JP2009080083A - 電気泳動兼転写用積層体、電気泳動兼転写用チップ、電気泳動兼転写装置、電気泳動兼転写方法、電気泳動兼転写用積層体の製造方法 - Google Patents

電気泳動兼転写用積層体、電気泳動兼転写用チップ、電気泳動兼転写装置、電気泳動兼転写方法、電気泳動兼転写用積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気泳動によってゲル上に分離した分子を、精度よく転写膜に転写すること。
【解決手段】転写膜1と、転写膜1に一体形成された電気泳動ゲル3とを含む電気泳動兼転写用チップ4を用いて、サンプル(被分離物質)を電気泳動および転写することによって、電気泳動によるサンプルの分離から、分離したサンプルの転写膜1への転写までを連続して行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動兼転写用積層体、電気泳動兼転写用チップ、電気泳動兼転写装置、電気泳動兼転写方法および電気泳動兼転写用積層体の製造方法に関するものであり、より詳細には、電気泳動用支持体と転写用媒体とを備えた電気泳動兼転写用積層体、電気泳動兼転写用チップ、電気泳動兼転写装置、電気泳動兼転写方法および電気泳動兼転写用積層体の製造方法に関するものである。
動植物の組織や細胞から抽出されたDNA、RNA、タンパク質等の生体高分子をサイズ、性状等の違いに基づいて電気泳動ゲル中に分離する電気泳動技術は、ライフサイエンス分野において非常に重要な技術である。特にタンパク質を電気泳動によって分離する場合、タンパク質の分子量の違いに基づくSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法および等電点の違いに基づく等電点電気泳動法を組み合わせた二次元電気泳動法が広く用いられている。
また、電気泳動技術を用いて分離した生体高分子をさらに分析する場合、分離した生体高分子を電気泳動ゲルから転写膜に転写し、転写膜上においてハイブリダイゼーション、抗原抗体反応等を利用した遺伝子工学的または免疫化学的分析が行われている。電気泳動後、電気泳動ゲル中に分離された生体高分子を転写膜に転写するために、電気泳動後のゲルを電気泳動装置から取り出し、取り出したゲル上に転写膜を貼り合わせた後、ゲルと転写膜とを共に転写装置に取り付けてゲル中の分子を転写膜に吸着させる。
このように生体高分子を電気泳動ゲル上において分離し転写膜に転写する技術は広く用いられており、分析の目的に合わせて様々な改良が加えられている。特許文献1には、層状に重ねられた複数の転写膜を電気泳動後のゲルに貼り合わせた後、ゲル上において分離された生体高分子を層状の転写膜に転写することによって、分離した生体高分子を複数の転写膜に転写している。これにより分子が転写されたそれぞれの転写膜に対して異なる分析を行うことが可能であり、分離した分子毎の特性に合わせた分析を可能にしている。
特表2004−518949号公報(2004年6月24日公表)
しかしながら、従来の構成においては、電気泳動後のゲルを電気泳動装置から取り出し、取り出したゲル上に転写膜を貼り合わせる必要がある。特許文献1に記載の構成においても、電気泳動後のゲルを電気泳動装置から取り出し、取り出したゲル上に膜を複数重ねている。したがって、ゲルを取り出すときにゲルの歪みまたは破損、あるいはゲル上の分離パターンのずれが生じるという問題がある。また、ゲル上に転写膜を貼り合わせるときに、ゲルと転写膜との間に気泡が混入する可能性がある。このような問題によって、ゲル上に分離した分子を精度よく転写膜に転写することが困難であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気泳動によってゲル上に分離した分子を、精度よく転写膜に転写することが可能な電気泳動兼転写用積層体を提供することにある。
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体は、上記課題を解決するために、転写用媒体と、当該転写用媒体に一体形成された電気泳動用支持体とを包含することを特徴としている。
本発明に係る電気泳動兼転写用チップは、上記電気泳動兼転写用積層体を包含することを特徴としている。
本発明に係る電気泳動兼転写装置は、上記電気泳動兼転写用積層体または電気泳動兼転写用チップを用いて被分離物質を電気泳動および転写する電気泳動兼転写装置であって、被分離物質を電気泳動用支持体中において分離する分離手段と、上記分離手段による処理に続いて、上記電気泳動用支持体中において分離した被分離物質を上記転写用媒体に転写する転写手段とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動兼転写方法は、上記電気泳動兼転写用積層体または電気泳動兼転写用チップを用いて被分離物質を電気泳動および転写する電気泳動兼転写方法であって、被分離物質を電気泳動用支持体中において分離する分離工程と、分離工程に続いて、電気泳動用支持体中において分離した被分離物質を転写用媒体に転写する転写工程とを包含していることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を製造する製造方法は、上記転写用媒体上に電気泳動用支持体材料を充填し、上記電気泳動用支持体を形成する電気泳動用支持体形成工程を包含していることを特徴としている。
上記の構成において、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体は、転写用媒体と電気泳動用支持体とは互いに重なり合って密着した積層構造を形成しており、転写用媒体と電気泳動用支持体との間に気体が入り込まないように構成されている。これにより、被分離物質の電気泳動による分離から転写までを連続して行うことが可能であり、電気泳動用支持体と転写用媒体とを貼り合わせるときに生じていた不具合を回避し、サンプルの分離パターンを精度よく転写することができる。また、このような電気泳動兼転写用積層体を用いて電気泳動および転写することによって、電気泳動および転写時の処理を簡易にし、処理時間を短縮することが可能である。
また、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記転写用媒体は、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔質膜、または水溶性樹脂により被覆されている被覆膜であることが好ましい。これにより被分離物質の分離パターンの転写精度を高め、かつ転写後の転写用媒体を電気泳動用支持体から容易に剥離することが可能である。また、電気泳動による被分離物質の分離および転写を妨げることがないため、電気泳動から転写、さらに転写後被分離物質の分析の準備までの工程を効率よく容易に行うことが可能である。
さらに、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記ポリオレフィン多孔質膜の主成分であるポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(α−オレフィン)、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンからなる群より選択される樹脂であることが好ましい。これにより、電気泳動用支持体からの被分離物質の転写に十分であり、かつ電気泳動用支持体からポリオレフィン多孔質膜を剥離することが可能な程度に電気泳動用支持体とポリオレフィン多孔質膜とを密着させることが可能である。
また、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記ポリオレフィン多孔質膜は、ニトロセルロースによって被覆されていることが好ましく、ニトロセルロースを含浸していることがより好ましい。これにより、ポリオレフィン多孔質膜上に移し取った被分離物質を染色し、可視化および検出することが可能である。また、ニトロセルロースは、膜上における電気泳動用支持体溶液の重合を妨げない。
さらに、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記ニトロセルロースにより被覆されている膜は、さらに親水化処理されていることが好ましい。これにより、電気泳動用支持体からより容易にポリオレフィン多孔質膜を剥離することが可能であり、被分離物質の分離パターンの乱れや、膜表面のニトロセルロース被膜の欠落による染色ムラの発生を回避することが可能である。
