JP2014149969A - 電池用集電体及び電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたサイクル特性を有する電池を低いコストで実現することができる電池用集電体と、この電池用集電体を用いた電池とを提供すること。
【解決手段】実施形態によると、電池用集電体14aが提供される。この電池用集電体14aは、アルミニウム材14aと、アルミニウム材14aの表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14bとを含む。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、電池用集電体及び電池に関する。
近年、二酸化炭素の排出量が少ない電気自動車が注目を集めている。この電源として高エネルギー密度を有するリチウムイオン電池の開発が急ピッチで行われている。また、リチウムイオン電池は、電気自動車以外にも携帯電話やノートパソコンなどにも広く多様な形で用いられている。
しかしながら、より広くリチウムイオン電池が普及する為には、高い電池特性と、特に電気自動車の場合はコスト削減が求められる。低コストの為には、安価な材料の選択や部材の削減が必要である。
安価で加工しやすい物質の候補としては、Al箔集電体が挙げられる。しかしながら、Al箔を負極の集電体として使用するとAl箔が腐食する場合がある。
一方、集電体として軽量な樹脂製の集電体を使用し、活物質含有層との間に導電性フィラーを含むイオン遮断層を設けている例があるが、樹脂製の集電体は、コストや強度の面で問題がある。
また、Al箔にスラリーを塗布することにより、Al箔上にカーボンコート膜を形成する技術もあるが、これに関しても湿式プロセスに基づくのでこの方法は、コスト面で問題がある。
特開2010−135338号公報 特開2012−59418号公報
優れたサイクル特性を有する電池を低いコストで実現することができる電池用集電体と、この電池用集電体を用いた電池とを提供する。
実施形態によると、電池用集電体が提供される。この電池用集電体は、アルミニウム材と、アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜とを含む。
他の実施形態によると、電池が提供される。この電池は、上記電池用集電体と、ダイヤモンドライクカーボン膜上に形成された活物質含有層とを含む電極を具備する。
図1は、第2の実施形態に係る一具体例の電池の部分切欠斜視図である。 図2は、図1に示す電池のA部の拡大断面図である。
以下、実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図は実施形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる点があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して適宜設計変更することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によると、電池用集電体が提供される。この電池用集電体は、アルミニウム材と、前記アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜とを含む。
このような電池用集電体では、以下に説明するように、アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜のおかげで、この電池用集電体を電池において使用した場合のアルミニウム材の劣化を防ぐことができる。
例えば、アルミニウム材を負極集電体として用い且つ負極活物質として炭素系の材料を用いたリチウムイオン非水電解質二次電池では、集電体であるアルミニウム材にリチウムイオンが挿入されることがある。アルミニウム材にリチウムイオンが挿入されると、アルミニウム−リチウム合金化が起こり、その結果アルミニウム材が膨潤し、劣化してしまうことがある。
一方、第1の実施形態に係る電池用集電体は、上で説明したように、アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜を含む。このダイヤモンドライクカーボン膜は、この電池用集電体を二次電池で使用した場合、アルミニウム材の充放電に関与するカチオン、例えばリチウムイオンとの接触を防ぐことができる。その結果、第1の実施形態に係る電池用集電体は、電池において使用された場合に、アルミニウム材の劣化、つまりは集電体の劣化を防ぐことができ、ひいては電極の劣化を防ぐことができる。そのため、第1の実施形態に係る電池用集電体を用いると、優れたサイクル特性を有する電池を実現することができる。
また、第1の実施形態に係る電池用集電体は、アルミニウム材を含む。アルミニウム材は、比較的軽量であり、加工性に優れた材料である。また、アルミニウム材は、耐食性の高い銅材に比して、コストが低い。さらに、アルミニウム材は、樹脂製の集電体に比して、コストが低くかつ強度が高い。そして、ダイヤモンドライクカーボン膜の形成は例えば乾式プロセスで行うことができ、乾式プロセスは、例えばスラリー塗布を用いる湿式プロセスでのカーボンコート膜の形成に比して、低いコストで行うことができる。
つまり、第1の実施形態によると、優れたサイクル特性を有する電池を低いコストで実現することができる電池用集電体を提供することができる。
以下、第1の実施形態に係る電池用集電体が含むことができるアルミニウム材及びダイヤモンドライクカーボン膜について詳細に説明する。
