JP2004285412A - 光学機能性フィルムの製造方法及び製造装置 - Google Patents

光学機能性フィルムの製造方法及び製造装置 Download PDF

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JP2004285412A JP2003078913A JP2003078913A JP2004285412A JP 2004285412 A JP2004285412 A JP 2004285412A JP 2003078913 A JP2003078913 A JP 2003078913A JP 2003078913 A JP2003078913 A JP 2003078913A JP 2004285412 A JP2004285412 A JP 2004285412A
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Abstract

【課題】フィルムの流れ方向に、膜厚、反射率等の均一性が高い光学機能性フィルムを生産性良く提供する。
【解決手段】連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を真空成膜法にて形成する工程と、光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線を照射し、光学機能性膜から二次的に発生する蛍光X線、又は、反射X線をX線検出器で検出する工程と、光学機能性膜に、可視光発生装置の発生する光線を照射し、光学機能性膜から反射する可視光線を検出器で検出して光学機能性膜の視感度反射率、及び、反射色相を連続測定する工程と、前記の測定した測定結果と目標値との差を算出し、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード等を調整する工程を含む光学機能性フィルムの製造方法及び製造装置を特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機能性フィルムに関し、さらに詳しくは、ワープロ、コンピュータ、テレビ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類サングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズなどの光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラス等の表面に使用される反射防止フィルムやホログラムの反射層の製造方法、及び、製造装置に関するものであり、フィルムの流れ方向に、膜厚、膜密度、反射率等の均一性の高い光学機能性フィルムの製造方法、及び、製造装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、テレビ、パソコン・ワープロ等のディスプレイ、その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプラスチック等の透明基板が使用されている。
そして、それらの透明な基材には、基材を通して、文字や図形その他の情報を読み取るため、基材の表面で光が反射するのを防止するため、可視光における透過性が高く、外光における反射を低減した光学機能を備えた反射防止フィルムが知られており、高屈折率層、低屈折率層、中屈折率層を組み合わせて積層されているものが知られている。(例えば、特許文献1)
また、ホログラムには、絵柄層を設けた場合でも、当該絵柄層を外部がら見ることができるようにするため、高屈折率層をコーティングすることで、必要にして充分な透明度と反射光強度を得るものが知られている。
(例えば、特許文献2)。
上記の光学機能性フィルムの製造方法しては、プラスティック基材の上に、真空蒸着法、熱CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で、光学機能性膜を形成する方法が採用されている。
上記の光学機能性膜は、薄膜を均一に形成することが非常に重要である。これは、均一性が充分でない薄膜を積層する反射防止フィルムが、ディスプレイの面に使用された場合、面内で反射率や干渉の色模様にばらつきがあると、人の目や神経を疲労させてしまうからである。
また、光学機能性フィルムが、ホログラムの反射層に用いられた場合、面内で反射率や干渉の色模様にばらつきがあると、意匠性が低下してしまうからである。
上記のような薄膜を均一に形成する製造方法として、X線をガスバリアフィルムに照射し、2つの無機化合物成分からなる無機薄膜の原子を励起状態とし、元素の蛍光X線を測定し、その結果から、無機薄膜の膜厚と組成比率を連続測定し、電子銃のエミッション電流或いはスキャンスピードにフィードバックしながら、連続に走行するプラスチック基材上に無機薄膜を設けることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−728号公報
【特許文献2】
特開平7−5798号公報
【特許文献3】
特許第3346309号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3の膜厚の測定方法では、無機薄膜の膜厚と組成比率を測定することができるが、これは固有X線法の定量分析により、無機薄膜を構成する元素のうち、ターゲットとする元素の単位体積当たりの質量を求め、薄膜形成前後で質量の差を測定し、質量差を無機薄膜の膜厚に換算したを膜厚値(これを「質量膜厚」という。)とするものであり、無機薄膜の膜厚変化が1nm〜10nm程度に使用する場合、測定精度が低く、また、同質物質の無機薄膜層を2層以上積層する場合に、膜厚測定することができないという欠点がある。
また、基材フィルム上に屈折率の異なる無機薄膜を組み合わせて積層される反射防止フィルムの場合、面内の反射率等の物性値を均一にすることが必要である。このため、薄膜形成物質の屈折率等の光学的物性を利用して薄膜形成前後の物性値の変化を薄膜の膜厚に換算した値(これを「物性膜厚」という。)を測定していないため、薄膜形成前後で無機薄膜の物性値の差を測定して膜形成の条件を制御しておらず、面内の表面の粗さ(密度)に粗密が発生して反射率の均一な薄膜を形成することができないという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究の結果、本発明は、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を真空成膜法にて形成する工程と、光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線を照射し、光学機能性膜から二次的に発生する、光学機能性膜を構成する少なくとも一つ以上の元素の蛍光X線をX線検出器で検出して、膜厚を連続測定する工程と、光学機能性膜に、可視光発生装置の発生する光線を照射し、光学機能性膜から反射する可視光線を検出器で検出して光学機能性膜の視感度反射率と反射色相を連続測定する工程と、前記の測定した膜厚と、視感度反射率と、反射色相の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出し、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する工程を含むことを特徴とする光学機能性フィルムの製造方法を提供することができる。
