JP2004358668A - インクジェット記録方法、及びこれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドには装着されないインクタンクを持ち、記録ヘッドへはチューブを介してインクを供給しているインクジェット記録装置において、インクが顔料インクの場合、長期にユーザが使用しないとインクタンクの底に顔料成分が沈降してしまい、そのような濃い部分がその後供給されると印字物の色味に異常を来すという問題があったので、異常を来さないぎりぎりの沈降状態を判定する検知手段と、前記状態が検知された時の対策処理を提案する。
【解決手段】顔料成分は時間と共に沈降していくものなので、対策を講ずる必要がある時間が経つごとにその間のインク消費量をチェックし、所定の消費がなされていない場合は対策を講ずるものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】顔料成分は時間と共に沈降していくものなので、対策を講ずる必要がある時間が経つごとにその間のインク消費量をチェックし、所定の消費がなされていない場合は対策を講ずるものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドから被記録材に対しインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等において用いられる記録装置は、文字、画像などの記録情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材上に上記記録情報に応じてドットを形成して記録を行うものである。このような記録装置は、その記録方式として、インクジェット方式、ワイヤドット方式、熱転写方式、レーザービームなどを用いた電子写真方式などが知られている。これらの方式のうち、インクジェット方式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録ヘッドの吐出ノズルからインク(記録液)滴を吐出し、これを被記録材に付着させて上記のドットを形成するものであり、用いる被記録材の種類がそれほど限定されず、また、記録動作が比較的高速であり、しかもその動作に伴う騒音も少ないなど種々の利点を有し、広く用いられている。
【0003】
上記のようなインクジェット記録装置では、インク滴を吐出するノズルの集積密度をあげながら、1ドットあたりのインク吐出量を小さくすることで、更なる高解像度画像の記録を実現する。また、より銀塩写真に迫る画質を実現するために、基本となる4色インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の他に、これらの染料濃度を低くした淡インクを同時に記録する等の多彩な技術が展開されている。更には、この高画質化が進むにつれて懸念される記録スピードの低下も、記録素子の多数化や駆動周波数の向上、更には、記録ヘッドの往復の走査時に記録を行う両方向記録のような記録技術により良好な結果が得られている。
【0004】
上記のような発展を遂げている一方で、インクジェット記録技術において、印字の明瞭さや耐水性・耐光性等が求められ、それを達成する1つの方法としてインクの着色剤として染料ではなく顔料を使用することが提案されている。顔料を用いたインクでは、顔料はインク溶媒中に分散された状態で存在しており、長期間静置状態にあると溶媒よりも比重の大きい顔料はインクタンクの底部に沈降してしまう。そのため、インクタンクに収容されているインクの上層部と下層部とでは顔料濃度差を生じ、結果として印字濃度に差異を生じさせてしまうという問題があった。
【0005】
この問題に対し、インクタンクの内部構造を工夫することにより沈降したインクがインクタンク外に排出されないことで解決しようとしている構成が知られている(例えば,特許文献1参照)。すなわち、インクタンクの外部への開口部を底面より高い位置にし、底面に強力なインク吸収体を設置することで沈降したインクを開口部よりも低い位置にある底部に溜め込んでしまうというものである。
【0006】
また、インクタンクの底面に発熱体を取りつける、もしくはインクタンク底面を熱透過性にして外部から熱を加えることによりインクに対流を生じさせ、それによって撹拌するという手段が提案されている(例えば,特許文献2を参照)。
【0007】
さらに、インクタンク内にインク撹拌用の回転子を内蔵し、前記回転子を回転させることでインクの沈降を解消する手段が提案されている(例えば,特許文献3を参照。)。
【0008】
インクタンクにおいてインクを撹拌するという手段以外に、記録装置本体に固定された大容量インクタンクを持ち、チューブにより記録ヘッドにインクを供給するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドに備えられたサブタンク内でのインク沈降に対して、サブタンク内を減圧し、その後インクタンクとの連通弁を開けることで一気にインクを供給し、その勢いによってサブタンク内のインクを撹拌するという手段が提案されている。(例えば特許文献4参照。)
