JP2009288063A - 生体分子分離用積層体、生体分子分離用チップ、生体分子分離装置、生体分子の分離方法、および生体分子分離用積層体の製造方法 - Google Patents

生体分子分離用積層体、生体分子分離用チップ、生体分子分離装置、生体分子の分離方法、および生体分子分離用積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気泳動によってゲル上に分離した分子を、精度よく転写膜に転写した後、簡便に転写膜を単離することができる生体分子分離用積層体、該生体分子分離用積層体を有する生体分子分離用チップおよび生体分子分離装置、該生体分子分離用積層体を用いる生体分子の分離方法、並びに、該生体分子分離用積層体の製造方法の提供。
【解決手段】一体形成された電気泳動用支持体および転写用媒体を有し、当該電気泳動用支持体と当該転写用媒体との間に分離層を有する生体分子分離用積層体、該生体分子分離用積層体を有する生体分子分離用チップ、および、該生体分子分離用積層体または該生体分子分離用チップを用いる方法であり、生体分子を前記電気泳動支持体中において分離する分離工程と、前記電気泳動支持体中において分離した生体分子を、前記転写用媒体に移動させる転写工程と、を有している生体分子の分離方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体分子分離用積層体、生体分子分離用チップ、生体分子分離装置、生体分子の分離方法、および生体分子分離用積層体の製造方法に関するものであり、より詳細には、電気泳動用支持体と分離層と転写用媒体とを備えた生体分子分離用積層体、該生体分子分離用積層体を用いた生体分子の分離方法、および生体分子分離用積層体の製造方法に関するものである。
動植物の組織や細胞から抽出されたDNA、RNA、タンパク質等の生体分子をサイズ、性状等の違いに基づいて電気泳動ゲル中に分離する電気泳動技術は、ライフサイエンス分野において非常に重要な技術である。特にタンパク質を電気泳動によって分離する場合、タンパク質の分子量の違いに基づくSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法や、等電点の違いに基づく等電点電気泳動法を組み合わせた二次元電気泳動法等が広く用いられている。
また、電気泳動技術を用いて分離した生体分子をさらに分析する場合、分離した生体分子を電気泳動ゲルから転写膜に転写し、転写膜上においてハイブリダイゼーションや抗原抗体反応等を利用した遺伝子工学的分析や免疫化学的分析等が行われている。一般的には、電気泳動後、電気泳動ゲル中に分離された生体分子を転写膜に転写するために、電気泳動後のゲルを電気泳動装置から取り出し、取り出したゲル上に転写膜を貼り合わせた後、ゲルと転写膜とを共に転写装置に取り付けてゲル中の分子を転写膜に吸着させる。
このように生体分子を電気泳動ゲル上において分離し転写膜に転写する技術は広く用いられており、分析の目的に合わせて様々な改良が加えられている。例えば、層状に重ねられた複数の転写膜を電気泳動後のゲルに貼り合わせた後、ゲル上において分離された生体分子を層状の転写膜に転写することによって、分離した生体分子を複数の転写膜に転写する方法等が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。該方法により、分子が転写されたそれぞれの転写膜に対して、異なる分析を行うことが可能であり、分離した分子毎の特性に合わせた分析が可能になる。
特表2004−518949号公報
しかしながら、従来の構成においては、電気泳動後のゲルを電気泳動装置から取り出し、取り出したゲル上に転写膜を貼り合わせる必要がある。特許文献1に記載の構成においても、電気泳動後のゲルを電気泳動装置から取り出し、取り出したゲル上に膜を複数重ねている。したがって、ゲルを取り出すときにゲルの歪みまたは破損、あるいはゲル上の分離パターンのずれが生じるという問題がある。また、ゲル上に転写膜を貼り合わせるときに、ゲルと転写膜との間に気泡が混入し、転写効率が低下したり、分離パターンのずれや歪みを生じる可能性もある。このような問題によって、ゲル上に分離した分子を精度よく転写膜に転写することが困難であった。
上記の問題点を解決する方法として、転写膜をあらかじめ電気泳動ゲルと一体形成させる方法が考えられる。しかし、電気泳動ゲル溶液を当該転写膜上で重合させると、ゲル溶液が転写膜に浸潤するため、結果としてゲルと転写膜とが強く密着し、被分離物質の転写膜への移動後にゲルと転写膜との分離操作性が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、電気泳動によってゲル上に分離した分子を、精度よく転写膜に転写した後、簡便に転写膜を単離することができる生体分子分離用積層体、該生体分子分離用積層体を有する生体分子分離用チップおよび生体分子分離装置、該生体分子分離用積層体を用いる生体分子の分離方法、並びに、該生体分子分離用積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、
(1) 転写用媒体と、分離層を介して転写用媒体に一体形成された電気泳動用支持体とを備えていることを特徴とする生体分子分離用積層体、
