JP2012082535A - 不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】芳香族ポリアミド繊維フィラメントを利用しながら、不織布用の芳香族ポリアミド短繊維を有効に生産し、提供すること。
【解決手段】芳香族ポリアミド繊維フィラメントを切断し短繊維とする不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法であって、該芳香族ポリアミド繊維フィラメントの単糸繊度が1〜10dtexであり、少なくとも一部の芳香族ポリアミド繊維フィラメントの表面にはフィラメント油剤が付着しており、当該芳香族ポリアミド繊維フィラメントを集束してトウとした後、フィラメント油剤を脱油し、ステープル油剤を付与し、引き続き捲縮加工することにより、トータル油剤付着量が0.3〜1.0wt%、フィラメント油剤付着量比率が30〜70wt%とする不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は不織布用途に適した芳香族ポリアミド短繊維の製造方法に関する。
芳香族ポリアミド繊維は汎用的な合成繊維であるポリエステル繊維や脂肪族ポリアミド繊維等に比べ、高強度、高弾性率、高耐薬品性といった種々の優れた繊維特性を有することが知られている。そのためこれらの優れた物理的、化学的性質の優位性を活かした、補強材や摩擦材、ロープ等の産業用途に広く用いられており、芳香族ポリアミド繊維のフィラメントの生産量は急激に増大している。
しかし一方、芳香族ポリアミド繊維をフィラメント形態にて製造する際には、製糸トラブルによる断糸等が発生し、小巻品の発生もまた多くなってきている。芳香族ポリアミド繊維では、繊維物性を最高に発揮する製造条件を採用するために、断糸が多くなる極限条件で製造することが多いのである。また小巻品を結束等して使用した場合には、その結束部分での性能が大幅に低下するために、汎用繊維のようには小巻品を使用することが出来ないし、物性が高いことが逆にリサイクルすることを困難にしていた。例えば特許文献1では、芳香族ポリアミド繊維フィブリッドをドープとする方法が開示されているが、耐薬品性が高いがゆえに、このようなフィブリッドであってさえ、ケミカルリサイクルは困難であった。
また、芳香族ポリアミド繊維は原料費が高く、産業廃棄物として単純に焼却等の処理を行うとしても、その処理コストもまた高いため、そのような方法は経済的にも、地球環境保護の観点からも採用し辛い。
そこで芳香族ポリアミド繊維フィラメントを不織布用の短繊維として再利用することが考えられたが、単純にカットしただけでは不織布用の短繊維として使用することが出来なかった。カットしにくいことに加えて、カード、絡合等の各工程を、安定して通過できないという問題があったのである。
特開平7−286061号公報
本発明は上記従来技術に鑑みなされたもので、その目的は、芳香族ポリアミド繊維フィラメントを利用しながら、不織布用の芳香族ポリアミド短繊維を有効に生産し、提供することにある。
本発明の不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法は、芳香族ポリアミド繊維フィラメントを切断し短繊維とする不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法であって、該芳香族ポリアミド繊維フィラメントの単糸繊度が1〜10dtexであり、少なくとも一部の芳香族ポリアミド繊維フィラメントの表面にはフィラメント油剤が付着しており、当該芳香族ポリアミド繊維フィラメントを集束してトウとした後、フィラメント油剤を脱油し、ステープル油剤を付与し、引き続き捲縮加工することにより、トータル油剤付着量が0.3〜1.0wt%、フィラメント油剤付着量比率が30〜70wt%とすることを特徴とする。
さらに、ステープル油剤が炭素数8〜18のアルキルホスフェートアルカリ金属塩が60〜90wt%、炭素数8〜18の高級アルコール及び/または高級脂肪酸に、エチレンオキサイドを5〜20モル付加したノニオン化合物が10〜40wt%であることが好ましい。また、ステープル油剤の濃度が1〜10wt%であることや、トウのトータル総繊度が20〜80万dtexであることが好ましい。
本発明によれば、芳香族ポリアミド繊維フィラメントを利用しながら、不織布用の芳香族ポリアミド短繊維を有効に製造する方法が提供される。