また、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記ポリオレフィン多孔質膜の孔の孔径が、0.2〜0.5μmであることが好ましい。これにより、電気泳動用支持体からポリオレフィン多孔質膜に被分離物質の分離パターンを十分に転写することが可能であり、かつポリオレフィン多孔質膜に転写された分離パターンを固定することができる。
また、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記水溶性樹脂により被覆されている被覆膜は、水溶性樹脂を含浸していることが好ましい。さらに、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の合成由来の水溶性高分子、デンプン、セルロース誘電体、ペクチン、アルギン酸、アガロース、プルラン等の多糖類、またはゼラチン等のタンパク質であることが好ましい。これにより、電気泳動支持体からの被分離物質の転写に十分であり、かつ電気泳動用支持体から被覆膜を剥離することが可能な程度に電気泳動用支持体と被覆膜とを密着させることができる。
また、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、上記被覆膜は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜、ニトロセルロース膜、ポリオレフィン膜、ポリカーボネート膜、ポリエーテルスルホン酸膜、セルロース混合エステル膜、セルロースアセテート膜およびポリテトラフルオロエチレン膜からなる群より選択される膜が前記水溶性樹脂によって被覆されていることが好ましい。さらに、上記被覆膜は、親水化処理されている膜が前記水溶性樹脂によって被覆されていることが好ましい。
本発明を用いれば、転写用媒体と電気泳動用支持体とが一体形成されているため、分離した被分離物質を転写用媒体に転写するときに、電気泳動後の電気泳動用支持体に転写用媒体を貼り合わせる必要がなく、電気泳動装置から電気泳動用支持体を取り出し、転写用支持体と貼り合わせるときに生じていた不具合を回避し、被分離物質の分離パターンを精度よく転写することが可能である。
(電気泳動兼転写用積層体)
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体は、転写用媒体と、転写用媒体に一体形成された電気泳動用支持体とを備えている。本発明に係る電気泳動兼転写用積層体は、被分離物質を電気泳動することによって電気泳動用支持体中において分離し、分離した被分離物質を転写用媒体上に転写するために用いられる。本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、転写用媒体と電気泳動用支持体とは互いに重なり合って密着した積層構造を形成しており、転写用媒体と電気泳動用支持体との間に気体が入り込まないように構成されている。
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体は、転写用媒体上において電気泳動用支持体材料を重合させることによって形成することができる。ここで、転写用媒体と電気泳動用支持体とは略同一形状であり、面積が略同一であることが好ましい。また、転写用媒体および電気泳動用支持体の厚さは、それぞれ転写用または電気泳動用に常用されている一般的な厚さ範囲から逸脱しない範囲内であればよく、転写用媒体と電気泳動用支持体とを備えた電気泳動兼転写用積層体の厚さは、従来の方法または装置を用いて電気泳動および転写可能な厚さ範囲から逸脱しない範囲内であればよい。
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体は、一体形成された転写用媒体と電気泳動用支持体とを備えているので、被分離物質の電気泳動による分離から転写までを連続して行うことができる。すなわち本発明に係る電気泳動兼転写用積層体は電気泳動および転写用途に用いられるものであり、電気泳動用の支持体でもあり、転写用の媒体でもある。したがって、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を、転写用媒体一体型電気泳動用支持体または電気泳動用支持体一体型転写用媒体と称することもできる。
(被分離物質)
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を用いて分離される被分離物質は、電気泳動および転写することによって分析すべき物質であり、サンプルと称することもある。被分離物質として、生物材料(例えば、生物個体、体液、細胞株、組織培養物、または組織断片)からの調製物を好適に用いることが可能であり、特にタンパク質サンプル、DNAサンプルおよびRNAサンプルを好適に用いることが可能である。これらのサンプルは、予め蛍光試料等によって染色(蛍光染色または蛍光標識)されていてもよい。
(電気泳動用支持体)
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体が備える電気泳動用支持体は、被分離物質を支持体中において電気泳動することによって、被分離物質のサイズ、性状等の違いに基づいて分離するものであり、単に支持体と称することもある。電気泳動用支持体は、支持体中を被分離物質が移動できるように、重合体分子が複雑な網目構造を形成してなるゲルであるため、単にゲルまたは電気泳動ゲルと称することもある。ゲルを構成する主材料としてポリアクリルアミドまたはアガロースのように、従来から一般に電気泳動に用いられるゲル材料を好適に使用可能である。
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、電気泳動用支持体は転写用媒体に一体形成され、転写用媒体に密着するように形成されている。電気泳動用支持体は、例えば、転写用媒体上に電気泳動用支持体を構成するゲル材料を含むゲル溶液を充填し、ゲル溶液が充填された転写用媒体を静置してゲル溶液を重合させることによって形成することができる。
(転写用媒体)
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体が備える転写用媒体は、上述した電気泳動用支持体中において分離された被分離物質を、支持体内での分離パターンを保ったまま移し取る(転写またはトランスファーする)ものであり、薄いシート状の膜が一般に用いられていることから、単に膜、転写膜、メンブレンまたはフィルターと称することもある。転写膜として例えばニトロセルロース膜、ナイロン膜、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜等が挙げられるがこれらに限定されず、キャピラリー法、エレクトロブロッティング法等によって、電気泳動ゲルから被分離物質の分離パターンを移し取ることが可能な膜であれば好適に使用可能である。
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を用いることによって、電気泳動によるサンプルの分離から転写までを連続して行うことが可能であり、電気泳動用支持体と転写用媒体とを貼り合わせるときに生じていた不具合を回避し、サンプルの分離パターンを精度よく転写することができる。
一般に、サンプルを電気泳動し、電気泳動ゲル中のサンプルの分離パターンを転写膜に転写した後、転写膜上に吸着したサンプルに対してさらに、遺伝子工学的な分析(例えば、サザンブロッティング)または免疫化学的な分析(例えば、ウエスタンブロッティング)が行われている。このとき、サンプルが転写された転写膜を電気泳動ゲルから剥離し、剥離後の転写膜を用いて分析することが好ましい。したがって、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を用いてサンプルを分離し、分離パターンを精度よく転写用媒体に転写した後、電気泳動用支持体が一体形成された転写用媒体を、電気泳動用支持体から容易に剥離し得ることが好ましい。
