JP2005161660A - インクジェット記録方法、及びこれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、顔料の沈降という問題に対し、より精度よくインクタンク内の顔料の沈降状態を予測し、対策を講じることで、顔料の沈降に起因する印字画像の劣化を抑制できるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 放置により含有成分が沈降し得る顔料をインクタンクに保持する構成において、測色を行うためのパッチを印字させ、この印字されたパッチを光学センサによって読み取って測色した結果に基づいて、記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復処理を制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】 放置により含有成分が沈降し得る顔料をインクタンクに保持する構成において、測色を行うためのパッチを印字させ、この印字されたパッチを光学センサによって読み取って測色した結果に基づいて、記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復処理を制御する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、記録ヘッドから被記録材に対しインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等において用いられる記録装置は、文字、画像などの記録情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材上に上記記録情報に応じてドットを形成して記録を行うものである。このような記録装置は、その記録方式として、インクジェット方式、ワイヤドット方式、熱転写方式、レーザービームなどを用いた電子写真方式などが知られている。これらの方式のうち、インクジェット方式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録ヘッドの吐出ノズルからインク(記録液)滴を吐出し、これを被記録材に付着させて上記のドットを形成するものであり、用いる被記録材の種類がそれほど限定されず、また、記録動作が比較的高速であり、しかもその動作に伴う騒音も少ないなど種々の利点を有し、広く用いられている。
上記のようなインクジェット記録装置では、インク滴を吐出するノズルの集積密度をあげながら、1ドットあたりのインク吐出量を小さくすることで、更なる高解像度画像の記録を実現する。また、より銀塩写真に迫る画質を実現するために、基本となる4色インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の他に、これらの染料濃度を低くした淡インクを同時に記録する等の多彩な技術が展開されている。更には、この高画質化が進むにつれて懸念される記録スピードの低下も、記録素子の多数化や駆動周波数の向上、更には、記録ヘッドの往復の走査時に記録を行う両方向記録のような記録技術により良好な結果が得られている。
なお、インクタンクの製造年月日からの経過時間や最後に印字してからの経過時間によってヘッドのクリーニング部を動作させ、沈降により顔料濃度が上昇した部分を排出する構成が従来より知られている。(例えば特許文献1)
特開2002−234196号公報
上記のような発展を遂げている一方で、インクジェット記録技術において、印字の明瞭さや耐水性・耐光性等が求められ、それを達成する1つの方法としてインクの着色剤として染料ではなく顔料を使用することが提案されている。顔料を用いたインクでは、顔料はインク溶媒中に分散された状態で存在しており、長期間静置状態にあると溶媒よりも比重の大きい顔料はインクタンクの底部に沈降してしまう。そのため、インクタンクに収容されているインクの上層部と下層部とでは顔料濃度差を生じ、結果として印字濃度に差異を生じさせてしまうという問題があった。
この問題に対し、特開2001-260377号公報ではインクタンクの内部構造を工夫することにより沈降したインクがインクタンク外に排出されないことで解決しようとしている。すなわち、インクタンクの外部への開口部を底面より高い位置にし、底面に強力なインク吸収体を設置することで沈降したインクを開口部よりも低い位置にある底部に溜め込んでしまうというものである。しかしこの方法では沈降したインクが残った状態でインクタンクを交換することになり、効率的なインクの使用という意味で問題があった。同時期に出された特開2001-260378号公報ではインクが沈降し易い場所をインク吸収体で埋め込んだというもので、沈降問題を本質的に解決していない。また同時期に出された特開2001-260379号公報ではインクタンクの外部への開口部をインクタンクの最底面に位置させ、長期放置後の初期インク供給において沈降したインクを外部に排出してしまうという手段が提案されているが、インクジェット記録装置に設置されてから長期放置された場合に沈降したインクに対しては対処できないという問題があった。
