JP2009083355A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数を削減する。
【解決手段】給紙ローラ対22によって送られてきた用紙70を、その一方の面がインクジェットヘッド2の吐出面2aに面するようにしつつ順搬送方向に沿って搬送する本経路31を形成する。かかる本経路31における順搬送方向の最も下流側に、挟持した用紙70を順搬送方向及び逆搬送方向の2つの方向に送ることが可能である両送りローラ対23を配置する。両送りローラ対23は、内部にハロゲンランプ27aが設けられた加熱ローラ27と加熱ローラ27に圧接された加圧ローラ28とで構成する。また、本経路31の下方において、搬送機構21と両送りローラ対23との間から、搬送機構21と給紙ローラ対22との間まで延びる反転経路32を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被記録媒体の両面に画像を記録できる画像記録装置に関する。
一般に、被記録媒体の両面に画像を記録できる画像記録装置が知られている。かかる装置においては、まず被記録媒体をその一方の面が画像の記録を行う記録部に面するようにしつつ一方向に搬送し、該被記録媒体の一方の面に画像を記録した後、スイッチバックローラ対によって被記録媒体の搬送方向を逆方向にする共に、反転経路を通過させることによって被記録媒体の表裏を反転させ、他方の面への画像の記録を行う。
上述のように、両面記録が可能な画像記録装置では、被記録媒体が、その一方の面への画像の記録が行われた後に続けて反転経路へと送られるので、一方の面に記録された画像の定着が不十分である場合には、反転経路等を汚してしまう虞がある。そこで、特許文献1には、記録用紙上のインク粒子を定着させる定着ローラ対を備えたインクジェット画像記録装置が開示されている。すなわち、特許文献1の装置では、記録用紙は、その一方の面に画像の記録が行われ、定着ローラ対によってインク粒子が定着された後に、反転ローラ対によってその搬送方向が反転されるようになっている。
特開2004−181644号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、画像を被記録媒体に定着させるための定着ローラ対を備えると、装置の部品点数が増加してしまう。装置の部品点数が増加すると、組み立ての工数の増加や装置の大型化等、種々の問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、部品点数を削減することができる画像記録装置を提供することである。
本発明の画像記録装置は、シート状の被記録媒体を少なくとも第1方向に搬送するための第1搬送経路と、前記第1搬送経路に沿って前記第1方向に搬送される被記録媒体に対して画像を記録する記録部と、前記第1搬送経路の前記第1方向に関する上流側の端部に位置しており、前記第1搬送経路においてその一方の面が前記記録部に面するように被記録媒体を前記第1搬送経路に送る初回給紙部と、前記第1搬送経路の前記第1方向に関する下流側の端部に位置しており、被記録媒体を前記第1方向及び前記第1方向とは反対の第2方向に送ることができるローラ対と、その両端がそれぞれ前記第1搬送経路に接続されており、前記ローラ対によって前記第2方向に送られた被記録媒体を、その他方の面が前記第1搬送経路において前記記録部に面するように、前記記録部よりも前記第1方向に関して上流側から再度前記第1搬送経路に送るための第2搬送経路とを備えている。そして、前記ローラ対が、前記第1搬送経路に対して前記記録部側に配置されていると共に加熱手段により加熱される加熱ローラ、及び前記第1搬送経路に対して前記記録部とは反対側に配置されていると共に加熱ローラに圧接されている加圧ローラからなり、前記記録部で記録された画像を被記録媒体に定着させる。
この構成によると、ローラ対が、第1方向から搬送されてきた被記録媒体を第2方向へと送りスイッチバックさせる機能と、被記録媒体に記録された画像を定着させる機能とを兼ね備えているので、装置の部品点数を削減することができる。
本発明の画像記録装置では、前記ローラ対が、被記録媒体を前記第1方向に送ることで装置の外部に排出してもよい。この構成によると、ローラ対が、被記録媒体を排出させる機能をさらに兼ねているので、装置の部品点数を一層削減することができる。