(2) 前記分離層が、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、およびポリオレフィンからなる群より選択される1以上を主成分とする多孔質膜であることを特徴とする前記(1)記載の生体分子分離用積層体、
(3) 前記転写用媒体が、ニトロセルロース膜、セルロース混合エステル膜、セルロースアセテート膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ナイロン膜、ポリオレフィン膜からなる群より選択される多孔質膜であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の生体分子分離用積層体、
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の生体分子分離用積層体を有する生体分子分離用チップ、
(5) 生体分子を電気泳動後に転写して分離する装置であって、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の生体分子分離用積層体、および前記(4)に記載の生体分子分離用チップからなる群より選択される1以上を有しており、生体分子を前記電気泳動支持体中において分離する分離手段と、前記電気泳動支持体中において分離した生体分子を、前記転写用媒体に移動させる転写手段と、を備えていることを特徴とする生体分子分離装置、
(6) 生体分子を電気泳動後に転写して分離する方法であって、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の生体分子分離用積層体、および前記(4)に記載の生体分子分離用チップからなる群より選択される1以上を用いる方法であり、生体分子を前記電気泳動支持体中において分離する分離工程と、前記電気泳動支持体中において分離した生体分子を、前記転写用媒体に移動させる転写工程と、を有していることを特徴とする生体分子の分離方法、
(7) 前記転写工程後、前記生体分子分離用積層体または前記生体分子分離用チップから、前記転写用媒体のみを分離する工程と、をさらに有していることを特徴とする前記(6)に記載の生体分子の分離方法
(8) 前記(1)に記載の生体分子分離用積層体を製造する方法であって、前記転写用媒体上に分離層を積層した後、当該分離層上に電気泳動用支持体材料を充填し、重合させることにより、前記電気泳動用支持体を形成する電気泳動用支持体形成工程を有していることを特徴とする生体分子分離用積層体の製造方法、
を提供する。
本発明の生体分子分離用積層体は、転写用媒体と分離層および電気泳動用支持体とが一体形成されているため、分離した生体分子を転写用媒体に転写するときに、電気泳動後の電気泳動用支持体に転写用媒体を貼り合わせる必要がなく、電気泳動装置から電気泳動用支持体を取り出し、転写用支持体と貼り合わせるときに生じていた不具合を回避し、生体分子の分離パターンを精度よく転写することが可能である。また、分離層が設けられていることから、転写実施後に転写用媒体のみを簡便に剥離することが可能である。さらに、本発明の生体分子分離用積層体を用いて電気泳動および転写することによって、電気泳動および転写時の処理を簡易にし、処理時間を短縮することも可能である。
<生体分子分離用積層体>
本発明に係る生体分子分離用積層体は、転写用媒体と、分離層を介して転写用媒体に一体形成された電気泳動用支持体とを備えていることを特徴とする。このため、本発明に係る生体分子分離用積層体は、電気泳動および転写用途に用いられるものであり、電気泳動用の支持体でもあり、転写用の媒体でもある。したがって、本発明に係る生体分子分離用積層体を、転写用媒体一体型電気泳動用支持体または電気泳動用支持体一体型転写用媒体と称することもできる。
本発明に係る生体分子分離用積層体は、被分離物質を電気泳動することによって電気泳動用支持体中において分離し、分離した被分離物質を転写用媒体上に転写するために用いられる。本発明に係る生体分子分離用積層体において、転写用媒体と電気泳動用支持体とは、分離層を介して互いに重なり合って密着した積層構造を形成しており、転写用媒体と分離層、または分離層と電気泳動用支持体との間に気体が入り込まないように構成されている。このため、本発明に係る生体分子分離用積層体は、被分離物質の電気泳動による分離から転写までを連続して行うことができる。したがって、電気泳動後の電気泳動用支持体に転写用媒体を貼り合わせる必要がなく、被分離物質の分離パターンを精度よく転写することが可能である。
本発明に係る生体分子分離用積層体において、転写用媒体と分離層、および電気泳動用支持体とは略同一形状であり、面積が略同一であることが好ましい。電気泳動用支持体中に分離された被分離物質により形成された分離パターンを損なうことなく、効率よく転写用媒体に転写することができるためである。該形状は、特に限定されるものではなく、電気泳動用ゲル等として用いられるいずれの形状であってもよいが、正方形あるいは長方形であることが好ましい。また、転写用媒体および電気泳動用支持体の厚さは、それぞれ転写用または電気泳動用に常用されている一般的な厚さ範囲から逸脱しない範囲内であればよく、転写用媒体と電気泳動用支持体とを備えた生体分子分離用積層体の厚さは、従来の方法または装置を用いて電気泳動および転写可能な厚さ範囲から逸脱しない範囲内であればよい。
