JP2009079427A - 化粧板及び化粧板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期的なキャスターの使用に対する耐傷性と意匠性とに優れた化粧板を得る。
【解決手段】化粧板は、少なくとも表面が硬質な木質基材の表面に、接着層を介して木質薄単板が積層一体化されている。接着層は、厚みが30μm以上でかつ75μm以下であり、硬度がタイプAデュロメーターで30°以下となる基材側接着剤で構成されている。接着層と木質薄単板との間には紙層が設けられている。
【選択図】なし

Description

本発明は、床材として使用される化粧板及びその製造方法に関するものである。
従来より、キャスター付きの家具を移動させるときや家具を置く際に凹みが生じないように、合板上に突板が貼着された床材としての化粧板は知られている。このような床材を製造する方法として、例えば、特許文献1に示すように、木質基材の表面に樹脂を含浸させたMDF(中密度繊維板)を貼着し、このMDFの表面に木質薄単板を貼着してなる床材が提案されている。
しかし、上記特許文献1の方法により製造された床材では、硬質プラスチック製や鉄製のキャスターを長期的に連続して摺動させて使用すると、固いキャスターにより硬質な木質薄単板がすり潰されて剪断破壊をおこしてしまい、木質薄単板が剥がれてしまうという問題が生じる。
そこで、長期的なキャスターの使用等に対する耐傷性に考慮した床材として、特許文献2に示すように、柔軟性のある接着剤を用いることで、応力を分散させて木質薄単板の剥離を抑制しようとするものがある。
特開平4−214301号公報 特開2003−211420号公報
しかし、上記特許文献2のように柔軟性のある軟質の接着剤により接着層を形成する場合、ある程度の厚みを有する接着層を形成することが困難であるという問題がある。単純に接着剤の塗布量を増やして接着層を厚くしようとすると、木質薄単板に接着剤が染み上がり、表面から余分な接着剤が染み出てきてしまうので意匠性が悪いという問題がある。
さらに、上記のように木質薄単板に接着剤が染み上がった化粧板(床材)に、ショットブラスト法による浮造り加工を施そうとすると、木質薄単板の接着剤が染み上がった部分を研削することができず、浮造り加工にムラが生じてしまい、化粧板の意匠性がよくないという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、長期的なキャスターの使用に対する耐傷性と意匠性とに優れた化粧板を得ることにある。
第1の発明に係る化粧板は、少なくとも表面が硬質な木質基材の表面に、接着層を介して木質薄単板が積層一体化された化粧板であって、上記接着層は、厚みが30μm以上でかつ75μm以下であり、硬度がタイプAデュロメーターで30°以下となる基材側接着剤で構成され、上記接着層と木質薄単板との間には紙層が設けられている。
上記の構成によると、接着層が30〜75μmの厚みを有するとともに、硬度がタイプAデュロメーターで30°以下で弾性を有することで、柔軟でかつ充分な厚みの接着層が木質基材と木質薄単板との間に介装されるので、長期的にキャスターを使用しても、その応力が分散されて木質薄単板の剥離が抑制される。
また、接着層と木質薄単板との間に紙層を設けているので、接着層の厚みを確保しつつ、木質薄単板への基材側接着剤の染み上がりが抑制される。
第2の発明に係る化粧板は、第1の発明に係る化粧板において、上記基材側接着剤は軟質であり、上記紙層と木質薄単板とが硬質の単板側接着剤により接合一体化されていて、上記紙層は基材側接着剤及び単板側接着剤により含浸強化されている。
上記の構成によると、基材側接着剤による接着層と木質薄単板とが強固に接着される。
第3の発明に係る化粧板は、第2の発明に係る化粧板において、上記単板側接着剤の木質薄単板への染み上がりが、該木質薄単板の厚みの50%以下とされ、上記木質薄単板の表面に、上記単板側接着剤の該木質薄単板裏面からの染み上がり部分に到る深さまでショットブラスト法による浮造り加工が施されている。
上記の構成によると、木質薄単板の表面にまで単板側接着剤が染み上がって意匠性が劣ってしまうことがない。
ここで、ショットブラスト法とは、硬質で微細なブラスト研磨材を木質薄単板の表面に衝突させて、表面に微細な傷をつける加工のことであり、木質薄単板の軟らかい部分が少しずつ研削されて硬い部分が残り、さらに、木質薄単板に接着剤が染み上がっている部分は研削されにくい。