本発明の画像記録装置では、前記加熱ローラが、前記ローラ対によって被記録媒体を前記第1方向に送った後に続けて前記第2方向に送る時、及び前記第1方向に送って装置の外部に排出する時の両方において加熱されてもよい。この構成によると、被記録媒体の両方の面に記録される画像をそれぞれ定着させることができる。したがって、第2搬送経路等を汚すのを防ぐと共に、被記録媒体が排出されたときに使用者の手等を汚すのを防ぐことができる。
本発明の画像記録装置では、前記加熱ローラが、少なくとも前記ローラ対によって被記録媒体を前記第2搬送経路に送るべく前記第2方向に送る前において前記第1方向に送る時に加熱され、且つ前記第1方向に送って装置の外部に排出する排出時には加熱されなくてもよい。この構成によると、第2搬送経路等を汚すのを防ぐと共に、消費電力を抑えることができる。
本発明の画像記録装置では、前記第2搬送経路が、前記記録部よりも前記第1方向に関して上流側において前記記録部と隣り合う位置にあってもよい。一般に、第1方向に関して記録部の両側はデッドスペースとなるが、上記構成によると、第2搬送経路をデッドスペースに配置することで装置の小型化を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタの概略側断面図である。
図1に示すように、プリンタ1には、いずれもインク滴を吐出する複数のノズル(図示せず)が形成された吐出面2aを有しており、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)にそれぞれ対応する4つのインクジェットヘッド2が備えられている。すなわち、プリンタ1はカラーインクジェットプリンタである。そして、インクジェットヘッド2の下方には、用紙70をインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向させつつ一方向(図1中右方向:以降「順搬送方向」と称する)に搬送する搬送機構21が配置されている。なお、4つのインクジェットヘッド2は、図1に示すように、順搬送方向に沿って互いに隣接された状態で、枠状のフレーム3に固定されている。つまり、本実施の形態のプリンタ1は、ライン式プリンタである。
搬送機構21は、互いに平行な回転軸を有する二つのベルトローラ6、7と、両ベルトローラ6、7間に架け渡されたエンドレスの搬送ベルト8とを備えている。搬送ベルト8は、エチレンプロピレンゴム(EDPM)などのゴム素材でできた基材の表面にシリコン処理を施すことによって形成されており、当該シリコン処理が施され粘着性を有する面が外周面、すなわち搬送面8aとなっている。
ベルトローラ6、7のうち、順搬送方向の上流側、すなわち図1中左側に位置するベルトローラ6の上方には、その回転軸がベルトローラ6の回転軸と平行となっているニップローラ4が、搬送ベルト8を介してベルトローラ6と対向するように配置されている。ニップローラ4は、搬送機構21に送られてきた用紙70を搬送ベルト8との間で挟持し、粘着性を有する搬送面8aに対して押さえ付ける。押さえ付けられた用紙70は、搬送面8a上に保持されたまま搬送される。一方、順搬送方向の下流側、すなわち図1中右側に位置するベルトローラ7は、駆動モータ17により、図1中時計回りに回転駆動される。ベルトローラ7の上方には、その回転軸がベルトローラ7の回転軸と平行となっている拍車ローラ5が、搬送ベルト8を介してベルトローラ7と対向するように配置されている。搬送ベルト8の搬送面8a上を搬送されてきた用紙70は、拍車ローラ5と搬送ベルト8との間に挟持されることによって更に搬送力が付与され、搬送機構21から排出される。
また、搬送ベルト8によって囲まれた領域内には、搬送ベルト8のインクジェットヘッド2と対向する部分を内周面側から支持する略直方体形状のプラテン19が配置されている。さらに、搬送ベルト8によって囲まれた領域内におけるプラテン19と対向する位置には、プラテン19から遠ざかる方向(図1中下方向)に付勢された張力ローラ10が配置されている。これにより、搬送ベルト8に所定の大きさの張力が発生する。
ここで、図1に示すように、インクジェットヘッド2及び搬送機構21は、筐体90内に収容されている。筐体90には、互いに対向する開口92、94が形成されており、搬送機構21の順搬送方向に関する両側の空間が、該開口92、94を介してそれぞれ外部と連通している。
