JP2007204870A - ポリアミド短繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気の発生や油剤脱落によるトラブルが極めて少ない、紡績工程通過性の安定したポリアミド短繊維を提供する。
【解決手段】 繊維表面に以下の(a)〜(d)成分を付着させたことを特徴とするポリアミド短繊維。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
【選択図】なし
【解決手段】 繊維表面に以下の(a)〜(d)成分を付着させたことを特徴とするポリアミド短繊維。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
【選択図】なし
Description
本発明は、紡績通過性に優れたポリアミド短繊維及びその製造方法に関する。
ポリアミド短繊維は従来より汎用合成繊維として広く知られており、アウターやインナー等の衣料用の材料としても広く用いられている。
ポリアミド短繊維は、比較的優れた強伸度特性、ソフトな触感、独特の風合い、適度な吸湿性などの特徴を有しており、織物として用いた場合に、摩耗に対する耐久性や、着心地に優れた衣料用の生地を得ることができる。
しかし、ポリアミドは、木綿等の天然繊維や、ポリエステルやアクリル等の他の汎用合成繊維と比較すると、繊維表面の摩擦が高いことや、金属や繊維との摩擦により帯電しやすく、静電気が発生しやすいという特徴を持つため、紡績工程通過に対する難度は高い。
静電気の発生を防止するために、特許文献1で用いられている様な、制電性の優れた親水性油剤を用いる方法がある。しかし、この方法では静電気発生は抑制できるが、油剤の持つ粘着性が高いので、紡績工程通過時に脱落しやすいため、各部のローラーでの巻付きの原因となり、操業性が悪くなる上、紡績糸品質にも悪影響を与える。このため、ローラー、ガイド類の掃除の頻度が多くなり、作業負担も大きくなるので、生産効率も悪くなる。
静電気の発生を防止するために、特許文献1で用いられている様な、制電性の優れた親水性油剤を用いる方法がある。しかし、この方法では静電気発生は抑制できるが、油剤の持つ粘着性が高いので、紡績工程通過時に脱落しやすいため、各部のローラーでの巻付きの原因となり、操業性が悪くなる上、紡績糸品質にも悪影響を与える。このため、ローラー、ガイド類の掃除の頻度が多くなり、作業負担も大きくなるので、生産効率も悪くなる。
一方、特許文献2の様に、平滑性が高く、工程通過性の優れたシリコン成分を含有した油剤を用いる例も知られている。しかし、この方法では、前述の紡績工程通過時の油剤脱落は抑制できるが、制電性が劣るので、特に冬場等の湿度が低い環境下においては、静電気発生による巻き付きが多発し、操業性が悪くなる。
上記の制電性、及び平滑性をともに満たし、どの季節においても紡績工程通過性の優れるポリアミド短繊維はかつて無かった。
特開2001−57201号公報
特開2003−183935号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、紡績工程通過性に優れたポリアミド短繊維の提供を目的とする。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の紡績用ポリアミド短繊維は、繊維表面に以下の(a)〜(d)成分を付着させたことを特徴とするポリアミド短繊維である。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
すなわち、本発明の紡績用ポリアミド短繊維は、繊維表面に以下の(a)〜(d)成分を付着させたことを特徴とするポリアミド短繊維である。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
本発明によれば、静電気の発生や油剤脱落によるトラブルが極めて少ない、紡績工程通過性の安定したポリアミド短繊維を得ることができる。
本発明は、ポリアミド短繊維の紡績工程通過性に関し、鋭意検討したところ、(a)〜(d)成分を付与することで、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
本発明のポリアミド短繊維に使用するポリアミドは、一般的に繊維製造に用いられるポリアミドが好ましく用いることができる。例えばナイロン6やナイロン66あるいは両者の共重合体や、ナイロン12などが好適に用いられる。中でも、紡績難度の高いナイロン66、すなわちポリヘキサメチレンアジパミドに対して効果的である。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
本発明のポリアミド短繊維に使用するポリアミドは、一般的に繊維製造に用いられるポリアミドが好ましく用いることができる。例えばナイロン6やナイロン66あるいは両者の共重合体や、ナイロン12などが好適に用いられる。中でも、紡績難度の高いナイロン66、すなわちポリヘキサメチレンアジパミドに対して効果的である。
本発明のポリアミド短繊維は、繊維表面に以下の(a)〜(d)成分を付着させることが必要である。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル成分は、親水性を有しており、繊維の制電性を高める効果を有するものである。また、繊維を収束させる効果も有するので、紡績工程通過時に繊維がばらけ、単糸がローラー類に巻き付くといったトラブルを発生しにくくするため好ましい。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル成分は、親水性を有しており、繊維の制電性を高める効果を有するものである。また、繊維を収束させる効果も有するので、紡績工程通過時に繊維がばらけ、単糸がローラー類に巻き付くといったトラブルを発生しにくくするため好ましい。