<被分離物質>
本発明に係る生体分子分離用積層体を用いて分離される被分離物質は、電気泳動および転写することによって分析される物質であり、サンプルと称することもある。被分離物質の種類は、通常、電気泳動法等を用いて分離される物質であれば、特に限定されるものではないが、生体分子であることが好ましい。本発明においては、被分離物質として、タンパク質、DNAやRNA等の核酸等の生体分子であることがより好ましい。これらの生体分子は、生物個体、体液、細胞株、組織培養物、または組織断片等の生体試料からの調製物を好適に用いることができる。また、本発明に係る生体分子分離用積層体を用いて分離される生体分子は、生体試料から抽出・精製等された天然のものであってもよく、該天然のものを、常法により修飾・改変等したものであってもよい。なお、被分離物質は、蛍光物質や放射性同位体等により標識されていてもよい。被分離物質をあらかじめ標識しておくことにより、転写用媒体に転写された被分離物質の検出を簡便に行うことができる。
<電気泳動用支持体>
本発明に係る生体分子分離用積層体が備える電気泳動用支持体は、被分離物質である生体分子を支持体中において電気泳動することによって、被分離物質のサイズ、性状等の違いに基づいて分離するものであり、単に支持体と称することもある。電気泳動用支持体は、支持体中を被分離物質が移動できるように、重合体分子が複雑な網目構造を形成してなるゲルであるため、単にゲルまたは電気泳動ゲルと称することもある。電気泳動用支持体材料は、このような網目構造を形成し得るものであれば、特に限定されるものではなく、公知の電気泳動用支持体を構成する公知の材料を使用することが可能であり、被分離物質の種類等を考慮して適宜決定することができる。例えば、ポリアクリルアミドやアガロース等の、従来から一般に電気泳動に用いられるゲル材料を好適に用いることができる。
<転写用媒体>
本発明に係る生体分子分離用積層体が備える転写用媒体は、上述した電気泳動用支持体中において分離された被分離物質を、支持体内での分離パターンを保ったまま移し取る(転写またはトランスファーする)ものである。転写用媒体としては、薄いシート状の膜が一般に用いられていることから、単に膜、転写膜、メンブレンまたはフィルターと称することもある。本発明において、転写用媒体としては、キャピラリー法、エレクトロブロッティング法等によって、電気泳動ゲルから被分離物質の分離パターンを移し取ることが可能な膜であれば、特に限定されるものではなく、公知の転写用媒体を使用することができる。本発明における転写用媒体としては、例えば、ニトロセルロース膜、セルロース混合エステル膜、セルロースアセテート膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ナイロン膜、ポリオレフィン膜等が挙げられる。なお、転写用媒体は、乾燥状態のものであってもよく、水系溶媒により湿潤させた状態のものであってもよい。
<分離層>
一般に、サンプルを電気泳動し、電気泳動ゲル中のサンプルの分離パターンを転写膜等の転写用媒体に転写した後、転写用媒体上に吸着したサンプルに対して、さらに遺伝子工学的な分析(例えば、サザンブロッティング)または免疫化学的な分析(例えば、ウエスタンブロッティング)が行われる。このとき、サンプルが転写された転写用媒体を、電気泳動ゲルから分離し、分離後の転写用媒体のみを用いて分析することが好ましい。したがって、本発明に係る生体分子分離用積層体においても、サンプルを分離し、分離パターンを精度よく転写用媒体に転写した後、電気泳動用支持体から転写用媒体を容易に剥離し得ることが好ましい。そこで、本発明に係る生体分子分離用積層体においては、転写用媒体を簡便に電気泳動用支持体から分離するために、電気泳動用支持体と転写用媒体との間に分離層を設け、電気泳動用支持体と転写用媒体とを間接的に密着させる構成としている。
本発明に係る生体分子分離用積層体が備える分離層としては、電気泳動によって分離したサンプルを、分離パターンを維持したまま、電気泳動用支持体から転写用媒体に透過させ得るものであれば、特に限定されるものではないが、多孔質膜であることが好ましく、均質な孔を有する多孔質薄膜であることがより好ましい。被分離物質の分離パターンの転写精度を高め得るためである。このような多孔質膜としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン等を主成分とする多孔質膜が挙げられる。これらの膜は、電気泳動用支持体材料の重合を妨げず、かつ、電気泳動による生体分子等の被分離物質の分離および転写を妨げることがないためである。その他、本発明に係る生体分子分離用積層体が備える分離層としては、例えば、一般にろ過膜として用いられているような膜を商業的に入手したものであってもよい。
本発明に係る生体分子分離用積層体が備える分離層として用いる多孔質膜の種類は、被分離物質の種類等を考慮して適宜決定することができるが、ポリカーボネート膜であることがより好ましい。ポリカーボネート膜は、乾燥状態、あるいは、水系溶媒で湿潤させた状態で設置可能であるだけでなく、膜を湿潤させる水系溶媒の吸水により、膜の体積変化がほとんどなく歪みが生じにくいためである。