本発明の不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法は、芳香族ポリアミド繊維フィラメントを切断し短繊維とする製造方法に関するものである。そして、この芳香族ポリアミド繊維フィラメントの単糸繊度が1〜10dtexであり、少なくとも一部の芳香族ポリアミド繊維フィラメントの表面にはフィラメント油剤が付着していることを必須とする。
ここで本発明に用いられる芳香族ポリアミド繊維としてはいわゆるアラミド繊維(全芳香族ポリアミド繊維)であり、より具体的にはメタ系芳香族ポリアミド繊維(以下、メタ系アラミド繊維と記す)やパラ系芳香族ポリアミド繊維(以下、パラ系アラミド繊維と記す)を挙げることが出来る。
さらにメタ系アラミド繊維について述べると、メタ系アラミド繊維とは、主骨格を構成する芳香環がアミド結合によりメタ型に結合されてなるものであるが、本発明ではポリマーの全繰返し単位の85モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位であるものが好ましく、特にはポリメタフェニレンイソフタルアミドホモポリマーが望ましい。全繰返し単位の15モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下で共重合し得る第3成分としては、ジアミン成分として、例えばパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラキシリレンジアミン、ビフェニレンジアミン、3,3’−ジクロルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンが、また酸成分として、例えばテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの芳香族ジアミン及び芳香族ジカルボン酸は、その芳香族環の水素原子の一部がハロゲン原子やメチル基等のアルキル基によって置換されていてもよい。なお、ポリマーの全末端の20%以上が、アニリン等の一価のジアミンもしくは一価のカルボン酸成分で封鎖されている場合には、特に高温下に長時間保持しても繊維の強力低下が小さくなるので好ましい。このようなメタ系芳香族ポリアミドは、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとを、例えば従来、公知の界面重合させる方法により製造することができる。ポリマーの重合度としては、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として0℃で測定した固有粘度(IV)が0.8〜3.0、特に1.0〜2.0の範囲にあるものが好ましい。
一方、パラ系アラミド繊維とは主骨格を構成する芳香環がアミド結合によりパラ型結合されてなるものであるが、ポリマーの全繰返し単位の85モル%以上がパラフェニレンテレフタルアミド単位であるものが好ましく、特にはポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)が望ましい。これはテレフタル酸とパラフェニレンジアミンを重縮合して得られる重合体であるが、少量の他のジカルボン酸およびジアミンを共重合したものも使用でき、重合体または共重合体の分子量は通常20,000〜25,000が好ましく、またPPTA繊維は、PPTAを濃硫酸に溶解し、その粘調な溶液を紡糸口金から押し出し、空気中または水中に紡出することによりフィラメント状にした後、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、最終的には120〜500℃の乾燥・熱処理を行う。乾燥・熱処理前のPPTA繊維は結晶サイズ(110面)が50Å未満であり、乾燥・熱処理後では50Å以上となる一般的なPPTA繊維が好ましく用いられる。
そして本発明の製造方法においては、より強度の高いパラ系アラミド繊維がより好適に用いられる。
本発明では、この芳香族ポリアミド繊維フィラメントの単糸繊度は1〜10dtexであることが必要である。このような単糸繊度の範囲を満たすことにより不織布用の紡績原綿に必要な物性を確保しうる。単糸繊度が1dtex未満の場合、洗浄時などに毛羽が発生しやすく、剪断強度が劣る。一方、単糸繊度が10dtexを超える場合、不織布とした際に単糸間の絡み合いが不足し、フェルトの引張強度が劣る問題がある。
また、本発明の製造方法に用いられる芳香族ポリアミド繊維フィラメントは、少なくとも一部のフィラメントの表面にはフィラメント油剤が1次油剤として付着しているものであることが必要である。このフィラメント油剤は、芳香族ポリアミド繊維の製造やその後の後工程、例えば織編加工が行いやすいように使用されているものであり、主成分として鉱物油やエステルの平滑剤と乳化剤からなるものである。このフィラメント油剤は、本来はフィラメントに後加工を行う段階での織編加工に適したものとするためのものであるが、本発明ではこのフィラメント油剤の存在により、平滑性や集束性を高めることが出来るようになったのである。
