JP2009074209A - ポリアミド繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着時の熱処理を低温で行うことができ、ホットメルト型接着性繊維として好適に使用することができるポリアミド繊維であって、製造工程において白粉の発生が少なく、操業性よく得ることができ、強伸度特性にも優れたポリアミド繊維を提供する。
【解決手段】ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610のモノマーで構成される3元以上の共重合ポリアミドであって、融点が80〜160℃、湿潤時の融点が50〜100℃であるポリアミドからなる繊維であり、鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤が繊維表面に付着していることを特徴とするポリアミド繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、共重合ポリアミドを主成分として構成され、繊維表面に特定の油剤が付与されているポリアミド繊維であって、比較的低温での接着性に優れており、各種の繊維素材やフィルム等の素材を接着加工する際に用いることが好適なポリアミド繊維に関するものである。
従来より、ホットメルト型接着剤はその接着の早さ、常温で固体であるという扱いやすさ、また、接着工程の合理化、省力化が図れることから様々な分野で使われている。特に、ポリアミド系のホットメルト接着剤は一般に耐溶剤性、耐熱性が優れており、繊維、建築物、電気電子部品などの接着に広く利用されている。
一般に、ホットメルト型接着剤は求める温度で溶けること、接着力が高いことが要求される。特に布帛の接着に対して使用する際には、その布帛の構成材料の分解温度、融点よりも低い融点を有し、十分な接着性を有することが必要とされる。
従来、ポリアミド系のホットメルト型接着剤として、ポリラウロラクタム成分を含有するホットメルト型接着剤が公知である(例えば、特許文献1参照)。
このようなホットメルト型接着剤を繊維状にした場合、ホットメルト型接着剤を布帛に織り込んで使用することができるため、各種衣料用途、カーペットのようなインテリア用途等の繊維や布帛どうしの接着などを簡単に行うことができるため有用である。
そして、このようなホットメルト型接着性繊維は、上記のように他の素材と併せて混繊糸としたり、布帛として用いることが多いので、多くの種類の他素材と組み合わせて用いることができるものが求められていた。すなわち、接着時に高温の熱処理を必要とするものでは、他素材の性能や風合いを低下させ、求める繊維や布帛等の繊維製品を得ることができないという問題があり、低温での熱処理により接着可能なものが求められていた。
一方、ホットメルト型接着性繊維に使用される低融点ポリマーは、通常行われる沸水による精練が不可能なため、モノマーやオリゴマーを多量に含んでいる。一工程法では二工程法に比べて紡糸速度が高速であるため、ポリマーが吐出される際に分子の配向が急速に行われ、ポリマー中のモノマーやオリゴマーが繊維表面へ析出されやすくなる。このようにして繊維表面に析出されたモノマーやオリゴマーがローラに巻き取られる際やガイドを通過するうちに白粉となり、繊維表面を覆ったり、ローラやガイド等に堆積する。そして、このような白粉が堆積すると、糸切れが生じやすく、操業性や作業環境が悪化するという問題点があった。
特開平7−157743号公報
本発明は上記のような問題点を解決するものであって、接着時の熱処理を低温で行うことができ、ホットメルト型接着性繊維として好適に使用することができるポリアミド繊維であって、製造工程において白粉の発生が少なく、操業性よく得ることができ、強伸度特性にも優れたポリアミド繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610のモノマーで構成される3元以上の共重合ポリアミドであって、融点が80〜160℃、湿潤時の融点が50〜100℃であるポリアミドからなる繊維であり、鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤が繊維表面に付着していることを特徴とするポリアミド繊維を要旨とするものである。