ポリエーテル成分としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどの単独重合体や、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのモノマー単位の組み合わせからなるブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体などを好ましく用いることができる。
ポリエーテル成分には直鎖状あるいは分枝構造を有するアルキル基、ヒドロキシル基、アミド基、アミノ基などの官能機を含んでいても構わない。
ポリエーテル成分の重量平均分子量は、200〜20000の範囲内であることが必要であり、より好ましくは、400〜15000の範囲内である。平均分子量が200未満のものを用いると、粘着性が高くなりすぎて、繊維製造工程や、紡績工程にて油剤成分が脱落しやすい傾向を有する。紡績工程のローラー等で脱落すると、その粘着性により、繊維が巻付きやすくなり、操業性及び糸質の点から好ましくない。また、平均分子量が20000を超えるものは、高級アルコールのリン酸エステルとの相溶性が悪くなるので、好ましくない。
全油剤成分のうちのポリエーテル化合物の比率は、10〜30重量%であることが好ましい。10重量%未満であると、十分な制電性が得られないので、静電気発生によるトラブルが発生しやすくなり、好ましくない。30重量%を超えると、粘着性が強くなり、工程通過性が悪くなるため、好ましくない。
本発明のポリアミド短繊維には(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステルと(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステルを同時に使用する必要がある。(b)及び(c)成分におけるアルキル基の構造に関しては、平滑性に優れた直鎖状の構造が好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、分枝構造を含んでいても構わない。
使用するアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステルとしては、カリウムやナトリウムなどのアルカリ金属との塩を好ましく用いることができる。ここでアルキル基の炭素数が6〜11の成分は強力な制電性を有し、繊維の帯電防止に大きな効果を有する。炭素数が6未満であると、制電性は強いものの粘着性が強くなり過ぎて、工程通過性が悪くなるので好ましくない。特に紡績工程における練条のチューブで脱落しやすくなり、紡績操業性及び糸質に悪影響を与える。また、炭素数が12以上では十分な制電性を得ることができないので、炭素数が6〜11のものと12〜20のものを併用することが必要である。
全油剤成分のうちの炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステルは30〜60重量%であることが必要である。30重量%未満であれば、十分な制電性が得られず、好ましくない。また、60重量%を超えると、繊維と金属との摩擦が高くなり、工程通過性が悪くなるので好ましくない。特に、紡績工程での練条チューブでの油剤脱落が多くなる。
また、炭素数が12〜20のものは制電性と平滑性を併せ持った成分である。後述のシリコーン成分との併用により、摩擦の高いナイロン短繊維に良好な平滑性と、十分な制電性を与える効果を持つ。炭素数が12未満の成分だけでは、繊維と金属との摩擦が高くなりすぎて、良好な工程通過性を得ることができないので、炭素数が6〜11のものと12〜20のものを併用することが必要である。炭素数が20を超える成分であれば、平滑性に優れるが、制電性が不十分となり、好ましくない。
良好な平滑性を得るためには、(d)シリコーンを用いることが必要である。
好ましく用いられるシリコーン成分としては、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、ポリエチレングリコール変性ポリシロキサン等が挙げられる。
好ましく用いられるシリコーン成分としては、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、ポリエチレングリコール変性ポリシロキサン等が挙げられる。
全油剤成分における、シリコーン成分の比率は、1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。1重量%以下であると、平滑性が得られないため好ましくない。10重量%を越えると、平滑性が高くなりすぎるため、紡績時の絡合性が低くなりすぎるため好ましくない。その上、制電性が悪化するので、静電気が発生しやすくなり好ましくない。
油剤の付与方法に関しては、製糸プロセスの中で(a)及び(b)成分を含む油剤を先に付与した後に、(c)及び(d)成分を含む油剤を付与することが好ましい。(a)及び(b)成分は、優れた制電性を有する成分であるが、粘着性が高く、工程にて脱落しやすい傾向を持っており、工程通過性は比較的悪い部類に入る。これに対し、(c)及び(d)成分は、平滑性が高く、工程通過性が良いという傾向を持つ。そのため、まず(a)及び(b)成分を付与した後、その上から工程通過性に優れる(c)及び(d)成分を付与することで、良好な工程通過性が得られるので、好ましい。