本発明の製造方法では、このようなフィラメント油剤が付着した芳香族ポリアミド繊維フィラメントをまず集束してトウとする。このときトウのトータル繊度としては総繊度が20万〜80万dtexの範囲であることが好ましい。20万dtex未満では十分な捲縮加工を行うことが困難となる傾向にある。他方、80万dtexを超えると後のフィラメント油剤の脱油工程が困難になる傾向にある。
本発明の製造方法では、フィラメント油剤を脱油するが、その脱油工程としては、洗浄水に洗浄助剤として界面活性剤を含有するものであることが好ましい。界面活性剤により洗浄水の表面張力を下げることにより、洗浄がより容易になるのである。さらに洗浄助剤としては、後に述べるステープル油剤(二次油剤)を用いることが好ましい。そのようにすることにより、二次油剤バスの油剤の汚染が少なくなり、バスの交換周期を延長することが可能となる。洗浄助剤の濃度としては0.1〜1wt%の範囲であることが好ましい。洗浄助剤の濃度が低すぎると洗浄効果が低下する傾向にあり、多すぎても洗浄効果があまり期待できないばかりでなく、二次油剤であるステープル油剤の付着量のコントロールが困難となる傾向にある。
また、本発明の製造方法では一次油剤のフィラメント油剤を脱油し、二次油剤のステープル油剤を付与することにより、一次油剤と二次油剤を合計したトータル油剤付着量が0.3〜1.0wt%、全体の油剤付着量の内、フィラメント油剤付着量比率が30〜70%であることが必要である。従来、このような洗浄工程を行う場合、一次油剤を全く残らなくすることが目的とされてきたが、実は一次油剤の成分であるエステル等の平滑剤の働きにより、不織布の絡合工程、例えばニードルパンチ時の針折れを有効に抑制でき、高いニーパン性を保持しうるのである。二次油剤ではなく一次油剤としてフィラメント油剤を繊維に付与することにより、繊維/金属の動摩擦係数が有効に下げられ、針折れ等に有効に働いたのであると考えられる。フィラメント油剤付着量比率が30%未満では平滑性の向上効果が少なく、針折れ等の不良が発生する。一方付着量比率が70%を超えてもカード工程等での静電気の発生が起こりやすく、均一なウェブを得ることが出来ない。当然、不織布用の短繊維として適さないものとなる。
また、本発明の製造方法では一次油剤であるフィラメント油剤を上記のように残存させることにより、洗浄に必要な洗浄水の使用量を大幅に抑えることが可能となった。
そしてこのような本発明の不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法に用いるステープル油剤としては、炭素数8〜18のアルキルホスフェートアルカリ金属塩が60〜90wt%、炭素数8〜18の高級アルコール及び/または高級脂肪酸に、エチレンオキサイドを5〜20モル付加したノニオン化合物が10〜40wt%であることが好ましい。ここで主成分として好ましく用いられるアルキルホスフェートアルカリ金属塩は、不織布とするためのカード工程で静電気の発生を防止し、均一なウェブを得るのに有効である。また好ましく用いられるノニオン化合物は液状成分であることが好ましく、集束性を向上させることにより工程中のフライの発生が抑制され、工程通過性が安定する。そしてこのような制電性に優れた油剤を二次油剤として用いることにより、一般に制電性に劣るフィラメント油剤が本発明の製造方法のように残存していても、カード通過性やニーパン性を高いレベルに維持することが可能となった。
本発明にて、好ましくはステープル油剤成分として使用されるアルキルホスフェートアルカリ金属塩は、炭素数8〜18の高級アルコールと無水燐酸から合成した燐酸エステル塩を挙げることができ、特に炭素数が8〜18の燐酸エステルでかつエステルの50重量%以上がモノエステルである燐酸エステルのアルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリ塩、リチウム塩を挙げることができ、より具体的には、オクチルホスフェートのカリ塩、ラウリルホスフェートのカリ塩、ラウリルホスフェートのナトリウム塩、セチルホスフェートのカリ塩、オレイルホスフェートのカリ塩、ステアリルホスフェートのカリ塩等を挙げることが出来る。ステープル油剤中の燐酸エステル塩の含有量としては、60〜90wt%の範囲であることが好ましい。含有量が少なすぎる場合には制電性が低下し、カードで静電気が発生しやすくなり、ウェブの均一性を保つことが困難な傾向にある。逆に含有量が多すぎる場合には、固状の燐酸エステル塩の含有量が増えることにより、集束性が低下する傾向にあり、不織布の製造工程であるカード工程での原綿を開繊する際にも、単糸のバラケが多くなり、不良品発生率が増加する傾向にある。また、この単糸のバラケは、フライとなって室内を汚染したり、シリンダーやドッファーの軸への付着、捲き付きの要因となり、カード工程の運転停止の原因となる。
