JP2007260482A - 逆浸透装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透過水の水量を低下させることなく洗浄処理を行うことができるとともに、逆浸透膜の性能を良好な状態に維持することができる逆浸透装置を提供する。
【解決手段】逆浸透装置1は、逆浸透膜により原水から分離対象物を分離する膜分離機構10と、原水を加圧して膜分離機構10に供給する供給機構20と、逆浸透膜を透過した原水を外部に供給する給水管30と、逆浸透膜を透過しない原水を外部に排出する排水管35と、給水管30に設けられた給水弁31と、排水管35に設けられた排水弁36と、給水管30内の水圧を検出し、検出した水圧が、給水弁31が閉じられたことを示す給水管30内の水圧であって給水弁31が開いているときの水圧よりも高いときに電気接点を閉じる圧力センサ41と、圧力センサ41によって電気接点が閉じられたときに排水弁36を一定時間だけ開く制御装置とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、原水中に含まれる分離対象物を逆浸透膜によって分離,除去するように構成された逆浸透装置に関する。
前記逆浸透装置として、従来、例えば、特開2002−119965号公報に開示されたものが知られている。この逆浸透装置は、逆浸透膜、及び逆浸透膜を内部に収容する耐圧構造の容器体から構成されて、原水中に含まれた分離対象物を逆浸透膜により分離する膜分離機構と、容器体に接続した供給管、及び供給管を介し容器体の内部に原水を加圧して供給する供給ポンプから構成される供給機構と、容器体に接続し、逆浸透膜を透過した原水を外部に供給する給水管と、容器体に接続し、逆浸透膜を透過しない原水を外部に排出する排水管と、排水管に設けられた排水弁と、排水弁の作動を制御する制御装置とを備える。
前記排水管は、一端側が容器体に接続し、他端側が2つに分岐して形成されており、分岐した一方に、前記排水弁が設けられている。尚、この排水弁は、通常は閉じた状態とされ、逆浸透膜の洗浄時にのみ開くように、前記制御装置によって制御される。
そして、この逆浸透装置によれば、供給ポンプにより供給管を介して容器体内に原水が供給されると、供給された原水の一部は、逆浸透膜を透過し、分離対象物が分離された透過水として給水管から外部に吐出される一方、供給された原水の残りは、逆浸透膜を透過しないで排水管(分岐した他方側)から外部に排出される。
ところで、逆浸透膜の表面には、当該逆浸透膜の使用により、原水から分離された様々な分離対象物が徐々に堆積し、ゲル状物質やスケールなどを生じたり、微生物が増殖したり、目詰まりして、逆浸透膜を透過する水量や透過水の品質を低下させるなど逆浸透膜の性能低下を招く原因となることから、堆積した分離対象物を適宜除去する必要がある。
このため、前記逆浸透装置では、逆浸透膜による処理時間が一定時間に達すると(逆浸透膜による処理水量が一定量に達すると)、上記のような膜分離処理と並行して逆浸透膜の洗浄処理が行われるようになっている。具体的には、制御装置により前記排水弁が所定時間作動せしめられて開いた状態とされ、供給ポンプによって容器体内に供給された原水の内、逆浸透膜を透過せずに排水管(分岐した一方側及び他方側)から外部に排出される原水の水量が大きくされることで、逆浸透膜の表面を排水管側に向けて流動する原水の水流により、当該逆浸透膜の表面に堆積した分離対象物が洗い流されて除去される。
特開2002−119965号公報
ところが、膜分離処理及び洗浄処理が並行して行われるように構成された上記従来の逆浸透装置では、当該洗浄処理が行われている間、逆浸透膜を透過して給水管から吐出される透過水の水量が落ちるため、効率的でないという問題があった。
また、このような不都合を防止すべく洗浄処理を行う間隔を長く設定すると、分離対象物の逆浸透膜表面への堆積が進行して、逆浸透膜の性能が大きく低下したり、堆積した分離対象物を除去し難くなったり、分離対象物の除去に長い時間が必要になるという問題を生じる。
