JP2009082854A - 純水生成ユニット及び純水洗車装置 - Google Patents

純水生成ユニット及び純水洗車装置 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄剤又は水洗いした車両に純水を濯ぐ際、純水の純度を低下させることなく、また利便に使用できる純水洗車装置を提供すること。
【解決手段】純水洗車装置1は、第1の洗車ユニット5と純水噴出しユニット10とを備えている。純水噴出しユニット10には、純水生成ユニット11内に収納されている純水生成装置20及び純水を送水する加圧タンクと、純水を車体に向けて噴き出す噴射ノズル14とを備えている。噴射ノズル14を横パイプ15の先端に装着するとともに、横パイプ15を中央パイプ13と直交する方向に延設する。横パイプを、車体の上面に噴き付ける張出し長さの短い横パイプ15Aと車体の側面に噴き付ける張出し長さの長い横パイプ15Bとに形成して、車体全体に満遍なく噴き付けるように構成する。純水は、純水生成装置20内で逆浸透圧をかけることによって生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、純水を生成する純水生成装置を備えた純水生成ユニット及び洗浄液又は水で車体を洗浄した後、純水で濯ぐことのできる純水洗車装置に関する。
一般に洗車時に車体に水を噴きかける際、水は、通常、水道水が使用されている。水道水にはカルシウムやマグネシウム等のミネラルが溶け込んでいるから、水が蒸発した後にこれらのミネラルがこびり付いてシミが発生することとなっていた。このため、水で洗車した後、純水を噴き付けることによってシミの発生を防止する対策がなされていた。従来から純水を生成する純水生成装置は特許文献1によって知られている。これによると、純水は純水生成装置によって生成され、純水生成装置は、不純物除去装置と純水貯蔵タンクとから構成されている。不純物除去装置は、逆浸透圧モジュールにより所定レベルの水圧で水を浸透膜中に押し込み、シリカ等の不純物を除去するものである。シリカ等の不純物が除去された水は純水となって純水貯留タンクに貯留される。この純水を使って車両を洗車する際、車両の車体は、洗浄液や水で洗浄された後、純水で濯ぐことができることから、車体にシミの発生を防止することができることとなっていた。
一方、水道水で車両を洗浄する通常の車両の洗車装置は門型に形成されたフレームで構成されていることが多い。そして門型のフレームの上部あるいは側部に水や洗浄液が噴射される噴射ノズル口が装着され、フレーム内に停車した車両の車体表面を、回転ブラシ等を使用して自動的に洗浄していた。そして、この洗浄装置に純水を噴き付ける場合においても門型のフレームに純水噴き付け用の噴射ノズルを装着することとなっていた。
また、洗浄液や水で車体を洗浄した後に、純水で濯ぐように構成した洗車機が特許文献2によって知られている。これによると、門型フレームの内側に流体の吹付管が配設されている。吹付管には二股継手管を介して、一方には水道水、工業用水、洗剤、ワックス等の流体が供給される第1の配管系統が接続され、他方には純水が供給される第2の配管系統が接続されている。それぞれの配管系統には開閉弁が装着され、一方の流体を吹付管に供給する際には他方の流体を吹付管に供給しないように開閉弁を閉じるように構成されていた。
特開平9−226537号公報 実開平3−86875号公報
しかし、純水生成装置で生成された純水を供給する際、一般的には生成された純水をポンプで外部に送給することが多い。つまり、純水生成装置が1個のボックス内に配置されている場合、ボックス内には純水生成装置に供給する水道水を濾過するフィルタと濾過された水道水を純水生成装置に供給する水道水送給用の加圧ポンプとが配置されていた。そして、生成された純水を外部に送給するためのポンプが別に配置されていた。ポンプはホースを介してボックスに配置された送給口に接続され、送給口に車体に噴き付けるための接続ホースが接続されている。この場合、生成された純水はタンクに貯留され、タンクに貯留された純水をポンプで汲み上げて接続ホースから外部に送給するように構成されていた。