本発明のポリアミド繊維は、熱処理により溶融して接着剤として機能し、各種の繊維素材やフィルム等の素材を接着加工する際に用いることができ、接着した素材は剥離しにくく、接着強力が高いものとなる。そして、特定の成分を有する油剤が繊維表面に付着されているので、低融点ポリマーを使用して一工程法で製造した際に生じやすいモノマーやオリゴマーの析出による、繊維表面やローラやガイド等への白粉の堆積が少ない。このため、操業性よく、作業環境も良好な状態で本発明のポリアミド繊維を得ることができ、強伸度特性にも優れたものとなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリアミド繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610のモノマーで構成される3元以上の共重合ポリアミドからなるものである。つまり、これらのモノマー3種類以上を用いて共重合したポリアミドであって、3種類のモノマーを用いて共重合した3元共重合ポリアミド、4種類のモノマーを用いて共重合した4元共重合ポリアミド、5種類のモノマーを用いて共重合した5元共重合ポリアミドが挙げられる。
中でも好ましい共重合ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12からなる3元共重合ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12からなる4元共重合ポリアミドである。
そして、共重合ポリアミドは、融点が80〜160℃であり、中でも100〜140℃であることが好ましい。さらに、湿潤時の融点が50〜100℃であり、中でも60〜90℃であることが好ましい。共重合ポリアミドにおいては、共重合成分の組成比を変更することにより、目的とする融点及び湿潤時の融点となるように調整を行う。
通常、接着強度を高くするためには、接着加工する場合の処理温度を繊維を構成するポリマーの融点よりも20℃以上高くすることが望ましいが、接着加工時の熱処理により、被接着素材は少なからず熱履歴を経て、変質や性能低下を起こす。このため、接着成分となるポリマーの融点は低い方が望ましい。
そこで、本発明における共重合ポリアミドの融点は160℃以下とする。これにより、接着加工時の熱処理温度を低くすることができ、被接着素材の変質や性能低下を最小限に軽減することができる。また、エネルギー消費の観点、コストの点から見ても、接着加工時の熱処理温度は低い方が好ましい。
さらに、本発明における共重合ポリアミドの湿潤時の融点は50〜100℃とするものである。用途によってはスチームを当てながら熱処理する場合等、湿熱条件下で接着加工する場合があるが、このような場合、通常行われるスチーム熱処理による加工が容易に行えるように、湿潤時の融点を100℃以下とするものである。
一方、融点が80℃未満であったり、湿潤時の融点が50℃未満になると、保管中や輸送中に高温多湿の環境になると、ポリアミド繊維の糸条同士が融着を起こし、解舒不良や糸質低下が発生するおそれがあり、また接着加工を施した被接着素材に熱処理を施すと、剥離するなど耐久性が乏しくなるため好ましくない。
なお、本発明における共重合ポリアミドの融点は、JIS−K7121に記載の方法に準じて、パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を使用し、昇温速度20℃/分で測定した(DSC法)。
また、本発明における湿潤時の融点は、次のような方法で測定する。本発明のポリアミド繊維(長さ30cm)の先端に繊度×1/30gのクリップ形状の荷重を取り付け、水温20℃の水槽中にポリアミド繊維の荷重を取り付けた方を下にし、長さ20cm分を完全に浸漬させて吊す。次に水温を12℃/分で昇温し、ポリアミド繊維が溶融し、荷重が落下した時点の水温を湿潤時の融点とする。
なお、本発明で用いる共重合ポリアミドにおいては、効果を損なわない範囲であれば、ブロッキング防止剤、無機充填剤、補強剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃材、艶消剤などの各種添加剤を含有していてもよい。
本発明のポリアミド繊維は、マルチフィラメントであってもモノフィラメントであってもよい。つまり、本発明のポリアミド繊維が単糸M1本のみからなる場合はモノフィラメントであり、単糸Mが複数本集合したものはマルチフィラメントである。
そして、本発明のポリアミド繊維を構成する単糸Mは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610のモノマーで構成される3元以上の共重合ポリアミドのうちの一種のみからなる(繊維全体の100質量%を占める)単一型のものとすることが好ましいが、異なる種類の3元以上の共重合ポリアミドを複数種類用いた複合繊維としてもよく、また3元以上の共重合ポリアミドと他の構成成分との複合繊維であってもよい。複合繊維とする場合は、3元以上の共重合ポリアミドの割合を繊維全体の30質量%以上とすることが好ましい。
