JPWO2016190219A1 - X線画像生成装置およびその制御方法 - Google Patents

X線画像生成装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

X線画像生成装置において、第1焦点位置と第2焦点位置を有するX線管と、X線検出器と、前記焦点位置を切り替える焦点位置制御回路と、X線の照射エネルギーレベルを切り替える照射エネルギー切り替え手段と、前記X線検出器の出力に基づいてX線画像を生成する画像処理回路と、焦点位置切り替えパターンとX線照射エネルギー切り替えパターンとを保持する記憶装置と、を備え、前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点位置の数と前記第2焦点位置の数との比と、X線照射エネルギーレベルにおける前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比が、同じとなるように、前記X線の照射エネルギー切り替えパターンが構成されている。

Description

本発明は、X線CT装置などのX線を使用して画像を生成するX線画像生成装置およびその制御方法に関する。
X線管から照射されるX線の焦点位置を複数個有し、焦点位置を選択的に切り替えてX線画像生成装置の空間分解能を向上する技術が知られている。X線の焦点位置を切り替えることが可能なX線管としては、例えばX線管の陽極上の焦点位置を電磁的に移動可能な構造を備えており、上記焦点位置を例えばA位置とB位置とに電磁的に選択的に移動させることにより、焦点位置を切り替えることができるフライングフォーカルスポット(以下FFSと記す)X線管が知られている。
更に、X線の照射エネルギーを切り替えることにより、撮影部位の物質を弁別する技術が知られている。X線が物体に照射された時のX線の物体よる減衰を表すX線減弱係数は、X線が照射される物体の材質や密度などによって変化する。例えば人体においては、消化管や血管などの軟部組織ではX線減弱係数が低く、一方骨や歯などではX線減弱係数が高い。
また人体の同じ組織にX線が照射された場合であっても、X線の照射エネルギーが低い場合にはX線減弱係数が高くなり、X線の照射エネルギーが高い場合にはX線減弱係数は低くなる傾向にある。このためある照射エネルギーで撮影した撮影画像において、近い輝度値が示されて物質の違いが弁別できない場合であっても、異なる照射エネルギーに切り替えてX線撮影を行うことにより、異なる輝度値が示されることになる。
この方法を利用することにより、物質の違いを弁別することが可能となる。このようにX線の照射エネルギーを切り替えることにより、人体の撮影対象における物質の弁別をより向上させることができる。X線の照射エネルギーを複数切り替えて行う撮影を以下デュアルエネルギー撮影と記す。
上述したようにX線管の焦点位置を切り替えてX線画像の空間分解能を向上する技術と物質の弁別に優れたX線の照射エネルギーを切り替える技術との両方の技術を特許文献1のように組み合わせると、空間分解能を向上させ、人体の撮影対象における物質の弁別をより向上させて、より望ましいX線の撮像が可能となる。
国際公開第2009/011422号
しかし、前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比と、前記第1エネルギーレベルにおいて撮影のためのX線が照射される前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比を最適化しておかないと、余ったビューのデータが取得されてしまい過剰にX線が照射されてしまう問題があった。
本発明の目的は、X線管の焦点位置を切り替えることによりX線画像の空間分解能が向上する技術とX線の照射エネルギーを切り替えることにより物質の弁別性が向上する技術との両方の技術を利用して撮影することができるX線画像生成装置およびその制御方法を提供することであり、特に過剰なX線の照射を防ぐことにある。
X線を照射するために少なくとも第1位置に第1焦点と第2位置に第2焦点を有するX線管と、前記X線管に対向して配置されたX線検出器と、前記X線管及び前記X線検出器を備えて回転する回転体と、前記X線管の焦点位置を切り替える焦点位置制御回路と、前記X線管から照射されるX線の照射エネルギーレベルを少なくとも第1エネルギーレベルと第2エネルギーレベルに切り替える照射エネルギー切り替え手段と、前記X線検出器の出力に基づいてX線画像を生成する画像処理回路と、前記X線管の焦点位置を制御するための焦点位置切り替えパターンと前記X線の照射エネルギー切り替えパターンとを保持する記憶装置と、を備え、前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比と、前記第1エネルギーレベルにおいて撮影のためのX線が照射される前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比が、同じとなるように、前記X線の照射エネルギー切り替えパターンが構成されており、前記焦点位置切り替えパターンに従って前記焦点位置制御回路が、前記X線管の焦点位置を切り替え、前記照射エネルギー切り替えパターンに従って前記照射エネルギー切り替え手段が、前記X線管から照射されるX線の照射エネルギーレベルを切り替える、ことを特徴とする。
X線管の焦点位置を切り替えることによりX線画像の空間分解能が向上する技術とX線の照射エネルギーを切り替えることにより物質の弁別性が向上する技術との両方の技術を利用して撮影することができるX線画像生成装置およびその制御方法を得ることができ、特に過剰なX線の照射を防ぐことができる。
本発明が適用されたX線CT装置の一実施形態を示すブロック図 図1に記載のシステム制御回路352の構成を示すブロック図 X線CT装置100のX線撮影操作およびX線撮影動作を説明するフロー図 図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第1例を説明する説明図 図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第2例を説明する説明図 図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第3例を説明する説明図 図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第4例を説明する説明図 図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第5例を説明する説明図 図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第6例を説明する説明図 図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第7例を説明する説明図
1.はじめに