したがって、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体において、電気泳動用支持体と一体形成される転写用媒体として、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔質膜または水溶性樹脂によって被覆された被覆膜を用いることが好ましい。これにより、サンプルの分離パターンの転写精度を高め、かつ転写後の転写用媒体を電気泳動用支持体から容易に剥離することが可能である。また、上述した転写膜は、電気泳動によるサンプルの分離および転写を妨げることがないため、電気泳動から転写、さらに転写後サンプルの分析の準備までの工程を効率よく容易に行うことが可能である。
(ポリオレフィン多孔質膜)
転写用媒体として使用するポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔質膜は、主にポリオレフィン樹脂によって構成され、電気泳動によって分離したサンプルを、分離パターンを維持したまま電気泳動用支持体から吸着して固定することが可能な多孔質の薄膜である。ポリオレフィン多孔質膜は、例えば、一般に燃料電池のセパレータとして用いられているようなポリオレフィン多孔質膜を商業的に入手したものであってもよい。
ポリオレフィン多孔質膜に電気泳動用支持体を一体形成することによって、電気泳動によって分離したサンプルの分離パターンを転写するのに十分であり、かつ転写後の膜を電気泳動用支持体から剥離することが可能なように、膜と電気泳動用支持体とを密着させることができる。すなわち、ポリオレフィン多孔質膜の主成分であるポリオレフィン樹脂は、上述したように、電気泳動支持体からのサンプルの転写に十分であり、かつ電気泳動用支持体から多孔質膜を剥離することが可能な程度に電気泳動用支持体と多孔質膜とを密着させる構成を実現し得るものである。したがって、ポリオレフィン多孔質膜に含まれるポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(α−オレフィン)、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンからなる群より選択されることが好ましいが、これらに限定されない。
また、ポリオレフィン多孔質膜の孔の孔径は、0.2〜0.5μmであることが好ましい。孔径がこの範囲内にあれば、電気泳動用支持体からポリオレフィン多孔質膜に被分離物質の分離パターンを十分に転写することが可能であり、かつポリオレフィン多孔質膜に転写された分離パターンを固定することができる。一方、孔径が0.2μm未満では、サンプルの転写が妨げられてゲル中に大量のサンプルが残存してしまい、電気泳動ゲルからサンプルを十分に移し取ることができない。また、孔径が0.5μmより大きくなると、移し取ったサンプルを膜に固定することが困難になる。
さらに、ポリオレフィン多孔質膜の膜厚は5μm以上であることが好ましい。膜厚が5μm未満では、サンプルが膜を通過してしまい、膜に固定できないため好ましくない。
ここで、分析対象のサンプルが予め蛍光物質等により標識(着色)されていれば、転写完了後に容易に視認できる。しかし、予め標識されていない場合は視認できないので、転写後のサンプルを染色して可視化する必要がある。そこで、転写後のサンプル染色の可能性を考慮して、ポリオレフィン多孔質膜は、ニトロセルロースにより被覆(コーティング)されていることが好ましい。ここで、ニトロセルロースにより被覆されている被覆膜には、ニトロセルロースにより表面が覆われた膜、膜表面から多孔質の膜の孔までニトロセルロースに覆われた膜、および膜中にニトロセルロースが染みこんで含浸した膜が含まれる。これにより、転写膜上に移し取ったサンプルを染色し、可視化することが可能である。また、膜上におけるゲル溶液の重合を妨げず、電気泳動兼転写用積層体の形成が容易である。
なお、上述した転写膜上のサンプルの染色方法には、蛍光物質を含む着色料等を用いてサンプル中の全分子を染色する方法(化学染色)、および蛍光標識されたプローブ(DNA断片等)または抗体等を用いて、これらに特異的に結合する分子を染色する方法(ハイブリダイゼーション、免疫染色等)が含まれる。
ポリオレフィン多孔質膜のニトロセルロースコーティングは、例えば、ポリオレフィン多孔質膜を、ニトロセルロースを含むニトロセルロース溶液中に浸漬することによって実現することができる。すなわち、少なくともポリオレフィン多孔質膜の表面がニトロセルロース溶液によりコーティングされていればよいが、膜にニトロセルロース溶液が含浸していることが好ましい。
ポリオレフィン多孔質膜をニトロセルロース溶液中に浸漬する場合の浸漬時間は、ポリオレフィン多孔質膜の表面にニトロセルロース溶液からなる膜を形成することが可能な時間であればよい。後述する実施例においては、ニトロセルロースを溶解させたメタノール中にポリオレフィン多孔質膜を約1分間浸漬することによって、ポリオレフィン多孔質膜をニトロセルロースコーティングしているが、これに限定されない。
また、電気泳動ゲルが一体形成された転写膜をサンプルの転写後にゲルから剥離するときに、膜とゲルとが強固に密着していると、膜の剥離が困難となり、膜表面のニトロセルロースの一部がゲルに密着して残存する等の問題が生じる可能性がある。したがって、ニトロセルロースコーティングされたポリオレフィン多孔質膜は、さらに親水化処理されていることが好ましい。これにより、電気泳動ゲルからより容易に転写膜を剥離することが可能であり、膜表面のニトロセルロースコーティングの欠落による染色ムラの発生を回避することが可能である。
ニトロセルロースコーティングされたポリオレフィン多孔質膜に対して行う親水化処理は、公知の親水化方法によって行うことが可能であり、例えば、ニトロセルロースコーティングされたポリオレフィン多孔質膜を、親水化バッファー中に浸漬する方法が挙げられるが、これに限定されない。ポリオレフィン多孔質膜のバッファー中への浸漬時間は、ニトロセルロースコーティングされた膜の表面を親水性にすることが可能な時間であればよい。後述する実施例においては、トリス塩酸およびCHAPS(3−[(3−Cholamidopropyl)dimethylammonio]propanesulfonate)を含む親水化バッファー中に、ニトロセルロースコーティングされたポリオレフィン多孔質膜を浸漬し、10分間以上振とうすることによって、親水化処理しているが、これに限定されない。
このように、本発明に係るポリオレフィン多孔質膜と電気泳動用支持体とが一体形成された電気泳動兼転写用積層体を用いれば、サンプルを電気泳動し転写するまでの工程を連続して行うことが可能であり、サンプルの分離パターンを精度よく転写し、かつ転写後の膜を電気泳動用支持体から剥離することができる。したがって、サンプルを電気泳動および転写し、転写後のサンプルの分析までの工程における煩雑な処理を省略し、処理時間の短縮および労力の削減を実現することが可能である。
(水溶性樹脂により被覆された被覆膜)
転写用媒体として使用する水溶性樹脂により被覆された被覆膜は、適切な膜を水溶性樹脂により被覆(コーティング)した膜であり、電気泳動によって分離したサンプルを、分離パターンを維持したまま電気泳動用支持体から吸着して固定することが可能な薄膜である。水溶性樹脂により被覆された被覆膜には、膜の表面が水溶性樹脂からなる膜によって覆われた膜、膜表面から膜中に水溶性樹脂を含む溶液が染みこんで、水溶性樹脂が含浸した膜が含まれる。すなわち、少なくとも膜と電気泳動用支持体とが接する面が水溶性樹脂によりコーティングされていればよいが、膜に水溶性樹脂溶液が含浸していることが好ましい。
膜のコーティングは、適切な膜を、水溶性樹脂を含む溶液中に浸漬し、膜表面に水溶性樹脂からなる膜を形成することによって実現してもよく、水溶性樹脂を含む溶液中に膜を浸漬した上で一定時間振とうし、膜に水溶性樹脂溶液を染みこませる(含浸させる)ことによって実現してもよいが、コーティング方法はこれらに限定されない。
水溶性樹脂により被覆された膜に電気泳動用支持体を一体形成することによって、電気泳動により分離したサンプルの分離パターンを転写するのに十分であり、かつ転写後の膜を電気泳動用支持体から剥離することが可能なように、膜と電気泳動用支持体とを密着させることができる。すなわち、膜をコーティングする水溶性樹脂は、上述したように、電気泳動支持体からのサンプルの転写に十分であり、かつ電気泳動用支持体から膜を剥離することが可能な程度に電気泳動用支持体と膜とを密着させる構成を実現し得るものである。