開口92、94のうち、順搬送方向の上流側に形成されている開口92には、給紙トレイ25が差し込まれている。給紙トレイ25には、内部に収容された複数の用紙70のうち、最も上方に位置する用紙70を開口92を介して筐体90内に送り出すピックアップローラ26が備えられている。また、開口92の近傍には、ピックアップローラ26によって送り出された用紙70を、搬送機構21に向かって送る給紙ローラ対22が配置されている。
一方、順搬送方向の下流側に形成されている開口94には、開口94を介して筐体90内から排出された用紙70を受ける排紙トレイ24が差し込まれている。また、開口94には、搬送機構21によって順搬送方向に搬送されてきた用紙70を挟持し、順搬送方向及びその反対の逆搬送方向(図1中左方向)の2つの方向に送ることができる両送りローラ対23が配置されている。
両送りローラ対23は、互いに回転軸が平行となるように対向して配置された加熱ローラ27及び加圧ローラ28からなる。加熱ローラ27は、金属製の筒状部材であり且つ内部に熱源であるハロゲンランプ27aが備えられている。なお、後で詳述するように、ハロゲンランプ27aのON/OFFのタイミングは制御部60によって制御される。また、加熱ローラ27は、正逆回転可能な駆動モータ29により、図1中時計回り及び反時計回りの2つの方向に回転駆動可能となっている。加圧ローラ28は、加熱ローラ27に下方から圧接しており、加熱ローラ27の回転駆動に伴って従動回転するようになっている。したがって、両送りローラ対23に挟持された用紙70には、熱及び圧力が加えられる。これにより、該用紙70に記録されたインク画像が定着される。
上述のような構成により、給紙ローラ対22と両送りローラ対23との間には、給紙ローラ対22によって送られてきた用紙70を、その一方の面がインクジェットヘッド2の吐出面2aに面するようにしつつ順搬送方向に沿って搬送する本経路31が形成される。なお、本実施の形態においては、本経路31は、水平方向に延びている。
また、搬送機構21と両送りローラ対23との間には、両送りローラ対23によって逆搬送方向に送られる用紙70の向きを下方に切り換える切換ガイド33が配置されている。切換ガイド33は、本経路31に沿って搬送される用紙70の面に平行であり且つ順搬送方向に直交する軸を中心に回転可能に構成されている。そして、切換ガイド33は、当該軸を中心に回転することにより、本経路31に交わらない状態(図1中実線で示す状態)と交わる状態(図1中破線で示す状態)とを取り得る。さらに、切換ガイド33は、順搬送方向と下方向との間の方向(図1中右斜め下方向)を向く案内面33aを有しており、両送りローラ対23によって逆搬送方向に送られる用紙70は、本経路31に交わる状態にある切換ガイド33の案内面33aに当接して下方に案内される。
さらに、プリンタ1には、切換ガイド33によって搬送方向が下方に切り換えられた用紙70を下方に案内する降下ガイド34と、降下ガイド34によって案内されてきた用紙70を逆搬送方向に搬送する再搬送機構35と、再搬送機構35によって搬送されてきた用紙70を挟持しつつ上方に搬送し、搬送機構21と給紙ローラ対22との間に送る複数の再給紙ローラ対36と、再給紙ローラ対36によって搬送される用紙70を案内する上昇ガイド37とを備えている。なお、再搬送機構35は、用紙70の幅方向の一方側が逆搬送方向に沿って延びる基準面(図示せず)と当接するように、用紙70をその幅方向一方側に寄せる斜行ローラ35aを備えており、いわゆるサイドレジ送りによって用紙70を搬送する。
上述のような構成により、プリンタ1には、本経路31の下方において、搬送機構21と両送りローラ対23との間から、搬送機構21と給紙ローラ対22との間まで延びる反転経路32が形成される。かかる反転経路32により、両送りローラ対23によって逆搬送方向に送られてきた用紙70は、表裏が反転された状態で、搬送機構21と給紙ローラ対22との間から再度本経路31へと送られる。すなわち、反転経路32を通った用紙70は、給紙ローラ対22によって送り出された際に上方を向いていた一方の面とは反対の他方の面が上方を向いた状態で本経路31へと送られる。
