JP2004122000A - 飲料水の製造販売装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高品質の飲料水を安価に提供することができ、また廃棄物を増やすこともない飲料水の製造販売装置を提供する。
【解決手段】ペットボトルを洗浄可能な容器洗浄部2と、逆浸透膜モジュールで精製された純水を圧力タンクに蓄える水製造本体部1と、必要な飲料水を圧力タンクから出力する飲料水導出部4とを設ける。水製造本体部は、圧力タンクの水圧が所定値を上回るまで逆浸透膜モジュールへの給水を続ける第1手段と、圧力タンクの水圧が所定値を下回ると逆浸透膜モジュールへの給水を再開する第2手段と、逆浸透膜モジュールの源流側の水圧が所定値を下回ると、他の条件に拘わらず逆浸透膜モジュールへの給水を中断する第3手段とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】ペットボトルを洗浄可能な容器洗浄部2と、逆浸透膜モジュールで精製された純水を圧力タンクに蓄える水製造本体部1と、必要な飲料水を圧力タンクから出力する飲料水導出部4とを設ける。水製造本体部は、圧力タンクの水圧が所定値を上回るまで逆浸透膜モジュールへの給水を続ける第1手段と、圧力タンクの水圧が所定値を下回ると逆浸透膜モジュールへの給水を再開する第2手段と、逆浸透膜モジュールの源流側の水圧が所定値を下回ると、他の条件に拘わらず逆浸透膜モジュールへの給水を中断する第3手段とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高品質の飲料水を安価に供給することができる飲料水の製造販売装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
比較的雨の多い日本では、一般に、上水道から充分な量の水が提供されており、通常は水が不足することはない。しかし、こと飲料水に関してはカルキ臭の問題などから水道水を直接飲む人は少なく、例えば朝日新聞の世論調査によれば、大都市において水道水が美味しいと感じる人は13%に止まっている。
【0003】
かかる水道水の問題に加えて、最近の健康志向の社会風潮から、水道水に代えてペットボトル入りの天然水が多数販売されており、特に大都市圏では広く一般に飲用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような飲料水が普及すればするほど、廃棄物としてのペットボトルも増加することになり、大きな社会問題になっている。また、市販の天然水はそもそも高価であり、美味しい水を定常的に飲用することはできない。
【0005】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであって、高品質の飲料水を安価に提供することができ、また廃棄物を増やすこともない飲料水の製造販売装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る飲料水の製造販売装置は、利用者の操作によって飲料水の収納容器を洗浄可能な容器洗浄部と、逆浸透膜モジュールで精製された純水を貯留タンクに蓄える水製造本体部と、利用者の指示に基づき必要量の飲料水を前記貯留タンクから出力する飲料水導出部とを設けると共に、前記水製造本体部は、前記貯留タンクの水圧が所定値を上回るまで前記逆浸透膜モジュールへの給水を続ける第1手段と、その後、前記貯留タンクの水圧が所定値を下回ると前記逆浸透膜モジュールへの給水を再開する第2手段と、前記逆浸透膜モジュールの源流側の水圧が所定値を下回ると、他の条件に係わらず前記逆浸透膜モジュールへの給水を中断する第3手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明において飲料水とは、ペットボトルなどに収納される一般家庭用の飲料水に限らず、調理水のように、経口摂取が可能なその他一切の水を含む概念である。
【0008】
本発明では逆浸透法によって純水を得るが、逆浸透法とは、高濃度溶液(例えば水道水)と低濃度溶液(例えば純水)の間に半透過膜を設けると共に、高濃度側に浸透圧より高い圧力を加えることにより、高濃度側から低濃度側に溶媒を移動させて、水道水などから純水を得る方法である。この逆浸透法によれば、水道水から、細菌やウイルスなどの微粒子、パイロジェンなどの溶解物質、及び電解質などを除去できるので極めて好適である。
【0009】
本装置は、スーパーマーケットに設置されるのが典型的であり、好適には、駐車場の一角や店内の一角に設置される。飲料水の収納容器は、スーパーマーケットの店内で販売しても良いが、利用者が持参するのが一般的である。何れにしても、本発明では、収納容器を洗浄可能な容器洗浄部を備えるので、利用者のニーズに合った収納容器を繰返し使用することができ、その分だけ高品質の飲料水を低価格で提供できる。また、収納容器が廃棄されることもなく、ゴミ処理の問題が解消される。
【0010】
この容器洗浄部は、好適には、容器のキャップを洗浄するキャップ洗浄部と、容器の内面を噴射水で洗浄するスプレー洗浄部とに大別されている。より好適には、キャップ洗浄部及びスプレー洗浄部には、中空糸膜モジュールで濾過された処理水が出力され、衛生面でも万全のシステムを実現できる。
【0011】