また、当該逆浸透装置を連続使用しない場合には、連続使用する場合に比べて逆浸透膜による処理時間が一定時間に達するまでの時間が長くなることから、上記と同様、逆浸透膜の性能が大きく低下したり、堆積した分離対象物を除去し難くなったり、分離対象物の除去に長い時間が必要になる問題を生じる。
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、透過水の水量を低下させることなく洗浄処理を行うことができるとともに、逆浸透膜の性能を良好な状態に維持することができる逆浸透装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、
原水中に含まれる分離対象物を分離,除去する逆浸透装置であって、
逆浸透膜を備え、該逆浸透膜により前記原水から前記分離対象物を分離する膜分離手段と、前記原水を加圧して前記膜分離手段に供給する供給手段と、前記膜分離手段に接続し、前記逆浸透膜を透過した原水を外部に供給する給水管と、前記膜分離手段に接続し、前記逆浸透膜を透過しない原水を外部に排出する排水管と、前記給水管に設けられた給水弁と、前記排水管に設けられた排水弁と、前記給水管内の水圧を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された水圧を基に前記排水弁の作動を制御する制御手段とを備えてなり、
前記制御手段は、前記給水弁が閉じられたことを示す前記給水管内の水圧として予め設定され、前記給水弁が開いているときの前記給水管内の水圧よりも高い基準値に基づいて前記排水弁を制御し、前記検出水圧が前記基準値よりも下がった後、前記基準値まで上がると、前記排水弁を作動させて一定時間開いた状態とするように構成されてなることを特徴とする逆浸透装置に係る。
この発明によれば、給水弁が開かれると、供給手段により膜分離手段に加圧されて供給され、逆浸透膜を透過した原水が、分離対象物の分離された透過水として給水管から外部に吐出されるとともに、検出手段によって検出される当該給水管内の水圧が基準値よりも低下する。このとき、排水弁は、制御手段によって閉じた状態に制御されている。
この後、給水弁が閉じられると、給水管から透過水が吐出されなくなり、当該給水管内の水圧が上昇する。そして、検出手段によって検出される給水管内の水圧が基準値まで上昇すると、制御手段により排水弁が作動せしめられて一定時間開いた状態とされ、供給手段により膜分離手段に加圧されて供給された原水が排水管内を流通して外部に排出される。これにより、膜分離手段に供給された原水は、逆浸透膜の表面を排水管側に向けて流動することとなり、このようにして流動する原水の水流により、逆浸透膜の表面に堆積した分離対象物が洗い流されて除去される。
斯くして、本発明に係る逆浸透装置によれば、給水弁が閉じられると、排水弁を一定時間だけ開いて、供給手段により膜分離手段に供給された原水を排水管側に向けて流動させ、逆浸透膜の表面を流動する原水の水流により、逆浸透膜の表面に堆積した分離対象物を除去するようにしたので、給水管から透過水が吐出していないときに(透過水の使用後に)逆浸透膜を洗浄することができ、当該洗浄処理を効率的に実施することができる。
また、給水弁が閉じられたときに(透過水の使用後に)毎回洗浄するようにしているので、逆浸透膜の性能を常に良好な状態にして待機させることができるとともに、逆浸透膜の表面に分離対象物があまり堆積していない段階で洗浄して、逆浸透膜の表面の分離対象物を短時間で容易に除去することができる。
尚、前記制御手段は、前記給水弁が閉じられたことを示す前記給水管内の水圧として予め設定され、前記給水弁が開いているときの前記給水管内の水圧よりも高い第1基準値と、前記供給手段を停止させるときの前記給水管内の水圧として予め設定され、前記給水弁が開いているときの前記給水管内の水圧よりも高い第2基準値とに基づいて前記供給手段及び排水弁を制御し、前記検出水圧が前記第1基準値及び第2基準値よりも下がると、前記供給手段を作動させて前記膜分離手段に前記原水を供給するとともに、前記検出水圧が前記第1基準値まで上がると、前記排水弁を作動させて一定時間開いた状態にし、この後、前記検出水圧が前記第2基準値まで上がると、前記供給手段の作動を停止させるように構成されていても良い。