さらに、インクジェット記録装置が沈降状態取得部を持ち、取得部の情報に基づいて記録ヘッドのクリーニング部を制御するという手段が提案されている。沈降状態取得部の情報とは、インクタンクの製造年月日や、最後の印字がなされてからの経過時間であり、クリーニング部の制御とは記録ヘッドからインクを排出するという制御である。この手段はインクを捨てるというデメリットはあるものの顔料の沈降問題に対して特別な機構を必要とせず、優れた方法であると言える(例えば,特許文献5参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−260377号公報
【特許文献2】
特開2002−225304号公報
【特許文献3】
特開昭60−110458号公報
【特許文献4】
特開2002−1992号公報
【特許文献5】
特開2002−234196号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、しかしこの方法では沈降したインクが残った状態でインクタンクを交換することになり、効率的なインクの使用という意味で問題があった。
【0011】
また、特許文献2に記載の発明では、それなりの効果が期待できるが、発熱体という撹拌専用の機構を備えなければならず、撹拌専用の機構を必要としない代替手段があればそちらを使用したい。特許文献3に記載の発明では、回転子自体及び回転子を回転させる機構が比較的大型であるためインクタンクの小型化に不適であり、さらにコスト的にも問題があった。
【0012】
また、特許文献4に記載の発明では、サブタンク内を減圧する過程で沈降したインクがサブタンク外に排出されてしまうので本質的に沈降現象の対策になっているとは言えなかった。
【0013】
また、特許文献5に記載の発明では、沈降状態の取得の方法として、インクタンクの製造年月日では該インクタンクがインクジェット記録装置に設置されてからの沈降状態を把握することができず、また最後の印字がなされてからの経過時間だけではごくわずかな印字がなされただけでも経過時間がリセットされるので沈降状態を精度よく予測できないという問題があった。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、顔料の沈降という問題に対し、特別な機構を必要とせず、より精度よくインクタンク内の顔料の沈降状態を予測し、対策を講じることで、顔料の沈降に起因する印字画像の劣化を抑制できるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録方法であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するチューブと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、計測中の経過時間と計測時間中のインク吐出量に応じて吸引回復処理を制御する吸引回復制御部と、を備えることを特徴としている。
【0016】
また、本出願に係る第2の発明は、前記吸引回復制御部は、毎回の印字終了時に、計測時間中に各色が吐出したインク量が各色ごとに設定された所定量以上かどうかを判定し、全色とも所定量以上だった場合は計測中の経過時間をリセットし、1色でも所定量以下だった場合は計測時間に対して何もしないという制御を行うことを特徴としている。
【0017】
また、本出願に係る第3の発明は、前記吸引回復制御部は、計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴としている。
【0018】
また、本出願に係る第4の発明は、前記吸引回復処理1とは、前記各色ごとに設定された所定量のうち最大の量だけ各色から吸引する処理であることを特徴としている。
【0019】
また、本出願に係る第5の発明は、前記所定量とは、前記所定時間Aほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の量であり、前記吸引回復処理1によって前記濃度が上昇した部分は前記インクタンクから前記チューブに移動することを特徴としている。
【0020】
また、本出願に係る第6の発明は、前記所定時間Aとは、該時間ほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の中の、一番濃い部分が印字画像に与える劣化の程度が許容範囲内に収まる経過時間であることを特徴としている。
【0021】
また、本出願に係る第7の発明は、前記所定時間Aとは、1ヶ月であることを特徴としている。
【0022】