分離層として用いる多孔質膜の孔径は、被分離物質を効率よく透過させることが可能な大きさであることが好ましく、被分離物質の種類や大きさ、多孔質膜の種類等を考慮して適宜決定することができる。例えば、被分離物質がタンパク質やDNA、RNA等の核酸である場合には、多孔質膜の孔の孔径は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。特に、多孔質膜を透過して電気泳動用支持体から転写用媒体に被分離物質の分離パターンをより十分に転写することを可能にするためには、0.4〜10μmの範囲にあることがより好ましい。
<生体分子分離用チップ>
本発明に係る生体分子分離用チップは、上述した何れかの生体分子分離用積層体をチップ化したものであり、単にチップと称することもあり、また、カセットまたはカートリッジと称することもある。本発明に係る生体分子分離用チップは、電気泳動装置、転写装置等に装着および脱着し、被分離物質を電気泳動および転写することが可能なものであって、例えば、基板およびキャップからなるチップ容器中に生体分子分離用積層体を封止すること等によって、生体分子分離用積層体を一部品化したものである。本発明に係る生体分子分離用積層体がチップ容器中に完全に封止されていなくてもよく、生体分子分離用積層体を一部品として装置に装着および脱着することが可能なように、生体分子分離用積層体の上下に基板を設けて挟み込むように構成されていてもよい。
本発明に係る生体分子分離用チップは、少なくとも本発明に係る生体分子分離用積層体を備えていればよく、電気泳動および転写に必要な他の構成要素を備えていてもよい。このような構成要素として、例えば、フィルターペーパー等が挙げられる。また、本発明に係る生体分子分離用チップを用いて電気泳動および転写するサンプルを備えていてもよい。
本発明に係る生体分子分離用チップは、転写用媒体と分離層と電気泳動用支持体とが一体形成された生体分子分離用積層体を備えているため、被分離物質の電気泳動による分離から転写までを連続して行うことが可能であり、かつ電気泳動用支持体から転写用媒体に精度よく被分離物質の分離パターンを移し取ることができる。また、生体分子分離用積層体がチップ化された状態において、電気泳動装置および転写装置に装着および脱着し、被分離物質を電気泳動および転写することが可能であるため、電気泳動から転写までの工程をより容易に行うことができる。さらに、生体分子分離用積層体をチップ容器中に保持しているため、生体分子分離用積層体をより電気泳動および転写等に適した状態において保持することが可能であり、保管や流通が容易である。
<生体分子分離用積層体の製造方法>
本発明に係る生体分子分離用積層体は、転写用媒体上に分離層を積層した後、当該分離層上に電気泳動用支持体材料を充填し、重合させることにより、前記電気泳動用支持体を形成し、製造することができる。具体的には、例えば、転写用媒体上に積層した分離層の上に、電気泳動用支持体を構成するゲル材料を含むゲル溶液を充填し、ゲル溶液が充填された分離層と転写用媒体からなる積層体を静置してゲル溶液を重合させることによって、電気泳動用支持体を形成することにより、本発明に係る生体分子分離用積層体を製造することができる。その他、分離層上に電気泳動用支持体材料を充填し、重合させた後に、当該分離層上に転写用媒体を積層することにより、本発明に係る生体分子分離用積層体を製造することができる。なお、生体分子分離用積層体の製造に用いられる転写用媒体は、乾燥状態のものを用いてもよく、水系溶媒により湿潤させた状態のものを用いてもよい。
このように、電気泳動用支持体と転写用媒体とを一体形成することによって、電気泳動によって分離した被分離物質の分離パターンを損なうおそれなく、転写用媒体に転写することができる。また、電気泳動用支持体材料(電気泳動ゲル溶液)を、直接転写用媒体上に充填せず、分離層上に充填し、重合させることにより、電気泳動用支持体材料が転写用媒体に浸潤し手強く密着することを防止することができ、被分離物質の転写膜への移動後に電気泳動用支持体と転写用媒体とを簡便に分離することができる。
<生体分子分離装置>
本発明に係る生体分子分離装置は、上述したいずれかの生体分子分離用積層体または生体分子分離用チップを用いて、被分離物質である生体分子を電気泳動後に転写して分離する装置である。本発明に係る生体分子分離装置は、被分離物質を電気泳動用支持体中において分離する分離手段と、分離手段による処理に続いて、電気泳動用支持体中において分離した被分離物質を転写用媒体に転写する転写手段とを備えている。
本発明に係る生体分子分離装置は、本発明に係る生体分子分離用積層体または生体分子分離用チップを用いて、被分離物質を電気泳動後に転写するため、分離手段による被分離物質の電気泳動による分離後に、電気泳動ゲルに転写膜等の転写用媒体を貼り合わせる必要がなく、電気泳動から転写までを連続して行うことが可能である。したがって、被分離物質を電気泳動および転写し、転写後の被分離物質の分析までの工程における煩雑な処理を省略し、処理時間を短縮することが可能である。
<生体分子の分離方法>