特開2002-225304号公報では、インクタンクの底面に発熱体を取りつける、もしくはインクタンク底面を熱透過性にして外部から熱を加えることによりインクに対流を生じさせ、それによって撹拌するという手段が提案されている。これはそれなりの効果が期待できるが、発熱体という撹拌専用の機構を備えなければならず、撹拌専用の機構を必要としない代替手段があればそちらを使用したい。
特開昭60-110458号公報では、インクタンク内にインク撹拌用の回転子を内蔵し、前記回転子を回転させることでインクの沈降を解消する手段が提案されている。しかし、回転子自体及び回転子を回転させる機構が比較的大型であるためインクタンクの小型化に不適であり、さらにコスト的にも問題があった。
特開2002-192742号公報では、インクタンク設置部にインクタンクに接するようにピエゾ素子を備え、前記ピエゾ素子を振動させることによってインクタンクを振動させ、それによってインクを撹拌するという手段が提案されている。しかしピエゾ素子という撹拌専用の機構を備えなければならず、またコスト的にも問題があった。
インクタンクにおいてインクを撹拌するという手段以外に、特開2002-1992号公報では、記録装置本体に固定された大容量インクタンクを持ち、チューブにより記録ヘッドにインクを供給するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドに備えられたサブタンク内でのインク沈降に対して、サブタンク内を減圧し、その後インクタンクとの連通弁を開けることで一気にインクを供給し、その勢いによってサブタンク内のインクを撹拌するという手段が提案されている。しかし、サブタンク内を減圧する過程で沈降したインクがサブタンク外に排出されてしまうので本質的に沈降現象の対策になっているとは言えなかった。
また、特開2002-234196号公報では、インクジェット記録装置が沈降状態取得部を持ち、取得部の情報に基づいて記録ヘッドのクリーニング部を制御するという手段が提案されている。沈降状態取得部の情報とは、インクタンクの製造年月日や、最後の印字がなされてからの経過時間であり、クリーニング部の制御とは記録ヘッドからインクを排出するという制御である。この手段はインクを捨てるというデメリットはあるものの顔料の沈降問題に対して特別な機構を必要とせず、優れた方法であると言える。しかし、沈降状態の取得の方法として、インクタンクの製造年月日では該インクタンクがインクジェット記録装置に設置されてからの沈降状態を把握することができず、また最後の印字がなされてからの経過時間だけではごくわずかな印字がなされただけでも経過時間がリセットされるので沈降状態を精度よく予測できないという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、顔料の沈降という問題に対し、より精度よくインクタンク内の顔料の沈降状態を予測し、対策を講じることで、顔料の沈降に起因する印字画像の劣化を抑制できるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録方法であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、印字物の測色を行うための光学センサと、測色を行うためのパッチを印字するモードと、前記パッチの測色結果に応じて前記吸引回復部を制御する吸引回復制御部と、を備えることを特徴としている。
また、本出願に係る第2の発明は、前記吸引回復制御部は、前記パッチの測色結果が規定値を超えた場合に、吸引回復部を操作して前記記録ヘッドのノズル部から所定量のインクを排出する処理を行うことを特徴としている。その際、前記排出される所定量は、前記パッチの測色結果に応じて段階的に変化させたり、次の印字ジョブの指令が来ている場合にはその印字モードや用紙の種類によって変えたりすることで、より無駄の少ない制御を行うことが出来る。また、前記測色とはL*a*b色空間の測色であり、前記規定値とは測色結果から求められるΔEに対して設定されるものである。あるいは、前記測色とは反射率の測色であり、前記規定値とは測色結果から求められる光学濃度に対して設定されるものである。
また、本出願に係る第3の発明は、第1の発明に記述された装置・性能に加え、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、を備えたインクジェット記録方法であって、前記時計機能部が測定している時間は印字が終了するたびにリセットされ、且つ所定時間が経過して以降最初に印字の命令が来たときに自動的にパッチの印字、測色、判定、吸引回復処理を行うことを特徴としている。前記パッチの印字以下のシーケンスは、前記所定時間が経過して以降所定量の吐出が為されるごとに行われる。また前記シーケンスの繰り返しを終了するタイミングは、吸引回復処理が行われた場合、あるいは所定回数前記シーケンスを繰り返した場合とし、終了と同時に前記時計機能部が測定している時間をリセットする。