複合繊維とする場合には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610のモノマーで構成される3元以上の共重合ポリアミドは繊維表面に存在するようにすることが好ましく、中でもこれらの共重合ポリアミドが鞘部を形成する芯鞘型の複合繊維とすることが好ましい。
また、繊維の断面形状も特に限定するものではなく、丸断面のみでなく、異形、中空等の繊維としてもよい。
そして、本発明のポリアミド繊維は、鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤が繊維表面に付着しているものである。
これらの成分を含有する油剤が繊維表面に付着していることにより、低融点ポリマーを用いて溶融紡糸する際に生じやすいオリゴマーやモノマーの析出を防ぐことができ、白粉の発生を防ぐことができる。
鉱物油潤滑剤としては、中でも粘度が10〜50mm/sであるものを用いることが好ましく、さらには粘度が15〜30mm/sであるものが好ましい。
アルキルエーテルノニオンとしては、原料アルコールの炭素数が10〜16のものが好ましく、中でも原料アルコールの炭素数が11〜14のものが好ましい。このようなアルキルエーテルノニオンとしては、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール等の炭素数10〜16の飽和又は不飽和の脂肪族1価アルコールに、アルキレンオキサイドを付加反応されたポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが挙げられる。
アルキルホスフェートK塩としては、原料アルコールの炭素数が14〜20のものが好ましく、中でも炭素数が16〜18のものが好ましい。アルキルホスフェートK塩としては、例えばオクチルホスフェートK塩、デシルホスフェートK塩、ラウリルホスフェートK塩、イソセチルホスフェートK塩、ステアリルホスフェートK塩、イソステアリルホスフェートK塩、オレイルホスフェートK塩、エチレンオキサイド5モル付加ラウリルホスフェートK塩等が挙げられる。
そして、油剤中の鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩の割合は、鉱物油潤滑剤が75〜98質量%、アルキルエーテルノニオンが1〜10質量%、アルキルホスフェートK塩が1〜10質量%であることが好ましい。このような含有量の割合とすることで、前記したような低融点ポリマーを用いて溶融紡糸する際に生じやすいオリゴマーやモノマーの析出を防ぐことができ、白粉の発生を防ぐことができるという効果を十分に奏することができる。
上記した油剤は低粘度の鉱物油希釈剤で希釈して用いることや水エマルジョンの状態で用いることができるが、本発明のポリアミド繊維においては、低粘度の鉱物油希釈剤で希釈して用いることが好ましい。
つまり、本発明のポリアミド繊維を生産性よく製造するために一工程法を採用する際、エマルジョン油剤を使用すると、ワインダーのフリクションローラと捲取ボビンとの摩擦熱により繊維同士が溶着し、解舒不良が発生する。これは低融点ポリマーの湿潤時の融点が乾燥時の融点に比べ20℃以上低いためである。
そこで、低粘度の鉱物油希釈剤で希釈した油剤であって、水分率が1%以下の油剤として使用することで、繊維を乾燥時に近い状態で捲き取ることができるため、ワインダーのフリクションローラと捲取ボビンとの摩擦熱でも繊維同士が溶着せず、解舒性が良好となる。
さらに、本発明の鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤がポリマー中のオリゴマーやモノマーの析出を防ぎ、白粉の発生を抑制することができる理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように考察している。つまり、中でも低粘度の鉱物油希釈剤で希釈した油剤であって、水分率が1%以下の油剤として紡糸油剤として使用することで、溶融紡糸直後のフィラメント表層においてモノマー、オリゴマーの析出を抑制することができ、さらに経時により繊維表面に析出してきたモノマーやオリゴマーに対しても、粘性低下と乾燥促進の効果を有するため、白紛の堆積を抑制することができるものと思われる。