本発明に係る生体分子の分離方法は、上述した生体分子分離用積層体を用いて生体分子を電気泳動後に転写して分離する方法である。具体的には、上述したいずれかの生体分子分離用積層体または生体分子分離用チップを用いる方法であり、被分離物質である生体分子を電気泳動支持体中において分離する分離工程と、電気泳動支持体中において分離した生体分子を、転写用媒体に移動させる転写工程と、を有していることを特徴とする。また、転写工程後、生体分子分離用積層体または生体分子分離用チップから、転写用媒体のみを分離する工程と、をさらに有していてもよい。
図1は、本発明に係る生体分子分離用チップの製造工程、および、製造された生体分子分離用チップを用いた本発明に係る生体分子の分離方法における各工程を、説明する模式図である。最初に、生体分子分離用チップの製造工程について説明する。
まず、転写膜(転写用媒体)1と分離層(分離層媒体)2およびチップ容器3を準備する。チップ容器3は、チップ基板3aとチップ容器枠体3bとチップキャップ3cとからなるものである。チップ基板3a上に転写膜1を、転写膜1上に分離層2を、それぞれ載置し、チップ容器枠体3bで囲むことにより、チップ基板3aと、転写膜1と分離層2の積層体と、チップ容器枠体3bとを密着させる。このとき、転写膜1と分離層2は、それぞれ乾燥状態であってもよいが、水系溶媒により湿潤させた状態のものを用いることにより、製造された生体分子分離用チップにおいて、転写膜1と分離層2の間や、転写膜1とチップ基板3aとの間に気泡が生じるおそれを小さくすることができる。
次に、チップキャップ3cを載せ、チップ容器枠体3b中の分離層2上に、電気泳動用支持体材料であるゲル溶液を充填し、静置してゲル溶液を重合させることにより、電気泳動ゲル(電気泳動用支持体)4を形成する。このようにして、転写膜1と分離層2と電気泳動ゲル4とが一体形成された生体分子分離用チップ5を製造することができる。
次に、生体分子の分離方法における各工程について説明する。
まず、前工程において製造された生体分子分離用チップ5を、電気泳動装置6に装着する。装着された生体分子分離用チップ5の電気泳動ゲル4中にサンプルをアプライした(のせた)後、電圧を印加することによって、電気泳動ゲル4中のサンプルを、その性情や大きさごとに矢印方向に分離する。電気泳動後、電気泳動装置5から取り出した生体分子分離用チップ5から、本発明の生体分子分離用積層体である電気泳動ゲル4と分離層2および転写膜1の積層体を取り出し、続けて転写装置7に装着して電圧を印加する。電圧を印加することによって、電気泳動ゲル4中において分離したサンプルを、分離パターンを維持したまま分離層2を透過して転写膜1に転写することができる。転写後、転写装置7から積層体を取り出し、分離層2から転写膜1を剥離することにより、電気泳動ゲル4から転写膜1のみを分離する。
分離工程における分離方法は、ゲル状の支持体中で物質を分離するために通常用いられる方法であれば、特に限定されるものではなく、分離する被分離物質の種類、分析の目的等を考慮して適宜選択することができる。このような分離方法として、例えば、電気泳動法やキャピラリー法等が挙げられる。本発明において、好ましい電気泳動法としては、例えば、アガロースゲル電気泳動法、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)法、SDS−PAGE法、等電点電気泳動法、二次元電気泳動法等が挙げられる。また、電気泳動ゲルをバッファー中に水平に載置するサブマリン式電気泳動法であってもよく、ガラス板にゲルを挟み垂直に載置するスラブ方式電気泳動法であってもよい。また、電気泳動時に用いられる電気泳動用バッファー、引加する電圧等の条件は、使用する電気泳動法の種類、被分離物質の種類や大きさ、性質等を考慮して、常法により決定することができる。
また、転写工程は、公知のいずれの転写方法によって行ってもよく、その方法は特に限定されるものではなく、転写する被分離物質の種類、分析の目的等によって適宜選択することができる。本発明において、好ましい転写方法としては、例えば、エレクトロブロッティング法、バキュームブロッティング法、キャピラリー法等が挙げられる。また、タンク式であってもよく、セミドライ式ブロッティングであってもよい。転写時に用いられる転写用バッファー、引加する電圧等の条件は、使用する転写方法の種類、被分離物質の種類や大きさ、性質等を考慮して、常法により決定することができる。
電気泳動ゲル4から転写膜1を分離した後、分離した転写膜1上のサンプルをさらに分析してもよい。例えば、分離した転写膜1に対して染色等の処理を行うことにより、転写された被分離物質を検出し、分析することができる。転写膜1上の被分離物質を検出する方法としては、化学染色、ハイブリダイゼーション、免疫反応、オートラジオグラフィー等が挙げられる。
本発明の生体分子の分離方法では、本発明に係る生体分子分離用積層体を用いて、サンプルを電気泳動および転写するため、分離工程において被分離物質を電気泳動した後に電気泳動用支持体に転写用媒体を貼り合わせる必要がなく、分離工程から転写工程までを連続して行うことができる。また、特定の転写用媒体と電気泳動用支持体とを一体形成した本発明の生体分子分離用積層体を用いることによって、転写後の転写用媒体を、分離層を介して電気泳動用支持体から簡便に分離することができる。したがって、生体分子を電気泳動および転写し、転写後の被分離物質の分析までの工程における煩雑な処理を省略し、処理時間の短縮および労力の削減を実現することが可能である。さらに、電気泳動および転写を連続して行い得るような装置に適用することも可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