また、本出願に係る第8の発明は、前記印字画像の劣化の許容範囲とは、50%印字dutyのハーフトーンを用いて測色したときに、沈降現象が全く起きていないインクとのΔEが3以下であることを特徴としている。
【0023】
また、本出願に係る第9の発明は、前記吸引回復制御部は、何らかの理由により計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行うことが出来ず、その後吸引回復処理を行うことが出来る状況になったとき、吸引回復処理2を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴としている。
【0024】
また、本出願に係る第10の発明は、前記吸引回復処理2とは、長期放置による前記インク成分の沈降現象により、前記インクタンクの底部の前記インク成分の濃度が上昇した部分を、前記記録ヘッドのノズル部から排出できる量を吸引する処理であることを特徴としている。
【0025】
また、本出願に係る第11の発明は、前記吸引回復処理2により排出されるインク量は、経過時間に応じて変化することを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。全図において、同一の符号がつけられている構成要素は、すべて同一のものを示す。本発明はこれらの実施形態のみに限らず、これらをさらに組み合わせたり、この特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
【0027】
まず、インクジェット記録装置の全体構成について説明する。図2は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の全体構成の一例を示す概略斜視図である。図2に示すように、従来のインクジェット記録装置は、回復手段2と、第1搬送ローラ対3と、第2搬送ローラ対4と、記録ヘッド5と、キャリッジ6と、ベルト7と、プーリ8と、ガイドシャフト9と、供給チューブ10と、インクタンク11とから構成されている。
【0028】
第1搬送ローラ対3と第2搬送ローラ対4とは、一定間隔を隔てて配置されており、それぞれ個々のステッピングモータ(不図示)によって駆動されて記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段である。紙等の記録媒体である記録シート1は、ロール状に巻かれるか、あるいはカセットに複数枚積載されており、図示しない給紙ローラによって記録位置に搬送され、さらに、第1搬送ローラ対3および第2搬送ローラ対4によって矢印A方向に搬送される。
【0029】
記録ヘッド5はキャリッジ6に搭載されている。キャリッジ6にはベルト7およびプーリ8a、8bを介してキャリッジモータ23が連結されており、キャリッジ6は、キャリッジモータ23の駆動によりガイドシャフト9に沿って往復走査する。
【0030】
記録ヘッド5は、複数の吐出口を有するインクジェット記録ヘッドである。記録ヘッド5の各吐出口から吐出されるインクは、キャリッジ6が走査しない位置に設置されたインクタンク11より供給チューブ10を通じて記録ヘッド5に供給され、画信号に応じて吐出される。インクタンク11と供給チューブ10はピン(不図示)により接続されており、前記ピンの開口部はインクタンク11の最底面に位置するよう設計されている。また、画信号とは、画像データの信号のことである。記録ヘッド5は、電気エネルギを熱エネルギに変換する電気熱変換体(不図示)を備え、その電気熱変換体によって印加される熱エネルギにより、インクに生じる膜沸騰を利用してインクを吐出する。
【0031】
回復手段2は、記録ヘッド5の吐出口が形成されている表面に接合可能なキャップ(不図示)と、これに連通して吐出口形成面に吸引力を作用させインクを強制的に排出させるポンプ(不図示)等とから成る。回復手段2は、記録ヘッド5の各吐出口からインクを強制的に排出させることによって、記録ヘッド5のインクの吐出状態を良好な状態に回復させる。
【0032】
記録ヘッド5は、矢印Aとは垂直の矢印B方向に移動しながら、記録シート1上にインクを吐出して画像を記録する。また、記録ヘッド5は、1走査分の記録が終了するとホームポジション(図2の回復手段2近傍の位置)に戻り、必要に応じて回復手段2によって吐出口の目詰まりなどを解消して吐出状態を良好にするとともに、第1搬送ローラ対3、第2搬送ローラ対4によって記録シート1を矢印A方向に所定の距離である1行分だけ搬送する。従来のインクジェット記録装置は、上述の動作を繰り返すことによって記録シート1に所望の記録を行う。
【0033】
温度検出センサ13は、インクタンク11から記録ヘッド6までのインク供給経路中のいずれかに接触乃至近接位置して具備されている(図2では、インクタンク11の側面に設置されている)。また、温度検出センサ13は、インクジェットプリンタの機内温度とインク温度との相関がとれている場合には、その設置位置は前述したように接触乃至近接位置でなく、回路基板など設置しやすい位置に離して具備され得る。