また、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を真空成膜法にて形成する工程と、光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線を照射し、光学機能性膜の表面から反射する反射X線と、基材と光学機能性膜の界面から反射する反射X線との干渉をX線検出器で検出して、光学機能性膜の膜厚を連続測定する工程と、光学機能性膜に、可視光発生装置の発生する光線を照射し、光学機能性膜から反射する可視光線を検出器で検出して光学機能性膜の視感度反射率、及び、反射色相を連続測定する工程と、前記の測定した膜厚、視感度反射率、及び、反射色相の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出し、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する工程を含むことを特徴とする光学機能性フィルムの製造方法を提供することができる。
また、筒状の可撓性基材を給紙する給紙部と、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上の光学機能性膜を真空成膜法にて形成する真空成膜部と、光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線照射部と、光学機能性膜から二次的に発生する、光学機能性膜を構成する少なくとも一つ以上の元素の蛍光X線を検出するX線検出部とを有する膜厚測定装置と、光学機能性膜に可視光発生装置の発生する光線を照射する照射部と、光学機能性膜から反射する視感度反射率の検出部とを有する視感度反射率、及び、反射色相測定装置と、前記の膜厚測定装置、視感度反射率、及び、反射色相測定装置の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出する演算処理部と、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する制御部と、前記の形成される光学機能性フィルムの巻取部からなることを特徴とする光学機能性フィルムの製造装置を提供することができる。
また、筒状の可撓性基材を給紙する給紙部と、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上の光学機能性膜を真空成膜法にて形成する真空成膜部と、光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線照射部と、光学機能性膜の表面および基材と光学機能性膜の界面から反射する反射X線の干渉による振動を検出するX線検出部とを有する膜厚測定装置と、光学機能性膜に可視光発生装置の発生する光線を照射する照射部と、光学機能性膜から反射する視感度反射率の検出部とを有する視感度反射率、及び、反射色相測定装置と、前記の膜厚測定装置、視感度反射率、及び、反射色相測定装置の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出する演算処理部と、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する制御部と、前記の形成される光学機能性フィルムの巻取部からなることを特徴とする光学機能性フィルムの製造装置。を提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
まず、本発明における光学機能性フィルムの製造装置について、以下に説明する。
ここで、図1は本発明の光学機能性フィルム製造装置の一実施例を示す構成図である。
図1に示すように、本発明に係る光学機能性フィルム製造装置は、筒状の可撓性基材を給紙する基材巻き出し部2と、連続走行する光透過性の可撓性基材1の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を真空成膜法にて形成する反応室4と、光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線を照射する励起用X線源40と、励起用X線源40の照射量を調整するコリメーター43と、光学機能性膜から二次的に発生する、光学機能性膜を構成する少なくとも一つ以上の元素の蛍光X線を検出するX線検出器41とを用いて、測定対象である光学機能性膜の膜厚を演算する演算処理部とを有する膜厚測定装置と、光学機能性膜に、可視光発生装置の光源46と、スリット47を通して、光学機能性膜から反射する可視光線を検出する検出部48とを有する視感度反射率測定装置、及び、反射色相測定装置と、前記の膜厚、視感度反射率、及び、反射色相の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出する演算処理部49と、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する制御部50と、前記の形成される光学機能性フィルムを巻き取る基材の巻取部2´とからなるものである。
上記の装置において、蛍光X線を検出するX線検出器41を用いる代わりに、光学機能性膜の表面から反射する反射X線と、基材と光学機能性膜の界面から反射する反射X線の干渉波をX線検出器41で検出して、干渉による振動の周期から膜厚を測定することができる。
前記の反射X線を検出する場合、X線を光学機能性膜に照射する入射角を0度〜10度で測定する必要がある以外は、蛍光X線を検出するのに用いる光源、検出器を使用することができる。
また、反射X線は、蛍光X線と比べて、膜厚の変化が1nm〜10nm程度の場合の測定精度に優れ、同種の物質の薄膜を2層以上積層する場合であっても膜厚を測定することができ、干渉による振動の振幅から反射率に影響を与える膜の密度について測定することができるという利点を有するものである。
また、蛍光X線、或いは、反射X線の測定部としては、反転ローラの位置で、測定対象である薄膜形成フィルムを測定すると、薄膜形成後の基材フィルム表平均面の距離が安定しているため、蛍光X線、或いは、反射X線の検出精度、値の再現性を向上させることができるという利点を有するものである。
また、蛍光X線、或いは、反射X線の測定部におけるローラ表面の材質としては、測定対象とする物質の固有X線のエネルギーと異なるクロム金属等でメッキしているロールを使用することで、蛍光X線、或いは、反射X線の検出精度を向上させることができるという利点を有するものである。
この装置は、可撓性基材の上に光学機能性膜を形成する方法としては、グラビアコート、ダイレクトコート、ナイフコート、ディップコートなどのウェットコートや真空蒸着法、熱CVD法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空成膜法等のコーティング方法にも適用可能であるが、中でも、真空成膜法が、光学機能性膜の膜厚を蛍光X線で測定する際に、X線の検出精度が、大気中よりも真空中の方が高いため好ましいものである。
【0007】
次に、本発明における光学機能性フィルムの膜厚測定法について、以下に詳細に説明する。