したがって、膜をコーティングする水溶性樹脂は、電気泳動用支持体を形成する際にコーティングされた樹脂が易溶解性でないことが必要である。膜にコーティングされた水溶性樹脂が電気泳動用支持体を作製する際に溶解してしまう性質であれば、電気泳動用支持体から膜を剥離する機能を付与することが困難であると考えられる。このため好ましい水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の合成由来の水溶性高分子、デンプン、セルロース誘電体、ペクチン、アルギン酸、アガロース、プルラン等の多糖類、またはゼラチン等のタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。この中でもPVAは、酸素透過性が小さい被膜形成能力があり、電気泳動用支持体、特にラジカル重合を利用し、酸素が重合の障害となるポリアクリルアミドのゲル形成の際に有効である。
また、膜をコーティングするPVAは、完全けん化型のPVAであることが好ましい。完全けん化型PVAは、ほぼ完全にけん化されたPVAを意図しており、けん化されていない部分を一定の割合で含む部分けん化型PVAよりもけん化度の高いPVAを意図している。けん化は、エステルをアルカリ加水分解する反応であり、けん化度は、けん化されている割合を示している。完全けん化型の水溶性PVAによりコーティングされた膜に電気泳動用支持体を一体形成することによって、膜と電気泳動用支持体とをより確実に密着させることが可能であり、電気泳動用支持体中のサンプルの分離パターンが乱れることなく膜に転写することができる。また、転写後に転写膜を電気泳動用支持体から剥離することもできる。
さらに、膜をコーティングするPVAの重合度は、2000〜4000であることが好ましい。これにより、被覆膜と電気泳動用支持体とをより確実に密着させることが可能であり、電気泳動用支持体中の被分離物質を、被覆膜に十分に移し取ることができる。重合度が2000未満では、膜と電気泳動用支持体との密着が十分ではなく、電気泳動用支持体中のサンプルの分離パターンを膜に十分に移し取ることができず好ましくない。
ここで、水溶性樹脂によってコーティングされる膜は、従来から転写膜として一般に用いられている膜が使用可能であり、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜、ニトロセルロース膜、ポリオレフィン膜、ポリカーボネート膜、ポリエーテルスルホン酸膜、セルロース混合エステル膜、セルロースアセテート膜およびポリテトラフルオロエチレン膜からなる群より選択される膜であることが好ましい。また、水溶性樹脂によってコーティングされる膜は、親水化処理された後に水溶性樹脂によりコーティングされていることが好ましい。上記膜に対して水溶性樹脂によるコーティング前に行う親水化処理は、公知の親水化方法によって行うことが可能であり、例えば、膜を親水化バッファー中に浸漬する方法が挙げられるが、これに限定されない。膜のバッファー中への浸漬時間は、膜の表面を親水性にすることが可能な時間であればよい。後述する実施例においては、トリス塩酸およびSDS(sodium dodecyl sulfate)を含む親水化バッファー中に、PVDF膜を浸漬し、15分以上振とうすることによって、親水化処理しているが、これに限定されない。
このように、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を用いれば、サンプルを電気泳動し転写するまでの工程を連続して行うことが可能であり、サンプルの分離パターンを精度よく転写し、かつ転写後の膜を電気泳動用支持体から剥離することができる。したがって、サンプルを電気泳動および転写し、転写後のサンプルの分析までの工程における煩雑な処理を省略し、処理時間の短縮および労力の削減を実現することが可能である。
(電気泳動兼転写用チップ)
本発明に係る電気泳動兼転写用チップは、上述した何れかの電気泳動兼転写用積層体を備えている。具体的には、転写用媒体と、転写用媒体に一体形成された電気泳動用支持体とを備えており、電気泳動兼転写用積層体をチップ化したものである。本発明に係る電気泳動兼転写用チップは、例えば基板およびキャップからなるチップ容器中に電気泳動兼転写用積層体を封止すること等によって、電気泳動兼転写用積層体を一部品化したものであり、この状態で電気泳動装置、転写装置等に装着および脱着し、サンプルを電気泳動および転写することが可能なものである。
本発明に係る電気泳動兼転写用チップは、チップ容器中に少なくとも本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を備えていればよく、他に電気泳動および転写に必要な構成要素(フィルターペーパー等)を備えていてもよい。また、本発明に係る電気泳動兼転写用チップを用いて電気泳動および転写するサンプルを備えていてもよい。
本発明に係る電気泳動兼転写用チップを、単にチップと称することもあり、また、カセットまたはカートリッジと称することもある。また、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体がチップ容器中に完全に封止されていなくてもよく、電気泳動兼転写用積層体を一部品として装置に装着および脱着することが可能なように、電気泳動兼転写用積層体の上下に基板を設けて挟み込むように構成されていてもよい。
本発明に係る電気泳動兼転写用チップは、転写用媒体と電気泳動用支持体とが一体形成された電気泳動兼転写用積層体を備えているので、サンプルの電気泳動による分離から転写までを連続して行うことが可能であり、かつ電気泳動用支持体から転写用媒体に精度よくサンプルの分離パターンを移し取ることができる。また、電気泳動兼転写用積層体がチップ化された状態において、電気泳動装置および転写装置に装着および脱着し、サンプルを電気泳動および転写することが可能であるので、電気泳動から転写までの工程をより容易に行うことができる。さらに、電気泳動兼転写用積層体をチップ容器中に保持しているため、電気泳動兼転写用積層体をより電気泳動および転写等に適した状態において保持することが可能であり、保管や流通が容易である。
(電気泳動兼転写装置)
本発明に係る電気泳動兼転写装置は、上述したいずれかの電気泳動兼転写用積層体または電気泳動兼転写用チップを用いて被分離物質を電気泳動および転写する装置である。本発明に係る電気泳動兼転写装置は、被分離物質を電気泳動用支持体中において分離する分離手段と、分離手段による処理に続いて、電気泳動用支持体中において分離した被分離物質を転写用媒体に転写する転写手段とを備えている。
本発明に係る電気泳動兼転写装置は、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体または電気泳動兼転写用チップを用いて、サンプルを電気泳動および転写するので、分離手段によるサンプルの電気泳動による分離後に電気泳動ゲルに転写膜を貼り合わせる必要がなく、電気泳動から転写までを連続して行うことが可能である。したがって、サンプルを電気泳動および転写し、転写後のサンプルの分析までの工程における煩雑な処理を省略し、処理時間を短縮することが可能である。
(電気泳動兼転写方法)
本発明に係る電気泳動兼転写方法は、上述したいずれかの電気泳動兼転写用積層体または電気泳動兼転写用チップを用いて被分離物質を電気泳動および転写する方法である。本発明に係る電気泳動兼転写方法は、被分離物質を電気泳動用支持体中において分離する分離工程と、分離工程に続いて、電気泳動用支持体中において分離した被分離物質を転写用媒体に転写する転写工程とを包含している。また、本発明に係る電気泳動兼転写方法は、転写工程の後に、被分離物質が転写された転写用媒体と、電気泳動用支持体とを剥離する剥離工程をさらに包含していてもよい。
本発明の電気泳動兼転写方法を、図1を参照して、その前工程と併せて説明する。図1は、本発明に係る電気泳動兼転写用チップの形成工程、ならびに本発明に係る電気泳動兼転写方法における各工程を説明する模式図である。図1に示すように、本発明に係る電気泳動兼転写方法によって、サンプルを電気泳動および転写する前工程において、本発明に係る電気泳動兼転写用チップを形成する。まず、転写膜(転写用媒体)1とチップ容器2を準備し、チップ基板2上に転写膜1を載置し、チップキャップ2により蓋をしてチップ基板2とチップキャップ2とを溶着する。次にチップ容器2中の転写膜1上にゲル溶液を充填し、チップキャップ2を載せてゲル溶液を重合させて電気泳動ゲル3を形成し、電気泳動兼転写用チップ4を形成する。
