JP2009073246A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 亀裂の発生を抑制するとともに、操縦安定性を向上させ、かつ、耐摩耗性をも向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 本発明は、タイヤ赤道線CLに対して75〜90度で傾斜する内側コードが埋設される内側ベルト層7と、タイヤ赤道線CLに対して45〜75度で傾斜するとともに、タイヤ赤道線CLに対して内側コードと逆向きに配置される外側コードが埋設される外側ベルト層9と、タイヤ赤道線CLに対して0〜5度で螺旋状に巻かれる周方向コードが埋設されるスパイラルベルト層11とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、スパイラルベルト層が設けられる空気入りタイヤに関する。
従来から、車両の高速走行時(いわゆる、高速回転時)に大きな遠心力が加わってトレッド部がタイヤ径方向外側へ向けて膨張することを抑制する空気入りタイヤについて、様々な提案がなされている。
例えば、互いに交差するスチールコードが埋設される2層のベルト層と、該ベルト層のタイヤ径方向外側にタイヤ赤道線と略平行で螺旋状に巻かれる周方向コードが埋設されるスパイラルベルト層とを備える空気入りタイヤが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この周方向コードには、ナイロン繊維や芳香族ポリアミド(いわゆる、ケブラー)、スチール等が用いられる。中でも、芳香族ポリアミドやスチールは、高速走行時に高温となっても伸張しずらいため、高速回転時においてトレッド部がタイヤ径方向外側へ向けて膨張すること抑制することができる。特に、近年においては、芳香族ポリアミドは、スチールに比べて軽量であることに伴い、タイヤ重量が小さくさせることにより操縦安定性を向上させることが可能であるため、注目されている。
特開2006−193032号公報(第2頁−第3頁、第1図−第2図)
しかしながら、上述した従来の空気入りタイヤでは、トレッド部がタイヤ径方向外側へ向けて膨張することを抑制することができるものの、2層のベルト層によりトレッド幅方向に伸張しずらく、かつ、スパイラルベルト層によりタイヤ周方向に伸張しずらくなってしまうため、トレッド部が硬くなりすぎて操縦安定性が低下してしまうという問題があった。
また、従来の空気入りタイヤでは、2重曲率(球面)を持つトレッド部が平面である路面に接地するときに、ベルト層がトレッド幅方向及びタイヤ周方向に伸び縮み変形するが、スパイラルベルト層が設けられていることにより、ベルト層のタイヤ周方向への伸び縮み変形が抑制されてしまい、特に、スパイラルベルト層と重なり合っているベルト層の端部において変形のズレが生じてしまう。これが歪みとなって、ベルト層とスパイラルベルト層との間に介在するゴム材が変形して、ベルト層の端部とスパイラルベルト層との間で亀裂が発生してしまうという問題もあった。
そこで、本発明は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、亀裂の発生を抑制するとともに、操縦安定性を向上させ、かつ、耐摩耗性をも向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴に係る発明は、タイヤ赤道線に対して45〜75度で傾斜する第1スチールコードが埋設される第1ベルト層と、タイヤ赤道線に対して75〜90度で傾斜するとともに、タイヤ赤道線に対して第1スチールコードと逆向きに配置される(いわゆる、第1スチールコードと交差する)第2スチールコードが埋設される第2ベルト層と、第1ベルト層及び第2ベルト層の少なくとも一方に隣接し、タイヤ赤道線に対して0〜5度で螺旋状に巻かれる周方向コードが埋設されるスパイラルベルト層とを備えることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、タイヤ赤道線に対して45〜75度で傾斜するとともに、タイヤ赤道線に対して第1スチールコードと逆向きに配置されるいわゆる、第1スチールコードと交差する)第3スチールコードが埋設される第3ベルト層をさらに備えることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、第2ベルト層のトレッド幅方向における幅である第2ベルト幅(W2)が、第1ベルト層のトレッド幅方向における幅である第1ベルト幅(W1)よりも狭いことを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、第2ベルト層のトレッド幅方向における幅である第2ベルト幅(W2)が、路面に接地するトレッド部のトレッド幅方向における幅であるトレッド接地幅(TW)に対して60〜100%であることを要旨とする。
