.7%
5μg/mL 111.8%
〔表17〕
フロレチンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 106.5%
10μg/mL 107.2%
5μg/mL 108.4%
フロレチンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 106.5%
10μg/mL 107.2%
5μg/mL 108.4%
〔表18〕
フロリジンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 111.3%
10μg/mL 110.1%
5μg/mL 103.2%
フロリジンの添加濃度 ATP産生促進率
20μg/mL 111.3%
10μg/mL 110.1%
5μg/mL 103.2%
表1〜18に示すように、モモの種子、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウの各抽出物およびペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンは、いずれもATP産生促進を示した。この結果から、これらの抽出物は、優れたATP産生促進作用を有することが確認された。
本発明のATP産生促進剤及び表皮細胞賦活化剤は、表皮におけるATPの産生促進作用によって皮膚の老化に伴う変化、即ち、しわ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下などの皮膚症状の予防・改善に大きく貢献できる。
Claims (2)
- モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウからの各植物抽出物、ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンから選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有することを特徴とするATP産生促進剤。
- モモ、センキュウ、サンザシ、カミツレ、マチルスオドラチシマ、トウキ、ワイルドタイム、サンショウ、クスノハガシワ、シャクヤク、オニイチゴ、ケイヒ、ショウブ、タイソウからの各植物抽出物、ペオニフロリン、ケルセチン、フロレチンおよびフロリジンから選ばれる1種又は2種以上を有効成分として含有することを特徴とする表皮細胞賦活化剤。
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