JP2009082173A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最適なX線スペクトルにし、より少ないX線被曝量で、よりS/Nの良いデュアルエネルギー断層像を得るX線断層撮影装置を提供する。
【解決手段】X線断層撮影装置(100)は、第1エネルギースペクトルを有する第1X線と、第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを有する第2X線とを被検体に照射するX線照射部(21)と、第1X線及び第2X線それぞれ独立に被検体とX線照射部との間に配置するX線フィルタの適用を制御するフィルタ制御部(31)と、被検体の第1X線による第1X線投影データ及び第2X線による第2X線投影データをそれぞれ収集するX線データ収集部(24)と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に関する。
従来、X線CT技術として、複数種のX線管電圧を用いることにより複数種のエネルギースペクトルのX線を発生し、当該X線を被検体に照射して得られる投影データに基づき、断層像を画像再構成するマルチエネルギースキャンが知られている。このマルチエネルギースキャンによれば、被検体内の物質が、エネルギースペクトルによって異なるX線吸収係数を有することを利用し、2つの異なるエネルギースペクトルのX線をそれぞれ被検体に照射して得られた投影データを用いてデュアルエネルギー断層像を画像再構成することにより、被検体内の物質を分離して表示することができる。
上述のような2つの異なるエネルギースペクトルのX線をそれぞれ被検体に照射することができるX線CT装置として、例えば、特許文献1には、それぞれ異なるエネルギースペクトルを発生する2つのX線管及びそれに対応する2つのX線検出器を用いることが記載されている。
特開2007−111525
上述のマルチエネルギースキャンにおいては、2つのエネルギースペクトルの差が顕著であるほどS/Nの良い画像、断層像を得ることができる。しかしながら、差がより大きなX線管電圧に変更するのは、装置の大掛かりな変更を伴ない、現実的ではないという問題がある。
また、従来のデュアルエネルギー断層像の画質は、被検体の大きさによって変化してしまうという問題点もあった。この問題は、デュアルエネルギー断層像の画質は、撮影に用いる複数のX線の線質に依存するが、被検体の大きさによってこの複数のX線の線質が異なってしまうということが原因として考えられる。例えば、被検体が大きいと、被検体である患者の表面側の脂肪等が占める体積が多く、その領域によりX線エネルギースペクトルの低エネルギー成分(軟らかいX線成分とも言う)が吸収され、デュアルエネルギー断層像として表示させたい骨や血管等に到達するX線スペクトルは、軟らかいX線成分が多く除去されたX線エネルギースペクトルとなる。一方、被検体が小さいと、被検体が大きい場合と比べ、被検体の表面側での軟らかい成分のX線の吸収が少ないので、軟らかいX線成分を多く含むX線エネルギースペクトルがデュアルエネルギー断層像として表示させたい骨や血管等に到達することになる。このことから、被検体の大きさによって、照射されるX線の線質が異なってしまうことが考えられる。
従って、デュアルエネルギー撮影において、照射するX線の線質を制御する技術が望まれる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、デュアルエネルギー断層像の画質を向上させることが可能なX線CT装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点のX線断層撮影装置は、第1エネルギースペクトルを有する第1X線と、第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを有する第2X線とを被検体に照射するX線照射部と、第1X線及び第2X線それぞれ独立に被検体とX線照射部との間に配置するX線フィルタの適用を制御するフィルタ制御部と、被検体の第1X線による第1X線投影データ及び第2X線による第2X線投影データをそれぞれ収集するX線データ収集部と、を備える。
第1の観点のX線断層撮影装置は、第1X線又は第2X線の少なくとも一方にX線フィルタを適用することで、同じX線被曝量でも、よりS/Nの良いデュアルエネルギー撮影の断層像を得ることができる。
第2の観点のX線断層撮影装置のX線照射部は、第1X線を発生する第1X線発生装置と、第2X線を発生する第1X線発生装置とは異なる第2X線発生装置とを有する。
上記第2の観点におけるX線断層撮影装置では、互いに異なる第1X線発生装置と第2X線発生装置とを有しているため、第1X線を照射する第1X線発生装置にそれに適したX線フィルタを、第2X線を照射する第2X線発生装置にそれに適したX線フィルタを適用することができる。これにより、X線スペクトルの成分を調整することができる。
第3の観点のX線断層撮影装置のX線照射部は、一つのX線発生装置に第1X線を発生する第1焦点と、第2X線を発生する第1焦点とは異なる第2焦点とを有する。
上記第3の観点におけるX線断層撮影装置では、一つのX線発生装置において、2つのX線焦点を持たせることができる。この時に第1焦点の近傍にそれに適したX線フィルタを、第2焦点の近傍にそれに適したX線フィルタを設けることができる。
第4の観点のX線断層撮影装置のX線照射部は、一つのX線発生装置で交互に第1X線と第2X線とを照射し、フィルタ制御部は、第1X線と第2X線との切り換え時に、X線フィルタを切り換える。
第4の観点におけるX線断層撮影装置では、一つのX線発生装置において、第1X線と第2X線との切り換え時に、第1X線に適したX線フィルタを、又は第2X線に適したX線フィルタを配置するように切り替えることができる。
第5の観点のX線断層撮影装置は、被検体の幾何学的特徴量を特定する特徴特定部をさらに備え、フィルタ制御部は、幾何学的特徴量に基づいてX線フィルタの適用を制御する。
X線フィルタの特性を決めるために重要なものは、X線フィルタによるX線スペクトルの変更の他に被検体の大きさがある。第5の観点におけるX線断層撮影装置では、特徴特定部が幾何学的特徴を特定し、フィルタ制御部が被検体のX線吸収も考慮してX線フィルタを制御することで、同じX線被曝量でもよりS/Nの良いデュアルエネルギー撮影の断層像を得ることができる。
第6の観点のX線断層撮影装置は、第5の観点において、X線フィルタが幾何学的特徴量に基づいて、第1X線又は第2X線の線質を制御する。
第6の観点のX線断層撮影装置は、所望なスペクトルとなるように第1X線又は第2X線の線質を制御させることで、例えば石灰化のカルシウム成分や造影剤のヨウ素の成分が第1X線又は第2X線との間で充分なX線吸収係数の差が出るようにすることができる。
第7の観点のX線断層撮影装置のフィルタ制御部は、第1X線と第2X線とによる被検体の物質のX線吸収係数の差を大きくするように、X線フィルタを制御することを特徴とする。
上記第7の観点におけるX線断層撮影装置は、第1エネルギー投影データと第2エネルギー投影データの差が大きくなるようなX線フィルタを設定するので、X線被曝量とS/Nの良い画質のトレード・オフを最適化したデュアルエネルギー撮影の断層像を得ることができる。