そして、第3の発明の構成によると、ショットブラスト法により浮造り加工を施すとき、木質薄単板への単板側接着剤の染み上がり部分まで浮造り加工を施すことで、単板側接着剤の染み上がり量を調整することにより浮造り加工の凹凸深さが決定される。
第4の発明に係る化粧板の製造方法は、少なくとも表面が硬質な木質基材の表面に、硬化状態で弾性を有する基材側接着剤を塗布して接着層を形成する接着層形成工程と、上記接着層上に紙層を積層する紙層積層工程と、上記紙層上に単板側接着剤を塗布する単板側接着剤塗布工程と、上記単板側接着剤上に木質薄単板を積層して積層体を得る積層工程と、上記積層体を熱圧プレスして積層一体化することで、上記接着層の厚みが30μm以上でかつ75μm以下であるとともに該接着層の硬度がタイプAデュロメーターで30°以下となる化粧基材を得る熱圧プレス工程と、上記化粧基材の表面に化粧加工を行う化粧加工工程とを含む。
上記の構成によると、木質基材表面に基材側接着剤を塗布して接着層を形成し、この接着層上に紙層を積層した後に単板側接着剤を塗布し、さらに木質薄単板を積層する。接着層と木質薄単板との間に紙層が設けられているため、基材側接着剤の木質薄単板への染み上がりが抑制される。
そして、木質基材、接着層、紙層及び木質薄単板が積層された積層体を熱圧プレスして積層一体化し、化粧基材を得る。このとき、接着層は厚みが30μm以上でかつ75μm以下であり、硬度がタイプAデュロメーターで30°以下となる、すなわち、硬化物がこのような状態になる基材側接着剤が使用される。このため、充分な厚みと柔軟性を有した接着層が介装された化粧板を得ることができ、長期的なキャスターの使用に対しても、木質薄単板の剥離が抑制される。
第5の発明に係る化粧板の製造方法は、少なくとも表面が硬質な木質基材の表面に、硬化状態で弾性を有する基材側接着剤を塗布して接着層を形成する接着層形成工程と、上記接着層上に紙層を積層する紙層積層工程と、上記木質基材と接着層と紙層とを熱圧プレスして積層一体化し、該接着層を厚みが30μm以上でかつ75μm以下であるとともに硬度がタイプAデュロメーターで30°以下の硬化物とする第1熱圧プレス工程と、上記紙層上に単板側接着剤を塗布する単板側接着剤塗布工程と、上記単板側接着剤上に木質薄単板を積層して積層体を得る積層工程と、上記積層体を熱圧プレスして積層一体化して化粧基材を得る第2熱圧プレス工程と、上記化粧基材の表面に化粧加工を行う化粧加工工程とを含む。
上記の構成によると、木質基材に基材側接着剤を塗布した後に紙層を積層し、これらを熱圧プレスして積層一体化することで、木質基材と紙材との間に基材側接着剤により接着層が形成される。さらに、紙層上に単板側接着剤を塗布して木質薄単板を積層し、再び熱圧プレスによりこれらを積層一体化して化粧基材を得る。
接着層と木質薄単板との間に紙層が設けられているため、基材側接着剤の木質薄単板への染み上がりが抑制されるとともに、充分な厚みと柔軟性を有した接着層が介装された化粧板を得ることができ、長期的なキャスターの使用に対しても、木質薄単板の剥離が抑制される。
第6の発明に係る化粧板の製造方法は、第4または5の発明に係る化粧板の製造方法において、上記熱圧プレス工程の後、ショットブラスト法により、上記木質薄単板の表面に上記単板側接着剤の木質薄単板の裏面からの染み上がり部分に到る深さまで浮造り加工を施す浮造り加工工程をさらに含む。
すなわち、上記ショットブラスト法による浮造り加工では、木質薄単板の単板側接着剤が染み上がった部分は研削されにくくなる。上記の構成によると、木質薄単板に単板側接着剤が染み上がった部分まで浮造り加工を施すことで、単板側接着剤の染み上がり量を調整して浮造り加工の凹凸深さが決定される。
本発明によれば、木質薄単板の剥離を効果的に抑制して、長期的なキャスターの使用に対する耐傷性を向上させることができるとともに、意匠性に優れた化粧板を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[化粧板]
本発明の実施形態に係る化粧板は、木質基材と、接着層と、紙層と、木質薄単板とが順に積層され、床材として使用されるものである。
(木質基材)
木質基材は、少なくとも表面が硬質な木質基材で構成されていれば、例えば木材でもよいし、インシュレーションボードやMDF、ハードボード等の木質繊維板でもよいし、合板、パーティクルボードでもよい。