このようにすれば、給水弁が開かれて給水管内の水圧が低下し、検出手段によって検出される当該給水管内の水圧が第1基準値及び第2基準値よりも低下すると、制御手段によって供給手段が駆動され、当該供給手段により膜分離手段に原水が加圧されて供給される。膜分離手段に供給された原水は、逆浸透膜を透過して給水管から外部に吐出される。このとき、排水弁は、制御手段によって閉じた状態とされている。
この後、給水弁が閉じられて給水管内の水圧が上昇し、検出手段によって検出される当該給水管内の水圧が第1基準値まで上昇すると、制御手段により排水弁が作動せしめられて一定時間開いた状態とされる。これにより、供給手段により膜分離手段に加圧されて供給され、逆浸透膜の表面を排水管側に向けて流動する原水の水流により、逆浸透膜の表面に堆積した分離対象物が洗い流されて除去される。
前記一定時間が経過し、排水弁が閉じると、給水管内の水圧が上昇する。そして、検出手段により検出される当該給水管内の水圧が第2基準値まで上昇すると、制御手段によって供給手段の作動が停止せしめられる。
このように制御手段を構成すれば、給水弁が閉じられて透過水が使用されていないときには、供給手段の作動を停止させた状態とすることができるので、当該逆浸透装置を効率的に稼働させて無駄な電力消費などを抑えることができる。
また、前記逆浸透装置は、前記排水弁が開いてから閉じるまでの時間を設定するための設定手段を更に備え、前記制御手段は、前記排水弁を作動させて開いた状態にした後、前記設定手段によって設定された時間が経過したときに前記排水弁を閉じた状態とするように構成されていても良い。
このようにすれば、設定手段によって、排水弁が開かれてから閉じられるまでの時間を調整,設定することができるので、当該逆浸透装置の使用状態や、原水中に含まれる分離対象物の種類などに合わせて、逆浸透膜の洗浄時間を個別に設定することができるとともに、当該逆浸透装置の使い勝手を良くすることができる。
以上のように、本発明に係る逆浸透装置によれば、給水弁が閉じられたときに逆浸透膜を洗浄するようにしたので、当該洗浄処理によって給水管から吐出される透過水の水量が低下することはなく、効率的に洗浄することができる。また、給水弁が閉じられたときに毎回洗浄しているので、逆浸透膜の性能を常に良好な状態にして待機させることができるとともに、逆浸透膜の表面に分離対象物があまり堆積していない段階で洗浄して、逆浸透膜の表面の分離対象物を短時間で容易に除去することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係る逆浸透装置の概略構成を示した模式図であり、図2は、図1に示した逆浸透装置の制御回路図である。また、図3は、本実施形態に係る膜分離機構の概略構成を示した断面図であり、図4は、本実施形態に係る逆浸透装置の動作状態を説明するための説明図である。
図1及び図2に示すように、本例の逆浸透装置1は、例えば、水道水たる原水に含まれる水汚染物質を分離対象物として分離,除去し、清浄な水を生成するものであり、原水中に含まれた分離対象物を分離する膜分離機構10と、原水を膜分離機構10に供給する供給機構20と、膜分離機構10に接続した給水管30及び排水管35と、給水管30及び排水管35にそれぞれ設けられたコック(給水弁)31及び排水弁(第1排水弁)36と、水圧を検出し、検出した水圧を基に電気接点の開閉を行う第1圧力スイッチ40,第2圧力スイッチ41及び第3圧力スイッチ42と、各圧力スイッチ40,41,42による電気接点の開閉に基づいて供給機構20の供給ポンプ22及び第2原水供給弁25並びに第1排水弁36の作動を制御する制御回路(制御装置)45と、膜分離機構10に供給される原水の前処理を行い、分離対象物の一部を分離する前処理機構18と、第1排水弁36が開いてから閉じるまでの時間を設定するための設定機構(図示せず)とを備える。