第8の観点のX線断層撮影装置のフィルタ制御部は、被検体の物質に係る第1X線投影データ及び第2X線投影データの出力の差に基づき、X線フィルタを制御する。
第8の観点のX線断層撮影装置では。第1X線投影データ及び第2X線投影データの各々のS/Nが同等又はそれぞれ所定の比となるようなX線フィルタを制御すると、画質のよいデュアルエネルギー画像を得ることができる。
第9の観点のX線断層撮影装置は、第7又は第8の観点において、フィルタ制御部によるX線フィルタの制御を、幾何学的特徴量が所定量よりも小さい場合において行う。
例えば幾何学的特徴量が被検体のプロファイル面積又は楕円率を含む場合に、プロファイル面積又は楕円率が所定量よりも小さい場合にX線フィルタを入れたりする。
第10の観点のX線断層撮影装置は、第1エネルギー投影データと第2エネルギー投影データに基づいて、X線吸収係数のX線管電圧依存情報を表す断層像を画像再構成するデュアルエネルギー画像再構成部を備える。
第10の観点のX線断層撮影装置では。画像空間又はX線投影データ空間において、ある物質の等価画像を得るために加重加算処理などを行うことにより、X線吸収係数のX線管電圧依存情報を表す断層像を画像再構成する。そして、デュアルエネルギー撮影の画質改善を実現できる。
本発明のX線CT装置によれば、前記第1X線及び前記第2X線それぞれ独立に前記被検体と前記X線照射部との間に配置するX線フィルタの適用を制御することができることから、例えば、2つのエネルギースペクトルの差を大きく制御する等、画質を向上ことが可能となるため、デュアルエネルギー断層像の画質を向上させることができる。
以下、実施形態を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付けるキーボード又はマウスなどの入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5とを具備している。さらに、操作コンソール1は、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶する。撮影テーブル10は、被検体HBを乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降及びテーブル直線移動する。
走査ガントリ20は、例えば80kVX線管電圧を用いる第1X線管21−1及び例えば140kVX線管電圧を用いる第2X線管21−2と、X線制御部22と、それぞれのX線管用に設けられたコリメータ23、ビーム形成X線フィルタ28、第1多列X線検出器24−1及び第2多列X線検出器24−2と、第1データ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25−1及び第2データ収集装置25−2とを具備している。さらに、走査ガントリ20は、被検体HBの体軸の回りに回転している第1X線管21−1及び第2X線管21−2などを制御する回転制御部26と、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りするガントリ制御部29とを具備している。尚、図1においては、図2A(a)に示す2つのX線管21と2つの多列X線検出器24とで構成する場合を模式的に示しているが、図2A(b)に示す2つのX線管と1つの多列X線検出器24とで構成、又は、図2B(c)に示す2つのX線管を持ち1つの360度に配置した第4世代の多列X線検出器24で構成してもよい。尚、図2A(a)では、第1X線フィルタ31−1を備えた第1X線管21−1と、第2X線フィルタ31−2を備えた第2X線管21−2とは、走査ガントリ20の回転部15上に回転方向へ90度ずらし同じz軸座標又は少しずれたz軸座標に配置しxy平面上で回転することができる。なお、この時のX線ビームのファン角はいずれも約60度である。また、図2A(b)では、第1X線管21−1と第2X線管21−2とが走査ガントリ20の回転部15上に回転方向へ90度ずらし同じz軸座標に配置され、xy平面上で回転することができる。1つの多列X線検出器24は、第1X線管21−1及び第2X線管21−2に対向して配置され、同様にxy平面上で回転する。この2つのX線管のX線ビーム角はいずれも約60度であるため、多列X線検出器24はチャネル方向に約120度広がっている。さらに、図2B(c)は、第1X線管21−1と第2X線管21−2とが走査ガントリ20の回転部15上に回転方向へ90度ずらして配置され、xy平面内で回転する。1つの360度全周方向にある多列X線検出器24は、撮影領域をカバーできるX線ファンビームを検出する。
ビーム形成X線フィルタ28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルタである。このため、円形又は楕円形に近い断面形状の被検体HBの体表面の被曝を少なくできるようになっている。
さらに、走査ガントリ20は、第1X線管21−1及び第2X線管21−2の線質を変える第1X線フィルタ31−1及び第2X線フィルタ31−2を有している。X線制御部22は、第1X線管21−1及び第2X線管21−2に供給する電圧及び電流を制御する。また、フィルタ制御部38は、X線管21−1及び第2X線管21−2に対して、適正な第1X線フィルタ31−1及び第2X線フィルタ31−2を選択する。尚、フィルタ制御部38は、モニタ6に映し出される撮影条件設定画面に基づき操作者により選択して入力装置2に入力されたX線フィルタの選択結果に基づきX線フィルタを選択することを可能とするものであってもよく、所定の条件と連動してX線フィルタを選択することを可能とするものであってもよい。X線フィルタ31はアルミニウム、銅、ステンレス、又は鉄などの材質による様々なX線透過厚のものから選択することができる。また、フィルタを入れない状態にすることもできる。尚、X線フィルタの機能については後述する。
中央処理装置3は、前処理部33、画像再構成部34、デュアルエネルギー像再構成部35、及び特徴特定部37を有している。
前処理部33は、第1データ収集装置25及び第2データ収集装置それぞれで収集された投影データに対して、それぞれオフセット補正、対数変換、X線線量補正、感度補正、ビームハードニング補正等各種補正を行う。
画像再構成部34は、前処理部33で前処理した投影データを受け、その投影データに基づいて画像を再構成する。投影データは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数Kernel(j)を重畳し、逆フーリエ変換する。そして、画像再構成部34は、再構成関数Kernel(j)を重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(Z軸方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。画像再構成部34は、この断層像を記憶装置7に記憶させる。
デュアルエネルギー像再構成部35は、第1エネルギースペクトルのX線及び第2エネルギースペクトルのX線による投影データ又は断層像から、デュアルエネルギー断層像を画像再構成する。
特徴特定部37は、例えばスカウト撮影に基づく被検体HBのプロファイル面積又は楕円率などの幾何学的特徴量を算出する。
次に、X線フィルタの制御について説明する。