発明を実施するための形態(以下実施例と記す)を、以下図面を使用して説明する。以下で説明する実施例で、略同様の構成に対して同じ符号を付す。同じ符号の構成は互いに略同様の作用を為し、略同様の効果を奏する。これら同じ符号の構成に関して、説明の繰り返しを省略する場合がある。以下の実施例が解決する課題や奏する効果は実施例の説明の中で説明するが、以下に説明する実施例は上記「発明が解決しようとする課題」の欄に記載の課題だけでなく、それ以外の課題をも解決することができる。また以下に説明する実施例は上記「発明の効果」の欄に記載した効果だけでなく、それ以外の効果をも奏することができる。
本発明は、X線を被検者に照射して被検者のX線画像を生成するX線画像生成装置およびその制御方法に適用でき、大きな効果を奏することができる。X線画像生成装置の中で特にX線CT装置に適用することにより、より大きな効果を奏することができるので、X線画像生成装置の代表例として、本発明をX線CT装置100に適用した実施例を以下説明する。
2.X線CT装置100の構成およびX線撮影動作の説明
(1)X線CT装置100の構成の説明
図1は、本発明が適用された一実施例であるX線CT装置100の構成を説明するブロック図である。X線CT装置100は、被検者にX線を照射してX線の透過量に基づく投影データを収集するスキャンガントリ部200や、収集した上記投影データを処理してX線画像を生成する画像処理機能を有すると共にX線CT装置100を総合的に制御する制御部350や、操作のための指示を行ったり必要なデータを入力したり生成されたX線画像を含む種々の情報を表示したりする入出力部300を、有している。
スキャンガントリ部200は、開口202を有する回転盤210を有しており、開口202には図示を省略する寝台に載置された被検者が配置される。回転盤210は例えば円形形状を成していて、被検者が配置される開口202を挟んで一方側にX線を照射するためのX線管220およびX線管220から照射されたX線の照射角でなどを調整するコリメータ222が設けられている。開口202を挟んで他方側に被検者の計測部位を透過したX線量を検出するX線検出器224が配置され、さらにX線検出器224で検出されたX線透過量に係るデータを収集して制御部350が有する画像処理回路へ送る作用をするデータ収集回路226が設けられている。
スキャンガントリ部200は、回転盤210の回転などを制御したり、図示しない寝台の移動を制御したり、X線管220を制御したりするスキャナ制御回路240を有している。X線管220には焦点位置の切り替えを制御できる例えばFFSX線管が使用されており、システム制御回路352の指令に基づいて焦点位置制御回路246によりX線管220の焦点位置が選択的に切り替えられる。またシステム制御回路352の指令に基づいて管電圧制御回路242により、管電圧発生回路248が発生する管電圧が制御される。
管電圧制御回路242により制御された管電圧が管電圧発生回路248からX線管220へ供給される。X線管220へ供給される管電圧を高くするとX線管220から照射されるX線の照射エネルギーが増大し、逆にX線管220へ供給される管電圧を低くするとX線管220から照射されるX線の照射エネルギーが減少する。このように管電圧発生回路248が出力する管電圧を制御することにより、X線管220から照射されるX線の照射エネルギーが、制御される。
スキャナ制御回路240の指示に基づいて回転盤210の回転速度が制御される。またスキャナ制御回路240の指示に基づいて被検者を載置した寝台が移動する。回転盤210の回転および被検者を載置した寝台の移動が制御されることにより、X線管220が被検者に対してその外側を螺旋形に移動する状態にすることができる。例えば回転盤210が1回転する間に1000回X線画像の撮影が行われるようにすなわちビュー数が1000となるようにX線管220やX線検出器224、データ収集回路226が制御されるとすると、回転盤210が0.36度回転する毎にデータ収集回路226によりデータが収集される。この動作と共に寝台が移動すると、ビュー数が1000の状態で撮影されながら撮影方向が螺旋状に移動する。
制御部350は、画像処理回路360とシステム制御回路352を有している。画像処理回路360は各ビューで撮影されたデータをデータ収集回路226から受け取り、画像処理を行い、立体画像を含むX線画像を生成する。生成された画像は例えば入出力部300が有する表示装置304に表示される。
X線CT装置100には入出力部300が設けられており、入出力部300は例えば入力装置302や表示装置304を有している。入出力部300は制御部350と共に配置されているだけでなく、スキャンガントリ部200にも図示していないが入力装置や出力装置が設けられており、操作者がスキャンガントリ部200の近傍から操作のための入力を行うことができる。またスキャンガントリ部200に設けられた図示していない表示装置を使用して、スキャンガントリ部200の近傍で必要な情報を表示して必要な確認を行うことができる。
制御部350が有するシステム制御回路352の具体的な構成の一例を図2にブロック図として示す。システム制御回路352は少なくとも中央処理装置(CPUと記す)354と記憶装置356を有している。記憶装置356には焦点位置とX線照射エネルギーの制御データが、例えば記憶領域358に記憶されている。記憶装置356に記憶されている焦点位置とX線照射エネルギーの制御データは、例えば以下の図4〜図11に示す制御パターンで表されるデータである。これらデータの内から、X線撮影部位やスケジュール等に基づいて、あるいは操作者の指示に基づいて、適切なデータが選択されて、制御に使用される。
制御部350が有するシステム制御回路352が、X線CT装置100全体の制御を行う。CPU354と記憶装置356や上述した画像処理回路360、入出力部300、スキャナ制御回路240等とは、データの送受を行うためのバスラインで接続さている。
(2)X線CT装置100の動作概要の説明
X線撮影のスケジュールの設定や、X線撮影のスケジュールに基づく焦点位置の制御パターンの設定およびX線の照射エネルギーの制御パターンの設定が行われると、これらの設定に基づいてX線撮影が行われる。なおX線撮影スケジュールの設定や焦点位置の制御パターンの設定、X線の照射エネルギーの制御パターンの設定、について以下で図3を用いて説明する。
図1や図2においてシステム制御回路352は、X線撮影スケジュールに従ってスキャナ制御回路240を介して回転盤210の回転を制御する。さらにスキャナ制御回路240を介して焦点位置制御回路246や管電圧制御回路242が制御され、X線管220の選択された焦点位置から選択された照射エネルギーでX線がスケジュールされたビュー位置で照射される。照射されるX線はコリメータ222により所定の扇状X線ビームを形成し、上述したように被検者の撮影部位を透過してX線検出器224でX線強度が検出される。X線検出器224でX線ビームの強度に応じた電気信号を投影データとして発生し、投影データが上述したようにデータ収集回路226により画像処理回路360へ送られる。