タンクに貯留された純水をポンプで汲み上げる場合、ポンプはポンプを作動するためのモータが必要となる。モータを使用することは、外部電源から電源コードを接続する必要があった。そのため、ボックスを広い範囲で移動する際に、電源コードを長くしなければならないことや電源コードを移動の妨げにならないように処置することがあり、利便性を低下させていた。また、モータを装着することによって重量が大きくなるとともにコストを高くすることとなっていた。さらに生成された純水は不純物が少ないことによって金属を錆易くすることから、金属部分が多いポンプでは、錆の進行が早く逆に純水精度を低下させる結果となっていた。したがって、純水生成装置を稼働させるために純水生成装置を1個のボックス内に配置させた場合に、純水精度を向上させるとともにコストを低減させて軽量にし、さらに利便性がよい純水生成ユニットが求められていた。
また、洗浄液や水で車体を洗浄した後で、純水で濯ぐことはシミの発生を防止できるものの、純水を純水として維持したまま効率よく車体に噴き付けることができるかどうかが、課題として残されていた。また、門型フレームの場合には、フレームが停車されている車両を通過することによって、純水洗車そのものを行っていた。そのため、車体の裏面や細部への洗浄には限界があり、作業者も洗車中には車体に接触することはできなかった。
特許文献2の洗車機は、門型のフレームで構成され回転ブラシを使用していることから、作業者が洗車中に車体表面に接触することができず、例えば、純水を噴射中に作業者が手を出すことはできなかった。また、流体を噴き付ける吹付管には、第1の配管系統から供給された流体と、第2の配管系統から供給された純水とが交互に吹き付けられることとなっていた。従って純水を車体に噴き付ける際には、吹付管には洗浄液や水あるいはワックス等の流体が混じっていることとなり、そのまま使用するには純水の効果が低下してしまう。洗浄液や水あるいはワックス等を除去するためには、二股継手管から吹付管までの間における管内を清掃しなければならなかった。管内の清掃を行うには、時間がかかり純水洗浄を含めた洗車時間が長くなって、お客様に迷惑をかけることとなっていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、第1の目的は、純水精度を向上させるとともにコストを低減させて軽量にし、さらに利便性のよい純水生成ユニットを提供することであり、第2の目的は、前述の純水生成ユニットを使用して車体を洗浄する際、純水で効率よく濯ぎができるようにするとともに、フレームの一方を開放して洗車中に作業者が作業を行えるように構成する純水洗車装置を提供することを目的とする。そのために、本発明に係る純水生成ユニット及び純水洗車装置は、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、半透膜で仕切られて2槽を形成する逆浸透圧発生装置を備えて逆浸透圧をかけることによって純水を取り出す純水生成装置と、外部から供給された水道水を濾過するフィルタと、前記フィルタを通った水道水を加圧するポンプと、純水生成装置で生成された純水を貯留する加圧タンクと、を収納する純水生成ユニットであって、前記加圧タンクが、貯留された純水を加圧して外部に送給可能に構成されていることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明では、前記加圧タンクが、空気層と、純水を貯留する膨潤可能な弾性貯留層と、で内部構造が構成され、前記弾性貯留層が膨潤されることによって加圧された空気層の圧力で前記弾性貯留槽内の純水を送給可能に構成されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明では、前記純水生成装置は、水の分子より僅かに大きな孔を形成した前記半透膜で仕切るとともに前記半透膜の一方の室には不純物濃度の高い水が供給され、前記半透膜の他方の室には不純物濃度の低い水が供給され、前記不純物濃度の高い室に圧力を高くすることによって前記不純物濃度の低い室内に純水が生成されることを特徴としている。
請求項4記載の発明では、洗剤洗い又は水洗い可能な洗車装置と、半透膜で仕切られて2槽を形成する逆浸透圧発生装置を備えて逆浸透圧をかけることによって純水を取り出す純水生成装置を内蔵する純水生成ユニットと、を備え、前記洗車装置で車両の車体を洗車した後、前記純水生成装置から純水を供給して前記車体を濯ぐように構成する純水洗車装置であって、純水を供給する配管系統が、洗剤又は水を供給する配管系統と別に配設され、前記純水を噴射するノズルが、フレームに支持されるとともに前記車体の長手方向に延設する中央パイプに対して直交する方向に配置された横パイプの先端部に装着され、前記横パイプが、前記車体の上面に向かって噴射するとともに前記中央パイプからの突出長さが短い第1の横パイプと、前記車体の側面に向かって噴射するとともに前記中央パイプからの突出長さの長い第2の横パイプとを備えていることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明では、前記フレームが、側部と天井部とを備えて前記車体の一方側から立設するとともに前記側部と前記天井部とが屈曲して一体的に形成されていることを特徴としている。