【0034】
以上の記録装置の各部を駆動させるための制御系について説明する。図3は、その制御系の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照すると、この制御系は、CPU20aと、リードオンリーメモリ(以下ROM)20bと、ランダムアクセスメモリ(以下RAM)20cとを備えた制御部20を有する。CPU20aは、マイクロプロセッサ等の中央情報処理装置である。ROM20bは、そのCPU20aの制御プログラムや各種データを格納している。RAM20cは、CPU20aのワークエリアとして使用されるとともに各種データの一時保存等を行う。この制御系は、制御部20の他に、インタフェース21と、操作パネル22と、各モータ(キャリッジ駆動用のモータ23、給紙モータ駆動用のモータ24、第1搬送ローラ対駆動用のモータ25、第2搬送ローラ対駆動用のモータ26)と、各モータを駆動するためのドライバ27と、記録ヘッド駆動用ドライバ28とを備える。制御部20は、インタフェース21を介して操作パネル22からの各種情報(例えば、文字ピッチ、文字種類等)を入力し、外部装置29から出力された画信号を入力する。また、制御部20には、上位装置である外部装置100からもプリントバッファ101を介して画信号が入力される。また、制御部20は、インタフェース21を介して各モータ23〜26を駆動するためのオン、オフ信号および画信号を出力し、画信号によって各部を駆動する。
【0035】
(実施例)
以上のような構成のインクジェット記録装置において、顔料インクを用いた場合にはインクタンク11において顔料の沈降という問題が発生する。図1は本出願の発明の特徴を最もよく表す、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスを説明する図である。
【0036】
まず、インクジェット記録装置が設置されて使用が開始されると、タイマー30がスタートする。またカウンタ32は各色が吐出した発数を累積的にカウントしている。そして制御部20は、毎回の印字終了時に、タイマー30が計測を行っている時間中に各色が吐出した発数をカウンタ32から算出し、全色とも各色ごとに設定された所定量以上であればタイマー30をリセットする。ここで所定量とは、所定時間Aの間にインクタンク11の底部で沈降により顔料の濃度が上昇した部分の量である。ただし後述するように最も濃度が高くなった部分が印字に使用されても画像劣化に繋がらない程度の沈降量である必要がある。この所定時間Aはインクの組成によって異なるが、通常1ヶ月を目安にすれば良い。所定時間Aが経つ前に全色とも所定量を消費していれば、沈降により顔料の濃度が上昇した部分はインクタンク11の底には無い訳だから、沈降をモニタしているタイマー30をリセットしても良い。
【0037】
もしタイマー30が所定時間Aに達したときは、少なくとも1色は吐出発数が所定量に達していないということなので、そのインクタンクの底には沈降により顔料の濃度が上昇した部分があると予想される。その場合、制御部20は回復手段2を稼動させて吸引回復処理1を行う。すなわち、各色ごとに設定された前記所定量の中で最大の量を吸引する。この処理により沈降した部分はインクタンク11からインクチューブ10へ排出され、インクタンク11には沈降により顔料の濃度が上昇した部分は無くなる。よってタイマー30はリセットする。またインクチューブ10へ排出された顔料濃度が上昇した部分は、以後記録ヘッド5で吐出されるまでさらなる顔料の沈降により濃度が上昇するということはない。ただし前述したようにいずれは印字に使用されるので、顔料濃度の上昇による画像劣化が生じる前にチューブ10へ排出されなければならない。ここで印字画像の劣化の許容範囲は、50%印字dutyのハーフトーンを用いて測色したときに、沈降現象が全く起きていないインクとのΔEが3以下であることとする。前述したように、許容できる沈降時間は1ヶ月が目安である。
【0038】
もし、インクジェット記録装置の電源が切れていた等の理由により、タイマー30が所定時間Aに達したときに吸引回復処理1を行うことが出来なかった場合には、その後制御部20が回復手段2を稼動させることが出きるようになった段階で以下のような吸引回復処理2を行う。すなわち、インクタンク11内で沈降により顔料の濃度が上昇したと予想される部分が記録ヘッド5から回復手段2へ排出される量を吸引し、タイマー30をリセットする。このとき、予想される濃度上昇部分の量はある時間ごとに区切ってあらかじめ設定しておく。さらにはある時間とは1ヶ月であるとし、タイマー30が1〜2ヶ月のときの予想量、2〜3ヶ月のときの予想量、という様にあらかじめ設定しておく。