アルミニウム材としては、純アルミニウム材又はアルミニウム合金材を使用することができる。
純アルミニウム材としては、例えば、1080純アルミニウム材、1070純アルミニウム材、1050純アルミニウム材、1100アルミニウム材、1N30純アルミニウム材及び1N90純アルミニウム材などの1000系純アルミニウム材を使用することができる。
アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、などの元素を少なくとも1種類含む合金を使用することが好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1質量%以下にすることが好ましい。
アルミニウム材の形状は、第1の実施形態に係る電池用集電体を採用する電池の用途に応じて、様々なものを用いることができる。
ダイヤモンドライクカーボンは、sp2混成軌道を有する導電性の同素体と、sp3混成軌道を有する絶縁性の同素体とが混在した組成を有する。各同素体は、ラマン分光のスペクトルにおいて異なるピーク波長を有する。よって、ダイヤモンドライクカーボンにおける各同素体の混合比率は、例えばラマン分光により定量することができる。
ダイヤモンドライクカーボン膜は、窒素、フッ素、ケイ素、Cr、Ni及びWからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含んでいてもよい。該元素は、ドープ元素としてダイヤモンドライクカーボン膜に含まれていることが望ましい。
ダイヤモンドライクカーボン膜は、厚みが2〜300nmの範囲内にあることが好ましい。厚みが2〜300nmの範囲内にあるダイヤモンドライクカーボン膜を含む電池用集電体は、アルミニウム材を保護する能力と導電性との間の優れたバランスを有することができる。ダイヤモンドライクカーボン膜の厚みは、例えば断面SEM(走査型電子顕微鏡)により確認することができる。或いは、簡易的には、ダイヤモンドライクカーボン膜の厚みは、例えばタリステップ法により直接測定することもできる。
ダイヤモンドライクカーボン膜は、抵抗率が10〜1010Ω・cmの範囲内にあることが好ましい。抵抗率が10〜1010Ω・cmの範囲内にあるダイヤモンドライクカーボン膜を含む電池用集電体は優れた導電性を有することができる。この範囲内にある抵抗率を有するダイヤモンドライクカーボン膜は、電池用集電体の導電性を損なうことなく、電池用集電体の劣化を防ぐことができる。
ダイヤモンドライクカーボン膜の抵抗率は、例えば、ダイヤモンドライクカーボン膜の組成、並びに添加元素の種類及び濃度に依存し得る。ダイヤモンドライクカーボン膜の抵抗率の測定方法については、後述する。
ダイヤモンドライクカーボン膜は、例えば、乾式プロセスを用いて形成することができる。乾式プロセスとしては、CVD(化学蒸着)法、スパッタ法、イオンビーム法などの手法が挙げられる。CVD法などの乾式プロセスを用いると、厚みが均一なダイヤモンドライクカーボン膜を得ることができる。
CVD法を用いる場合、例えば、以下のようにしてダイヤモンドライクカーボン膜を形成することができる。
まず、真空チャンバを準備する。この真空チャンバは、例えば、チャンバ内を真空引きできるように、ロータリーポンプ及びターボ分子ポンプに接続されていている。また、この真空チャンバは、例えば、Arガス、窒素ガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、水素ガスなどのガスをその内部に導入することができるように、それぞれの供給源に接続されている。
この真空チャンバは、内部に、蒸着基材をセットするためのステージと、プラズマを発生させるためのプラズマ発生源とを備えている。プラズマ発生源は、真空チャンバの外部にある高周波発生装置に接続されている。
次に、真空チャンバ内のステージ上に、蒸着基材である脱脂したアルミニウム材をセットする。次に、真空チャンバ内を真空引きする。例えば、真空チャンバ内を5×10-3Paに減圧する。
次に、真空チャンバ内でアルミニウムの表面を不活性ガスでエッチングする。その後、真空チャンバ内を炭化水素ガス、例えばアセチレンガスで置換する。真空チャンバ内部に炭化水素ガスが存在している状態で、高周波発生装置の電源を入れ、それに接続されたプラズマ発生源からプラズマを発生させる。
発生したプラズマは炭化水素ガスを分解し、それにより生じた種またはこの種がさらに他の種と反応して生じた物質がアルミニウム材に衝突する。その結果、アルミニウム材の表面にダイヤモンドライクカーボン膜が形成する。
最後に、マスクを適切な方法で除去することにより、第1の実施形態に係る電池用集電体が得られる。
形成させるダイヤモンドライクカーボン膜の厚み及び組成、並びにこれらに依存する抵抗率は、例えば成膜条件を調節することで制御することができる。成膜条件としては、例えば、成膜時間、成膜時のチャンバ内圧力、基板温度、アルミニウム材にかけるバイアス電圧、前駆体ガスの成膜チャンバへの流量などが挙げられる。
また、プラズマ発生時に、窒素またはフッ素などの追加種を真空チャンバ内に存在させておくことにより、この追加種に対応する元素がドープされたダイヤモンドライクカーボン膜を形成することができる。
さらに、例えばCVD法によるダイヤモンドライクカーボン膜形成の際に、表面の一部をマスクしたアルミニウム材を真空チャンバにセットすることにより、表面にダイヤモンドライクカーボン膜が形成していない部分を含むアルミニウム材を含む電池用集電体を得ることができる。
アルミニウム材の表面に形成されているダイヤモンドライクカーボン膜の抵抗率は、例えば以下の方法によって測定することができる。
