JP2009075189A - 薄膜形成方法、固体撮像素子用カバー部材の製造方法および固体撮像装置 - Google Patents

薄膜形成方法、固体撮像素子用カバー部材の製造方法および固体撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】固体撮像素子用カバー部材について、α線の放射量を少なくでき、さらに欠陥(異物)による画像不良の問題も少なくできる薄膜形成方法、固体撮像素子用カバー部材の製造方法、およびその製造方法により製造されたカバー部材と固体撮像素子とを備えた固体撮像装置を提供する。
【解決手段】有機金属材料を原料とするCVD法により、固体撮像素子に対向するカバー部材表面に光学薄膜を形成する。この方法により得られた光学薄膜は、α線放射量が少ないだけでなく、カバー部材本体からのα線も遮蔽する。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄膜形成方法、固体撮像素子用カバー部材の製造方法および固体撮像装置に関する。
画像解析等に用いられる固体撮像素子(イメージセンサ)にはほこり防止用としてカバーガラスが取り付けられている。しかし、カバーガラスの材料であるガラスには、不純物として極微量のUやTh等のα線放射性物質が含まれている。α線が固体撮像素子に進入すると、α線のエネルギーによって正孔電子対が誘起され、画像に輝点や白点が発生する。そのためカバーガラスの材料はUやTh等の含有量が極めて少ないガラス(いわゆる低α線ガラス)が用いられている(例えば、特許文献1、2)。
また、カバーガラス単体であると、4〜5%の光が反射するため光の利用効率が低下し、さらに反射光が固体撮像素子に入る不都合もあるので、カバーガラスに反射防止膜を設けることも提案されている(例えば、特許文献3〜7)。このような反射防止膜は、電子ビーム蒸着によりカバーガラス用ガラス基板表面に形成されるが、これらの材料にもUやTh等が含まれるため、原料の産地を選んだり、精製しやすい材料を選ぶことが重要である。
特開2002−57311号公報 特開平6−211539号公報 特開平6−296005号公報 特開平6−296006号公報 特開平7−172868号公報 特開平8−271704号公報 特開平9−283731号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されるような低α線ガラスは、製造が困難であり、製造コストも高くなる。また、特許文献3〜7に開示されるような電子ビーム蒸着による低α線の反射防止膜は、原料の調達が難しく、同様に製造コストが高くなる。さらに、固体撮像素子用カバーガラスは、固体撮像素子自体に近い位置に配設されるため、ガラス自体や反射防止膜に欠陥(異物)があると画像にそれが写ってしまうので、欠陥に対する規格も厳しく、規格をクリアするためには製造コストが非常に高いものとなる。特に、電子ビーム蒸着による反射防止膜は、異物をそのまま画像に反映しやすく、異物を簡単に除去する方法もない。
そこで本発明は、固体撮像素子用カバー部材について、α線の放射量を少なくでき、さらに欠陥による画像不良の問題も少なくできる薄膜形成方法、固体撮像素子用カバー部材の製造方法、およびその製造方法により製造されたカバー部材と固体撮像素子とを備えた固体撮像装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係わる発明は、固体撮像素子用カバー部材表面に光学薄膜を形成する薄膜形成方法であって、有機金属材料を原料とするCVD法(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長法)により、前記固体撮像素子に対向する前記カバー部材表面に前記光学薄膜を形成することを特徴とする。
CVD法に用いられる有機金属材料は一般に純度が高いものが手に入りやすく、液体材料では4N、気体材料では6N程度の原料は容易に入手できる。さらにまた、気体(液体は気化させて用いる)を供給する方法であるためU,Th等がCVD装置の成膜室内に混入する可能性も低い。
それ故、本適用例の薄膜形成方法によれば、α線の放射量の少ない光学薄膜を固体撮像素子用カバー部材表面に形成することができる。従って、カバー部材表面からのα線放出が少ないだけでなく、U,Th等多く含んだカバー部材(ガラス板等)を用いた場合であっても、上述の光学薄膜自体がα線遮蔽体として機能する。
さらに、CVD法によれば、仮にカバー部材表面に異物が存在したとしても、異物を覆い隠すような薄膜形成が可能となり、実質的に欠陥数を少なくできるため固体撮像素子による画像検出時の問題を生じることが少なくなる。
