JP2009082549A - シート構造 - Google Patents

Abstract

【課題】着座者に対してシートの硬度を変更する。
【解決手段】シート１０のシートクッション１４では、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が開放された状態で、第１アクチュエータ３０が空気袋２６内に連通管２８内を介して空気を供給することで、空気袋２６内の気圧が調整されて、パッド２０ひいてはシートクッション１４の硬度が調整される。また、シートクッション１４の硬度が調整された後には、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が閉鎖される。このため、乗員に対してシートクッション１４の硬度を適切な硬度に調整できる。
【選択図】図１

Description

本発明は、車両のシートの内部にパッドが設けられるシート構造に関する。

シート構造としては、シートクッションの内部及びシートバックの内部にエア袋が設けられたものがある（例えば、特許文献１参照）。

しかしながら、このシート構造では、シート全体にわたりエア袋が配設され、エア袋にエアが密閉されることで、シートクッション及びシートバックの形状を保持しているのみであり、シートクッション及びシートバックのパッド硬度に関しては考慮されていなく、着座者に対してパッド硬度を変更することはできない。
特開２０００−４１７８４公報

本発明は、上記事実を考慮し、着座者に対してシートの硬度を変更することができるシート構造を得ることが目的である。

請求項１に記載のシート構造は、車両のシートの内部に設けられ、弾性及び通気性を有するパッドと、前記パッドを収容すると共に、内部に空気を封入可能に構成された収容袋と、前記収容袋内に連通され、前記収容袋内の気圧を変化させることにより前記パッドの硬度を変更する気圧可変手段と、を備えている。

請求項２に記載のシート構造は、請求項１に記載のシート構造において、前記シートのシートクッション、シートバック、及びヘッドレストのうちの少なくとも１つに前記パッド及び前記収容袋を設け、前記気圧可変手段は、車両の衝突時に、前記収容袋内に空気を供給して該収容袋内の気圧を上昇させる、ことを特徴としている。

請求項３に記載のシート構造は、請求項１又は請求項２に記載のシート構造において、前記気圧可変手段は、前記収容袋内への空気の供給を行う供給手段と、前記収容袋内から外部への空気の流出速度を調整する流出調整手段と、を備えている、ことを特徴としている。

請求項４に記載のシート構造は、請求項１〜請求項３の何れか１項に記載のシート構造において、前記収容袋と前記パッドとを一体に形成した、ことを特徴としている。

請求項５に記載のシート構造は、請求項１〜請求項４の何れか１項に記載のシート構造において、前記収容袋は、前記パッドの全体を被覆すると共に前記シートの表面に配置される表面部材を構成する、ことを特徴としている。

請求項１に記載のシート構造では、車両のシートの内部に設けられたパッドが、弾性及び通気性を有している。

ここで、内部に空気を封入可能に構成された収容袋が、パッドを収容しており、収容袋内に連通された気圧可変手段が、収容袋内の気圧を変化させることで、パッド内の気圧が変化されて、シートの硬度が変化可能にされている。このため、シート外形の変形を抑制しつつ、着座者に対してシート硬度が変更可能なシート構造とすることができる。

請求項２に記載のシート構造では、シートのシートクッション、シートバック、及びヘッドレストのうちの少なくとも１つにパッド及び収容袋が設けられており、車両の衝突時には、気圧可変手段が、収容袋内に空気を供給して、収容袋内の気圧を上昇させる。これにより、シートクッション、シートバック、及びヘッドレストのうちの少なくとも１つの硬度が高くされることで、着座者のシートクッション、シートバック、及びヘッドレストのうちの少なくとも１つへの沈み込みを抑制することができる。

請求項３に記載のシート構造では、気圧可変手段の供給手段が、収容袋内への空気の供給を行う。

ここで、気圧可変手段の流出調整手段が、収容袋内から外部への空気の流出速度を調整する。このため、シートへの急激な負荷に対しては、収容袋内からの空気の流出を抑制できて、シートの硬度を保持することができる。