請求項6記載の発明では、前記第2の横パイプは下方に向かって屈曲する部位を有し、前記屈曲する部位が垂直方向に対して傾斜して配置されていることを特徴としている。
本発明の純水洗車ユニットによれば、純水生成装置で生成された純水を、ポンプではなく加圧タンクでの圧力で外部に送給することから、電源コードを使用することなく広い範囲に移動させることができて利便性を向上させることができるとともにモータを使用しない分、純水洗車ユニットを軽量で廉価に製造することができる。
この加圧タンクは、純水生成装置で生成された純水を貯留する膨潤可能な弾性貯留層を備えている。前記弾性貯留層が膨潤されることによって加圧された空気層の圧力で生成された純水を洗車装置に送給する。したがって、加圧タンクには、モータを必要としないことから、外部電源を接続しないですみ、純水洗車ユニットの移動に利便性を有することとなる。また、この加圧タンクには金属部分が少ないことから、錆の発生部位が少なく、そのため、錆を発生し難く純水精度を向上することができる。
また、本発明の純水洗車装置によれば、車両の車体を洗車する際、車体を洗剤又は水洗いで洗浄した後に、純水で濯ぎを行うことができることから、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウム等のミネラルが車体にこびり付いてシミとなることを防止することができる。純水を濯ぐ際、車体の上面は、長さの短い第1の横パイプの噴射ノズルから噴射される純水によって濯がれ、車体の側面は長さの長い第2の横パイプの噴射ノズルから噴射される純水によって濯がれる。第1の横パイプと第2の横パイプは、フレームに支持されて車体の長手方向に沿って延設する中央パイプから直交して配設されているから、門型のフレームを不要とすることができる。
このフレームは、車両の一方から立設して配設されていることから、片側が開放されている状態にあり、作業者が、洗浄剤や水が噴き出されている間に車体を洗浄することができる。このため、通常利用されている回転ブラシを使用しなくても洗浄することができ、車体の裏面や、回転ブラシでは行き届かない箇所でも、洗浄することができる。
また、前記第2の横パイプは下方に向かって屈曲する部位を有し、前記屈曲する部位が垂直方向に対して傾斜して配置されているから、純水洗車が終了した後で、噴き付けることによって横パイプ内に残された純水は、傾斜された横パイプに沿って流れることとなって、純水の垂れ流しを少なくすることができる。
次に、本発明の純水洗車装置の一形態について、図面に基づいて説明する。
実施形態の純水洗車装置は、車両の車体表面を洗剤又は水洗いした後、純水で濯ぐことによって洗車するものである。図1は、純水洗車装置1を示すものであり、停車する車両2の一方の側から立設するL字状のフレーム3と、洗剤又は水を噴出す洗剤又は水洗いユニット(以下、第1の洗車ユニットという)5と後述の純水生成装置で生成した純水を噴き出す純水噴出しユニット10とを備えている。
フレーム3は、並列する複数の支柱からなり停車する車両2の一方の側に立設されている。そのため、停車する車両2の他方の側は開放された状態にある。それぞれのフレーム3は側部31と天井部32とを有してL字状に屈曲して形成されている。
第1の洗車ユニット5は、複数の天井部32を架け渡すように配置された一対のレール6と、一対のレール6に沿って走行可能に配置されたシャットル7と、シャットル7に支持されて先端に洗浄剤又は水を噴射する第1の噴射ノズル8(上面用噴射ノズル8A、側面用噴射ノズル8B)を装着したホース9(上面用ホース9A、側面用ホース9B)を備えている。第1の噴射ノズル8は、洗浄剤又は水道水を供給する図示しない第1の配管系統に接続されている。
純水噴出しユニット10は、純水を生成する純水生成装置(以下純水生成モジュールという)20を内部に備えた純水生成ユニット11と、純水生成ユニット11からフレーム3の天井部32の上方に向かって延設するとともにフレーム3に沿って支持されるホース12と、ホース12の先端に接続して車両2の長手方向に沿って延設する中央パイプ13と、中央パイプ13と直交して配置され、先端に第2の噴射ノズル(以下、単に噴射ノズルともいう)14を装着する複数の横パイプ15と、を備えている。中央パイプ13は1本の支柱(フレーム3)の天井部32に支持された固定金具16に固着されている。