なお、本経路31における順搬送方向の最も下流側に位置する両送りローラ対23は、用紙70の搬送方向を順搬送方向から逆搬送方向に反転させて、該用紙70の搬送経路を本経路31から反転経路32に切り換える、いわゆるスイッチバックローラ対としての機能を有している。また、上述のように、両送りローラ対23は、挟持する用紙70に記録されたインク画像を定着する、いわゆる定着ローラ対としての機能も有している。さらに、両送りローラ対23は、筐体90の開口94に位置しており、用紙70を筐体90内から排出する、いわゆる排出ローラ対としての機能も有している。
制御部60は、外部から送られたプリント指示に基づいて、用紙70へのプリント処理を行うべくプリンタ1の全体の動作を制御する。制御部60は、例えば汎用のパーソナルコンピュータによって構成されている。かかるコンピュータは、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、プリンタ1の全体の動作を制御する為のプログラムを含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、以下に述べるような処理を行うことができるようになっている。
ここで、制御部60で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである図2を参照しつつ、プリンタ1の動作ついて説明する。
最初に、用紙70を本経路31に沿って搬送しつつ、インクジェットヘッド2によってその一方の面に画像を記録する(S1)。具体的には、まず、給紙トレイ25内の用紙70をピックアップローラ26によって送り出し、給紙ローラ対22で挟持しつつ開口92を介して筐体90内に送る。さらに、搬送機構21により、その一方の面がインクジェットヘッド2の吐出面2aに面するようにしつつ順搬送方向に搬送し、画像の記録を行う。このとき、外部から制御部60へ送られたプリント指示の内容に基づいて、当該用紙70の両面に画像の記録を行うか否かを判断する(S2)。
用紙70の片面のみに画像の記録を行う場合には(S2:NO)、後述するステップS3〜ステップS8を省略してステップS9に進む。一方、両面に画像の記録を行う場合には(S2:YES)、両送りローラ対23を構成する加熱ローラ27の内部に備えられたハロゲンランプ27aをONにする(S3)。続いて、両送りローラ対23によって、搬送機構21から排出された用紙70を挟持しつつ順搬送方向に送ることで、用紙70の一方の面に記録されたインク画像を定着させる(S4)。なお、このとき、切換ガイド33は本経路31に交わらない状態となっている。その後、ハロゲンランプをOFFにする(S5)。
そして、切換ガイド33を回転させることによって本経路31に交わる状態としてから、両送りローラ対23の回転方向を反転させ、用紙70を逆搬送方向に送る(S6)。このとき、用紙70は切換ガイド33の案内面33aに当接し、本経路31の下方に位置する反転経路32へと案内される。両送りローラ対23による挟持から解放された用紙70は、反転経路32に沿って搬送され、表裏が反転された状態で、搬送機構21と給紙ローラ対22との間から再度本経路31へと送られる(S7)。
次に、反転経路32から送られてきた用紙70を、本経路31に沿って搬送しつつ、インクジェットヘッド2によってその他方の面に画像を記録する(S8)。続いて、画像の定着を行う必要があるか否かを判断する(S9)。本実施の形態においては、ステップS9における判断は、画像を記録する際に使用したインクの量に基づいて行われる。すなわち、ステップS2における判断で、用紙70の片面のみに画像の記録を行うとしてステップS9に進んだ場合には、ステップS1で用紙70の一方の面に画像を記録した際のインクの使用量、また用紙70の両面に画像を記録した場合には、ステップS8で用紙70の他方の面に画像を記録した際のインクの使用量が、所定量以下である場合には定着を行う必要はないと判断し、該インクの使用量が所定量よりも多い場合には定着を行う必要があると判断する。
定着を行う必要がない場合には(S9:NO)、搬送機構21から排出された用紙70を両送りローラ対23によって挟持しつつ順搬送方向に送り、開口94を介して筐体90内から排紙トレイ24へ排出する(S10)。なお、このとき、両送りローラ対23を構成する加熱ローラ27の内部に備えられたハロゲンランプ27aはOFFのままである。したがって、用紙70を排出する際に画像の定着を行う場合に比べて消費電力を抑えることができる。