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録装置であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するチューブと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、計測中の経過時間と計測時間中のインク吐出量に応じて吸引回復処理を制御する吸引回復制御部と、を備え、前記吸引回復制御部が適宜吸引回復処理を施すことで、より精度が高くまた効率的に顔料の沈降を起因とする印字画像の劣化を抑制することができるインクジェット記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスを説明する図である。
【図2】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の全体構成の一例を示す概略斜視図である。
【図3】インクジュット記録装置の制御系の構成の一例を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 記録シート
2 回復手段
3 第1搬送ローラ対
4 第2搬送ローラ対
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
7 ベルト
8 プーリ
9 ガイドシャフト
10 供給チューブ
11 インクタンク
13 温度センサ
23 キャリッジモータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドから被記録材に対しインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等において用いられる記録装置は、文字、画像などの記録情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材上に上記記録情報に応じてドットを形成して記録を行うものである。このような記録装置は、その記録方式として、インクジェット方式、ワイヤドット方式、熱転写方式、レーザービームなどを用いた電子写真方式などが知られている。これらの方式のうち、インクジェット方式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録ヘッドの吐出ノズルからインク(記録液)滴を吐出し、これを被記録材に付着させて上記のドットを形成するものであり、用いる被記録材の種類がそれほど限定されず、また、記録動作が比較的高速であり、しかもその動作に伴う騒音も少ないなど種々の利点を有し、広く用いられている。
【0003】
上記のようなインクジェット記録装置では、インク滴を吐出するノズルの集積密度をあげながら、1ドットあたりのインク吐出量を小さくすることで、更なる高解像度画像の記録を実現する。また、より銀塩写真に迫る画質を実現するために、基本となる4色インク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の他に、これらの染料濃度を低くした淡インクを同時に記録する等の多彩な技術が展開されている。更には、この高画質化が進むにつれて懸念される記録スピードの低下も、記録素子の多数化や駆動周波数の向上、更には、記録ヘッドの往復の走査時に記録を行う両方向記録のような記録技術により良好な結果が得られている。
【0004】
上記のような発展を遂げている一方で、インクジェット記録技術において、印字の明瞭さや耐水性・耐光性等が求められ、それを達成する1つの方法としてインクの着色剤として染料ではなく顔料を使用することが提案されている。顔料を用いたインクでは、顔料はインク溶媒中に分散された状態で存在しており、長期間静置状態にあると溶媒よりも比重の大きい顔料はインクタンクの底部に沈降してしまう。そのため、インクタンクに収容されているインクの上層部と下層部とでは顔料濃度差を生じ、結果として印字濃度に差異を生じさせてしまうという問題があった。
【0005】
この問題に対し、インクタンクの内部構造を工夫することにより沈降したインクがインクタンク外に排出されないことで解決しようとしている構成が知られている(例えば,特許文献1参照)。すなわち、インクタンクの外部への開口部を底面より高い位置にし、底面に強力なインク吸収体を設置することで沈降したインクを開口部よりも低い位置にある底部に溜め込んでしまうというものである。
【0006】
また、インクタンクの底面に発熱体を取りつける、もしくはインクタンク底面を熱透過性にして外部から熱を加えることによりインクに対流を生じさせ、それによって撹拌するという手段が提案されている(例えば,特許文献2を参照)。
【0007】
さらに、インクタンク内にインク撹拌用の回転子を内蔵し、前記回転子を回転させることでインクの沈降を解消する手段が提案されている(例えば,特許文献3を参照。)。
【0008】