ついで、電気泳動兼転写用チップ4を用いてサンプルを電気泳動および転写する。前工程において形成した電気泳動兼転写用チップ4を、電気泳動装置5に装着し、電圧を印加することによって、電気泳動ゲル3中のサンプルを矢印方向に分離する。電気泳動後に電気泳動装置5から取り出した電気泳動兼転写用チップ4から電気泳動ゲル3および転写膜1の積層体(電気泳動兼転写用積層体)を取り出し、続けて転写装置6に装着して電圧を印加する。電圧を印加することによって、電気泳動ゲル3中において分離したサンプルを、分離パターンを維持したまま転写膜1に転写する。さらに、転写装置6から積層体を取り出し、電気泳動ゲル3から転写膜1を剥離する。剥離した転写膜1を染色等し、転写膜1上のサンプルをさらに分析してもよい。
本発明に係る電気泳動兼転写方法において、分離工程は公知の電気泳動方法によって行うことが可能であり、その方法は特に限定されず、分離するサンプルの種類、分析の目的等によって適宜選択すればよい。好ましい電気泳動方法は、例えば、アガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル(PAGE)電気泳動、SDS−PAGE、等電点電気泳動、二次元電気泳動等である。また、電気泳動ゲルをバッファー中に水平に載置するサブマリン式電気泳動、またはガラス板にゲルを挟み垂直に載置するスラブ方式電気泳動にも適用可能である。
また、転写工程は、公知の転写方法によって行うことが可能であり、その方法は特に限定されず、転写するサンプルの種類、分析の目的等によって適宜選択すればよい。好ましい転写方法は、例えば、エレクトロブロッティング、バキュームブロッティング、キャピラリー法等である。また、タンク式またはセミドライ式ブロッティングのいずれにも適用可能である。
本発明に係る電気泳動兼転写方法における剥離工程において、電気泳動ゲルから転写膜を剥離した後、剥離した転写膜上においてサンプルをさらに分析するために、染色等の処理を行ってもよい。転写膜上のサンプルに対して行う処理としては、化学染色、ハイブリダイゼーション、免疫反応、オートラジオグラフィー等が挙げられる。
本発明の電気泳動兼転写方法を用いれば、本発明に係る電気泳動兼転写用積層体または電気泳動兼転写用チップを用いて、サンプルを電気泳動および転写するので、分離工程においてサンプルを電気泳動した後に電気泳動ゲルに転写膜を貼り合わせる必要がなく、分離工程から転写工程までを連続して行うことが可能である。また、特定の転写膜と電気泳動ゲルとを一体形成した本発明の電気泳動兼転写用積層体または電気泳動兼転写用チップを用いることによって、転写後の転写膜を電気泳動ゲルから容易に剥離することが可能である。したがって、サンプルを電気泳動および転写し、転写後のサンプルの分析までの工程における煩雑な処理を省略し、処理時間の短縮および労力の削減を実現することが可能である。
(電気泳動兼転写用積層体の製造方法)
本発明に係る電気泳動兼転写用積層体を製造する製造方法は、転写用媒体上に電気泳動用支持体材料を充填し、電気泳動用支持体を形成する電気泳動用支持体形成工程を包含している。この製造方法によって製造された電気泳動兼転写用積層体を用いて、本発明に係る電気泳動兼転写用チップを製造することが可能である。電気泳動用支持体工程における転写用媒体は、公知の転写用媒体を使用することができるが、上述したポリオレフィン多孔質膜または水溶性樹脂被覆膜であることが好ましい。また転写用媒体上に充填する電気泳動用支持体材料は、公知の電気泳動用支持体を構成する公知の材料を使用することが可能であり、例えばこの材料を転写用媒体上に充填し、重合させることによって電気泳動用支持体を転写用媒体に一体形成することができる。
本発明に係る製造方法は、電気泳動用支持体形成工程の前に、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔質膜を0.5〜3mg/mlのニトロセルロースを含む溶液に浸漬して転写用媒体を準備する転写用媒体準備工程をさらに包含していることが好ましい。ポリオレフィン多孔質膜をコーティングするニトロセルロース溶液のニトロセルロース濃度が0.5mg/ml未満では、サンプルを転写後の膜を染色したときに、サンプルが十分に染色されず、3mg/mlよりも高い場合、バックグラウンドが高くなってしまうため好ましくない。
また、本発明に係る製造方法は、電気泳動用支持体形成工程の前に、膜を5〜7.5重量%の水溶性樹脂を含む溶液に浸漬して転写用媒体を準備する転写用媒体準備工程を包含していてもよい。水溶性樹脂被覆膜形成時において、膜をコーティングする水溶性樹脂溶液の水溶性樹脂濃度が5%未満では、転写後の膜を電気泳動用支持体から剥離することができず、7.5%より高い場合、膜に転写されるサンプルの分離パターンが乱れてしまい好ましくない。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されない。
〔1.材料および方法〕
(1−1.ポリオレフィン多孔質膜の調製)
大きさ5×6cmのポリオレフィン素材の多孔質膜(ハイポア膜、旭化成ケミカルズ社製)を転写膜として用いた。本実施例においては、100%ポリエチレンからなるポリオレフィン多孔質膜を用いた。なお、多孔質ポリオレフィン膜の孔径が、0.2μm未満の膜(平均孔径0.05〜0.06μm:NA635(小孔径)、旭化成ケミカルズ社製)、および0.2〜0.5μmの膜(平均孔径0.5μm:H6022(大孔径)、旭化成ケミカルズ社製)を用い、さらに膜厚は、27μmおよび55μmの膜を用いた。
ニトロセルロースを溶解させた100%メタノール中に上記ポリオレフィン多孔質膜を1分間浸漬することにより、ニトロセルロースコーティングした。膜上の余分な溶液を取り除いた後、膜が乾燥しないうちに即座に親水化バッファーに浸漬し、10分間以上振とうした。
親水化バッファーは電気泳動に対する影響等を考慮し、電気泳動ゲル組成に近似した375mMトリス塩酸・pH8.8、および0.2%CHAPS{3−[(3−Cholamidopropyl)dimethylammonio]propanesulfonate}を含むバッファーを用いた。なお、界面活性剤であるCHAPSに替えて同濃度のSDSを用いてもよい。
(1−2.PVA被覆膜の調製)
ポリビニルアルコール(PVA)によりコーティングされたポリフッ化ビニリデン膜(PVDFメンブレン;ImmobilonFL、Milipore社製、孔径0.45μm)を転写膜として用いた。以下に示す樹脂1〜4の4種類のPVAを用いた。樹脂1(和光純薬社製、完全けん化型、平均重合度500);樹脂2(和光純薬社製、完全けん化型、平均重合度2000);樹脂3(SIGMA−ALDRICH社製、完全けん化型、平均重合度4000);樹脂4(和光純薬社製、部分けん化型、平均重合度2000)。これらのPVAを加温し、水に溶解して水溶液とした。
PVDFメンブレンを100%メタノール中に約1分間浸漬した後、膜が乾燥しないように即座に親水化バッファーに浸漬し、10分間以上振とうした。親水化バッファーは電気泳動に対する影響等を考慮し、電気泳動ゲル組成に近似した375mMトリス塩酸・pH8.8、および0.2%SDSを含むバッファーを用いた。
次いで、親水化バッファー中からPVDFメンブレンを取り出し、各PVA溶液に浸漬し、15分間以上振とうした。その後、PVA溶液からPVDFメンブレンを取り出し、余分な溶液を取り除いた後、80℃において約30分間乾燥させた。
(1−3.電気泳動ゲルおよび電気泳動兼転写用チップの調製)
上記1−1において調製したポリオレフィン多孔質膜または1−2において調製したPVA被覆膜を、ゲルを形成するための領域が5×6cmのプラスチック製容器の基板面に載置し、ろ紙を用いて膜が乾燥しない程度に余分なバッファーを取り除いた後容器に蓋をして超音波溶着装置にて基板と蓋とを溶着した。ゲル形成領域の下端部を封止した後上端部よりポリアクリルアミドゲル溶液を充填し、静置してゲルを重合させた。