なお、トレッド接地幅(TW)とは、正規リムに装着された状態で、正規内圧が充填され、かつ、正規荷重が負荷された際に、路面に接地するトレッド部のトレッド幅方向の幅を示す。ここで、上記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim" を意味する。また、上記「正規内圧」とは、上記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。また、上記「正規荷重」とは、上記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
その他の特徴に係る発明は、第2ベルト幅(W2)の領域内での第2ベルト層におけるベルト外輪郭の曲率半径(RB)が、2000mm以上であることを要旨とする。
なお、ベルト外輪郭の曲率半径(RB)とは、正規リムに装着された状態で、正規内圧が充填された際の第2ベルト層の曲率半径を示す。
その他の特徴に係る発明は、周方向コードが、芳香族ポリアミドであることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、周方向コードが、スチール単線を撚ったスチールコードであることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、スチールコードにおける破断伸度(破断歪み)が、3〜8%であることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、第1ベルト層及び第2ベルト層のうち少なくとも一方が、スパイラルベルト層のタイヤ径方向外側に配置されることを要旨とする。
本発明によれば、亀裂の発生を抑制するとともに、操縦安定性を向上させ、かつ、耐摩耗性をも向上させることができる空気入りタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態に係る空気入りタイヤの構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図であり、図2は、第1の実施の形態に係る空気入りタイヤの一部を示す上面斜視図である。
図1及び図2に示すように、空気入りタイヤ1は、ホイールのリム部(不図示)に接触する複数のビードコアを少なくとも含む一対のビード部3と、空気入りタイヤ1の骨格となる少なくとも1層のカーカス層5とを有している。この空気入りタイヤ1には、カーカス層5のタイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側へ向けて内側ベルト層7(第1ベルト層)、外側ベルト層9(第2ベルト層)、スパイラルベルト層11、ベルト端部保護層13、トレッド部15が設けられる。
内側ベルト層7は、トレッド部15を補強するとともに、空気入りタイヤ1の形状を保持するものである。この内側ベルト層7は、図2に示すように、タイヤ赤道線CLに対して45〜75度(α)で傾斜する第1スチールコード(以下、内側コード7a)が埋設されている。特に、内側コード7aは、タイヤ赤道線CLに対して55〜75度(α)で傾斜することが好ましい。
外側ベルト層9は、内側ベルト層7と同様に、トレッド部15を補強するとともに、空気入りタイヤ1の形状を保持するものである。この外側ベルト層9は、図2に示すように、タイヤ赤道線CLに対して75〜90度(β)で傾斜するとともに、タイヤ赤道線CLに対して内側コード7aと逆向きに配置される第2スチールコード(以下、外側コード9a)が埋設されている。特に、外側コード9aは、タイヤ赤道線CLに対して85〜90度(β)で傾斜することが好ましい。
なお、内側コード7aがタイヤ赤道線CLに対して45度よりも小さく、かつ、外側コード9aがタイヤ赤道線CLに対して75度よりも小さいと、各コード(内側コード7a及び外側コード9a)がタイヤ周方向へ伸びにくくなってしまい、トレッド部15が硬くなりすぎて接地面積を十分に確保することができないため、操縦安定性が低下してしまう。また、内側コード7aがタイヤ赤道線CLに対して75度よりも大きいと、トレッド部15が接地した際の接地面内におけるベルト面内でのせん断剛性(いわゆる、せん断強さ)が不足してしまい、コーナーリングパワーやグリップ性能(横グリップ性やトラクショングリップ性等)を向上させることができない。
ここで、外側ベルト層9のトレッド幅方向における幅である外側ベルト幅W2(第2ベルト幅)は、内側ベルト層7のトレッド幅方向における幅である内側ベルト幅W1(第1ベルト幅)よりも狭い。特に、外側ベルト幅W2は、路面に接地するトレッド部のトレッド幅方向における幅であるトレッド接地幅TWに対して60〜100%であることが好ましい。
なお、外側ベルト幅W2がトレッド接地幅TWに対して60%よりも小さいと、外側ベルト幅W2が狭すぎて、トレッド幅方向への圧縮をトレッド部15の一部でしか防止することができないため、操縦安定性を向上させることができないことがある。また、外側ベルト幅W2がトレッド接地幅TWに対して100%よりも大きいと、外側ベルト幅W2が広すぎて、外側ベルト層9の端部で亀裂が生じやすくなってしまうことがある。
また、外側ベルト幅W2の領域内での外側ベルト層9におけるベルト外輪郭の曲率半径RBは、2000mm以上であることが好ましい。