前記膜分離機構10は、図3に示すように、内部が中空の円筒状に形成された耐圧構造の容器体11と、円筒状に形成され、容器体11の内部に収容された逆浸透膜15とからなる。前記容器体11は、円筒状をした本体12と、本体12の両端部をそれぞれ閉塞する第1蓋体13及び第2蓋体14とから構成され、第1蓋体13の中央部に前記供給機構20の供給管21の一端側が、第2蓋体14の中央部に前記給水管30が、第2蓋体14の外周側に前記排水管35がそれぞれ接続されている。また、逆浸透膜15は、第2蓋体14側の端面に開口し、給水管30と連通する中空部15aを備えており、分離対象物は、原水が外周側から内周(中空部15a)側に透過する際に分離,除去されるようになっている。尚、この逆浸透膜15は、前処理機構18で分離,除去されなかった、例えば、水中に溶解した化学物質、微生物、重金属などを分離する。
前記供給機構20は、一端側が容器体11に接続し、他端側が図示しない水道管に接続した供給管21と、供給管21を介し容器体11の内部に原水を加圧して供給する供給ポンプ22とからなる。前記供給管21には、供給ポンプ22の他、第1原水供給弁23,前処理機構18,圧力計24,第1圧力スイッチ40,第2原水供給弁25及び積算流量計26がそれぞれ設けられており、第1原水供給弁23が供給管21の他端側に、前処理機構18が第1原水供給弁23よりも下流側に、圧力計24及び第1圧力スイッチ40が前処理機構18よりも下流側に、第2原水供給弁25が圧力計24及び第1圧力スイッチ40よりも下流側に、積算流量計26が第2原水供給弁25よりも下流側に、供給ポンプ22が積算流量計26よりも下流側に配置される。尚、前記圧力計24は、供給管21内の水圧を検出し、前記積算流量計26は、供給管21内を流通する原水の積算流量を検出する。この積算流量は、例えば、逆浸透膜15の交換時期の目安とされる。
前記給水管30は、一端側が容器体11に接続し、他端側が図示しない適宜位置で開口しており、逆浸透膜15を透過した原水を、分離対象物の分離された透過水(清浄な水)として他端開口部(図示せず)から吐出する。この給水管30には、コック31の他、逆止弁32,第2圧力スイッチ41,第3圧力スイッチ42及び流量計33がそれぞれ設けられており、逆止弁32が給水管30の一端側に、第2圧力スイッチ41が逆止弁32よりも下流側に、第3圧力スイッチ42が第2圧力スイッチ41よりも下流側に、流量計33が第3圧力スイッチ42よりも下流側に、コック31が流量計33よりも下流側に配置される。尚、前記逆止弁32は、他端開口部(図示せず)側に向けてのみ透過水を流動させ、前記流量計33は、給水管30内を流通する透過水の流量を検出する。
前記排水管35は、一端側が容器体11に接続し、他端側が2つの流路35a,35bに分岐して再び合流するように構成されており、逆浸透膜15を透過しない原水(濃縮水及び逆浸透膜15の洗浄時に供給された原水)を外部に排出する。この排水管35には、第1排水弁36の他、圧力計37及び第2排水弁38がそれぞれ設けられており、圧力計37が排水管35の一端側であり分岐部よりも上流側に、第2排水弁38が分岐した一方の流路35aに、第1排水弁36が分岐した他方の流路35bに配置される。尚、前記圧力計37は、排水管35内の水圧を検出し、第2排水弁38は、膜分離処理時に、逆浸透膜15を透過しないで排水管35の流路35aを流通して排出される原水(分離対象物が濃縮された濃縮水)の流量を調整する。
前記第1圧力スイッチ40は、供給管21内の水圧を検出し、検出した水圧が絶対圧で0.2MPa以上であるときに電気接点を閉じる。前記第2圧力スイッチ41は、給水管30内の水圧を検出し、検出した水圧が絶対圧で0.1MPa以上であるときに電気接点を閉じる。前記第3圧力スイッチ42は、給水管30内の水圧を検出し、検出した水圧が絶対圧で0.4MPa以上であるときに電気接点を開く。