X線フィルタ31は、X線エネルギースペクトルの線質を所望なスペクトルとなるように変化させることで、例えば石灰化のカルシウム成分や造影剤のヨウ素の成分がX線管電圧80kVとX線管電圧140kVの間で充分なX線吸収係数の差が出るようにすることができる。
例えば、図3(a)はX線フィルタ31をかける前のX線管電圧80kVのX線エネルギースペクトルとX線管電圧140kVとのX線エネルギースペクトルを示している。X線管電圧80kVはX線エネルギー40keVの近辺で大きなX線スペクトル強度を持つが、X線管電圧140kVも同様にX線エネルギー40keVの近辺で大きなX線スペクトル強度を持っているため、カルシウムやヨウ素のX線吸収係数の差を出すのは難しい。
しかし、カルシウムやヨウ素のX線吸収係数の差を強く出すためにはX線フィルタ31をかけ、特にX線管電圧140kVにおけるX線エネルギー40keVあたりのスペクトルを抑えることが重要である。
このX線管電圧140kVのX線フィルタ31は特にX線エネルギー40keV近辺のX線をよく吸収し、X線エネルギー80keV以上のいわゆる“硬い”X線をあまり吸収しない。このため、X線管電圧140kVの実効X線エネルギーはX線フィルタ31をかけることにより、より高いX線エネルギーへシフトする。これに対し、X線管電圧80kVのX線スペクトルはX線フィルタによりX線エネルギー80kVまでの成分の強度が下がるだけである。
図4(b)のようにX線管電圧140kVによるX線にX線フィルタ31をかけて、より高いX線エネルギーの方に実効X線エネルギーをシフトさせておき、X線管電圧80kVによるX線にはX線フィルタ31をかけずに、より低いX線エネルギーの成分の強度を強いままにしておくのが理想に近いことから好ましい。X線CT装置100によれば、第2X線管21−2にはX線フィルタ31−2をかけ、第1X線管21−1にはX線フィルタ31−1をかけないように制御することもできる。
また、本実施形態においては、被検体の大きさ、即ち幾何学的特徴量に基づきX線フィルタを制御することができる。尚、この幾何学的特徴量は、特徴特定部37により算出することができる。
例えばX線フィルタ31のX線透過厚が厚い順にF1,F2,F3とすると、被検体の断面積であるプロファイル面積が小さいと思う所に、X線管電圧140kVを出す第1X線管に第1X線フィルタ31−1として最も厚いフィルタF1をかける。X線管電圧80kVを出す第2X線管には第2X線フィルタ31−2として最も薄いフィルタF3をかける。また、被検体の断面積であるプロファイル面積が大きいと思う所には、X線管電圧140kVを出す第1X線管には第1X線フィルタ31−1としてF1より薄いF2をかける。X線管電圧80kVを出す第2X線管には第2X線フィルタ31−2としてのX線フィルタを入れない。
被検体の断面積の小さい部分に第2X線管21−2において最も薄いX線フィルタF3をかける理由は、被検体の断面積が大きい場合に被写体がフィルタの役目をした場合と断面積の小さい部分のX線スペクトルとが同等になるように、もしくはバランスが崩れないようにするためである。
例えば図5(a)は被検体の断面積が大きい場合の抽出したい物質のX線吸収係数の変化を示し、図5(b)は被検体の断面積が小さい場合で薄いX線フィルタF3をかけた時の抽出したい物質のX線吸収係数の変化を示す。
図5(a)の場合ではX線管電圧80kVでの抽出したい物質のX線吸収係数をa1、X線管電圧140kVでの抽出したい物質のX線吸収係数をa2とする。図5(b)の場合はX線管電圧80kVでの抽出したい物質のX線吸収係数をa3、X線管電圧140kVでの抽出したい物質のX線吸収係数をa4とする。この時のa1−a2の差とa3−a4の差とが大きく異ならないようにフィルタ制御部38はX線管電圧80kVである第2X線管31−2に用いるフィルタF3でX線透過厚を調整する。
尚、被検体が大きい場合であって、X線吸収係数を変化させるX線フィルタを挿入する必要がない場合においては、第1X線投影データ及び第2X線投影データの各々のS/Nが同等又はそれぞれ所定の比となる、又は前記第1X線投影データに基づく断層像及び第2X線投影データに基づく断層像の各々のS/Nが同等又はそれぞれ所定の比となるようなX線フィルタを挿入することにより、画質のよいデュアルエネルギー画像を得るようにしてもよい。
次に、デュアルエネルギー撮影のフローについて説明する。まず、図6を用いて、画像空間におけるデュアルエネルギー撮影のフローについて説明する。
ステップD1では、スカウト像の撮影を行う。スカウト像の撮影によって得られるスカウト像と外観とにより、各部位のおおよその大きさを認識する。
ステップD2では、デュアルエネルギー撮影の撮影モード、強調したい物質、各X線管電圧でのX線フィルタの選択を行う。操作者は被検体の各部位の大きさを判断し、各部位における最適なX線フィルタ31を設定することができる。
ステップD3では、フィルタ制御部38は、80kVの第2X線管21−2に対して選択した第2X線フィルタ31−2を使い、X線検出器24がデータ収集する。
ステップD4では、フィルタ制御部38は、140kVの第1X線管21−1に対して選択した第1X線フィルタ31−1を使い、X線検出器24がデータ収集する。
ステップD5では、画像再構成部34は、X線管電圧80kVの断層像を画像再構成する。
ステップD6では、画像再構成部34は、X線管電圧140kVの断層像を画像再構成する。ステップD5、ステップD6において、第1X線管21−1と第2X線管21−2とがビュー方向に90度ずれている場合と180度ずれている場合とがある。いずれの場合も、画像空間においてデュアルエネルギー断層像の画像再構成を行う場合は、X線投影データの収集時刻を合わせたり、収集ビュー角度を合わせたりする。
ステップD7では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、デュアルエネルギー比画像を画像再構成する。デュアルエネルギー比画像の画像再構成方法は後述する。
ステップD8では、デュアルエネルギー比画像を画像表示する。
ステップD9では、デュアルエネルギー画像再構成部35は、デュアルエネルギー断層像のカルシウム強調画像、造影剤強調画像を画像再構成する。デュアルエネルギー断層像としてカルシウム強調画像である骨等価画像、骨強調画像であるカルシウム等価画像を得る画像再構成を行っている。
ステップD10では、デュアルエネルギー断層像のカルシウム強調画像、造影剤強調画像をモニタ6に画像表示する。
尚、上述のステップD7におけるデュアルエネルギー比画像の画像再構成について説明する。
例えば、図7のグラフは縦軸にX線管電圧80kVの断層像での各画素値を取り、横軸にX線管電圧140kVの断層像での各画素値を取る。これにより、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとのカルシウムの画素や造影剤の主成分であるヨウ素の画素値は、図中のカルシウムの直線及びその近傍の分布範囲や、ヨウ素の直線及びその近傍の分布範囲に入る。例えば、X線管電圧80kVの断層像の画素値をg80(x,y)とし、X線管電圧140kVの断層像の画素値をg140(x,y)とすると画素値のデュアルエネルギー比(Dual Energy Ratio)r(x,y)はg80(x,y)/g140(x,y)で求めることができる。
