JP2009073091A - インクジェット記録装置及びインクの攪拌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要なときに望まれている分だけ攪拌を行うことで攪拌を行う時間の長さ及び頻度を減らし、記録が行えないような状態となる時間を減少させること。
【解決手段】記録ヘッドから吐出されるインクの濃度の偏りを回復させるために、記録ヘッドを往復移動させることによってインクを攪拌する攪拌動作を行う。そして、そのときの攪拌動作は、記録を行う際の記録ヘッドの主走査方向に対する往復移動の条件に応じて、記録ヘッドを往復移動させる往復回数を設定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、インク貯留部内部のインクに対して攪拌を行うインクジェット記録装置及びインクの攪拌方法に関する。
インクジェット方式による記録装置において使われるインクの種類としては、主なものとして染料系インクと顔料系インクとがある。染料系インクは色の再現性が高く、光沢や発色性が良いなどの優れた特性を有し、溶媒に溶解しているために濃度の不均衡が起き難いという長所を有している。しかし、染料系インクは一方で色材が分子レベルで存在しているために光や活性ガスにより分解されやすく、耐候性に難があるという課題がある。
一方、顔料系インクは、染料系インクと異なり色材が固まりの状態で溶液中に拡散しているために一般的に染料系インクに比べて耐候性に優れている。また、従来では染料系インクに比べて色の再現性や発色性などに劣る面があったが、近年ではインクの素材の改良などにより品質が良くなり、染料インクと同様に写真のプリントなどに使われるようになってきている。
顔料系インクは、優れた耐候性を備えているという特徴を有しているが、一方で、色材が溶液に拡散しているために長時間放置する等した場合にはインク中の色材が沈降し、インクタンク内で濃度差が生じるという課題がある。こうした課題に対する対策として、濃度差が生じないようにインク濃度を均一化する方法が提案されている。例えば、特許文献1に開示されているように、所定時間ごとにインクタンク内部のインクに対して超音波振動子によって加振を行うことでインクの沈降を抑え、これによりインクタンク内部における濃度差を抑えている。
また、特許文献2では、所定時間ごとに、インクを吐出させずに記録ヘッドを走査させることでインクタンク内部のインクを攪拌させ、インク濃度が偏ることを抑えているインクジェット記録装置について開示されている。
特開2003−39690号公報 特開2004−1411号公報
しかしながら、タイマーを用いて所定時間ごとに上述の方法によってインク内部のインクに対して攪拌が行われたとしても、必要以上に攪拌が行われることで、その分記録以外の工程に対して時間が無駄に消費される虞がある。例えば、記録装置によって記録が行われた際に、記録ヘッドが走査されていることでインクが十分に攪拌されているのに、その直後に所定時間の間に亘って攪拌が行われることが考えられる。この場合、記録ヘッドの走査によってインクが既に十分に攪拌されて攪拌時間があまり必要無いにもかかわらず攪拌が長い時間行われることで、攪拌が必要以上に無駄に行われる虞がある。
インクタンク内部のインクに対して攪拌が行われている間は、ユーザーは記録できない状態にあるので、その間ユーザーは攪拌が終了するのを待たなければならない。このように攪拌にかかる時間が長くなると、記録装置による記録物の生産性が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は上記の事情に鑑み、必要なときに望まれている分だけ攪拌を行うことで攪拌を行う時間の長さ及び頻度を減らし、記録装置によって記録が行えないような状態となる時間を減少させることである。また、これにより、記録物の生産性が高められた記録装置を提供することである。
本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部に貯留されているインクを攪拌する攪拌動作が行われ、前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる移動回数が設定されることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部内部のインクを攪拌する攪拌動作が行われ、前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる間の時間である攪拌時間を設定する攪拌時間設定手段を有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部内部のインクを攪拌する攪拌動作が行われ、前記攪拌動作によって前記攪拌の程度を向上させることの要否を判断するための、前回の攪拌動作からの時間に対する閾値となる規定値が設定されており、前記攪拌動作が行われる際に、前回の攪拌動作からの経過時間が規定値を超えているかどうかが判断される攪拌要否判断が行われ、前記経過時間が規定値を超えていなければ、前記攪拌要否判断で攪拌は不要と判断されて前記攪拌動作は行われず、前記経過時間が規定値を超えることで、前記攪拌要否判断の際に前記攪拌動作が要と判断されたときには、前記記録ヘッドの移動が行われ、前記攪拌動作で、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記規定値が設定されることを特徴とする。
また、本発明のインクの攪拌方法は、記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におけるインクの攪拌方法において、前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部に貯留されているインクを攪拌する攪拌動作が行われ、前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる移動回数が設定されることを特徴とする。
また、本発明のインクの攪拌方法は、記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におけるインクの攪拌方法において、前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部に貯留されているインクを攪拌する攪拌動作が行われ、前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる間の時間である攪拌時間を設定することを特徴とする。
また、本発明のインクの攪拌方法は、記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におけるインクの攪拌方法において、前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部内部のインクを攪拌する攪拌動作が行われ、前記攪拌動作によって前記攪拌の程度を向上させることの要否を判断するための、前回の攪拌動作からの時間に対する閾値となる規定値が設定されており、前記攪拌動作が行われる際に、前回の攪拌動作からの経過時間が規定値を超えているかどうかが判断される攪拌要否判断が行われ、前記経過時間が規定値を超えていなければ、前記攪拌要否判断で攪拌は不要と判断されて前記攪拌動作は行われず、前記経過時間が規定値を超えることで、前記攪拌要否判断の際に前記攪拌動作が要と判断されたときには、前記記録ヘッドの移動が行われ、前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記規定値が設定されることを特徴とする。
本発明の記録ヘッドの攪拌方法及びインクジェット記録装置によれば、攪拌動作を必要とされている分だけを行うことにより、記録を行うことができない攪拌動作中の時間を短縮することで、ユーザーに対して待機時間を不必要に長くせずに済む。また、必要な分だけの攪拌動作は行われるので、攪拌によるインク濃度の均一性は保たれたまま、攪拌動作の間の時間を短縮することができる。
以下、本発明を実施するための第一実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
1 記録装置の構成の説明
図1には、本実施形態における記録装置1の内部についての斜視図が示されている。記録装置1には、記録媒体を載置するためのトレイ及び記録媒体を搬送するための搬送機構を備えたオートシードフィーダー(ASF)2が取り付けられている。図1に示される記録装置1では、オートシートフィーダー2におけるトレイ上に、複数重ねられた記録媒体Pが載置されている。また、本実施形態の記録装置1はシリアルスキャン方式の記録装置であり、ガイド軸4によって、キャリッジ5が矢印Aの主走査方向に移動可能にガイドされている。キャリッジ5は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復移動される。キャリッジ5には、記録ヘッド6とその記録ヘッド6にインクを供給するインク貯留部としてのインクタンク7とが一体として形成されているインクジェットカートリッジ8が、色ごとに複数搭載されている。記録ヘッド6とインクタンク7とは、それぞれが別体に構成されたものであってもよい。