尚、第2圧力スイッチ41が電気接点を開閉する基準圧力(0.1MPa)は、コック31が閉じられたことを示す給水管30内の水圧であって、コック31が開いているときの給水管30内の水圧(絶対圧で約0MPa)よりも高い水圧であり、第3圧力スイッチ42が電気接点を開閉する基準圧力(0.4MPa)は、供給ポンプ22を停止させるときの給水管30内の水圧であって、コック31が開いているときの給水管30内の水圧(絶対圧で約0MPa)よりも高い水圧である。
前記制御回路45は、当該制御回路45に電力を供給する電源46と、第1圧力スイッチ40によって開閉される電気接点と、第3圧力スイッチ42によって開閉される電気接点と、供給ポンプ22とが閉回路を形成するように接続されるとともに、供給ポンプ22に、第2原水供給弁25と、第2圧力スイッチ41によって開閉される電気接点及びタイマ47とがそれぞれ並列に接続された構成を備える。前記タイマ47には、これによって開閉される電気接点,ランプ48及び第1排水弁36が並列に接続されている。また、タイマ47は、前記設定機構(図示せず)によって設定された時間、電気接点を閉じるように構成される。
この制御回路45によれば、図4を基に説明するようにして、供給ポンプ22,第2原水供給弁25及び第1排水弁36の作動が制御される。即ち、供給管21の他端側が水道管(図示せず)に接続された後(初期状態)、第1原水供給弁23が開かれると、水道管(図示せず)内の水圧により水道管(図示せず)内の原水が供給管21内に流入して、供給管21の、他端側と第2原水供給弁25との間の水圧が上昇する(状態1)。
そして、第1圧力スイッチ40によって検出される水圧が0.2MPaとなるまで上昇すると、当該第1圧力スイッチ40の電気接点が閉じ、第2原水供給弁25が作動して開いた状態となるとともに、供給ポンプ22が作動して原水が容器体11内に供給され、給水管30内の水圧が上昇する(状態2)。この後、第3圧力スイッチ42によって検出される水圧が0.4MPaとなるまで上昇すると、当該第3圧力スイッチ42の電気接点が開いて、第2原水供給弁25が閉じるとともに、供給ポンプ22の作動が停止し、待機状態となる(状態3)。
この後、コック31が開かれると、給水管30内の水圧が約0MPaまで低下し、これが第3圧力スイッチ42により検出されて当該第3圧力スイッチ42の電気接点が閉じるとともに、これが第2圧力スイッチ41により検出されて当該第2圧力スイッチ41の電気接点が開く。これにより、第2原水供給弁25が作動して開いた状態となるとともに、供給ポンプ22が作動して原水が容器体11内に供給され、逆浸透膜15を透過した透過水が給水管30の他端開口部(図示せず)から吐出される(状態4)。
そして、コック31が閉じられると、給水管30から透過水が吐出されなくなって当該給水管30内の水圧が上昇し(状態5)、第2圧力スイッチ41によって検出される水圧が0.1MPaとなるまで上昇すると、当該第2圧力スイッチ41の電気接点が閉じるとともに、タイマ47が作動してその電気接点が前記設定機構(図示せず)により設定された所定時間閉じ、第1排水弁36が作動して開いた状態となる(状態6)。これにより、供給ポンプ22によって容器体11内に供給された原水は、排水管35(流路35a及び流路35b)内を流通して外部に排出され、また、このとき、ランプ48が点灯する。
この後、前記所定時間が経過し、タイマ47の電気接点が開くと、第1排水弁36が閉じ、供給ポンプ22によって容器体11内に供給された原水が排水管35の流路35b内を流通して排出されなくなり、給水管30内の水圧が上昇する(状態7)。また、このとき、ランプ48も消灯する。
そして、第3圧力スイッチ42によって検出される水圧が0.4MPaとなるまで上昇すると、当該第3圧力スイッチ42の電気接点が開いて、第2原水供給弁25が閉じるとともに、供給ポンプ22の作動が停止し、待機状態となる(状態8)。
以後は、コック31が開かれると、前記状態4となり、コック31が閉じられると、前記状態5,状態6及び状態7と順次移行して、前記状態8の待機状態に戻る。
