JP2009079135A - 水溶性重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水溶液中で水溶性単量体を重合して得られた重合体ゲルに、亜硫酸アルカリ金属塩、亜硫酸水素アルカリ金属塩、及びピロ亜硫酸アルカリ金属塩からなる群から選ばれる1種以上の亜硫酸塩化合物を水性媒体スラリー又は水溶液として添加する工程を含む水溶性重合体の製造方法であって、前記亜硫酸塩化合物水性媒体スラリー又は水溶液をpH3.7〜9.5とすることを特徴とする水溶性重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
また、特許文献2の方法でも、遊離のアクリル酸を水溶性単量体として使用しているため、特許文献1の方法と同様に、亜硫酸塩化合物を添加するとSOX臭気が発生するという問題点があった。
また、特許文献3の方法は、水溶性重合体としてポリアクリルアミドを製造する場合には粘度低下を殆ど伴うことなく残存モノマーを効果的に低減できる。しかし、DMEやDMCを水溶性単量体として使用する場合には、特許文献1の方法と同様に、乾燥後の重合体ゲル中に著量の水不溶解性成分を生じるという問題点があった。
そのため、SOX臭気及び水不溶解性成分の発生を実質的に伴わずに、残存モノマーの含有量を低減させることのできる水溶性重合体の製造方法が望まれている。
本発明の水溶性重合体の製造方法は、前記水溶性単量体が、アクリルアミド系単量体、及び(メタ)アクリレート系単量体からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、前記水溶性単量体の重合をpH2.0〜5.5で行うことが好ましい。
本発明の製造方法で得られる水溶性重合体は、アクリルアミド系単量体及び/または(メタ)アクリレート系単量体を主成分とする水溶性単量体を重合することにより得られる重合体であり、1種の水溶性単量体を単独で用いた重合体であってもよく、2種以上の水溶性単量体を用いた共重合体であってもよい。また、アクリルアミド系単量体、(メタ)アクリレート系単量体以外の共重合可能な単量体を用いた共重合体であってもよい。
(メタ)アクリレート系単量体としては、例えば、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N’−ジエチルアミノプロピルメタクリレート等のN,N’−ジアルキルアミノアルキル(メタ)クリレート及びそれらの塩;ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート;アクリル酸、メタクリル酸等による低級アルキルエステル等が挙げられる。
また、前記アクリルアミド系単量体及び(メタ)アクリレート系単量体以外の共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等、及びそれらの塩;N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
以下、本発明の製造方法の一実施形態例について説明する。本実施形態例の水溶性重合体の製造方法は、水溶液中で前記水溶性単量体を重合することにより重合体ゲルを得る工程と、該重合体ゲルに亜硫酸塩化合物を添加する工程と、得られた重合体ゲルを乾燥して粉砕する工程とを含む方法である。
ラジカル開始剤としては、例えば、過硫酸塩、過酸化水素等の無機過酸化物や、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物、または、これらと三級アミン、亜硫酸塩、もしくは第一鉄塩等の還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤;前記レドックス系開始剤と前記アゾ系開始剤との併用開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン等のアセトフェノン系開始剤;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィン系開始剤;前記アセトフェノン系開始剤と前記アシルフォスフィン系開始剤との併用開始剤等の、光で開始ラジカルを生成する光重合開始剤等の公知の開始剤が挙げられる。
また、開始剤の添加は、−10〜100℃で行うことが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、次亜リン酸、ホスホン酸等が挙げられる。
連鎖移動剤の添加量は、水溶性単量体の水溶液(100質量%)に対して0.001〜0.1質量%とすることが好ましい。連鎖移動剤の添加量が0.001質量%以上であれば、得られる水溶性重合体の分子量が増加し、水又は塩水溶液に溶かした際に水不溶解性の架橋重合体が増加するのを防ぎ易い。また、連鎖移動剤の添加量が0.1質量%以下であれば、得られる水溶性重合体の分子量が低下して粘度が低下しすぎるのを防ぎ易い。
アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。なかでも、得られる重合体ゲル中の残存モノマー含有量の低減効果が優れ、得られる水溶性重合体の品質が良好となる点からナトリウム塩が好ましい。
前記pHは、重合に用いる水溶性単量体の組成、添加する亜硫酸塩化合物の種類によっても異なるが、pH5.0〜8.0とすることが好ましい。
前記pHが3.7以上であれば、SOX臭気の発生を抑えることができる。また、前記pHが9.5以下であれば、特に(メタ)アクリレート系単量体を用いた場合に、エステル部位がアルカリ加水分解して水不溶解性成分が生成するのを抑えることができる。
また、亜硫酸塩化合物が塩基性成分である場合には、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニアガス、アンモニア水、ヒドラジン、亜硫酸アルカリ金属塩、ピロ亜硫酸アルカリ金属塩等の塩基成分を用いることができる。なかでも、得られる水溶性重合体の品質及び装置効率が良好になる点から、水酸化ナトリウム、亜硫酸アルカリ金属塩、ピロ亜硫酸アルカリ金属塩を用いることが好ましい。