なお、ベルト外輪郭の曲率半径RBが2000mmよりも小さいと、トレッド幅方向断面において、骨格部材の丸みが大きく、空気入りタイヤ1はタイヤ周方向断面にも丸みがあるため、トレッドセンター部に位置する骨格部材が球面を形成して、該骨格部材が変形しにくくなってしまい、接地面積が損なわれて操縦安定性が低下してしまうことがある。また、トレッド幅方向断面において、トレッドセンター部のトレッド部15の厚みが均一の場合、ベルト外輪郭の曲率半径RBとトレッド部15表面の曲率半径がほぼ同等となってしまい、ベルト外輪郭の曲率半径RBが2000mmよりも小さい、トレッドセンター部での接地長が長く、かつ、トレッドショルダー部での接地長が短くなってしまうため、センター摩耗を促進させてしまうことがある。
スパイラルベルト層11は、車両の高速走行時(いわゆる、高速回転時)に大きな遠心力が加わってトレッド部15がタイヤ径方向外側へ向けて膨張すること抑制するものである。このスパイラルベルト層11は、図2に示すように、タイヤ赤道線CLに対して略平行(0〜5度)で螺旋状に巻かれる周方向コード11aが埋設されている。
この周方向コード11aは、乗用車(トレッド接地幅TWが185〜400mm)に装着される空気入りタイヤである場合には、芳香族ポリアミド(例えば、ケブラー)であることが好ましい。また、周方向コード11aは、トラック・バス等の重荷重車両に装着される場合には、スチール単線を撚ったスチールコードであることが好ましい。特に、スチールコードにおける破断伸度は、初期の伸びに遊びがあり、衝撃吸収性や耐外傷性等を向上させるために、3〜8%であることが好ましい。
ベルト端部保護層13は、高速走行時(いわゆる、高速回転時)に後述するトレッドショルダー部が膨張することを抑制するとともに、ベルト層(内側ベルト層7や外側ベルト層9、スパイラルベルト層11)の端部を補強するものである。このベルト端部保護層13は、図2に示すように、タイヤ赤道線CLに対して略平行(0〜5度)で螺旋状に巻かれる端部コード13aが埋設されている。
トレッド部15は、トレッドパターンを形成する複数の溝(例えば、リブやブロック)を有するとともに、路面と接するものである。
(作用・効果)
以上説明した第1の実施の形態に係る空気入りタイヤ1によれば、周方向コード11aがタイヤ赤道線CLに対して0〜5度であることに加えて、内側コード7aがタイヤ赤道線CLに対して45〜75度(α)で傾斜し、外側コード9aがタイヤ赤道線CLに対して75〜90度(β)で傾斜することによって、トレッド幅方向に各ベルト層が縮むことを防止し、かつ、トレッドショルダー部での無駄な横せん断を防止することができ、転がり抵抗を向上させることができる。また、左右のトレッドショルダー部で逆向きに発生する横せん断を防止することに伴い、偏摩耗をも防止することができ、コーナーリングパワーやグリップ性能(横グリップ性やトラクショングリップ性等)を向上させることができる。
また、内側コード7a及び外側コード9aがタイヤ赤道線CLに対して45度以上で傾斜していることによって、コード自体は伸びないが、コード同士の間隔が広がってタイヤ周方向に変形しやすく、かつ、コードがトレッド幅方向を折り目とする周方向面における外曲げ剛性が向上する。
つまり、内側ベルト層7及び外側ベルト層9にタイヤ周方向に伸びないスパイラルベルト層11を組み合わせても、骨格部材(カーカス層5や各ベルト層等)は、トレッド幅方向を折り目とする周方向面における外曲げ剛性を必要以上に高くなるおそれがない。
また、内側コード7a及び外側コード9aがスチールコードであることによって、空気充填時による張力を螺旋状に巻かれる周方向コード11aが80%以上負担して、内側コード7a及び外側コード9aの負担を軽減することができる。このため、内側コード7a及び外側コード9aに空気充填時による張力が作用しにくくなるため、せん断剛性を確保することができて、せん断歪み等の発生を抑制することができる。
また、トレッド幅方向の圧縮力に対する剛性が高くなり、トレッド幅方向のバックリング変形を抑制することができる。この結果、トレッドショルダー部での耐摩耗性を向上させ、かつ、亀裂の発生を抑制するとともに、転がり抵抗、グリップ性能を実現して操縦安定性を向上させることができる。
また、タイヤ赤道線CLに対して75〜90度(β)に傾斜する外側コード9aは、トレッド幅方向の縮みを抑えるツッパリ棒の役目である。つまり、トレッド幅方向の縮みは、外側ベルト層9が配置されている部分と配置されていない部分の境目で大きな剛性段差があり、この部分に歪みが集中する。これによって、外側ベルト層9の端部が外側コード9aの方向に繰り返し圧縮歪みを受けて亀裂しやすい。
しかし、外側ベルト幅W2が内側ベルト幅W1よりも狭いこと、特に、外側ベルト幅W2がトレッド接地幅(TW)に対して60〜100%であることによって、トレッドセンター部に最も圧縮剛性が強い外側ベルト層9が配置され、そのトレッド幅方向外側にやや圧縮剛性が強い内側ベルト層7が配置されることとなり、急激な剛性段差を緩和することができる。すなわち、内側ベルト幅W1が外側ベルト幅W2よりも広くしておけば、内側ベルト層7が身代わりとなって歪みの集中を緩和することができる。この内側ベルト層7は、外側ベルト層9に比べて圧縮剛性が高くないため、適度な圧縮をもち、端部での歪みをも小さくすることができる。