システム制御回路352からスキャナ制御回路240へ焦点位置の制御パターンやX線照射エネルギーの制御パターンに基づく指令が送られるので、X線管220の焦点位置やX線照射エネルギーがこれら制御パターンに基づいて制御される。例えば後述するように、各ビューに対応して焦点位置の制御パターンやX線照射エネルギーの制御パターンが決められている場合に、各ビュー毎に焦点位置の制御パターンやX線照射エネルギーの制御パターンに基づいて、X線管220の焦点位置やX線照射エネルギーが制御され、上記パターンに沿ったX線管220からのX線に従ってビュー毎に投影データがX線検出器224から出力され、データ収集回路226によって画像処理回路360へ送られる。
画像処理回路360において、上記ビュー毎に検出された投影データを処理することにより、空間分解能の向上しさらに撮像部位における物質の弁別が向上した画像生成処理が可能となり、良質の画像を生成することができる。
3.X線CT装置100のX線撮影操作およびX線撮影動作の説明
図3は、X線CT装置100のX線撮影操作およびX線撮影動作を説明するフロー図である。操作者がX線撮影を行うために、ステップS100で始まる検査手順を実行する。
ステップS110で、X線撮影を行う被検者の部位あるいは撮影位置を入出力部300から入力する。さらにX線撮影の条件を入力する。ステップS110で行う撮影条件の入力および設定に加えて、必要に応じてステップS120で、焦点位置の切り替えによる撮影やX線照射エネルギーの切り替えによる撮影を行うかどうかや、その切り替えパターンの選択と設定が行われる。これらの選択と設定を図示のごとく方法1のように自動的に行っても良いし、方法2のように操作者が指示して行っても良い。
決定された焦点位置の切り替えパターンやX線照射エネルギーの切り替えパターンが、例えば図2に記載の記憶装置356に保持され、保持された焦点位置の切り替えパターンやX線照射エネルギーの切り替えパターンに従って焦点位置制御回路246がX線管220の焦点位置を制御し、また管電圧制御回路242がX線管220から照射されるX線照射エネルギーを制御する。次にこれらについてそれぞれ説明する。
方法1では、ステップS122において、焦点位置の切り替えを行うかどうかやX線照射エネルギーの切り替えを行うかどうかが自動的に決定される。ステップS110でX線の撮影対象部位や撮影条件が入力されると、図2に示すCPU354が入力された撮影対象部位や撮影条件が予め記憶領域358に記憶されている焦点位置の切り替えを行うかどうかの要件を満たすか判断し、上記要件を満たす場合には、焦点位置切り替え撮影が選択される。
同様にCPU354が、入力された撮影対象部位や撮影条件が予め記憶領域358に記憶されているX線照射エネルギーの切り替えによる撮影を行うかどうかの要件を満たすか判断し、上記要件を満たす場合には、照射エネルギー切り替え撮影が選択される。これらの選択に基づいてそれぞれの切り替えパターンが決定される。決定されたそれぞれの切り替えパターンは、例えば記憶領域358に保持され、焦点位置制御回路246や管電圧発生回路248の制御に使用される。
またより効果的な撮影を行うために、以下で説明のごとく、複数の切り替えパターンを用意しておくことが可能である。この場合には、ステップS110で入力された撮影対象部位や撮影条件に基づいて、予め記憶されている複数の焦点位置切り替えパターンの中から、より適切な焦点位置切り替えパターンが選択される。同様に予め記憶されている複数のX線照射エネルギーの切り替えパターンの中から、より適切なX線照射エネルギーの切り替えパターンが選択される。
焦点位置切り替えパターンやX線照射エネルギーの切り替えパターンが設定されると、ステップS110で入力された回転盤210の1回転あたりのビュー数(あるいはビューレート)の変更が必要かどうかを、ステップS124で判断し、必要な場合には先に入力されていた回転盤210の1回転あたりのビュー数に近い値のビュー数(あるいはビューレート)が決定される。
このように焦点位置切り替え撮影やX線照射エネルギー切り替え撮影を行うかどうかの決定を、CPU354が自動的に行うことにより、操作者の負担を低減できる。また操作者の経験の有無に影響されることなく、適切な設定が可能となる。
方法2は、焦点位置切り替え撮影やX線照射エネルギー切り替え撮影を行うかどうかの判断を操作者が入力する方法である。ステップS132で、例えばCPU354が表示装置304に焦点位置切り替え撮影を行うかどうかの確認画面を表示すると、この確認画面の表示に従って焦点位置切り替え撮影を行うかどうかの指示が入出力部300から操作者によって入力される。同様に照射エネルギー切り替え撮影(デュアルエネルギー撮影)を行うかどうかの確認画面が、CPU354によって表示装置304に表示されると、操作者は照射エネルギー切り替え撮影行うかどうか指示を入出力部300から入力する。
焦点位置切り替え撮影を行う指示や照射エネルギー切り替え撮影を行う指示が、ステップS132やステップS134で行われると、ステップS136で焦点位置切り替えパターンや照射エネルギー切り替えパターンが決定される。ステップS136での切り替えパターンの決定方法として3つの方法が考えられる。第1の方法は、一種類の切り替えパターンが用意されていて、焦点位置切り替えや照射エネルギー切り替えを行うことが選択されると、用意されていた一種類の切り替えパターンが、これらの切り替えパターンとして決定される方法である。
第2の方法は、複数の切り替えパターンが予め用意されて記憶装置356に記憶されており、ステップS110の撮影部位あるいは撮影条件に基づいて、CPU354により自動的に選択されて決定される方法である。
第3の方法は、操作者が切り替えパターンを決定する方法である(図示なし)。なお操作者が切り替えパターンを決定し易くするために、CPU354によって表示装置304に複数の切り替えパターンの情報が表示され、表示装置304に表示された切り替えパターンの中から、操作者が実行する切り替えパターンを決定するようにしても良い。また焦点位置切り替えパターンは上述の第1の方法あるいは第2の方法で自動的に決定し、照射エネルギー切り替えパターンに関して、操作者が選択するようにしても良い。
ステップS136で焦点位置切り替えパターンや照射エネルギー切り替えパターンが決定されると、先に入力されていた回転盤210の1回転あたりのビュー数(あるいはビューレート)が焦点位置切り替えパターンや照射エネルギー切り替えパターンに対応できる条件を満たしているかどうかが判断され、もし上記切り替えパターンに対応できる条件を満たしていない場合には、
先に入力されていたビュー数(あるいはビューレート)に最も近い値のビュー数(あるいはビューレート)が決定される。例えば選択された焦点位置のパターン周期と選択された管電圧のパターン周期の公倍数となるようにビュー数が定められる。
上述のステップS110やステップS120で、撮影部位や撮影条件が設定されると、これら設定された条件が、例えば記憶装置356に保持される。保持された条件に従ってステップS150でX線撮影が実行される。即ち決定された焦点位置切り替えパターンに基づいて、焦点位置制御回路246により、X線管220の焦点位置が選択的に切り替えられ、また照射エネルギー切り替えパターンに基づいて、管電圧制御回路242により制御された電圧が管電圧発生回路248からX線管220に印加される。上記焦点位置切り替えパターンや照射エネルギー切り替えパターンに基づいて各ビューのX線撮影が行われ、各ビューにおけるX線検出器224から出力された撮影データが、データ収集回路226から画像処理回路360に送られ、例えば記憶装置356などに記憶される。