前記前処理機構18は、第1フィルタ処理部18aと、この第1フィルタ処理部18aよりも下流側に設けられた第2フィルタ処理部18bとからなる。第1フィルタ処理部18aは、適宜フィルタにより、原水中に含まれる、例えば、比較的粒子径の大きい沈殿物質や浮遊物質などを分離,除去し、第2フィルタ処理部18bは、カーボンフィルタにより、第1フィルタ処理部18aで処理された原水から、例えば、化学物質や有機的汚染物質の一部、塩素などを吸着して除去する。
以上のように構成された本例の逆浸透装置1によれば、コック31が開かれ、第3圧力スイッチ42によって検出される水圧が約0MPaまで低下すると、当該第3圧力スイッチ42の電気接点が閉じ、第2原水供給弁25が作動して開くとともに、供給ポンプ22が作動して原水が容器体11内に供給される。容器体11内に供給された原水の一部は、逆浸透膜15を透過し、給水管30内を流通して当該給水管30の他端開口部(図示せず)から吐出される。一方、供給された原水の残りは、逆浸透膜15を透過せず、排水管35の流路35a内を流通して排出される。
供給ポンプ22によって容器体11内に供給される原水は、第1フィルタ処理部18a及び第2フィルタ処理部18bを通過する際に分離対象物の一部が分離,除去されており、逆浸透膜15では、第1フィルタ処理部18a及び第2フィルタ処理部18bで除去されなかった分離対象物が分離,除去される。このようにして、給水管30からは、分離対象物が除去された清浄な水が吐出される。
この後、コック31が閉じられ、第2圧力スイッチ41によって検出される水圧が0.1MPaまで上昇すると、当該第2圧力スイッチ41の電気接点が閉じるとともに、タイマ47が作動してその電気接点が前記所定時間閉じ、第1排水弁36が作動して開く。これにより、供給ポンプ22によって容器体11内に供給された原水は、逆浸透膜15の表面を排水管35側に向けて流動し、当該排水管35(流路35a及び流路35b)内を流通して外部に排出されることとなり、逆浸透膜15の表面を流動する原水の水流により、逆浸透膜15の表面に堆積した分離対象物が洗い流されて除去される。また、このとき、ランプ48が点灯して逆浸透膜15の洗浄中であることが示される。
そして、前記所定時間の経過後、タイマ47の電気接点が開いて第1排水弁36が閉じ、第3圧力スイッチ42によって検出される水圧が0.4MPaまで上昇すると、当該第3圧力スイッチ42の電気接点が開いて、第2原水供給弁25が閉じるとともに、供給ポンプ22の作動が停止し、待機状態となる。
斯くして、本例の逆浸透装置1によれば、コック31が閉じられると、第1排水弁36を所定時間だけ開いて、供給ポンプ22により容器体11内に供給された原水を排水管35側に向けて流動させ、逆浸透膜15の表面を流動する原水の水流により、逆浸透膜15の表面に堆積した分離対象物を除去するようにしたので、給水管30から透過水が吐出していないときに(透過水の使用後に)逆浸透膜15を洗浄することができ、当該洗浄処理を効率的に実施することができる。
また、コック31が閉じられたときに(透過水の使用後に)毎回洗浄するようにしているので、逆浸透膜15の性能を常に良好な状態にして待機させることができるとともに、逆浸透膜15の表面に分離対象物があまり堆積していない段階で洗浄して、逆浸透膜15の表面の分離対象物を短時間で容易に除去することができる。
また、逆浸透膜15の洗浄終了後、供給ポンプ22の作動を停止させるようにしたので、当該逆浸透装置1を効率的に稼働させて無駄な電力消費などを抑えることができる。また、第1排水弁36が開かれてから閉じられるまでの時間を調整,設定することができるので、当該逆浸透装置1の使用状態や、原水中に含まれる分離対象物の種類などに合わせて、逆浸透膜15の洗浄時間を個別に設定することができるとともに、当該逆浸透装置1の使い勝手を良くすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