本発明は、漏水を検知するセンサの出力に基づいて、本装置への原水の供給を強制的に停止する第4手段を更に備えるのが好適である。また、逆浸透膜モジュールの下流側を閉塞する一方、逆浸透膜モジュールの濃縮水の排水路を通常より広げて、逆浸透膜モジュールの洗浄処理を定期的に行う第5手段を備えるのが好適である。
【0012】
また、本発明に係る貯留タンクは、伸縮自在の隔壁を介して液体部と気体部とに区画されており、上流部からの水圧によって気体部を圧縮しつつ純水が貯留されるのが好適である。この貯留タンクによれば、貯留タンクの水圧が所定値を上回るまで逆浸透膜モジュールからの純水が蓄えられ、この段階で逆浸透膜モジュールへの給水が停止される。
【0013】
一方、利用者の指示に基づき、飲料水導出部が動作すると、気体部が膨張して貯留タンクから純水が出力される。この結果、貯留タンクの水圧が所定値を下回ると、第2手段が逆浸透膜モジュールへの給水を再開するので、再度、上流部からの水圧によって気体部を圧縮しつつ純水が貯留される。
【0014】
本発明に係る飲料水導出部には、ミネラル成分、ビタミン、アミノ酸、及び炭酸ガスの何れか一つ以上を注入する注入部を設けても良い。この場合、飲料水導出部は単一でも良いが、複数個の飲料水導出部を設けた場合には、何も注入しないRO処理水、ミネラル成分の注入した飲料水、炭酸ガスを注入した炭酸水、ミネラル成分を注入した炭酸水、その他ミネラル成分、ビタミン、アミノ酸、及び炭酸ガスを任意に組合せた飲料水を別々の飲料水導出部から個々に導出することができる。
【0015】
本発明に係る飲料水導出部には、単位時間当りの流量が相違する複数の流路が設けられ、これらの流路が選択的に使用されているのが好適である。ここで、複数の流路は、例えば、利用者ごとの総流量に基づいて切換えて使用されるが、一回の販売において時間的に切換えて使用しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施例に係る飲料水の製造販売装置の設置例を示す平面図(a)と、A−A線で切断した正面図(b)である。この飲料水製造販売装置は、装置利用者が持参したペットボトルに高品質の飲料水を供給する装置であり、概略、水製造本体部1と、容器洗浄部2と、金銭投入部3と、飲料水導出部4とで構成されている。なお、金銭投入部3と飲料水導出部4は、本装置の設置面積に合わせて適当個数が配置されるが、図示例では、4坪程度の設置面積に3個の金銭投入部3a〜3cと3個の飲料水導出部4a〜4cとが配置されている。
【0017】
図2は、装置利用者が持参したペットボトルPBを洗浄するための容器洗浄部2の構成を示すブロック図である。この容器洗浄部2は、ペットボトルのキャップCAPを洗浄するキャップ洗浄部2Aと、ペットボトルPBの内面を洗浄するスプレー洗浄部2Bとに大別されており、それぞれ、中空糸膜モジュールMRE1,MRE2で濾過した処理水を出力している。中空糸膜モジュールは、例えば、ポリエチレン多孔質中空糸膜を内蔵しており、中空糸膜の外壁から浸入する原水は、微細孔を通って内壁面に達するので、水中の細菌やサブミクロン微粒子を確実に捕捉することができる。
【0018】
図2に示すように、キャップ洗浄部2Aは、蛇口TAPの操作に基づいて、水製造本体部1から受けたRO処理水を出力するようになっている。但し、この構成に限定されるものではなく、操作スイッチの押圧に応答して、所定時間(例えば5秒)だけRO処理水を出力するようにしても良い。
【0019】
また、スプレー洗浄部2Bは、電磁弁SV10,SV11と、中空糸膜モジュールMRE2と、スプレーノズルSNZとを備えて構成され、水道水か水製造本体部1で製造されたRO処理水かを選択的に出力するようにしている。但し、いずれの場合にも、中空糸膜モジュールMRE2で濾過された処理水が、スプレーノズルSNZから上向きにペットボトルPBの内面に向けて噴射される。
【0020】
利用者がペットボトル内面を洗浄するべく操作ボタンを押圧すると、先ず、電磁弁SV10のみが開放されて水道水が中空糸膜モジュールMRE2に供給される。そして、所定時間経過後、電磁弁SV10が閉状態となる一方、電磁弁SV11が開状態となり、RO処理水が中空糸膜モジュールMRE2に供給される。
【0021】
以上のように、本実施例では、ペットボトルの内面を初期洗浄した後に、RO処理水によって仕上げ洗浄が行われるので、完全な洗浄処理が実現される。なお、この洗浄処理は、操作ボタンの押圧に応答して所定時間(例えば5秒)で完結される。
【0022】
図3は、水製造本体部1の構成を示すブロック図である。図示の通り、水製造本体部1は、水道水を受けて濾過処理と脱臭処理を行う前処理部5と、逆浸透法RO(reverse osmosis)に基づいて純水(RO処理水)を精製するRO処理部6と、RO処理部6から出力されるRO処理水を貯留する貯留部7と、ミネラル分などの注入処理を行う後処理部8とで構成されている。
【0023】
この実施例では、3つの後処理部8a,8b,8cを備えており、それぞれ飲料水導出部4a,4b,4cに高品質の飲料水を供給している。一方、各飲料水導出部4a,4b,4cは、金銭投入部3a,3b,3cからの指示にしたがって必要量の飲料水を出力している。
【0024】
図3において、前処理部5は、通常は開状態であるが漏水時などに漏水センサの出力に基づいて閉状態となる電磁SV0と、活性炭を内蔵して残留塩素などを除去する吸着処理装置C1と、濾材を内蔵するマイクロフィルタS1と、通水圧を監視する水圧計G1とで構成されている。
【0025】