まず、断面SEM、EDX(エネルギー分散型X線分析)及びXPS(X線光電子分光)、ラマン分光分析などの方法により、アルミニウム材の表面に形成されているダイヤモンドライクカーボン膜の厚さ及び組成を分析する。
次に、上で説明した真空チャンバ内に、ガラス板をセットする。その後、分析した厚さ及び組成を有するダイヤモンドカーボン膜を形成できる成膜条件で、ガラス板の表面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成する。このようにして得られたダイヤモンドライクカーボン膜を例えば四探針法を用いて測定することによって、アルミニウム材の表面に形成されているダイヤモンドライクカーボン膜の抵抗率を推測することができる。得られた推測値を、アルミニウム材の表面に形成されているダイヤモンドライクカーボン膜の抵抗率とみなす。
以上に説明した第1の実施形態に係る電池用集電体は、アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜を含む。ダイヤモンドライクカーボン膜は、電池において使用される場合、集電体の劣化、ひいては電極の劣化を防ぐことができる。つまり、第1実施形態に係る電池用集電体を用いると、優れたサイクル特性を有する電池を実現することができる。
また、アルミニウム材は、銅材に比して安価であり、加工性に優れる。そして、アルミニウム材の表面へのダイヤモンドライクカーボン膜の形成は、CVD法やスパッタ法などの乾式プロセスで行うことができ、乾式プロセスは、例えばスラリー塗布を用いる湿式プロセスでのカーボンコート膜の形成に比して、低いコストで行うことができる。
つまり、第1の実施形態によれば、優れたサイクル特性を有する電池を低いコストで実現することができる電池用集電体を提供することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によると、電池が提供される。この電池は、第1の実施形態に係る電池用集電体と、ダイヤモンドライクカーボン膜上に形成された活物質含有層とを含む電極を具備する。
先に説明したように、第1の実施形態に係る電池用集電体は、優れたサイクル特性を有する電池を低いコストで実現することができる。よって、第1の実施形態に係る電池用集電体を含む電極を具備する第2の実施形態に係る電池は、低いコストで製造でき且つ優れたサイクル特性を有することができる。
第2の実施形態に係る電池は、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池であることが好ましい。そして、第2の実施形態に係る電池は、第1の実施形態に係る電池用集電体とダイヤモンドライクカーボン膜上に形成された活物質含有層とを含む電極が負極であることがより好ましい。このような電池は、負極集電体が含むダイヤモンドライクカーボン膜がアルミニウム材の充放電に関与するカチオン、例えばリチウムイオンとの接触を防ぐことができる。そのため、このような電池は、負極集電体の劣化、ひいては負極の劣化を抑えることができ、その結果、優れたサイクル特性を有することができる。
以下、第2の実施形態に係る電池の一例を説明する。
この例の電池は、電極を具備する。この電極は、第1の実施形態に係る電池用集電体と、第1の実施形態に係る集電体が含むダイヤモンドライクカーボン膜上に形成された活物質含有層とを含む。
上記電極は、正極若しくは負極の何れか、又は正極及び負極の両方であり得る。また、上記電極は、正極若しくは負極として、又は正極及び負極の両方として、電極群を構成し得る。電極群は、正極及び負極の間に介在したセパレータを備えることができる。
また、正極は、電極群から延出した正極導電タブを含むことができる。同様に、負極は、電極群から延出した負極導電タブを含むことができる。
電極群は、容器内に収納され得る。容器は、電解液を更に収納することができる。容器内に収納された電解液は、電極群を含浸することができる。
電池は、容器に固定された正極端子及び負極端子を備えることができる。正極端子は、正極の正極導電タブに電気的に接続され得る。負極端子は、負極の負極導電タブに電気的に接続され得る。
次に、第2の実施形態に係る電池が具備することができる各構成部材について説明する。
(1)正極
正極は、正極集電体を含むことができる。
正極集電体は、アルミニウム又はアルミニウム合金材を含むことが好ましい。アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下にすることができ、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99質量%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を少なくとも1種類含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1質量%以下にすることが好ましい。
正極集電体は、第1の実施形態に係る電池用集電体であってもよい。即ち、正極集電体は、アルミニウム材と、アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜とを含む電池用集電体であってもよい。
正極は、正極活物質含有層を更に含むことができる。
正極活物質含有層は、正極集電体の片面及び両面の一部に形成され得る。正極集電体が第1の実施形態に係る電池用集電体である場合は、正極活物質含有層は、ダイヤモンドライクカーボン膜上に形成されることが好ましい。