本発明における光学機能性膜の膜厚測定法としては、例えばW、Mo、Rh、Au、Cr等、或いはその合金をターゲットとしたX線管球から発生したX線をコリメーターで面積を制限し、励起源として光学機能性膜に照射する。
このとき照射するX線のスポット径は、測定する面積及び要求されるフィードバックの精度によって規定され、特に限定されるものではないが、1〜50mmが好ましい。
また、X線を光学機能性膜に照射する入射角を0度〜10度で測定する必要がある。
また、光学機能性膜を形成する原子を励起状態にする方法は特に制限されず、X線照射以外に、電子線照射、放射線照射、レーザー照射等が挙げられる。
薄膜を形成する原子は、X線等を照射されて励起状態になり、その後基底状態に戻るときに各元素に固有の蛍光X線を放出する。この放出された蛍光X線を分光し、検出部で検出する。
【0008】
この分光、検出部としては、グラファイト、フッ化リチウム、塩化ナトリウム等の分光結晶や回折格子による回折現象を利用した分散型でも、測定X線のエネルギーに比例した出力をもつ検出器を使用する波高分析法による非分散型でもよい。
また、固有X線検出器としては、ガス増幅比例計数管、半導体検出器、シンチレーション検出器等を用いることができる。
【0009】
ここで蛍光X線とは、各元素に固有な線スペクトル又はその一部によって構成されるX線であり、固有X線ともいう。この蛍光X線の波長としては、例えばCuのKα線(固有X線の一種で電子がL殻からK殻の空準位へ遷移する時に放出されるX線)は1.542Å、MoのKα線は0.710Åであり、また、Al、Si、Mg、CaのKα線の波長は、それぞれ8.339Å、7.126Å、9.889Å、3.360Åである。
【0010】
光学機能性膜を形成する元素の固有X線強度は、光学機能性膜の質量膜厚と相関関係がある。
質量膜厚とは、薄膜形成前後で質量の差を測定し、質量差を薄膜の膜厚に換算した値をいう。
このため、前もって膜厚既知のサンプルで蛍光X線強度を測定して作製した検量線から、膜厚測定が可能となる。
即ち、光学機能性膜中に含まれる元素の内の主な元素の固有X線強度を測定することができる。
【0011】
また、本発明に係る膜厚測定部において、光学機能性膜の蛍光X線を検出する代わりに、反射X線を検出することができる。
ここで、反射X線とは、入射角度を臨界角以上にしたときに、入射されたX線の内、物質表面で反射されるものをいう。
また、入射X線は、臨界角以上で物質内部に侵入するようになり、このとき物質内部に屈折率の異なる層を積層していると、各層で反射されたX線がある角度において干渉し強め合ったり、弱めあったりし、反射X線の干渉が現れる。
【0012】
光学機能性膜の反射X線は、光学機能性膜の膜厚や密度と相関関係があり、 この反射X線の干渉の周期から、薄膜の膜厚を測定することができ、この反射X線の干渉の振幅から薄膜の密度を測定することができる。
即ち、光学機能性膜に入射するX線の干渉度合いから薄膜の膜厚や密度を測定することができる。
【0013】
次に、本発明における光学機能性膜の視感度反射率、及び、反射色相の測定法について、以下に詳細に説明する。
本発明における光学機能性膜の視感度反射率測定法としては、例えばJIS Z8701に規定されるC光源を基材フィルムに対し、入射角2度で光学機能性膜に照射し、光学機能性膜から反射した光束を可視光発生装置で分光し、検出部で検出する。
ここで、可視光発生装置の照射部において、その光源としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、水銀キセノンランプ、重水素ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ等を使用することができる。
また、可視光の検出部としては、フォトダイオードアレイ、光電子増倍管(PMT)、電荷結合素子(CCD)等を使用することができる。
【0014】
ここで視感度反射率とは、JIS Z8701に規定されるC光源に対する380nm〜780nmの分光反射率に対して、CIE(国際照明委員会)が定義した等色関数y(λ)を用いて、視感度補正したものである。
視感度とは、人間の眼の色感覚、つまり、網膜の色知覚細胞の感度の感受度に相当するものである。
ここで反射色相とは、JIS Z8701に規定されたXYZ表色系における三刺激値X、Y、Zを用いた物体色の表示方法であり、詳しくは380nm〜780nmの分光反射率に対するJIS Z8729に規定されたCIE1976(L*a*b*)のうち、a*、b*のことである。
【0015】
光学機能性膜の視感度反射率や反射色相は、光学機能性膜の物性膜厚と相関関係がある。
物性膜厚は、薄膜形成物質の物性を利用して薄膜形成前後の物性値の変化を薄膜の膜厚に換算した値をいう。
また、物性膜厚は、蛍光X線から求められる質量膜厚、あるいは、反射X線から求められるX線の干渉周期とも相関関係がある。
このため、本発明に係る物性膜厚の測定は、前もって物性膜厚既知のサンプルで、蛍光X線、反射X線、視感度反射率、及び、反射色相を測定して作製した対応表から、物性膜厚の測定ができる。
また、2つ以上の膜から形成される場合、各層の視感度反射率、及び、反射色相を測定することによって、各層の物性膜厚に関する情報が得られる。
また、視感度反射率、或いは、反射色相の測定部としては、反転ローラの位置で、測定対象である薄膜形成フィルムを測定すると、薄膜形成後の基材フィルム表平均面の距離が安定しているため、視感度反射率、或いは、反射色相の検出精度、測定値の再現性を向上させることができるという利点を有するものである。
また、視感度反射率、或いは、反射色相の測定部におけるローラ表面の材質としては、樹脂にカーボンブラック等の顔料を添加して黒色に着色したロール使用することで、基材フィルムの裏面反射を低減することができ、視感度反射率、或いは、反射色相の測定精度、及び、測定値の再現性を向上させることができるという利点を有するものである。
【0016】
連続走行する光透過性の可撓性基材フィルム1の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を例えば、プラズマCVD法等の真空成膜法にて形成する工程で、光学機能性膜の物性膜厚測定を連続的に行いながら、その結果をプラズマCVD法の成膜条件を調整することができる。
【0017】
成膜条件としては、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度等が挙げられる。
即ち、物性膜厚が増加しつつあるときには、成膜条件として、例えば、(1)基材の走行スピードを上げる。(2)印加電力を下げる。(3)原料ガスの流量を下げる。(4)成膜圧力を下げる。(5)基材の温度を上げて調整することができる。
一方、物性膜厚が減少しつつあるときには、(1)基材の走行スピードを下げる。(2)印加電力を上げる。(3)原料ガスの流量を上げる。(4)成膜圧力を上げる。(5)基材の温度を下げて調整することができる。
上記のように、光学機能性膜の視感度反射率の測定結果から成膜条件を調整することにより、フィルム基材の流れ方向の物性膜厚のばらつきを抑え、面内の物性膜厚を一定に保つことができる。
【0018】
次に、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、光学機能性膜を真空成膜法として、例えば、プラズマCVD法を例示して説明すると、まず、ウエッブ状の可撓性基材フィルム1が基材巻き出し部2より巻きだされて、真空容器3中のプラズマCVDの反応室4に導入される。