上例では、制御回路45により供給ポンプ22,第2原水供給弁25及び第1排水弁36の作動を制御するように構成したが、これに限られるものではなく、図5に示すように、制御装置50によって供給ポンプ22,第2原水供給弁25及び第1排水弁36の作動を制御するように構成することもできる。
この場合、当該逆浸透装置2は、前記制御回路45に代えて前記制御装置50を、前記第1圧力スイッチ40,第2圧力スイッチ41及び第3圧力スイッチ42に代えて第1圧力センサ51及び第2圧力センサ52を備える。第1圧力センサ51は、供給管21の、第2フィルタ処理部18bと第2原水供給弁25との間に設けられて当該供給管21内の水圧を絶対圧で検出し、第2圧力センサ52は、給水管30の、逆止弁32と流量計33との間に設けられて当該給水管30内の水圧を絶対圧で検出する。
前記制御装置50は、第1圧力センサ51及び第2圧力センサ52によって検出された水圧を基に、図6及び図7に示すようにして、供給ポンプ22,第2原水供給弁25及び第1排水弁36の作動を制御する。
即ち、供給管21の他端側が水道管(図示せず)に接続された後、第1原水供給弁23が開かれると、水道管(図示せず)内の水圧により原水が供給管21内に流入して、供給管21の、他端側と第2原水供給弁25との間の水圧が上昇することから、制御装置50は、第1圧力センサ51によって検出される水圧が0.2MPa以上となったか否かを確認し(ステップS1)、0.2MPa以上になったと判断した場合に、第2原水供給弁25を作動させて開いた状態にするとともに、供給ポンプ22を作動させて原水を容器体11内に供給する(ステップS2)。
容器体11内に原水を供給すると、給水管30内の水圧が上昇することから、第2圧力センサ52によって検出される水圧が0.4MPa以上となったか否かを確認して(ステップS3)、0.4MPa以上になったと判断した場合に、第2原水供給弁25を閉じるとともに、供給ポンプ22の作動を停止させて待機状態とする(ステップS4)。
この後、第2圧力センサ52によって検出される給水管30内の水圧が0.1MPaよりも低下したか否かを確認し、即ち、コック31が開かれて、給水管30内の水圧が約0MPaまで低下したか否かを確認し(ステップS5)、0.1MPaよりも低下したと判断した場合には、第2原水供給弁25を作動させて開いた状態にするとともに、供給ポンプ22を作動させて原水を容器体11内に供給する(ステップS6)。容器体11内に供給された原水は、逆浸透膜15を透過して給水管30の他端開口部(図示せず)から吐出される。
コック31が閉じられると、給水管30内の水圧が上昇することから、第2圧力センサ52によって検出される水圧が0.1MPa以上となったか否かを確認して(ステップS7)、0.1MPa以上になったと判断した場合に、第1排水弁36を開く(ステップS8)。これにより、容器体11内に供給された原水は、排水管35内を流通して外部に排出される。
この後、前記設定機構(図示せず)によって設定された所定時間が経過したか否かを確認し(ステップS9)、所定時間が経過したと判断した場合に、第1排水弁36を閉じる(ステップS10)。第1排水弁36を閉じると、給水管30内の水圧が上昇することから、第2圧力センサ52によって検出される水圧が0.4MPa以上となったか否かを確認して(ステップS11)、0.4MPa以上になったと判断した場合に、第2原水供給弁25を閉じるとともに、供給ポンプ22の作動を停止させて待機状態とする(ステップS12)。
そして、以降は、ステップS5〜ステップS12の処理を繰り返して実行する。また、ステップS1で、第1圧力センサ51によって検出される水圧が0.2MPaよりも低いと判断した場合には、処理を終了する。
このように制御装置50が構成された逆浸透装置2によっても、コック31が閉じられると、第1排水弁36を所定時間だけ開いて、供給ポンプ22により容器体11内に供給された原水を排水管35側に向けて流動させ、逆浸透膜15の表面を流動する原水の水流により、逆浸透膜15の表面に堆積した分離対象物を除去することができるので、上記逆浸透装置1と同様の効果を得ることができる。