一方、前処理部5に連続するRO処理部6は、逆浸透膜モジュール部ROを有効に機能させる部分であり、通水圧に基づいてON/OFF動作する低水圧スイッチLPSと、低水圧スイッチLPSやタンク側圧力スイッチTPSなどの出力に基づいて開閉される電磁弁SV1と、逆浸透膜モジュール部ROに原水を供給する高圧ポンプBPと、通水圧を監視する水圧計G2とを備えている。
【0026】
そして、逆浸透膜モジュール部ROで精製されたRO処理水は、瞬時流量を計測する流量計F3と、通常は開状態であってフラッシング動作時に閉状態とされる電磁弁SV4を介して貯留部7に供給される。なお、流量計F3の下流側は、電磁弁SV3を介して排水路に連通しており、RO処理部6の動作開始時であって、水圧が所定値を越えるまではRO処理水を排水するようにしている。
【0027】
また、RO処理部6には、ニードル弁NV1及び流量計F1からなるRO濃縮水の循環路と、ニードル弁NV2及び流量計F2からなるRO濃縮水の排水路と、電磁弁SV2とが設けられている。なお、電磁弁SV2は、通常は閉状態であるが、フラッシング動作時に開状態とされる。すなわち、例えば一日に一回のフラッシング動作時には、例えば、10分程度電磁弁SV4が閉状態とされるのに合わせて、電磁弁SV2が開状態とされ、大量の通水によって逆浸透膜モジュール部ROが洗浄される。
【0028】
このように、本装置では、逆浸透膜モジュール部ROを用いて水道水を処理しており、1/10000ミクロンのオーダで不純物を除去することができる。また、普通の水処理では除去できない農薬などの化学物質も除去可能である。
【0029】
RO処理水を受ける貯留部7は、RO処理水を貯留する圧力タンクTKを有効に機能させる部分であり、通水圧に基づいてON/OFF動作するタンク側圧力スイッチTPSと、通水圧を監視する水圧計G3と、通常は開状態のボール弁BV2と、排水時に開状態とされるボール弁BV3とを備えている。
【0030】
なお、圧力タンクTKは、伸縮自在の隔壁を介して液体部と気体部とに区画されており、全ての飲料水導出部4が閉状態の場合には、RO処理部6からの水圧によって気体部を圧縮しつつRO処理水が貯留される。一方、何れかの飲料水導出部4が開状態となると、気体部の膨張によってRO処理水が出力されることになる。
【0031】
貯留部7に連続する後処理部8は、通常は開状態のボール弁BV4と、逆流を防止する逆止弁CV1と、必要に応じてミネラル分その他を注入する注入ポンプMPと、通水を感知するフロースイッチFSとで構成されている。注入ポンプMPは、フロースイッチFSが通水を感知すると、その通水量に応じて、ミネラル成分、ビタミン、及びアミノ酸を単独で注入するか、或いは適宜に組合せて注入するものである。但し、フロースイッチFSが通水を感知すると、注入ポンプMPが一定量を注入する構成でも良いし、また、注入ポンプMPを設けない後処理部8bが存在しても良い。
【0032】
ミネラル分とは、カルシウム、マグネシウムなどの硬度成分を意味するが、例えば、スポーツ後のミネラル補給、妊産婦のカルシウム補給、その他ダイエットや便秘防止を目的とする飲料水が必要とされる場合には、硬度300以上の硬水(ミネラルウォータ)となるよう、必要量の硬度成分が注入ポンプMPから注入される。
【0033】
水製造装置1に連続する飲料水導出部4は、金銭投入部3から受けた信号に基づいて、必要量の飲料水を出力する部分である。飲料水導出部4は、飲料水の出力量を計測する流量計Mと、活性炭を内蔵する吸着処理装置C2と、飲料水を最終濾過する中空糸膜モジュールMREと、金銭投入部3に設けられたシーケンサの制御で出力流路を切換える三方弁3WVと、ニードル弁NV3と、シーケンサの制御で開閉される電磁弁SV5と、薬液を注入する際に開放されるボール弁BV5とで構成されている。
【0034】
本実施例では、中空糸膜モジュールMREの他に吸着処理装置C2を設けているので、如何なる場合にも、注入ポンプMPなどの臭いが問題になることはない。なお、ボール弁BV5は、一週間に一回程度、飲料水の導出ラインを次亜塩素酸系の薬剤などで殺菌処理する際に開閉操作されるものであり、三方弁3WVやニードル弁NV3を適宜に開閉することで各流路が殺菌洗浄される。
【0035】
金銭投入部3には、例えば、2リットル用、4リットル用、5リットル用、11リットル用の押圧ボタンが設けられている。そして、必要な金額を投入して押圧ボタンを押すと、金銭投入部3のシーケンサは、電磁スイッチSV5を開放状態にして飲料水の注水を開始する。また、金銭投入部3のシーケンサは、流量計Mからの信号を読み取って、必要量の飲料水を出力した後に電磁弁SV5を閉塞する。
【0036】
このような注水動作において、三方弁3WVは、総注水量に応じて広狭2つの流路を切換えている。例えば、総注水量が多い場合には、三方弁3WVが下側に切換えられて広い流路が選択され、総注水量が多くない場合(例えば500cc程度の場合)には、三方弁3WVが上側に切換えられて狭い流路が選択される。
【0037】
続いて、以上の構成からなる水製造装置1について、その動作内容を説明する。営業開始に先立つ初期処理として、手動操作によりボール弁BV4を閉状態にする一方、ボール弁BV3を開状態にして、圧力タンクTKに残っている前日分のRO処理水を排水する。なお、この状態では電磁弁SV4は閉状態であり、ボール弁BV2は当然に開状態である。
【0038】
