JP2011174196A - 芳香族ポリアミド短繊維及びそれからなる紡績糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産速度の高速化や工程の低湿化などの環境変化に対応し、カード工程通過性やニードルパンチ工程での耐針折れ性が向上した芳香族ポリアミド短繊維を提供すること。
【解決手段】芳香族ポリアミド繊維の表面に油剤が付着している芳香族ポリアミド短繊維であって、該油剤が(A)「炭素数が8〜18の燐酸エステルでありかつエステルの50重量%以上がモノエステルである燐酸エステルのアルカリ金属塩」成分を20〜50重量%、(B)「30℃における粘度が5〜50mm/sである鉱物油または分子量200〜500の脂肪酸エステル」成分を10〜50重量%含有することを特徴とする芳香族ポリアミド短繊維。さらには、芳香族ポリアミド繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維であること、繊維−金属動摩擦係数が0.25〜0.35、繊維−繊維静摩擦係数が0.3〜0.4であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は芳香族ポリアミド短繊維、特には紡績性等の後加工性に優れた芳香族ポリアミド短繊維に関する。
芳香族ポリアミド繊維は、ポリエステル繊維や脂肪族ポリアミド繊維等の汎用合成繊維に比べ物性に優れ、近年では各種産業用途や機能性衣料として広く利用されている。中でも高結晶性で耐熱性に優れ大量生産に適することから、一定長に切断された短繊維が、消防服等の特に難燃性が要求される産業用資材や衣料用途に広く使用されている。
しかし、芳香族ポリアミド繊維は他の合成繊維に比べて極めて静電気を帯び易いという特徴が有る。そのため特に短繊維を加工する後加工においては、例えば紡績加工におけるカード工程でのシリンダー部への捲付きあるいはウェア斑の発生や、不織布加工におけるニードルパンチング工程でのウェブのローラー捲付きの発生などが起こりやすいとの問題があった。
これらの問題に対し古くは汎用繊維用の油剤の適用から始まり、特許文献1では、平滑性の改善を目的にエステルや鉱物油を主成分にアニオン系界面活性剤やカチオン系界面活性剤を添加した処理剤が提案されている。確かにこの処理剤はアニオンやカチオン活性剤主体の従来型処理剤に比べて平滑性が向上し、二−ドルパンチ工程での針折れは減少するものの制電性能が低く、特に低湿環境等では静電気が発生し易く、均一なウェブが得られないという問題があった。
一方、芳香族ポリアミド系短繊維の処理剤として、特許文献2には、有機アンモニウムホスフェートまたは有機ホスホニウムホスフェートからなる界面活性剤とアミノ変性ポリオルガノシロキサンとからなる処理剤が提案されている。しかし、この処理剤は粘性が高く平滑性が低くなるという問題があった。また、高速カード工程でのシリンダー捲付きや、二−ドルパンチ工程での針折れ等の問題もあった。
特開平4−2879号公報 特開平11−172577号公報
本発明は、特に生産速度の高速化や工程の低湿化などの環境変化に対応し、カード工程通過性やニードルパンチ工程での耐針折れ性が向上した芳香族ポリアミド短繊維を提供することにある。
本発明の芳香族ポリアミド短繊維は、芳香族ポリアミド繊維の表面に油剤が付着している芳香族ポリアミド短繊維であって、該油剤が(A)成分を20〜50重量%、(B)成分を10〜50重量%含有することを特徴とする。
(A)炭素数が8〜18の燐酸エステルでありかつエステルの50重量%以上がモノエステルである燐酸エステルのアルカリ金属塩
(B)30℃における粘度が5〜50mm/sである鉱物油または分子量200〜500の脂肪酸エステル。
さらには、該油剤の付着量が、繊維重量に対して0.20〜0.80重量%であることや、芳香族ポリアミド繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維であること、繊維−金属動摩擦係数が0.25〜0.35、繊維−繊維静摩擦係数が0.3〜0.4であることが好ましい。
そして、本発明の紡績糸は、上記本発明の芳香族ポリアミド短繊維からなるものであり、紡績することを特徴とする。
本発明によれば、特に生産速度の高速化や工程の低湿化などの環境変化に対応し、カード工程通過性やニードルパンチ工程での耐針折れ性が向上した芳香族ポリアミド短繊維が提供される。