亜硫酸塩化合物の質量割合を0.1質量%以上とすれば、残存モノマー含有量を低減するのが容易になる。また、亜硫酸塩化合物の質量割合を15質量%以下とすれば、得られる水溶性重合体の粘度が低下しすぎるのを防ぎ易い。
該理由としては、亜硫酸塩化合物のpHを3.7以上に調整することで、亜硫酸塩化合物の大半が水性媒体中で解離した亜硫酸イオンとして存在するため、SOX臭気の発生を抑えることができると考えられる。また、前記pH調整を9.5以下とすることにより、特に(メタ)アクリレート系単量体を用いた場合に、単量体のエステル部位がアルカリ加水分解して水不溶解性成分が生成するのが抑えられると考えられる。
以下、本実施例で得られた重合体粉末についての物性測定法について説明する。
[残留単量体濃度測定]
得られた重合体粉末1.5gをアセトンと水との混合溶液(アセトン/水(質量比)=80/20)15.0gに加え、30℃で16時間振とうし、得られた単量体抽出液を高速液体クロマトグラフィー(カラム;MCI GEL−1HU、φ4.6×250mm、キャリアー;50mMリン酸水溶液、波長207nm、流速0.8ml/分)で測定した。
4.0%の塩化ナトリウム水溶液に、得られた重合体有効分を0.5質量%となる様に溶解し、B型粘度計(東機産業社製)を用い、温度25℃、ローター回転速度60rpmの条件で攪拌し、5分後のポリマー水溶液の塩粘度を測定した。
[実施例1]
50質量%アクリルアミド水溶液(ダイヤニトリックス社製)268.8g、79質量%DME(大阪有機化学社製)水溶液680.5g、及び純水138.6gを2000mL褐色耐熱瓶に順次投入後、30質量%硫酸を用いてpH4.5に調整することにより、単量体反応液を調製した。
ついで、連鎖移動剤としてホスホン酸(関東化学社製、以下、FAという)の10.0質量%水溶液1.41g、光開始剤としてDAROCUR 1173(Ciba社製、以下、D−1173という)の2.5質量%水溶液986mgを前記単量体反応液に順次投入後、窒素ガスを30分間吹き込みながら溶液温度を15℃に調節した。その後、単量体反応液を窒素雰囲気下にあるステンレス製平型反応容器(底面積540cm2)に移した。ついで、ケミカルランプを用い、前記平型反応容器の下方から容器底面に、15℃の水を噴霧しながら光照射を行うことにより窒素雰囲気下で重合反応を行って含水状の重合体ゲルを得た。光照射は、容器底面の表面温度が32℃になるまでは照射強度5.0W/m2で行い、容器底面の表面温度が32℃に到達した後は、照射強度0.3W/m2で30分間、5.0W/m2で25分間、さらに50W/m2で4分間行った。
その後、得られた含水状の重合体ゲルについて、ハサミによる解砕を行った。該解砕重合体40.0gを採取し、別途、2種類の亜硫酸塩化合物を混合してpH調整を行った30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgを滴下した後、これらを混合した。滴下・混合中、気体検知管(ガステック社製、目盛範囲2〜30ppm)を用いて気相部の二酸化硫黄ガス濃度を測定したが、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。ついで、滴下・混合後の重合体を、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、7.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(A−1)を得た。
50質量%亜硫酸ナトリウムのスラリーに、冷却下、30質量%硫酸と純水を滴下することによりpH調整した30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)を得た。該30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgを実施例1で得られた解砕重合体40.0gに滴下した後、これらを混合した。滴下・混合中、気相部の二酸化硫黄ガス濃度を測定したが、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。ついで、滴下・混合後の重合体を、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、7.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(A−2)を得た。
30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgの代わりに、30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−1.0質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH3.7)798mgを用いた以外は、実施例1と同様の方法で粉末状の重合体(A−3)を得た。滴下・混合中の気相部の二酸化硫黄ガス濃度の測定では、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。
30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgの代わりに、0.2質量%亜硫酸水素ナトリウム−12.0質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH9.50)633mgを用いた以外は、実施例1と同様の方法で粉末状の重合体(A−4)を得た。滴下・混合中の気相部の二酸化硫黄ガス濃度の測定では、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。