インクタンクにおいてインクを撹拌するという手段以外に、記録装置本体に固定された大容量インクタンクを持ち、チューブにより記録ヘッドにインクを供給するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドに備えられたサブタンク内でのインク沈降に対して、サブタンク内を減圧し、その後インクタンクとの連通弁を開けることで一気にインクを供給し、その勢いによってサブタンク内のインクを撹拌するという手段が提案されている。(例えば特許文献4参照。)
さらに、インクジェット記録装置が沈降状態取得部を持ち、取得部の情報に基づいて記録ヘッドのクリーニング部を制御するという手段が提案されている。沈降状態取得部の情報とは、インクタンクの製造年月日や、最後の印字がなされてからの経過時間であり、クリーニング部の制御とは記録ヘッドからインクを排出するという制御である。この手段はインクを捨てるというデメリットはあるものの顔料の沈降問題に対して特別な機構を必要とせず、優れた方法であると言える(例えば,特許文献5参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−260377号公報
【特許文献2】
特開2002−225304号公報
【特許文献3】
特開昭60−110458号公報
【特許文献4】
特開2002−1992号公報
【特許文献5】
特開2002−234196号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、しかしこの方法では沈降したインクが残った状態でインクタンクを交換することになり、効率的なインクの使用という意味で問題があった。
【0011】
また、特許文献2に記載の発明では、それなりの効果が期待できるが、発熱体という撹拌専用の機構を備えなければならず、撹拌専用の機構を必要としない代替手段があればそちらを使用したい。特許文献3に記載の発明では、回転子自体及び回転子を回転させる機構が比較的大型であるためインクタンクの小型化に不適であり、さらにコスト的にも問題があった。
【0012】
また、特許文献4に記載の発明では、サブタンク内を減圧する過程で沈降したインクがサブタンク外に排出されてしまうので本質的に沈降現象の対策になっているとは言えなかった。
【0013】
また、特許文献5に記載の発明では、沈降状態の取得の方法として、インクタンクの製造年月日では該インクタンクがインクジェット記録装置に設置されてからの沈降状態を把握することができず、また最後の印字がなされてからの経過時間だけではごくわずかな印字がなされただけでも経過時間がリセットされるので沈降状態を精度よく予測できないという問題があった。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、顔料の沈降という問題に対し、特別な機構を必要とせず、より精度よくインクタンク内の顔料の沈降状態を予測し、対策を講じることで、顔料の沈降に起因する印字画像の劣化を抑制できるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録方法であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するチューブと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、計測中の経過時間と計測時間中のインク吐出量に応じて吸引回復処理を制御する吸引回復制御部と、を備えることを特徴としている。
【0016】
また、本出願に係る第2の発明は、前記吸引回復制御部は、毎回の印字終了時に、計測時間中に各色が吐出したインク量が各色ごとに設定された所定量以上かどうかを判定し、全色とも所定量以上だった場合は計測中の経過時間をリセットし、1色でも所定量以下だった場合は計測時間に対して何もしないという制御を行うことを特徴としている。
【0017】
また、本出願に係る第3の発明は、前記吸引回復制御部は、計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴としている。
【0018】
また、本出願に係る第4の発明は、前記吸引回復処理1とは、前記各色ごとに設定された所定量のうち最大の量だけ各色から吸引する処理であることを特徴としている。
【0019】
また、本出願に係る第5の発明は、前記所定量とは、前記所定時間Aほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の量であり、前記吸引回復処理1によって前記濃度が上昇した部分は前記インクタンクから前記チューブに移動することを特徴としている。
【0020】
また、本出願に係る第6の発明は、前記所定時間Aとは、該時間ほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の中の、一番濃い部分が印字画像に与える劣化の程度が許容範囲内に収まる経過時間であることを特徴としている。