続いて、電源を投入すると、不図示の制御部は、電磁弁SV0,SV1,SV3を開状態にする一方、電磁弁SV4、SV2を閉状態にする。その結果、RO処理水は、電磁弁SV3を経由して排水される。その後、例えば20秒程度経過すると、電磁弁SV3を閉状態にする一方、電磁弁SV4を開状態にする。この20秒程度の初期運転の結果、逆浸透膜モジュールROには所定値以上の圧力が加わることになる。
【0039】
その後は、定常運転状態となり、制御部は、低水圧スイッチLPSとタンク側圧力スイッチTPSの出力に基づいて、電磁弁SV1,SV4の開閉動作に対応させて高圧ポンプBPを動作させる。なお、この定常運転状態では、ボール弁BV2,BV4は開状態であり、ボール弁BV3,BV5は閉状態である。また、電磁弁SV2,SV3,SV5は閉状態である。
【0040】
本装置では、水道水が正常に供給されている限り、低水圧スイッチLPSはON状態である。また、圧力タンクTKに余裕がある運転開始当初は、圧力タンクTKの圧力は高くないのでタンク側圧力スイッチTPSはOFF状態である。このような初期状態では、電磁弁SV1,SV4が開状態に制御され、且つ、高圧タンクBPが駆動状態に制御されることにより、RO処理部6が機能してRO処理水が精製され、これが連続的に圧力タンクTKに貯留される。
【0041】
なお、装置利用者が飲料水を購入した場合には、圧力タンクTKに貯留されているRO処理水がペットボトルPBに注入されるが、本装置では、利用者の需要に十分応える速度でRO処理水が精製されるよう設定されているので、初期状態から定常運転を続けると、やがて圧力タンクTKが満杯状態に達することになる。
【0042】
すると、圧力タンクTKの圧力が所定レベルを超えるのでタンク側圧力スイッチTPSがON状態となり、これに合わせて電磁弁SV1が閉状態とされると共に加圧ポンプBPの運転が停止される。その後、装置利用者が飲料水を購入するたびに圧力タンクTKに貯留されたRO処理水が減少し、その分だけ圧力タンクTKの圧力が降下する。したがって、この購入動作が繰り返されると、タンク側圧力スイッチがOFF状態となり、これに合わせて、電磁弁SV1は開状態に制御され、合わせて加圧ポンプBPの運転が再開される。
【0043】
以上の通り、この水製造装置1は、圧力タンクTKの圧力に基づいて高圧ポンプBPを運転するので、圧力タンクTKには常に所定量以上のRO処理水で満たされることになる。なお、何らかのトラブルによって水道水の供給が止まった場合には低水圧スイッチLPSがOFF状態となるので、これに合わせて電磁弁SV1が閉状態に制御され、加圧ポンプBPの運転も停止される。
【0044】
また、フラッシング処理時には、電磁弁SV2が開状態とされる一方、電磁弁SV4が閉状態とされて加圧ポンプBPが運転されるのは前述の通りである。なお、運転中に漏水が生じ、漏水センサが作動すると、電磁弁SV0が閉状態になると共に、高圧タンクBPの運転も中断される。
【0045】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、三方弁3WV及びニードル弁NV3によって二経路の流通路を設け、総注水量の大小によって二経路の流通路を使い分けているが、一回の注水動作を時間的に切換えるのも好適である。例えば、装置利用者が正しくペットボトルを位置決めできるとは限らないことを考慮して、最初は狭い流路を選択して注水を行うが、所定時間後は広い流路を選択して注水を行うことも考えられる。なお、総注水量の90%程度の注水を終えた後は、狭い流路を選択するようにしても良い。
【0046】
更にまた、実施例では、中空糸膜モジュールMREを最終濾過の目的で使用したが、中空糸膜モジュールMREに加圧状態の炭酸ガスを供給することによって、水導出部4から炭酸水を出力することが可能となる。具体的には、水分子を遮断するが、高い気体透過性を有する中空糸膜モジュールを用いて、中空糸内側にRO処理水を通水させると共に、中空糸外側に加圧された炭酸ガスを供給すれば炭酸水を得ることができる。
【0047】
なお、実施例では、販売のペットボトル入り天然水に対比されるような一般家庭向きの飲料水について説明したが、本発明は、調理水のように経口摂取可能なその他一切の水に適用できる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、高品質の飲料水を安価に提供することができ、また廃棄物を増やすこともない飲料水の製造販売装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る飲料水の製造販売装置の設置例を図示したものである。
【図2】容器洗浄部を説明するブロック図である。
【図3】水製造本体部を説明するブロック図である。
【符号の説明】
TK 貯留タンク(圧力タンク)
1 水製造本体部
2 容器洗浄部
4 飲料水導出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、高品質の飲料水を安価に供給することができる飲料水の製造販売装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
比較的雨の多い日本では、一般に、上水道から充分な量の水が提供されており、通常は水が不足することはない。しかし、こと飲料水に関してはカルキ臭の問題などから水道水を直接飲む人は少なく、例えば朝日新聞の世論調査によれば、大都市において水道水が美味しいと感じる人は13%に止まっている。
【0003】