また、本出願に係る第4の発明は、前記吸引回復処理における吸引量は、前回までの吸引量と測色結果の関係の履歴をフィードバックさせることが出来ることを特徴としている。
本願発明によれば、より精度が高くまた効率的に含有成分の沈降を起因とする印字画像の劣化を抑制することができるインクジェット記録装置を提供できる。
以下、添付図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。全図において、同一の符号がつけられている構成要素は、すべて同一のものを示す。本発明はこれらの実施形態のみに限らず、これらをさらに組み合わせたり、この特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
まず、インクジェット記録装置の全体構成について説明する。図7は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の全体構成の一例を示す概略斜視図である。図7に示すように、従来のインクジェット記録装置は、回復手段2と、第1搬送ローラ対3と、第2搬送ローラ対4と、記録ヘッド5と、キャリッジ6と、ベルト7と、プーリ8と、ガイドシャフト9と、供給チューブ10と、インクタンク11とから構成されている。
第1搬送ローラ対3と第2搬送ローラ対4とは、一定間隔を隔てて配置されており、それぞれ個々のステッピングモータ(不図示)によって駆動されて記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段である。紙等の記録媒体である記録シート1は、ロール状に巻かれるか、あるいはカセットに複数枚積載されており、図示しない給紙ローラによって記録位置に搬送され、さらに、第1搬送ローラ対3および第2搬送ローラ対4によって矢印A方向に搬送される。
記録ヘッド5はキャリッジ6に搭載されている。キャリッジ6にはベルト7およびプーリ8a、8bを介してキャリッジモータ23が連結されており、キャリッジ6は、キャリッジモータ23の駆動によりガイドシャフト9に沿って往復走査する。
記録ヘッド5は、複数の吐出口を有するインクジェット記録ヘッドである。記録ヘッド5の各吐出口から吐出されるインクは、キャリッジ6が走査しない位置に設置されたインクタンク11より供給チューブ10を通じて記録ヘッド5に供給され、画信号に応じて吐出される。インクタンク11と供給チューブ10はピン(不図示)により接続されており、前記ピンの開口部はインクタンク11の最底面に位置するよう設計されている。また、画信号とは、画像データの信号のことである。記録ヘッド5は、電気エネルギを熱エネルギに変換する電気熱変換体(不図示)を備え、その電気熱変換体によって印加される熱エネルギにより、インクに生じる膜沸騰を利用してインクを吐出する。
回復手段2は、記録ヘッド5の吐出口が形成されている表面に接合可能なキャップ(不図示)と、これに連通して吐出口形成面に吸引力を作用させインクを強制的に排出させるポンプ(不図示)等とから成る。回復手段2は、記録ヘッド5の各吐出口からインクを強制的に排出させることによって、記録ヘッド5のインクの吐出状態を良好な状態に回復させる。
記録ヘッド5は、矢印Aとは垂直の矢印B方向に移動しながら、記録シート1上にインクを吐出して画像を記録する。また、記録ヘッド5は、1走査分の記録が終了するとホームポジション(図7の回復手段2近傍の位置)に戻り、必要に応じて回復手段2によって吐出口の目詰まりなどを解消して吐出状態を良好にするとともに、第1搬送ローラ対3、第2搬送ローラ対4によって記録シート1を矢印A方向に所定の距離である1行分だけ搬送する。従来のインクジェット記録装置は、上述の動作を繰り返すことによって記録シート1に所望の記録を行う。
温度検出センサ13は、インクタンク11から記録ヘッド6までのインク供給経路中のいずれかに接触乃至近接位置して具備されている(図7では、インクタンク11の側面に設置されている)。また、温度検出センサ13は、インクジェットプリンタの機内温度とインク温度との相関がとれている場合には、その設置位置は前述したように接触乃至近接位置でなく、回路基板など設置しやすい位置に離して具備され得る。