さらに、外側ベルト幅W2の領域内での外側ベルト層9におけるベルト外輪郭の曲率半径RBを規定している。このベルト外輪郭の曲率半径RBは、例えば内圧時のトレッド部15の表面形状をレーザー計測等で測定して、トレッド幅方向断面における外側ベルト層9からトレッド部15の表面までの厚みを測定し、この厚みを先に測定したトレッド部の表面形状と重ねて求めることができる。また、内圧時にCTスキャン等で空気入りタイヤの内部を撮影することにより、空気が充填された状態でのベルト外輪郭の曲率半径RBを計測することが可能である。
なお、ベルト外輪郭の曲率半径RBは、厳密には完全な曲率でない場合がある。この場合は、タイヤ赤道線CLを中心にしてトレッド接地幅TWに対する60%の領域ZWでの外側ベルト層9からトレッド部15の表面までの厚みと、タイヤ赤道線CL上での外側ベルト層9からトレッド部15の表面までの厚みとを通る曲率とみなす。上限は、直線であるため無限大となる。
ところで、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向及びトレッド幅方向に丸い2重の曲率を持っている。すなわち、空気入りタイヤ1のトレッド接地面は、コンタクトレンズのように2重の曲率を持った形状である。これらが平らな面に押し付けると、2重の曲率を持った曲面が平面状に変形しなければならない。
例えば、コンタクトレンズがソフトコンタクトレンズのように柔らかく伸び縮みする部材からできれている場合には、この部材が伸び縮みすることで平らな面に押し付けると平面状に変形する。これは、テニスボールの軟式ボールを平面に押し付けたときに平らになるのと同じである。
一方、コンタクトレンズがハードコンタクトレンズのように硬く伸び縮みしない部材からできている場合には、平らな面に押し付けても十分に撓むことができずに、上記の柔らかい部材と比べて接触面積が極めて小さくなってしまう。
つまり、空気入りタイヤ1に当てはめると、スパイラルベルト層11を備えていると、タイヤ周方向に伸び縮みしない構成となる。さらに、内側ベルト層7及び外側ベルト層9の2層のベルト層が組み合わされているため、内側コード7a及び外側コード9aの方向にも伸び縮みしずらい。それゆえ、この空気入りタイヤ1は、あらゆる方向に伸び縮みしにくく、上記のハードコンタクトレンズのような状態にある。
このように、骨格部材(カーカス層5や各ベルト層等)にスパイラルベルト層11が含まれ、これらのコード方向が3方向以上であると、骨格部材は非常に高い剛性を持つこととなる。各内側コード7a、外側コード9a及び周方向コード11aが正三角形を形成していると、最も構造体として硬くなってしまうため、骨格部材を2重曲率(球面)で規定してしまうと、極めて撓みにくい空気入りタイヤ1となってしまう。
そこで、解決方法としては、トレッド部15を2重曲率ではなく、1重曲率で形成することである。これは、ドラム缶の側面(円筒状の側面)のように、トレッド幅方向断面における空気入りタイヤ1を直線状に近づければ、どんなに部材が硬くても1方向に曲がることで接地できることになる。例えば、スチールからなる円筒は、その肉厚が薄くて面外に曲がることができれば、つぶれて楕円状になり平らな面に接触することができる。空気入りタイヤ1に当てはめても、同様のことが言える。
空気入りタイヤ1は、内側ベルト層7及び外側ベルト層9の2層のベルト層に加え、スパイラルベルト層11を備えていると非常に硬いが、トレッド幅方向断面における内側ベルト層7や外側ベルト層9を直線状に近づけることで、骨格部材が円筒状になり、接地しやすい形状となる。これにより、空気入りタイヤ1の接地形状が大幅に改善される。
例えば、内側コード7a及び外側ベルトコード9aがタイヤ赤道線CLに対して30度で傾斜して交差し、これにスパイラルベルト層11が巻き付けられている場合は、空気入りタイヤは非常に硬い。一方、内側コード7a及び外側ベルトコード9aがタイヤ赤道線CLに対して70度で傾斜して交差し、これにスパイラルベルト層11が巻き付けられている場合は、コード方向が3方向以上であっても、上記の30度であるときほど、骨格部材としてトレッド幅方向を折り目とする周方向面における外曲げ剛性を上げずに済む。
スパイラルベルト層11は、タイヤ周方向に伸びないが、トレッド幅方向には縮むことが可能である。つまり、スパイラルベルト層11は、周方向コード11a間のゴム材が縮めば縮むことができる。このような空気入りタイヤでは、トレッド部15が路面に接地して、荷重直下に転がるに伴い、ベルト層がトレッド幅方向に縮む場合がある。
この縮みは、上述した2重曲率にも関係しており、トレッド幅方向に縮むことで丸い球面を平らに変形させうようとすることである。この縮みによって、トレッドショルダー部に位置するトレッド部15は、トレッド幅方向のせん断変形を左右で逆方向に受ける。このトレッド部は、接地した直後にせん断を受けないが、接地して転動することによりトレッド幅方向(横方向)のせん断を受ける。このせん断は、左右で逆方向に発生するため、横力は打ち消されて空気入りタイヤには働かない。だが、スリップ角(SA)を付けずに転がるだけで、トレッド部が無駄な横せん断変形を起こしてしまいエネルギーを消費してしまい、転がり抵抗が悪化してしまう。