油剤付与方法は特に限定されないが、(a)及び(b)成分は、一本一本の繊維表面に対する均一付与を考慮し、油剤浴中にトウ形状の繊維を通過させ、含浸させる方法が好ましい。
(c)及び(d)成分は、スプレーによる付与が好ましい。均一に付与するために、トウの上部及び下部からの2方向からの付与がより好ましい。(c)及び(d)成分において、油剤浴を用いると、その浴中で先に付与した(a)及び(b)成分が溶出し、油剤浴中の油剤成分が変動するので好ましくない。
(a)〜(d)成分の付着量が、繊維重量に対して、0.20から0.60重量%であることが好ましい。0.2重量%未満であると、制電性及び工程通過性が得られず好ましくない。0.6重量%を超えると、制電性は良好であるが、紡績工程での油剤脱落が多くなるため好ましくない。
かくして得られるポリアミド短繊維の物理特性は、紡績工程通過性を悪化させない範囲であれば、特に限定されるものではない。
本発明のポリアミド繊維の単繊維繊度は特に限定されないが、高次加工でのカード通過性、絡合性を考えると、0.5dtex以上、16dtex以下であることが好ましい。
本発明のポリアミド繊維の乾強度は特に限定されないが、製糸工程や、高次加工工程での通過時の耐久性や、製品として実際に使用される際の耐久性を考えると、2.0cN/dtex以上であることが好ましい。
本発明のポリアミド繊維の乾伸度は特に限定されないが、製糸工程や、高次加工工程の通過性を考えると、10%以上であることが好ましい。ただし、乾伸度が高すぎると、カード通過など紡績通過時に繊維が伸張され、品質ムラが発生しやすいので、100%以下であることが好ましい。より好ましくは、20%以上50%以下である。
なお、ここでいう繊度、乾強度、乾伸度は、JIS 1015(化学繊維ステープル試験法)に基づいて求められるものである。
本発明のポリアミド繊維の捲縮数に関しては、特に限定されるものではないが、繊維間の絡合性を得るためには6山/25mm以上であることが好ましいが、良好な開繊性を得るためには22山/25mm以下であることが好ましい。捲縮率に関しては、6%以上、25%以下であることが好ましい。6%未満であると絡合性が劣り、25%を越えると開繊性が悪くなるので好ましくない。
本発明のポリアミド短繊維のカット長は、10mm以上、120mm以下であることが好ましい。10mm未満であると、繊維間の絡合性が悪くなるので好ましくなく、120mmを越えると、開繊性や、工程通過性が悪くなり、好ましくない。より好ましくは30mm以上、70mm以下である。
本発明のポリアミド短繊維の用途は、特に限定されない。紡績糸を織物生地として、アウターやインナー等の衣料用や、紡績糸をパイル状とし、レンタルモップの部材として用いることなど、種々の用途に好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明する。物性の測定方法は次の通りである。
単繊維繊度、乾強度、乾伸度は、JIS 1015(化学繊維ステープル試験法)に準じて測定した。
油分は、ソックスレー管を用いたエタノール抽出分から、ケルダール法にて定量したポリアミドモノマー及びオリゴマーの重量を差し引き、算出した。
延伸に際しては、下記A〜D成分からピックアップし、純水で所定の濃度に希釈して用いた。
油剤成分A: ポリエチレングリコールからなる分子量が2000のポリエーテル
油剤成分B: オクチルアルコールのリン酸エステルのカリウム塩
油剤成分C: セチルアルコールのリン酸エステルのカリウム塩
油剤成分D: ジメチルポリシロキサンからなるシリコーン。
油剤成分A: ポリエチレングリコールからなる分子量が2000のポリエーテル
油剤成分B: オクチルアルコールのリン酸エステルのカリウム塩
油剤成分C: セチルアルコールのリン酸エステルのカリウム塩
油剤成分D: ジメチルポリシロキサンからなるシリコーン。
(実施例1)
酸化チタンを0.30重量%含有するヘキサメチレンアジパミドからなるチップを、1軸のエクストルーダーにて、280℃の温度にて溶融させ、口金より吐出させて、冷却した後に1300m/minの引取速度にて引き取った未延伸糸を缶に収納した。
酸化チタンを0.30重量%含有するヘキサメチレンアジパミドからなるチップを、1軸のエクストルーダーにて、280℃の温度にて溶融させ、口金より吐出させて、冷却した後に1300m/minの引取速度にて引き取った未延伸糸を缶に収納した。
延伸工程内の油剤浴に、油剤成分A濃度が0.36重量%、油剤成分B濃度が0.83
重量%となる様に調製した油剤を満たした。得られた未延伸糸を、該油剤浴中を通過させ、油剤を含浸させた後に、100℃の蒸気により熱処理しながら、2.6倍の延伸倍率にて延伸し、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。油剤成分C濃度が1.46重量%、油剤成分D濃度が0.24重量%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い、450cc/minの吐出量にて吐出し、得られた延伸糸に付与した後に、押し込み式クリンパーにより捲縮を付与し、捲縮トウを得た。得られた捲縮トウを100℃の温風にて乾燥した後、38mmの繊維長にカットし、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.48重量%であった。短繊維をカードマシンにより開繊させた後に、練条工程、粗紡工程、精紡工程を経て、紡績糸とした。一連の工程通過性について、結果を表1に記載した。