正極集電体のうち表面に正極活物質含有層を担持していない部分は、正極導電タブとして用いることができる。正極導電タブは正極端子に電気的に接続され得る。
正極活物質含有層は正極活物質を含むことができる。
正極活物質としては、例えば、リチウム含有複合化合物、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、イオウ(S)、フッ化カーボン、硫酸鉄(Fe2(SO43)、バナジウム酸化物(例えばV25)を挙げることができる。中でも、リチウム含有複合化合物が好ましい。リチウム含有複合化合物には、例えば、LiaMnO2(0<a≦1.2)、リチウムコバルト複合酸化物(LiaCoMh2、ここでMはAl、Cr、MgおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種または2種以上の元素であり、0<a≦1.2であり、0≦h≦0.1である)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMn1-g-hCogh2、ここでMはAl、Cr、MgおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種または2種以上の元素であり、0≦g≦0.5であり、0≦h≦0.1である)、リチウムマンガンニッケル複合酸化物{例えば、LiMnjNij1-2j2(MはCo、Cr、Al、MgおよびFeよりなる群より選択される少なくとも1つまたは2つ以上の元素であり、1/3≦j≦1/2である)、LiMn1/3Ni1/3Co1/32、LiMn1/2Ni1/22}、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiaMn2-bb4、ここでMはAl、Cr、NiおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種または2種以上の元素であり、0<a≦1.2であり、0≦b≦1である)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiaMn2-bNib4、ここで0<a≦1.2であり、0≦b≦1である)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物{例えば、LiaFePO4(0<a≦1.2)、LiaFe1-bMnbPO4(0<a≦1.2、0≦b≦1)、LiaCoPO4(0<a≦1.2)など}を挙げることができる。
正極活物質含有層は、正極結着剤及び正極導電剤を更に含むことができる。正極活物質、正極導電剤および正極結着剤の配合割合は、正極活物質73〜95重量%、正極導電剤3〜20重量%、正極結着剤2〜7重量%の範囲内にすることが好ましい。
正極結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを用いることができる。
正極導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を用いることができる。
正極は、例えば、正極活物質に正極導電剤および正極結着剤を添加し、これらを適当な溶媒、例えばN−メチルピロリドンに懸濁させ、この懸濁物(スラリー)を正極集電体に塗布し、これを乾燥及びプレスすることによって、帯状電極として作製することができる。スラリーの塗布は、集電体の一部に未塗布部が残るように行う。
(2)負極
負極は、負極集電体を含むことができる。
負極集電体は、好ましくは、第1の実施形態に係る電池用集電体である。即ち、負極集電体は、アルミニウム材と、アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜とを含む集電体であることが好ましい。
負極は、負極活物質含有層を更に含むことができる。
負極活物質含有層は、負極集電体の片面及び両面の一部に形成され得る。負極集電体が第1の実施形態に係る電池用集電体である場合は、負極活物質含有層は、ダイヤモンドライクカーボン膜上に形成されることが好ましい。
負極集電体のうち表面に負極活物質含有層を担持していない部分は、負極導電タブとして用いることができる。負極導電タブは負極端子に電気的に接続され得る。
負極活物質含有層は負極活物質を含むことができる。
負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質を挙げることができる。リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質として、例えば、リチウムチタン複合酸化物が挙げられる。リチウムチタン複合酸化物は、例えば、Li4+xTi512(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)で表されるスピネル型チタン酸リチウム、ラムステライド型Li2+xTi37(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)、TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物などが挙げられる。TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiO2−P25、TiO2−V25、TiO2−P25−SnO2、TiO2−P25−MeO(MeはCu、NiおよびFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素である)を挙げることができる。これらの金属複合酸化物は、充電によりリチウムが挿入されることでリチウムチタン複合酸化物に変化する。リチウムチタン複合酸化物のうち、スピネル型チタン酸リチウムが、サイクル特性に優れるという点で好ましい。