さらに、内側ベルト層7の端部や外側ベルト層9の端部は、路面に接地した際にタイヤ周方向にずれる動きをして、タイヤ周方向に伸びる動きをする。これは、トレッド部15がトレッドセンター部からトレッドショルダー部に向かうに従い、外径が小さくなって径差が設けられていることによる。すなわち、上述した2重曲率をもつのと同意である。
このような径差は、接地時にトレッド部15(ベルト層やベルト端部保護層13等も含む)がトレッド幅方向に曲げ変形することで吸収されるわけだが、空気入りタイヤ1はタイヤ周方向にも360度丸い形状であるため、このタイヤ周方向についても丸みを吸収しようとして、半径の小さいベルト端部が伸びて平らな面に接触するわけである。
ベルト端部保護層13は、タイヤ赤道線CLに対して略平行(0〜5度)で螺旋状に巻かれる端部コード13aが埋設されているため、タイヤ周方向にほとんど伸びることができない。しかし、上述したように、内側ベルト層7の端部や外側ベルト層9の端部は、タイヤ周方向に伸びようとする。そのため、内側ベルト層7の端部や外側ベルト層9の端部と、スパイラルベルト層11とが重なり合う部分で周方向にずれる変形が生じる。これが歪みとなって、両者間に介在するゴム材に加わり、亀裂が生じやすくなってしまう。
このような挙動を持つため、トレッド幅方向における骨格部材に径差がつかないように(すなわち、トレッド幅方向断面における内側ベルト層7や外側ベルト層9を直線状に近づけることで)、内側ベルト層7の端部や外側ベルト層9の端部の歪みを下げる意味でも重要である。
つまり、外側ベルト幅W2の領域内での外側ベルト層9におけるベルト外輪郭の曲率半径RBを規定した理由は、骨格部材の断面形状が2重曲率を決定するからである。空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に回転するため、必ず丸くなくてはならず、また、荷重が加えられた際に変形して適切な接地形状を得るために、トレッド幅方向にも丸みを帯びていないとならない。
上述したように、空気入りタイヤの骨格部材は、ドラム缶に近い形状、つまり、1重曲率に近いほど、接地時に邪魔をせずに変形することができる。このため、ベルト外輪郭の曲率半径RBを非常に大きい2000mm以上としている。
通常の空気入りタイヤでは、ベルト外輪郭の曲率半径RBが500〜1000mm程度である。しかし、本発明では、ベルト外輪郭の曲率半径RBを非常に大きい2000mm以上としても、内側ベルト層7が存在するために、トレッドセンター部でバックリングしにくく、接地形状が蝶々型になりにくい。そして、トレッドショルダー部での曲率半径を小さくして丸みを付けることで、高速走行時や高荷重時においてもトレッドショルダー部での接地圧が上がりすぎることを防止することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る空気入りタイヤの構成について、図3を参照しながら説明する。なお、上述した第1の実施の形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。図3は、第2の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図である。
図3に示すように、外側ベルト層9のタイヤ径方向外側には、タイヤ赤道線CLに対して45〜75度で傾斜するとともに、タイヤ赤道線CLに対して内側コード7aと逆向きに配置される第3スチールコード(以下、最外ベルトコード)が埋設される最外ベルト層17(第3ベルト層)が配置されている。すなわち、最外ベルト層17は、外側ベルト層9とスパイラルベルト層11との間に配置されている。
このような第2の実施の形態に係る空気入りタイヤによれば、内側コード7aがタイヤ赤道線CLに対する角度と、外側コード9aがタイヤ赤道線CLに対する角度との違いによって発生するプライステア(微小な横力)を小さくすることができ、トレッド部15が接地した際の接地面内でせん断剛性(いわゆる、せん断強さ)を十分得ることができ、コーナーリングパワーやグリップ性能(横グリップ性やトラクショングリップ性等)を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態に係る空気入りタイヤの構成について、図4を参照しながら説明する。なお、上述した第1の実施の形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。図4は、第3の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図である。
図4に示すように、外側ベルト層9は、スパイラルベルト層11のタイヤ径方向外側に配置されている。すなわち、スパイラルベルト層11は、内側ベルト層7と外側ベルト層9との間に配置されている。
このような第3の実施の形態に係る空気入りタイヤによれば、骨格部材(カーカス層5や各ベルト層等)の変形を害することなく、スパイラルベルト層11を保護して、スパイラルベルト層11が外傷により破断することを防止することができる。また、消費者が誤って完全に摩耗するまで空気入りタイヤ1を使用した場合であっても、スパイラルベルト層11が露出することなく、外側ベルト層9が露出することで消費者に異変を感じさせることができ、バーストに至ることをなくことが可能となる。
