JP2009076278A - 正極電極体およびリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、正極集電体と、上記正極集電体上に形成された正極層と、を有する正極電極体であって、上記正極層が上記正極集電体上に形成された柱状正極活物質と、上記柱状正極活物質の先端部分に被覆された、一般式M1Ox(金属M1は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびホウ素(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる。)で表される金属酸化物とからなることを特徴とする正極電極体を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
また、球状の活物質は、活物質表面の任意の部分で均一な反応が起こる。このため、活物質表面の一部を金属酸化物被覆しただけでは、活物質と電解液との反応による活物質、電解液の劣化の抑制が充分ではなく、所望の耐久性が得られず、充分なサイクル特性が得られないという問題があった。
まず、本発明の正極電極体について、以下詳細に説明する。
本発明の正極電極体は、正極集電体と、上記正極集電体上に形成された正極層と、を有する正極電極体であって、上記正極層が上記正極集電体上に形成された柱状正極活物質と、上記柱状正極活物質の先端部分に被覆された、一般式M1Ox(金属M1は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびホウ素(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる。)で表される金属酸化物とからなることを特徴とするものである。
また、上記柱状正極活物質の先端部分は、あらゆる方向からの反応が起こり、活発な反応が起こる部分である。このような反応中心である柱状正極活物質の先端部分を被覆することにより、電解液、正極活物質等の劣化を効果的に抑制して、サイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明の正極電極体について、構成ごとに説明する。
まず、本発明に用いられる正極層について説明する。本発明に用いられる正極層は、上記正極集電体上に形成された柱状正極活物質と、上記柱状正極活物質の先端部分に被覆された、上記一般式M1Oxで表される金属酸化物とからなることを特徴とするものである。
本発明においては、上記正極電極体が、上記正極層を有することにより、リチウムイオンの拡散の促進が効果的に行われ、内部抵抗を低減することができ、かつ、反応中心である柱状正極活物質の先端部分の劣化を効果的に抑制して、サイクル特性を向上させることができる。これは以下の理由によるものと推定することができる。
以下、本発明に用いられる正極層について、構成ごとに説明する。
まず、本発明に用いられる柱状正極活物質について説明する。本発明に用いられる柱状正極活物質は、正極集電体上に形成された柱状の正極活物質であることを特徴とするものである。
より具体的な上記先端部分の範囲としては、少なくともリチウムの反応が活発な先端の表面部分が含まれるような範囲であれば特に限定されるものではない。通常、上記先端部分の上記柱状正極活物質の先端から正極集電体方向への垂直距離(先端部分長さ)の、上記柱状正極活物質の先端から根本までの垂直距離(柱状正極活物質長さ)に対する比率((先端部分長さ)/(柱状正極活物質長さ)×100)(%)が、1〜15%の範囲内の部分を言う。
次に、本発明に用いられる金属酸化物について説明する。本発明に用いられる金属酸化物は、一般式M1Ox(金属M1は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびホウ素(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる。)で表され、上記柱状正極活物質の先端部分を被覆することを特徴とするものである。
上記金属酸化物が、上記柱状正極活物質の先端部分を被覆することにより、上記被覆された金属酸化物の滑落が抑制される。上記金属酸化物は表面酸性度が充分高いため、リチウムイオンの拡散の促進が効果的に行われ、内部抵抗を低減することができる。さらに、上記金属酸化物は、反応中心である上記先端部分を被覆するので、効果的に電解液等の劣化を抑制することができ、サイクル特性を向上させることができる。
中でも10〜20%の範囲内であることが好ましい。上記金属酸化物間の空隙がより多くなり、より多くの柱状正極活物質側面を電解液により浸すことができ、反応面積を大きくする等して活物質利用率等を向上することができ、高性能な正極電極体、およびリチウム二次電池を得ることができるからである。
次に、本発明に用いられる正極集電体について説明する。図1に例示するように、本発明に用いられる正極集電体3は、上記正極層5の表面上に、通常、配置される。
次に、本発明のリチウム二次電池について説明する。本発明のリチウム二次電池は、上記の正極電極体を有することを特徴とするものである。
以下、このような本発明のリチウム二次電池について、構成ごとに説明する。
本発明に用いられる正極電極体について説明する。本発明に用いられる正極電極体は、上記「A.正極電極体」に記載されたものと同様のものであるので、ここでの記載は省略する。
次に、本発明に用いられる負極電極体について説明する。本発明に用いられる負極電極体は、少なくとも負極集電体と、負極活物質を含有する負極層と電解質とからなるものである。