CVD法としては、いわゆる減圧CVD法および常圧CVD法のいずれでもよく、また、光CVD法、プラズマCVD法、熱CVD法などいずれの種類のCVD法でもよい。特にプラズマCVD法によれば、比較的低温(400℃未満)で高品質の薄膜が得られるので好適である。
ここで、光学薄膜としては、単層でもよく、低屈折率材料層と高屈折率材料層とが交互に積層された光学多層膜でもよい。また、CVD法に用いられる有機金属材料としては、例えば、低屈折率材料層としてのSiO層形成用としては、Si(OC(TEOS)、Si(OCH、Si(OC、SiOC10、SiOC18、SiO18、およびSiOC18などが好適である。高屈折率材料層としてのTa層形成用としては、Ta(OC、Ta(OCHおよびTa(OCなどが好適である。同様に、TiO層形成用としては、Ti(OC、Ti(OCH、Ti(OC、TiO1228およびTiO1018などが好適であり、Nb層形成用としては、Nb(OC、Nb(OCHおよびNb(OCなどが好適である。
[適用例2]
適用例1に係る本適用例では、前記光学薄膜を形成する前に、前記カバー部材表面をドライエッチング処理することが好ましい。
本適用例によれば、光学薄膜を形成する前に、カバー部材表面をドライエッチング処理するので、ガラス板や水晶板からなるカバー部材表面の異物を除去したり、さらにはこれらの部材自体内部の異物を除去することも可能となる。
エッチング用ガスとしては、CF、C、CH、CHF、NF、およびClFなどが好ましい。
[適用例3]
適用例2に係る本適用例では、前記ドライエッチング処理および前記光学薄膜の形成が同一の成膜室内で実施されることが好ましい。
本適用例によれば、ドライエッチング処理および前記光学薄膜の形成を同一の成膜室内で実施するので、ドライエッチング処理後の清浄な表面を保持しながら、前記光学薄膜を簡便に成膜することができる。
[適用例4]
適用例2または適用例3に係る本適用例では、前記したドライエッチング処理を、フッ素を含んだエッチングガスと、アルゴンおよび酸素ガスの少なくともいずれかのガスとを用いて行うことが好ましい。
本適用例によれば、SiO等から構成されるカバー部材表面をさらに容易にエッチングすることができるため、異物(欠陥)の数をより低減することができる。
[適用例5]
本適用例では、固体撮像素子用カバー部材の製造方法であって、上述したいずれかに記載の薄膜形成方法により、表面に光学薄膜を形成することを特徴とする。
本適用例によれば、カバー部材表面に光学薄膜が形成され、α線放出量が少なく、さらに異物(欠陥)の数も少ない固体撮像素子用カバー部材を提供することができる。
[適用例6]
適用例5に係る本適用例では、該光学薄膜が、反射防止膜、UV−IRカット膜およびIRカット膜のいずれかであることが好ましい。
本適用例によれば、α線放出量が少なく、さらに異物(欠陥)の数も少ない反射防止膜、UV−IRカット膜およびIRカット膜のいずれかを備えた固体撮像素子用カバー部材を提供することができる。なお、反射防止膜は、カバー部材の両側に形成することが好ましいが、固体撮像素子に対向する面の反対側については、必ずしも本発明の方法で反射防止膜を形成しなくとも良い。
[適用例7]
適用例5または適用例6に係る本適用例では、上述した製造方法により製造されたカバー部材と固体撮像素子とを備えた固体撮像装置であることを特徴とする。
本適用例の固体撮像装置によれば、上述した製造方法により製造されたカバー部材と固体撮像素子とを備えているので、α線および異物による画像欠陥を生じにくい固体撮像装置を提供することができる。
以下、本発明について実施例に基づいて説明する。
本実施例においては、CVD法により固体撮像素子用のカバー部材(ガラス基板または水晶基板)表面に光学薄膜を形成して各種の評価を行った。光学薄膜としては、UV−IRカット膜と反射防止膜の2種の光学多層膜を形成した。なお、比較用として、電子ビーム蒸着により形成した光学薄膜についても同様の評価を行った。
〔CVD装置の構成〕
図1に本実施例で用いた平行平板プラズマCVD装置100(以下、単に「CVD装置100」ともいう)を示す。
CVD装置100は、チャンバ20の中に、高周波電源22に接続された上部電極24と、アース26に接続された下部電極28とを備えている。下部電極28には薄膜形成用の基板(ガラス基板または水晶基板)1が載置される。下部電極28は、薄膜形成用の基板1を所定の温度に加熱・制御する機構を備えている。チャンバ20の内部は、真空排気装置30と圧力調整機32により所定の圧力に保たれる。また、CVDによる薄膜形成中は、図示した所定のガスが、流量制御装置34により流量を制御されながらチャンバ20の内部に導入される。