[実施例1]
1−1 生体分子分離用チップの製造
転写用媒体(転写膜)としてセルロース混合エステル膜であるPORAFIL MV(MACHEREY−NAGEL社製)またはMIXED CELLULOSE ESTER TYPE MEMBRANE FILTER(ADVANTEC社製)を、分離層としてポリカーボネート膜であるIsopore(登録商標) Membrane Filter(Millipore社製)を用いた。電気泳動チップに設置させるため、各々5×6cmの大きさに切断して蒸留水に浸漬させた。
浸漬させた転写膜および分離層を、電気泳動用支持体を形成するための領域が5×6cmのプラスチック製容器の基板面に載置し、ろ紙を用いて膜が乾燥しない程度に余分な水分を取り除いた後、該容器に蓋をして超音波溶着装置にて基板と蓋とを溶着した。電気泳動用支持体形成領域の下端部を封止した後、上端部より電気泳動用支持体材料であるポリアクリルアミドゲル溶液を充填し、静置してゲルを重合させて電気泳動用支持体を形成した。このポリアクリルアミドゲル溶液は、13%アクリルアミド、375mMトリス塩酸(pH 8.8)、0.1%過硫酸アンモニウム、0.1%N,N,N’,N’テトラメチルエチレンジアミンを含むポリアクリルアミドゲル溶液を用いた。具体的には、29.2%アクリルアミド−0.8%メチレンビスアクリルアミド混合溶液を添加して、ポリアクリルアミドゲル中のアクリルアミドの最終濃度が13%になるように調製した。
1−2 分離工程
製造した生体分子分離用チップを用いて電気泳動を行うことにより、被分離物質を大きさごとに分離した。被分離物質として、着色済タンパク質分子量マーカーおよび未着色タンパク質分子量マーカーを用いた。着色済タンパク質分子量マーカーは、SeeBlue Pre−Stained Standard(Invitrogen社製)を用いた。
具体的には、上記1−1において製造した生体分子分離用チップのゲル(電気泳動用支持体)のウェルに、被分離物質と1%アガロースを混合したものをのせて、SDS−PAGEに供した。電気泳動バッファーとして、25mM トリス、192mM グリシンおよび0.1%SDSを含む陰極バッファーと、150mM トリス塩酸(pH 8.8)を含む陽極バッファーとを用いた。サンプルをのせた生体分子分離用チップを4℃において約5分固めた後電気泳動装置に装着した後、装置のバッファー槽に上記バッファーを各5ml添加し、定電流20mAにおいて30分間電気泳動を行った。
1−3 転写工程
電気泳動終了後、チップを電気泳動装置から取り出した後、さらにチップから一体形成された生体分子分離用積層体を取り出す。取り出した生体分子分離用積層体をiBlot Transfer Stacks,Mini(Invitrogen社製)に装着した後、iBlot Gel Transfer Device(Invitrogen 社製)に装着し、プロトコールに従って定電圧20Vにおいて6分間通電させて電気泳動ゲル(電気泳動用支持体)に展開された被分離物質をセルロース混合エステル膜(転写膜)に転写した。
1−4 被分離物質の検出
上記1−3の転写終了後、電気泳動ゲルから転写膜を剥離して蒸留水を用いてすすいだ後、着色済タンパク質分子量マーカーおよび未着色タンパク質分子量マーカーを検出した。未着色タンパク質分子量マーカーは、Mark12 Unstained Standard(Invitrogen社製)を用い、化学的染色または免疫染色して検出した。また、電気泳動ゲル(電気泳動用支持体)およびポリカーボネート膜(分離層)に対しても、転写膜と同様にして、着色済タンパク質分子量マーカーおよび未着色タンパク質分子量マーカーを検出した。
化学染色は、プロトコールに従って公知の転写膜を染色する場合と同様に行った。具体的には、膜等を蒸留水で5分間洗浄して、0.2M NaCO溶液に5分間浸漬させた後、Deep Purple Total Protein Stain溶液(GE Healthcare社製)により15分間染色した。その後、0.2M NaCO溶液に 5分間浸漬させた後、さらに蒸留水による5分間の洗浄を3回行い、Typhoon Trio(GE Healthcare社製)を用いてDeep Purpleの蛍光を検出することにより、染色された未着色タンパク質分子量マーカーを検出した。
一方、免疫染色は、以下の通り行った。5%ウシ血清アルブミン溶解−0.1% Tween−20含有トリス塩酸緩衝生理食塩水(ブロッキング液)を用いて、転写膜を1時間以上ブロッキングした後、カルボニックアンヒドラーゼ抗体を添加したブロッキング液に該転写膜を浸漬し、1時間以上反応させた。0.1% Tween−20含有トリス塩酸緩衝生理食塩水(TBST)を用いて10分間の洗浄を3回行った後、Quantum dot 565により標識されたイムノグロブリンGに対する抗体希釈溶液に該膜等を浸漬し、さらに1時間以上反応させた。TBSTを用いて10分間の洗浄を3回行った後、Typhoon Trio(GE Healthcare社製)を用いてQuantum dot 565の蛍光を検出することにより、被分離物質の特異的な抗原抗体反応を検出した。