そして、本発明のポリアミド繊維は、強度2.0cN/dtex以上、切断伸度135%以であることが好ましく、中でも強度が2.5〜4.0cN/dtex、切断伸度が100〜50%であることが好ましい。本発明においては、特定の成分を有する油剤が繊維表面に付与されているため、上記のように白粉の発生や堆積を抑制することができ、操業性よく得ることができ、このような強度や伸度を達成することが可能となる。
また、本発明のポリアミド繊維をホットメルト型の熱接着性繊維として用いる用途としては、例えば、複数の繊維の一部に混繊させて混繊糸とし、熱処理により本発明のポリアミド繊維を溶融させて混繊糸の形態を固定をさせ、モップ等に用いられるブラシ毛部分やカーペット用のパイル糸とする用途や、さらには、織編物や不織布等の布帛を構成する繊維の一部に使用し、熱処理(家庭用アイロン等で)により本発明の繊維を溶融させて、布帛同士を接着させたり、芯材として用いる用途がある。
また、本発明のポリアミド繊維を短繊維とし、不織布を構成する繊維の一部に用いてバインダー繊維として使用することもできる。
次に、本発明のポリアミド繊維の製造方法について一例を用いて説明する。
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12共重合ポリマーのチップを用い、エクストルーダー型溶融紡糸機を用い溶融混練し、紡糸口金より紡糸温度185℃で紡出させて溶融紡糸を行う。鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤を低粘度の鉱物油希釈剤で希釈した油剤とし、溶融紡糸後の糸条を冷却固化した後、油剤付与装置で2.2ml/minの割合で付与する。続いて、第一ローラ速度を3795m/min、第二ローラ速度を3908m/minとして1.03倍で延伸した後、フリクションローラ速度を3850m/minとして巻き取り、本発明のポリアミド繊維を得る。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中の各種の特性値及び評価は以下のとおりに行った。
〔融点、湿潤時の融点〕
前記のとおりに行った。
〔強度、切断伸度〕
JIS L−1013に従い、島津製作所製オートグラフDSS−500を用い、つかみ間隔25cm、引張速度30cm/分で測定した。
〔接着強度〕
JIS L0803の染色堅ろう度試験用添付白布の表3「単一繊維布(1)の組成」に示されるナイロン繊維の布帛を用い、これらをタテ11cm×ヨコ20cmの被接着布を2枚用意する。1枚の被接着布の上にタテ方向に1cm間隔で10本のサンプル(本発明のポリアミド繊維 長さ11cm)を並べ、その上にもう1枚の被接着布を重ね、この積層物をローラ温度120℃(接着加工温度)、ローラスピード0.5m/分、プレス圧力0.7kg/cmの条件で熱ローラに通し、布帛の片面を加熱することで熱圧着する。熱圧着後、室温で24時間放置した後、2枚の被接着布を島津製作所製のオートグラフAGS−50Dのチャックで挟み、剥がし速度25cm/分の条件で強力を測定し、サンプル(本発明のポリアミド繊維)の繊度で除した値とする。
〔白紛評価〕
製糸時:24時間操業を行い、この間の各種のローラやガイドにおける白粉の発生、堆積状況を目視にて以下の3段階で評価した。
○:白粉の発生がほとんどない。
△:白粉の発生、堆積が多少ある。
×:白粉が発生し、堆積している。
経時後:得られたポリアミド繊維を室温40℃×湿度80%の高温高湿室で30日間経時させ、1mm巾の金属製櫛状ガイドを頂点として給糸ローラ、引取ローラを配置し、1000m/minの速度で10分間走行させた。ガイドに堆積した白紛量により以下の3段階で評価した。
○:堆積量0.015mg未満
△:堆積量0.015〜0.03mg未満
×:堆積量0.03mg以上
実施例1
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のモノマーで構成される3元共重合ポリアミド(アルケマ社製、商品名『H005FA』、融点118℃、湿潤時の融点72℃)チップを用い、この共重合体に対し、0.02質量%のステアリン酸マグネシウムを添加し、エクストルーダー型溶融紡糸機を用い溶融混練した。ノズル孔径 0.40mm、孔数12の紡糸口金より吐出量19.5g/min、紡糸温度 185℃で溶融紡糸を行った。
鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤を低粘度の鉱物油希釈剤で希釈した油剤(鉱物油希釈剤70質量%、鉱物油潤滑剤26.4質量%、C12(原料アルコールの炭素数12)アルキルエーテルノニオン2.1質量%、C16〜18(原料アルコールの炭素数16〜18)アルキルホスフェートK塩1.5質量%:竹本油脂社製「UTN-2701」)を油剤付与装置から2.2ml/minの割合で供給して、溶融紡糸後、冷却固化した糸条に付与した。続いて第一ローラ速度を3795m/min、第二ローラ速度を3908m/minとして1.03倍に延伸した後、フリクションローラ速度を3850m/minとして巻き取り、110dtex/12fのポリアミド繊維を得た。