このデュアルエネルギー比r(x,y)は、グラフの直線の傾きを表し、実効質量数を表す。この実効質量数は原子によって異なる値となるため物質ごとにこの値で分離又は差を強調することができる。この傾きは骨では約1.5前後、造影剤では約1.7〜1.8の値を取る。
また、このデュアルエネルギー比r(x,y)の傾きの範囲で各画素を分類することで物質の成分分析及び組成分析を行うことができる。さらに、値によりカラーマップを割り付けることで、各原子又は各物質の色分けも行うことができる。
また、上述のステップD9におけるデュアルエネルギー断層像の造影剤等価画像、カルシウム等価画像の作成方法等の等価画像の画像再構成方法を以下に示す。
低いX線管電圧80kVの実効X線エネルギーであるエネルギーAのX線に基づく投影データから画像再構成した断層像におけるCT値、および高いX線管電圧140kVの実効X線エネルギーであるエネルギーBのX線に基づく投影データから画像再構成した断層像におけるCT値は、それぞれ次の(数式1),(数式2)で与えられる。
(数式1)
(数式2)
ここで、X,Yは所望の物質の量(未知数)である。α,α,β,β,γ,γは予め測定によって判明している定数である。
このようなCT値からX,Yが次の(数式3),(数式4)によってそれぞれ求められ、
(数式3)
(数式4)
このようにして、Xに関する断層像およびYに関する断層像がそれぞれ形成される。X,YまたはX,Yの元素は例えば骨の主要成分であるカルシウム分、脂肪、造影剤等である。このようにして、2つのX線線質の異なる、つまり、2つのX線管電圧の断層像から所望の物質の定量的な分布断層像を得ることができる。
つまり、(数式3),(数式4)は以下の(数式5)のように書き換えられる。
(数式5)
これにより、以下の(数式6)が得られる。
(数式6)
つまり、物質X,Yは以下の(数式7),(数式8)のように求められる。
(数式7)
(数式8)
ただし、この時のw1,w2,w3,w4,c1,c2は以下の(数式9),(数式10),(数式11),(数式12),(数式13),(数式14)となる。
(数式9)
(数式10)
(数式11)
(数式12)
(数式13)
(数式14)

つまり、物質X,物質Yの存在分布断層像は、低いX線管電圧80kVの断層像CTと高いX線管電圧140kVの断層像CTとの加重加算処理で得られる。
また、前述した図6においては、画像空間におけるデュアルエネルギー撮影のフローを示したが、投影データ空間でも同様に処理できる。図8に、投影データ空間におけるデュアルエネルギー撮影の画像再構成方法の概要を示す。
デュアルエネルギー画像再構成部35は、低いX線管電圧のX線投影データR−Lowに加重加算係数w1を乗算し、同様に高いX線管電圧のX線投影データR−Highに加重加算係数w2を乗算し、定数C1とともに加重加算処理し、デュアルエネルギー断層像M−CSIを作成する。
また、デュアルエネルギー画像再構成部35は、画像空間、断層像空間おいても投影データ空間と同様に加重加算処理することでデュアルエネルギー断層像M−CSIを得ることができる。
これら加重加算係数w1,w2及び定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子又は部位により定まる。例えば加重加算処理部はCT値の近い骨、石灰化を構成するカルシウム成分(Ca成分)と、ヨウ素を主成分とする造影剤(Iodine成分)を分離するために、カルシウム成分を表示上で消すと、つまり画素値を0にすると造影剤成分が抽出され、強調して表示することができる。また反対に、加重加算処理部は造影剤成分を表示上で消すと、つまり画素値を0にするとカルシウム成分が抽出され、骨や石灰化の部分を強調して表示することができる。
この時に用いるX線投影データは、前処理及びビームハードニング補正したX線投影データを用いる。特にビームハードニング補正では、各X線管電圧において水等価でない物質の部分を水等価なX線透過経路長にすることにより、水以外の物質のX線管電圧依存性をより正しく評価することができる。
また、断層像空間においても、前処理及びビームハードニング補正が補正済であるとすると、画像再構成部34は断層像空間でも、デュアルエネルギー断層像を作成することができる。
また、360度フルスキャンにおいても、180度+ファン角のハーフスキャンにおいてもデータの並べ換えなしにX線投影データ空間におけるデュアルエネルギー撮影の画像再構成を行いたい場合は、第1X線検出器24−1と第2X線検出器24−2とのX線投影データの収集ビュー角度を合わせてX線データ収集を行う必要がある。この際に、デュアルエネルギー画像再構成部35は、第1X線管21−1及び第1X線検出器24−1と第2X線管21−2及び第2X線検出器24−2とをz方向に適切な位置をずらすことで、同一z軸座標において同一ビュー方向のX線投影データを収集することができる。
以上より、画像再構成部34は断層像空間と、投影データ空間とにおいて造影剤等価画像、カルシウム等価画像を作成することができる。
以上のように、本実施形態のX線CT装置によれば、第1X線管21−1及び第2X線管21−2用のX線フィルタをそれぞれ独立に制御することができる。
そして、これらのフィルタ制御により出力するX線は、X線管電圧140kVのX線スペクトル分布とX線管電圧80kVのX線スペクトル分布との分離を大きくすることができる。すなわち物質のX線吸収係数の差を大きくすることができ、デュアルエネルギー像はよりS/Nを良くすることができる。
尚、本実施形態においては、2つのX線管を用いた例を示したが、例えば、図3A(a)に示す3つのX線管21と3つの多列X線検出器24で構成する構造、図3A(b)に示す3つのX線管21と3つのフラットパネルX線検出器に代表される二次元X線エリア検出器24で構成する構造のもの、図3B(c)に示す3つのX線管21を持ち1つの第4世代の多列X線検出器24で構成する構造のもの、又は図3B(d)に示す4つのX線管21を持つ4つの多列X線検出器24で構成する構造のものなどにおいても同様に、各X線管21においての各X線フィルタを独立に制御することができる。
また、図9(a−1)は、第1X線フィルタ31−1を備えたX線管21−1と第2X線フィルタ31−2を備えた第2X線管21−2とが、走査ガントリ20の回転部15上に回転方向へ180度ずらし、z軸座標も少しずらして設置されている。第1多列X線検出器24−1及び第2多列X線検出器24−2も、互いに対向するように配置され回転する。なお、この時の対向するX線照射収集部のX線ファン角はチャネル方向に約60度である。
また、図9(a−1)に示す配置では、ヘリカルスキャン時に図9(b)に示すようにX線データ収集開始時とX線データ収集終了時のX線無駄被曝を避けるために、図9(a−2)又は(a−3)に示すように、2つのX線照射収集部の中心線がz方向に傾けられる。そして、X線ビームの一部がxy平面に平行になっている。これはヘリカルスキャンにおいてX線の無駄被曝を避けるのに特に有効である。
(実施形態2)
図11は、実施形態2にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。尚、同図において、上述の実施形態1に係るX線CT装置100と構成が同じ名称のものについては、共通の符号を用いることとする。尚、本実施形態において実施形態1と重複する部分については、その説明を省略する。