50質量%アクリルアミド水溶液(ダイヤニトリックス社製)698.5g、79質量%DME(大阪有機化学社製)水溶液74.6g、80.5質量%DMC(大阪有機化学社製)水溶液56.4g、50質量%アクリル酸水溶液(三菱化学社製)0.15g、及び純水281.0gを2000mL褐色耐熱瓶に順次投入後、30質量%硫酸を用いてpH3.9に調整することにより、単量体反応液を調製した。
ついで、連鎖移動剤として10質量%FA水溶液1.96g、光開始剤として2.5質量%D−1173水溶液6.72gを前記単量体反応液に順次投入後、窒素ガスを30分間吹き込みながら溶液温度を15℃に調節した。その後、単量体反応液を窒素雰囲気下にあるステンレス製平型反応容器(底面積540cm2)に移した。ついで、ケミカルランプを用い、前記平型反応容器の下方から容器底面に、15℃の水を噴霧しながら光照射を行うことにより窒素雰囲気下で重合反応を行って含水状の重合体ゲルを得た。光照射は、容器底面の表面温度が35℃になるまでは照射強度5.0W/m2で行い、容器底面の表面温度が35℃に到達した後は、0.8W/m2で20分間、5.0W/m2で12分間、50W/m2で6分間行った。
ついで、得られた含水状の重合体ゲルについて、ハサミによる解砕を行った。該解砕重合体40.0gを採取し、別途、2種類の粉体状の亜硫酸塩化合物を混合してpH調整した30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)448mgを滴下した後、これらを混合した。滴下・混合中、気体検知管(ガステック社製、目盛範囲2〜30ppm)を用いて気相部の二酸化硫黄ガス濃度を測定したが、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。ついで、滴下・混合後の重合体を、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、5.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(A−5)を得た。
50質量%アクリルアミド水溶液(ダイヤニトリックス社製)546.6g、79質量%DME(大阪有機化学社製)水溶液259.4g、80.5質量%DMC(大阪有機化学社製)水溶液169.7g、50質量%アクリル酸水溶液(三菱化学社製)136.6g、及び純水1.1gを2000mL褐色耐熱瓶に順次投入後、30質量%硫酸を用いてpH2.9に調整することにより、単量体反応液を調製した。
ついで、連鎖移動剤として次亜リン酸(関東化学社製、以下、HPAと略す。)の2.5質量%水溶液2.30g、光開始剤として2.5質量%D−1173水溶液3.58gを前記単量体反応液に順次投入後、窒素ガスを30分間吹き込みながら溶液温度を15℃に調節した。その後、単量体反応液を窒素雰囲気下にあるステンレス製平型反応容器(底面積540cm2)に移した。ついで、ケミカルランプを用い、前記平型反応容器の下方から容器底面に、15℃の水を噴霧しながら光照射を行うことにより窒素雰囲気下で重合反応を行って含水状の重合体ゲルを得た。光照射は、容器底面の表面温度が36℃になるまでは照射強度5.0W/m2で行い、容器底面の表面温度が36℃に到達した後は、0.8W/m2で30分間、5.0W/m2で5分間、55W/m2で6分間行った。
ついで、得られた含水状の重合体ゲルについて、ハサミによる解砕を行った。該解砕重合体40.0gを採取し、別途、2種類の粉体状の亜硫酸塩化合物を混合してpH調整した0.2質量%亜硫酸水素ナトリウム−12.0質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH9.50)460mgを滴下した後、これらを混合した。滴下・混合中、気体検知管(ガステック社製、目盛範囲2〜30ppm)を用いて気相部の二酸化硫黄ガス濃度を測定したところ、二酸化硫黄ガスは僅かに3ppm程度検出されたが、眼刺激性のあるSOX臭気は殆ど認められなかった。ついで、滴下・混合後の重合体を、温度60℃で16時間送風乾燥した後粉砕し、10.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(A−6)を得た。
79質量%DME(大阪有機化学社製)水溶液916.1g、純水197.3gを2000mL褐色耐熱瓶に順次投入後、30質量%硫酸を用いてpH4.5に調整することで、単量体反応液を調製した。
ついで、連鎖移動剤として2.0質量%HPA水溶液8.35g、光開始剤として2.5質量%D−1173水溶液22.3gを前記単量体反応液に順次投入後、窒素ガスを30分間吹き込みながら溶液温度を15℃に調節した。その後、単量体反応液を窒素雰囲気下にあるステンレス製平型反応容器(底面積540cm2)に移した。ついで、ケミカルランプを用い、前記平型反応容器の下方から容器底面に、15℃の水を噴霧しながら光照射を行うことにより窒素雰囲気下で重合反応を行って含水状の重合体ゲルを得た。光照射は、表面温度が30℃になるまでは照射強度5.0W/m2で行い、容器底面の表面温度が30℃に到達した後は、1.0W/m2で30分間、34W/m2で15分間行った。
ついで、得られた含水状の重合体ゲルについて、ハサミによる解砕を行った。該解砕重合体40.0gを採取し、別途、2種類の粉体状の亜硫酸塩化合物を混合してpH調整した30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgを滴下した後、これらを混合した。滴下・混合中、気体検知管(ガステック社製、目盛範囲2〜30ppm)を用いて気相部の二酸化硫黄ガス濃度を測定したが、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。ついで、滴下・混合後の重合体を、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、5.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(A−7)を得た。