請求項４に記載のシート構造では、収容袋とパッドとが一体に形成されている。このため、収容袋とパッドとの間に空気が侵入することを抑制でき、着座者に対してシート硬度を効果的に変更可能にすることができる。

請求項５に記載のシート構造では、収容袋が、パッドの全体を被覆すると共にシートの表面に配置される表面部材を構成している。このため、着座者に対してシート硬度を効果的に変更可能にすることができる。

図１には、本発明のシート構造が適用されて構成された実施の形態に係るシート１０の主要部が車両前方から見た断面図（図２の１−１線断面図）にて示されており、図２には、シート１０が車両前斜め左方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印ＦＲで示し、車両右方を矢印ＲＨで示し、上方を矢印ＵＰで示す。

本実施の形態におけるシート１０（例えば運転席又は助手席）は、車両の車室１２内に設けられており、シート１０は、前側を車両前側へ向けられて、着座者としての図示しない乗員（例えば運転手又は助手）が着座可能にされている。

シート１０は、下側部分において、シート構成部としてのシートクッション１４を備えており、シートクッション１４は、略水平に配置されて、乗員を下側から支持可能にされている。

シート１０は、上側部分において、シート構成部としてのシートバック１６を備えており、シートバック１６は、シートクッション１４の車両後側端から起立されて、乗員の上半身を支持可能にされている。シートバック１６は、シートクッション１４に対して傾動可能に支持されており、シートバック１６の傾動はロックされている。

シート１０は、シートバック１６の上側において、シート構成部としてのヘッドレスト１８を備えており、ヘッドレスト１８は、シートバック１６の上端に支持されている。ヘッドレスト１８は、シートバック１６から上側へ突出して、乗員の頭部を支持可能にされている。

シートクッション１４、シートバック１６及びヘッドレスト１８の内部には、パッド２０（クッションパッド）が設けられており、パッド２０は、シートクッション１４、シートバック１６及びヘッドレスト１８のそれぞれの外形に対応した形状にされている。パッド２０は、発泡樹脂製にされて弾性及び通気性を有しており、特にシートクッション１４及びヘッドレスト１８においては、パッド２０の材質は、硬度が低い（柔らかい）ものにされている。

パッド２０の全体は、表面部材２２に被覆されている。

シートバック１６においては、表面部材２２は、表皮２４のみによって構成されており、表皮２４は、通気性を有している。

シートクッション１４及びヘッドレスト１８においては、表面部材２２は表皮２４及び収容袋としての空気袋２６によって構成されており、空気袋２６は、パッド２０の全体を収容すると共に、外周に表皮２４が取り付けられている。空気袋２６は、通気性を有しておらず、空気袋２６内には、空気を封入可能に構成されている。空気袋２６は、パッド２０に貼り付けられて一体に形成されており、空気袋２６は、パッド２０の全体を封入している。

空気袋２６内は、連通手段としての管状の連通管２８内を介して、気圧可変手段を構成する供給手段としての第１アクチュエータ３０に連通されており、第１アクチュエータ３０は、空気袋２６内に連通管２８内を介して空気を供給可能にされて、空気袋２６内の気圧（空気袋２６内の空気量及びパッド２０の内部の気圧）を上昇可能にされている。連通管２８には、気圧可変手段を構成する流出調整手段を構成する開閉手段としての空気弁３２が設けられており、空気弁３２は、開放及び閉鎖可能にされることで、連通管２８を開放及び閉鎖可能にされている。空気弁３２には、気圧可変手段を構成する流出調整手段を構成する制御手段としての第２アクチュエータ３４が接続されており、第２アクチュエータ３４は、空気弁３２の開放度及び閉鎖を制御可能にされている。