図2に、インクタンク7の断面図を示す。図2に示されるように、インクタンク7の内部には、袋40が取り付けられており、袋40の内部でインクが保持されている。本実施形態では、袋40内部に保持されているのは、顔料インクである。本実施形態でスポンジなどの保持材が用いられずに袋40内部にインクを保持しているのは、用いられているインクが顔料インクであるので、顔料インクの色材の粒子が大きく、インクにおける色材の成分の分離が起き易いためである。仮に、顔料インクがスポンジ等の保持材が配置されたインクタンク内部に収容されると、インクが保持材に保持された際に顔料インクの色材の成分だけが保持された状態で液体成分だけが記録ヘッド6に供給されることが考えられる。この場合、記録ヘッドから色材が吐出されず、所望の画像が記録されない。
インクが収容されている袋40の内部には、インクと共に、後述するインクを攪拌するための攪拌手段としての攪拌板41が取り付けられている。攪拌板は、可動とされるように、板状部材がヒンジ等によってインクタンク7に固定されることによって形成されている。攪拌板41の材料、形状は、吐出されるインクやインクタンクの特性によりさまざまなものから決定される。
キャリッジ5の移動領域における図1中の右端には、キャリッジ5に搭載されたインクジェットカートリッジ8における記録ヘッド6の吐出口10の形成面と対向する回復系ユニット(回復処理手段)11が設けられている。回復系ユニット11には、記録ヘッド6の吐出口のキャッピングが可能なキャップと、そのキャップ内に負圧を導入可能な吸引ポンプなどが備えられている。キャップによって吐出口を覆い、それから吐出口を覆ったキャップ内に負圧を導入することにより、吐出口からインクを吸引排出させて、記録ヘッド6の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吸引回復処理」ともいう)をする。また、キャップ内に向かって、吐出口から画像の寄与しないインクを吐出させることによって、記録ヘッド6の良好なインク吐出状態を維持すべく回復処理(「吐出回復処理」ともいう)をすることもできる。
図3は、本実施形態における記録装置1のシステムの構成を示すブロック図である。図3に示されるように、記録装置1に用いられる動力は、電源からACケーブル12を経由して電力を取得している。こうして取得した電力を電源ユニット13に供給し、そこで電流をACからDCに変換し、所定の電圧としたところでメインコントロール基板14に電力を供給している。そして、メインコントロール基板14は、供給された電力をメインコントローラであるASIC15や不揮発性メモリ16、17、揮発性メモリ18、パネルユニット19やセンサ20、エンコーダ21、モータ22、23、24、25に分配している。電源から供給される電力は、ASIC15、キヤリッジFFC(内部配線用ケーブル)26、キヤリッジ基板27、キヤリッジコネクタ28、記録ヘッド6の順に伝送されている。記録ヘッド6には、不図示のヒータが取り付けられており、このヒータに電力が供給されて駆動されることで、記録ヘッド6内部のインクに対して熱エネルギーが与えられる。このようにして、インクタンク29から供給された記録ヘッド6内部のインクが、記録ヘッド6より吐出口10を介して吐出される。
このとき、ASIC15が、記録装置1における動作を制御している。ASIC15は、制御プログラムを保存した不揮発性メモリ(例えば、フラッシュROMやマスクROM等)16よりプログラムを読み出す。そして、それをもとに不揮発性メモリ(例えば、EEPROM等)17や、それとは別の大容量の揮発性メモリ(例えば、SDRAMやDDRAM等)18にデータの読み書きをしながら制御プログラムを実行する。本実施形態では、不揮発性メモリ17には、このときのインク残量や記録装置1における設定情報などが保存されている。また、大容量の揮発性メモリ18は、本実施形態では、プログラムを処理する際に作業領域等に用いられる。
記録を行う際には、ASIC15は、モータ8、9、10、11を制御するためのモータドライバIC30を制御し、制御対象である記録ヘッド6の位置、速度及び運動方向を検出するエンコーダ21の出力信号を検知する。また、ASIC15は、例えば、センサ20によって、カムの位置でギアの位置を検知し、これにより記録ヘッドの位置を検知する等、被制御物の状態の検知を行う。また、ASIC15は、サーミスタの出力による温度検知や保護回路によって過電圧などを検知するためにADコンバータでアナログ信号を検知する。また、ASIC15はI/F(インターフェース)31を経由してコンピュータやデジタルカメラや携帯電話からのデータを受信する。
時間情報の取得については、本実施形態では時間を管理するタイマーIC(タイマー回路)32と電池33を用いて行われている。記録装置1がコンピュータなどに接続されている場合は、I/F31を経由することで時間を取得することが可能である。また、特定事象の実施時間等は測定された後に、制御プログラムにより設定保存用の不揮発性メモリ17に適宜保存される。特定事象の実施時間が測定される際には、例えば本実施形態のようにタイマーIC32を用いる場合においては、ASIC15からタイマーIC32内のレジスタにコマンドアクセスすることで行なわれる。その結果、タイマーIC32から出力された時間情報がASIC15によって不揮発性メモリ16上の制御プログラムにより決められたアドレスマッピングに保存されていく。その後に時間の経過量を算出したい場合(例えば攪拌間隔の算出)には、上述の方法によって現在の時間情報を取得し、揮発性メモリ18に一次保存する。その後に、揮発性メモリ18にあらかじめ保存された比較される時間情報(例えば前回の攪拌動作をした時刻)を同様に揮発性メモリ18に読み出し、両者の間の差を算出する。タイマーIC32がない場合には、ASIC15が時間情報を有するホストコンピュータに問い合わせることで、それぞれの時間を取得し、その後は前述の方法と同様に実行される。タイマーIC32の利点は、時間を取得できるホストコンピュータなどと接続することなしで時間を取得できることである。しかしながら、専用のICと発振子と電源を持つ必要があるためにコスト面や基板上の実装面積で不利な面もあり、採用については、記録装置1の仕様により決定される。
2 記録動作の説明
記録時の各ユニットの具体的な動作としては、記録媒体Pが記録装置1の後部に設けられたオートシートフィーダー2から記録装置1内に挿入された状態から、まず記録装置が、オートシートフィーダー2に積載された記録媒体Pを搬送する。その際、記録媒体Pは、ASF(オートシートフィーダー)モータ、PFモータ(給紙モータ)、LFモータ(紙送りモータ)(不図示)によって、記録ヘッド6の記録領域まで矢印Bの副走査方向に搬送される。そして、そこから記録媒体Pに対して記録を行う際には、記録装置1が記録ヘッド6を主走査方向に移動させつつ、記録媒体P上のプリント領域に向かってインクが吐出されて記録動作が行われる。そして、1スキャン分の記録が行われると、その記録幅に対応する距離だけ記録媒体Pを副走査方向に搬送する搬送動作が行われ、これらの工程を繰り返すことによって、記録媒体P上に順次画像が記録される。
その際、メインコントローラとなるASIC15が、モータドライバ30によってASFモータ、PFモータ、LFモータといった各種のモータの制御を行いながら記録媒体の搬送を行う。モータドライバ30は、高い電圧で大電流を流しモータを駆動するための高耐圧のスイッチングICであり、ASIC15からコマンドを受信しそのコマンドに応じてモータを駆動させる。また、本実施形態ではDCモータ(直流モータ)が用いられている。そして、ASIC15は、各メカ要素(例えばギアの回転角度やシャフトの回転位置)を検知するためにADF(原稿自動送り)エンコーダやPF(給紙)エンコーダやLF(紙送り)エンコーダなどを制御している。これらは、等間隔でピッチの印刷されたコードホイールと光学式の透過型センサで実現される回転位置検知センサや記録媒体の後端を検知するためにフラグと透過型センサで実現される紙後端検知センサなどで制御対象と紙の位置を検知しながら制御している。
制御プログラムが、記録媒体Pに記録を行うために各種のモータを停止させると、そこで記録ヘッド6が主走査方向に走査を行いながら記録を行う。その際、記録ヘッド6は、ガイド軸4によってガイドされて走査する。そして、エンコーダストリップ34とキヤリッジ基板27上のキヤリッジエンコーダ35でキャリッジ5の位置を検知しながら、キヤリッジモータ22によりキヤリッジ5を移動させる。そして、走査を行いながらキヤリッジエンコーダ35によるキャリッジ5の位置情報を元に記録ヘッド6における所定位置のヒータを駆動することで吐出口10からインクを記録媒体P上に打ち込む。この工程を一回の走査分行なうと、メインコントローラは次の記録領域の分だけ記録媒体をLFエンコーダで位置を検知しながらLFモータで送る。この動作を繰り返し、1ページ分のプリント動作を終了するとASIC15はLFモータを駆動し、排紙口から印刷の終わった記録媒体を排紙する。