実施形態の純水噴出しユニット10では、図2〜3に示すように、停車する車両2の長手方向に沿って延設する中央パイプ13、13が、長手方向の中央部でお互いに反対方向に沿って延設するように固定金具16に支持されている。それぞれの中央パイプ13、13の中央部側の端部にホース金具131、131が装着されてホース12(図1参照)が接続されている。
中央パイプ13と直交する両方向には複数の横パイプ15が接続されている。横パイプ15は、図4(a)に示すように、横方向に張出す長さの短い横パイプ15Aと図4(b)に示すように、張出す長さの長い横パイプ15Bとを有している。横パイプ15Aは水平部151先端に下向きの噴射ノズル14Aが装着され、車両2の車体上面部に純水を噴き付ける。横パイプ15Bは、水平部152先端から下方に屈曲した垂直部153を有し、垂直部152先端に噴射ノズル14Bが装着され、車両2の側部に純水を噴き付ける。横パイプ15Bの一部には垂直部153が傾斜して形成されている。
図5〜7に示すように純水生成装置(純水生成モジュール)20は、純水生成ユニット11内に収納されている。純水生成ユニット11の収納ボックス111には、水道水供給口21と水の排水口22が形成されるとともに、純水を供給する純水供給口23とが形成されている。水道水供給口21には、減圧弁25を介して一端がフィルタ17に接続された図示しないホースの他端が接続され、フィルタ17は加圧ポンプ18にホースで接続されている。
実施形態の純水生成モジュール20は二基配置されている。水道水供給口21から供給された水は、第1の純水生成モジュール20Aの下方から流入し(図5、図6におけるX)、一方で生成された純水を第1の純水生成モジュール20Aの上方から加圧タンク19に流入(図5、図6におけるY)し、他方で第1の純水生成モジュール20Aの排水を第2の純水生成モジュール20Bの上方から流入する。第2の純水生成モジュール20Bの下方において、一方で第2の純水生成モジュール20Aで生成された純水を加圧タンク19に流入し、他方で第2の純水生成モジュール20Bの排水を排水口22から外部に排出する。
この純水生成モジュール20は逆浸透膜法によって純水を生成する。逆浸透膜法は、図8に示すように、不純物(例えば、塩素)濃度の薄い希簿溶液を充填する第1槽201と、第1室と半透膜202を間にして配置されて不純物(塩素)濃度の濃い濃厚溶液を充填する第2槽203とを有している。半透膜202には水の分子より僅かに大きな孔が形成されている。通常、両溶液が各槽に充填されると、図6(a)のように、溶液は、濃度を平衡となるように第1槽(希簿溶液側)201の水の分子が半透膜202を通って第2槽(濃厚溶液側)203に移動する。これを「浸透」と呼ぶ。そして、図8(b)に示すように濃度が平衡に達したとき、両液間に生じる圧力差を「浸透圧P0」と呼ぶ。
これに対して、図8(c)に示すように、第2槽(濃厚溶液側)203に浸透圧P0以上の圧力Pをかけると、第2槽(濃厚溶液側)203の水の分子が第1槽(希簿溶液側)201に移動する。これを「逆浸透圧」と呼ぶ。逆浸透圧によって,第1槽(希簿溶液側)201の溶液に水の分子が加わり、希簿溶液はさらに濃度が薄くなり純水となる。この純水を第1槽201から取り出して加圧タンク19に貯留し、加圧タンク19の圧力によって、送り出し用減圧弁26を介して純水供給口23から外部に供給する。なお、第2槽203の水を排水口22から排水し第2基目の純水生成モジュール20に供給する。純水生成ユニット11を洗車装置に接続することなく単独で使用する場合には、図7に示すように、純水供給口23から送水用ストップ付きガン27に接続して、純水を吹き出すように構成する。また、純水洗車装置1に接続する場合には、純水供給口23からホース12を介して中央パイプ13に接続する。
加圧タンク19の内部は二重構造となっており、図9〜11に示すように、内側は密閉されるとともに下部にはゴム袋191が貼り付けられ、純水を吸入可能に構成されている。ゴム袋191は、純水を流入するにしたがって水風船のように膨潤する。ゴム袋191が膨潤すると加圧タンク19内の空気が圧縮されてゴム191に圧力をかける。そしてゴム袋191内が満水になると純水供給口23から外部に送給される。
加圧タンク19の作用を詳細に説明すると、図9に示すように、純水が供給されていない状態では、ゴム袋191は膨潤せずに加圧タンク19の下方に沈んでいる。加圧タンク内の空気圧P’は0.03〜0.04Kpa程度を示している。