13%アクリルアミド、375mMトリス塩酸・pH8.8、0.1%過硫酸アンモニウム、0.1%テトラエチレンジアミンを含むポリアクリルアミドゲル溶液を用いた。29.2%アクリルアミド−0.8%メチレンビスアクリルアミド混合溶液を添加して、ポリアクリルアミドゲル中のアクリルアミドの最終濃度が13%になるように調製した。
(1−4.サンプル)
電気泳動および転写するサンプルとして、着色分子量マーカーおよび未着色タンパク質分子量マーカーを用いた。着色分子量マーカーは、SeeBlue Pre−Stained Standard(インビトロジェン社製)およびSeeBlue Plus2 Pre−Stained Standard(インビトロジェン社製)を用いた。未着色タンパク質分子量マーカーは、Mark12 Unstained Standard(インビトロジェン社製)を用い、転写後に化学的染色または免疫染色した。
(1−5.電気泳動)
上記1−3において調製した電気泳動兼転写用チップのゲルのウエルにサンプルと1%アガロースを混合したものをのせてSDS−PAGEに供した。電気泳動バッファーとして、25m トリス、192mMグリシンおよび0.1%SDSを含む陰極バッファーと、150mMトリス塩酸・pH8.8を含む陽極バッファーとを用いた。サンプルをのせた電気泳動兼転写用チップを4℃において約5分固めた後電気泳動装置に装着した後、装置のバッファー槽に上記バッファーを各5ml添加し、定電流20mAにおいて30分間電気泳動を行った。
(1−6.転写)
電気泳動終了後、チップを電気泳動装置から取り出した後、さらにチップから一体形成された膜および電気泳動ゲルを取り出す。取り出した膜と電気泳動ゲルとをiBlot transfer stacks,Mini(インビトロジェン社製)に装着した後、iBlot gel transfer system(インビトロジェン社製)に装着し、プロトコールに従って定電圧23Vにおいて6分間通電させてゲルに展開されたサンプルを膜に転写した。
(1−7.サンプルの染色および検出)
転写終了後、電気泳動ゲルから膜を剥離して蒸留水を用いてすすいだ後、未着色タンパク質分子量マーカーサンプルについては化学染色および免疫染色した。
サンプルの化学染色をプロトコールに従って公知の転写膜を染色する場合と同様に行った。膜を、10%メタノールおよび7%酢酸を含む溶液を用いて15 分間固定し、蒸留水による約5分間の洗浄を4回行った後、SYPRO Ruby protein blot stain溶液(インビトロジェン社製)により約15分間染色した。さらに蒸留水による1分間の洗浄を4〜6回行った後、ProXpress Proteomic Imaging System(パーキン−エルマー社製)を用いてSYPRO Rubyの蛍光を検出することにより、染色されたサンプルを検出した。
サンプルの免疫染色を以下の通り行った。5%ウシ血清アルブミン溶解−0.1%Tween−20含有トリス塩酸緩衝生理食塩水(ブロッキング液)を用いて、膜を1時間以上ブロッキングした後、カルボニックアンヒドラーゼ抗体を添加したブロッキング液に膜を浸漬し、1時間以上反応させた。0.1%Tween−20含有トリス塩酸緩衝生理食塩水(TBST)を用いて10分間の洗浄を3回行った後、Quantum dot 655により標識されたイムノグロブリンGに対する抗体希釈溶液に膜を浸漬し、1時間以上反応させた。TBSTを用いて10分間の洗浄を3回行った後、Typhoon Trio(GEヘルスケア社製)を用いてQuantum dot 655の蛍光を検出することにより、サンプルの特異的な抗原抗体反応を検出した。
〔2.結果〕
本発明に係る電気泳動兼転写用チップを用いて、電気泳動および転写を良好に行うことが可能な、ゲルが一体形成された膜の最適条件を検討した。
(2−1.ポリオレフィン多孔質膜の孔径および膜厚)
孔径または膜厚の異なるポリオレフィン多孔質膜を用いて、最適な孔径および膜厚を検討した。孔径が0.2〜0.5μmのポリオレフィン多孔質膜と、孔径が0.2μm未満の小孔径のポリオレフィン多孔質膜を用いて電気泳動兼転写用チップを作成し、着色マーカーを電気泳動および転写した。結果を図2に示す。図2は、電気泳動を行い、さらに転写した後の電気泳動ゲル(図2中(a))およびポリオレフィン多孔質膜(図2中(b))を示している。
いずれの孔径のポリオレフィン多孔質膜を用いた場合であっても、電気泳動に影響を及ぼさず、問題なく電気泳動ゲル中にマーカーが展開された。一方、転写後の膜を比較すると、図2中(b)に示すように、孔径が0.2〜0.5μmのポリオレフィン多孔質膜を用いた場合、問題なくタンパク質が膜に転写されたが(図2中(b)の左側)、孔径が0.2μm未満のポリオレフィン多孔質膜を用いた場合、サンプルの転写が阻害されたため、そのポリオレフィン多孔質膜上にはタンパク質がほとんど転写されなかった(図2中(b)の右側)。
図2に示す結果は、膜厚27μmのポリオレフィン多孔質膜を用いた場合の結果である。なお、後述するポリオレフィン多孔質膜を用いた実験結果は、孔径0.2〜0.5μm、膜厚27μmのポリオレフィン多孔質膜を用いて行った実験結果である。
(2−2.ポリオレフィン多孔質膜に対するニトロセルロースコーティングおよび親水化処理)
ポリオレフィン多孔質膜に対して、公知の転写膜と同様に親水化処理したところ、ポリオレフィン多孔質膜は疎水性であるため親水化バッファーに浸漬することができなかった。そこで、ポリオレフィン多孔質膜を、親水化処理する前に、100%メタノールにニトロセルロースを溶解させたニトロセルロース溶液に浸漬してコーティングすると、ポリオレフィン多孔質膜を親水化することが可能であった。
次に、ポリオレフィン多孔質膜に対するニトロセルロースコーティングおよび親水化処理が、転写後の膜のゲルからの剥離に及ぼす効果を検討するために、親水化処理のみ行った膜、ニトロセルロースコーティングのみ行った膜、ニトロセルロースコーティングおよび親水化処理を行った膜を用いて電気泳動兼転写用チップを作成し、電気泳動および転写した。その結果、いずれのポリオレフィン多孔質膜を用いた場合であっても、転写後の膜を電気泳動ゲルから剥離することが可能であったが、ニトロセルロースコーティングのみ行った膜を用いた場合、膜とゲルとの密着が強くなり、剥がしづらかった。
(2−3.ポリオレフィン多孔質膜の化学染色)
電気泳動兼転写用チップを用いて電気泳動および転写し、サンプルを移し取ったポリオレフィン多孔質膜が、公知の転写膜と同様に化学染色可能であるか否かを検討した。着色マーカー(S:SeeBlue Plus2 Pre−Stained Standard)および未着色マーカー(M:Mark12 Unstained Standard)を電気泳動および転写した後のポリオレフィン多孔質膜をゲルから剥離し、未着色マーカーを含む膜をSYPRO Ruby protein blot stainを用いて染色した。なお、膜のニトロセルロースコーティングが染色に及ぼす効果についても併せて検討するために、ニトロセルロースコーティングしていない膜、およびニトロセルロースコーティングした後親水化処理した膜を用いた。結果を図3に示す。
図3は、蛍光を照射していないポリオレフィン多孔質膜(図3中(a))、および免疫染色し、蛍光照射したポリオレフィン多孔質膜(図3中(b))を示している。図3中(a)においては着色マーカー(S)のみが見られる。図3中(b)においては、未着色マーカー(M)のタンパク質が染色されている。図3において、図中(a)および(b)共に左側にニトロセルロースコーティングした膜を用いた場合の結果を示し、右側にニトロセルロースコーティングしていない膜を用いた場合の結果を示した。
図3中(a)に示すように、着色マーカー(S)は、ニトロセルロースコーティングの有無に関わらずポリオレフィン多孔質膜に転写され、視認できることから、ニトロセルロースコーティングの有無に関わらず転写はされている。図3中(b)に示すように、ニトロセルロースコーティングされた膜(図3中(b)の左側)は染色され、未着色マーカー(M)を検出することが可能であったが、ニトロセルロースコーティングされていない膜(図3中(b)の右側)は染色されず、未着色マーカー(M)を検出できなかった。
なお、図3中において、着色マーカー(S)のバンド(楕円にて囲まれた部分)が染色されているように思われるが、このバンドはSYPRO Rubyと同じ蛍光波長で励起光を発しているため、見かけ上染色されているように見られることを念のため付言しておく。