図1の構成ブロックと異なり、図11に示す走査ガントリ20は、X線管21、コリメータ23、ビーム形成X線フィルタ28、多列X線検出器24、及びデータ収集装置25は1セットのみを具備している。但し、フィルタ制御部38は、1つのX線管21に対して、適正な第1X線フィルタ31−1及び第2X線フィルタ31−2を選択することができるようになっている。
次に、本実施形態のX線CT装置を用いたスキャンについて説明する。
図11(a)、図11(b)は、X線管電圧140kVとX線管電圧80kVとのX線データ収集の時間帯を示した図である。このようにX線管電圧140kVとX線管電圧80kVとが照射するタイミングが分かれている場合には、X線管電圧140kVの時間帯にX線フィルタ31をかけ、X線管電圧80kVの時間帯にX線フィルタ31をかけないように制御することができる。
図11(a)に示すように、体動を防ぐため、短時間で撮影する方法としては、1スキャン目のX線管電圧80kVの撮影時間t1の撮影と、2スキャン目のX線管電圧140kVの撮影時間t2の撮影を続けて撮影する。この時のX線管電圧は、撮影時間t1と撮影時間t2との間に変化する。撮影は、フルスキャンF−Scanである360度スキャンでX線投影データ収集でも、ハーフスキャンH−Scanである180度+ファン角分のX線投影データ収集でも良い。これらの撮影方法は、t1、t2の撮影時間の順を逆にしてもかまわない。
ハーフスキャンH−Scanは、X線ファンビームのファン角を60度とすると、180度+ファン角=240度分、つまり2/3回転分のX線投影データを収集することになる。例えば、X線データ収集系の回転速度が0.35秒/回転であれば、ハーフスキャンのデュアルエネルギー撮影時間は、0.35×2/3×2=0.46秒、フルスキャンのデュアルエネルギー撮影時間は0.35×2=0.7秒となる。
次に、X線フィルタの制御について説明する。
上記のフルスキャン時においては、X線フィルタを切り換える時間がないため、X線管電圧140kVの低いX線エネルギーのX線スペクトルを低減させ、X線管電圧80kVのX線エネルギーをS/N不足にならない程度にフィルタするX線フィルタ41を共通にかけても良い。
フルスキャンにおいて、X線管電圧を切り換える時間が撮影時間t1,t2に比べて無視できない場合は、図11(b)のように、撮影時間t1,t2の時間ΔtであるISD(Inter Scan Delay)の間でX線管電圧を上げさらに撮影開始位置を揃える。これは同一ビュー角度からX線投影データ収集を開始することができ、X線投影空間においてX線投影データを加重加算処理する場合に当該X線投影データに対応するビューを探すことが容易であるため、処理しやすい利点がある。この時の1スキャン目,X線オフしたISD期間、2スキャン目を合わせたハーフスキャンの撮影時間Tは0.35×2/3(1スキャン面のX線オン)+0.35×1/3(X線オフ)+0.35×2/3(2スキャン面のX線オン)=0.58秒となり、被検体の体動の可能性はかなり減る。
また、このようにX線データ収集中にX線オフのISD期間がある場合には、図12のようにX線フィルタ31を最適なX線フィルタになるように切り換えるように、フィルタ制御部を制御することもできる。
図12に示すように、被検体の断面積又はプロファイル面積が小さい場合には、X線管電圧140kVにX線フィルタF1をかけ、X線管電圧80kVにX線フィルタF3をかける。また、被検体の断面積又はプロファイル面積が大きい場合には、X線管電圧140kVにX線フィルタF2をかけ、X線管電圧80kVにX線フィルタをかけないようにする。
X線オフしたISD期間がある場合のX線フィルタを使ったデュアルエネルギー撮影は下記のフローになる。
1つのX線照射吸収部においてはX線管電圧を切り換えに連動してX線フィルタの切り換えをするが、そのフローチャートは実施例1の図6の下記の部分を変更することでほぼ同様に処理することができる。
図6のステップD3においては選択したX線管電圧80kV用のX線フィルタ31を挿入しX線データ収集を行う。
図6のステップD4においては選択したX線管電圧140kV用のX線フィルタ31を挿入しX線データ収集を行う。
このようにして、1つのX線照射吸収部においてもデュアルエネルギー撮影は、被検体の断面積又はプロファイル面積が大きい場合と小さい場合とで、最適なX線フィルタを選択して撮影し画像再構成することができる。
以上のように、本実施形態のX線CT装置100によれば、X線管21のX線管電圧によってX線フィルタを独立に制御することができる。
そして、これらのフィルタ制御により出力するX線は、X線管電圧140kVのX線スペクトル分布とX線管電圧80kVのX線スペクトル分布との分離を大きくすることができる。すなわち物質のX線吸収係数の差を大きくすることができ、デュアルエネルギー像はよりS/Nを良くすることができる。
(実施形態3)
本実施形態においては、実施形態2のX線CT装置100を用いて、被検体のスカウト像に基づき被検体のz軸座標でのプロファイル面積などの幾何学的特徴量を求め、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとでの最適なX線フィルタを設定してデュアルエネルギー撮影を行う。
図12に示すように、特徴特定部37は被検体の90度方向と180度方向の両方、もしくはどちらかの片方のみのスカウト像撮影を行うことで、そのスカウト像のX線投影データ、つまり各z軸座標におけるスカウト像のプロファイルデータを得ることができる。
この特徴特定部37は、図14に示すように楕円率Oval(z)を求めることができる。これらのプロファイルデータは各z軸座標の幾何学的特徴量であるプロファイル面積Prf(z)、楕円率Oval(z)、すなわちプロファイル面積である被検体の大きさ、又は楕円率である偏平度を求めることができる。これらの幾何学的特徴量よりフィルタ制御部38は各z軸座標におけるX線管電圧80kVの最適なX線フィルタ31、X線管電圧140kVの最適なX線フィルタ31を定めることができる。
図15は、X線CT装置200において各z軸座標のX線フィルタを最適化する処理のフローチャートを示す。
ステップD41では、90度方向、180度方向のスカウト像撮影を行う。スカウト像撮影は頭部においては90度方向のみ、その他の部位においては0度又は90度、もしくは180度又は90度のいずれかの2方向のスカウト像撮影を行うのが通常である。
スカウト撮影は、被検体に対しては0度方向よりも180度方向から撮影を行った方が被検体の水晶体や乳房への被曝を少なくすることができ、より適している。
ステップD42では、特徴特定部37は、90度方向、180度方向のスカウト像より被検体の各z軸座標の幾何学的特徴量を求める。
ステップD43では、特徴特定部37は、デュアルエネルギーの撮影モードでの被検体の各z軸座標の幾何学的特徴量からX線管電圧80kVにおける最適なX線フィルタ31を表示する。
ステップD44では、特徴特定部37は、デュアルエネルギーの撮影モードでの被検体の各z軸座標の幾何学的特徴量からX線管電圧140kVにおける最適なX線フィルタを表示する。
ステップD45では、操作者は、設定したX線管電圧80kVのX線フィルタ31が最適かを判断し、YESであればステップD49へ行き、NOであればステップD47へ行く。
ステップD46では、操作者は、設定したX線管電圧140kVのX線フィルタ31が最適かを判断し、YESであればステップD50へ行き、NOであればステップD48へ行く。