図10に示すように、流入側の開閉弁28が開いて、流出側の開閉弁29が閉じている状態で純水が供給されると、純水は加圧タンク19内のゴム袋191内に流入される。ゴム袋191は膨潤して加圧タンク19内の空気層を圧縮させて空気圧P’を高める。ゴム袋191内に流入する純水が、加圧タンク19の満水に対して約半分の量まで流入する際の空気圧P’は概ね0.1Kpaとなる。
図11に示すように、ゴム袋191内に流入する純水が満水状態になると加圧タンク19内の空気層はさらに圧縮され、空気圧P’が約0.4Mpaとなり、ゴム袋191に圧力をかけることとなる。この状態で開閉弁28を開けて開閉弁29を閉じると、ゴム袋191内の純水は外部に送給されることとなる。
外部に送られる先が純水洗車装置1の場合、純水はホース12を通って中央パイプ13に供給され、各横パイプ15を通って噴射ノズル14から車体に向けて噴き付けられる。
次に、上述のように構成された純水洗車装置1の作用について説明する。洗車を行う車両2が、L字状のフレーム3内に進入し停車する。停車した車両2に向かって、まず第1の洗車ユニット5の噴射ノズル8(8A、8B)から、洗浄剤又は水を噴射して通常の洗車を行う。この際、シャットル7がレール6に沿って前後方向に移動し、車体の上面には上面用噴射ノズル8Aから洗浄剤又は水が噴き出され、車体の側面には側面用噴射ノズル8Bから洗浄剤又は水が噴き出されて車両の車体全体を満遍なく洗車する。
洗浄剤又は水で洗車された後、車体全体には純水が噴き付けられる。図5〜7に示す純水生成ユニット11の上部に配置された運転スイッチ24を押して開閉弁28を開けることによって加圧タンク19に貯留されている純水を吸い上げる。純水は純水生成ユニット11の生産水供給口23から図1に示すホース12を通って中央パイプ13内に供給される。中央パイプ13は、中央部を間にしてそれぞれ反対側に延設されている。中央パイプ13の中央部側端部にそれぞれホース金具131、131が装着されているから、ホース12を通った純水はそれぞれ中央パイプ13、13を通って、複数の横パイプ15内に流入される。
中央パイプ13からの張出し長さの短い第1の横パイプ15Aは、水平部151の先端部に下向きの噴射ノズル14Aが装着されていることから車体上面に純水を噴き付ける。また、張出し長さの長い横パイプ15Bは、水平部151の先端に垂直部153が配置され、垂直部153の先端に噴射ノズル14Bが内側に向かって装着されているから、車体側面に純水を噴き付けることとなる。それぞれの横パイプ15A、15Bは、車両の長さ方向に沿って車両の両側に複数個装着されているから、車体全体に純水を噴き付けることとなる。
張出し長さの長い横パイプ15Bには、垂直部153が、垂直方向に対して傾斜して配設したものがある。垂直部153を傾斜することによって、噴き出されている純水を止めたときに、純水が横パイプ15B内の壁に沿って伝わることにより噴射ノズル14Bからの純水の落下を少なくすることができる。
噴き付けられた純水は、拭き取らずにそのまま走行してもよく、また、乾きにくい部分に付着したものを拭き取るようにしてもよい。
なお、洗浄剤や水の洗車あるいは純水の洗車中又は洗車後に、作業者が立設しているフレーム3の反対側に移動して、洗車の点検や、洗車の補助作業を行ってもよい。車両におけるフレーム3反対側は、スペースがあることから、自由な作業を行うことができる。
上述のように、実施形態の純水洗車装置1では、洗浄剤や水で車体を洗車した後に、純水を濯ぐことから、車体の表面にシミを発生させる虞がない。また、純水の配管経路が、洗浄剤や水等の配管経路と別々に形成していることから、純水を濯ぐ際に、洗浄剤や水が付着して純水の純度を低下させる虞もない。しかも、純水洗車装置1のフレーム3を、車両2の一方の側から立設するとともに、噴射ノズル14を、中央パイプと直交する方向に延設した横パイプ15の先端に装着することから、門型のフレームを不要とすることができ、車両の片側にスペースを形成するとともにコストを低減することができる。このことによって、洗車中あるいは洗車後に作業者が、車両に近づいて洗車の点検や洗車の補助作業を行うことができる。
さらに、純水を生成する純水生成装置20が、加圧ポンプ18や加圧タンク19とともに純水生成ユニット11内に収容して1つの純水噴き出しユニット10として構成できることから、第1の洗車ユニット5のどこにでも配置することができ利便に使用することができる。特に純水を送水する加圧タンク19は、モータを必要としないことから、軽量でしかもコスト低減化を図ることができるとともに、外部電源を必要としないことから、純水生成ユニット11を自由位置に移動することができ利便性をさらに向上させる。