また、上例では、供給ポンプ22,第2原水供給弁25及び第1排水弁36の制御状態を切り換えるための水圧を、0.1MPa,0.2MPa及び0.4MPaを基準にしたが、これに限られるものではなく、この水圧は適宜設定することができる。また、原水は水道水に限られるものではない。
本発明の一実施形態に係る逆浸透装置の概略構成を示した模式図である。 図1に示した逆浸透装置の制御回路図である。 本実施形態に係る膜分離機構の概略構成を示した断面図である。 本実施形態に係る逆浸透装置の動作状態を説明するための説明図である。 本発明の他の実施形態に係る逆浸透装置の概略構成を示した模式図である。 本発明の他の実施形態に係る制御装置の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る制御装置の処理手順を示したフローチャートである。
符号の説明
1 逆浸透装置
10 膜分離機構
11 容器体
15 逆浸透膜
18 前処理機構
20 供給機構
21 供給管
22 供給ポンプ
23 第1原水供給弁
25 第2原水供給弁
30 給水管
31 コック
35 排水管
36 第1排水弁
40 第1圧力スイッチ
41 第2圧力スイッチ
42 第3圧力スイッチ
45 制御回路
46 電源
47 タイマ

Claims (3)

  1. 原水中に含まれる分離対象物を分離,除去する逆浸透装置であって、
    逆浸透膜を備え、該逆浸透膜により前記原水から前記分離対象物を分離する膜分離手段と、前記原水を加圧して前記膜分離手段に供給する供給手段と、前記膜分離手段に接続し、前記逆浸透膜を透過した原水を外部に供給する給水管と、前記膜分離手段に接続し、前記逆浸透膜を透過しない原水を外部に排出する排水管と、前記給水管に設けられた給水弁と、前記排水管に設けられた排水弁と、前記給水管内の水圧を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された水圧を基に前記排水弁の作動を制御する制御手段とを備えてなり、
    前記制御手段は、前記給水弁が閉じられたことを示す前記給水管内の水圧として予め設定され、前記給水弁が開いているときの前記給水管内の水圧よりも高い基準値に基づいて前記排水弁を制御し、前記検出水圧が前記基準値よりも下がった後、前記基準値まで上がると、前記排水弁を作動させて一定時間開いた状態とするように構成されてなることを特徴とする逆浸透装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記給水弁が閉じられたことを示す前記給水管内の水圧として予め設定され、前記給水弁が開いているときの前記給水管内の水圧よりも高い第1基準値と、前記供給手段を停止させるときの前記給水管内の水圧として予め設定され、前記給水弁が開いているときの前記給水管内の水圧よりも高い第2基準値とに基づいて前記供給手段及び排水弁を制御し、
    前記検出水圧が前記第1基準値及び第2基準値よりも下がると、前記供給手段を作動させて前記膜分離手段に前記原水を供給するとともに、前記検出水圧が前記第1基準値まで上がると、前記排水弁を作動させて一定時間開いた状態にし、この後、前記検出水圧が前記第2基準値まで上がると、前記供給手段の作動を停止させるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の逆浸透装置。
  3. 前記排水弁が開いてから閉じるまでの時間を設定するための設定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記排水弁を作動させて開いた状態にした後、前記設定手段によって設定された時間が経過したときに前記排水弁を閉じた状態とするように構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の逆浸透装置。
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