ステップD47では、操作者は、手動によりX線管電圧80kVの各z軸座標のX線フィルタを修正し、ステップD45へ戻る。
ステップD48では、操作者は、手動によりX線管電圧140kVの各z軸座標のX線フィルタを修正し、ステップD46へ戻る。
ステップD49では、多列X線検出器24は、X線管電圧80kVのX線データ収集を行う。ステップD49の次は図6のステップD5へ続く。
ステップD50では、多列X線検出器24は、X線管電圧140kVのX線データ収集を行う。ステップD50の次は図6のステップD6へ続く。
尚、ステップD42において、特徴特定部37は被検体のスカウト像より各z軸座標の幾何学的特徴量として図13に示すように、プロファイル面積Sx(z),Sy(z)や楕円率Oval(z)を求めることができる。また、1方向のスカウト像、2方向のスカウト像からも同様によりプロファイル面積Sx(z),Sy(z)や楕円率Oval(z)を求めることができる。
プロファイル面積Sx(z),Sy(z)又は楕円率Oval(z)は、以下の(数式15),(数式16),(数式17)より求めることができる。ただし、NはX線検出器のチャネル数とする。
...(数式15)
...(数式16)
...(数式17)
2方向からプロファイル面積Sx(z),Sy(z)を求めた場合は、この2つのプロファイル面積Sx(z),Sy(z)の平均を求めて最終的なプロファイル面積としても良いし、又はどちらかの最大値もしくは最小値を選んで最終的なプロファイル面積としても良い。また、2方向からの楕円率Oval(z)は、同様に平均を求めて最終的な楕円率としても良いし、又はどちらかの最大値もしくは最小値を選んで最終的な楕円率としても良い。
ステップD43、ステップD44において、特徴特定部37はデュアルエネルギー撮影モードを選択した時に、被検体のスカウト像より各z軸座標の幾何学的特徴量としてプロファイル面積及び楕円率を求める。この時の選択するX線フィルタは、図16に示すように、あらかじめ設定した幾何学的特徴量から用いるべき最適なX線フィルタを求めるテーブルにより最適なX線フィルタ31を決める。
例えば、図16においてプロファイル面積値がS1で楕円率がOval1である場合は、幾何学的特徴量の組み合わせより、最適なX線フィルタ31としてX線管電圧140kVにはX線フィルタF3をX線管電圧80kVにはX線フィルタ無しを決定する。
このようにして、フィルタ制御部38は被検体の各z軸座標での幾何学的特徴量であるプロファイル面積Sx(z),Sy(z)及び楕円率Oval(z)を用いて、最適なX線フィルタ31を決定する。
なお、本実施例においては幾何学的特徴量としてプロファイル面積と楕円率しか用いていないが、スカウト像上で閾値処理により骨を抽出して骨の位置や骨の大きさに関連する幾何学的特徴量を用いて最適なX線フィルタ31を求めるテーブルを用いてX線フィルタ31を決定しても良い。
また、上記における最適なX線フィルタ31を求めるテーブルには撮影条件の変数が入っていないが、X線管電流値など最適なX線フィルタ31を決定するのに影響する撮影条件の変数を入れても良い。またそのテーブルには、最適なX線フィルタ31を決定するのに抽出したい物質として、造影剤や骨などの物質もX線管電圧ごとのX線吸収係数が変化するため、最適なX線フィルタ31を決定するのに影響する変数として加えても良い。
ステップD49,ステップD50においては、撮影条件と最適なX線フィルタ41により、X線管電圧80kV及びX線管電圧140kVでの撮影を行う。
なお、あるz軸座標での撮影が終わると次のz軸座標での撮影のために撮影テーブル10のクレードル12をz方向に動かすようなスキャンを実施する場合は、フィルタ制御部38はこのz方向の移動時間中にX線フィルタ41を変えることができる。このため、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVの撮影の間にX線オフの時間Δtがある場合は、X線管電圧80kVの最適なX線フィルタとX線管電圧140kVの最適なX線フィルタを交互に切り換えながら、さらにz軸座標ごとに各最適フィルタを変えながら撮影を行うことができる。
これ以降の画像再構成部分は、実施形態1において説明した図6のステップD5からステップD10と同様に処理することができる。
このように、本実施形態においては、特徴特定部37は各々の被検体のz軸座標で被検体のプロファイル面積などの幾何学的特徴量を求める。そして、フィルタ制御部38は、各々のz軸座標においてX線管電圧80kVとX線管電圧140kVの最適なX線フィルタ31を設定することができる。
尚、本実施形態においてヘリカルスキャンを行う場合は、X線フィルタ31を切り換える時間が少ない。このため、フィルタ制御部38はX線管電圧140kVの低いX線エネルギーのX線スペクトルを低減させることで、より実効X線エネルギーを高くシフトさせ、しかもX線管電圧80kVのX線エネルギーをS/N不足にならないX線フィルタ31を選択する。
つまり、図15のステップD42において、特徴特定部37は被検体の各z軸座標の幾何学的特徴量であるプロファイル面積、楕円率などを決めて、X線管電圧80kVとX線管電圧140kVとでの共通の最適のX線フィルタを求めるテーブルから、最適のX線フィルタを求める。
また、図15のステップD49,ステップD50においてはX線フィルタ31をX線管電圧80kVのX線データ収集とX線管電圧140kVのX線データ収集において切り換えることなく1つのX線フィルタ31でX線データ収集を行う。
このように、図15の処理のフローを一部変更することで、X線フィルタの切り換え時間がない場合に、各z軸座標においてX線管電圧80kVとX線管電圧140kVとの最適な共通のX線フィルタを設定することができる。これにより、S/Nが良く、コントラストの良いデュアルエネルギー撮影の断層像が得ることができる。
尚、本実施形態においては、実施形態2のX線CT装置100を用いたが、実施形態1のX線CT装置100等、他のX線CT装置を用いてもよい。
(実施形態4)
本実施形態においては、ビューごと又は複数ビューごとにX線管電圧を切り替える機能を有するX線CT装置の例について説明する。
1つのX線管21で、図17(a)、図17(b)のように、ミリ秒単位の高速でビューごと又は数ビューごとにX線管電圧140kVとX線管電圧80kVとを切り換える場合は、機械的にX線フィルタ31を切り換えることが容易ではない。
図17(a)で示すような撮影方法は、奇数ビューでX線管電圧80kVのX線投影データを収集し、偶数ビューでX線管電圧140kVのX線投影データを収集する。又は、図17(b)で示すような撮影方法は、複数の連続したビューごとにX線管電圧80kVのX線投影データ収集と、X線管電圧140kVのX線投影データ収集を交互に繰り返す。
このような場合も、フィルタ制御部38はX線管電圧140kVの低いX線エネルギーのX線スペクトルを低減させることで、より実効X線エネルギーを高くシフトさせ、しかもX線管電圧80kVのX線エネルギーをS/N不足にならない程度にX線をフィルタするX線フィルタ31を選択する。
(実施形態5)
本実施形態においては、X線焦点が2つあるX線管21を有するX線CT装置の例を示す。即ち、例えば、1つのX線焦点がX線管電圧80kVで出力し、もう1つのX線焦点がX線管電圧140kVを出力する。