【0021】
また、本出願に係る第7の発明は、前記所定時間Aとは、1ヶ月であることを特徴としている。
【0022】
また、本出願に係る第8の発明は、前記印字画像の劣化の許容範囲とは、50%印字dutyのハーフトーンを用いて測色したときに、沈降現象が全く起きていないインクとのΔEが3以下であることを特徴としている。
【0023】
また、本出願に係る第9の発明は、前記吸引回復制御部は、何らかの理由により計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行うことが出来ず、その後吸引回復処理を行うことが出来る状況になったとき、吸引回復処理2を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴としている。
【0024】
また、本出願に係る第10の発明は、前記吸引回復処理2とは、長期放置による前記インク成分の沈降現象により、前記インクタンクの底部の前記インク成分の濃度が上昇した部分を、前記記録ヘッドのノズル部から排出できる量を吸引する処理であることを特徴としている。
【0025】
また、本出願に係る第11の発明は、前記吸引回復処理2により排出されるインク量は、経過時間に応じて変化することを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。全図において、同一の符号がつけられている構成要素は、すべて同一のものを示す。本発明はこれらの実施形態のみに限らず、これらをさらに組み合わせたり、この特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
【0027】
まず、インクジェット記録装置の全体構成について説明する。図2は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の全体構成の一例を示す概略斜視図である。図2に示すように、従来のインクジェット記録装置は、回復手段2と、第1搬送ローラ対3と、第2搬送ローラ対4と、記録ヘッド5と、キャリッジ6と、ベルト7と、プーリ8と、ガイドシャフト9と、供給チューブ10と、インクタンク11とから構成されている。
【0028】
第1搬送ローラ対3と第2搬送ローラ対4とは、一定間隔を隔てて配置されており、それぞれ個々のステッピングモータ(不図示)によって駆動されて記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段である。紙等の記録媒体である記録シート1は、ロール状に巻かれるか、あるいはカセットに複数枚積載されており、図示しない給紙ローラによって記録位置に搬送され、さらに、第1搬送ローラ対3および第2搬送ローラ対4によって矢印A方向に搬送される。
【0029】
記録ヘッド5はキャリッジ6に搭載されている。キャリッジ6にはベルト7およびプーリ8a、8bを介してキャリッジモータ23が連結されており、キャリッジ6は、キャリッジモータ23の駆動によりガイドシャフト9に沿って往復走査する。
【0030】
記録ヘッド5は、複数の吐出口を有するインクジェット記録ヘッドである。記録ヘッド5の各吐出口から吐出されるインクは、キャリッジ6が走査しない位置に設置されたインクタンク11より供給チューブ10を通じて記録ヘッド5に供給され、画信号に応じて吐出される。インクタンク11と供給チューブ10はピン(不図示)により接続されており、前記ピンの開口部はインクタンク11の最底面に位置するよう設計されている。また、画信号とは、画像データの信号のことである。記録ヘッド5は、電気エネルギを熱エネルギに変換する電気熱変換体(不図示)を備え、その電気熱変換体によって印加される熱エネルギにより、インクに生じる膜沸騰を利用してインクを吐出する。
【0031】
回復手段2は、記録ヘッド5の吐出口が形成されている表面に接合可能なキャップ(不図示)と、これに連通して吐出口形成面に吸引力を作用させインクを強制的に排出させるポンプ(不図示)等とから成る。回復手段2は、記録ヘッド5の各吐出口からインクを強制的に排出させることによって、記録ヘッド5のインクの吐出状態を良好な状態に回復させる。
【0032】
記録ヘッド5は、矢印Aとは垂直の矢印B方向に移動しながら、記録シート1上にインクを吐出して画像を記録する。また、記録ヘッド5は、1走査分の記録が終了するとホームポジション(図2の回復手段2近傍の位置)に戻り、必要に応じて回復手段2によって吐出口の目詰まりなどを解消して吐出状態を良好にするとともに、第1搬送ローラ対3、第2搬送ローラ対4によって記録シート1を矢印A方向に所定の距離である1行分だけ搬送する。従来のインクジェット記録装置は、上述の動作を繰り返すことによって記録シート1に所望の記録を行う。
【0033】