重量%となる様に調製した油剤を満たした。得られた未延伸糸を、該油剤浴中を通過させ、油剤を含浸させた後に、100℃の蒸気により熱処理しながら、2.6倍の延伸倍率にて延伸し、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。油剤成分C濃度が1.46重量%、油剤成分D濃度が0.24重量%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い、450cc/minの吐出量にて吐出し、得られた延伸糸に付与した後に、押し込み式クリンパーにより捲縮を付与し、捲縮トウを得た。得られた捲縮トウを100℃の温風にて乾燥した後、38mmの繊維長にカットし、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.48重量%であった。短繊維をカードマシンにより開繊させた後に、練条工程、粗紡工程、精紡工程を経て、紡績糸とした。一連の工程通過性について、結果を表1に記載した。
(実施例2)
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分C濃度が0.50重量%、油剤成分D濃度が0.067重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分C濃度が0.50重量%、油剤成分D濃度が0.067重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
その後、油剤成分A濃度が1.1重量%、油剤成分B濃度が2.5重量%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い450cc/minの吐出量にて吐出し、該延伸糸に付与した後に、実施例1と同様の方法にて捲縮付与、乾燥、切断を行い、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.46重量%であった。実施例1と同じ紡績工程を通過させ、紡績糸とした。結果を表1に記載した。
(実施例3)
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分A濃度が0.28重量%、油剤成分B濃度が0.63%、油剤成分C濃度が0.38重量%、油剤成分D濃度が0.05重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
その後、油剤成分A濃度が0.028重量%、油剤成分B濃度が0.063重量%、油剤成分C濃度が0.038重量%、油剤成分D濃度が0.005%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い、450cc/minの吐出量にて吐出し、得られた延伸糸に付与した後に、実施例1と同様の方法にて捲縮付与、乾燥、切断を行い、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.47重量%であった。実施例1と同じ紡績工程を通過させ、紡績糸とした。結果を表1に記載した。
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分A濃度が0.28重量%、油剤成分B濃度が0.63%、油剤成分C濃度が0.38重量%、油剤成分D濃度が0.05重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
その後、油剤成分A濃度が0.028重量%、油剤成分B濃度が0.063重量%、油剤成分C濃度が0.038重量%、油剤成分D濃度が0.005%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い、450cc/minの吐出量にて吐出し、得られた延伸糸に付与した後に、実施例1と同様の方法にて捲縮付与、乾燥、切断を行い、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.47重量%であった。実施例1と同じ紡績工程を通過させ、紡績糸とした。結果を表1に記載した。
(比較例1)
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分A濃度が0.35重量%、油剤成分B濃度が0.90重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
その後、油剤成分A濃度が0.35重量%、油剤成分B濃度が0.90重量%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い450cc/minの吐出量にて吐出し、得られた延伸糸に付与した後に、実施例1と同様の方法にて捲縮付与、乾燥、切断を行い、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.46重量%であった。実施例1と同じ紡績工程を通過させ、紡績糸としたが、練条工程においてチューブ詰まりが多発し、そのため、糸切れも多発し、紡績工程通過性は悪かった。結果を表1に記載した。