図2は、電気泳動を行い、さらに転写した後の、電気泳動ゲル(図2(a))、ポリカーボネート膜(図2(b))、およびセルロース混合エステル膜(図2(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。この結果、大部分の着色済タンパク質分子量マーカーが電気泳動による分離後、セルロース混合エステル膜に転写されていることが明らかになった。特に、ポリカーボネート膜ではほとんど着色済タンパク質分子量マーカーが検出されなかったことから、ポリカーボネート膜が、電気泳動でのタンパク質マーカーの移動を損ねることなく、かつ、転写操作においてタンパク質を吸着することなく透過させ得ることが明らかである。なお、分離層であるポリカーボネート膜を設置せずにセルロース混合エステル膜の上に電気泳動ゲルを重合させたものを用いて電気泳動ならびに転写を行った場合には、タンパク質サンプルは転写されるものの、電気泳動ゲルと転写膜とが強く密着してしまい、転写膜を分離することが困難であった。
図3は、電気泳動を行い、さらに転写した後のセルロース混合エステル膜において、化学染色により検出された未着色タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。図3(a)は蛍光を照射していないセルロース混合エステル膜であり、図3(b)は化学染色し、蛍光照射したセルロース混合エステル膜である。図中、「S」は着色済タンパク質分子量マーカーを、「M」は未着色タンパク質分子量マーカーを、それぞれ示している。この結果、図3(b)において未着色タンパク質分子量マーカー(M)のタンパク質が染色されていることを確認した。したがって、本発明の生体分子分離用積層体を用いて電気泳動および転写を行うことにより得られた、生体分子分離用積層体から分離された転写用媒体は、公知の他の転写用媒体と同様に化学染色可能であることが明らかである。
図4は、電気泳動を行い、さらに転写した後のセルロース混合エステル膜において、免疫染色により検出された未着色タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。図4(a)は蛍光を照射していないセルロース混合エステル膜であり、図4(b)は免疫染色し、蛍光照射したセルロース混合エステル膜である。図中、「S」および「M」は図3と同じである。図4中(a)においては着色済タンパク質分子量マーカー(S)のみが見られる。図4中(b)において、未着色タンパク質分子量マーカー(M)のタンパク質のうち、カルボニックアンヒドラーゼタンパク質が特異的に染色されることを確認した。したがって、本発明の生体分子分離用積層体を用いて電気泳動および転写を行うことにより得られた、生体分子分離用積層体から分離された転写用媒体は、公知の他の転写用媒体と同様に免疫染色可能であることが明らかである。
[実施例2]
転写工程における、分離層として用いるポリカーボネート膜の孔径の大きさの影響を観察した。具体的には、孔径が0.4μm、2μm、または8μmであるポリカーボネート膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、電気泳動を行って分離したマーカーを、転写膜へと転写した。
図5は、孔径が0.4μmのポリカーボネート膜を用いた場合の電気泳動ゲル(図5(a))、ポリカーボネート膜(図5(b))、およびセルロース混合エステル膜(図5(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。
図6は、孔径が2.0μmのポリカーボネート膜を用いた場合の電気泳動ゲル(図6(a))、ポリカーボネート膜(図6(b))、およびセルロース混合エステル膜(図6(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。
図7は、孔径が8.0μmのポリカーボネート膜を用いた場合の電気泳動ゲル(図7(a))、ポリカーボネート膜(図7(b))、およびセルロース混合エステル膜(図7(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。
この結果、いずれの孔径のポリカーボネート膜を用いた場合であっても、電気泳動に影響を及ぼさず、問題なく電気泳動ゲル中にマーカーが展開された。
一方、分離層および転写後の膜(各図の(b)および(c))を比較すると、図5(b)に示すように、孔径が0.4μmのポリカーボネート膜を設置した場合、転写で大半のタンパク質サンプルが分離層を透過したが、一部のサンプルが分離層に吸着された(図5(b))。一方、孔径が2μm(図6(b))または8μm(図7(b))のポリカーボネート膜を分離層として設置した場合、非常に良好に、タンパク質サンプルが透過してセルロース混合エステル膜に転写されることが確認できた(図6中(c)、図7(c))。
本発明の生体分子分離用積層体、および該生体分子分離用積層体を用いた生体分子の分離方法を用いることにより、電気泳動による分子の分離から、分離した分子の転写までの工程をより簡便に行うことが可能であることから、DNA、RNA、タンパク質等の生体分子の研究の発展に資することが期待でき、特に、医学、生物学、化学分野の産業分野において利用可能である。