次に、本発明に用いられるセパレータについて説明する。本発明に用いられるセパレータは、正極層および負極層の間に配置され、後述する電解質を保持する機能を有するものである。
上記セパレータの材料としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロースおよびポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であってもよい。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、PP/PE/PPの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。さらに、本発明においては、上記セパレータが、多孔膜、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。
本発明においては、上述した正極層、負極層、およびセパレータ内に、通常、リチウム塩を含有する電解質を有する。
上記電解質は、具体的には、液状であっても良く、ゲル状であっても良く、所望の電池の種類に応じて適宜選択することができるが、中でも液状が好ましい。リチウムイオン伝導性が、より良好となるからである。
上記電解質が液状の場合は、非水電解液が好ましい。リチウムイオン伝導性が、より良好となるからである。上記非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を有する。上記リチウム塩としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではないが、例えばLiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiC(CF3SO2)3およびLiClO4等を挙げることができる。一方、上記非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。本発明においては、これらの非水溶媒を一種のみ用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、上記非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
また、本発明のリチウム二次電池は、通常、図4で例示されるようなリチウム二次電池を電池ケースに挿入し、その周囲を封口して作製される。上記電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、本発明に用いられる電池ケースの形状としては、上述したセパレータ、正極層、負極層等を収納できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等を挙げることができる。
次に、本発明の正極電極体の製造方法について、以下詳細に説明する。
本発明の正極電極体の製造方法は、正極集電体上に柱状正極活物質をドライコーティング法により形成する柱状正極活物質形成工程と、上記柱状正極活物質の先端部分に、上記一般式M1Oxで表される金属酸化物をドライコーティング法により被覆する金属酸化物被覆工程と、を有することを特徴とするものである。
また、このようにして形成された柱状正極活物質の先端部分に被覆された上記金属酸化物の滑落は抑制される。したがって、表面酸性度が充分高い上記金属酸化物の被覆によるリチウムイオン拡散の促進が効果的に行われ、例えば、上記柱状正極活物質の先端部分でのリチウムイオンの挿入脱離、リチウムイオンの柱状正極活物質の根元部までの拡散、さらに柱状正極活物質の側面でのリチウムイオンの挿入脱離等が容易に起こり、内部抵抗を低減することができる。
さらに、上記柱状正極活物質の先端部分は、活発な反応が起こる反応中心部分であり、このような反応中心である柱状正極活物質の先端部分を選択的に被覆することにより、電解液、正極活物質等の劣化を効果的に抑制して、サイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明の正極電極体の製造方法について、各工程について、詳細に説明する。
本発明における柱状正極活物質形成工程について説明する。本発明における柱状正極活物質形成工程とは、正極集電体上に柱状正極活物質をドライコーティング法により形成する工程である。
なお、本工程における上記ドライコーティング法とは、真空を用いたコーティング方法を示すものであり、具体的には、上述したスパッタ法等のPVD、およびCVD等を含む概念である。この方法は、主に金属や無機酸化物をコーティングする場合に使用される。
次に、本発明における金属酸化物被覆工程について説明する。本発明においては、上記柱状正極活物質形成工程の後に、金属酸化物被覆工程を行う。
本発明における金属酸化物被覆工程とは、上述した「1.柱状正極活物質形成工程」にて得られた柱状正極活物質の先端部分を、金属酸化物間に充分な空隙が生じる程度に一般式M1Ox(金属M1は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびホウ素(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる。)で表される金属酸化物によりドライコーティング法を用いて被覆して、内部抵抗を低減し、かつ、サイクル特性を向上させた正極電極体を得る工程である。
なお、本工程における上記ドライコーティング法については、上述した「1.柱状正極活物質形成工程」に記載したものと同様であるので、ここでの記載は省略する。