(2−4.ポリオレフィン多孔質膜の免疫染色)
電気泳動兼転写用チップを用いて電気泳動および転写し、サンプルを移し取ったポリオレフィン多孔質膜が、公知の転写膜と同様に免疫染色可能であるか否かを検討した。ニトロセルロースコーティングしたポリオレフィン多孔質膜、およびニトロセルロースコーティングしていないポリオレフィン多孔質膜を用いて電気泳動兼転写用チップを作成し、未着色マーカー(M)を電気泳動および転写した。転写後ゲルから剥離したポリオレフィン多孔質膜を、カルボニックアンヒドラーゼ一次抗体(CA)およびQuantum dot 655二次抗体を用いて免疫染色した。結果を図4に示す。
図4において、図中上側にニトロセルロースコーティングした膜を用いた場合の結果を示し、図中下側にニトロセルロースコーティングしていない膜を用いた場合の結果を示した。図4に示すように、ニトロセルロースコーティングしたポリオレフィン多孔質膜においては、未着色マーカー(M)のうち、カルボニックアンヒドラーゼ一次抗体(CA)に特異的に結合するタンパク質が検出された(図中上側)。
一方、ニトロセルロースコーティングしていないポリオレフィン多孔質膜においては、カルボニックアンヒドラーゼ一次抗体(CA)によりタンパク質を検出することができなかった(図中下側)。なお、ニトロセルロースコーティングしていないポリオレフィン多孔質膜においては、蛍光標識分子量マーカー(D:DyLight Protein Molecular Weight Marker)を併せて転写したが、視認できたため、転写は問題なく行われたことが分かる。
さらに、ニトロセルロースコーティングされたポリオレフィン多孔質膜と、公知の転写膜との免疫染色性について検討した。公知の転写膜として、PVDF膜およびニトロセルロース(NC)膜を用いた。なお、PVDF膜およびNC膜については、従来どおり親水化し、電気泳動後のゲルに貼り付けて未着色マーカー(M)を転写し、上記と同様に免疫染色した。結果を図5に示す。
図5に示すように、ポリオレフィン多孔質膜(図中左側)においては、PVDF膜(図中中央)と同様の染色性を示した。一方、NC膜(図中右側)においては、既知の通り、蛍光検出においてはバックグラウンドが高くなることが示された。
(2−5.ニトロセルロースの濃度)
ポリオレフィン多孔質膜をコーティングするニトロセルロース溶液に含まれるニトロセルロース濃度を検討した。異なるニトロセルロース濃度の溶液を用いてコーティングしたポリオレフィン多孔質膜を用いた電気泳動兼転写用チップにおいて、未着色マーカーを電気泳動および転写した後、剥離した膜を化学染色した。結果を図6に示す。
図6に示すように、ニトロセルロースの濃度が3mg/mlより高い溶液(例えば、3.3mg/ml)を用いてコーティングしたポリオレフィン多孔質膜においてはマーカーの染色が阻害され、バックグラウンドが高くなった。また、ニトロセルロースの濃度が3mg/mlを用いてコーティングしたポリオレフィン多孔質膜においては、マーカーが染色されるが、より高分子量のタンパク質の染色像が掠れていた。一方、ニトロセルロース濃度が0.2および0.3mg/mlの溶液を用いてコーティングしたポリオレフィン多孔質膜においては、バックグラウンドは低いが、マーカーの染色性が低かった。また、ニトロセルロース濃度が0.5、1および2mg/mlの溶液を用いてコーティングしたポリオレフィン多孔質膜においては、マーカーが明瞭に染色された。
(2−6.ニトロセルロースコーティングしたポリオレフィン多孔質膜に対する親水化処理)
ポリオレフィン多孔質膜をニトロセルロースコーティングした後、さらに親水化処理することの必要性について検討した。ニトロセルロースコーティングした後親水化処理したポリオレフィン多孔質膜と、ニトロセルロースコーティングのみのポリオレフィン多孔質膜とを用いて電気泳動兼転写用チップを作成し、未着色マーカーを電気泳動および転写したのち、膜を化学染色した。結果を図7に示す。図7において、図中左側にニトロセルロースコーティングした後親水化処理した膜を用いた場合の結果を示し、図中右側にニトロセルロースコーティングのみ施した膜を用いた場合の結果を示した。
図7に示すように、親水化処理の有無に関わらず、転写されたマーカーが染色されたが、ニトロセルロースコーティングのみ施した膜(図中右側)においては、染色像が乱れやすかった。ニトロセルロースコーティングのみ施した膜は、転写後ゲルから剥がしづらくなるため、剥離時に膜表面のニトロセルロースの一部分がゲルに残存してしまい、結果として染色ムラが生じる可能性がある。
(2−7.PVAのけん化度)
PVDF膜にをコーティングするPVAのけん化度を検討した。けん化度の異なるPVAを含む溶液を含浸させたPVDF膜を用いて電気泳動兼転写用チップを作成し、着色マーカーを電気泳動および転写した。樹脂2(完全けん化型)および4(部分けん化型)のPVAを5重量%含むPVA溶液を用いた。結果を図8および9に示す。図8は、電気泳動後の電気泳動ゲルを示しており、図9は、電気泳動後のゲルからサンプルを転写した後のPVA被覆膜を示している。図8および9において、図中左側に樹脂2(完全けん化型)を用いた場合の結果を示し、図中右側に樹脂4(部分けん化型)を用いた場合の結果を示した。
図8に示すように、完全けん化型PVAおよび部分けん化型PVAのいずれを用いた場合であっても、電気泳動に影響を及ぼさず、問題なく電気泳動ゲル中にマーカーが展開された。一方、転写後の膜を比較すると、図9に示すように、完全けん化型PVAによりコーティングされた膜を用いた場合、問題なくタンパク質が転写されたが(図中左側)、部分けん化型PVAによりコーティングされた膜を用いた場合、転写されマーカーの分離パターンが乱れた(図中右側)。なお、いずれのけん化度のPVAを用いた場合も電気泳動ゲルから膜を剥離可能であった。
(2−8.PVAの重合度)
PVAの重合度を検討した。重合度の異なるPVAを含む溶液を含浸させたPVDF膜を用いて電気泳動兼転写用チップを作成し、着色マーカーを電気泳動および転写した。樹脂1〜3のPVAを5重量%含むPVA溶液を用いた。結果を図10および11に示す。図10は、電気泳動後の電気泳動ゲルを示しており、図11は、電気泳動後のゲルからサンプルを転写した後のPVA被覆膜を示している。図10および11において、図中上側から順に、樹脂1(重合度500)、樹脂2(重合度2000)および樹脂3(重合度4000)を用いた場合の結果を示した。
図10および11に示すように、重合度500のPVAを用いた場合、電気泳動に盈虚を及ぼし、明瞭な電気泳動パターンが得られず、ゲルから膜を剥離することが困難であった(図中上側)。一方、重合度2000および4000のPVAを用いた場合、電気泳動に影響を及ぼさず、問題なく電気泳動ゲル中にマーカーが展開された(図10中央および下側)。また、マーカーの分離パターンが問題なく膜に転写され(図11中央および下側)、ゲルから膜を剥離可能であった。
(2−9.PVAの濃度)
PVAの濃度を検討した。濃度の異なるPVAを含む溶液を含浸させたPVDF膜を用いて電気泳動兼転写用チップを作成し、着色マーカーを電気泳動および転写した。樹脂2のPVAをそれぞれ1重量%、5重量%、7.5重量%および10重量%の濃度で含むPVA溶液を用いた。結果を図12および13に示す。図12は、電気泳動後の電気泳動ゲルを示しており、図13は、電気泳動後のゲルからサンプルを転写した後のPVA被覆膜を示している。図12および13において、図中上側から順に、PVA濃度1重量%、5重量%、7.5重量%および10重量%のPVA溶液を用いた場合の結果を示した。
図12および13に示すように、PVA濃度1重量%の溶液を用いた場合、良好な電気泳動パターンが得られ、問題なく転写可能であったが、ゲルから膜を剥離することができなかった。PVA濃度5重量%および7.5重量%の溶液を用いた場合、電気泳動および転写共に良好に実施し得、ゲルから膜を剥離することが可能であった。PVA濃度10重量%の溶液を用いた場合、電気泳動によりマーカーは分離されたが、分離パターンがややブロードであった。