また好ましくはステープル油剤に使用されるノニオン成分は、燐酸エステル塩との併用が有効であり、集束剤として働きを持つものである。具体的には、炭素数8〜18の高級アルコールや高級脂肪酸にエチレンオキサイドを5〜20モル付加したものであることが好ましい。通常の環境下ではこのような成分は液状であり、より好ましい。より具体的には、ラウリルアルコールやオレイルアルコールのエチレンオキサイド付加物、ラウリン酸やステアリン酸のエチレンオキサイド付加物であることが好ましい。
この本発明の製造方法に用いられるステープル油剤には、必要に応じて、抗菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤等を本発明の目的を損なわない程度に適宜選択使用できることは言うまでも無い。
このようなステープル油剤を二次油剤としてトウに付与する方法については特に限定されないが、例えば1〜10wt%の水溶液とし、ローラー法、浸漬沫法、スプレー法等の任意の方法を選択することが可能である。先に述べたように本発明の製造方法では、一次油剤と二次油剤を合計したトータル油剤付着量が0.3〜1.0wt%、全体の油剤付着量の内、フィラメント油剤付着量比率が30〜70%であることが必要であるため、ステープル油剤の付着量は0.15〜0.5wt%の範囲であることが好ましい。さらには、フィラメント油剤付着量比率が50%以下であり、ステープル油剤の方が主であることが好ましい。
本発明の不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法では、このようにステープル油剤を付与した後に、引き続き捲縮加工を行う。捲縮数としては、6〜20個/25.4mm(1inch)程度であることが、さらには8〜15/25.4mmであることが好ましい。また、捲縮率(CD)は、5〜15%であることが好ましく、さらには8〜12%であることが好ましい。このような数値範囲内であることにより、ニードルパンチ工程での繊維の絡み及び締まりにおいて良好な状態となる。
本発明の芳香族ポリアミド短繊維の平均繊維長としては、20〜100mmが好ましく、さらには38〜76mmの範囲であることが好ましい。繊維長が小さすぎる場合には、繊維の補強効果が低下する傾向にあり、長すぎる場合にはニードルパンチ工程での繊維の絡みが悪化し、物性が低下する傾向にある。
このような本発明に用いられる捲縮した短繊維を得る方法としては、例えば得られたトウを、クリンパーなどで捲縮加工を施した後、ロータリーカッター、ギロチンカッターなどのカッティング装置を用いて切断して作成することができる。
このような本発明の製造方法にて得られた不織布用芳香族ポリアミド短繊維は、カード工程での静電気やフライの発生が少なく良好なウェブをえることができ、さらにニーパン工程での針折れが少なく安定した品質のフェルトを得ることができる。そして本発明の製造方法による不織布用芳香族ポリアミド短繊維を用いた原綿は、上記のようにカードの工程通過性が良好であるのみならず、ニードルパンチ等の交絡工程通過性も良好であるために、最終的に得られるフェルトの強度も十分なものであった。
次に本発明の製造方法の一例を示すが、これに限定するものではない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の%は重量%を示す。またそれぞれの評価は下記の方法に従った。
(1) カード特性
25℃、65%RHの条件下でローラーカードにて20g/m、巾2mのウェブを速度30m/分でカーデイングし、シリンダー部への繊維の捲付き状態、得られたウェブの均一性を観察評価した。捲き付き状態(カード通過性)とウェブの均一性とに関し、総合的に良好なものを○、連続運転が不可能で特に不良のものを×、その中間を△と判定した。なお、捲き付き状態とウェブの均一性は相関があり、異なる評価となるものは無かった。
(2) 静電気発生量(カード静電気)
カードのドッファ−と引取ローラとの間でウェブから10cm離れた高さ(位置)で春日式静電気測定器で静電気量(キロボルト:kV)を測定した。
(3) ニードルパンチ性(針折れ)