本発明は、芳香族ポリアミド繊維の表面に油剤が付着している芳香族ポリアミド短繊維に関するものである。ここで芳香族ポリアミド繊維を構成する芳香族ポリアミドについて述べると、一般式−NH−Ar−NH−CO−Ar−CO−及び/または−NH−Ar−CO−なる繰返し単位(Ar、Ar、Arはそれぞれ独立に二価の芳香族基である)で表わされるものである。具体例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラベンゾアミド、ポリ-3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重合体である。
本発明の芳香族ポリアミド繊維は、以上のような芳香族ポリアミドからなるパラ系芳香族ポリアミド繊維(いわゆるパラ系アラミド繊維)やメタ系芳香族ポリアミド繊維(いわゆるメタ系ポリアミド繊維)を挙げることができるが、本発明の効果は短繊維として生産、加工が行われることが多い、メタ系芳香族ポリアミド繊維であることが特に好ましい。またここで好ましいメタ系芳香族ポリアミド繊維としては、20重量%までは、他の共重合成分を混合しても良く、共重合成分としては、パラ系芳香族ポリアミド成分であることが特に好ましい。
なお、この好ましいメタ系芳香族ポリアミド繊維には、さらに、難燃剤、着色剤、耐光向上剤、艶消し剤、導電剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
また本発明の芳香族ポリアミド短繊維の長さとしては200mm以下、通常は0.2〜150mm、より好ましくは38〜76mmの範囲であることが好ましい。また繊度としては25dtex以下、通常は0.5〜15dtex、より好ましくは1.3〜3.3dtexの範囲であることが好ましい。このような形状の短繊維であると、紡績して紡績糸とすることが容易となる。
また本発明の芳香族ポリアミド短繊維は、後の加工が行いやすいように捲縮をかけたものであることが好ましく、捲縮数としては捲縮数としては6〜15個/25mm、捲縮率としては7.5〜19%の範囲であることが好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド繊維は、このような繊維の表面に油剤が付着しているものであって、その油剤が下記の(A)成分を20〜50重量%、(B)成分を10〜50重量%含有することを必須とするものである。
(A)炭素数が8〜18の燐酸エステルであり、かつエステルの50重量%以上がモノエステルである燐酸エステルのアルカリ金属塩
(B)30℃における粘度が5〜50mm/sである鉱物油または分子量200〜500の脂肪酸エステル。
特に本発明においては、使用される(A)成分の燐酸エステルのアルカリ金属塩が、炭素数が8〜18の燐酸エステルであり、かつエステルの50重量%以上がモノエステルであることに特徴が有る。さらにはエステルの60重量%以上、特には70重量%以上がモノエステルであることが好ましい。このようにモノエステル含有量が多くなることによりたとえ濃縮されても油剤の流動性を低く抑えることが可能となる。また湿度変化による流動性や粘度の変化が少なく、安定生産を行うことが可能となる。
また、アルカリ金属塩の炭素数は8〜18であることが必要であり、さらには炭素数が12〜18であることが好ましい。炭素数が少ないと粘着性が増加し、紡績工程でのローラーへの巻き付きやスカムの発生が増加する。一方炭素数が多い場合には、繊維の集束性が低下して工程通過性が悪化する。
そして本発明で用いられるこのアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリ塩、リチウム塩を挙げることができる。より具体的にはラウリルホスフェートのカリウム塩、ラウリルホスフェートのナトリウム塩、セチルホスフェートのカリウム塩、オレイルホスフェートのカリウム塩、ステアリルホスフェートのカリウム等であることが好ましい。
このような燐酸エステル塩は炭素数が8〜18の高級アルコールと無水燐酸から合成することができる。
また、本発明で用いられる油剤は、この(A)成分であるアルカリ金属塩を20〜50重量%含有することが必要であり、さらには30〜40重量%であることが好ましい。(A)成分である燐酸エステルのアルカリ金属塩は、制電性と高油膜特性を有しており、紡績のカードや練条工程での静電気の発生を防止したり、高速運転時の糸切れや捲き付きを防止し、工程通過性や工程安定化に効果がある。特に撥水性を有する後述する(B)成分による制電性の低下を有効に防止することができる。
さらに本発明では、このような(A)成分を用いることにより、本発明の芳香族ポリアミド短繊維を加工する際の後工程等における金属の腐食を、高いレベルにて防止することができる。この(A)成分が金属の腐食を防止する理由は明確ではないが、工程を通過する際に、その金属表面にアルキルホスフェート塩が吸着し保護膜となり、腐食が起こりにくくなるものであると推定される。一般に紡績に用いられる油剤では、各種金属製の糸導であるローラーやガイド等を腐食し、錆の発生で、本発明の芳香族ポリアミド短繊維や、それからなるトウや綿が汚染されることが有るが、この(A)成分を用いることによりそのようなことを防止することができる。