予め設定された撮影部位の撮影中あるいは撮影が終了すると、ビュー毎に検出されて保持された上記投影データに基づいて、ステップS160で画像処理回路360によりX線画像の生成が行われ、2次元や3次元のX線画像が生成される。ステップS170で、生成されたX線画像が表示装置304に表示されたり、さらに操作者の指示に基づいて図示しない保存のための内部あるいは外部記憶装置に保存されたりする。ステップS180でX線撮影作業を終了する。
図3では、代表的な例として、方法1と方法2とを示したが、これらの内の一方の方法のみで特に問題は無いが、例えばステップS110における入力内容に基づいて、方法1あるいは方法2のどちらかが選択されるようにしても良い。
4.焦点位置の切り替えパターンや照射エネルギーの切り替えパターンの説明
上述した焦点位置の切り替えパターンや照射エネルギーの切り替えパターンを図4から図10に示す。これらについて以下順に説明する。
X線CT装置において、焦点位置の切り替えや照射エネルギーの切り替えを行わない、通常のX線撮影において、X線CT装置の回転盤210の1回転当たりのビュー数をNとし、さらに具体的にビュー数Nが1000ビューであったと仮定する。次に焦点位置を切り替え、一方を焦点位置A、他方を焦点位置Bとする。焦点位置Aと焦点位置Bとを交互に切り替えるようにするとき、回転盤210の1回転当たりのビュー数を2000とすることにより、焦点位置Aの状態の回転盤210の1回転当たりのビュー数を1000とすることができ、同様に焦点位置Bの状態の回転盤210の1回転当たりのビュー数を1000とすることが可能となる。このように焦点位置Aと焦点位置Bの切り替えを行うことにより、X線検出器224の検出素子の数を増加させなくても、空間分解能を向上させることができる。
4.1 図4に記載の第1例の切り替えパターンの説明
図4は、図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第1例を説明する説明図であり、列C42は被検者の撮影のための回転盤210の1回転におけるビュー番号を表している。列C44は各ビューに対応したX線管220の焦点位置を表しており、表示Aは焦点位置A、表示Bは焦点位置Bを表している。列C46は、X線管220から照射されるX線のエネルギーを制御するためのX線管220へ加えられる管電圧の状態を表しており、表示Hは高いX線照射エネルギーを得るために高い管電圧を印加することを表しており、表示LはX線照射エネルギーを低くするために低い管電圧をX線管220へ印加することを表している。
図4に記載の第1例の焦点位置切り替えパターンおよびX線照射エネルギー切り替えパターンに基づいて、X線撮影のための各ビューに対応して、X線管220が照射するX線の焦点位置を切り替えると共に、X線管220に印加される管電圧が切り替えられる。回転盤210の回転に基づいて、列C42に記載の各ビューの回転角ごとにX線管220の焦点位置が列C44に記載のパターンに従って切り替えられる。図4の第1例で示す如く、焦点位置Aによる撮影を一定周期毎に行い、また焦点位置Bによる撮影を一定周期毎に行うことにより、X線撮影の空間分解能を向上することができる。
図4に記載の第1例では、列C44に記載の如く、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1である。このため、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、1対1となるように列C46のパターンが定められている。またX線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、やはり1対1となるように列C46のパターンが定められている。このような関係を維持することで、良好なX線画像を得ることができる。
なお列C44において、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1ではなく、他の比率の場合には、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、上述の他の比率となり、X線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比率も同様に、上述の他の比率となる。
図4に記載の第1例では、列C44に記載の焦点位置の切り替え周期より列C46に記載の管電圧の切り替え周期を長くしている。X線管220に印加する管電圧の切り替えの応答性を向上するよりも、X線管220の焦点の切り替えの応答性を向上することの方が技術的に容易であり、列C44に記載の焦点位置の切り替え周期より列C46に記載の管電圧の切り替え周期を長くすることの方が、生産性の点で優れている。
図3のステップS110で入力されたビュー数がステップS124あるいはステップS138で見直される。列C42に記載のビュー数が、列C44に記載の焦点位置のパターン周期と列C46に記載の管電圧のパターン周期の公倍数となるようにステップS124あるいはステップS138で調整される。
4.2 図5に記載の第2例の切り替えパターンの説明
図5は、図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第2例を説明する説明図である。図5に記載の切り替えパターンは、図4に記載の切り替えパターンと基本的には類似するところが多く、相違点はX線管220への印加電圧が高いビュー数(表示Hのビュー数)に対して、X線管220への印加電圧が低いビュー数(表示Lのビュー数)を増加させた点である。
列C52は被検者の撮影のための回転盤210の1回転におけるビュー番号を表している。列C54は各ビューに対応したX線管220が焦点位置Aであるか焦点位置Bであるかを表している。列C56は、X線管220へ加えられる管電圧が高い(表示H)か、低い(表示L)かを、表している。図5に記載の第2例も第1例と同様、列C54に記載の如く、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1である例を示しているが、1対1でなくても良い。
上述の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1の場合には、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、1対1となるように列C56のパターンが定められている。また同様にX線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、やはり1対1となるように、列C56のパターンが定められている。このような関係を維持することで、良好なX線画像を得ることができる。