この真空容器3の全体は、真空ポンプ5により排気される。また、同時に反応室4には、原料ガス導入口6より規定流量の原料ガスが供給され、反応室4の内部は、常に一定圧力のこれらのガスで満たされている。
【0019】
次に、基材巻き出し部2より巻き出され、反応室4に導入された可撓性基材フィルム1は、反転ロール7を経て、成膜用ドラム8に巻き付き、成膜用ドラム8の回転と同期しながら反転ロール7’の方向に送られていく。
次に、電極9と成膜用ドラム8との間には、電源10によりRF電圧が印加される。
このとき、電源の周波数は、ラジオ波に限らず、直流からマイクロ波まで適当な周波数を使用することも可能である。
そして、電極9と成膜用ドラム8の間にRF電圧を印加することにより、この両電極の周辺にプラズマ11が発生する。
そして、このプラズマ11中で原料ガスが反応し、化合物を生成して成膜用ドラム8に巻き付いた可撓性基材フィルム1上に堆積して、光学機能性膜12が形成される。
なお、本発明に係る光学機能性フィルムの製造方法としては、上記で説明したプラズマCVD法に限定されず、真空蒸着法、熱CVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜法でもよい。なお、蛍光X線を測定する際、真空の方が測定精度がよいため、真空成膜法が好ましいが、グラビアコート、ダイレクトコート、ナイフコート、ディップコートなどのウェットコート等の通常のコーティング法であってもよい。
【0020】
次に、励起用X線源から発生させた励起用X線をコリメーターでその直径を制限しながら、可撓性基材フィルム1上の光学機能性膜12に照射し、その時に放出される蛍光X線、又は、反射X線の強度をX線検出器で測定する。
また、可視光発生装置、所定波長λ、380nm〜780nmの入射光束で走査し、スリット幅を制限しながら、可撓性基材フィルム1上の光学機能性膜12に照射し、その時に表面からの反射光を検出して視感度反射率、及び、反射色相を測定する。
その後、光学機能性膜12が表面に形成された可撓性基材フィルム1は、反転ロール7’を経て、基材巻き取り部2’で巻き取られる。
この得られた膜厚データと視感度反射率、及び、反射色相のデータとをパソコンに入れ、目標値との差を基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度等へフィードバックしながら光学機能性フィルムの製造を行うことができる。
【0021】
図2は、プラズマCVD法による本発明に係る可撓性基材上に光学機能性膜を形成する反射防止フィルムの製造方法を説明するための別態様の概略図である。
当該プラズマCVD装置は容量結合型のプラズマCVD装置であり、その基本的構造及び原理は図1の装置と同様である。
従って、当該装置においてもウエッブ状の可撓性基材フィルム1は基材巻き出し部22より巻きだされて、真空容器3中の反応室(a,b,c)に導入される。そして、当該反応室内の成膜用ドラム8上で所定の膜が形成され、基材巻き取り部21により巻き取られる。
【0022】
図2に示す装置と図1に示す装置との差は、図1に示す装置においては、フィルム上に光学機能性膜を形成するための反応室は一つしか設置されていないが、図2に示すプラズマCVD装置は、複数(3つ)の反応室を有している点にある。夫々の反応室(a,b,c)は隔離壁25で隔離されることで形成されている。ここで、以下の説明の便宜上、当該3つの反応室を右側から反応室a、反応室b、反応室cとする。そして、各反応室には、夫々電極版a1、b1、c1及び原料ガス導入口a2、b2、c2が設置されている。
【0023】
各反応室(a,b,c)は、成膜用ドラム8の外周に沿って設置されている。これは、積層膜が形成されるプラスティックフィルムは、成膜用ドラム8と同期しながら反応室内に挿入され、かつ成膜用ドラム上において多層膜を形成するものであることから、このように配置することにより連続して各膜を積層することができるからである。
なお、図2に示す装置では反応室の数を3室としたが、本発明の光学機能性フィルムの製造方法に用いるプラズマCVD装置としてはこれに限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0024】
上述したようなプラズマCVD装置によれば、各反応室へ導入する原料ガスを変化させることにより、夫々の反応室内で独立して膜を形成することが可能であることから、例えば、酸化チタン膜とシリカ膜との多層膜をプラスティックフィルム上に形成する場合は、反応室aに有機チタン化合物を含むガスを導入し、反応室bと反応室cにはケイ素を含むガスを導入することにより、可撓性基材フィルム1が成膜用ドラム8を経て基材巻き取り部2´へ巻き取られるまでに当該可撓性基材フィルム1上に酸化チタン膜とシリカ膜とが形成された反射防止フィルムを形成することができる。
【0025】
さらに、上記の場合において反応室bと反応室cとに導入されたガスは、ケイ素を含むガスであるが、各々の反応室内の条件、例えばガスの流量や圧力、放電条件等を変化させることにより、反応室bと反応室cとで形成されるシリカ膜の特性を変化させることも可能である。当該装置により酸化チタン膜、シリカ膜、またこれらの膜の厚さや屈折率等を自在に組み合わせることが可能となる。
【0026】
また、必ずしも夫々の反応室に異なる原料ガスを導入する必要もなく、例えば図2に示す反応室a,b,c全てに有機チタン化合物を含むガスを導入することで酸化チタン膜を形成し、その後に一旦反応室a,b,cに導入されたガスを全て抜き、改めてケイ素を含むガスを反応室a,b,cに導入して上記酸化チタン膜の上にシリカ膜を形成することも可能である。
なお、各反応室で光学機能膜を形成する方法としては、上記で説明したプラズマCVD法に限定されず、更に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のコーティング法とを組み合わせて用いでもよい。
【0027】
本発明においては、図3に示すように、上述した図1に示すような成膜用ドラムを複数個(例えば3個)設け、複数回プラスティックフィルムを処理することにより、可撓性基材フィルム1上に酸化チタン膜とシリカ膜とが形成された積層フィルムを形成するようにしてもよいし、上述したように図2に示す装置を用いて一回で可撓性基材フィルム1を処理することにより、可撓性基材フィルム1上に酸化チタン膜とシリカ膜とが形成された反射防止フィルムを形成するようにしてもよい。また、図3に示す装置を用いて複数回プラスティックフィルムを成膜処理することにより、酸化チタン膜とシリカ膜とが交互に複数層積層された積層フィルムを得ることも可能である。
【0028】
なお、図2の装置で、光学機能性膜の多層膜を形成する場合、反応室a,b,c全てにおいて、図1と同様にして、X線発生装置、及び、可視光発生装置を設置して、各層の物性膜厚を測定することが好ましい。
また、図3の装置で、光学機能性膜の多層膜を形成する場合、図1と同様にして、各成膜ドラム毎に、X線発生装置、及び、可視光発生装置を設置して、各層の物性膜厚を測定することが好ましい。
測定位置は、限定されないが、可撓性基材のばたつきを防ぎ、且つ、迅速なフィードバックを行うために、コーティング部の直後のロール上が好ましい。