油剤中における(A)成分の含有量が20重量%未満の場合には、制電性が不良となり、静電気発生に伴うローラー捲き付き等が発生し易く、紡績性が著しく損なわれる。逆に多すぎると均一付着が困難となり、繊維の集束性も低下するために紡績性が損なわれる。
次に本発明で用いられる(B)成分について説明する。(B)成分である30℃粘度が5〜50mm/sの鉱物油、または分子量200〜500の脂肪酸エステルは、主に本発明の短繊維に平滑性を付与し、また特にニードルパンチング工程での針折れ防止などに有効な成分である。この(B)成分が鉱物油である場合には、30℃での粘度が5〜50mm/sで有ることが必要であり、鉱物油の粘度が5mm/s未満では、揮発しやすく効果を持続させることができない。また室内の温度が高くなると揮発するため、使用時の安全、衛生面等でも不都合となる。一方、鉱物油の粘度が50mm/sを超えると粘性が高くなり、短繊維の平滑性が得られない。鉱物油の代わりに主要成分として脂肪酸エステルを選択した場合、その分子量は200〜500であることが必要である。分子量が200未満の場合には粘度が低く、鉱物油が低粘度の場合と同様に適さない。また分子量が500を超えると鉱物油と同様に平滑性の面で好ましくない。ここで本発明の油剤中の(B)成分は油剤中に10〜50重量%の割合で含有していることが必要である。含有が10重量%未満では平滑性がそこなわれ、50重量%を越えると乳化が均一にならずエマルジョンを均一に繊維に付与することができない。
また、(B)成分として好適に用いられる脂肪酸エステルとしては、一価、二価、三価、多価等があるが、一価の脂肪酸エステルが平滑性及び乳化性の点で好ましい。特に一価の脂肪酸エステルが、アルコール部の主鎖は炭素数が1〜18で直鎖またはイソ体であり、脂肪酸部の主鎖は炭素数が11〜18であることが好ましい。これらは30℃では液状であり、本発明の用途に最適である。一価の脂肪酸エステルを具体的に例示するとメチルパルミテート、メチルステアレート、メチルオレート、エチルオレート、イソプロビルミリスチレート、イソプロピルパルミテート、ブチルラウレート、ブチルオレート、イソブチルオレート、オクチルラウレート、イソオクチルパルミテート、ラウリルラウレート、ラウリルオレートなどである。また単独で使用してもよいが、他の脂肪酸エステルや鉱物油と混合して使用することも好ましい。
本発明ではこのように制電性と高油膜特性に優れる(A)成分と、平滑性や針折れ防止効果に優れる(B)成分を同時に用いることにより、紡績工程での安定生産性に優れた芳香族ポリアミド短繊維を得ることができるようになったのである。
なお、本発明では(A)成分及び(B)成分に加えて、ノニオン活性剤を、各成分の乳化剤として用いることが好ましい。油剤を繊維表面により均一に付着させることが可能となる。特に(B)成分の鉱物油や脂肪酸エステルを、水系のエマルジョンにするために用いられる。このようなノニオン活性剤は本発明で用いる油剤中に15〜50重量%含有することが好ましい。含有比率が少なすぎると、油剤を水系エマルジョンとして安定化させることが困難な傾向にある。逆に含有比率が高すぎると、平滑剤等の効果を阻害し、糸導ガイドとの擦過によって毛羽や断糸が発生しやすく、最終的に本発明の芳香族ポリアミド短繊維の物性や品質を低下させることになる。
このようなノニオン系の界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。より具体的に挙げるならば、ラウリルアルコールやオレイルアルコールのエチレンオキサイド付加物、ノニルフェノールやベンジルフェニルフェノール、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド付加物、ラウリン酸やステアリン酸のエチレンオキサイド付加物、ヒマシ油や硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド付加物、グリセリンやソルビタンとラウリン酸エステルのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
さらには乳化調整剤、抗菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択使用することができる。