かかる水道水の問題に加えて、最近の健康志向の社会風潮から、水道水に代えてペットボトル入りの天然水が多数販売されており、特に大都市圏では広く一般に飲用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような飲料水が普及すればするほど、廃棄物としてのペットボトルも増加することになり、大きな社会問題になっている。また、市販の天然水はそもそも高価であり、美味しい水を定常的に飲用することはできない。
【0005】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであって、高品質の飲料水を安価に提供することができ、また廃棄物を増やすこともない飲料水の製造販売装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る飲料水の製造販売装置は、利用者の操作によって飲料水の収納容器を洗浄可能な容器洗浄部と、逆浸透膜モジュールで精製された純水を貯留タンクに蓄える水製造本体部と、利用者の指示に基づき必要量の飲料水を前記貯留タンクから出力する飲料水導出部とを設けると共に、前記水製造本体部は、前記貯留タンクの水圧が所定値を上回るまで前記逆浸透膜モジュールへの給水を続ける第1手段と、その後、前記貯留タンクの水圧が所定値を下回ると前記逆浸透膜モジュールへの給水を再開する第2手段と、前記逆浸透膜モジュールの源流側の水圧が所定値を下回ると、他の条件に係わらず前記逆浸透膜モジュールへの給水を中断する第3手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明において飲料水とは、ペットボトルなどに収納される一般家庭用の飲料水に限らず、調理水のように、経口摂取が可能なその他一切の水を含む概念である。
【0008】
本発明では逆浸透法によって純水を得るが、逆浸透法とは、高濃度溶液(例えば水道水)と低濃度溶液(例えば純水)の間に半透過膜を設けると共に、高濃度側に浸透圧より高い圧力を加えることにより、高濃度側から低濃度側に溶媒を移動させて、水道水などから純水を得る方法である。この逆浸透法によれば、水道水から、細菌やウイルスなどの微粒子、パイロジェンなどの溶解物質、及び電解質などを除去できるので極めて好適である。
【0009】
本装置は、スーパーマーケットに設置されるのが典型的であり、好適には、駐車場の一角や店内の一角に設置される。飲料水の収納容器は、スーパーマーケットの店内で販売しても良いが、利用者が持参するのが一般的である。何れにしても、本発明では、収納容器を洗浄可能な容器洗浄部を備えるので、利用者のニーズに合った収納容器を繰返し使用することができ、その分だけ高品質の飲料水を低価格で提供できる。また、収納容器が廃棄されることもなく、ゴミ処理の問題が解消される。
【0010】
この容器洗浄部は、好適には、容器のキャップを洗浄するキャップ洗浄部と、容器の内面を噴射水で洗浄するスプレー洗浄部とに大別されている。より好適には、キャップ洗浄部及びスプレー洗浄部には、中空糸膜モジュールで濾過された処理水が出力され、衛生面でも万全のシステムを実現できる。
【0011】
本発明は、漏水を検知するセンサの出力に基づいて、本装置への原水の供給を強制的に停止する第4手段を更に備えるのが好適である。また、逆浸透膜モジュールの下流側を閉塞する一方、逆浸透膜モジュールの濃縮水の排水路を通常より広げて、逆浸透膜モジュールの洗浄処理を定期的に行う第5手段を備えるのが好適である。
【0012】
また、本発明に係る貯留タンクは、伸縮自在の隔壁を介して液体部と気体部とに区画されており、上流部からの水圧によって気体部を圧縮しつつ純水が貯留されるのが好適である。この貯留タンクによれば、貯留タンクの水圧が所定値を上回るまで逆浸透膜モジュールからの純水が蓄えられ、この段階で逆浸透膜モジュールへの給水が停止される。
【0013】
一方、利用者の指示に基づき、飲料水導出部が動作すると、気体部が膨張して貯留タンクから純水が出力される。この結果、貯留タンクの水圧が所定値を下回ると、第2手段が逆浸透膜モジュールへの給水を再開するので、再度、上流部からの水圧によって気体部を圧縮しつつ純水が貯留される。
【0014】
本発明に係る飲料水導出部には、ミネラル成分、ビタミン、アミノ酸、及び炭酸ガスの何れか一つ以上を注入する注入部を設けても良い。この場合、飲料水導出部は単一でも良いが、複数個の飲料水導出部を設けた場合には、何も注入しないRO処理水、ミネラル成分の注入した飲料水、炭酸ガスを注入した炭酸水、ミネラル成分を注入した炭酸水、その他ミネラル成分、ビタミン、アミノ酸、及び炭酸ガスを任意に組合せた飲料水を別々の飲料水導出部から個々に導出することができる。
【0015】
本発明に係る飲料水導出部には、単位時間当りの流量が相違する複数の流路が設けられ、これらの流路が選択的に使用されているのが好適である。ここで、複数の流路は、例えば、利用者ごとの総流量に基づいて切換えて使用されるが、一回の販売において時間的に切換えて使用しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施例に係る飲料水の製造販売装置の設置例を示す平面図(a)と、A−A線で切断した正面図(b)である。この飲料水製造販売装置は、装置利用者が持参したペットボトルに高品質の飲料水を供給する装置であり、概略、水製造本体部1と、容器洗浄部2と、金銭投入部3と、飲料水導出部4とで構成されている。なお、金銭投入部3と飲料水導出部4は、本装置の設置面積に合わせて適当個数が配置されるが、図示例では、4坪程度の設置面積に3個の金銭投入部3a〜3cと3個の飲料水導出部4a〜4cとが配置されている。