一方、定着を行う必要がある場合には(S9:YES)、ハロゲンランプ27aをONにした後(S11)、搬送機構21から排出された用紙70を両送りローラ対23によって挟持しつつ順搬送方向に送ることで、開口94を介して筐体90内から排紙トレイ24へ排出する(S12)。このとき、用紙70の加熱ローラ27と接する側の面に記録されたインク画像が定着される。これにより、排紙トレイ24や、排紙トレイ24から用紙70を取り出す使用者の手などを汚すのを防ぐことができる。その後、ハロゲンランプをOFFにする(S13)。
以上のように、本実施の形態のプリンタ1では、本経路31における順搬送方向の最も下流側に位置する両送りローラ対23は、挟持した用紙70を順搬送方向及び逆搬送方向の2つの方向に送ることが可能である。また、両送りローラ対23は、内部にハロゲンランプ27aが設けられた加熱ローラ27と加熱ローラ27に圧接された加圧ローラ28とで構成されている。すなわち、両送りローラ対23は、用紙70の搬送方向を反転させて、該用紙70の搬送経路を本経路31から反転経路32に切り換える、いわゆるスイッチバックローラ対としての機能と、挟持する用紙70に記録されたインク画像を定着する、いわゆる定着ローラ対としての機能とを兼ね備えている。よって、プリンタ1の部品点数を削減することができる。
また、本実施の形態のプリンタ1では、両送りローラ対23は、筐体90の開口94に配置されており、挟持した用紙70を筐体90内から排出する、いわゆる排出ローラ対としての機能も兼ねている。したがって、プリンタ1の部品点数を一層削減することができる。
さらに、本実施の形態のプリンタ1では、用紙70の両面に画像を記録する場合には、用紙70の一方の面に対して最初に記録される画像に対しては必ず定着処理が行われ、その後用紙70の他方の面に対して記録される画像に対しては、必要に応じて定着処理が行われる。また、用紙70の一方の面のみに画像を記録する場合には、該一方の面に記録される画像は、必要に応じて定着処理が行われる。したがって、本経路31や反転経路32が汚れるのを防ぐことができる。さらに、プリンタ1の消費電力を抑えつつ、排紙トレイ24や、排紙トレイ24から用紙70を取り出す使用者の手などを汚すのを防ぐことができる。
<第2の実施の形態>
次に、図3を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本実施の形態にかかるプリンタの概略側断面図である。第2の形態のプリンタの構成が、第1の実施の形態のプリンタ1の構成と主に異なる点は、第1の実施の形態においては、反転経路32は、本経路31の下方に形成されているが、本実施の形態では、インクジェットヘッド2よりも順搬送方向に関して上流側においてインクジェットヘッド2と隣り合う位置、すなわち図3におけるインクジェットヘッド2の左側に反転経路132が形成されている点である。その他の構成については、第1の実施の形態とほぼ同様である。第1の実施の形態とほぼ同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
本実施の形態のプリンタ101においては、搬送機構121の順搬送方向に関して下流側に位置するベルトローラ107を回転駆動する駆動モータ117は、正逆回転可能である。したがって、ベルトローラ107は、図3中時計回り及び反時計回りの2つの方向に回転駆動可能となっている。これにより、搬送機構121は、用紙70をインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向させつつ順搬送方向及び逆搬送方向の2つの方向に搬送することができる。
また、プリンタ101におけるインクジェットヘッド2よりも順搬送方向に関して上流側の空間には、3つの再給紙ローラ対136a、136b、136cが配置されている。再給紙ローラ対136aは、搬送機構121によって逆搬送方向に送られてきた用紙70を挟持しつつ上方に送り、再給紙ローラ対136bは、再給紙ローラ対136aによって送られてきた用紙70を挟持しつつ逆搬送方向に送り、再給紙ローラ対136cは、再給紙ローラ対136bによって送られてきた用紙70を挟持しつつ下方に送る。また、本経路31と再給紙ローラ対136a、136cとの間、及び各再給紙ローラ対136a、136b、136cの間には、搬送される用紙70を案内するガイド137が配置されている。