以上の記録装置の各部を駆動させるための制御系について説明する。図8は、その制御系の構成の一例を示すブロック図である。図8を参照すると、この制御系は、CPU20aと、リードオンリーメモリ(以下ROM)20bと、ランダムアクセスメモリ(以下RAM)20cとを備えた制御部20を有する。CPU20aは、マイクロプロセッサ等の中央情報処理装置である。ROM20bは、そのCPU20aの制御プログラムや各種データを格納している。RAM20cは、CPU20aのワークエリアとして使用されるとともに各種データの一時保存等を行う。この制御系は、制御部20の他に、インタフェース21と、操作パネル22と、各モータ(キャリッジ駆動用のモータ23、給紙モータ駆動用のモータ24、第1搬送ローラ対駆動用のモータ25、第2搬送ローラ対駆動用のモータ26)と、各モータを駆動するためのドライバ27と、記録ヘッド駆動用ドライバ28とを備える。制御部20は、インタフェース21を介して操作パネル22からの各種情報(例えば、文字ピッチ、文字種類等)を入力し、外部装置29から出力された画信号を入力する。また、制御部20には、上位装置である外部装置100からもプリントバッファ101を介して画信号が入力される。また、制御部20は、インタフェース21を介して各モータ23〜26を駆動するためのオン、オフ信号および画信号を出力し、画信号によって各部を駆動する。
図1は、本発明の特徴的な構成を備えたインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。図7と比較してキャリッジ6に光学センサ14が搭載されている点が異なる。測色を行うシーケンスがスタートすると、記録シート1にパッチパターンが印字され、次にキャリッジ6を往復走査することによって光学センサ14を用いてパッチの測色を行う。得られたデータから制御部20は所望のパラメータ値を算出し、規定値と比較を行う。規定値以下であれば特に何もしないが、規定値以上だった場合にその値に応じて吸引回復手段2を操作する。
以上のような構成のインクジェット記録装置において、顔料インクを用いた場合にはインクタンク11において顔料の沈降という問題が発生する。図2は本出願の発明の特徴を最もよく表す、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスの1つを説明する図である。
しばらくインクジェット記録装置を使っていなかったユーザが印字物の色味を検査したいと思ったとき、図2に示す対策シーケンスを自発的に開始する。対策シーケンスの開始は、プリンタドライバを介する場合と、インクジェット記録装置上にあるタッチパネルを介する場合とが考えられる。シーケンスが開始されると、記録シートが搬送され、ΔE測定用パッチが印字される。次に光学センサで測色ができる位置に記録シートが搬送され、キャリッジをスキャンすることで光学センサがパッチの測色を行う。測色結果からΔEを算出し、その値が規定値を超えているか各色ごとに判定する。超えていた場合には吸引回復処理を行うが、ΔEの値に応じて吸引量を変えるものとする。具体例として、図3にある条件下でのある色の顔料インクの沈降による顔料の濃度分布の変化を示す。このように1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と放置時間が長くなるにつれインクタンク底面での顔料濃度は高まり、また顔料濃度が高まっている部分の量も増えていく。さらに各放置時間でのパッチのΔEを測定すると、最大値はそれぞれ3、4、5であった。このインクジェット記録装置ではΔE=3まで許容するものとすると、3を超えるほど沈降が起きている部分、すなわち2ヶ月放置ではインクタンクの底面からAの高さまで、3ヶ月放置ではBの高さまでのインクを排出すればよい。よってこのインクに関してはΔE=3までは吸引回復処理は行わず、ΔE=3〜4でインクタンク底面からの高さがAに相当するインクを排出し、ΔE=4〜5でインクタンク底面からの高さがBに相当するインクを排出するというシーケンスを構築する。ΔEが5以降のデータも同様に区切るか、3ヶ月以上放置するユーザはいないとしてΔEが5以上の場合もインクタンク底面からの高さがBに相当するインクを排出すれば良い。またこの他、現在搭載されている記録シートの種類によって吸引量を調整しても良い。例えば、特殊紙が搭載されている場合は上記のようなΔEの値に応じた吸引量調整を行うが、普通紙の場合はΔEが5以上でも問題ないので吸引回復処理は一切行わないというようにする。
図4は本出願の発明の特徴を最もよく表す、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスの1つを説明する図である。基本的には実施例1と同じ考え方だが、測色を行うのが光学濃度(OD)である点が実施例1と異なっている。
しばらくインクジェット記録装置を使っていなかったユーザが印字物の色味を検査したいと思ったとき、図4に示す対策シーケンスを自発的に開始する。対策シーケンスの開始は、プリンタドライバを介する場合と、インクジェット記録装置上にあるタッチパネルを介する場合とが考えられる。シーケンスが開始されると、記録シートが搬送され、OD測定用パッチが印字される。次に光学センサで測色ができる位置に記録シートが搬送され、キャリッジをスキャンすることで光学センサがパッチの測色を行う。測色結果からODを算出し、その値が規定値を超えているか各色ごとに判定する。超えていた場合には吸引回復処理を行うが、ODの値や搭載されている記録シートの種類に応じて吸引量を変えるものとする。