【0017】
図2は、装置利用者が持参したペットボトルPBを洗浄するための容器洗浄部2の構成を示すブロック図である。この容器洗浄部2は、ペットボトルのキャップCAPを洗浄するキャップ洗浄部2Aと、ペットボトルPBの内面を洗浄するスプレー洗浄部2Bとに大別されており、それぞれ、中空糸膜モジュールMRE1,MRE2で濾過した処理水を出力している。中空糸膜モジュールは、例えば、ポリエチレン多孔質中空糸膜を内蔵しており、中空糸膜の外壁から浸入する原水は、微細孔を通って内壁面に達するので、水中の細菌やサブミクロン微粒子を確実に捕捉することができる。
【0018】
図2に示すように、キャップ洗浄部2Aは、蛇口TAPの操作に基づいて、水製造本体部1から受けたRO処理水を出力するようになっている。但し、この構成に限定されるものではなく、操作スイッチの押圧に応答して、所定時間(例えば5秒)だけRO処理水を出力するようにしても良い。
【0019】
また、スプレー洗浄部2Bは、電磁弁SV10,SV11と、中空糸膜モジュールMRE2と、スプレーノズルSNZとを備えて構成され、水道水か水製造本体部1で製造されたRO処理水かを選択的に出力するようにしている。但し、いずれの場合にも、中空糸膜モジュールMRE2で濾過された処理水が、スプレーノズルSNZから上向きにペットボトルPBの内面に向けて噴射される。
【0020】
利用者がペットボトル内面を洗浄するべく操作ボタンを押圧すると、先ず、電磁弁SV10のみが開放されて水道水が中空糸膜モジュールMRE2に供給される。そして、所定時間経過後、電磁弁SV10が閉状態となる一方、電磁弁SV11が開状態となり、RO処理水が中空糸膜モジュールMRE2に供給される。
【0021】
以上のように、本実施例では、ペットボトルの内面を初期洗浄した後に、RO処理水によって仕上げ洗浄が行われるので、完全な洗浄処理が実現される。なお、この洗浄処理は、操作ボタンの押圧に応答して所定時間(例えば5秒)で完結される。
【0022】
図3は、水製造本体部1の構成を示すブロック図である。図示の通り、水製造本体部1は、水道水を受けて濾過処理と脱臭処理を行う前処理部5と、逆浸透法RO(reverse osmosis)に基づいて純水(RO処理水)を精製するRO処理部6と、RO処理部6から出力されるRO処理水を貯留する貯留部7と、ミネラル分などの注入処理を行う後処理部8とで構成されている。
【0023】
この実施例では、3つの後処理部8a,8b,8cを備えており、それぞれ飲料水導出部4a,4b,4cに高品質の飲料水を供給している。一方、各飲料水導出部4a,4b,4cは、金銭投入部3a,3b,3cからの指示にしたがって必要量の飲料水を出力している。
【0024】
図3において、前処理部5は、通常は開状態であるが漏水時などに漏水センサの出力に基づいて閉状態となる電磁SV0と、活性炭を内蔵して残留塩素などを除去する吸着処理装置C1と、濾材を内蔵するマイクロフィルタS1と、通水圧を監視する水圧計G1とで構成されている。
【0025】
一方、前処理部5に連続するRO処理部6は、逆浸透膜モジュール部ROを有効に機能させる部分であり、通水圧に基づいてON/OFF動作する低水圧スイッチLPSと、低水圧スイッチLPSやタンク側圧力スイッチTPSなどの出力に基づいて開閉される電磁弁SV1と、逆浸透膜モジュール部ROに原水を供給する高圧ポンプBPと、通水圧を監視する水圧計G2とを備えている。
【0026】
そして、逆浸透膜モジュール部ROで精製されたRO処理水は、瞬時流量を計測する流量計F3と、通常は開状態であってフラッシング動作時に閉状態とされる電磁弁SV4を介して貯留部7に供給される。なお、流量計F3の下流側は、電磁弁SV3を介して排水路に連通しており、RO処理部6の動作開始時であって、水圧が所定値を越えるまではRO処理水を排水するようにしている。
【0027】
また、RO処理部6には、ニードル弁NV1及び流量計F1からなるRO濃縮水の循環路と、ニードル弁NV2及び流量計F2からなるRO濃縮水の排水路と、電磁弁SV2とが設けられている。なお、電磁弁SV2は、通常は閉状態であるが、フラッシング動作時に開状態とされる。すなわち、例えば一日に一回のフラッシング動作時には、例えば、10分程度電磁弁SV4が閉状態とされるのに合わせて、電磁弁SV2が開状態とされ、大量の通水によって逆浸透膜モジュール部ROが洗浄される。
【0028】
このように、本装置では、逆浸透膜モジュール部ROを用いて水道水を処理しており、1/10000ミクロンのオーダで不純物を除去することができる。また、普通の水処理では除去できない農薬などの化学物質も除去可能である。
【0029】
RO処理水を受ける貯留部7は、RO処理水を貯留する圧力タンクTKを有効に機能させる部分であり、通水圧に基づいてON/OFF動作するタンク側圧力スイッチTPSと、通水圧を監視する水圧計G3と、通常は開状態のボール弁BV2と、排水時に開状態とされるボール弁BV3とを備えている。
【0030】
なお、圧力タンクTKは、伸縮自在の隔壁を介して液体部と気体部とに区画されており、全ての飲料水導出部4が閉状態の場合には、RO処理部6からの水圧によって気体部を圧縮しつつRO処理水が貯留される。一方、何れかの飲料水導出部4が開状態となると、気体部の膨張によってRO処理水が出力されることになる。
【0031】