図18A(a)の回転陽極型のX線管21では、軸129で回転する回転陽極127の回転方向に並んだ2つのフィラメント121−1、121−2より電子ビームを出力する。その電子ビームは2つの第1X線焦点131,第2X線焦点133で回転陽極127に当たりX線を出力する。グリッド122−1、122−2で電子ビームを制御することにより、どちらかの一方の電子ビームからのみ電子ビームを出力し、X線を出力することができる。
図18B(b)においては、固定陽極型のX線管21において透過型の陽極を持つX線管で2つの独立したフィラメント121から電子ビームを各々独立に出力するように制御することで、陽極125に当たりX線を発生させる。
このX線管は通常どちらか1つのフィラメント121から電子ビームが出力するように制御する。X線は薄い陽極を透過してX線管21の外に出力するため、陽極125の裏側にX線フィルタ31を配置しておくことにより、各々のX線焦点からのX線は最適なX線フィルタ31を透過して最適なX線スペクトルのX線ビームとして出力する。第1X線焦点131及び第2X線焦点133はそれぞれのフィラメント121からの電子ビームを用いてX線を発生させることができる。各々のフィラメント121は交互に点灯することもできる。フィラメント点灯の時間遅れが問題になる時はフィラメント121に電子ビームを遮断するグリッドを設けて各々のフィラメント121のグリッドを制御してフィラメント121からの電子ビームを交互に切換えられるようにしても良い。
図18B(c)に示す1つのフィラメント121のX線管21では、回転陽極127の回転方向にフィラメント121から出力する電子ビームを磁場又は電場135により偏向制御を行うことができる。これによりX線は電子ビームを回転陽極127の回転方向に振ることで、第1X線焦点131と第2X線焦点133とでX線を出力することができる。
以上の2つの焦点を持つX線管21は、1ビューごと、又は数ビューごとにX線管電圧切り換えて出力する。例えば、第1X線焦点131はX線管電圧140kVで第1フィラメント121からに電子ビームを出力しX線を出力する。第2X線焦点133はX線管電圧80kVで第2フィラメント121からに電子ビームを出力しX線を出力する。
このように、X線管21から出力するX線はそれぞれ違う位置となるため、それぞれ違うX線フィルタ31を通すことができる。この時の第1X線フィルタ及び第2X線フィルタはX線管電圧140kVにおいて高いエネルギーに実効エネルギーをシフトさせ、X線管電圧80kVにおいて低いX線エネルギーの成分の強度を強いままでS/Nを劣化させないように選択する。
図18A(a)、図18B(b)のように、1つのX線管の中に2つのX線焦点が存在し、第1X線焦点131及び第2X線焦点133に異なる第1X線フィルタ31−1及び第2X線フィルタ31−2をかけることで、X線管電圧とX線フィルタとを高速に切り換えることができる。また、このX線管21の構成は片方のX線焦点にX線フィルタ31をかけ、もう片方のX線焦点にX線フィルタをかけないようにすることもできる。なお、第1X線フィルタ31−1,第2X線フィルタ31−2はX線管21の内部又はX線管21の表面あたりに配置するほうが良い。
この場合の画像再構成部34は、通常1回転でNビューのX線データ収集を行うとすると、それぞれN/2ビューのX線投影データで断層像を画像再構成することとなる。このため、撮影視野を大きくする必要のある肺野部、腹部においては撮影視野の周辺部においてエリアジング・アーチファクト(aliasing artifact)の発生する可能性がある。この場合はビュー方向の補間処理又は加重加算処理で補えば良い。
図19は、このようなX線管21を用いた1ビューごと又は数ビューごとにX線管電圧140kVとX線管電圧80kVとを切り換えながらコンベンショナルスキャン又はヘリカルスキャンによるデュアルエネルギー撮影を行うフローチャートを示す。
ステップD61では、スカウト像の撮影を行う。
ステップD62では、操作者は、デュアルエネルギー撮影の撮影モードを選択した後に、強調したい物質を骨であるカルシウム、造影剤であるヨウ素などを選択する。これによって、フィルタ制御部38は、X線管電圧140kVの第1X線焦点131に対して、最適な第1X線フィルタ31−1を選択し、X線管電圧80kVの第2X線焦点133に対して、最適な第2X線フィルタ31−2を選択する。被検体の外観やスカウト像の結果から、被検体が小さいと判断した場合には、フィルタ制御部38は、X線管電圧140kVの実効X線エネルギーを高いX線エネルギー側にシフトさせる別のX線フィルタ31をさらに設定する。
ステップD63では、1ビューおき、又は数ビューおきにX線管電圧140kVとX線管電圧80kVを切り換えながらX線データ収集を行う。
ステップD64では、X線管電圧80kVのX線投影データを集め、抜けたビューのX線投影データを補間処理又は加重加算処理して補う。
ステップD65では、X線管電圧140kVのX線投影データを集め、抜けたビューのX線投影データを補間処理又は加重加算処理して補う。
ステップD64の次は図6のステップD5へ続く。
ステップD65の次は図6のステップD6へ続く。
なお、ステップD64,ステップD65においては、図20に示すようにX線管電圧80kVのX線投影データのみを抽出したX線投影データ、及びX線管電圧140kVのX線投影データのみを抽出したX線投影データを求める。
画像再構成部34は各X線管電圧のX線投影データにおいて抜けているX線投影データを補間処理又は加重加算処理し、全ビューのX線投影データを求める。
2つのX線焦点により撮影ではX線管電圧80kVとX線管電圧140kVの第1X線焦点121,第2X線焦点133の位置が回転陽極127の回転方向に少しずれている。このため、画像再構成部34は、X線焦点位置のずれを考慮して三次元逆投影処理を行うようにする。
以上のようにして、実施形態4は、X線焦点を2つ有する1つのX線管21において、各X線焦点でX線管電圧を切り換え、最適なX線フィルタを用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態においては、低いX線管電圧として80kVを用い、高いX線管電圧として140kVを用いているが他のX線管電圧でもかまわない。
また、2つのX線管を用いた場合の2つのX線管のずれ角を90度、又は180度
として説明したが、例えば120度、60度などのずれ角でも同様の効果を出すことができる。
上述の実施形態としては、強調したい物質として骨又は造影剤、カルシウム又はヨウ素を用いているが、脂肪などの物質でも同様の効果を出せる。
上述の実施形態においては、撮影テーブル10のクレードル12をz方向に動かすことにより、ヘリカルスキャン又はコンベンショナルスキャンを実現している。しかし、走査ガントリ20又は走査ガントリ20内の回転部15を撮影テーブル10のクレードル12に対して動かすことによっても、相対的に同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態において、各列ごとに係数の異なった列方向(z方向)フィルタの係数を各チャネルの前処理された、またはビームハードニング補正されたX線投影データの列方向に重畳することにより、画質のばらつきを調整することによって、各列において均一なスライス厚とし、よりアーチファクトを抑制し、よりノイズが低減された画質を得ることができる。