木質基材の表面を硬く強化する強化方法としては、単純に、表層にメラミン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂やイソシアネート系樹脂を含浸させてもよいし、メラミン樹脂含浸紙、フェノール樹脂含浸紙等の各種樹脂含浸紙による強化層を表層に設けてもよい。また、樹脂含浸紙に代えて、木粉や木質繊維、木質切片等を主体とし、これらを各種樹脂とともに混練成形した硬質の人工樹脂木材や、MDF、ハードボード等の木質繊維板等の硬質な木質基材で表面強化してもよい。
また、合板等の表面にMDFやハードボード等の硬質木質基材を貼着してもよい。この場合、MDFやハードボード等は樹脂含浸強化されたものでもよい。
いずれの場合でも、軟質な木質基材表面が長期的かつ連続的なキャスターの使用に耐え得るように強化されている必要がある。
(接着層)
上記接着層は、厚みが30〜75μmであって、硬度がタイプAデュロメーターで30°以下である、軟質の基材側接着剤の硬化物で構成されている。このように、接着層が充分な厚みと弾性とを有することにより、キャスターの長期的かつ連続的な荷重に対しても、木質薄単板の剥離を抑制することができる。
基材側接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、酢ビ系樹脂、ラテックス系樹脂、ゴム系樹脂、ビニルウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂やこれらの変性樹脂、これらの樹脂と尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアネート系樹脂等との混合物等が好適に用いられる。
さらに、基材側接着剤の塗布量を増やすために、各種増粘剤や増量剤を添加して高粘度にすることが好ましい。増粘剤としては、例えば小麦粉やポバール等が使用される。また増量剤としては、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン等が使用される。また、基材側接着剤には、適宜硬化剤を添加して硬化性を促進させる。硬化剤としては熱反応型を適宜選択すればよい。
また、基材側接着剤には、木質基材の隠蔽性を向上させるために、各種顔料が添加されて着色されていてもよい。
(紙層)
上記紙層は、厚さが30〜60μm程度、目付量が25〜40g/m程度の一般的なチタン紙やクラフト紙、紙間強化紙等が用いられる。上記基材側接着剤や、後述する単板側接着剤の含浸を妨げず、プレスによって容易に基材側接着剤が紙層の表面に染み出してしまわない程度の厚みと目付量とを有する紙であれば、どのようなものでも用いることができる。この紙層により、基材側接着剤の木質薄単板への染み上がりが抑制されるとともに、該基材側接着剤及び単板側接着剤により紙層が含浸強化されるようになっている。
(単板側接着剤)
上記紙層の上には、紙層と木質薄単板とを強固に接着させるために硬質の単板側接着剤を塗布し、紙層と木質薄単板とを接合一体化することが好ましい。
上記単板側接着剤は、木質基材と紙層と木質薄単板とが積層された積層物を熱圧プレスして積層一体化する際に、所望の強度が実現できるものが好ましい。
具体的には、単板側接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、酢ビ系樹脂、ラテックス系樹脂、ゴム系樹脂、ビニルウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂やこれらの変性樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアネート系樹脂等及びこれらの樹脂の混合物等が用いられる。化粧板の使用時における乾湿による単板の割れを効果的に抑制するためには、単板側接着剤として、尿素メラミン系樹脂やイソシアネート系樹脂等の硬化物が硬質である接着剤を主剤として用いることが好ましい。また、単板側接着剤には、基材側接着剤と同様に、適宜硬化剤を添加して硬化性を促進させてもよい。
上記単板側接着剤の塗布量は、木質薄単板への染み上がりを抑制するために必要最低限の量であることが好ましい。すなわち、単板側接着剤の木質薄単板への染み上がりは、木質薄単板の厚みの50%以下であることが好ましく、染み上がり量をこのように抑えることにより、後述するショットブラスト法による浮造り加工を効果的に行うことができる。