25℃、65%RHの条件下でローラーカードにて20g/m、巾2mのウェブを速度30m/分でカーデイングした。カードから排出されたウェブを30層に折り重ねて、パンチ密度300パンチ/cm、ウェブ速度1m/分でニードルパンチングし500g/mの目付のフェルトを作成した。
ニードルボードは、GrOZ−Becker社(西独)製の36番手のレギュラー針を2万本植えこんだものを使用し、ニードルボード上での折れた針の数を本/時間で測定し、ニードルパンチ性(針折れ)とした。
(4) 油剤付着量
原綿3gを105℃で1時間乾燥後、秤量(W)し次いでエタノール系の溶剤を用いてソックスレー抽出を行い、抽出物を105℃で1時間乾燥後、秤量(W)、下記の式から油剤付着量を求めた
油剤付着量(wt%)=(W/W)×100
(5) フィラメント油剤比率
メタノール/アセトン(体積比=50/50)溶剤を用いてソックスレー抽出を行い、抽出物をIR、NMR、GPCにより組成分析を実施し、フィラメント油剤成分である鉱物油、エステル及びノニオン成分の含有比率を求め、全抽出物中のフィラメント油剤比率を求めた。
(6)繊維‐金属(F/M)動摩擦係数(μd)
JIS L1053 8.13摩擦係数の測定法に準じ、レーダー式摩擦試験機の外径8mmの疎度6s梨地金属からなる円筒にハンドカードで解繊した1本の繊維を採取し、その両端に初荷重(W=200mg)を取り付けたものを6s梨地金属円筒の中央に掛け、その一端をトーションバランスのフックに接続する。測定は6s梨地金属円筒を周速度90cm/分で回転させ、トーションバランスによって繊維の両端がバランスする荷重(D)を求め、次の式から摩擦係数を算出する。なお測定は10回繰り返し、平均値を求めた。
F/Mμd=0.733{W/(W−D)}
[実施例1−3、比較例1−4]
テレフタル酸ジクロライドとパラフェニレンジアミン及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテルから重縮合してなる全芳香族パラ型ポリアミドを紡出し、水洗を繰り返し、その水洗後にベントナイト水分散液を付着させて500℃で熱延伸し非脱落性のベントナイトが0.42wt%繊維表面に付着した全芳香族ポリアミド繊維(1650dtex×1000フィラメント)であって、その繊維表面にエステルが主体(50wt%以上)のフィラメント油剤が付着しているフィラメント糸を200本集束し、総繊度33万dtexのトウを作成した。
このトウを洗浄バスで洗浄後、下記に示す組成からなる5wt%のステープル油剤を付与、クリンパーにて捲縮を付与し、120℃の乾燥熱処理を行い、51mmの長さに切断し、捲縮数が9.5、捲縮率が10.5の短繊維を得た。
ステープル油剤A;
ラウリルホスフェートK塩(モノ比率60%)/ラウリルエーテルのEO5モル付加物=85/15
ステープル油剤B;
ラウリルサルフェートNa塩/ラウリルエーテルのEO5モル付加物=85/15
Figure 2012082535

Claims (4)

  1. 芳香族ポリアミド繊維フィラメントを切断し短繊維とする不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法であって、該芳香族ポリアミド繊維フィラメントの単糸繊度が1〜10dtexであり、少なくとも一部の芳香族ポリアミド繊維フィラメントの表面にはフィラメント油剤が付着しており、当該芳香族ポリアミド繊維フィラメントを集束してトウとした後、フィラメント油剤を脱油し、ステープル油剤を付与し、引き続き捲縮加工することにより、トータル油剤付着量が0.3〜1.0wt%、フィラメント油剤付着量比率が30〜70wt%とすることを特徴とする不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法。
  2. ステープル油剤が炭素数8〜18のアルキルホスフェートアルカリ金属塩が60〜90wt%、炭素数8〜18の高級アルコール及び/または高級脂肪酸に、エチレンオキサイドを5〜20モル付加したノニオン化合物が10〜40wt%である請求項1記載の不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法。
  3. ステープル油剤の濃度が1〜10wt%である請求項1または2記載の不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法。
  4. トウのトータル総繊度が20〜80万dtexである請求項1〜3のいずれか1項記載の不織布用芳香族ポリアミド短繊維の製造方法。
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