本実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。 (a)2つのX線データ収集系の第3世代X線データ収集系を示す図である。 (b)X線管が2つで多列X線検出器24が1つの第3世代X線データ収集系を示す図である。 (c)2つのX線管球による第4世代X線データ収集系での各チャネルのX線検出器ファンの位置関係を示す図である。 (a)3つのX線データ収集系の第3世代X線データ収集系を示す図である。 (b)平面検出器を用いた3つのX線データ収集系の第3世代X線データ収集系を示す図である。 (c)3つのX線管球による第4世代X線データ収集系での各チャネルのX線検出器ファンの位置関係を示す図である。 (d)4管球4検出器の第3世代X線データ収集系を示す図である。 (a)各X線管電圧のX線スペクトル分布を示す図である。 (b)X線フィルタ31をかけた後のX線スペクトル分布を示す図である。 (a)大きな断面積の部位での被検体における抽出したい物質のX線吸収係数の変化を示す図である。 (b)小さな断面積の部位で薄いX線フィルタF1をかけた場合の被検体における抽出したい物質のX線吸収係数の変化を示す図である。 X線フィルタを各X線管電圧で最適化した画像空間による画像再構成処理のデュアルエネルギー撮影のフローチャートを示す図である。 デュアルエネルギー比による各物質の分類を示す図である。 投影データ空間におけるX線吸収係数でのX線管電圧依存情報の断層像の求め方を示す。 (a−1)〜(a−3)2管球2検出器の第3世代X線データ収集系を示す図である。(b)ヘリカルスキャンのX線データ収集開始時とX線データ収集終了時のX線無駄被爆を示す図である。 別のX線CT装置100の構成ブロック図である。 (a)連続したスキャンでX線管電圧を切り換える場合を示す図である。 (b)連続したスキャンでX線管電圧を切り換える場合(X線管電圧切り換えのX線オフありの場合)を示す図である。 X線管が1つの場合のX線データ収集とX線フィルタ切り換えのタイミングを示す図である。 各z方向座標位置における被検体の幾何学的特徴量の変化を示す図である。 各z方向座標位置の各方向におけるスカウト像のプロファイルからの楕円率の求め方を示す図である。 被検体のスカウト像より各z方向座標位置のX線フィルタを最適化するフローチャートである。 幾何学的特徴量からフィルタを求めるテーブルを示す図である。 (a)ビューごとにX線管電圧を切り換える場合を示す図である。 (b)数ビューごとにX線管電圧を切り換える場合を示す図である。 (a)2つのフィラメントで2つのX線焦点がある回転陽極を示す図である。 (b)2つのフィラメントで2つのX線焦点がある固定陽極を示す図である。 (c)1つのフィラメントで磁場又は電場で振る場合の2焦点の回転陽極を示す図である。 X線管のX線焦点を切り換えながら行う画像空間におけるデュアルエネルギー撮影の処理のフローチャートである。 X線管電圧80kVのX線投影データとX線管電圧140kVのX線投影データの抽出及びその補間処理又は加重加算処理を示す図である。
符号の説明
1 …… 操作コンソール
2 …… 入力装置
3 …… 中央処理装置
5 …… データ収集バッファ
6 …… モニタ
7 …… 記憶装置
10 …… 撮影テーブル
12 …… クレードル
15 …… 回転部
20 …… 走査ガントリ
21−1,21−2 …… X線管
22 …… X線制御部
23−1,23−2 …… コリメータ
24−1,24−2 …… 多列X線検出器
25−1,25−2 …… データ収集装置(DAS)
26 …… 回転制御部
28 …… ビーム形成フィルタ
29 …… ガントリ制御部
31 …… X線フィルタ
33 …… 前処理部
34 …… 画像再構成部
35 …… デュアルエネルギー像再構成部
37 …… 特徴特定部
38 …… フィルタ制御部

Claims (10)

  1. 第1エネルギースペクトルを有する第1X線と、前記第1エネルギースペクトルとは異なる第2エネルギースペクトルを有する第2X線とを被検体に照射するX線照射部と、
    前記第1X線及び前記第2X線それぞれ独立に前記被検体と前記X線照射部との間に配置するX線フィルタの適用を制御するフィルタ制御部と、前記被検体の前記第1X線による第1X線投影データ及び前記第2X線による第2X線投影データをそれぞれ収集するX線データ収集部と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記X線照射部は、前記第1X線を発生する第1X線発生装置と、前記第2X線を発生する前記第1X線発生装置とは異なる第2X線発生装置とを有することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記X線照射部は、一つのX線発生装置に前記第1X線を発生する第1焦点と、前記第2X線を発生する前記第1焦点とは異なる第2焦点とを有することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 前記X線照射部は、一つのX線発生装置で交互に前記第1X線と前記第2X線とを照射し、
    前記フィルタ制御部は、前記第1X線と前記第2X線との切り換え時に、前記X線フィルタを切り換えることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  5. 前記被検体の幾何学的特徴量を特定する特徴特定部をさらに備え、
    前記フィルタ制御部は、前記幾何学的特徴量に基づいて前記X線フィルタの適用を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  6. 前記X線フィルタは、前記幾何学的特徴量に基づいて、前記第1X線又は前記第2X線の線質を制御することを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  7. 前記フィルタ制御部は、前記第1X線と前記第2X線とによる前記被検体の物質のX線吸収係数の差を大きくするように、前記X線フィルタを制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  8. 前記フィルタ制御部は、前記被検体の物質に係る第1X線投影データ及び第2X線投影データの出力の差に基づき、前記X線フィルタを制御することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  9. 前記フィルタ制御部によるX線フィルタを制御を、前記幾何学的特徴量が所定量よりも小さい場合において行うことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のX線CT装置。
  10. 前記第1エネルギー投影データと前記第2エネルギー投影データに基づいて、X線吸収係数のX線管電圧依存情報を表す断層像を画像再構成するデュアルエネルギー画像再構成部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のX線CT装置。
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