その他のリチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質には、例えば、炭素質物、金属化合物が挙げられる。
炭素質物は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素を挙げることができる。より好ましい炭素質物は、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素が挙げられる。炭素質物は、X線回折による(002)面の面間隔d002が0.34nm以下であることが好ましい。
金属化合物は、金属硫化物、金属窒化物を用いることができる。金属硫化物は、例えばTiS2のような硫化チタン、例えばMoS2のような硫化モリブデン、例えばFeS、FeS2、LixFeS2のような硫化鉄を用いることができる。金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物(例えばLisCotN、ここで、0<s<4であり、0<t<0.5である)を用いることができる。
負極活物質含有層は、更に、負極結着剤及び負極導電剤を含むことができる。負極活物質、負極導電剤および負極結着剤の配合割合は、負極活物質73〜96重量%、導電剤2〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲内にすることが好ましい。
負極結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴムなどが挙げることができる。
負極導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を用いることができる。
負極は、例えば、粉末状の負極活物質に負極導電剤および負極結着剤を添加し、これらを適当な溶媒、例えばN−メチルピロリドンに懸濁させ、この懸濁物(スラリー)を負極集電体の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜上に塗布し、これを乾燥及びプレスすることによって、帯状電極として作製することができる。
(3)電極群
電極群としては、例えば上で説明した正極及び負極を、間にセパレータを介在させたものを用いることができる。
電極群を構成する正極及び負極の少なくとも一方は、第1の実施形態に係る電池用集電体を含む。好ましくは、負極集電体が、第1の実施形態に係る電池用集電体である。より好ましくは、正極集電体及び負極集電体の両方が、第1の実施形態に係る電池用集電体である。
セパレータとしては、絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、ポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、及びビニロンのようなポリマーで作られた多孔質フィルム又は不織布を用いることができる。セパレータの材料は1種類であってもよいし、又は2種類以上を組合せて用いてもよい。
電極群は、正極、セパレータ及び負極を積層したものを捲回した捲回型構造であってもよいし、複数の正極及び複数の負極を間にセパレータを介して交互に積層させたスタック型構造であってもよいし、又はその他の構造を有していてもよい。
(4)電解液
電極群に含浸される電解液としては、非水電解液を用いることができる。
電解液として用いることができる非水電解液は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質塩を含む。非水溶媒中にはポリマーを含んでもよい。
電解質塩は、例えばLiPF6、LiBF4、Li(CF3SO22N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C25SO22N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム{LiB(C242、通称;LiBOB}、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム{LiBF2OCOOC(CF32、通称;LiBF2(HHIB)}のようなリチウム塩を用いることができる。これらの電解質塩は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特にLiPF、LiBFが好ましい。
電解質塩濃度は、1〜3モル/Lの範囲内にすることが好ましい。このような電解質濃度の規定によって、電解質塩濃度の上昇による粘度増加の影響を抑えつつ、高負荷電流を流した場合の性能をより向上することが可能になる。
非水溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)もしくはジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)を用いることができる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。環状カーボネート及び/または鎖状カーボネートを含む非水溶媒が好ましい。
或いは、電解液は、水溶液であってもよい。即ち、第2の実施形態に係る電池は、非水電解質電池に限られない。
(5)容器