シート１０に着座した乗員には、長尺帯状のシートベルト（図示省略）が装着可能にされている。シートベルトは、シート１０上端の車幅方向外側、シート１０下端の車幅方向内側、及び、シート１０下端の車幅方向外側に支持されており、シートベルトには、シート１０上端の車幅方向外側からシート１０下端の車幅方向内側までのショルダベルト部と、シート１０下端の車幅方向内側からシート１０下端の車幅方向外側までのラップベルト部と、が設けられている。ショルダベルト部は、乗員の車幅方向外側の肩部から腹部の車幅方向内側まで斜めに車両前側から装着されると共に、ラップベルト部は、乗員の腰部に車幅方向に車両前側から装着されており、車両の緊急時（特に衝突時）には、シートベルトの長手方向への移動が制限されて、シートベルトが乗員を拘束可能にされている。

次に、本実施の形態の作用を説明する。

以上の構成のシート１０では、シートベルトのショルダベルト部が、乗員の車幅方向外側の肩部から腹部の車幅方向内側まで斜めに車両前側から装着されると共に、シートベルトのラップベルト部が、乗員の腰部に車幅方向に車両前側から装着されており、車両の緊急時には、シートベルトが乗員を拘束可能にされている。

ここで、シートクッション１４及びヘッドレスト１８においては、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が開放された状態で、第１アクチュエータ３０が空気袋２６内に連通管２８内を介して空気を供給することで、空気袋２６内の気圧が調整（変更）されて、パッド２０と空気袋２６との間に空気が侵入することが抑制されると共にシートクッション１４及びヘッドレスト１８の外形の変形が抑制されつつ、乗員に対してシートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度が調整される。すなわち、空気袋２６内に空気が供給されると、空気袋２６の内気圧が高くなってパッド２０も硬化する。このため、空気袋２６内に供給される空気量が調整されることにより、パッド２０の内圧が調整され、パッド２０の硬度が調整される。また、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度が調整された後には、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が閉鎖されて、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度が維持される。このため、硬度が低い（柔らかい）材質のパッド２０をシートクッション１４及びヘッドレスト１８に使用しても、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度を適切な硬度に保持することができる。

また、シートクッション１４及びヘッドレスト１８においては、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２の開放度が調整されることで、空気袋２６内の空気が連通管２８内及び第１アクチュエータ３０を介して外部へ流出される流出速度が調整される。

このため、例えば第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２の開放度が低くされて空気袋２６内の空気の流出速度が低くされた（空気弁３２が閉鎖されて空気袋２６内の空気が流出しなくてもよい）際には、車両の走行時における乗員からシートクッション１４及びヘッドレスト１８への急激な負荷に対して、空気袋２６内からの空気の流出を抑制又は防止できて、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度を保持することができ、乗員の姿勢を保持することができる。

さらに、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が開放された際には、車両の走行時における乗員からシートクッション１４及びヘッドレスト１８への緩やかな負荷に対して、空気袋２６内から空気が流出することができる。このため、パッド２０本来の硬度の低い性質を発揮させることができる。

また、車両の緊急時である前面衝突時（車両の前面衝突が予知された際が好ましい）には、シートクッション１４において、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が開放されると共に、第１アクチュエータ３０が連通管２８内を介して空気袋２６内に空気を急激に供給することで、空気袋２６内の気圧が急激に高くされる。しかも、空気袋２６内の気圧が急激に高くされた直後には、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が閉鎖される。これにより、シートクッション１４の硬度が高くされることで、乗員のシートクッション１４への沈み込みを抑制することができ、シートベルトのラップベルト部が乗員の腰部の車両前側への移動を良好に拘束することができる。

さらに、車両の緊急時である後面衝突時（車両の後面衝突が予知された際が好ましい）には、ヘッドレスト１８において、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が開放されると共に、第１アクチュエータ３０が連通管２８内を介して空気袋２６内に空気を急激に供給することで、空気袋２６内の気圧が急激に高くされる。しかも、空気袋２６内の気圧が急激に高くされた直後には、第２アクチュエータ３４の制御によって空気弁３２が閉鎖される。これにより、ヘッドレスト１８の硬度が高くされることで、乗員の頭部のヘッドレスト１８への沈み込みを抑制することができ、ヘッドレスト１８が乗員の頭部の車両後側への移動を良好に拘束することができる。