そして、上記紙層は、基材側接着剤及び単板側接着剤が表裏両方から含浸することで、その全体が含浸強化されている。
(木質薄単板)
木質薄単板としては、天然木質材や、これらの積層物をスライスした薄切片を使用することができる。天然木質材は、針葉樹、広葉樹、いわゆる早生樹等、どのようなものでも使用することができる。また、天然木質材の積層物をスライスしたものとは、いわゆる人工突板といわれるものである。
また、木質薄単板には、乾燥単板や生単板(いわゆる濡れ単板)を使用することができる。木質薄単板の厚みが厚すぎると、硬くなるだけでなく、単板自体の耐干割れ性が悪くなってしまうので、木質薄単板の厚みは、0.15〜1.0mm程度が好ましく、後の浮造り工程を考慮すると、より好ましくは、0.25〜0.6mm程度の厚みがよい。
[製造方法]
次に、上記化粧板の製造方法について説明する。
(接着層形成工程)
まず、上記木質基材上に基材側接着剤を塗布して接着層を形成する。基材側接着剤を塗布する手段としては、フローコーター又はロールコーターが好適に用いられる。この基材側接着剤によって、30〜75μmの厚みの接着層が形成されるように塗布する。
(紙層積層工程)
次に、上記接着層上に紙層を積層する。
ここで、上記木質基材、接着層及び紙層をあらかじめ熱圧プレスして積層一体化してもよい(第1熱圧プレス工程)。熱圧プレスの方法は、一般的なロールプレスや平板プレス等、様々な方法があるが、好ましくは平板プレスが使用される。熱圧プレスは、100〜130℃でかつ0.2〜1.0MPaの条件下で、30〜90秒程度行われる。これにより、基材側接着剤が完全に硬化され、接着層の厚みが30μm以上でかつ75μm以下であるとともに、接着層の硬度がタイプAデュロメーターで30°以下となる。第1熱圧プレス工程後は、冷却して養生させることが望ましい。
(単板側接着剤塗布工程)
上記紙層上に単板側接着剤を塗布する。単板側接着剤を塗布する塗布手段は特に限定されない。目的とする単板側接着剤の塗布量に応じた塗布方法を選択すればよく、例えば、ロールコーターやフローコーター、スプレー等が好適である。
(積層工程)
次に、単板側接着剤上に木質薄単板を積層して積層体を得る。載置した木質薄単板は仮固定してもよい。仮固定の方法としては、高周波等で仮固定部分の水分を飛ばし、単板側接着剤を固化させる方法が好適に用いられる。
(熱圧プレス工程)
次に、上記積層体を熱圧プレスして積層一体化して化粧基材を得る。上記木質基材、接着層及び紙層を熱圧プレスして積層一体化した場合も、単板側接着剤を介して木質薄単板を積層した後もう一度熱圧プレスする(第2熱圧プレス工程)。熱圧プレスの方法は、上述した方法と同じである。これにより、基材側接着剤及び単板側接着剤が完全に硬化される。
このとき、単板側接着剤の木質薄単板への染み上がりは、木質薄単板の厚みの50%以下となっている。
(浮造り加工工程)
次に、上記化粧基材の表面に、ショットブラスト法による浮造り加工を施す。ショットブラスト法とは、硬質で微細なブラスト用研磨材を木質薄単板の表面に衝突させて表面に微細な傷をつける加工である。これにより、木質薄単板の軟らかい部分が研削され、硬い部分が残り、表面に凹凸を有する化粧基材を得ることができる。
ブラスト用研磨材としては、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ケイ素質等の無機質粒子、アルミナ等の金属粒子、胡桃や桃の種等を粉砕した硬質有機粒子、あるいはドライアイスを細かく粉砕したドライアイス粒子等が用いられる。このようなブラスト用研磨材をノズルから噴出させ、化粧基材の表面に衝突させて浮造り加工を施す。なお、化粧基材には浮造り加工を施さなくてもよい。
(化粧加工工程)
最後に、上記浮造り加工が施された化粧基材や、面均一に研削された化粧基材の表面に透明性樹脂塗料を塗布し、これを硬化させて透明性樹脂塗膜を形成する化粧加工を施して化粧板を得る。
[実施形態の効果]
このように、本発明の実施形態に係る化粧板は、接着層が30μm以上でかつ75μm以下の厚みを有し、タイプAデュロメーターで30°以下の硬度となり弾性を有するので、柔軟でかつ充分な厚みを有する接着層が木質基材と木質薄単板との間に介装されることになり、長期的かつ連続的にキャスターを使用しても、その応力が分散されて木質薄単板の剥離を効果的に抑制することができる。