上述のような構成により、プリンタ101には、その両端がそれぞれ本経路31に接続されたループ状の反転経路132が、インクジェットヘッド2よりも順搬送方向に関して上流側においてインクジェットヘッド2と隣り合う位置に形成される。かかる反転経路132により、両送りローラ対23によって逆搬送方向に送られてきた用紙70は、表裏が反転された状態で、搬送機構121と給紙ローラ対22との間から再度本経路31へと送られる。
なお、ガイド137は、用紙70が通過可能な隙間を介して互いに対向する一対のプレートで構成されている。そして、本経路31と再給紙ローラ対136aとの間に配置されたガイド137を構成する一対のプレートのうち、順搬送方向に関して上流側に位置するものの下端には、フィルム137aが取り付けられている。フィルム137aは、可撓性を有しており、その下端が本経路31の下方に位置している。また、フィルム137aは、その下端がその上端よりも順搬送方向に関して下流側に位置するように傾斜している。かかるフィルム137aにより、搬送機構121によって逆搬送方向に搬送される用紙70が反転経路132へと案内される。また、給紙ローラ対22によって順搬送方向に送られる用紙70は、フィルム137aを押し上げつつ進み、搬送機構121まで搬送される。
ここで、給紙ローラ対22とインクジェットヘッド2との間には、本経路31と反転経路132とが一致している共通給紙経路が形成されている。すなわち、プリンタ101において両面プリントを行う場合には、用紙70は最初にその一方の面が上方を向いた状態で共通給紙経路を通過し、次にその他方の面が上方を向いた状態で共通給紙経路を通過する。そして、共通給紙経路には、用紙70の紙粉を除去する紙粉除去ローラ138が配置されている。紙粉除去ローラ138は、共通給紙経路を通過する用紙70の上面に当接し当該面に付着している紙粉を静電吸着により除去する。なお、紙粉除去ローラ138の近傍には、紙粉除去ローラ138に付着した紙粉を掻き取るスポンジ等の部材(図示せず)が設けられている。これにより、プリンタ101では、用紙70の用面に付着している紙粉を1つの紙粉除去ローラ138によってそれぞれ除去することができる。
また、プリンタ101の筐体190は、本体198と本体198に枢支された扉体199との2つの部材で構成されている。本体198には、第1の実施の形態における筐体90の開口92、94に対応する開口192、194に加えて、反転経路132を外部に露出する開口196が形成されている。そして、扉体199は、開口196を覆う状態(図3中破線で示す状態)と開放する状態(図3中実線で示す状態)とを取り得る。これにより、反転経路132におけるジャム処理等を容易に行うことが可能となる。
以上のように、本実施の形態のプリンタ101では、反転経路132が、インクジェットヘッド2よりも順搬送方向に関して上流側においてインクジェットヘッド2と隣り合う位置に形成されている。一般に、順搬送方向に関してインクジェットヘッド2の両側は、デッドスペースとなる。したがって、従来デッドスペースとなっていた領域に反転経路132を配置した本実施の形態のプリンタ101は、筐体190内のスペースを有効に活用することができる。すなわち、反転経路を搬送機構の下方に配置する場合に比べて、プリンタ101の高さを低くすることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の第1及び第2の実施の形態では、両送りローラ対23が、用紙70を筐体90、(190)の外に排出する排出ローラ対としての機能も有している場合について説明したが、これに限らず、排出ローラ対が両送りローラ対23とは別に設けられていてもよい。
さらに、制御部60によるハロゲンランプ27aのON/OFFのタイミングの制御、すなわち両送りローラ対23による画像の定着の制御は、適宜変更可能である。例えば、上述の第1及び第2の実施の形態では、両面プリントの際に用紙70の一方の面に画像を記録した後、両送りローラ対23が用紙70を順搬送方向へ送る前にハロゲンランプ27aをONにし、その後逆搬送方向へ送る前にハロゲンランプ27aをOFFにする場合について説明したが、逆搬送方向へ送った後にハロゲンランプ27aをOFFにしてもよい。また、上述の第1及び第2の実施の形態では、片面プリントの際に用紙の一方の面に画像を記録した後、及び両面プリントの際に用紙70の他方の面に画像を記録した後は、必要に応じてハロゲンランプ27aをONにして画像の定着を行う場合について説明したが、常に画像の定着を行うようにしてもよい。