また、シートクッション１４及びヘッドレスト１８においては、空気袋２６がパッド２０の全体を被覆する。このため、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度を効果的に調整及び保持することができると共に、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度をそれぞれ均一化することができる。

さらに、パッド２０を封入した状態に収容する空気袋２６が、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の表面に配置される表面部材２２を構成している。このため、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の作成を容易にすることができる。

なお、本実施の形態では、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の表面部材２２を表皮２４及び空気袋２６によって構成したが、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の表面部材２２を空気袋２６のみによって構成してもよい。

また、本実施の形態では、空気弁３２及び第２アクチュエータ３４を設けた構成としたが、空気弁３２及び第２アクチュエータ３４を省略した構成としてもよい。この場合、空気袋２６（空気排出孔）からの空気の排出量（排出速度）を超える量（供給速度）の空気を第１アクチュエータ３０が空気袋２６内に継続的に供給することで、シートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度を維持することができる。

さらに、本実施の形態では、特に車両の衝突時に第１アクチュエータ３０が空気袋２６内に空気を供給する構成にしたが、必ずしもこれに限らず、例えば乗員によるシートクッション１４及びヘッドレスト１８の硬度調整操作等に基づいて第１アクチュエータ３０が空気袋２６内に空気を供給するようにしてもよい。すなわち、第１アクチュエータ３０の動作条件は、車両の衝突時に限定されない。

また、本実施の形態では、シートクッション１４及びヘッドレスト１８に空気袋２６を設けて空気袋２６内の気圧を調整可能にすると共に空気袋２６内からの空気の流出速度を調整可能にした構成としたが、シートバック１６に空気袋２６を設けて空気袋２６内の気圧を調整可能にすると共に空気袋２６内からの空気の流出速度を調整可能にした構成としてもよい。

本発明の実施の形態に係るシートの主要部を示す車両前方から見た断面図（図２の１−１線断面図）である。 本発明の実施の形態に係るシートを示す車両前斜め左方から見た斜視図である。

符号の説明

１０ シート（シート構造）
１４ シートクッション
１６ シートバック
１８ ヘッドレスト
２０ パッド
２２ 表面部材
２６ 空気袋（収容袋）
３０ 第１アクチュエータ（気圧可変手段、供給手段）
３２ 空気弁（気圧可変手段、流出調整手段）
３４ 第２アクチュエータ（気圧可変手段、流出調整手段）

Claims (5)

1. 車両のシートの内部に設けられ、弾性及び通気性を有するパッドと、
   前記パッドを収容すると共に、内部に空気を封入可能に構成された収容袋と、
   前記収容袋内に連通され、前記収容袋内の気圧を変化させることにより前記パッドの硬度を変更する気圧可変手段と、
   を備えたシート構造。
2. 前記シートのシートクッション、シートバック、及びヘッドレストのうちの少なくとも１つに前記パッド及び前記収容袋を設け、
   前記気圧可変手段は、車両の衝突時に、前記収容袋内に空気を供給して該収容袋内の気圧を上昇させる、
   ことを特徴とする請求項１記載のシート構造。
3. 前記気圧可変手段は、前記収容袋内への空気の供給を行う供給手段と、前記収容袋内から外部への空気の流出速度を調整する流出調整手段と、を備えている、ことを特徴とする請求項１又は請求項２記載のシート構造。
4. 前記収容袋と前記パッドとを一体に形成した、ことを特徴とする請求項１〜請求項３の何れか１項記載のシート構造。
5. 前記収容袋は、前記パッドの全体を被覆すると共に前記シートの表面に配置される表面部材を構成する、ことを特徴とする請求項１〜請求項４の何れか１項記載のシート構造。

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