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分A濃度が0.35重量%、油剤成分B濃度が0.90重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
その後、油剤成分A濃度が0.35重量%、油剤成分B濃度が0.90重量%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い450cc/minの吐出量にて吐出し、得られた延伸糸に付与した後に、実施例1と同様の方法にて捲縮付与、乾燥、切断を行い、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.46重量%であった。実施例1と同じ紡績工程を通過させ、紡績糸としたが、練条工程においてチューブ詰まりが多発し、そのため、糸切れも多発し、紡績工程通過性は悪かった。結果を表1に記載した。
(比較例2)
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分C濃度が1.20重量%、油剤成分D濃度が0.20重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
その後、油剤成分C濃度が1.20重量%、油剤成分B濃度が0.20重量%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い450cc/minの吐出量にて吐出し、該延伸糸に付与した後に、実施例1と同様の方法にて捲縮付与、乾燥、切断を行い、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.46重量%であった。実施例1と同じ紡績工程を通過させ、紡績糸としたが、精紡工程において、糸切れも多発し、紡績工程通過性は悪かった。結果を表1に記載した。
実施例1と同じ方法にて未延伸糸を得た。延伸工程内の油剤浴に、油剤成分C濃度が1.20重量%、油剤成分D濃度が0.20重量%となる様に調製した油剤を満たした後、実施例1と同じ方法にて延伸を行い、1.1dtexの繊度の延伸糸とした。
その後、油剤成分C濃度が1.20重量%、油剤成分B濃度が0.20重量%となる様に調製した仕上げ油剤をスプレーノズルを用い450cc/minの吐出量にて吐出し、該延伸糸に付与した後に、実施例1と同様の方法にて捲縮付与、乾燥、切断を行い、短繊維を得た。得られた短繊維の油分を測定したところ、0.46重量%であった。実施例1と同じ紡績工程を通過させ、紡績糸としたが、精紡工程において、糸切れも多発し、紡績工程通過性は悪かった。結果を表1に記載した。
Claims (4)
- 繊維表面に以下の(a)〜(d)成分を付着させたことを特徴とするポリアミド短繊維。
(a)重量平均分子量が200〜20000の範囲内のポリエーテル
(b)炭素数が6〜11のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(c)炭素数が12〜20のアルキル基を有する高級アルコールのリン酸エステル
(d)シリコーン - (a)〜(d)成分の付着量が、繊維重量に対して、0.20から0.60重量%である請求項2に記載のポリアミド短繊維。
- ポリアミドがポリヘキサメチレンアジパミドであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド短繊維。
- 繊維に(a)及び(b)成分を含有する油剤を付着させた後に、(c)及び(d)成分を含有する油剤を付着させることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド短繊維の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6176888B1 (ja) * | 2017-01-24 | 2017-08-09 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維製不織布製造用処理剤、不織布製造用の合成繊維及び不織布の製造方法 |
JP2020050965A (ja) * | 2018-09-21 | 2020-04-02 | ダイワボウホールディングス株式会社 | エレクトレット加工用の繊維、それを含む不織布、およびそれらを含むエアフィルター |
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2006
- 2006-01-31 JP JP2006023961A patent/JP2007204870A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6176888B1 (ja) * | 2017-01-24 | 2017-08-09 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維製不織布製造用処理剤、不織布製造用の合成繊維及び不織布の製造方法 |
JP2018119228A (ja) * | 2017-01-24 | 2018-08-02 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維製不織布製造用処理剤、不織布製造用の合成繊維及び不織布の製造方法 |
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