本発明の芳香族ポリアミド短繊維は、上記の成分からなる油剤が付着したものであるが、その油剤の付着量としては、繊維重量に対して0.2〜0.8重量%であることが好ましい。その付着方法は特に限定する必要はないが、例えば、油剤を1〜10%の水溶液として、ローラー法、浸漬沫、スプレー法等の任意の方法により、紡糸、延伸等任意の段階で付与することができる。処理剤の付着量は、繊維に対して0.2〜0.8重量%、特に0.3〜0.7重量%とすることが望ましい。
さらに本発明では、芳香族ポリアミド短繊維と金属ピンとの動摩擦に相関する繊維―金属動摩擦係数が0.25〜0.35、短繊維間の摩擦に相関する繊維―繊維静摩擦係数が0.3〜0.4であることが好ましい。この短繊維と金属ピン間の動摩擦係数や、同じ短繊維間の静摩擦係数をこの範囲にすることは、短繊維を加工する工程であるカード工程、紡績工程、二−ドルパンチング工程での工程安定化に重要な役割を果たす。先に説明した本発明で用いる各処理剤は、これらの摩擦係数と密接に関係するのである。
繊維−金属動摩擦係数は、主に二−ドルパンチング工程での針折れに影響を与える。本発明では、動摩擦係数を0.25〜0.35にするように該短繊維の処理剤や物性を調整することが好ましい。この動摩擦係数が0.35を超えると、摩擦熱によって二−ドルパンチング工程での針折れが多くなる傾向にある。逆に、この動摩擦係数が0.25未満の場合、紡績工程で紡績糸がたるみやすい傾向にある。一方、繊維−繊維静摩擦係数はカード工程や紡績工程でのローラー巻付きに影響を与える。この静摩擦係数を0.3〜0.4にするように短繊維の処理剤や物性を調整することが好ましい。この静摩擦係数が0.4を超えると、カード工程でのシリンダーに巻付やすく、均一なウェブが得られない傾向にある。また、引き抜き抵抗も大きくなることから、練条工程で均一なスライバーが得られにくく、それ以降の工程通過性が悪化する傾向にある。逆に、繊維間の静摩擦係数が0.3未満になると、スライバーの集束性が悪く、嵩高性が高く、コイラー等での収納性が悪化する傾向にある。本発明の芳香族ポリアミド繊維に適切な油剤を選択することにより、適正な摩擦特性を確保し、その後の紡績や二−ドルパンチング工程での工程通過性を高めることが可能になったのである。
上記の短繊維と金属ピン間の繊維−金属動摩擦係数を調整するためには、動摩擦に影響しやすい成分である鉱物油や脂肪酸エステルを適正な粘性に保つ必要がある。本発明では鉱物油については、30℃での粘度が5〜50mm/sで有ることが必要であり、また脂肪酸エステルについては分子量200〜500の脂肪酸エステルであることが必要である。一方、繊維―繊維静摩擦を調整するためには、例えばノニオン活性剤が用いられる。繊維―繊維静摩擦を下げる成分としては分子量が1000以上のエチレンオキサイド付加物、逆に繊維―繊維静摩擦を上げる成分としては分子量が800以下のエチレンオキサイド付加物や芳香族系の化合物を用いることが有効である。
本発明の紡績糸は、この本発明の芳香族ポリアミド短繊維からなるものであり、捲縮をかけた芳香族ポリアミド短繊維を混打綿、カード工程、練条工程により紡績することにより得られるものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の%はすべて重量%を示す。またそれぞれの評価は下記の方法に従った。
(1) カード通過性
(紡績糸)
25℃、65%RHの条件下で300ゲレン/ヤード(0.9144m)、12rpmでカードにかけ口出し時のコイラーチュ−ブ詰りおよびカレンダーロールとコイラー間でのスライバーの垂れを観察、カード通過性が題のないものを○とし、カード通過性が不良の場合を×、中間のものを△と判定した。
(不織布)
ローラーカードにて20g/m、巾2mのウェアを速度30m/分でカーデイングし、シリンダー部への繊維の捲付き状態、得られたウェブの均一性を観察評価した。ウェブが特に不良でニーパンが円滑に加工できない場合を×、中間のものを△と判定した。
(2) カード静電気発生
25℃、45%RHの条件下で300ゲレン/ヤード(0.9144m)、12rpmでカードにかけドッファ−と引取ローラーとの間でウェブから10cm離れた高さ(位置)で春日式静電気測定器で静電気量(キロボルト:kV)を測定した。
(3) 練条通過性
また、練条工程における特性としては、25℃、湿度65%の条件下で300ゲレン/ヤード(0.9144m)を180m/分の紡速で練条機を3回通過させ、口出し時の練条ローラー詰りや練条ローラーへの捲付きを観察し、総合的に良好なものを○とし、特に不良で円滑に練条工程を通過できないものを×、中間を△と判定した。
(4) ニードルパンチ性(針折れ)