本発明に係る生体分子分離用チップの製造工程、および、製造された生体分子分離用チップを用いた本発明に係る電気泳動兼転写方法における各工程を、説明する模式図である。 電気泳動を行い、さらに転写した後の、電気泳動ゲル(図2(a))、ポリカーボネート膜(図2(b))、およびセルロース混合エステル膜(図2(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。 電気泳動を行い、さらに転写した後のセルロース混合エステル膜において、化学染色により検出された未着色タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。図3(a)は蛍光を照射していないセルロース混合エステル膜であり、図3(b)は化学染色し、蛍光照射したセルロース混合エステル膜である。 電気泳動を行い、さらに転写した後のセルロース混合エステル膜において、免疫染色により検出された未着色タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。図4(a)は蛍光を照射していないセルロース混合エステル膜であり、図4(b)は免疫染色し、蛍光照射したセルロース混合エステル膜である。 孔径が0.4μmのポリカーボネート膜を用いた場合の電気泳動ゲル(図5(a))、ポリカーボネート膜(図5(b))、およびセルロース混合エステル膜(図5(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。 孔径が2.0μmのポリカーボネート膜を用いた場合の電気泳動ゲル(図6(a))、ポリカーボネート膜(図6(b))、およびセルロース混合エステル膜(図6(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。 孔径が8.0μmのポリカーボネート膜を用いた場合の電気泳動ゲル(図7(a))、ポリカーボネート膜(図7(b))、およびセルロース混合エステル膜(図7(c))において検出された着色済タンパク質分子量マーカーの分離パターンを示している。
符号の説明
1…転写膜(転写用媒体)、2…分離層(分離層媒体)、3…チップ容器、3a…チップ基板、3b…チップ容器枠体、3c…チップキャップ、4…電気泳動ゲル(電気泳動用支持体)、5…生体分子分離用チップ、6…電気泳動装置、7…転写装置。

Claims (8)

  1. 転写用媒体と、分離層を介して転写用媒体に一体形成された電気泳動用支持体とを備えていることを特徴とする生体分子分離用積層体。
  2. 前記分離層が、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、およびポリオレフィンからなる群より選択される1以上を主成分とする多孔質膜であることを特徴とする請求項1記載の生体分子分離用積層体。
  3. 前記転写用媒体が、ニトロセルロース膜、セルロース混合エステル膜、セルロースアセテート膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ナイロン膜、ポリオレフィン膜からなる群より選択される多孔質膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の生体分子分離用積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の生体分子分離用積層体を有する生体分子分離用チップ。
  5. 生体分子を電気泳動後に転写して分離する装置であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の生体分子分離用積層体、および請求項4に記載の生体分子分離用チップからなる群より選択される1以上を有しており、
    生体分子を前記電気泳動支持体中において分離する分離手段と、
    前記電気泳動支持体中において分離した生体分子を、前記転写用媒体に移動させる転写手段と、
    を備えていることを特徴とする生体分子分離装置。
  6. 生体分子を電気泳動後に転写して分離する方法であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の生体分子分離用積層体、および請求項4に記載の生体分子分離用チップからなる群より選択される1以上を用いる方法であり、
    生体分子を前記電気泳動支持体中において分離する分離工程と、
    前記電気泳動支持体中において分離した生体分子を、前記転写用媒体に移動させる転写工程と、
    を有していることを特徴とする生体分子の分離方法。
  7. 前記転写工程後、前記生体分子分離用積層体または前記生体分子分離用チップから、前記転写用媒体のみを分離する工程と、
    をさらに有していることを特徴とする請求項6に記載の生体分子の分離方法。
  8. 請求項1に記載の生体分子分離用積層体を製造する方法であって、前記転写用媒体上に分離層を積層した後、当該分離層上に電気泳動用支持体材料を充填し、重合させることにより、前記電気泳動用支持体を形成する電気泳動用支持体形成工程を有していることを特徴とする生体分子分離用積層体の製造方法。
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