なお上述したように、列C54において、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1ではなく、他の比率の場合には、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、上述の他の比率となり、X線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比率も同様に、上述の他の比率となる。なおこの第2例では、管電圧が高いビュー数と管電圧が低いビュー数との比は、1対2である。
図5に記載の第2例では上述の第1例と同様、列C54に記載の焦点位置の切り替え周期より列C56に記載の管電圧の切り替え周期を長くしている。X線管220に印加する管電圧の切り替えの応答性を向上するよりも、X線管220の焦点の切り替えの応答性を向上することの方が技術的に容易であり、列C54に記載の焦点位置の切り替え周期より列C56に記載の管電圧の切り替え周期を長くすることの方が、生産性の点で優れている。
図3のステップS110で入力されたビュー数がステップS124あるいはステップS138で見直され、列C52に記載のビュー数が、列C54に記載の焦点位置のパターン周期と列C56に記載の管電圧のパターン周期の公倍数となるように、ステップS124あるいはステップS138で調整される。
4.3 図6に記載の第3例の切り替えパターンの説明
図6は、図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第3例を説明する説明図である。図6に記載の切り替えパターンは、図5に記載の切り替えパターンと基本的に類似している。相違点はX線管220への印加電圧が高いビュー数(表示Hのビュー数)に対して、X線管220への印加電圧が低いビュー数(表示Lのビュー数)の割合をさらに増加させた点である。
列C62は回転盤210の1回転におけるビュー番号を表しており、列C64は各ビューに対応したX線管220が焦点位置Aであるか焦点位置Bであるかを表しており、列C66はX線管220へ加えられる管電圧が高い(表示H)か、あるいは低い(表示L)か、を表している。図6に記載の第3例も他例と同様、列C64に記載の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1である例を示しているが、他の例と同様1対1でなくても良い。
上述の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1の場合には、既に説明の如く、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、1対1となるように列C66のパターンが定められている。また同様にX線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、やはり1対1となるように、列C66のパターンが定められている。このような関係を維持することで、良好なX線画像を得ることができる。
なお上述したように、列C64において、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1ではなく、他の比率の場合には、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、上述の他の比率となり、X線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比率も同様に、上述の他の比率となる。なおこの第3例では、管電圧が高いビュー数と管電圧が低いビュー数との比は、1対3である。
図6に記載の第3例では上述の例と同様、列C54に記載の焦点位置の切り替え周期より列C56に記載の管電圧の切り替え周期を長くしており、上述の例と同様、列C64に記載の焦点位置の切り替え周期より列C66に記載の管電圧の切り替え周期を長くすることの方が、生産性の点で優れている。
図3のステップS110で、回転盤210の一回転当たりのビュー数がステップS124あるいはステップS138で見直され、列C62に記載のビュー数が、列C64に記載の焦点位置のパターン周期と列C66に記載の管電圧のパターン周期の公倍数となるように、ステップS124あるいはステップS138で調整される。このようにすることで上記条件を満たすことが可能となる。
4.4 図7に記載の第4例の切り替えパターンの説明
図7は、図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第4例を説明する説明図である。図7に記載の切り替えパターンは、図4に記載の切り替えパターンと基本的に類似している。相違点は、図4の列C44に記載の焦点位置の切り替え周期に対して、図7の列C72に記載の焦点位置の切り替え周期が長くなっている点である。
列C71は回転盤210の1回転におけるビュー番号を表しており、ビュー数は列C72に記載の焦点位置の切り替え周期と列C73に記載の管電圧の切り替え周期との公倍数となる。ここではビュー番号1からビュー番号40までを具体的に記載しており、残りは省略している。上述のとおり、列C72は各ビューに対応したX線管220が焦点位置Aであるか焦点位置Bであるかを表しており、列C73はX線管220へ加えられる管電圧が高い(表示H)か、あるいは低い(表示L)か、を表している。なお、図1に記載のX線CT装置100の制御において、図7の列C71と列C72と列C73の情報があれば十分であり、列C74〜列C77は不要である。これらは技術説明のための記載である。また行L78より下の行の記載も技術説明のための記載である。
図7に記載の第4例も他例と同様、列C72に記載の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1であるが、他の例と同様1対1でなくても良い。上述の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1の場合には、既に説明の如く、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、1対1となるように列C73のパターンが定められている。
また同様にX線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、やはり1対1となるように、列C73のパターンが定められている。このような関係を維持することで、良好なX線画像を得ることができる。なお上述したように、列C72において、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1ではなく、他の比率の場合には、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、上述の他の比率となり、X線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比率も同様に、上述の他の比率となる。
なおこの第4例では、管電圧が高いビュー数と管電圧が低いビュー数との比は、1対1である。