80.5質量%DMC(大阪有機化学社製)1113.4gを2000mL褐色耐熱瓶に投入後、30質量%硫酸を用いてpH4.5に調整することにより、単量体反応液を調製した。
ついで、連鎖移動剤として0.5質量%HPA水溶液4.68g、光開始剤として2.5質量%D−1173水溶液4.01gを前記単量体反応液に順次投入後、窒素ガスを30分間吹き込みながら溶液温度を15℃に調節した。その後、単量体反応液を窒素雰囲気下にあるステンレス製平型反応容器(底面積540cm2)に移した。ついで、ケミカルランプを用い、前記平型反応容器の下方から容器底面に、15℃の水を噴霧しながら光照射を行うことにより窒素雰囲気下で重合反応を行って含水状の重合体ゲルを得た。光照射は、容器底面の表面温度が34℃になるまでは照射強度5.0W/m2で行い、容器底面の表面温度が34℃に到達した後は、0.8W/m2で25分間行った。
ついで、得られた含水状の重合体ゲルについて、ハサミによる解砕を行った。該解砕重合体40.0gを採取し、別途、2種類の粉体状の亜硫酸塩化合物を混合してpH調整した30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgを滴下した後、これらを混合した。滴下・混合中、気体検知管(ガステック社製、目盛範囲2〜30ppm)を用いて気相部の二酸化硫黄ガス濃度の測定を行ったが、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。ついで、滴下・混合後の重合体を、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、5.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(A−8)を得た。
実施例1で得られた解砕重合体40.0gを、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、7.0質量%となる様にスルファミン酸を添加する事で、粉末状の重合体(B−1)を得た。
30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgの代わりに、pH調整を行っていない12.0質量%亜硫酸ナトリウム水溶液(pH9.9)645mgを用いた以外は、実施例1と同様の方法で粉末状の重合体(B−2)を得た。滴下・混合中、気体検知管(ガステック社製、目盛範囲2〜30ppm)を用いて気相部の二酸化硫黄ガス濃度の測定を行ったが、二酸化硫黄ガスは検出されず、SOX臭気は認められなかった。
30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム−7.5質量%亜硫酸ナトリウム混合水溶液(pH5.50)680mgの代わりに、pH調整を行っていない30.0質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(pH3.4)571mgを用いた以外は、実施例1と同様の方法で粉末状の重合体(B−3)を得た。滴下・混合中、気体検知管(ガステック社製、目盛範囲2〜30ppm)を用いて気相部の二酸化硫黄ガス濃度の測定を行ったところ、目盛上限(30ppm)以上の二酸化硫黄ガスが検出され、眼刺激性の有る激しいSOX臭気が認められた。
実施例5で得られた解砕重合体40.0gを、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、5.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(B−4)を得た。
実施例6で得られた解砕重合体40.0gを、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、10.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(B−5)を得た。
実施例7で得られた解砕重合体40.0gを、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、5.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(B−6)を得た。
実施例8で得られた解砕重合体40.0gを、温度60℃で16時間送風乾燥した後に粉砕し、5.0質量%となる様にスルファミン酸を添加することで粉末状の重合体(B−7)を得た。
実施例及び比較例で得られた各重合体について、0.5%塩粘度、0.5%水不溶解性成分量を測定した。結果を表1に示す。ただし、表1中、AAmはアクリルアミドを意味する。
また、亜硫酸塩化合物を添加していない比較例1及び4〜7では、残存モノマー含有量が高かった。
Claims (3)
- 水溶液中で水溶性単量体を重合して得られた重合体ゲルに、亜硫酸アルカリ金属塩、亜硫酸水素アルカリ金属塩、及びピロ亜硫酸アルカリ金属塩からなる群から選ばれる1種以上の亜硫酸塩化合物を水性媒体スラリー又は水溶液として添加する工程を含む水溶性重合体の製造方法であって、
前記亜硫酸塩化合物の水性媒体スラリー又は水溶液をpH3.7〜9.5とすることを特徴とする水溶性重合体の製造方法。 - 前記水溶性単量体が、アクリルアミド系単量体、及び(メタ)アクリレート系単量体からなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の水溶性重合体の製造方法。
- 前記水溶性単量体の重合をpH2.0〜5.5で行う請求項1または2に記載の水溶性重合体の製造方法。
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