このように、本実施形態の記録装置による記録動作が行われている。ここで、本実施形態では記録装置1における記録媒体Pの送り量については、次に記録が行われる分の量だけの送りとしたが、これに限定されない。記録装置1に設定される記録モードによって、予め複数の送り量が設定されていても良く、そこで設定されているものに次の記録が行われる分の量とは異なる送り量が設定されていても良い。
記録装置1を制御する際の設定値としては、記録媒体の特性、ユーザーの設定した印字品位、記録速度(記録時間)、その記録装置1から吐出されるインクの種類、記録ヘッドの特性といった条件から決定される。また、インクの紙面上への定着特性(インクの組成や記録媒体の特性等により定まる)、画像処理の処理能力を含む記録装置1を駆動するメインコントローラとしてのASIC15の特性が加味されても良い。同時に駆動できるノズル数やその際の電圧のドロップ等、記録装置1固有の電気的な特性や、あるいはその他の製品ごとの仕様が加味されても良い。
また、キヤリッジ5の駆動についても同様である。すなわち、記録媒体の種類や、記録の品位、記録速度をユーザーが記録装置1に接続されたコンピュータ上で動作する記録装置1を制御するためのプリンタドライバーソフトから設定する。記録媒体の種類の設定では、例えば高品位写真専用紙、普通紙及びマット紙等から使用される記録媒体に応じて予め記憶された記録モードから設定される。また、記録速度の設定では、例えば写真用の記録、印字のみの記録及び高速記録等の記録から、記録の目的に応じた記録速度が設定される。このとき、キヤリッジ5の走査時における一定速度や加速距離や加速度が、設定された記録モードによって決定される。ここで、キヤリッジ5の一定速度とは、キヤリッジ5の走査中の速度が一定の領域であり、主にインクを吐出する際の速度のことをいう。また、キャリッジ5の加速距離とは、キヤリッジ5が走査の両端で一時停止した後に加速をはじめ、定速度に達するまでの距離のことをいう。また、加速度とは、キャリッジ5が走査時に一定速度に到達するまでの加速段階の際の加速度のことをいう。
ここで、設定される記録モードによってキャリッジの加速度、加速距離及び一定速度となった際の速度が異なる。その理由については、記録速度と記録品位に関わってくる。ドラフトモードとよばれるような、普通紙などの通常の印刷用紙で簡易的に打たれる記録モードにおいては記録速度が速いが、画像の品位についてはあまり高くない記録の制御を行なう。その際には、停止状態からキャリッジが加速した後、定速状態となったときの定速域の速度は速く、キヤリッジの往復運動における停止状態からの加速度は高く、加速距離も長く設定されている。また、このような記録モードでは、加速域においてもインクを記録媒体に対して吐出するように設定されている場合もある。また、この場合、記録媒体の送りの速度も速く、画像の形成の際には、少ない印字パス数で記録される(例えば4ラインの文章を1回のキヤリッジ走査で行う)。以上のような記録モードでは、記録媒体の搬送精度、インクの着弾精度、記録媒体のインク吸収等を多少抑えることで、記録速度を速くしている。しかしながら、この記録モードによって得られる画像の画質はあまり高くない記録結果になる虞がある。
一方、写真専用紙などの高品位紙で高品質の記録を行う記録モードである場合には、定速域の速度、加速度は遅く、加速距離は短い。また、給紙もゆっくりで、画像の形成には多くのパス数を要する(例えば4ラインの文章を4回のキャリッジ走査で行う)。このときには、紙の搬送精度、インクの着弾精度、紙のインク吸収等が良いために、記録速度が遅いが、画質は高い記録結果になる。このように記録モードによって異なる複数パターンの制御が行われている。
記録の際の条件に対応したキャリッジの一定速度、加速距離、加速度に関するデータが予め不揮発性メモリ16のプログラムROMに格納されている。そして、ASIC15は、I/F31から受信して揮発性メモリ18に格納された受信データの中から記録モード(記録媒体の種類、記録の品位、速度)を読み出す。そして、読み出された記録モードに応じて、ASIC15が不揮発性メモリ16のプログラムROMの情報と照会することでキャリッジの一定速度、加速距離、加速度を得る。
3 攪拌動作の概要の説明
次に本実施形態における攪拌動作について説明する。本実施形態においては、攪拌動作は、インクタンク7と記録ヘッド6とが一体に形成されたインクジェットカートリッジ8を図1に示される矢印Aの走査方向に往復移動を繰り返すことで行われる。ここで、攪拌動作は、記録工程とは別に、記録ヘッド6から吐出されるインクの濃度の偏りを回復させるために、キャリッジ5に搭載されたインクジェットカートリッジ8を、インクを吐出せずに往復移動させることで行われる。
インクジェットカートリッジ8が走査方向に往復移動すると、攪拌板41は、慣性によって図3に示される矢印C方向に揺らめくように動く。この攪拌板41の動きによって、インクジェットカートリッジ8におけるインクタンク7内部のインクが攪拌される。
なお、攪拌動作において用いられる攪拌板41は、必須というわけではない。攪拌板41が無くても、インクジェットカートリッジ8の往復移動した際に、慣性によってインクタンク7内部のインクが揺らされて攪拌される。しかしながら、攪拌動作による効果は、攪拌板41を有している方が大きく、インクタンク7は攪拌板41を有している方が好ましい。また、攪拌動作による効果は、この攪拌板41の材料や形状によってばらつきが生じ、攪拌板41やインクタンク7の形状を含めたそれぞれの構成によって定まる。
また、インクタンク7から記録ヘッド6に供給されるインクは、インクタンク7におけるインク供給口42から不図示の供給経路を通して記録ヘッド6に供給されている。このインクの供給経路内部のインクも不使用の状態が続くと、インクの色材成分と液体成分とが分離し、上下で濃度差が生じる。この濃度差に対しても、インクタンク7の内部と同様に、インクジェットカートリッジ8が攪拌動作によって攪拌されることで同様に攪拌されて、濃度差が抑えられ、濃度が均衡化される。
4 攪拌換算パラメータについて
次に、図4に、記録動作の際に行われる走査によって攪拌される攪拌の度合いを攪拌動作に換算するテーブルを示す。このテーブルが用いられて、ユーザーの指定した記録媒体の種類及び記録モードから攪拌換算パラメータが決定される。設定された記録モードから記録動作時のキャリッジ5が左右に往復移動する際の両端での停止状態から定速状態となったときまでの加速度、加速距離、一定速度となったときの速度が導き出され、これから攪拌換算パラメータを引き出すことができる。前述のように、インクジェットカートリッジ8における、停止状態から一定速度までの加速度、加速距離、一定速度時の速度は、記録モードによって異なってくる。このテーブルは予め記録モードに対応付けて設定されているテーブルであるため、メインコントロール基板14上の不揮発性メモリ16に格納されているプログラムROMに保存されている。具体的な使い方については後述する図7以降のシーケンスの説明で説明する。なお、図4では3枚のテーブルを用いることとしているが、さらに多くのテーブルが用いられても良い。
5 インク残量パラメータについて
図5に、インク残量パラメータとインク残量の関係についてのグラフを示す。インク残量と攪拌換算パラメータとの間に線形性がある場合は計算によって導くこともできる。本実施形態では、図5のグラフがプログラムROMにあらかじめ保存されている。図の横軸はインク残量を示す。本実施形態では単位はmlだが、機器によってはさらに大きい場合もあるし少ない場合もある。縦軸はインク残量パラメータを示す。このインク残量パラメータの攪拌換算パラメータへの反映については、図7以降のシーケンスの説明で後述する。インク残量が規定値LR以上の場合には、インクの残量が十分にあるためにタンクの往復動作による攪拌が効果を上げやすく、記録動作における往復動作がそのまま攪拌に効果を与えることになる。インクタンク7内部のインク残量が規定値LRよりも少ない領域では、攪拌動作による効果が小さくなることから、1よりも大きな係数を乗じることで、攪拌動作を多く行うようにする。本実施形態におけるインク残量が規定値LR以上の領域では、インク残量を考慮する際に残量が十分に多く収容されていることから、図4によって決定された攪拌換算パラメータに対する係数を1としてそのまま用いられることとされている。このように、インク残量から求められたインク残量パラメータを攪拌換算パラメータに積算することで、インク残量について考慮された攪拌換算パラメータを算出している。
また、ここでいう規定値LRとは、インク残量がこの値よりも多い場合には攪拌動作を行う必要がなく、この値よりも少ない場合には攪拌動作が求められていることとする閾値のことである。これは、予め実験から得られている値であり、インクの組成、インクタンクの構造、インクの色などにより決まってくる値で、図5に示される、プログラムROMに記憶されているグラフに予め設定されている。また、このグラフを参照する際につかうインク残量は、その検知方法には光学式や静電式や打ち込み量を計算する方式などが複数考えられるが、本実施形態では、インクの打ち込み回数をカウントすることでインクの残量を計算する方式が採用されている。そして、交換の際には、本実施形態では、ユーザーの指示で新品のインクタンクに交換したことを指示するものとしている。その際に、各インクタンクの残量は、記録装置1の設定保存用の不揮発性メモリ内に色ごとに保存しているメモリの該当アドレスをインクタンクが新品すなわち満杯の場合の値にセットする。その後に記録ヘッド6でインクを吐出するたびにその吐出した回数をカウントしていき、それを先のインク残量を管理しているメモリの値から減算してインク残量を更新していく。なお、記録ヘッド6が口径の異なる複数の吐出口を有しているのであれば、インク残量を算出する際には、インク吐出の回数をカウントするだけでなく、吐出したインクの吐出口ごとにインク吐出量と吐出回数とを積算する。このようにして算出された吐出口ごとのインク吐出量を合わせることで、消費されたインク量を算出することとしても良い。