本発明を用いれば、電気泳動による分子の分離から、分離した分子の転写までの工程をより簡便に行うことが可能であり、電気泳動および転写を連続して行い得るような装置に適用することが可能である。また、DNA、RNA、タンパク質等の生体高分子の研究をより発展させることによって、特に医学、生物学、化学分野の産業の発展に貢献し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップの作成から、電気泳動および転写するまでの工程を説明する模式図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを電気泳動後に転写した結果を示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写し、化学染色した結果を示す図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写し、免疫染色した結果を示す図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写し、免疫染色した結果を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写し、化学染色した結果を示す図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写し、化学染色した結果を示す図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを電気泳動した結果を示す図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写した結果を示す図である。 図10は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを電気泳動した結果を示す図である。 図11は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写した結果を示す図である。 図12は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを電気泳動した結果を示す図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る電気泳動兼転写用チップを用いてサンプルを転写した結果を示す図である。
符号の説明
1 転写膜(転写用媒体)
2 チップカセット
3 電気泳動ゲル(電気泳動用支持体)
4 電気泳動兼転写用チップ(電気泳動兼転写用積層体)
5 電気泳動装置
6 転写装置

Claims (19)

  1. 転写用媒体と、当該転写用媒体に一体形成された電気泳動用支持体とを包含する電気泳動兼転写用積層体。
  2. 前記転写用媒体は、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔質膜であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(α−オレフィン)、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンからなる群より選択される樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  4. 前記ポリオレフィン多孔質膜は、ニトロセルロースにより被覆されている被覆膜であることを特徴とする請求項2または3に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  5. 前記被覆膜は、ニトロセルロースを含浸していることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  6. 前記被覆膜は、さらに親水化処理されていることを特徴とする請求項4または5に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  7. 前記ポリオレフィン多孔質膜の孔の孔径が、0.2〜0.5μmであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  8. 前記転写用媒体は、水溶性樹脂により被覆されている被覆膜であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  9. 前記被覆膜は、水溶性樹脂を含浸していることを特徴とする請求項8に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  10. 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の合成由来の水溶性高分子、デンプン、セルロース誘電体、ペクチン、アルギン酸、アガロース、プルラン等の多糖類、またはゼラチン等のタンパク質であることを特徴とする請求項8または9に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  11. 前記被覆膜は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜、ニトロセルロース膜、ポリオレフィン膜、ポリカーボネート膜、ポリエーテルスルホン酸膜、セルロース混合エステル膜、セルロースアセテート膜およびポリテトラフルオロエチレン膜からなる群より選択される膜が前記水溶性樹脂によって被覆されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  12. 前記被覆膜は、親水化処理されている膜が前記水溶性樹脂によって被覆されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の電気泳動兼転写用積層体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気泳動兼転写用積層体を包含する電気泳動兼転写用チップ。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気泳動兼転写用積層体、または請求項13に記載の電気泳動兼転写用チップを用いて被分離物質を電気泳動および転写する電気泳動兼転写装置であって、
    被分離物質を前記電気泳動用支持体中において分離する分離手段と、
    前記分離手段による処理に続いて、前記電気泳動用支持体中において分離した被分離物質を前記転写用媒体に転写する転写手段とを備えていることを特徴とする電気泳動兼転写装置。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気泳動兼転写用積層体、または請求項13に記載の電気泳動兼転写用チップを用いて被分離物質を電気泳動および転写する電気泳動兼転写方法であって、
    被分離物質を前記電気泳動用支持体中において分離する分離工程と、
    前記分離工程に続いて、前記電気泳動用支持体中において分離した被分離物質を前記転写用媒体に転写する転写工程とを包含していることを特徴とする電気泳動兼転写方法。
  16. 前記転写工程において被分離物質が転写された前記転写用媒体と、電気泳動用支持体とを剥離する剥離工程をさらに包含していることを特徴とする請求項15に記載の電気泳動兼転写方法。
  17. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気泳動兼転写用積層体を製造する製造方法であって、
    前記転写用媒体上に電気泳動用支持体材料を充填し、前記電気泳動用支持体を形成する電気泳動用支持体形成工程を包含していることを特徴とする製造方法。
  18. 前記電気泳動用支持体形成工程の前に、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むポリオレフィン多孔質膜を0.5〜3mg/mlのニトロセルロースを含む溶液に浸漬して前記転写用媒体を準備する転写用媒体準備工程をさらに包含していることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
  19. 前記電気泳動用支持体形成工程の前に、膜を5〜7.5重量%の水溶性樹脂を含む溶液に浸漬して前記転写用媒体を準備する転写用媒体準備工程をさらに包含していることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
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