また、本工程において、上記金属酸化物の被覆量は、通常、スパッタ時間により制御することができる。上記スパッタ時間は、上述したように所望の量の被覆をすることができればよく、上記金属酸化物の種類、スパッタ条件等により変化するものであるが、例えば、上記金属酸化物がWO3、カソード電源がRf、カソード電力が50W、ターゲットが合金酸化物、基板温度が300℃、全圧が1.0Pa、スパッタガスがAr、リアクティブガスがO2(60%)である場合、10〜100分の範囲内である。
本発明においては、本発明に必須の工程である上記柱状正極活物質形成工程、上記金属酸化物被覆工程の他に、必要に応じて、上記柱状正極活物質形成工程後に、上記柱状正極活物質表面を酸処理する酸処理工程等を有する。
以下、各工程について詳細に説明する。
(1)酸処理工程
上記酸処理工程は、上記柱状正極活物質形成工程後に、上記柱状正極活物質表面を酸処理する工程である。
本工程を経ることにより、柱状正極活物質表面の非晶質部分を除去して、柱状正極活物質間に、充分な隙間を生じさせることができる。これは以下の理由によるものと推定することができる。
すなわち、ドライコーティング法により形成された上記柱状正極活物質の表面は、結晶化されていないような比較的弱い非晶質部分が存在しているため、酸処理により非晶質部分を溶かし出す等して、上記柱状正極活物質間に充分な隙間を生じさせることができるのである。
このような隙間により、電解液が柱状正極活物質の根元部まで浸透し、反応面積を大きくして活物質利用率が向上する。このため、リチウムイオンの拡散、挿入、および脱離が充分に行われ、充放電容量が高い等、高性能な正極電極体、およびリチウム二次電池を得ることができる。
本実施態様は、上記柱状正極活物質工程後、上記金属酸化物被覆工程の前に酸処理工程を行うことを特徴とする。本実施態様においては、例えば、上記柱状正極活物質形成工程にて得られた図5(a)で例示される正極集電体上に形成された柱状正極活物質を、弱酸に浸漬することにより、柱状正極活物質表面の非晶質部分を除去して、図5(c)に例示されるように柱状正極活物質間に、柱状正極活物質の根本部まで隙間を生じさせることができる。
この後、上記金属酸化物被覆工程を行うことにより、図5(d)に例示されるように上記柱状正極活物質の先端部分に上記金属酸化物を被覆させて、所望の正極電極体を得ることができる。上記正極電極体を用いることにより、リチウム二次電池とした際に、電解液により柱状正極活物質の根元部まで充分浸すことができ、反応面積を大きくして活物質利用率を向上することができる。
本実施態様は、上記金属酸化物被覆工程の後に酸処理工程を行うことを特徴とする。本実施態様においては、例えば、上記金属酸化物被覆工程にて得られた図5(b)で例示される正極集電体2、および柱状正極活物質4の先端部分に金属酸化物5を被覆させた正極層3、からなる正極電極体1を、弱酸に浸漬することにより、柱状正極活物質4表面の非晶質部分を除去して、上記柱状正極活物質間に、例えば柱状正極活物質の根本部まで隙間を生じさせ、図5(d)に例示されるように、所望の正極電極体を得ることができる。
上記正極電極体を用いることにより、リチウム二次電池とした際に、電解液により上記柱状正極活物質の根元部まで浸すことができ、反応面積を大きくして活物質利用率を向上することができる。
次に、本発明のリチウム二次電池の製造方法について、以下詳細に説明する。
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、上記「C.正極電極体の製造方法」により得られた正極電極体をセパレータ上に設置する正極電極体設置工程を有することを特徴とするものである。
例えば、上記「C.正極電極体の製造方法」により得られた正極電極体を、正極層とセパレータとが接するように、セパレータ上に設置する正極電極体設置工程を行う。
次に、負極層を負極集電体上に作製し、上記負極層と上記負極集電体とからなる負極電極体を作製した後、上記セパレータの正極電極体の反対側に、負極層とセパレータが接するように、負極電極体を設置する負極電極体設置工程を行う。
その後、上記正極層、上記負極層、および上記セパレータに所定の電解質を充填した後、上記セパレータが上記正極電極体と上記負極電極体とにより挟持されたものを電池ケース等に挿入して電池とする電池組立工程を行うことにより、上述した所望のリチウム二次電池を得ることができる。
なお、上記正極電極体設置工程、上記負極電極体設置工程は、同時に行ってもよく、上記負極電極体設置工程を行った後、上記正極電極体設置工程を行ってもよい。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法について、各工程について、詳細に説明する。
本発明における正極電極体設置工程とは、上述した「A.正極電極体の製造方法」にて得られた正極電極体をセパレータに配置して密着させる工程である。具体的な方法としては、上述した「A.正極電極体の製造方法」にて得られた正極電極体をセパレータ上に配置して密着させることができる方法であれば、特に限定されるものではなく、通常用いられる方法を用いることができる。
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、少なくとも上記正極電極体設置工程を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常、上記正極電極体設置工程の他に、負極層を負極集電体上に作製し、上記負極層と上記負極集電体とからなる負極電極体を作製した後、上記セパレータの正極電極体の反対側に、負極層とセパレータが接するように、負極電極体を設置する負極電極体設置工程、上記正極層、上記負極層、および上記セパレータに所定の電解質を充填した後、上記セパレータが上記正極電極体と上記負極電極体とで挟持されたものを電池ケース等に挿入して電池とする電池組立工程を有する。これらの工程については、一般的なリチウム二次電池における工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。さらに、電解質等を含む得られるリチウム二次電池についても、上記「B.リチウム二次電池」に記載したものと同様のものであるので、ここでの説明は省略する。