電極群及び電解液を収容する容器としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどからなる金属缶で角形の形状のものを使用することができる。
或いは、容器としては、金属缶の代わりに、ラミネートフィルムからなる外装容器を使用することが可能である。ラミネートフィルムには、金属箔に樹脂フィルムで被覆された多層フィルムを使用することが好ましい。樹脂としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下にすることが望ましい。
容器の形状は、第2の実施形態に係る電池の用途に依存し得る。例えば、容器の形状は、角型、円筒型、薄型、コイン型等にすることができる。
次に、第2の実施形態に係る電池の一例を、図面を参照しながら、更に具体的に説明する。
図1は、第2の実施形態に係る一具体例の電池の部分切欠斜視図である。図2は、図1に示す電池のA部の拡大断面図である。
図1及び図2に示す電池10は、捲回型構造を有する電極群1と、電極群1に含浸された非水電解質(図示しない)と、電極群1及び非水電解質を収納する容器2aとを具備する。
電極群1は、図2に示すように、帯状の正極13と、帯状の負極14と、帯状のセパレータ15とを備える。セパレータ15は、正極13と負極14との間に挟持されている。このような捲回型構造の電極群1は、例えば、正極13と負極14とに間にセパレータ15が介在するように正極13、セパレータ15及び負極14を積層して形成した積層物を、負極14を外側にして渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成できる。
正極13は、帯状の正極集電体13aと、正極集電体13aの両方の主面上に担持された正極活物質含有層13bとを含む。正極集電体13aは、図示していないが、表面が正極活物質含有層13bを担持していない部分を含み、正極集電体13aのうちこの部分は、正極導電タブ3として用いることができる。
負極14は、帯状の負極集電体14aと、負極集電体14aの表面の一部に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14bと、ダイヤモンドライクカーボン膜14b上に形成された負極活物質含有層14cとを含む。図示していないが、負極集電体14aのうち表面にダイヤモンドライクカーボン膜14bが形成されていない部分は、負極導電タブ4として用いることができる。
最外殻の負極14は、図2に示すように負極集電体14aの内面側の片面のみにダイヤモンドライクカーボン膜14b及び負極活物質含有層14cを形成した構成を有する。その他の負極14は、負極集電体14aの両面にダイヤモンドライクカーボン膜14b及び負極活物質含有層4cが形成されている。
電極群1及び非水電解質を収納する容器2aは、一端に開口部を有する金属製の有底矩形筒状容器である。矩形蓋体2bは、容器2aと同様の金属製の蓋体であり、容器2aの開口部に溶接されている。
矩形蓋体2bには、正極端子23が嵌め込まれた状態で固定されている。正極端子23は、正極導電タブ3に電気的に接続されている。正極導電タブ3と正極端子23との接続は、例えば、レーザー溶接などの溶接によって行うことができる。
また、矩形蓋体2bには、負極端子24が絶縁性のガスケット25を介して嵌め込まれた状態で固定されている。負極端子24は、負極導電タブ4に電気的に接続されている。負極導電タブ4と負極端子24との接続は、例えば、レーザー溶接などの溶接によって行うことができる。
矩形蓋体2bは、図示していないが、電解液注入口を備えている。非水電解質は、矩形蓋体2bが備えた電解液注入口を通して、容器2a内に注入することができる。
以上説明した第2の実施形態に係る電池は、第1の実施形態に係る電池用集電体を含む。第1の実施形態に係る電池用集電体は、優れたサイクル特性を有する電池を低いコストで実現することができるものである。そのため、第2の実施形態に係る電池は、低いコストで製造でき且つ優れたサイクル特性を有することができる。
[実施例]
以下に例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、発明の主旨を超えない限り本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
実施例1では、以下の手順により、図1及び図2に示した電池10と同様の電池10を作製した。
(1)アルミニウム箔上へのダイヤモンドライクカーボンの蒸着
以下の方法によって、厚さ12μmのアルミニウム箔上にダイヤモンドライクカーボン膜を形成した。
まず、減圧装置及び各種ガスの供給源に接続された真空チャンバを準備した。この真空チャンバは、内部に、蒸着基材をセットするためのステージと、プラズマを発生させるためのプラズマ発生源とを備えていた。
一方、蒸着基材であるアルミニウム箔を準備した。アルミニウム箔は、厚さが12μmであり、表面の一部がマスクされているアルミニウム箔であった。
上記準備が整った後、真空チャンバ内のステージ上に、先のアルミニウム箔及び同様の寸法のガラス板をセットした。その後、真空チャンバ内を5×10-3Paに減圧した。
次に、真空チャンバ内でアルミニウムの表面をArガスでエッチングした。その後、真空チャンバ内をアセチレンガスで置換した。真空チャンバ内部にアセチレンガスが存在している状態で、高周波発生装置の電源を入れ、それに接続されたプラズマ発生源からプラズマを発生させた。成膜条件は以下のように調整した:
成膜時間:5s;成膜時のチャンバ内圧力:5Pa;基板温度:室温;アルミニウム箔にかけたバイアス電圧:−600V;アセチレンガスの真空チャンバへの流量:70sccm。
ダイヤモンドライクカーボン膜形成後、真空チャンバからアルミニウム箔及びガラス板を取り出した。取り出したアルミニウム箔を肉眼で観察をすると、表裏両面が薄茶色であった。同様に、取り出したガラス板を肉眼で観察すると、表裏両面が薄茶色であった。
次に、取り出したガラス板を四探針法を用いて抵抗率を測定したところ、1.2×102Ω・cmの抵抗率が得られた。ガラス板は絶縁体とみなすことができるため、この方法により得られた抵抗率を、アルミニウム箔上に形成した膜の抵抗率とみなした。
次に、試料の一部を、断面SEMを用いて分析した。その結果、形成した膜は、ダイヤモンドライクカーボン膜であり、膜厚が10nmであることが分かった。この方法により得られた膜厚を、アルミニウム箔上に形成した膜の膜厚と同様であるとみなした。
すなわち、上で説明した方法により、厚さ12μmのアルミニウム箔の表面に膜厚が10nmであり且つ抵抗率が1.2×102Ω・cmのダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)を形成することができた。
最後に、アルミニウム箔上のマスクを除去することによって、アルミニウム箔とこのアルミニウム箔の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14bとを含む集電体14aが得られた。
(2)正極13の作製
正極活物質としてのLiCoO2(コバルト酸リチウム)を、正極結着剤としてのポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液に添加して混合し、ペースト状の正極塗料を調製した。次に、このペースト状の正極塗料を70メッシュの網を通過させて、正極塗料から大きな固形物を取り除いた。
固形物を取り除いた正極塗料を、厚さ12μmの帯状のアルミニウム箔からなる正極集電体13aの両面に均一に塗布し、これを乾燥することによって、塗膜13bを形成した。正極塗料の塗布は、正極集電体13aの表面の一部に未塗布部が残るようにして行った。
その後、塗膜13bが形成された正極集電体13aをプレスし、所定の寸法に切断した。それにより、正極集電体13aと正極集電体13aの両面の一部に担持された正極活物質含有層13bとを含む帯状の正極13が得られた。正極集電体13aは、表面が正極活物質含有層13bを担持していない部分を含んでおり、この部分を正極導電タブ3として用いた。
(3)負極14の作製
先に説明した方法によって得られた、アルミニウム箔とこのアルミニウム箔の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14bとを含む集電体14aを負極集電体14aとして用いた。
一方、負極活物質としての炭素質物を、正極結着剤としてのポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解させた溶液に添加して混合し、ペースト状の負極塗料を調製した。次に、このペースト状の負極塗料を70メッシュの網を通過させて、負極塗料から大きな固形物を取り除いた。
固形物を取り除いた負極塗料を、上記の方法によって得られた負極集電体14aに塗布し、これを乾燥することによって、塗膜14cを形成した。負極塗料の塗布は、負極集電体14aが含むダイヤモンドライクカーボン膜14b上にのみ行った。
その後、塗膜14cが形成された負極集電体14aをプレスし、所定の寸法に切断した。それにより、表面にダイヤモンドライクカーボン膜14bが形成された負極集電体14aと、ダイヤモンドライクカーボン膜14b上に形成された負極活物質含有層14cとを含む帯状の負極14が得られた。負極集電体14aは、表面が負極活物質含有層14bを担持していない部分を含んでおり、この部分を負極導電タブ4として用いた。
(4)電池の組み立て
得られた正極13及び負極14を用い、以下の手順に従って角型非水電解液二次電池10を組み立てた。
まず、帯状の正極13と帯状の負極14とを間にポリエチレン樹脂製セパレータ15を介して積層したものを、捲回して、捲回型の電極群1を作った。
次に、矩形蓋体2bに嵌め込まれた状態で固定されている正極端子23に正極導電タブ3をレーザー溶接によって接続した。同様に、矩形蓋体2bにガスケットを介して嵌め込まれた状態で固定されている負極端子24に負極導電タブ4をレーザー溶接によって接続した。
次に、電極群1をアルミニウム製缶2aに挿入した。その後、矩形蓋体2bをアルミニウム製缶2aの開口部に溶接した。
溶接後、矩形蓋体2bに設けられた電解液注入口を介して、非水電解質を注液した。非水電解質としては、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとを体積比1:2で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させた液体状の非水電解質(非水電解液)を用いた。非水電解質を缶2a内に注液した後、電解液注入口を封止することによって、非水電解質二次電池10が得られた。
(比較例1)
負極集電体としてダイヤモンドライクカーボン膜が表面に形成されていない厚さ12μmのアルミニウム箔を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
負極集電体としてダイヤモンドライクカーボン膜が表面に形成されていない厚さ12μmの銅箔を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