なお、外側ベルト層9がスパイラルベルト層11のタイヤ径方向外側に配置されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、内側ベルト層7がスパイラルベルト層11のタイヤ径方向外側に配置されているものであってもよく、内側ベルト層7及び外側ベルト層9のうち少なくとも一方がスパイラルベルト層11のタイヤ径方向外側に配置されればよい。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
具体的には、スパイラルベルト層11は、外側ベルト層9のタイヤ径方向外側に配置(隣接)されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、内側ベルト層7のタイヤ径方向内側に配置(隣接)されていてもよい。これにより、スパイラルベルト層11が外傷により破断することを防止することができる。
また、内側コード7aがタイヤ赤道線CLに対して45〜75度で傾斜し、外側コード9aがタイヤ赤道線CLに対して75〜90度で傾斜するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、内側コード7aがタイヤ赤道線CLに対して75〜90度で傾斜し、外側コード9aがタイヤ赤道線CLに対して45〜75度で傾斜するものであっても勿論よい。この場合、ベルト外輪郭の曲率半径RBは、タイヤ赤道線CLに対して75〜90度で傾斜する内側コード7aが埋設される内側ベルト層7の曲率半径となる。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、比較例1〜3、従来例1及び本発明が適用された実施例1〜8に係る空気入りタイヤを用いて行った試験結果について説明する。なお、各空気入りタイヤのサイズは“245/45R18(外径677mm、リム幅8.5インチ、リム径18インチ)”である。
まず、各空気入りタイヤの基本構造について説明する。各空気入りタイヤは、ホイールのリム部(不図示)に接触する複数のビードコアを少なくとも含む一対のビード部と、該一対のビード部間でトロイド状をなす2層のカーカス層とを有し、該カーカス層のタイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側へ向けて内側ベルト層、外側ベルト層、スパイラルベルト層、ベルト端部保護層、トレッド部が設けられる。
カーカス層は、タイヤ赤道線CLに対して略直角(約90度)で交差する直径0.6mmの撚ったナイロンコードが埋設されている。このナイロンコードの打ち込み数は、トレッドセンター部で50本/50mmである。
内側ベルト層は、トレッド幅方向における幅が240mmである。この内側ベルト層は、タイヤ赤道線CLに対して傾斜する直径0.23mmのスチール単線を3本撚った内側スチールコード(以下、内側コード)が埋設されている。この内側コードの打ち込み数は、60本/50mmである。なお、各空気入りタイヤにおいて、内側コードがタイヤ赤道線CLに対して傾斜する角度は、表1に示す通りである。
外側ベルト層は、トレッド幅方向における幅が220mmである。この外側ベルト層は、タイヤ赤道線CLに対して傾斜するとともに、直径0.23mmのスチール単線を3本撚った内側コードと交差する外側スチールコード(以下、外側コード)が埋設されている。この外側コードの打ち込み数は、60本/50mmである。なお、各空気入りタイヤにおいて、外側コードがタイヤ赤道線CLに対して傾斜する角度、及び、外側ベルト層におけるベルト外輪郭の曲率半径RBは、表1に示す通りである。
スパイラルベルト層は、トレッド幅方向における幅が260mmである。このスパイラルベルト層は、タイヤ赤道線CLに対して略平行(0〜5度)で螺旋状に巻かれる直径0.7mmの周方向コードが埋設されている。この周方向コードの打ち込み数は、50本/50mmである。なお、各空気入りタイヤにおいて、周方向コードに用いられる材料は、表1に示す通りである。
ベルト端部保護層は、トレッド幅方向における幅が35mmであり、スパイラルベルト層の両端部におけるタイヤ径方向外側に配置されている。このベルト端部保護層は、タイヤ赤道線CLに対して略平行(0〜5度)で螺旋状に巻かれる直径0.7mmの端部コードが埋設されている。この端部コードの打ち込み数は、50本/50mmである。なお、各空気入りタイヤにおいて、端部コードに用いられる材料は、上述したスパイラルベルト層と同一ある。
トレッド部には、タイヤ赤道線CLに対して略平行な4本の周方向溝が形成されている。この4本の周方向溝のうちトレッドセンター部に位置する2本の周方向溝の幅が9mmであり、トレッドショルダー部に位置する2本の周方向溝の幅が11mmであり、全ての周方向溝のタイヤ径方向における深さが7mmである。
この各空気入りタイヤに関するデータと、試験結果(接地形状、コーナーリングパワー特性、操縦安定性、転がり抵抗、乗り心地性、耐摩耗性、耐久性)について、表1を参照しながら説明する。
Figure 2009073246