なお、本発明の純水洗車装置は上述の形態に限定するものではない。例えば、純水生成装置(純水生成モジュール20)は、純水生成ボックス内で1基でもよく、また、容量によっては3基以上でもよい。また、純水洗車装置のフレームは、車両の片側から立設するものでなくても車両の両側から立設してもよく、さらに、L字状に屈曲しているものでなくてもよい。また、フレームが複数の支柱を並列するものでなくても、一つの壁状に形成されていてもよい。
本発明の一形態の純水洗車装置を示す側面図である。 図1における純水洗車装置の純水用のパイプを示す平面図である。 同正面図である。 図2における横パイプを示す側面図である。 図1の純水洗車装置の純水生成ボックス内を示す側面一部断面図である。 同正面一部断面図である。 同平面図である。 純水生成装置における純水を生成する原理を示す説明図である。 加圧タンクに純水が流入されていない状態を示す作用図である。 加圧タンクに純水が約半分流入された状態を示す作用図である。 加圧タンクが満水状態であることを示す作用図である。
符号の説明
1、純水洗車装置
2、車両
3、フレーム
5、第1の洗車ユニット
8、噴射ノズル
10、純水噴き出しユニット
11、純水生成ユニット
119、収納ボックス
12、ホース
13、中央パイプ
14、噴射ノズル
15、横パイプ
17、フィルタ
18、加圧ポンプ
19、加圧タンク
191、ゴム袋
20、純水生成モジュール(純水生成装置)
21、水道水供給口
22、排水口
23、純水供給口

Claims (6)

  1. 半透膜で仕切られて2槽を形成する逆浸透圧発生装置を備えて逆浸透圧をかけることによって純水を取り出す純水生成装置と、外部から供給された水道水を濾過するフィルタと、前記フィルタを通った水道水を加圧するポンプと、純水生成装置で生成された純水を貯留する加圧タンクと、を収納する純水生成ユニットであって、
    前記加圧タンクが、貯留された純水を加圧して外部に送給可能に構成されていることを特徴とする純水生成ユニット。
  2. 前記加圧タンクが、空気層と、純水を貯留する膨潤可能な弾性貯留層と、で内部構造が構成され、前記弾性貯留層が膨潤されることによって加圧された空気層の圧力で前記弾性貯留槽内の純水を送給可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の純水生成ユニット。
  3. 前記純水生成装置は、水の分子より僅かに大きな孔を形成した前記半透膜で仕切るとともに前記半透膜の一方の室には不純物濃度の高い水が供給され、前記半透膜の他方の室には不純物濃度の低い水が供給され、前記不純物濃度の高い室に圧力を高くすることによって前記不純物濃度の低い室内に純水が生成されることを特徴とする請求項1又は2記載の純水生成ユニット。
  4. 洗剤洗い又は水洗い可能な洗車装置と、半透膜で仕切られて2槽を形成する逆浸透圧発生装置を備えて逆浸透圧をかけることによって純水を取り出す純水生成装置を内蔵する純水生成ユニットと、を備え、前記洗車装置で車両の車体を洗車した後、前記純水生成装置から純水を供給して前記車体を濯ぐように構成する純水洗車装置であって、
    純水を供給する配管系統が、洗剤又は水を供給する配管系統と別に配設され、
    前記純水を噴射するノズルが、フレームに支持されるとともに前記車体の長手方向に延設する中央パイプに対して直交する方向に配置された横パイプの先端部に装着され、前記横パイプが、前記車体の上面に向かって噴射するとともに前記中央パイプからの突出長さが短い第1の横パイプと、前記車体の側面に向かって噴射するとともに前記中央パイプからの突出長さの長い第2の横パイプとを備えていることを特徴とする純水洗車装置。
  5. 前記フレームが、側部と天井部とを備えて前記車体の一方側から立設するとともに前記側部と前記天井部とが屈曲して一体的に形成されていることを特徴とする請求項4記載の純水洗車装置。
  6. 前記第2の横パイプは下方に向かって屈曲する部位を有し、前記屈曲する部位が垂直方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の純水洗車装置。
JP2007257739A 2007-10-01 2007-10-01 純水洗車装置 Active JP5079443B2 (ja)

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