図5は本出願の発明の特徴を最もよく表す、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスの1つを説明する図である。本実施例においては、インクジェット記録装置が、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部(タイマー)と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、を備えていることを特徴としている。
前記時計機能部は、インクジェット記録装置が設置されると同時に時間の測定を開始し、内容によらず印字が終了するたびにリセットされるものとする。そして、所定時間が経過して以降最初に印字の命令が来たときに、記録シートが搬送され、まずΔE測定パッチを印字する。次に光学センサで測色ができる位置に記録シートが搬送され、キャリッジをスキャンすることで光学センサがパッチの測色を行う。測色結果からΔEを算出し、その値が規定値を超えているか各色ごとに判定する。超えていた場合には吸引回復処理を行うが、ΔEの値に応じて吸引量を変えるものとする。さらに、もともとの印字の命令の印字モードや記録シートの種類によって吸引量を変えても良い。印字モードに関して、例えばドラフトモードでは画質は気にされないので吸引回復処理は行わないが、標準や高画質モードではΔEの値に応じて吸引量を変えるというようにする。吸引回復処理を行った場合は、前記時計機能部の測定時間をリセットする。また、測色結果が規定値を超えていなかった場合には、そのまま印字を行う。そして所定量の印字がなされるごとに前記シーケンスを行うものとする。これは、インクタンクにおいて沈降により顔料の濃度が高くなったインクが吐出されるまでにはある程度の時間がかかるからである。さらに、前記シーケンスを所定回数繰り返してもΔEの値が規定値を超えない場合は、問題となる沈降は起きていないものとして前記シーケンスを繰り返すことをやめ、前記時計機能部の測定時間をリセットする。
図6は本出願の発明の特徴を最もよく表す、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスの1つを説明する図である。基本的には実施例3と同じ考え方だが、測色を行うのが光学濃度(OD)である点が実施例3と異なっている。
前記時計機能部は、インクジェット記録装置が設置されると同時に時間の測定を開始し、内容によらず印字が終了するたびにリセットされるものとする。そして、所定時間が経過して以降最初に印字の命令が来たときに、記録シートが搬送され、まずOD測定パッチを印字する。次に光学センサで測色ができる位置に記録シートが搬送され、キャリッジをスキャンすることで光学センサがパッチの測色を行う。測色結果からODを算出し、その値が規定値を超えているか各色ごとに判定する。超えていた場合には吸引回復処理を行うが、ODの値に応じて吸引量を変えるものとする。さらに、もともとの印字の命令の印字モードや記録シートの種類によって吸引量を変えても良い。印字モードに関して、例えばドラフトモードでは画質は気にされないので吸引回復処理は行わないが、標準や高画質モードではODの値に応じて吸引量を変えるというようにする。吸引回復処理を行った場合は、前記時計機能部の測定時間をリセットする。また、測色結果が規定値を超えていなかった場合には、そのまま印字を行う。そして所定量の印字がなされるごとに前記シーケンスを行うものとする。これは、インクタンクにおいて沈降により顔料の濃度が高くなったインクが吐出されるまでにはある程度の時間がかかるからである。さらに、前記シーケンスを所定回数繰り返してもODの値が規定値を超えない場合は、問題となる沈降は起きていないものとして前記シーケンスを繰り返すことをやめ、前記時計機能部の測定時間をリセットする。
1 記録シート
2 回復手段
3 第1搬送ローラ対
4 第2搬送ローラ対
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
7 ベルト
8 プーリ
9 ガイドシャフト
10 供給チューブ
11 インクタンク
13 温度センサ
14 光学センサ
23 キャリッジモータ
2 回復手段
3 第1搬送ローラ対
4 第2搬送ローラ対
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
7 ベルト
8 プーリ
9 ガイドシャフト
10 供給チューブ
11 インクタンク
13 温度センサ
14 光学センサ
23 キャリッジモータ
Claims (16)