貯留部7に連続する後処理部8は、通常は開状態のボール弁BV4と、逆流を防止する逆止弁CV1と、必要に応じてミネラル分その他を注入する注入ポンプMPと、通水を感知するフロースイッチFSとで構成されている。注入ポンプMPは、フロースイッチFSが通水を感知すると、その通水量に応じて、ミネラル成分、ビタミン、及びアミノ酸を単独で注入するか、或いは適宜に組合せて注入するものである。但し、フロースイッチFSが通水を感知すると、注入ポンプMPが一定量を注入する構成でも良いし、また、注入ポンプMPを設けない後処理部8bが存在しても良い。
【0032】
ミネラル分とは、カルシウム、マグネシウムなどの硬度成分を意味するが、例えば、スポーツ後のミネラル補給、妊産婦のカルシウム補給、その他ダイエットや便秘防止を目的とする飲料水が必要とされる場合には、硬度300以上の硬水(ミネラルウォータ)となるよう、必要量の硬度成分が注入ポンプMPから注入される。
【0033】
水製造装置1に連続する飲料水導出部4は、金銭投入部3から受けた信号に基づいて、必要量の飲料水を出力する部分である。飲料水導出部4は、飲料水の出力量を計測する流量計Mと、活性炭を内蔵する吸着処理装置C2と、飲料水を最終濾過する中空糸膜モジュールMREと、金銭投入部3に設けられたシーケンサの制御で出力流路を切換える三方弁3WVと、ニードル弁NV3と、シーケンサの制御で開閉される電磁弁SV5と、薬液を注入する際に開放されるボール弁BV5とで構成されている。
【0034】
本実施例では、中空糸膜モジュールMREの他に吸着処理装置C2を設けているので、如何なる場合にも、注入ポンプMPなどの臭いが問題になることはない。なお、ボール弁BV5は、一週間に一回程度、飲料水の導出ラインを次亜塩素酸系の薬剤などで殺菌処理する際に開閉操作されるものであり、三方弁3WVやニードル弁NV3を適宜に開閉することで各流路が殺菌洗浄される。
【0035】
金銭投入部3には、例えば、2リットル用、4リットル用、5リットル用、11リットル用の押圧ボタンが設けられている。そして、必要な金額を投入して押圧ボタンを押すと、金銭投入部3のシーケンサは、電磁スイッチSV5を開放状態にして飲料水の注水を開始する。また、金銭投入部3のシーケンサは、流量計Mからの信号を読み取って、必要量の飲料水を出力した後に電磁弁SV5を閉塞する。
【0036】
このような注水動作において、三方弁3WVは、総注水量に応じて広狭2つの流路を切換えている。例えば、総注水量が多い場合には、三方弁3WVが下側に切換えられて広い流路が選択され、総注水量が多くない場合(例えば500cc程度の場合)には、三方弁3WVが上側に切換えられて狭い流路が選択される。
【0037】
続いて、以上の構成からなる水製造装置1について、その動作内容を説明する。営業開始に先立つ初期処理として、手動操作によりボール弁BV4を閉状態にする一方、ボール弁BV3を開状態にして、圧力タンクTKに残っている前日分のRO処理水を排水する。なお、この状態では電磁弁SV4は閉状態であり、ボール弁BV2は当然に開状態である。
【0038】
続いて、電源を投入すると、不図示の制御部は、電磁弁SV0,SV1,SV3を開状態にする一方、電磁弁SV4、SV2を閉状態にする。その結果、RO処理水は、電磁弁SV3を経由して排水される。その後、例えば20秒程度経過すると、電磁弁SV3を閉状態にする一方、電磁弁SV4を開状態にする。この20秒程度の初期運転の結果、逆浸透膜モジュールROには所定値以上の圧力が加わることになる。
【0039】
その後は、定常運転状態となり、制御部は、低水圧スイッチLPSとタンク側圧力スイッチTPSの出力に基づいて、電磁弁SV1,SV4の開閉動作に対応させて高圧ポンプBPを動作させる。なお、この定常運転状態では、ボール弁BV2,BV4は開状態であり、ボール弁BV3,BV5は閉状態である。また、電磁弁SV2,SV3,SV5は閉状態である。
【0040】
本装置では、水道水が正常に供給されている限り、低水圧スイッチLPSはON状態である。また、圧力タンクTKに余裕がある運転開始当初は、圧力タンクTKの圧力は高くないのでタンク側圧力スイッチTPSはOFF状態である。このような初期状態では、電磁弁SV1,SV4が開状態に制御され、且つ、高圧タンクBPが駆動状態に制御されることにより、RO処理部6が機能してRO処理水が精製され、これが連続的に圧力タンクTKに貯留される。
【0041】
なお、装置利用者が飲料水を購入した場合には、圧力タンクTKに貯留されているRO処理水がペットボトルPBに注入されるが、本装置では、利用者の需要に十分応える速度でRO処理水が精製されるよう設定されているので、初期状態から定常運転を続けると、やがて圧力タンクTKが満杯状態に達することになる。
【0042】
すると、圧力タンクTKの圧力が所定レベルを超えるのでタンク側圧力スイッチTPSがON状態となり、これに合わせて電磁弁SV1が閉状態とされると共に加圧ポンプBPの運転が停止される。その後、装置利用者が飲料水を購入するたびに圧力タンクTKに貯留されたRO処理水が減少し、その分だけ圧力タンクTKの圧力が降下する。したがって、この購入動作が繰り返されると、タンク側圧力スイッチがOFF状態となり、これに合わせて、電磁弁SV1は開状態に制御され、合わせて加圧ポンプBPの運転が再開される。
【0043】