図7に記載の第4例では、列C72に記載の焦点位置の切り替え周期が、図4から図6に記載の焦点位置の切り替え周期より長くなっている。このようにすることで、動作がより安定するなどの効果がある。また焦点位置制御手段を容易かつ安価に作製することができる効果がある。
図7の列C74は技術説明のための欄であり、X線管220へ印加される管電圧が高い状態でさらにX線管220が焦点位置Aに有るビューを示している。一方図7の列C75は、X線管220へ印加される管電圧が高い状態でさらにX線管220が焦点位置Bに有るビューを示している。また図7の列C76は、X線管220へ印加される管電圧が低い状態でさらにX線管220が焦点位置Aに有るビューを示しており、図7の列C77は、X線管220へ印加される管電圧が低い状態でさらにX線管220が焦点位置Bに有るビューを示している。
ビュー1からビュー40までの状態では、列C74から列C77に対応するビュー数は共に10で有り、列C72に示す焦点位置Aと焦点位置Bの比に対応して、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、定められ、またX線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、定められている。
X線管220が焦点位置Aであるビュー数が20でX線管220が焦点位置Bであるビュー数が共に20で、1対1である。しかし上述したように焦点位置Aであるビュー数とX線管220の焦点位置Bであるビュー数の比が1対1に限るものではない。
X線管220の焦点位置Aと焦点位置Bとが一定の周期で繰り返されており、このことにより、撮影されたX線画像の空間分解能が向上する。
4.5 図8に記載の第5例の切り替えパターンの説明
図8は、図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第5例を説明する説明図である。図8に記載の切り替えパターンは、図5に記載の切り替えパターンと基本的に類似している。相違点は、図5の列C54に記載の焦点位置の切り替え周期に対して、図8の列C82に記載の焦点位置の切り替え周期が長くなっている点である。
列C81は回転盤210の1回転におけるビュー番号を表しており、ビュー数は列C82に記載の焦点位置の切り替え周期と列C83に記載の管電圧の切り替え周期との公倍数となる。ここではビュー番号1からビュー番号36までを具体的に記載しており、残りは省略している。
上述のとおり、列C82は各ビューに対応したX線管220が焦点位置Aであるか焦点位置Bであるかを表しており、列C83はX線管220へ加えられる管電圧が高い(表示H)か、あるいは低い(表示L)か、を表している。なお、図1に記載のX線CT装置100の制御において、図8の列C81と列C82と列C83の情報があれば十分であり、列C84〜列C87は不要である。これらは技術説明のための記載である。また行L88より下の行の記載も技術説明のための記載である。
図8に記載の第5例も他例と同様、列C82に記載の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1であるが、他の例と同様1対1でなくても良い。上述の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1の場合には、既に説明の如く、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、1対1となるように列C83のパターンが定められている。
また同様にX線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、やはり1対1となるように、列C83のパターンが定められている。このような関係を維持することで、良好なX線画像を得ることができる。なお上述したように、列C82において、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1ではなく、他の比率の場合には、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、上述の他の比率となり、X線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比率も同様に、上述の他の比率となる。なおこの第5例では、管電圧が高いビュー数と管電圧が低いビュー数との比は、1対2である。
図8に記載の第5例では、列C82に記載の焦点位置の切り替え周期が、図4から図6に記載の焦点位置の切り替え周期より長くなっている。このようにすることで、動作がより安定するなどの効果がある。また焦点位置制御手段を容易かつ安価に作製することができる効果がある。
図8の列C84から列C87は技術説明のための欄であり、列C84は、X線管220へ印加される管電圧が高い状態でさらにX線管220が焦点位置Aに有るビューを示している。一方図8の列C85は、X線管220へ印加される管電圧が高い状態でさらにX線管220が焦点位置Bに有るビューを示している。また図8の列C86は、X線管220へ印加される管電圧が低い状態でさらにX線管220が焦点位置Aに有るビューを示しており、図8の列C87は、X線管220へ印加される管電圧が低い状態でさらにX線管220が焦点位置Bに有るビューを示している。
図8の列C82に記載のように、X線管220の焦点位置Aと焦点位置Bとが一定の周期で繰り返されており、このことにより、撮影されたX線画像の空間分解能が向上する。
4.6 図9に記載の第6例の切り替えパターンの説明
図9は、図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第6例を説明する説明図である。図9に記載の切り替えパターンは、図6に記載の切り替えパターンと基本的に類似している。相違点は、図6の列C64に記載の焦点位置の切り替え周期に対して、図9の列C92に記載の焦点位置の切り替え周期が長くなっている点である。
列C91は回転盤210の1回転におけるビュー番号を表しており、ビュー数は列C92に記載の焦点位置の切り替え周期と列C93に記載の管電圧の切り替え周期との公倍数となる。ここではビュー番号1からビュー番号48までを具体的に記載しており、残りは省略している。
上述のとおり、列C92は各ビューに対応したX線管220が焦点位置Aであるか焦点位置Bであるかを表しており、列C93はX線管220へ加えられる管電圧が高い(表示H)か、あるいは低い(表示L)か、を表している。なお、図1に記載のX線CT装置100の制御において、図9の列C91と列C92と列C93の情報があれば十分であり、列C94〜列C97は不要であり、これらは技術説明のための記載である。また行L98より下の行の記載も技術説明のための記載である。
図9に記載の第6例も他例と同様、列C92に記載の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1であるが、他の例と同様1対1でなくても良い。上述の焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1の場合には、既に説明の如く、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、1対1となるように列C93のパターンが定められる。