また、接着層と木質薄単板との間に紙層を設けたので、この紙層で基材側接着剤を含浸し、木質薄単板への基材側接着剤の染み上がりを抑制することができる。
また、紙層と木質薄単板とを単板側接着剤により接合一体化するので、紙層と木質薄単板とが強固に接着されるとともに、紙層の全体に基材側接着剤と単板側接着剤が含浸して含浸強化され。
また、基材側接着剤の木質薄単板への染み上がりを抑制するとともに、単板側接着剤の木質薄単板への染み上がりの抑制も考慮することで、この化粧板にショットブラスト法により浮造り加工を施した場合に、ムラが生じにくくなり、意匠性に優れた化粧板を得ることができる。
また、単板側接着剤の木質薄単板への染み上がりを木質薄単板の厚みの50%以下とすることで、木質薄単板の表面への単板側接着剤の染み上がりがないだけでなく、ショットブラスト法による浮造り加工の際、より確実にムラの発生を抑制することができ、意匠性により一層優れた化粧板を得ることができる。
さらに、木質薄単板への単板側接着剤の染み上がり部分まで浮造り加工を施すことによって、単板側接着剤の染み上がり量を調整することで浮造り加工の凹凸深さを決定することができるので、効果的に浮造り加工を施すことができる。
(実施例1)
厚さ11.5mmのラワン合板の表面に樹脂液を塗布した。この樹脂液は樹脂含有率70重量%の水性変性メラミン100重量部に、硬化剤として50重量%濃度のパラトルエンスルフォン酸3重量部を加えた。この樹脂液を固形分換算で約330g/mとなるように塗布した。次に、合板の樹脂液塗布側面に密度が0.5で重さが115g/m の樹脂含浸用原紙を載置し、ホットプレスにより130℃で0.2MPaの低圧条件で40秒間加熱した。さらに、130℃で1.0MPaの条件で80秒間加熱加圧することにより、樹脂含浸用原紙を合板表面に接着するとともに、原紙に合成樹脂液を含浸、硬化させて樹脂含浸硬化処理紙からなる強化層が表面に形成された木質基材を得た。
上記木質基材表面に、エチレン酢酸ビニル系接着剤95重量部にイソシアネート系接着剤5重量部を添加した軟質の基材側接着剤を100g/m、ロールコーターにて塗布した。その上に、厚さ30μmで目付量が25/mの紙層としての紙間強化紙を載置した。さらに、この紙層上に、メラミン系接着剤95重量部にSBR系接着剤5重量部を添加した硬質の単板側接着剤を70g/m 、ロールコーターで塗布し、さらに、厚さ0.25mmのサワグルミの濡れ単板を載置した。これを120℃で0.8MPaの熱圧条件で50秒間熱圧プレスして化粧板を得た。
ここで、あらかじめ基材側接着剤を赤色に、単板側接着剤を青色に着色して形成した化粧板について断面観察を行ったところ、紙間強化紙は基材側接着剤と単板側接着剤とで全体が含浸強化されていた。さらに、強化層と紙層との間に30〜40μmの均一な厚みの弾性のある接着層が形成されていた。また、単板厚みの下側2分の1から3分の1に単板側接着剤が染み上がっているのが確認できた。なお、接着剤は、通常は無着色か単板の類似色に着色される。
上記化粧板に対して耐キャスター試験を行った。耐キャスター試験とは、直径50mmの鉄製の単輪キャスター上に25kgの荷重を載せ、300m長さを500回往復させる試験である。キャスターの移動速度は、約2秒/往復とし、試験後の化粧板表面の凹み量の測定と、状態の目視確認とを行う。
上記耐キャスター試験の試験結果は、化粧板表面の凹み量は最大で0.06mmであり、木質薄単板の剥離も確認されなかった。
(実施例2)
上記実施例1で得られた化粧基材の表面に、ショットブラスト法により浮造り加工を施した。単板側接着剤の青色が表出するまで、つまり、単板側接着剤の染み上がり部分に到る深さまで浮造り加工を施した。この浮造り加工により、柔らかい導管以外の部分が優先的に研削され、硬い導管部分が残り、凹凸感に優れた外観を持つ化粧基材を得ることができた。この化粧基材の表面を研磨剤が含まれたスポンジで研磨した後、透明樹脂塗料を塗布して透明樹脂塗膜を形成し、美麗な化粧板を得た。
上記のようにしてられた化粧板に対しても耐キャスター試験を行った。500回往復させた後には、木質薄単板の剥離等の問題は確認されなかった。
(比較例1)
比較例1の化粧板は、基材側接着剤がエチレン酢酸ビニル系接着剤95重量部に対して、イソシアネート系接着剤5重量部を添加したものであり、これを170g/m、ロールコーターで塗布した点で上記実施例1の化粧板と異なり、他は実施例1と同じ構成であり、同じ製造方法により化粧板を得た。