以上の通り、この水製造装置1は、圧力タンクTKの圧力に基づいて高圧ポンプBPを運転するので、圧力タンクTKには常に所定量以上のRO処理水で満たされることになる。なお、何らかのトラブルによって水道水の供給が止まった場合には低水圧スイッチLPSがOFF状態となるので、これに合わせて電磁弁SV1が閉状態に制御され、加圧ポンプBPの運転も停止される。
【0044】
また、フラッシング処理時には、電磁弁SV2が開状態とされる一方、電磁弁SV4が閉状態とされて加圧ポンプBPが運転されるのは前述の通りである。なお、運転中に漏水が生じ、漏水センサが作動すると、電磁弁SV0が閉状態になると共に、高圧タンクBPの運転も中断される。
【0045】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、三方弁3WV及びニードル弁NV3によって二経路の流通路を設け、総注水量の大小によって二経路の流通路を使い分けているが、一回の注水動作を時間的に切換えるのも好適である。例えば、装置利用者が正しくペットボトルを位置決めできるとは限らないことを考慮して、最初は狭い流路を選択して注水を行うが、所定時間後は広い流路を選択して注水を行うことも考えられる。なお、総注水量の90%程度の注水を終えた後は、狭い流路を選択するようにしても良い。
【0046】
更にまた、実施例では、中空糸膜モジュールMREを最終濾過の目的で使用したが、中空糸膜モジュールMREに加圧状態の炭酸ガスを供給することによって、水導出部4から炭酸水を出力することが可能となる。具体的には、水分子を遮断するが、高い気体透過性を有する中空糸膜モジュールを用いて、中空糸内側にRO処理水を通水させると共に、中空糸外側に加圧された炭酸ガスを供給すれば炭酸水を得ることができる。
【0047】
なお、実施例では、販売のペットボトル入り天然水に対比されるような一般家庭向きの飲料水について説明したが、本発明は、調理水のように経口摂取可能なその他一切の水に適用できる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、高品質の飲料水を安価に提供することができ、また廃棄物を増やすこともない飲料水の製造販売装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る飲料水の製造販売装置の設置例を図示したものである。
【図2】容器洗浄部を説明するブロック図である。
【図3】水製造本体部を説明するブロック図である。
【符号の説明】
TK 貯留タンク(圧力タンク)
1 水製造本体部
2 容器洗浄部
4 飲料水導出部
Claims (5)
- 利用者の操作によって飲料水の収納容器を洗浄可能な容器洗浄部と、逆浸透膜モジュールで精製された純水を貯留タンクに蓄える水製造本体部と、利用者の指示に基づき必要量の飲料水を前記貯留タンクから出力する飲料水導出部とを設けると共に、前記水製造本体部は、
前記貯留タンクの水圧が所定値を上回るまで前記逆浸透膜モジュールへの給水を続ける第1手段と、
その後、前記貯留タンクの水圧が所定値を下回ると前記逆浸透膜モジュールへの給水を再開する第2手段と、
前記逆浸透膜モジュールの源流側の水圧が所定値を下回ると、他の条件に係わらず前記逆浸透膜モジュールへの給水を中断する第3手段とを備えることを特徴とする飲料水の製造販売装置。 - 前記貯留タンクは、伸縮自在の隔壁を介して液体部と気体部とに区画されており、上流部からの水圧によって気体部を圧縮しつつ前記純水が貯留されるようになっている請求項1に記載の製造販売装置。
- 前記飲料水導出部には、ミネラル成分、ビタミン、アミノ酸、及び炭酸ガスの何れか一つ以上を注入する注入部が設けられている請求項1又は2に記載の製造販売装置。
- 前記飲料水導出部には、単位時間当りの流量が相違する複数の流路が設けられ、これらの流路が選択的に使用されている請求項1〜3の何れかに記載の製造販売装置。
- 前記複数の流路は、利用者ごとの総注水量に基づいて切換えて使用される請求項4に記載の製造販売装置。
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JP2002290454A JP2004122000A (ja) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | 飲料水の製造販売装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009082854A (ja) * | 2007-10-01 | 2009-04-23 | I Tac Giken Kk | 純水生成ユニット及び純水洗車装置 |
JP2011057626A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Mizuki Terakubo | フッ素飲料 |
JP2018051450A (ja) * | 2016-09-27 | 2018-04-05 | ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 | 医療用精製水の製造装置 |
JP2018065584A (ja) * | 2016-10-18 | 2018-04-26 | 株式会社オーセンテック | 浄水供給装置 |
-
2002
- 2002-10-02 JP JP2002290454A patent/JP2004122000A/ja not_active Withdrawn
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