25℃、65%RHの条件下でローラーカードにて20g/m、巾2mのウェアを速度30m/分でカーデイングした。カードから排出されたウェブを30層に折り重ねて、パンチ密度300パンチ/cm、ウェブ速度1m/分でニードルパンチングし300g/mの目付のフェルトを作成した。
ニードルボードは、GrOZ−Becker社(西独)製の36番手のレギュラー針を2万本植えこんだものを使用し、ニードルボード上での折れた針の数を測定し、ニードルパンチ性(針折れ)とした。表における、○は針折れが5本以下/時間、△は5本/時間以上、20本未満/時間、×は20本以上/時間である。
(5) 金属腐食性
5%のエマルジョンに綿状の芳香族ポリアミド系繊維を浸漬して水分率で100%となるようにした後、湿潤繊維綿に丸釘を置き30℃で24時間放置後の発錆状態を肉眼で観察し、錆の発生状態を○、△、×の3段階で表示した。○は殆ど錆が認められない、△は所々錆が認められる、×は表面全体に錆が認められる。
(6) 繊維−繊維(F/F)静摩擦係数(μs)
JIS L1015 8.13 摩擦係数の測定法に準じ、原綿をハンドカードで解繊してスライバーにし、レーダー式摩擦試験機の外径8mmの円筒に繊維が円筒の軸と平行になるように巻き付ける。次に同一なスライバーから任意に1本の繊維を採取し、その両端に初荷重(W=0.0098N)を取り付けたものを円筒スライバーの中央に掛け、その一端をトーションバランスのフックに接続する。測定は円筒スライバーを停止させ、トーションバランスによって繊維の両端のバランスが失われるときの荷重(S)を求め次の式から摩擦係数を算出する。なお、測定回数は10回繰り返し、平均値を求める。
F/Fμs=0.733Log{W/(W−S)}
(7) 繊維−金属(F/M)動摩擦係数(μd)
上記の円筒スライバーの変わりに6S梨地金属円筒を用い、ハンドカードで解繊した1本の繊維を採取し、その繊維の両端にかけた初荷重W(W=0.0098N)を取り付けたものを6S梨地金属円筒の中央に掛け、その一端をトーションバランスのフックに接続する。測定は6S梨地金属円筒を周速度90cm/分で回転させ、トーションバランスによって繊維の両端がバランスする荷重の読みD(N)を求め次の式から摩擦係数を算出する。なお、測定回数は10回繰り返し、平均値を求める。
F/Mμd=0.733Log{W/(W−D)}
[実施例1]
固有粘度1.8のポリメタフェニレンイソフタルアミドを塩化カルシュウム水溶液中に押し出し、凝固させ単繊維繊度2.2dtex、計13万dtexのトウとなし、これを水洗後3.2倍に沸水中で延伸し、ついで乾燥し340℃で熱処理し、表1に示す組成からなる5%の水系エマルジョンの処理剤を付与し乾燥後、クリンパ−で捲縮を掛けた後、51mmの長さに切断し芳香族ポリアミド短繊維を得た。
短繊維は捲縮数12山/インチ(2.54cm)、捲縮度は19%であった。得られた短繊維の紡績性を評価した結果を併せて表1に示す。
[実施例2、3、比較例1、2]
表1記載の各油剤に変更した以外は、実施例1と同様に芳香族ポリアミド短繊維を作成し、実施例1と同様に加工性を評価した。結果を表1に併せて示す。
Figure 2011174196

Claims (6)

  1. 芳香族ポリアミド繊維の表面に油剤が付着している芳香族ポリアミド短繊維であって、該油剤が(A)成分を20〜50重量%、(B)成分を10〜50重量%含有することを特徴とする芳香族ポリアミド短繊維。
    (A)炭素数が8〜18の燐酸エステルでありかつエステルの50重量%以上がモノエステルである燐酸エステルのアルカリ金属塩
    (B)30℃における粘度が5〜50mm/sである鉱物油または分子量200〜500の脂肪酸エステル。
  2. 該油剤の付着量が、繊維重量に対して0.20〜0.80重量%である請求項1記載の芳香族ポリアミド短繊維。
  3. 芳香族ポリアミド繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維である請求項1または2記載の芳香族ポリアミド短繊維。
  4. 繊維−金属動摩擦係数が0.25〜0.35、繊維−繊維静摩擦係数が0.3〜0.4である請求項1〜3のいずれか1項記載の芳香族ポリアミド短繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の芳香族ポリアミド短繊維からなる紡績糸。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の芳香族ポリアミド短繊維を紡績することを特徴とする紡績糸の製造方法。
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