なお、反応性ガスとして図示したSi(OCおよびTi(OCは、常温で液体なので、図示しない液体タンクと加熱気化装置とを備えている。また、チャンバ20内部への配管自体も加熱・保温されている。
上部電極24は、反応性ガスをいったん内部に導入した後、下部電極28上の基板1付近にシャワー状に送ることができる構造を備えている。
また、基板1の表面をドライエッチングする際も基板1側をアースするが、基材1側に高周波をかけることによってさらに効率良くエッチングを行うことができる。
〔実施例1〜10〕
図1のCVD装置100を用い、ガラス基板1または水晶基板1の上に、低屈折率材料層(SiO層)と高屈折率材料層(TiO層)とが交互に積層された光学多層膜を形成(成膜)した。光学多層膜の種類は、UV−IRカット膜と反射防止膜の2種類である。
以下に、各光学多層膜の構成、成膜条件および成膜方法について説明する。また、表1にこれらの内容をまとめて示す。
(UV−IRカット膜の構成)
高屈折率層(H):TiO(n=2.35)
低屈折率層(L):SiO(n=1.47)
また、以下に説明する膜厚構成の表記では、光学膜厚nd=1/4λの値を用いた。具体的には、高屈折率層(H)の膜厚を1Hとして表記し、低屈折率層(L)の膜厚を同様に1Lと表記した。設計波長λは800nmである。具体的な膜構成は、基板側から0.80L、0.11H、0.26L、1.20H、1.22L、1.17H、1.25L、1.21H、1.25L、1.18H、1.24L、1.17H、1.18L、1.04H、1.07L、0.97H、1.04L、0.93H、1.03L、0.92H、1.03L、0.92H、1.03L、0.94H、1.04L、1.01H、1.28L、0.19H、0.72Lの29層であり、総物理膜厚は約3.2μmである。
図2に、実施例3のUV−IRカット膜について分光特性を示す。
(反射防止膜の構成)
設計波長λを500nmとした。基板側から0.29H、0.52L、0.41H、1.22Lの4層であり、総物理膜厚は0.185μmである。
図3に、実施例1の反射防止膜について反射防止特性を示す。
(成膜条件)
上述した、UV−IRカット膜および反射防止膜のいずれについても同じ条件である。
<SiO層の成膜条件>
Si(OC:40sccm
:100sccm
Ar:100sccm
圧力:50Pa
温度:400℃
RF電力密度:0.7W/cm
<TiO層の成膜条件>
Ti(OC:20sccm
:100sccm
Ar:100sccm
圧力:50Pa
温度:400℃
RF電力密度:0.7W/cm
<SiOおよびTiO混合物層の成膜条件>
反射防止膜を成膜する実施例1、6について、膜厚を調製する目的で、上述のSiO層またはTiO層と基板の間に、さらにSiOおよびTiOの混合物からなる単層膜を追加成膜した(実施例2、7)。
Si(OC:30sccm
Ti(OC:5sccm
:100sccm
Ar:100sccm
圧力:50Pa
温度:400℃
RF電力密度:0.7W/cm
<クリーニング(ドライエッチング)条件>
実施例6〜10については、以下の条件で各基板の表面に対して事前にドライエッチングを行った。
CF:20sccm
:10sccm
Ar:100sccm
RF電力密度:1.1W/cm
圧力:30Pa
温度:400℃
処理時間:5min
(成膜方法)
各基板(水晶基板またはガラス基板)について、以下の各工程により表面に光学多層膜を成膜した。
1)基板をアルカリ洗浄液と超音波により洗浄する。
2)外観検査(後述)を行い欠陥数がゼロであることを確認する。
3)CVD装置100内に基板をセットし、真空排気、加熱を行う。
4)必要に応じて、基板表面のドライエッチングを行う。
5)必要に応じて、SiOおよびTiOの混合物からなる単層膜を成膜する。
6)上述した条件で、SiO膜とTiO膜を交互に成膜する。
7)成膜後の基板(水晶または硝子)をアルカリ洗浄液と超音波により洗浄し、評価用試料とする。
〔比較例1〜4〕
一般的な電子ビーム蒸着(イオンアシスト蒸着)により、実施例と同様な光学多層膜を成膜した。基板や膜の種類等については、表1に示す。
(成膜条件)
<SiO層の成膜条件>
温度:150℃
成膜速度:0.7nm/sec
イオンアシスト:
・加速電圧:1000V
・加速電流1200mA
・O:50sccm
<TiO層の成膜条件>
温度:150℃
成膜速度:0.4nm/sec
イオンアシスト条件:
・加速電圧:700V
・加速電流:1000mA
・O:60sccm
(成膜方法)
以下の各工程により、評価用試料を作成した。
1)基板(水晶基板またはガラス基板)をアルカリ洗浄液および超音波で洗浄する。
2)外観検査(後述)を行い欠陥数がゼロであることを確認する。
3)電子ビーム蒸着装置内に基板をセットし、真空排気、加熱を行う。
4)上述した条件で、SiO膜とTiO膜を交互に成膜する。
5)基板をアルカリ洗浄液および超音波で洗浄して評価用試料とする。
〔評価方法〕
実施例および比較例の方法により光学多層膜が形成された各基板について、α線量と欠陥数を以下のようにして測定した。結果を表1に示す。
1)α線量の測定
測定装置:低レベルα線測定装置(住友化学(株)製 LACS−4000M)
測定条件:
・印加電圧 :1.9kV
・計数ガス:PR−10(Ar90%、CH10%) 10cc/min
・測定時間:約80時間
・計数効率:80%
2)欠陥数(異物数)の測定(外観検査)
20mm四方の基板表面(成膜面)をマイクロスコープで観察し、78.5μm(直径10μmの円の面積)を超える大きさの欠陥(異物)について数を数え、10試料の平均値を欠陥数とした。
Figure 2009075189
〔評価結果〕
表1の結果をもとに、図4に膜厚とα線量の関係を示す。また、同様に図5に膜厚と欠陥数の関係を示す。
1)α線量の測定結果
<基板がガラスの場合>
本発明のCVD法によって光学多層膜を形成した場合(実施例1〜3、6〜8)、光学多層膜からα線が放出されないことと、基板側からのα線を遮蔽する効果によって、検出されるα線量が非常に減少する。なお、光学多層膜が薄い場合(実施例1、6)、遮蔽の効果が必ずしも十分でないために基板側のα線がわずかに漏れてしまうが、膜厚を500nm以上に厚くすることによってα線量を0.05以下と非常に減少させることができる(実施例2、7)。また、実施例7、8の結果よりエッチングによる影響もほとんど無いことがわかる。
一方、基板だけの状態(参考例1)におけるα線量は0.105であり、非常に大きい。また、電子ビーム蒸着によって、反射防止膜またはUV−IRカット膜を形成した場合(比較例1、2)も0.089以上と高い値を示している。ここで、ガラス単体からなる基板(参考例1)と比較してα線量が若干低下しているのは、光学多層膜に含まれる放射性元素がガラス基板よりも少なく、さらにガラス基板からのα線を遮蔽したためと推定される。
<基板が水晶の場合>
本発明のCVD法により、反射防止膜またはUV−IRカット膜を形成した場合では(実施例4、5、9、10)、α線量はほとんど変化せず低いレベルのままである。また、実施例9、10より、エッチングによる影響もほとんど無いことがわかる。
一方、参考例に示すように、基板が水晶の場合、α線量は0.002c/cm・hでありほとんど検出できないレベルである。しかし、この基板に電子ビーム蒸着によって反射防止膜またはUV−IRカット膜を形成すると(比較例3、4)、α線量が多くなることがわかる。
2)欠陥数(異物数)の測定結果
ガラス基板および水晶基板について、洗浄後に検査を行い、すべて欠陥数がゼロであることを確認した後(参考例1、2参照)、成膜評価を行った。電子ビーム蒸着によって光学多層膜を形成した場合(比較例1〜4)、すべて2.9個以上になっている。これは電子ビーム蒸着に起因していると考えられる。
これに対して、本発明のCVD法によって光学多層膜を形成した場合(実施例1〜5)、いずれも欠陥数が減少している。また光学多層膜が厚いほど欠陥数が少なくなっている。詳細な理由は不明であるが、例えば、CVD法による成膜では、電子ビーム蒸着に比べ、層内の欠陥を消す(目立たなくする)効果もあるのではないかと推定される。例えば、CVD法による成膜では、図6(A)に示すように、光学多層膜2のリフロー性により、径aを有する基板1上の異物pについていわゆる異物増幅が行われず、むしろ、異物pの存在を光学的に覆い隠すような作用が起こったものと思われる。一方、電子ビーム蒸着では、図6(B)のように、光学多層膜2’形成時に異物増幅が起こり、異物の径aが異物増幅により径bにまで拡がり、結果として欠陥数の増加につながったものと考えられる。
なお、CF系ガスによりエッチングした後、CVDによって多層膜を形成した場合(実施例6〜10)、さらに欠陥数が低減し、0.2以下になっている。これはエッチングにより異物が除去されたか、基板がエッチングされるとともに異物が取り除かれたためと思われる。
〔実施例11〜13〕