即ち、励起用X線源から発生させた励起用X線をコリメーターでその直径を制限しながら、可撓性基材フィルム1上の光学機能性膜12に照射し、その時に放出される蛍光X線の強度を蛍光X線検出器で測定する。
また、可視光発生装置で、所定波長λ、380nm〜780nmの入射光束で走査し、スリット幅を制限しながら、可撓性基材フィルム1上の光学機能性膜12に照射し、その時に表面からの反射光を検知して視感度反射率及び反射色相を測定する。
その後、光学機能性膜12が表面に形成された可撓性基材フィルム1は、反転ロール7’を経て、基材巻き取り部2´で巻き取られる。
この得られた膜厚データと視感度反射率のデータとをパソコンに入れ、目標値との差を基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度等へフィードバックしながら光学機能性フィルムの製造を行うことができる。
更に、基材フィルムの表面に、グロー放電処理、赤外線ヒーター処理、加熱処理、プラズマ処理、コロナ処理、火炎処理、薬品処理、粗面化処理など前処理を行うことで、表面改質、或いは含水率を一定化することにより、品質安定性を向上させることができるため、上記の前処理を行う装置を1つ以上備えることが好ましいものである。
【0029】(第1実施態様)
図4は、本発明の第1実施態様を示す概略断面図である。
上記に述べた製造方法で製造される本発明の反射防止フィルム36は、最外層(基材と接する層の反対側の層)を低屈折率層34とし、この低屈折率層34から基材30の方向へ向かって、低屈折率層34、高屈折率層33、中屈折率層32(光学機能性膜32、33、34)、ハードコート層31、および基材30を順次積層した構造となっている。
【0030】(第2実施態様)
図5は、本発明の第2実施態様を示す概略断面図である。
図5において積層材51は、このようにホログラム層52は干渉縞が凹凸の模様として形成された凹凸模様面即ちレリーフ形成面53を有し、更に該レリーフ形成面53には、ホログラム層52の屈折率よりも大きい屈折率を有する透明連続薄膜54(光学機能性膜)が凹凸模様の形に沿って形成されている構造となっている。
【0031】
次に、本発明で使用する基材フィルムとしては、連続的に走行させて、その表面に真空成膜法による光学機能性多層膜を形成させる必要があることから、透明性、フィルム強度、可撓性、引張り強度が必要であり、具体的には、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネイトフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、アクリロニトリルフィルム、メタクリロニトリルフィルム等が挙げられる。さらには、無色透明のフィルムがより好ましく使用できる。中でも、一軸または二軸延伸ポリエステルフィルムが透明性、耐熱性に優れ、好適に用いられ、光学異方性のない点でトリアセチルセルロースも好適に用いられる。プラスティックフィルムの厚みは、通常は6μm〜188μm程度のものが好適に用いられる。
【0032】
次に、第1実施態様で使用する光学機能性膜としては、透明積層膜であって、各層に互いに屈折率の違う層を使用することにより光の反射を効率よく防止することができるため、好ましい。
高屈折率層として用いることが可能な薄膜としては、可視光域で透明性を有し、その屈折率を1.9〜2.4(波長λ=550nmであれば特に限定されるものではない。
高屈折率層としては、具体的には、酸化チタン、ITO(インジウム/スズ酸化物)層、Y層、In層、Si層、SnO層、ZrO層、HfO層、Sb層、Ta層、ZnO層、WO層、Sb、Fe、CdS、CeO、ZnS、PbCl、CdO、SiO、Bi、PbO、Cd等を挙げることができ、この中でも特に酸化チタン又は高抵抗を示すITO層を用いることが好ましい。
具体的な中屈折率層を形成するための物質としては、可視光域で透明性を有し、屈折率1.6〜1.9であれば特に限定されないが、例えば、Al、SiN、SiONや、ZrO、SiO、ZnOの微粒子を有機ケイ素化合物等に分散したもの等が好適に用いられる。
また、中屈折率層は必ずしも一層である必要もなく、複数の異なった層を積層して全体として上記の屈折率となるような層構成とすることにより、当該積層膜を中屈折率層とすることも可能である。
低屈折率層としては屈折率が1.4〜1.6のものが好ましく、その範囲にあるものとしては、例えば、シリカ膜、フッ化マグネシウム、酸フッ化ケイ素等を用いてもよい。
反射防止膜の形成方法としては、プラズマCVD法以外に、蒸着法、もしくはスパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
膜厚は20〜150nmであることが好ましい。
反射防止膜の層構成としては、例えば、低屈折率層/高屈折率層/中屈折率層/基材や、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/基材等がある。
【0033】
次に、第1実施態様で使用するハードコート層としては、本発明により作製可能な光学機能性フィルムに強度をもたせることを目的として、基材と光学機能性膜との間に形成することができる。
ハードコート層を形成するための材料は、フィルム基材と同様に可視光域で透明な材料であって、光学機能性フィルムに強度をもたせることができるものが必要であり、その強度としては、JIS K5400で示す鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すことが好ましい。
具体的には、熱硬化型樹脂、及び/又は、電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましく、さらに具体的には、アクリレート系の官能基をもつもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル、ポリエーテル、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン、ポリチオールポリエン系樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、アクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤であるエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、へキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含むものが好適に用いられる。
前記のハードコート層の膜厚としては、通常1〜30μmの範囲のものが好適に用いられる。
その形成方法は、通常のコーティング方法を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。
【0034】
次に、第1実施態様で使用する光学機能性フィルムには、最上層に、反射防止フィルムの上面の汚染を防止するための防汚層を設けてよい。