負極活物質としてチタン酸リチウムLi4Ti512を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池を作製した。
(比較例3)
負極集電体としてダイヤモンドライクカーボン膜が表面に形成されていない厚さ12μmのアルミニウム箔を用いたこと、及び負極活物質としてチタン酸リチウム
Li4Ti512を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池を作製した。
(サイクル維持率の評価)
以上のようにして作製した電池について、45℃、2Cでのサイクル試験を行った。試験結果を以下の表1に示す。ここで、サイクル維持率は、1回目のサイクルの容量に対する500サイクル後の容量の比である。
Figure 2014149969
実施例1の電池は、500サイクル後でも96%という高いサイクル維持率を示した。一方、比較例1の電池は、負極が著しく劣化し、サイクル試験を行うことができなかった。
実施例1と比較例1との結果の比較から、実施例1では、アルミニウム箔上に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14bにより、負極の劣化を防ぐことができたことが分かる。
また、実施例1と比較例2とを比較すると、実施例1の電池は、耐食性の高い銅箔を負極集電体として用いた比較例2よりも高いサイクル維持率を示すことが分かる。そして、アルミニウム箔とこのアルミニウム箔の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14bとを含む集電体14aは、銅箔よりも安価に得ることができる。つまり、結果の比較から、実施例1の電池は、比較例2の電池よりも低いコストで、比較例2の電池と同様又はそれよりも優れた充放電特性を示すことができることが分かった。
実施例2の電池は、500サイクル後でも98%という高いサイクル維持率を示した。一方、比較例3の電池は、500サイクル後のサイクル維持率が97%であった。
実施例2と比較例3とを比較すると、負極活物質が炭素材料以外の物質である場合でも、アルミニウム箔上に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜14bは、負極の劣化を防ぐことができることが分かる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は実施例に係る電池用集電体は、アルミニウム材とこのアルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜とを含むことにより、優れたサイクル特性を有する電池を低いコストで実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…電池、1…電極群、13…正極、13a…正極集電体、13b…正極活物質含有層、14…負極、14a…負極集電体、14b…ダイヤモンドライクカーボン膜、14c…負極活物質含有層、15…セパレータ、2a…容器、2b…矩形蓋体、23…正極端子、24…負極端子、25…ガスケット、3…正極導電タブ、4…負極導電タブ。

Claims (7)

  1. アルミニウム材と、
    前記アルミニウム材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜と
    を含むことを特徴とする電池用集電体。
  2. 前記ダイヤモンドライクカーボン膜の厚みは2〜300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の電池用集電体。
  3. 前記ダイヤモンドライクカーボン膜の抵抗率は10〜1010Ω・cmの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の電池用集電体。
  4. 前記ダイヤモンドライクカーボン膜は、窒素、フッ素、ケイ素、Cr、Ni及びWからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項2に記載の電池用集電体。
  5. 請求項1に記載の電池用集電体と、
    前記ダイヤモンドライクカーボン膜上に形成された活物質含有層と
    を含む電極を具備することを特徴とする電池。
  6. 非水電解質二次電池である請求項5に記載の電池。
  7. 前記電極が負極であることを特徴とする請求項6に記載の電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3016182A1 (en) * 2014-11-03 2016-05-04 Centurion Bipolair B.V. A bipolar plate for a bipolar lead acid battery and a method of manufacturing a substrate for a bipolar plate
JP2016076342A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 株式会社豊田中央研究所 非水系二次電池用電極及び非水系二次電池
JP2018166071A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 Tdk株式会社 リチウム二次電池

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