なお、インクタンクの交換の際には、インクタンクの交換後、新品のインクタンクを設置した際に、その旨をユーザーによる操作(スイッチやプリンタードライバーなどで指示できる)によって、記録装置1に対して記憶させても良い。また、記録装置1が、インクタンクのIDチップにアクセスすることで新しいインクタンクであることを認識し、これによってインクタンクが交換されたとすることとしても良い。あるいは、設置されたインクタンクの状態を検知することでインクタンクが交換されたことを認識することとしても良い。
次に、インク残量が規定値LR以下で飽和値SR以上のときについて説明する。ここで、飽和値SRは、インクタンク内のインク残量が少なくなることで攪拌による効果が出難くなり、そこからさらにインク残量が少なくなることで、攪拌による効果が得られなくなるような領域となるかどうかの閾値のことである。飽和値SRは、予め実験によって求められており、プログラムROMに保存されている値である。
インク残量が少なくなると、その影響によって記録動作における往復動作を行っても攪拌効果が出難くなる。そのため、より多くの攪拌が求められるので、インク残量パラメータは、攪拌換算パラメータに対して最終的に積算されてキャリッジが往復する回数を増加させるために1より大きく設定されている。本実施形態では、インク残量が規定値LR以下で飽和値SR以上の領域は、図5に示されるグラフが線形になっているが、非線形に効果が減っていくことも考えられる。この時のインク残量パラメータについて攪拌換算パラメータに対してどのように反映させるかについては、図7以降のシーケンスの説明で後述する。
次に、インク残量が飽和値SR以下の場合について説明する。この領域では、インク残量が過度に少ないことから、キャリッジ5の単純な往復運動では攪拌に対して効果が生じない。従って、この領域においては、記録装置1上でのインクタンク内の攪拌を行っても、インク濃度の均質性を回復することは困難と考えられる。故に、インクタンクの交換をユーザーに勧める、あるいは、記録装置1から外して別の手段による回復によって濃度の均質性を得ることが考えられる。別の手段による回復について、具体的には、インクタンクが主走査方向に長いことから、記録装置1上での攪拌動作である主走査方向よりも記録媒体の搬送方向への振動を加えることができればその方が攪拌の効果は高くなる。記録媒体の搬送方向への攪拌を行うには、ユーザーの手による攪拌によって行われても良いし、その方向への攪拌が可能な専用の攪拌器が用いられても良い。また、その他の手段としては、一定時間インクタンクを逆向きに立てることで沈殿したインクの沈降を拡散できるようにすることも考えられる。この際のインク残量パラメータは、飽和値SRに飽和しているので、実際にはこの領域にあることが認識された場合は、攪拌動作のために攪拌回数を算出することは行なわず、ユーザーに別の手段を薦めることになる。従って、攪拌換算パラメータが飽和値SRとなった際には、この飽和値SRを攪拌換算パラメータの算出に際して使うことはない。このように、攪拌動作の前に、閾値である飽和値SRを用いて攪拌動作によってインク濃度を回復させることの可否が判断されている。すなわち、攪拌動作が行われる際には、前回の攪拌動作からの経過時間が飽和値を超えているかどうかによって攪拌の可否を判断する攪拌可否判断が行われている。
なお、インク残量パラメータを決定する際には、図4に示されるようにインク残量パラメータについてのテーブルを参照することによって決定しても良い。また、インク残量パラメータを算出するのに法則性があるようであれば、予めインク残量パラメータを求めるための計算式が用意され、計算式に基づいてインク残量パラメータが求められるようにしても良い。
6 攪拌間隔パラメータについて
図6には、攪拌換算パラメータへの攪拌動作の間隔の影響を換算するためのグラフが示されている。図6に示されるグラフには、複数のインク種類について複数のグラフが示されており、インクの種類の相違の影響についても攪拌換算パラメータに換算することが可能であることが示されている。
攪拌換算パラメータを算出する際には、攪拌動作の時間間隔と攪拌換算パラメータとの関係が、グラフとして予め実験によって求められており、コントロールユニットのプログラムROMに保存されている。図6のグラフにおける縦軸は、攪拌換算パラメータに乗じることで、攪拌動作の時間間隔について考慮した記録ヘッドの往復回数を算出することが可能な攪拌間隔パラメータを示している。また、横軸は攪拌間隔の時間を示している。ここでいう攪拌間隔とは前回の攪拌動作から今回の攪拌動作までの経過した時間のことである。すなわちタイマー管理された時間ごとにキヤリッジ5を往復移動させてインクタンク内の濃度の均一性を改善する動作を行ってからの、これから行う攪拌動作までの時間のことである。攪拌間隔の算出方法については図7以降のシーケンスの説明で後述する。本実施形態では、図6に示されるグラフで用いられる時間の単位は時(hrs)を用いているが、日または分を単位とした方が好ましい場合もある。
なお、攪拌動作の間隔を考慮して攪拌換算パラメータを算出する際には、図4のようなテーブルを参照しても良く、また、線形関係等の関係を有する場合には、計算で求めても良く、このように算出を行う方が適当な場合もある。その際、攪拌動作の時間間隔と攪拌換算パラメータとの関係が、テーブルまたは計算式として予め実験によって求められている。このように、前回の攪拌動作からの経過時間に基づいて、前回の攪拌動作と今回の攪拌動作の時間間隔が攪拌の程度へ及ぼす影響を換算する攪拌間隔パラメータが設定される。そして、攪拌動作における往復回数は、後述するように、前回の攪拌動作からの時間間隔を加味する前の往復回数に対して攪拌間隔パラメータを乗じることで算出される。
顔料インクの沈降の進行度合いは、記録装置ごとに異なる。このパラメータの攪拌効果への反映については後述する。また、本実施形態では、複数のグラフが示されているが、これはインクの色毎の違いを示している。インクのタンク内での沈降の進行度は、色材と溶媒との比重差、タンクの構造(色毎にタンクが違う場合もある)によっても異なるためである。
沈降の度合いが異なると、それによって、色の濃淡が及ぼす画像への影響の程度に差が生じる。まず攪拌間隔が攪拌時間における規定値LT以下の場合は、インクの沈降があまり進んでいないために、通常の記録動作におけるキヤリッジ5の往復運動が攪拌効果を生み易い。従って、インク濃度を回復させるために別途攪拌動作を行う必要が無く、記録の際の記録ヘッド6の往復移動だけで十分にインクタンク7内部のインクが攪拌される。このため、攪拌間隔が規定値LT以下の場合は、記録の際の移動以外の攪拌動作は行われない。この場合、本実施形態では図4で決定された攪拌換算パラメータに対する係数を1としてそのまま用いられることとされている。ここで、規定値とは実験や仕様によって予め決定され、本体のメインコントロール基板14のプログラムROMに保存された設定値で、前回の攪拌動作からの経過時間から攪拌動作が必要かどうかを判断する閾値である。
次に、攪拌間隔が規定値LTより大きく、飽和値ST以下の場合は、その攪拌間隔に比例して攪拌効果が出難くなっていく領域である。この領域では、徐々にインクが沈殿していくので、時間が経過していくに従って色材がインクタンクの底に張り付き攪拌によっても分散し難くなる。この場合、本実施形態では、攪拌回数の算出において図4の攪拌換算パラメータに積算することによって、攪拌間隔時間が考慮された攪拌換算パラメータを算出している。この場合、インクが沈殿することで攪拌による効果が得られ難くなってきていることから、それだけ多くの攪拌が求められるようになっており、攪拌間隔パラメータを1以上に設定している。色毎に傾きが異なるのは、色毎に沈降の進行度が異なることによる。また、インクの色毎に色材と溶液との比重の関係が異なり、また、濃度差が画像に対する影響の与え易さが異なることにもよる。
このように、攪拌間隔が規定値LT以上となったときに攪拌動作が必要とされ、記録の際の記録ヘッド6の主走査方向への移動以外の攪拌動作が別途行われることになる。従って、攪拌間隔における規定値LTが、攪拌動作を必要としている状態か否かを決定するための判断の材料の一つとなる。攪拌間隔がLT以下であればインクタンク7内部のインクは攪拌を必要としないので攪拌動作は行われず、攪拌間隔がLTより大きければインクタンク7内部のインクが攪拌を必要としているので攪拌動作が行われる。