実施例2
実施例1と同様の共重合ポリアミドを用いて、ノズル孔径 0.35mm、孔数12の紡糸口金より吐出量14.0g/min、紡糸温度 185℃で溶融紡糸を行った。実施例1と同様の油剤を油剤付与装置から1.6ml/minの割合で供給して、溶融紡糸後、冷却固化した糸条に付与した。続いて第一ローラ速度を3820m/min、第二ローラ速度を3897m/minとして1.03倍に延伸した後、フリクションローラ速度を3850m/minとして巻き取り、78dtex/12fのポリアミド繊維を得た。
実施例3
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12のモノマーで構成される4元共重合ポリアミド(アルケマ社製、商品名『M2468』、融点105℃、湿潤時の融点68℃)チップを用い、この共重合体に対し、0.02質量%のステアリン酸マグネシウムを添加し、エクストルーダー型溶融紡糸機を用い溶融混練した。ノズル孔径 0.40mm、孔数12の紡糸口金より吐出量19.5g/min、紡糸温度 155℃で溶融紡糸を行った。実施例1と同様の油剤を油剤付与装置から2.2ml/minの割合で供給して、溶融紡糸後、冷却固化した糸条に付与した。続いて第一ローラ速度を3543m/min、第二ローラ速度を3897m/minとして1.10倍に延伸した後、フリクションローラ速度を3850m/minとして巻き取り、110dtex/12fのポリアミド繊維を得た。
実施例4
実施例3と同様の共重合ポリアミドを用いて、ノズル孔径 0.35mm、孔数12の紡糸口金より吐出量14.0g/min、紡糸温度 155℃で溶融紡糸を行った。実施例1と同様の油剤を油剤付与装置から1.6ml/minの割合で供給して、溶融紡糸後、冷却固化した糸条に付与した。続いて第一ローラ速度を3608m/min、第二ローラ速度を3897m/minとして1.08倍に延伸した後、フリクションローラ速度を3850m/minとして巻き取り、78dtex/12fのポリアミド繊維を得た。
比較例1
油剤として鉱物油潤滑剤のみからなる油剤(竹本油脂社製「UTN-2701A」)を用いた以外は実施例1と同様にして行い、ポリアミド繊維を得た。
比較例2
実施例1で用いた油剤に代えて、オクチルパルミタート96.4質量%、C12(原料アルコールの炭素数12)アルキルエーテルノニオン2.1質量%、C16〜18(原料アルコールの炭素数16〜18)アルキルホスフェートK塩1.5質量%からなる油剤を用いた以外は、実施例1と同様にして行い、ポリアミド繊維を得た。
実施例1〜4、比較例1、2で得られたポリアミド繊維の特性値及び評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4で得られたポリアミド繊維は、製糸時及び経時後ともに白紛の堆積もほとんど生じないものであり、操業性よく得ることができた。また、強度、伸度ともに優れており、接着性も良好であった。
一方、比較例1、2のポリアミド繊維は、鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤が付着していないものであったため、製糸時及び経時後ともに白紛の発生、堆積が多く生じ、操業性が悪化した。

Claims (3)

  1. ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610のモノマーで構成される3元以上の共重合ポリアミドであって、融点が80〜160℃、湿潤時の融点が50〜100℃であるポリアミドからなる繊維であり、鉱物油潤滑剤、アルキルエーテルノニオン及びアルキルホスフェートK塩を含有する油剤が繊維表面に付着していることを特徴とするポリアミド繊維。
  2. 油剤中のアルキルエーテルノニオンは、原料アルコールの炭素数が10〜16であり、アルキルホスフェートK塩は原料アルコールの炭素数が14〜20であり、鉱物油潤滑剤は粘度が10〜50mm/sである請求項1記載のポリアミド繊維。
  3. 強度2.0cN/dtex以上、切断伸度135%以下である請求項1又は2記載のポリアミド繊維。
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