表面観察を行うと、単板表面のいたるところからの接着剤の染み上がりが確認され、断面観察を行うと、単板表面の全層に接着剤が染み上がっているのが確認された。接着層の厚みは20〜30μm程度であった。
(比較例2)
比較例2の化粧板は、上記比較例1の化粧材の表面にショットブラストによる浮造り加工を施したが、表面がほとんど研削されなかった。そこで、時間を延長してショットブラスト加工を施したが、接着剤が単板の表面まで染み上がっているので、この染み上がり部分がほとんど研削されず、染み上がっていない部分の導管以外の部分のみが削れ、ムラのある浮造り加工となった。
(比較例3)
比較例3の化粧板は、基材側接着剤を55g/m塗布した点が実施例1の化粧板と異なる。
断面観察を行うと、紙層に基材側接着剤と単板側接着剤との間に接着剤の含浸されていない部分があった。さらに、接着層の厚みは5〜10μm程度であり、単板には下側3分の1に単板側接着剤が染み上がっていた。
上記化粧板に耐キャスター試験を行った。500回往復させると、表面に単板剥離が確認され、凹み量の測定は不可能であった。また、単板の剥離部分の観察を行ったところ、表面単板の単板側接着剤で強化されていない部分で剪断破壊が生じていた。
以上説明したように、本発明は、床材として利用される化粧板及びその製造方法について有用である。

Claims (6)

  1. 少なくとも表面が硬質な木質基材の表面に、接着層を介して木質薄単板が積層一体化された化粧板であって、
    上記接着層は、厚みが30μm以上でかつ75μm以下であり、硬度がタイプAデュロメーターで30°以下となる基材側接着剤で構成され、
    上記接着層と木質薄単板との間には紙層が設けられていることを特徴とする化粧板。
  2. 請求項1の化粧板において、
    上記基材側接着剤は軟質であり、上記紙層と木質薄単板とが硬質の単板側接着剤により接合一体化されていて、
    上記紙層は基材側接着剤及び単板側接着剤により含浸強化されていることを特徴とする化粧板。
  3. 請求項2の化粧板において、
    上記単板側接着剤の木質薄単板への染み上がりが、該木質薄単板の厚みの50%以下とされ、
    上記木質薄単板の表面に、上記単板側接着剤の該木質薄単板裏面からの染み上がり部分に到る深さまでショットブラスト法による浮造り加工が施されていることを特徴とする化粧板。
  4. 少なくとも表面が硬質な木質基材の表面に、硬化状態で弾性を有する基材側接着剤を塗布して接着層を形成する接着層形成工程と、
    上記接着層上に紙層を積層する紙層積層工程と、
    上記紙層上に単板側接着剤を塗布する単板側接着剤塗布工程と、
    上記単板側接着剤上に木質薄単板を積層して積層体を得る積層工程と、
    上記積層体を熱圧プレスして積層一体化することで、上記接着層の厚みが30μm以上でかつ75μm以下であるとともに該接着層の硬度がタイプAデュロメーターで30°以下となる化粧基材を得る熱圧プレス工程と、
    上記化粧基材の表面に化粧加工を行う化粧加工工程とを含むことを特徴とする化粧板の製造方法。
  5. 少なくとも表面が硬質な木質基材の表面に、硬化状態で弾性を有する基材側接着剤を塗布して接着層を形成する接着層形成工程と、
    上記接着層上に紙層を積層する紙層積層工程と、
    上記木質基材と接着層と紙層とを熱圧プレスして積層一体化し、該接着層を厚みが30μm以上でかつ75μm以下であるとともに硬度がタイプAデュロメーターで30°以下の硬化物とする第1熱圧プレス工程と、
    上記紙層上に単板側接着剤を塗布する単板側接着剤塗布工程と、
    上記単板側接着剤上に木質薄単板を積層して積層体を得る積層工程と、
    上記積層体を熱圧プレスして積層一体化して化粧基材を得る第2熱圧プレス工程と、
    上記化粧基材の表面に化粧加工を行う化粧加工工程とを含むことを特徴とする化粧板の製造方法。
  6. 請求項4または5の化粧板の製造方法において、
    上記熱圧プレス工程の後、ショットブラスト法により、上記木質薄単板の表面に上記単板側接着剤の木質薄単板裏面からの染み上がり部分に到る深さまで浮造り加工を施す浮造り加工工程をさらに含むことを特徴とする化粧板の製造方法。
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