次に、攪拌間隔が飽和値ST以上の領域においては、キャリッジ5の単純な往復運動では、もはや攪拌に対して効果が出ない領域である。この領域においては、記録装置上でのインクタンク内の攪拌ではインクの濃度の均質性を回復することは困難と考えられるので、インクタンクの交換をユーザーに勧めたり、記録装置から外して別の手段による回復を行うことが考えられる。具体的にはインクタンクは主走査方向に長い形状となっているので、記録装置1上での攪拌動作である主走査方向の運動よりも、記録媒体の搬送方向への振動を加えることができれば、主走査方向のみへの攪拌よりも攪拌の効果は高い。それには、ユーザーの手による攪拌や、記録媒体の搬送方向へ攪拌可能な専用の攪拌器による攪拌が考えられる。また、その他に、一定時間インクタンクを逆向きに立てることで沈殿したインクの沈降に対して均一化を図ることが考えられる。
ここで、飽和値とは、前回の攪拌動作からの経過時間からインクジェットカートリッジ8の往復運動による攪拌動作によりインク濃度の回復が可能であるかを判断する閾値のことである。このように、攪拌動作の前に、閾値である飽和値STを用いて攪拌動作によってインク濃度を回復させることの可否が判断されている。すなわち、攪拌動作が行われる際には、インク残量が飽和値よりも少ないかどうかによって攪拌の可否を判断する攪拌可否判断が行われている。
7 記録動作における各種パラメータの算出シーケンスについて
図7に記録動作時における記録動作に伴うキャリッジの往復運動による攪拌効果の算出方法についてのフローチャートを示す。図8には、その際に行なわれるメモリ内のデータの流れが示されている。
まず、記録動作が行われるかの判断をする(S101)。次に、記録装置1のメインコントローラユニットとしてのメインコントロール基板14に接続されている揮発性メモリ18のスキャン数を保存するスキャン数保存領域51をクリアする(S102)。これは、これから行なわれるプリントにおけるスキャン数をカウントするための準備段階としての工程である。次に、記録装置1のメインコントロール基板14がI/F31等を経由してパソコンなどの機器から記録データを受信する(S103)。その際には記録データの受信に先立ち、記録モードなどの記録情報が設定される。そして、それに引き続き、メインコントロール基板14は記録データをI/F31を経由して記録データ受信領域52で記録データを受信する。次に、メインコントロール基板14は、受信後、受信バッファに保存された記録データから印字パラメータ(紙の種類、印字品位、印字速度の設定など)を読み出す。記録装置1へ転送された記録データにはこれらの情報が付帯的に含まれ、コマンドでそれらを峻別することが可能であり、抽出は容易である。その後、印字パラメータから記録装置1の制御パラメータ(CR(キャリッジ)の一定速度、加速距離、加速度)を参照し、制御パラメータを取得する(S104)。これらの間の相関テーブル53は、不揮発性メモリ16に格納されたプログラムROM54に予め保存されている。そして読み出された制御パラメータは揮発性メモリ18の制御パラメータ保存領域59に保存される。次に保存された制御パラメータをもとにプログラムROM54に保存された攪拌換算パラメータテーブル55を参照し、攪拌換算パラメータが取得される(S105)。そして読み出された攪拌換算パラメータが揮発性メモリ18の攪拌換算パラメータ保存領域56に保存される。このように、記録する際の記録ヘッドの走査における記録ヘッドの停止状態から定速状態となるまでの加速度、加速距離及び定速状態となったときの速度に基づいて、攪拌換算パラメータが設定される。この攪拌換算パラメータは、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度が、攪拌動作における攪拌の効果に換算されたパラメータである。そして、攪拌動作における往復回数は、設定された攪拌動作における往復回数の初期値から前記攪拌換算パラメータが減算されることで算出されて、これから行なわれる記録動作の1スキャンあたりの攪拌換算パラメータを得る。このように、本実施形態における後述する攪拌動作は、キャリッジの一定速度、加速距離、加速度を参照することで、記録を行う際の記録ヘッド6の主走査方向に対する往復移動の条件に応じて、記録ヘッド6を往復移動させる往復回数を設定している。
次に、記録動作が行われる。その際には、記録装置1がシリアルスキャンタイプなので、先に説明したようにインクジェットカートリッジ8を搭載したキヤリッジ5が走査方向に往復運動しながら記録が行われる。そして、記録の際にはスキャン数がカウントされており、揮発性メモリ18におけるスキャン数保存領域51のスキャン数を更新していく(S106)。この工程は記録が終了するまで続き、受信したデータ分の記録が終了したと判断されれば、記録工程が終了する(S107)。
次に、その記録ジョブトータルの積算攪拌換算パラメータ値を算出する。具体的には揮発性メモリ18に保存された1スキャンあたりの攪拌換算パラメータとカウントアップされたその記録ジョブのスキャン数をかけて、今回の記録の際の走査によって得られる攪拌換算パラメータ値を計算する。これにより得られた今回の記録ジョブ終了後の積算された攪拌換算パラメータ値を、積算後攪拌換算パラメータ保存領域57に保存する(S108)。
次に、設定値を保存している不揮発性メモリ17に保存されている前回攪拌換算パラメータ保存領域58から、過去の積算された積算後攪拌換算パラメータの値を読み出す。そして、今回の積算後攪拌換算パラメータを、加算領域60で読み出した過去の分の積算後攪拌換算パラメータに加算して積算攪拌換算パラメータの値を更新する。そして、その値を先の設定値を保存している不揮発性メモリ17の前回攪拌換算パラメータ保存領域58に保存する(S109)。以上のプロセスをもって一回の記録ジョブにおいて積算後攪拌換算パラメータ値を算出する。
8 攪拌動作のシーケンスについて
図9に攪拌動作間の時間の間隔について説明する。まず攪拌タイマーによって読み出される攪拌動作の時間間隔が規定値以上であるかの判断となる攪拌動作間隔による攪拌要否判断が行なわれる(S201)。攪拌タイマーとは、攪拌動作のプログラムROMが、タイマーICなどで実現される時間取得機能を用いて管理している時間情報を基に、前回の攪拌動作の時間と現在の時刻とから、前回からの攪拌動作からの経過時間を測定する機能を有している。このとき、前回の攪拌動作の時間は、メインコントローラユニットの設定保存用の不揮発性メモリに保存されており、これを読み出すことで得る。この判断でまだ攪拌タイマー機能が規定値以下の場合は攪拌動作を必要とするタイミングではなく、攪拌が不要な状態であるということを示している。一方、攪拌タイマーの値が規定値より大きい場合には、記録装置1における記録ヘッド6及びインクタンク7を含むインクジェットカートリッジ8が攪拌動作を必要となったことを示している。なお、このときにインク残量が規定値以下であるかどうかの、インク残量に関する攪拌要否判断が行われても良い。
次に攪拌タイマーにより測定される攪拌動作の時間間隔が飽和値より大きいかどうかを判断する(S202)。もし、前回の攪拌動作からの経過時間が飽和値を超えていれば、回復のために攪拌動作が行われたとしても、インク濃度の回復が不可能であり、攪拌不可能となったと判断されることを示している。飽和値は、実験や仕様によって予め決定され、記録装置1の本体のメインコントロール基板14における不揮発性メモリに格納されているプログラムROMに保存されている。このように、攪拌動作の前に、攪拌動作によるインク濃度の回復を必要とするくらいまでにインク濃度が上昇した部分があるのかどうか、すなわち、攪拌動作が必要とされている状態かどうかの判断である攪拌要否判断が行われている。
ここで、記録装置1が、長期間電源に接続されずに切られていた場合について述べる。電源システムの仕様によって異なるが、まず、ACケーブルを接続した状態で電源の低消費モードでメインコントロール基板14が停止していない状態が続いた場合について説明する。この場合、メインコントロール基板14が攪拌を必要であるかどうかを判断することができるので、上記の攪拌タイマーが飽和値を超える前にユーザーに対して攪拌が必要である旨表示する、あるいは攪拌を行うことで濃度の均一化を図ることが可能である。
しかしながら、記録装置1の電力供給が切断された際に、メインコントロール基板14に対してACケーブルからの電源供給が絶たれる場合には、メインコントロール基板14は停止状態であるので、攪拌タイマーが飽和値を超えているかは判断できない。そのため、攪拌タイマーによって攪拌動作の間隔が飽和値を超えていたとしても、ユーザーに対して攪拌が必要である旨を表示できず、また、別の手段を用いて濃度の均一化を図ることもできない。そして、次に記録装置に対してACケーブルを接続して、ACケーブルからの電源供給を再開したときに、プログラムROMが動き出す。そして、メインコントロール基板14の設定保存用の不揮発性メモリから前回の攪拌動作の時間を読み出し、タイマーICから現在の時刻を得て、前回の攪拌動作からの経過時間を判断する。このときに攪拌タイマーの値が飽和値をはるかに超えている可能性が考えられる。次に攪拌タイマーにより測定される攪拌動作の時間間隔が、飽和値をはるかに超えてしまった場合には、顔料色素がタンク下部に沈降し、袋に張り付き、溶液がインク上部にあるのみといった濃度分離に至るような場合が考えられる。どこまでを攪拌可能と判断するかはインクおよびインクタンク固有の条件であるので実験および設計で決定するものであるが、ある種の攪拌不可能な状態を判断する必要性が生じてくる。本実施形態では、記録ヘッドからのインク吐出によって所望の濃度のインクが得られなくなるようなインクの状態となったときを攪拌不可能となったこととする。このように、攪拌タイマーが飽和値以上となり、キャリッジの攪拌動作のみによってはインク濃度の均一性の回復は不可能と判断された場合には、攪拌動作に移ることなく、インクタンクの交換や他の手段を勧める旨の表示を行う。他の手段とは、例えば、ユーザーの手によってインクタンクを記録媒体の搬送方向にも振動させる手動による方法やインクタンクを反転させるなどで攪拌することを勧める動作をすることである。