また同様にX線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、やはり1対1となるように、列C93のパターンが定められている。このような関係を維持することで、良好なX線画像を得ることができる。
なお上述したように、列C92において、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比が1対1ではなく、他の比率の場合には、X線管220への印加電圧が高い状態(表示H)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との割合が、上述の他の比率となり、X線管220への印加電圧が低い状態(表示L)における、焦点位置Aで撮影されるビュー数と焦点位置Bで撮影されるビュー数との比率も同様に、上述の他の比率となる。なおこの第6例では、管電圧が高いビュー数と管電圧が低いビュー数との比は、1対3である。
図9に記載の第6例では、列C92に記載の焦点位置の切り替え周期が、図4から図6に記載の焦点位置の切り替え周期より長くなっている。このようにすることで、動作がより安定するなどの効果がある。また焦点位置制御手段を容易かつ安価に作製することができる効果がある。
図9の列C94から列C97は技術説明のための欄であり、列C94は、X線管220へ印加される管電圧が高い状態でさらにX線管220が焦点位置Aに有るビューを示している。一方図9の列C95は、X線管220へ印加される管電圧が高い状態でさらにX線管220が焦点位置Bに有るビューを示している。また図9の列C96は、X線管220へ印加される管電圧が低い状態でさらにX線管220が焦点位置Aに有るビューを示しており、図9の列C97は、X線管220へ印加される管電圧が低い状態でさらにX線管220が焦点位置Bに有るビューを示している。
図9の列C92に記載のように、X線管220の焦点位置Aと焦点位置Bとが一定の周期で繰り返されており、このことにより、撮影されたX線画像の空間分解能が向上する。
4.7 図10に記載の第7例の切り替えパターンの説明
図10は、図1に記載のX線管220の焦点位置切り替えパターンと管電圧切り替えパターンの第7例を説明する説明図である。列C102は回転盤210の1回転におけるビュー番号を表している。列C104は、焦点位置Aと焦点位置Bの切り替えパターンを示している。
第1例から第6例では、X線管220の焦点位置Aと焦点位置Bの切り替えに加えて、X線管220へ印加する管電圧を切り替えていた。しかし、例えば図3のステップS122やステップS134において、X線管220へ印加する管電圧の切り替えが行われない場合には、図10に示すようにX線管220の焦点位置Aと焦点位置Bの切り替えだけとなる。この場合には、焦点位置Aと焦点位置Bの切り替えを一定周期で行う条件を満たせば、X線画像の空間分解能を向上させる効果が得られる。
さらにまた動作の安定性からX線管220の焦点位置Aと焦点位置Bの切り替え周期を長くすることが望ましい。このため、X線管220へ印加する管電圧の切り替えが行われない、X線管220の焦点位置Aと焦点位置Bの切り替えだけの場合には、図3に記載のステップS122やステップS136において、図2に記載のCPU354は、記憶装置356に記憶されている焦点位置切り替えパターンに基づいて、切り替え周期の長い、例えば図10に記載のパターンを選択する。
図4から図6に記載の第1例から第3例では、ビュー番号毎に焦点位置が交互に切り替わるのに対して、図10に記載の第7例では、X線管220の焦点位置が複数ビュー毎に周期的に切り替わる。このため焦点位置の切り替え周期を長くすることができる。焦点位置制御手段を容易かつ安価に作製することができる効果がある。
5.実施例の効果
上述した図1から図9に記載の実施例では、X線管220の焦点位置の切り替えに加えて、X線管220へ供給する管電圧の切り替えを行っても、ビューレートの増加を抑制できる効果がある。この結果として高品質のX線画像が得られる。またX線CT装置100の製作が容易となり、安価となる効果がある。図10に記載の実施例では、X線管220の焦点位置の切り替え周期を長くすることができ、同様にX線CT装置100の製作が容易となり、安価となる効果がある。またX線CT装置100の動作がより安定する効果がある。
図5や図6、さらに図8や図9に記載の実施例では、X線の照射エネルギーレベルの高い(表示H)ビューより、X線の照射エネルギーレベルの低い(表示L)ビューの数を多くし、例えば2倍あるいは3倍としている。照射エネルギーレベルの低いX線は被検者の計測部位により減衰し易く、検出レベルが低下する傾向があり、画像情報が得られ難い傾向がある。上記実施例では計測し難い低い照射エネルギーレベルの計測回数を増やすことにより、すなわち低い照射エネルギーレベルのビュー数を増加させることにより、総合的な画質を向上することができる。
100 X線CT装置、200 スキャンガントリ部、202 開口、210 回転盤、220 X線管、222 コリメータ、224 X線検出器、226 データ収集回路、240 スキャナ制御回路、242 管電圧制御回路、246 焦点位置制御回路、248 管電圧発生回路、300 入出力部、302 入力装置、304 表示装置、350 制御部、352 システム制御回路、360 画像処理回路、354 CPU、356 記憶装置、358 記憶領域

Claims (10)

  1. X線を照射するために少なくとも第1位置に第1焦点と第2位置に第2焦点を有するX線管と、
    前記X線管に対向して配置されたX線検出器と、
    前記X線管及び前記X線検出器を備えて回転する回転体と、
    前記X線管の焦点位置を切り替える焦点位置制御回路と、
    前記X線管から照射されるX線の照射エネルギーレベルを少なくとも第1エネルギーレベルと第2エネルギーレベルに切り替える照射エネルギー切り替え手段と、
    前記X線検出器の出力に基づいてX線画像を生成する画像処理回路と、
    前記X線管の焦点位置を制御するための焦点位置切り替えパターンと前記X線の照射エネルギー切り替えパターンとを保持する記憶装置と、を備え、
    前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点の数と前記第2焦点の数の比と、前記第1エネルギーレベルにおいて撮影のためのX線が照射される前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比が、同じとなるように、前記X線の照射エネルギー切り替えパターンが構成されており、
    前記焦点位置切り替えパターンに従って前記焦点位置制御回路が、前記X線管の焦点位置を切り替え、前記照射エネルギー切り替えパターンに従って前記照射エネルギー切り替え手段が、前記X線管から照射されるX線の照射エネルギーレベルを切り替える、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  2. 請求項1に記載のX線画像生成装置において、前記回転体の回転に基づいてX線撮影を行うビューに対応して、前記焦点位置切り替えパターンや前記X線の照射エネルギー切り替えパターンが構成されており、