なお、外側ベルト層におけるベルト外輪郭の曲率半径RBは、所定のリムに組み、内圧230kPaを充填して、レーザーで計測することでトレッド部の表面形状を把握するとともに、予めタイヤ断面を用意して測定した。そして、外側ベルト層におけるタイヤ赤道線CLを中心にしてトレッド接地幅TWに対する60%の領域ZWでのベルト外輪郭の曲率半径RBをあらゆる位置で測定しておき、これらとトレッド部表面の位置から作図し、内圧充填時におけるベルト外輪郭の曲率半径RBを求めた。
また、実施例6の周方向コードは、ハイエロンゲーションタイプである。このハイエロンゲーションタイプとは、最初に3本のスチール単線を撚って、その回りを逆向きで7本のスチール単線を螺旋で撚ったものである。最初に配置された3本のスチール単線には隙間が存在し、この隙間にゴム材が配置されている。このようなスチールコードは、直径が0.14mmであり、スチールコードにおける破断伸度が5%である。
<接地形状(接地面積)>
各空気入りタイヤに墨を塗り、これを厚紙に押し付けることで測定した。なお、接地長は、トレッドセンター部(すなわち、タイヤ赤道線CL)とトレッドショルダー部(タイヤ赤道線CLからトレッド接地幅の0.4倍の位置)で測定した。この接地長は、トレッドセンター部とトレッドショルダー部とで近い値であると、トレッドセンター部のトレッド部と、トレッドショルダー部のトレッド部とが、均一に横力や制動力を発生するために好ましい。
接地形状から接地面積を求めて、従来例1に係る空気入りタイヤの接地面積を“100”として、その他の空気入りタイヤの接地面積を指数化した。なお、接地面積の指数が大きいほど、接地形状に優れている。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3及び従来例1に係る空気入りタイヤを比べ、適切な接地形状を保つことができると分かった。すなわち、内側コードの傾斜角度(α)、外側コードの傾斜角度(β)、ベルト外輪郭の曲率半径RB等を規定することにより、適切な接地形状を保つことができると分かった。
<コーナーリングパワー特性>
フラットベルトマシンのベルト表面に紙やすりを貼り付けて路面にみたて、これに各空気入りタイヤを速度60km/hでCAを0度、荷重5kNで押し付けて、SAを0〜1度まで変化させた際の傾きをコーナーリングパワーとして計測した。従来例1に係る空気入りタイヤのコーナーリングパワー特性を“100”として、その他の空気入りタイヤのコーナーリングパワー特性を指数表示した。なお、指数が大きいほど、コーナーリングパワー特性に優れている。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3及び従来例1に係る空気入りタイヤを比べ、コーナーリングパワーに優れていることが分かった。すなわち、内側コードの傾斜角度(α)、外側コードの傾斜角度(β)、ベルト外輪郭の曲率半径RB等を規定することにより、コーナーリングパワーを向上させることができることが分かった。
<操縦安定性>
各空気入りタイヤをスポーツタイプのFF車両に装着してテストコースを走行し、速度100km/hでのレーンチェンジ、速度80km/hでの限界旋回、速度50km/hからの加速性能等を実施して、プロドライバーにより評価した(10点満点)。なお、指数が大きいほど、操縦安定性に優れている。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3及び従来例1に係る空気入りタイヤを比べ、操縦安定性に優れていることが分かった。すなわち、内側コードの傾斜角度(α)、外側コードの傾斜角度(β)、ベルト外輪郭の曲率半径RB等を規定することにより、操縦安定性が向上することが分かった。
<転がり抵抗>
SAE J1269に準拠して、内圧200kPa、荷重450kgf、速度80km/hにおける従来例1に係る転がり抵抗を“100”として、その他の空気入りタイヤの転がり抵抗を測定した。なお、指数が小さいほど、転がり抵抗に優れている。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3及び従来例1に係る空気入りタイヤを比べ、転がり抵抗に優れていることが分かった。すなわち、内側コードの傾斜角度(α)、外側コードの傾斜角度(β)、ベルト外輪郭の曲率半径RB等を規定することにより、転がり抵抗が向上することが分かった。
<乗り心地性>
各空気入りタイヤを上記FF車両に装着してテストコースを走行し、高速走行時のつなぎ目や石畳路、踏み切りの線路等を実施して、プロドライバーにより評価した(10点満点)。なお、指数が大きいほど、乗り心地性に優れている。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3及び従来例1に係る空気入りタイヤを比べ、乗り心地性に優れていることが分かった。すなわち、内側コードの傾斜角度(α)、外側コードの傾斜角度(β)、ベルト外輪郭の曲率半径RB等を規定することにより、乗り心地性が向上することが分かった。
<耐摩耗性>