防汚層は、ディスプレイパネルの前面に配置した反射防止フィルムにごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される。具体的には、反射防止機能を低下させない範囲で、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等をごく薄く塗布し、余剰分を拭い除去しておく。防汚層は、恒久的な層として形成してもよいが、必要の都度、塗布して形成してもよい。防汚層の厚みは、1〜10nm程度が好ましい。
その形成方法は、通常のコーティング方法を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。
【0035】
第2実施態様のホログラムに係るホログラム層52の材料として、ポリ塩化ビニル、アクリル(例、MMA)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬化させたもの、或いは、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合物が使用可能である。
【0036】
第2実施態様の透明連続薄膜54はホログラム層52の屈折率(通常、屈折率:n=1.3〜1.6である)よりも大きい屈折率を有するもので、従来の反射性金属薄膜を設けるのと同様な位置に形成でき、このような光学機能性膜54の材質としては(以下、材質名の右にカッコ書きで屈折率:nを付記する)、Sb2S3(n=3.0)、Fe2O3(n=2.7)、TiO2(n=2.6) 、CdS(n=2.6)、CeO2(n=2.3) 、ZnS(n=2.3)、PbCl2(n=2.3)、CdO(n=2.2)、Sb2O3(n=2.0)、WO3(n=2.0)、SiO(n=2.0)、Bi2O3(n=2.5)、In2O3(n=2.0)、PbO(n=2.6)、Ta2O5(n=2.4)、ZnO(n=2.1)、ZrO2(n=2.0) 、Cd2O3(n=1.8)、Al2O3(n=1.6)、CaO ・ SiO2(n=1.8)、ITO(n=1.9) などが挙げられる。
【0037】
上記の第2実施態様の光学機能性膜54の膜厚は薄膜を形成する材料の透明領域であればよいが通常は100〜10,000Åが好ましい。
上記の光学機能性膜54をホログラム層のレリーフ形成面3に形成する方法として、真空蒸着法、プラズマCVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法などの一般的薄膜形成手段が採用できる。
【0038】
第2実施態様のホログラムには、絵柄層55を備えていてもよい。
絵柄層55が任意の位置に設けることができ、例えば上記の光学機能性膜54の表面に設けることも或いはホログラム層52の表面に設けることも更には薄膜54、ホログラム層52の表面に設けることもできる。絵柄層55は通常、印刷によって形成され、絵柄層55を構成するインキも通常用いられているインキを使用でき、任意の模様及び色彩を施すことができる。
更に、第2実施態様のホログラムには、薄膜54及び絵柄層55の下面に保護層56を設けることができる。
保護層56の材質としては通常用いられる合成樹脂を使用することができる。
【0039】
本発明の実施態様であるホログラムは、レリーフホログラムに限定されず、フルネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム及びリップマンホログラム、レインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、更にそれらの原理を利用したカラーホログラム、コンピューターホログラムディスプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホログラム回折格子等に用いることができる。
【0040】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)高周波電源として13.56MHzのRF電源を用い、プラズマCVD法により80μm厚のトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、炭素含有酸化シリコン層(中屈折率層)の形成を行った。
このときの製造条件の設定値(初期値)としては、基材フィルムの走行スピードを10m/min、印加電力を1kW、原料ガス(ヘキサメチレンジシロキサン:HMDSN)の流量を100sccm、成膜圧力を10Pa、基材の温度を20度とし、目標膜厚を80nm、管理幅を80nm±4nm、目標視感度反射率を9.70%、管理幅を9.70%±0.2%、目標反射色相のa*を0.3、b*を5.4、管理幅をa*を0.3±0.2、b*を5.4±0.5とした。上記のガス流量単位sccmは、standard cubic cm per minuteのことである。
光学機能性膜の膜厚の連続測定としてX線管から発生させた白色X線を、コリメーターで直径5mmに制限し、炭素含有酸化シリコン層に照射した。
このとき、光学機能性膜を形成するケイ素原子は励起状態となり、その後基底状態に戻るときに波長7.126Åの蛍光X線を放出した。
この強度をシンチレーションカウンターで測定し、前もって用意していた検量線により自動的に膜厚値に換算できるようにした。
この膜厚および視感度反射率、及び、反射色相の測定値の出力をパソコンにいれ、目標値との差を基材フィルムの走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上の製造条件を自動調整しながら、炭素含有酸化シリコン層(中屈折率層)の形成を行った。
【0041】
次に、上記で形成した炭素含有酸化シリコン層の上に、スパッタリング法を用いて、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)層(高屈折率層)の形成を行った。
このときの製造条件の設定値(初期値)としては、基材フィルムの走行スピードを5m/min、印加電力を10kW、成膜圧力を10Pa、基材温度20度とし、目標膜厚を40nm、管理幅を40nm±2nm、目標視感度反射率を8.5%、管理幅を8.5%±0.2%、目標反射色相のa*を4.1、b*を4.4、管理幅をa*を4.1±0.5、b*を4.4±1.0とした。
光学機能性膜の膜厚の連続測定としてX線管から発生させた白色X線を、コリメーターで直径5mmに制限し、酸化インジウム−酸化スズ層に照射した。
このとき、光学機能性膜を形成するインジウム原子は励起状態となり、その後基底状態に戻るときに波長3.78Åの蛍光X線を放出した。
この強度をシンチレーションカウンターで測定し、前もって用意していた検量線により自動的に膜厚値に換算できるようにした。
この膜厚および視感度反射率、及び、反射色相の測定値の出力をパソコンにいれ、目標値との差を基材フィルムの走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上の製造条件を自動調整しながら、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)層(高屈折率層)の形成を行った。
【0042】
次に、上記で形成した酸化インジウム−酸化スズ(ITO)層の上に、プラズマCVD法で、酸化シリコン層(低屈折率層)の形成を行った。
このときの製造条件の設定値(初期値)としては、基材フィルムの走行スピードを10m/min、印加電力を1kW、原料ガス(テトラメトキシシラン)の流量を100sccm、成膜圧力を10Pa、基材温度を20℃とし、目標膜厚を95nm、管理幅を95nm±5nm、目標視感度反射率を0.3%、管理幅を0.3%±0.1%、目標反射色相のa*を5.4、b*を−5.8、管理幅をa*を5.4±1.0、b*を−5.8±3.0とした。