また、上述の第1及び第2の実施の形態では、給紙ローラ対22と両送りローラ対23との間に形成される本経路31が水平方向に延びている場合について説明したが、これには限定されない。例えば、給紙トレイ25が搬送機構21、(121)の下方に配置されており、給紙ローラ対によって用紙70が上方に送り出されるように構成されており、本経路31が湾曲していてもよい。
加えて、上述の第1及び第2の実施の形態では、インクジェット式のプリンタ1、(101)に本発明を適用する場合について説明したが、これには限定されない。定着処理を要する画像記録装置であり、且つ逆搬送方向に送られてきた被記録媒体の表裏を反転させる反転経路を有するものであれば適用可能である。
本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタの概略側断面図である。 図1に示す制御部で行われる処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかるプリンタの概略側断面図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像記録装置)
2 インクジェットヘッド(記録部)
31 本経路(第1搬送経路)
22 給紙ローラ対(初回給紙部)
23 両送りローラ対(ローラ対)
27 加熱ローラ
27a ハロゲンランプ(加熱手段)
28 加圧ローラ
32、132 反転経路(第2搬送経路)
70 用紙(被記録媒体)

Claims (5)

  1. シート状の被記録媒体を少なくとも第1方向に搬送するための第1搬送経路と、
    前記第1搬送経路に沿って前記第1方向に搬送される被記録媒体に対して画像を記録する記録部と、
    前記第1搬送経路の前記第1方向に関する上流側の端部に位置しており、前記第1搬送経路においてその一方の面が前記記録部に面するように被記録媒体を前記第1搬送経路に送る初回給紙部と、
    前記第1搬送経路の前記第1方向に関する下流側の端部に位置しており、被記録媒体を前記第1方向及び前記第1方向とは反対の第2方向に送ることができるローラ対と、
    その両端がそれぞれ前記第1搬送経路に接続されており、前記ローラ対によって前記第2方向に送られた被記録媒体を、その他方の面が前記第1搬送経路において前記記録部に面するように、前記記録部よりも前記第1方向に関して上流側から再度前記第1搬送経路に送るための第2搬送経路とを備えており、
    前記ローラ対が、前記第1搬送経路に対して前記記録部側に配置されていると共に加熱手段により加熱される加熱ローラ、及び前記第1搬送経路に対して前記記録部とは反対側に配置されていると共に加熱ローラに圧接されている加圧ローラからなり、前記記録部で記録された画像を被記録媒体に定着させることを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記ローラ対が、被記録媒体を前記第1方向に送ることで装置の外部に排出できることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記加熱ローラが、前記ローラ対によって被記録媒体を前記第1方向に送った後に続けて前記第2方向に送る時、及び前記第1方向に送って装置の外部に排出する時の両方において加熱されることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記加熱ローラが、少なくとも前記ローラ対によって被記録媒体を前記第2搬送経路に送るべく前記第2方向に送る前において前記第1方向に送る時に加熱され、且つ前記第1方向に送って装置の外部に排出する排出時には加熱されないことを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  5. 前記第2搬送経路が、前記記録部よりも前記第1方向に関して上流側において前記記録部と隣り合う位置にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
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