- 複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録方法であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、印字物の測色を行うための光学センサと、測色を行うためのパッチを印字するモードと、前記パッチの測色結果に応じて前記吸引回復部を制御する吸引回復制御部と、を備えることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記吸引回復制御部は、前記パッチの測色結果が規定値を超えた場合に、吸引回復部を操作して前記ヘッドのノズル部から所定量のインクを排出する処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記排出される所定量は、前記パッチの測色結果に応じて段階的に変化させることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記排出される所定量は、次の印字の命令が来ている場合にはその印字モードや用紙の種類によって異なることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記測色とはL*a*b色空間の測色であり、前記規定値とは測色結果から求められるΔEに対して設定されるものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記測色とは反射率の測色であり、前記規定値とは測色結果から求められる光学濃度に対して設定されるものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、を備えたインクジェット記録方法であって、前記時計機能部が測定している時間は印字が終了するたびにリセットされ、且つ所定時間が経過して以降最初に印字の命令が来たときに自動的にパッチの印字、測色、判定、吸引回復処理を行うことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記パッチの印字以下のシーケンスは、前記所定時間が経過して以降所定量の吐出が為されるごとに行われ、吸引回復処理が行われたら前記シーケンスの繰り返しを終了して前記時計機能部が測定している時間をリセットし、あるいは所定回数前記シーケンスを繰り返したら前記シーケンスの繰り返しを終了して前記時計機能部が測定している時間をリセットすることを特徴とする、請求項7に記載のインクジェット記録方法。
- 複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録装置であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、印字物の測色を行うための光学センサと、測色を行うためのパッチを印字するモードと、前記パッチの測色結果に応じて前記吸引回復部を制御する吸引回復制御部と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記吸引回復制御部は、前記パッチの測色結果が規定値を超えた場合に、吸引回復部を操作して前記記録ヘッドのノズル部から所定量のインクを排出する処理を行うことを特徴とする、請求項9に記載のインクジェット記録装置。
- 前記排出される所定量は、前記パッチの測色結果に応じて段階的に変化させることを特徴とする、請求項9または10に記載のインクジェット記録装置。
- 前記排出される所定量は、次の印字の命令が来ている場合にはその印字モードや用紙の種類によって異なることを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記測色とはL*a*b色空間の測色であり、前記規定値とは測色結果から求められるΔEに対して設定されるものであることを特徴とする、請求項9乃至12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記測色とは反射率の測色であり、前記規定値とは測色結果から求められる光学濃度に対して設定されるものであることを特徴とする、請求項9乃至12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、を備えたインクジェット記録装置であって、前記時計機能部が測定している時間は印字が終了するたびにリセットされ、且つ所定時間が経過して以降最初に印字の命令が来たときに自動的にパッチの印字、測色、判定、吸引回復処理を行うことを特徴とする、請求項9乃至14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記パッチの印字以下のシーケンスは、前記所定時間が経過して以降所定量の吐出が為されるごとに行われ、吸引回復処理が行われたら前記シーケンスの繰り返しを終了して前記時計機能部が測定している時間をリセットし、あるいは所定回数前記シーケンスを繰り返したら前記シーケンスの繰り返しを終了して前記時計機能部が測定している時間をリセットすることを特徴とする、請求項15に記載のインクジェット記録装置。
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2003
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