(正極電極体作製)
スパッタ法により柱状正極活物質を作製した。スパッタ条件としては、カソード電源がRf、カソード電力が100W、ターゲットが合金酸化物(LiCoO2)、基板温度が300℃、全圧が5.0Pa、スパッタガスがAr、リアクティブガスがO2(2%)として、膜厚が10μmとなるまで、成膜して、柱状正極活物質を作製した。
次に、得られた柱状正極活物質の先端部分にスパッタ法により金属酸化物被覆を行った。金属酸化物としては、WO3を用いた。スパッタ条件としては、カソード電源がRf、カソード電力が50W、ターゲットが合金酸化物(WO3)、基板温度が300℃、全圧が1.0Pa、スパッタガスがAr、リアクティブガスがO2(60%)として、金属酸化物被覆を行った。
次に、シュウ酸に浸して、柱状正極活物質表面を酸処理し、正極集電体、および柱状正極活物質の先端部分に金属酸化物を被覆させた正極層、からなる正極電極体を得た。
結着材であるポリビニリデンフロライド(PVDF)を溶解した溶剤n−メチルピロリドン溶液0.63g中に、負極活物質であるグラファイト粉末を0.9g導入し、均一に混合するまで混錬し、負極層用ペーストを作製した。
この負極層用ペーストを厚さ10μmのCu集電体上に片面塗布し、その後120℃乾燥した。電極目付量は4mg/cm2であった。これをプレスし、ペースト厚さ20μm、密度1.4g/cm3とした。これをΦ19mmとなるように切り出して、負極電極体を作製した。
上記正極電極体、上記負極電極体を用いて、電池セルを作製した。電池タイプはCR2032型コインセルとした。セパレータには、PP製多孔質セパレータを用い、電解液としては、EC(エチレンカーボネート)、DMC(ジメチルカーボネート)を体積比率で、3:7で混合したものに、支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を濃度1mol/Lで溶解したものを用いた。
正極電極体として、柱状正極活物質の先端部分にスパッタ法により金属酸化物被覆を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、電池セルを作製した。
(直流抵抗測定)
実施例および比較例で得られた電池セルを用いて、直流抵抗測定を行った。測定温度は、25℃にて行った。3.0〜4.1Vでコンディショニングをし、SOC60%の電圧に調整した。電流値C/3、1C、3C、5C、10C、20Cで充電、放電を各10秒間実施し、10秒後の電圧をプロットした。次に、プロットから回帰直線を求め、IV線図を描き、傾きから直流抵抗を求めた。得られた結果を表1に示す。
(サイクル試験)
実施例および比較例で得られた電池セルを用いて、サイクル試験を行った。60℃にて試験を行った。直流抵抗測定を行った後、2Cで3.0〜4.1Vを300サイクル充放電し、放電容量維持率を求めた。得られた結果を表1に示す。
2 … 正極集電体
3 … 正極層
4 … 柱状正極活物質
5 … 金属酸化物
6 … 球状正極活物質
7 … 負極集電体
8 … 負極層
9 … 負極電極体
10 … セパレータ
Claims (6)
- 正極集電体と、前記正極集電体上に形成された正極層と、を有する正極電極体であって、前記正極層が前記正極集電体上に形成された柱状正極活物質と、前記柱状正極活物質の先端部分に被覆された、一般式M1Ox(金属M1は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびホウ素(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる。)で表される金属酸化物とからなることを特徴とする正極電極体。
- 前記柱状正極活物質が、リチウムコバルト酸化物系の正極活物質からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の正極電極体。
- 請求項1または請求項2に記載の正極電極体を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
- 正極集電体上に柱状正極活物質をドライコーティング法により形成する柱状正極活物質形成工程と、前記柱状正極活物質の先端部分に、一般式M1Ox(金属M1は、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびホウ素(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる。)で表される金属酸化物をドライコーティング法により被覆する金属酸化物被覆工程と、を有することを特徴とする正極電極体の製造方法。
- 前記柱状正極活物質形成工程後に、前記柱状正極活物質表面を酸処理する酸処理工程を有することを特徴とする請求項4に記載の正極電極体の製造方法。
- 請求項4または請求項5に記載の正極電極体の製造方法により得られた正極電極体をセパレータ上に設置する正極電極体設置工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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