光学機能性膜の膜厚の連続測定としてX線管から発生させた白色X線を、コリメーターで直径5mmに制限し、酸化シリコン層に照射した。
このとき、光学機能性膜を形成するケイ素原子は励起状態となり、その後基底状態に戻るときに波長7.126Åの蛍光X線を放出した。
この強度をシンチレーションカウンターで測定し、前もって用意していた検量線により自動的に膜厚値に換算できるようにした。
この膜厚および視感度反射率の測定値の出力をパソコンにいれ、目標値との差を基材フィルムの走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上の製造条件を自動調整しながら、酸化シリコン層(低屈折率層)の形成を行い、層構成、低屈折率層34/高屈折率層33/中屈折率層32/ハードコート層31/基材フィルム層30からなる光学機能性膜フィルムを製造した。
このような製造方法で得られる光学機能性フィルムを、プラズマCVD法による膜形成の開始位置から1000m間を200m毎に、光学機能性膜(中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層)の物性膜厚、視感度反射率、反射色相をインライン測定し、その結果を表1に示す。
表1に表される光学機能性膜の測定結果のように、流れ方向に物性膜厚、視感度反射率、反射色相が均一な光学分光特性を備えた長尺光学機能性フィルムが得られた。
【0043】(測定結果)
【表1】
Figure 2004285412
【0044】<光学機能性膜測定に使用した装置>
膜厚測定装置 蛍光X線測定装置
視感度反射率・透過色相・反射色相測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
【0045】(実施例2)
実施例1で用いる光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線照射部と、X線発生装置の発生するX線入射角を0度から10度で走査し、蛍光X線を検出する代わりに、光学機能性膜の表面から反射する反射X線と、基材と光学機能性膜の界面から反射する反射X線の干渉による振動をX線検出器で検出して、それを光学機能性膜の膜厚値に換算すること以外は、実施例1と同様の製造方法にして、反射防止フィルム(光学機能性フィルム)を作製した。
その結果、表2に表される光学機能性膜の測定結果のように、流れ方向に物性膜厚、視感度反射率、反射色相が均一な光学分光特性を備えた長尺光学機能性フィルムが得られた。
【0046】(測定結果)
【表2】
Figure 2004285412
【0047】<光学機能性膜測定に使用した装置>
膜厚測定装置 反射X線測定装置
視感度反射率・透過色相・反射色相測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
【0048】(実施例3)
まず、アクリル樹脂とメラミン樹脂とを重量比で4:1の割合で混合してなる混合樹脂を用いて80μm厚のホログラム層(屈折率:n=1.4)を形成した。
高周波電源として13.56MHzのRF電源を用い、プラズマCVD法により前記の80μm厚のホログラム層のレリーフ形成面に、TiO薄膜層(屈折率:n=2.4)の形成を行った。
このときの製造条件の設定値(初期値)としては、基材フィルムの走行スピードを10m/min、印加電力を1kW、原料ガス(チタニウムテトライソプロポキシド;TTIP)の流量を100sccm、成膜圧力を10Pa、基材の温度を20度とし、目標膜厚を100nm、管理幅を100nm±3nm、目標視感度反射率を34.0%、管理幅を34.0%±0.5%、目標反射色相のa*を0.0、b*を0.0、管理幅をa*を0.0±0.5、b*を0.0±0.5とした。
上記のガス流量単位sccmは、standard cubic cm per minuteのことである。
光学機能性膜の膜厚の連続測定としてX線管から発生させた白色X線を、コリメーターで直径5mmに制限し、TiO薄膜層に照射した。
このとき、光学機能性膜を形成するTi原子は励起状態となり、その後基底状態に戻るときに波長2.750Åの蛍光X線を放出した。
この強度をシンチレーションカウンターで測定し、前もって用意していた検量線により自動的に膜厚値に換算できるようにした。
この膜厚および視感度反射率、及び、反射色相の測定値の出力をパソコンにいれ、目標値との差を基材フィルムの走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上の製造条件を自動調整しながら、TiO薄膜層の形成を行った。
このような製造方法で得られる光学機能性フィルムを、プラズマCVD法による膜形成の開始位置から1000m間を200m毎に、光学機能性膜(TiO薄膜層)の物性膜厚、視感度反射率、反射色相をインライン測定し、その結果を表3に示す。
このZnS面にグラビア印刷法により絵柄印刷を行った上、保護層(屈折率:n=1.4)として、酢酸セルロース樹脂をグラビア印刷法にてコーティングした。
その結果、表3に表される光学機能性膜の測定結果のように、流れ方向に物性膜厚、視感度反射率、反射色相が均一な光学分光特性を備え、充分なホログラム効果があり、また、外部から絵柄層を見ることができ、透明性にも優れている長尺光学機能性フィルムが得られた。
【0049】(測定結果)
【表3】
Figure 2004285412
【0050】<光学機能性膜測定に使用した装置>
膜厚測定装置 蛍光X線測定装置
視感度反射率・透過色相・反射色相測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
【0051】(比較例1)
実施例1と同様にして反射防止フィルム(光学機能性フィルム)を作製したが、特に蛍光X線の強度、視感度反射率、反射色相の測定による製造条件への自動調整は行わず、目標膜厚は目標膜厚、目標視感度反射率、目標反射色相を実施例と同じ値とした。
実施例1と同様に膜形成の開始位置から1000m間を200m毎に、光学機能性膜(中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層)の膜厚、視感度透過率、視感度反射率、透過色相、反射色相をインライン測定した。その結果を表4に示す。
表4に表される光学機能性膜の測定結果のように、物性膜厚、視感度反射率、反射色相が流れ方向に不均一な長尺光学機能性フィルムが得られた。
【0052】(測定結果)
【表4】
Figure 2004285412
【0053】<光学機能性膜測定に使用した装置>
膜厚測定装置 蛍光X線測定装置
視感度反射率・透過色相・反射色相測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