図7に、ローパスフィルタ50と、固体撮像素子60とを備える固体撮像装置200の概略図を示す(実施例11)。ローパスフィルタ50は、3枚の水晶板51、52、53とその間にIRカットガラス54とが積層された構造である。
固体撮像素子60は、筐体61に入っており、筐体61の光線入射方向、すなわちローパスフィルタ50に向いた部分にはガラス基板1が嵌め込まれている。このガラス基板1には、固体撮像素子60側表面およびその反対側に、前記したCVD法を用いた薄膜形成により反射防止膜AR、AR’が形成され、本発明のカバー部材10を構成している。
また、図8の固体撮像装置300は、ローパスフィルタ50の水晶板53を分離して、カバー部材を兼用した例である(実施例12)。さらに、図9の固体撮像装置400は、ローパスフィルタ50そのものをカバー部材10として使用した例である(実施例13)。
上述した3つの固体撮像装置200、300、400では、いずれも、カバー部材10の固体撮像素子60側表面に、前記したCVD法を用いた薄膜形成により反射防止膜ARが形成されている。なお、固体撮像素子60に対向する面の反対側に位置する反射防止膜AR’については、必ずしも本発明の方法で反射防止膜を形成しなくとも良い。例えば、電子ビーム蒸着による方法であってもよい。
このように構成された固体撮像装置200、300、400は、前述した本発明の効果を十分に発揮できるので、例えば、デジタルスチールカメラ用として好適に利用できる。
本発明は、デジタルスチールカメラなどに用いられる固体撮像装置の分野で好適に利用できる。
本発明の方法を実施するためのCVD装置の概略図。 本発明の方法で得られたUV−IRカット膜の光線透過率曲線を示す図。 本発明の方法で得られた反射防止膜の反射特性を示す図。 本発明の方法で得られた光学多層膜の膜厚とα線量の関係を示す図。 本発明の方法で得られた光学多層膜の膜厚と欠陥数の関係を示す図。 本発明の方法および比較方法における異物増幅を模式的に示す図。 本発明の方法で得られたカバー部材を備えた固体撮像装置の例を示す図。 本発明の方法で得られたカバー部材を備えた固体撮像装置の他の例を示す図。 本発明の方法で得られたカバー部材を備えた固体撮像装置の他の例を示す図。
符号の説明
1…基板(ガラス基板、水晶基板)、2,2’…光学多層膜(光学薄膜)、10…カバー部材、20…チャンバ、22…高周波電源、24…上部電極、26…アース、28…下部電極、30…真空排気装置、32…圧力調整機、34…流量制御装置、50…ローパスフィルタ、51,52,53…水晶板、54…IRカットガラス、60…固体撮像素子、61…筐体、100…CVD装置、200,300,400…固体撮像装置、AR…反射防止膜、p…異物

Claims (7)

  1. 固体撮像素子用カバー部材表面に光学薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
    有機金属材料を原料とするCVD法により、前記固体撮像素子に対向する前記カバー部材表面に前記光学薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 請求項1に記載の薄膜形成方法であって、
    前記光学薄膜を形成する前に、前記カバー部材表面をドライエッチング処理することを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 請求項2に記載の薄膜形成方法において、
    前記ドライエッチング処理および前記光学薄膜の形成が同一の成膜室内で実施されることを特徴とする薄膜形成方法
  4. 請求項2または請求項3に記載の薄膜形成方法において、
    前記ドライエッチング処理を、フッ素を含んだエッチングガスと、アルゴンおよび酸素ガスの少なくともいずれかのガスとを用いて行うことを特徴とする薄膜形成方法
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の薄膜形成方法により、表面に光学薄膜を形成することを特徴とする固体撮像素子用カバー部材の製造方法。
  6. 請求項5に記載の固体撮像素子用カバー部材の製造方法において、
    該光学薄膜が、反射防止膜、UV−IRカット膜およびIRカット膜のいずれかであることを特徴とする固体撮像素子用カバー部材の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の製造方法により製造されたカバー部材と固体撮像素子とを備えたことを特徴とする固体撮像装置。
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