また、ACケーブルを接続中にも低消費モードでメインコントロール基板14が停止している場合には、上記の攪拌タイマーが規定値を超えることがあり得る。規定値を超えてもある程度の時間超過は、攪拌動作の中で対応可能とされており、キヤリッジユニットの往復動作による攪拌動作でもインクの不均一性を緩和できる。
攪拌タイマーが規定値以上、飽和値以下の場合には、本実施形態では、プログラムROMに予め保存されている攪拌間隔パラメータテーブルを用いて攪拌タイマーの値から攪拌間隔パラメータを読み出し、揮発性メモリの所定の領域に保存する(S203)。この攪拌間隔パラメータテーブルとは、図6に示される攪拌間隔と攪拌換算パラメータとの関係についてのグラフを、それぞれの数値ごとの関係を示すテーブルとしてプログラムROMに保存したものである。
攪拌間隔パラメータの算出時のメモリ間のデータ流れを図10に示す。まず、メインコントローラとしてのメインコントロール基板14が記録装置の設定用の不揮発性メモリ17上に保存された前回の攪拌動作の実行時刻を、前回攪拌動作実行時刻保存領域61にアクセスして読み出す。そして、読み出した前回の攪拌動作の実行時刻を、揮発性メモリ18の前回攪拌動作実行時刻一時保存領域62に保存する。次に、時間計測機能を持つタイマーIC63の時間情報を取得可能な時間情報取得領域64にアクセスして現在時刻を読み出し、揮発性メモリ18の時間情報保存領域65に保存する。次に、前回の攪拌動作時刻と現在の時刻から減算処理で攪拌間隔を算出して、揮発性メモリ18の攪拌間隔保存領域66に保存する。次に、算出された攪拌間隔を用いて不揮発性メモリ16に格納されたプログラムROM67に保存されている攪拌間隔パラメータテーブル68を参照し、読み出す。そして、揮発性メモリ18の攪拌間隔パラメータ保存領域69に読み出された攪拌間隔パラメータを保存する。
攪拌動作の指示は、記録装置本体のパネルユニットの表示器(例えばLEDや液晶パネルやブザーやスピーカ)や記録装置に接続されているコンピュータやカメラなどの機器上で動作するソフトウエアから行うことができる。この指示に対して、その指示をユーザーが履行しないと記録を禁止することとしても良いし、あるいはあくまでこれは警告であり、それを無視しても、記録はすることができることとしても良い。無視したうえで記録を行う場合は、攪拌動作ではインクの均一性を確保できないかもしれないが、それを承知の上でユーザーが判断するということとすれば良い。これらの判断は、製品の仕様に関わるものであり、本実施形態では、記録を禁止する前者の場合を採用している。
また、インクの沈降度の進行はインクの色ごとにばらつきがあり、交換やプリンタ外での攪拌を促す指示としては全色ではなく、攪拌の必要なインクタンクを指定して指示する場合も考えられる。インクの沈降度の度合いについては、インクの色ごとの特性を予め得ておいて、インクの残量と前回の攪拌動作からの経過時間から判断できる。
次に、インク残量についての判断を行う。
まず、インク残量が飽和値SR以下であるかどうかを判断する(S204)。これは、インク残量が飽和値SR以下の時には、キャリッジ5のみの攪拌動作ではインク濃度の均一性を回復することが困難であるからである。インク残量が飽和値SR以下になると、インク成分のうち色材成分がインクタンクの底部に沈殿し、少量の液体成分が沈殿した色材成分の上部にあるような状態となる。このようになると、キャリッジ5による攪拌動作のみではインク濃度の均一性を回復させることは困難となる。そのときには、インクタンクの交換や他の手段、例えばユーザーの手でインクタンクを記録媒体の搬送方向での振動やインクタンクの反転などで攪拌することを勧める動作が行われる(S212)。それは、記録装置本体のパネルユニットの表示器(例えばLEDや液晶パネルやブザーやスピーカ)や記録装置に接続されているコンピュータやカメラなどの機器上で動作するソフトウエアから指示することができる。このような指示に対して、それをユーザーが履行しないとプリント動作を禁止しても良いし、あるいはあくまでこれは警告であり、それを無視してもプリント動作は可能であるとしても良い。また、そのような状態で攪拌動作を行った際には、その攪拌動作ではインクの均一性を確保できないかもしれないが、それを承知の上でユーザーが判断するということになる。このことは、製品の仕様に関わるものであり、本実施形態では前者の場合を示している。このように、インク残量が飽和値SR以下であれば、攪拌動作は行われずに、インクジェットカートリッジを交換するか、あるいは攪拌動作以外の他の手段によってインク濃度の回復が行われる。また、インクの残量に対する攪拌動作への効果はインクの色毎でばらつきがあり、交換や記録装置上以外での攪拌を促す指示としては全色ではなく、インクタンクを指定して支持する場合もある。
次に、インク残量が飽和値よりも多ければ、インク残量からプログラムROMに収められているインク残量パラメータテーブルを参照してインク残量パラメータを読み出し、メインコントロールユニットの揮発性メモリの所定のアドレスに保存する(S205)。このインク残量パラメータテーブルとは、図5で示したインク残量とインク残量パラメータの関係をテーブルとしてプログラムROMに保存したものである。ここで、インク残量パラメータは、インク残量が攪拌動作における攪拌の程度へ及ぼす影響を換算するパラメータである。ここでのインク残検パラメータ算出時のメモリ間のデータの流れを図11に示す。まず設定値保存用の不揮発性メモリ17に保存された各色のインク残量をインク残量記憶領域71から読み出し、揮発性メモリ18のインク残量一時保存領域72に保存する。インクの種類ごとに読み出されたインク残量の中でもっとも残量が少ない色の残量を選び、それをもって不揮発性メモリ16に格納されたプログラムROM73に保存されたインク残量パラメータテーブル74を参照し、インク残量パラメータを読み出す。読み出されたインク残量パラメータは、揮発性メモリ18におけるインク残量パラメータ保存領域75に保存する。以上のプロセスによってインク残量パラメータが読み出される。
このように、本実施形態では、インクタンクの内部に貯留されているインクの残量に基づいて、インク残量が攪拌動作における攪拌の程度へ及ぼす影響を換算するインク残量パラメータが設定されている。そして、後述するように、攪拌動作における往復回数は、インク残量による影響を加味する前の往復回数に対してインク残量パラメータを乗じることで算出される。
次に、攪拌動作時のキヤリッジユニットの往復回数の計算が行われる(S206)。その際のデータの流れについて図12に示す。まず、メインコントロール基板14が設定保存用の不揮発性メモリ17の攪拌換算パラメータ保存領域81に保存されている攪拌換算パラメータを読み出し、揮発性メモリ18の攪拌換算パラメータ一時保存領域86に保存する。次に、不揮発性メモリ16に格納されているプログラムROM83のキャリッジ往復回数初期値保存領域84に予め設定されている攪拌動作時のキヤリッジ5の往復回数の初期値を読み出し、揮発性メモリ18のキャリッジ往復回数初期値一時保存領域85に保存する。それから、攪拌動作時のキヤリッジ5の往復回数の初期値、積算後の攪拌換算パラメータ、先に算出された攪拌間隔パラメータ及びインク残量パラメータを用いて、これから行なう攪拌動作時のキャリッジの往復回数を算出する。このとき、攪拌動作時のキヤリッジ5の往復回数の初期値は、揮発性メモリ18のキャリッジ往復回数初期値一時保存領域85に保存されている。また、積算後の攪拌換算パラメータは、攪拌換算パラメータ一時保存領域86に保存されている。また、先に算出されている攪拌間隔パラメータは、攪拌間隔パラメータ一時保存領域87に保存されている。また、インク残量パラメータは、インク残量パラメータ一時保存領域88に保存されている。そして、算出後のキャリッジ往復回数を再びキャリッジ往復回数初期値一時保存領域85に保存することでキヤリッジ5の往復回数を更新する。本実施形態では、メインコントロール基板14における往復回数設定手段としてのASIC15が、キャリッジ5の往復回数を算出して設定する。