直径3mの試験ドラムの表面に紙やすりを貼り付けて路面にみたて、これに各空気入りタイヤを内圧230kPa、CAを0度、SAを0.5度、荷重5kNで押し付け、駆動力0kNで速度50km/hで10分間回転させ、駆動力0kNで速度150km/hで10分間回転させ、駆動力2kNで速度50km/hで10分間回転させる1サイクルを20セット繰り返し、摩耗量を計測した。なお、指数60は40%摩耗したことを示し、指数が大きいほど、耐摩耗性に優れている。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3及び従来例1に係る空気入りタイヤを比べ、耐摩耗性に優れていることが分かった。すなわち、内側コードの傾斜角度(α)、外側コードの傾斜角度(β)、ベルト外輪郭の曲率半径RB等を規定することにより、耐摩耗性が向上することが分かった。
<耐久性>
直径3mの試験ドラムに各空気入りタイヤを装着し、内圧180kPa、荷重8kNで押し付けて、速度150km/hで100時間連続走行させた後、各空気入りタイヤを解剖して亀裂の有無や、ベルト端部の温度を計測した。なお、解剖は、ベルト端部の両側で、かつ、360度全周について調べ、亀裂が最も長いものを表示した。また、ベルト端部の温度は、ドラムを停止してから1分後に、ベルト端部に相当するトレッド部の表面の温度を代用した。この温度が高いほど、亀裂が発生しやすくなる。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3及び従来例1に係る空気入りタイヤを比べ、耐久性に優れていることが分かった。すなわち、内側コードの傾斜角度(α)、外側コードの傾斜角度(β)、ベルト外輪郭の曲率半径RB等を規定することにより、耐久性が向上することが分かった。
第1の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図である。 第1の実施の形態に係る空気入りタイヤの一部を示す上面斜視図である。 第2の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図である。 第3の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図である。 その他の実施の形態に係る空気入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図である。
符号の説明
1…空気入りタイヤ、3…ビード部、5…カーカス層、7…内側ベルト層(第1ベルト層)、7a…内側コード(内側スチールコード)、9…外側ベルト層(第2ベルト層)、9a…外側コード(外側スチールコード)、11…スパイラルベルト層、11a…周方向コード、13…ベルト端部保護層、13a…端部コード、15…トレッド部、17…最外ベルト層(第3ベルト層)、CL…タイヤ赤道線、RB…ベルト外輪郭の曲率半径、TW…トレッド接地幅

Claims (9)

  1. タイヤ赤道線に対して45〜75度で傾斜する第1スチールコードが埋設される第1ベルト層と、
    前記タイヤ赤道線に対して75〜90度で傾斜するとともに、前記タイヤ赤道線に対して前記第1スチールコードと逆向きに配置される第2スチールコードが埋設される第2ベルト層と、
    前記第1ベルト層及び前記第2ベルト層の少なくとも一方に隣接し、前記タイヤ赤道線に対して0〜5度で螺旋状に巻かれる周方向コードが埋設されるスパイラルベルト層と
    を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記タイヤ赤道線に対して45〜75度で傾斜するとともに、前記タイヤ赤道線に対して前記第1スチールコードと逆向きに配置される第3スチールコードが埋設される第3ベルト層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第2ベルト層のトレッド幅方向における幅である第2ベルト幅(W2)は、前記第1ベルト層のトレッド幅方向における幅である第1ベルト幅(W1)よりも狭いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第2ベルト層のトレッド幅方向における幅である第2ベルト幅(W2)は、路面に接地するトレッド部のトレッド幅方向における幅であるトレッド接地幅(TW)に対して60〜100%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第2ベルト幅(W2)の領域内での前記第2ベルト層におけるベルト外輪郭の曲率半径(RB)は、2000mm以上であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記周方向コードは、芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記周方向コードは、スチール単線を撚ったスチールコードであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記スチールコードにおける破断伸度は、3〜8%であることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記第1ベルト層及び前記第2ベルト層のうち少なくとも一方は、前記スパイラルベルト層のタイヤ径方向外側に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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