【0054】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を真空成膜法にて形成する工程と、光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線を照射し、光学機能性膜から二次的に発生する、光学機能性膜を構成する少なくとも一つ以上の元素の蛍光X線をX線検出器で検出して、膜厚を膜厚を連続測定する工程、又は、光学機能性膜の表面から反射する反射X線と、基材と光学機能性膜の界面から反射する反射X線の干渉をX線検出器で検出して、膜厚を連続測定する工程と、光学機能性膜に、可視光発生装置の発生する光線を照射し、光学機能性膜から反射する可視光線を検出器で検出して光学機能性膜の視感度反射率と反射色相を連続測定する工程と、前記の測定した膜厚と、視感度反射率と、反射色相の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出し、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する工程を含むことを特徴とする光学機能性フィルムの製造方法、及び、製造装置によって、フィルムの流れ方向に、非破壊で膜厚を測定できるため、生産ラインを停止して、得られた光学機能性フィルムをサンプリングする必要もなく、連続的に測定でき、また、得られた測定結果から成膜条件を制御でき、不透明膜や、同質の物質からなる積層膜の物性膜厚、密度、反射率等の面内において均一性に優れる光学機能性フィルムを生産性良く提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のプラズマCVD法による光学フィルムの製造方法を説明するための概略図である。
【図2】本発明に係る実施例のプラズマCVD法による光学フィルムの製造方法を説明するための概略図である。
【図3】本発明に係る実施例のプラズマCVD法による光学フィルムの製造方法を説明するための概略図である。
【図4】本発明に係る光学機能性フィルムの一態様である層構成を示す概略断面図である。
【図5】本発明に係る光学機能性フィルムの別態様である層構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、30 基材フィルム
2 基材巻きだし部
2’ 基材巻き取り部
3 真空容器
4、a、b、c 反応室
5 真空ポンプ
6、a2、b2、c2 原料ガス導入口
7、7’ 反転ロール
8 成膜用ドラム
9、a1、b1、c1 電極
10 電源
11 プラズマ
12 光学機能性膜
25 隔離壁
31 ハードコート層
32 中屈折率層
33 高屈折率層
34 低屈折率層
36 反射防止フィルム(光学機能性フィルム)
38 可視光線(入射光)
39 可視光線(反射光)
40 励起用X線源
41 固有X線検出器
42 シャッター
43 コリメーター
44 励起用X線
45 蛍光X線または反射X線
46 光源
47 スリット
48 受光素子
49 演算処理部
50 制御部
51 透明型ホログラム
52 ホログラム層
53 レリーフ形成面
54 透明連続薄膜(光学機能性膜)
55 絵柄層
56 保護層

Claims (4)

  1. 連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を真空成膜法にて形成する工程と、
    光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線を照射し、光学機能性膜から二次的に発生する、光学機能性膜を構成する少なくとも一つ以上の元素の蛍光X線をX線検出器で検出して、膜厚を連続測定する工程と、
    光学機能性膜に、可視光発生装置の発生する光線を照射し、光学機能性膜から反射する可視光線を検出器で検出して光学機能性膜の視感度反射率と反射色相を連続測定する工程と、
    前記の測定した膜厚と、視感度反射率と、反射色相の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出し、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する工程を含むことを特徴とする光学機能性フィルムの製造方法。
  2. 連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上、光学機能性膜を真空成膜法にて形成する工程と、
    光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線を照射し、光学機能性膜の表面から反射する反射X線と、基材と光学機能性膜の界面から反射する反射X線との干渉をX線検出器で検出して、光学機能性膜の膜厚を連続測定する工程と、
    光学機能性膜に、可視光発生装置の発生する光線を照射し、光学機能性膜から反射する可視光線を検出器で検出して光学機能性膜の視感度反射率、及び、反射色相を連続測定する工程と、
    前記の測定した膜厚、視感度反射率、及び、反射色相の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出し、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する工程を含むことを特徴とする光学機能性フィルムの製造方法。
  3. 筒状の可撓性基材を給紙する給紙部と、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上の光学機能性膜を真空成膜法にて形成する真空成膜部と、
    光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線照射部と、光学機能性膜から二次的に発生する、光学機能性膜を構成する少なくとも一つ以上の元素の蛍光X線を検出するX線検出部とを有する膜厚測定装置と、
    光学機能性膜に可視光発生装置の発生する光線を照射する照射部と、光学機能性膜から反射する視感度反射率の検出部とを有する視感度反射率、及び、反射色相測定装置と、
    前記の膜厚測定装置、視感度反射率、及び、反射色相測定装置の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出する演算処理部と、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する制御部と、
    前記の形成される光学機能性フィルムの巻取部からなることを特徴とする光学機能性フィルムの製造装置。
  4. 筒状の可撓性基材を給紙する給紙部と、連続走行する光透過性の可撓性基材の上に、少なくとも1層以上の光学機能性膜を真空成膜法にて形成する真空成膜部と、
    光学機能性膜にX線発生装置の発生するX線照射部と、光学機能性膜の表面および基材と光学機能性膜の界面から反射する反射X線の干渉を検出するX線検出部とを有する膜厚測定装置と、
    光学機能性膜に可視光発生装置の発生する光線を照射する照射部と、光学機能性膜から反射する視感度反射率の検出部とを有する視感度反射率、及び、反射色相測定装置と、
    前記の膜厚測定装置、視感度反射率、及び、反射色相測定装置の測定結果が、その目標値となるように測定結果と目標値との差を算出する演算処理部と、光学機能性フィルムの製造条件として、基材の走行スピード、印加電力、原料ガスの流量、成膜圧力、又は、基材の温度のうち、少なくとも1つ以上、調整する制御部と、
    前記の形成される光学機能性フィルムの巻取部からなることを特徴とする光学機能性フィルムの製造装置。
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