その際の計算式としては、本実施形態においては図13に示された式が用いられる。攪拌動作時の往復回数Yは、攪拌時の往復回数の初期値Y0から積算した攪拌換算パラメータの値Σanを減じ、それにインク残量パラメータb、攪拌間隔パラメータcを乗じて計算している。これは予め規定した攪拌シーケンス時のキヤリッジの往復運動時の攪拌効果から、前回の攪拌動作と今回の攪拌動作の間に行なわれた記録動作の際のキャリッジの往復運動による攪拌効果が考慮されて、それに応じた攪拌動作の往復回数を算出している。また、さらにインク残量、攪拌間隔、色の種類といった関連するそれぞれの要素を重みづけることで、これらの要素も考慮されている。この算術式は、各種パラメータの設定の仕方によって変わってくるものである。この式の結果は、パラメータの設定の仕方によっては整数にならないが、その場合は切り上げる方が好ましい。それは、必要な攪拌に対して少ない攪拌だけしか行われないよりは、必要な攪拌よりも多い攪拌が行われた方がインク濃度の均一性を保持するうえで確実であり、攪拌数の設定に際して余裕を有して設定されていることになるからである。そして、切り上げられた算出結果を揮発性メモリ18のキャリッジ往復回数保存領域89に保存する。以上をもって、これから行なわれる攪拌動作におけるキヤリッジの往復動作の回数が、算出されたことになる。
次に、攪拌動作時の往復回数が有効値を持ち得るかを判断している(S207)。これは、記録ヘッドの往復回数の算出において、通常の記録動作時における往復回数が多かったために、今回の記録ヘッドの往復回数がマイナスになることを想定している。それはあえて攪拌動作が不要と判断されることに該当し、その場合は攪拌動作に移ることなくパラメータ、タイマーのリセット(S210)に遷移する。ここでいうパラメータのリセットとは、積算された攪拌換算パラメータをリセットすること、記憶されている前回の攪拌時間を現在の時間に書き換えること、攪拌タイマーをリセットすることを具体的には示す。なお攪拌回数が有効値であった場合、すなわち一回以上であった場合には、攪拌動作を行う(S208)。この際のキヤリッジの制御パラメータすなわち定速域の速度、加速度、加速距離はプログラムROMに予め保存されている。仕様によっては、制御パラメータは複数ある場合も考えられるが、本実施形態では一つの制御パラメータが用いられている。この制御方法でキヤリッジ動作を算出された往復回数で往復することでインクタンクの攪拌を行なう。本発明による攪拌動作においては、必ずしも記録の際に行われた記録ヘッドの往復移動の分の攪拌効果を考慮したからといって、別途行われる攪拌動作時の往復回数が減少されるとは限らない。それは、沈降の進行状況やインク残量パラメータ、攪拌間隔パラメータを用いて往復回数を算出しているためである。インク残量が飽和値以上規定値以下の場合や、攪拌間隔が規定値以上飽和値以下の場合や、攪拌効果の低いインクの色が含まれている等の場合には、それらのパラメータが1以上に設定されている。従って、これらのパラメータが往復回数を増加させる方向に偏ってしまうと、攪拌動作時のキヤリッジユニットの往復回数が予め設定されている初期値よりも大きくなる可能性がある。これは、単にキヤリッジの往復動作のみに着目せず、インクの沈降特性や構成に関連した攪拌間隔、インク残量、色の要素を考慮したうえで往復回数を算出しているからである。こうした場合は一見、課題として挙げている攪拌時間の短縮に効果がないようにも思われるが、このような攪拌動作は、必要な攪拌動作であると判断されたから行われているのである。従来のように、決まった回数によって攪拌動作が行われていた場合よりも、必要な攪拌動作が行われることで、インクタンク7内部のインク濃度の均一性が保たれて、インクの品質が長く保たれる。加えて、記録装置の使用頻度の高いユーザーにとっては記録動作を頻繁に行なうので、一回の回復動作の時間は短縮される方向に向かい、長い時間待機させられることなく記録装置1が快適に使用されることになる。一方、使用頻度の低い記録装置に対しては、攪拌回数を増やしたり、インクタンクの交換を促したり、プリンタ以外での攪拌を促すといった、ユーザーの記録装置使用時におけるインク濃度の安定性を保つといった意味では利便性が向上しているといえる。
そして、攪拌動作が終わる(S209)と、パラメータ、タイマーのリセット(S210)に遷移する。最後に攪拌タイマーを起動し、次の攪拌動作への時間計測を開始して(S211)、攪拌動作を終了する。
本実施形態の記録装置1によれば、攪拌動作を不必要に長く行わなくても良いので、記録装置1によって効率的に記録物を得ることができる。また、必要な分だけの攪拌動作は行われるので、攪拌によるインク濃度の均一性は保たれたまま、攪拌動作の間の時間を短縮することができる。このように、攪拌動作を必要とされている分だけを行うことにより、記録を行うことができない攪拌動作中の時間を短縮することで、ユーザーに対して待機時間を不必要に長くせずに済む。
なお、本実施形態においては、記録ヘッド6の移動の際の条件やインク残量、攪拌動作の時間間隔等、種々のパラメータを用いて、攪拌動作の際の記録ヘッド6の往復回数を設定することとしたが、これに代えて、攪拌時間を設定することとしても良い。すなわち、記録の際の主走査方向への往復移動とは別途の往復移動である攪拌動作は、記録を行う際の記録ヘッドの主走査方向に対する往復移動の条件に応じて、記録ヘッドを往復移動させる間の時間である攪拌時間が設定されることとしても良い。このようにして、攪拌される攪拌度合いを調節することで、攪拌の間のユーザーの待機時間を短縮しつつ、必要な攪拌動作は行われることになる。その際、メインコントロール基板14における攪拌時間設定手段としてのASIC15が、キャリッジ5の往復する攪拌時間を算出して設定するようにしても良い。
また、本実施形態では記録動作のキヤリッジ動作の攪拌効果を攪拌動作のキヤリッジの往復回数を設定することとしているが、攪拌動作が必要であるかどうかを判断するための攪拌タイマーの規定値を設定するという方法も考えられる。すなわち、攪拌動作が、記録を行う際の記録ヘッドの主走査方向に対する往復移動の条件に応じて、前回の攪拌動作から次に攪拌動作が要と判断されるまでの時間の間隔が設定されることとしても良い。こうすることで、初期設定に対して記録装置における攪拌動作に入るタイミングが調節されることになり、攪拌動作の間のユーザーの待機時間を減少させつつ、必要な攪拌動作は行われることになる。また、この際には、メインコントロール基板14における攪拌間隔時間設定手段としてのASIC15が、キャリッジ5に攪拌動作が行われる時間間隔である攪拌間隔時間を算出して設定するようにしても良い。
また、本実施形態では、攪拌動作は、記録ヘッドの往復回数が設定され、その所定の往復回数の往復移動を行うことで攪拌動作が行われることとしている。しかしながら、攪拌動作は、記録ヘッドの往復移動によって行われる形態だけに限定されない。例えば、同方向への加速、減速、停止が複数回繰り返されて攪拌動作が行われても良い。その際には、攪拌動作は所定回数の移動によって行われることになる。この場合には、記録ヘッドが設定された所定回数の移動を行うことで、攪拌動作が行われる。そして、このときの記録ヘッドが動き出してから止まるまでの間の周期を一回の移動回数としてカウントすることとしても良い。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のケースカバーを取り除いた状態を示す斜視図である。 図1のインクジェットカートリッジにおけるインクタンクの内部の断面図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の攪拌換算パラメータを決定する際に用いられるテーブルである。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のインク残量パラメータとインク残量との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の攪拌間隔パラメータと攪拌間隔時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の記録を行う際に各種のパラメータを決定するフローを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の攪拌換算パラメータを算出する際のデータの流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の攪拌動作を行う際のフローを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の攪拌間隔パラメータを算出する際のデータの流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のインク残量パラメータを算出する際のデータの流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の攪拌動作の際のキャリッジの往復回数を算出する際のデータの流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の攪拌動作の際のキャリッジの往復回数を算出する算出式である。
符号の説明
1 記録装置
5 キャリッジ
6 記録ヘッド
7 インクタンク
8 インクジェットカートリッジ
41 攪拌板

Claims (17)

  1. 記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部に貯留されているインクを攪拌する攪拌動作が行われ、