    前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点と前記第2焦点の切り替えが前記ビューに対して一定周期で繰り返され、
    前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点のビュー数と前記第2焦点のビュー数との比と、前記第1エネルギーレベルにおける前記第1焦点のビュー数と前記第2焦点のビュー数との比、および前記第2エネルギーレベルにおける前記第1焦点のビュー数と前記第2焦点のビュー数との比、が同じになるように、前記X線の照射エネルギー切り替えパターンが構成されている、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  3. 請求項2に記載のX線画像生成装置において、
    前記各ビューに対応して前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点と前記第2焦点との切り替えが行われ、前記第1エネルギーレベルと前記第2エネルギーレベルとの切り替えが、複数の前記ビュー毎に行われる、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  4. 請求項3に記載のX線画像生成装置において、
    前記各ビューに対応して前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点と前記第2焦点との切り替えが行われ、
    前記第1エネルギーレベルが前記第2エネルギーレベルより高いエネルギーレベルに設定されていて、
    前記第1エネルギーレベルのビュー数に対して前記第2エネルギーレベルのビュー数が多くなるように前記照射エネルギー切り替えパターンが構成されている、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  5. 請求項2に記載のX線画像生成装置において、
    複数の前記ビューに対応して前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点と前記第2焦点との切り替えが行われ、
    さらに前記第1エネルギーレベルと前記第2エネルギーレベルとの切り替えが、複数の前記ビュー毎に行われる、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  6. 請求項5に記載のX線画像生成装置において、
    前記第1エネルギーレベルが前記第2エネルギーレベルより高いエネルギーレベルに設定されていて、
    前記第1エネルギーレベルのビュー数に対して前記第2エネルギーレベルのビュー数が多くなるように前記照射エネルギー切り替えパターンが構成されている、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  7. 請求項1に記載のX線画像生成装置において、
    システム制御回路が更に設けられ、
    前記システム制御回路は、入力された撮影条件に基づいて、X線照射エネルギーを切り替える撮影を行うかどうかを判断し、X線照射エネルギーを切り替える撮影を行うと判断した場合に、前記X線の照射エネルギー切り替えパターンを記憶されているパターンの中から選択する、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  8. 請求項1に記載のX線画像生成装置において、
    システム制御回路が更に設けられ、
    入力された撮影条件に基づいて、前記システム制御回路により、X線照射エネルギーを切り替える撮影を行うかどうかを決定するための情報あるいはX線の照射エネルギー切り替えパターンを選択するための情報が表示装置に表示され、
    操作者によりX線照射エネルギーを切り替える撮影を行うかどうかあるいはX線の照射エネルギー切り替えパターンを選択する指示が入力されると、前記指示に基づいて、X線撮影が行われる、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  9. X線を照射するために少なくとも第1位置に第1焦点を有し第2位置に第2焦点を有するX線管と、
    前記X線管に対向して配置されたX線検出器と、
    前記X線管及び前記X線検出器を備えて回転する回転体と、
    前記X線管の焦点位置を切り替える焦点位置制御回路と、
    前記X線管から照射されるX線の照射エネルギーレベルを切り替える照射エネルギー切り替え手段と、
    前記X線検出器の出力に基づいてX線画像を生成する画像処理回路と、
    前記X線管の焦点位置を制御するための焦点位置切り替えパターンを保持する記憶装置と、
    X線撮影を制御するためのシステム制御回路と、を備え、
    前記記憶装置には、第1周期で前記焦点位置を切り替える焦点位置切り替え第1パターンと、前記第1周期より長い第2周期で前記焦点位置を切り替える焦点位置切り替え第2パターンとが記憶され、
    X線の照射エネルギーレベルの切り替えが行われないことを前記システム制御回路が判断すると、前記焦点位置切り替え第2パターンが選択され、前記焦点位置切り替え第2パターンに従って前記X線管の焦点位置の切り替えが行われる、ことを特徴とするX線画像生成装置。
  10. X線を照射するために少なくとも第1位置に第1焦点と第2位置に第2焦点を有するX線管と、前記X線管に対向して配置されたX線検出器と、前記X線管及び前記X線検出器を備えて回転する回転体と、前記X線検出器の出力に基づいてX線画像を生成する画像処理回路と、前記X線管の焦点位置を切り替えるための焦点位置切り替えパターンと前記X線の照射エネルギー切り替えパターンと、を保持する記憶装置と、を備えたX線画像生成装置を、制御するための制御方法であって、
    前記X線の照射エネルギー切り替えパターンが、前記焦点位置切り替えパターンにおける前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比と、第1エネルギーレベルにおいて撮影のためのX線が照射される前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比とが同じになり、更に第2エネルギーレベルにおいて撮影のためのX線が照射される前記第1焦点の数と前記第2焦点の数との比とが同じになるように、構成されており、
    前記焦点位置切り替えパターンに従って前記X線管の焦点位置を切り替えられるステップと、前記照射エネルギー切り替えパターンに従って前記X線管から照射されるX線の照射エネルギーレベルを切り替えるステップと、有することを特徴とするX線画像生成装置の制御方法。
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