    前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における前記インク貯留部のインクの攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる移動回数が設定されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録する際の前記記録ヘッドの走査における前記記録ヘッドの停止状態から定速状態となるまでの加速度、加速距離及び定速状態となったときの速度に基づいて、記録を行う際の記録ヘッドの走査における前記攪拌の程度が前記攪拌動作における攪拌の効果に換算された攪拌換算パラメータが設定され、
    前記攪拌動作における移動回数は、設定された攪拌動作における移動回数の初期値から前記攪拌換算パラメータが減算されることで算出されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. インク貯留部の内部に貯留されているインクの残量に基づいて、インク残量が前記攪拌動作における前記攪拌の程度へ及ぼす影響を換算するインク残量パラメータが設定され、
    前記攪拌動作における移動回数は、インク残量による影響を加味する前の移動回数に対して前記インク残量パラメータを乗じることで算出されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前回の攪拌動作からの経過時間に基づいて、前回の攪拌動作と今回の攪拌動作の時間間隔が前記攪拌の程度へ及ぼす影響を換算する攪拌間隔パラメータが設定され、
    前記攪拌動作における移動回数は、前回の攪拌動作からの時間間隔を加味する前の移動回数に対して前記攪拌間隔パラメータを乗じることで算出されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記攪拌間隔パラメータは、インクの種類に基づいて、インク種類ごとの前記攪拌の程度に及ぼす影響を換算することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記攪拌間隔パラメータは、前記インク貯留部の形状に基づいて、前記インク貯留部の形状の前記攪拌の程度に及ぼす影響を換算することを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク貯留部の内部には、インクを攪拌するための攪拌手段が設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記攪拌手段は、可動とされた板状部材であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記攪拌動作によって前記攪拌の程度を向上させることの要否を判断するための、前回の攪拌動作からの時間に対する閾値となる規定値が設定されており、
    前記攪拌動作が行われる際に、前回の攪拌動作からの経過時間が規定値を超えているかどうかが判断される攪拌要否判断が行われ、
    前記経過時間が規定値を超えていなければ、前記攪拌要否判断で攪拌は不要と判断されて前記攪拌動作は行われず、
    前記経過時間が規定値を超えることで、前記攪拌要否判断の際に前記攪拌動作が要と判断されたときには、前記記録ヘッドを移動させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記攪拌動作によって前記攪拌の程度を向上させることの可否を判断するための、前回の攪拌動作からの時間に対する閾値となる飽和値が設定されており、
    前記攪拌動作が行われる際に、前回の攪拌動作からの経過時間が飽和値を超えているかどうかが判断される攪拌可否判断が行われ、
    前記経過時間が飽和値を超えていれば、前記攪拌可否判断で、前記攪拌動作による攪拌を行ってもインク濃度の回復が困難であると判断されて前記攪拌動作は行われず、ユーザーに対して前記攪拌動作によっても回復が困難である旨を表示することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記攪拌可否判断によって、前記攪拌動作によってもインク濃度の回復が困難であると判断されれば、ユーザーに対して手動による攪拌を促す旨を表示することを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記攪拌動作は、前記記録ヘッドを往復移動させることで行われ、
    0を、攪拌動作時の往復回数の初期値とし、
    aを、記録する際の記録ヘッドの走査時における停止状態から定速状態となるまでの加速度、加速距離及び定速状態となったときの速度に基づいて、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度が前記攪拌動作における攪拌の効果に換算された攪拌換算パラメータとし、
    nを、記録ヘッドが記録の際に行う走査方向へのスキャン数とし、
    bを、インク貯留部の内部に貯留されているインクの残量に基づいて、インク残量が前記攪拌動作における前記攪拌の程度へ及ぼす影響を換算するインク残量パラメータとし、
    cを、前回の攪拌動作からの経過時間に基づいて、前回の攪拌動作と今回の攪拌動作の間の時間間隔が前記攪拌の程度へ及ぼす影響を換算する攪拌間隔パラメータとすると、
    攪拌動作時の往復回数Yは、
    Y=(Y0−Σan)・b・c
    の式で算出されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  13. 記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部内部のインクを攪拌する攪拌動作が行われ、
    前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる間の時間である攪拌時間を設定する攪拌時間設定手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部内部のインクを攪拌する攪拌動作が行われ、
    前記攪拌動作によって前記攪拌の程度を向上させることの要否を判断するための、前回の攪拌動作からの時間に対する閾値となる規定値が設定されており、
    前記攪拌動作が行われる際に、前回の攪拌動作からの経過時間が規定値を超えているかどうかが判断される攪拌要否判断が行われ、
    前記経過時間が規定値を超えていなければ、前記攪拌要否判断で攪拌は不要と判断されて前記攪拌動作は行われず、
    前記経過時間が規定値を超えることで、前記攪拌要否判断の際に前記攪拌動作が要と判断されたときには、前記記録ヘッドの移動が行われ、
    前記攪拌動作で、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記規定値が設定されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におけるインクの攪拌方法において、
    前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部に貯留されているインクを攪拌する攪拌動作が行われ、
    前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる移動回数が設定されることを特徴とするインクの攪拌方法。
  16. 記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におけるインクの攪拌方法において、
    前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部に貯留されているインクを攪拌する攪拌動作が行われ、
    前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記記録ヘッドを移動させる間の時間である攪拌時間を設定することを特徴とするインクの攪拌方法。
  17. 記録ヘッド及び該記録ヘッドに供給するインクを貯留したインク貯留部を主走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におけるインクの攪拌方法において、
    前記記録ヘッドを移動させることによって前記インク貯留部内部のインクを攪拌する攪拌動作が行われ、
    前記攪拌動作によって前記攪拌の程度を向上させることの要否を判断するための、前回の攪拌動作からの時間に対する閾値となる規定値が設定されており、
    前記攪拌動作が行われる際に、前回の攪拌動作からの経過時間が規定値を超えているかどうかが判断される攪拌要否判断が行われ、
    前記経過時間が規定値を超えていなければ、前記攪拌要否判断で攪拌は不要と判断されて前記攪拌動作は行われず、
    前記経過時間が規定値を超えることで、前記攪拌要否判断の際に前記攪拌動作が要と判断されたときには、前記記録ヘッドの移動が行われ、
    前記攪拌動作では、記録を行う際の記録ヘッドの走査における攪拌の程度に応じて、前記規定値が設定されることを特徴とするインクの攪拌方法。
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