温度検出センサ13は、インクタンク11から記録ヘッド6までのインク供給経路中のいずれかに接触乃至近接位置して具備されている(図2では、インクタンク11の側面に設置されている)。また、温度検出センサ13は、インクジェットプリンタの機内温度とインク温度との相関がとれている場合には、その設置位置は前述したように接触乃至近接位置でなく、回路基板など設置しやすい位置に離して具備され得る。
【0034】
以上の記録装置の各部を駆動させるための制御系について説明する。図3は、その制御系の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照すると、この制御系は、CPU20aと、リードオンリーメモリ(以下ROM)20bと、ランダムアクセスメモリ(以下RAM)20cとを備えた制御部20を有する。CPU20aは、マイクロプロセッサ等の中央情報処理装置である。ROM20bは、そのCPU20aの制御プログラムや各種データを格納している。RAM20cは、CPU20aのワークエリアとして使用されるとともに各種データの一時保存等を行う。この制御系は、制御部20の他に、インタフェース21と、操作パネル22と、各モータ(キャリッジ駆動用のモータ23、給紙モータ駆動用のモータ24、第1搬送ローラ対駆動用のモータ25、第2搬送ローラ対駆動用のモータ26)と、各モータを駆動するためのドライバ27と、記録ヘッド駆動用ドライバ28とを備える。制御部20は、インタフェース21を介して操作パネル22からの各種情報(例えば、文字ピッチ、文字種類等)を入力し、外部装置29から出力された画信号を入力する。また、制御部20には、上位装置である外部装置100からもプリントバッファ101を介して画信号が入力される。また、制御部20は、インタフェース21を介して各モータ23〜26を駆動するためのオン、オフ信号および画信号を出力し、画信号によって各部を駆動する。
【0035】
(実施例)
以上のような構成のインクジェット記録装置において、顔料インクを用いた場合にはインクタンク11において顔料の沈降という問題が発生する。図1は本出願の発明の特徴を最もよく表す、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスを説明する図である。
【0036】
まず、インクジェット記録装置が設置されて使用が開始されると、タイマー30がスタートする。またカウンタ32は各色が吐出した発数を累積的にカウントしている。そして制御部20は、毎回の印字終了時に、タイマー30が計測を行っている時間中に各色が吐出した発数をカウンタ32から算出し、全色とも各色ごとに設定された所定量以上であればタイマー30をリセットする。ここで所定量とは、所定時間Aの間にインクタンク11の底部で沈降により顔料の濃度が上昇した部分の量である。ただし後述するように最も濃度が高くなった部分が印字に使用されても画像劣化に繋がらない程度の沈降量である必要がある。この所定時間Aはインクの組成によって異なるが、通常1ヶ月を目安にすれば良い。所定時間Aが経つ前に全色とも所定量を消費していれば、沈降により顔料の濃度が上昇した部分はインクタンク11の底には無い訳だから、沈降をモニタしているタイマー30をリセットしても良い。
【0037】
もしタイマー30が所定時間Aに達したときは、少なくとも1色は吐出発数が所定量に達していないということなので、そのインクタンクの底には沈降により顔料の濃度が上昇した部分があると予想される。その場合、制御部20は回復手段2を稼動させて吸引回復処理1を行う。すなわち、各色ごとに設定された前記所定量の中で最大の量を吸引する。この処理により沈降した部分はインクタンク11からインクチューブ10へ排出され、インクタンク11には沈降により顔料の濃度が上昇した部分は無くなる。よってタイマー30はリセットする。またインクチューブ10へ排出された顔料濃度が上昇した部分は、以後記録ヘッド5で吐出されるまでさらなる顔料の沈降により濃度が上昇するということはない。ただし前述したようにいずれは印字に使用されるので、顔料濃度の上昇による画像劣化が生じる前にチューブ10へ排出されなければならない。ここで印字画像の劣化の許容範囲は、50%印字dutyのハーフトーンを用いて測色したときに、沈降現象が全く起きていないインクとのΔEが3以下であることとする。前述したように、許容できる沈降時間は1ヶ月が目安である。
【0038】
もし、インクジェット記録装置の電源が切れていた等の理由により、タイマー30が所定時間Aに達したときに吸引回復処理1を行うことが出来なかった場合には、その後制御部20が回復手段2を稼動させることが出きるようになった段階で以下のような吸引回復処理2を行う。すなわち、インクタンク11内で沈降により顔料の濃度が上昇したと予想される部分が記録ヘッド5から回復手段2へ排出される量を吸引し、タイマー30をリセットする。このとき、予想される濃度上昇部分の量はある時間ごとに区切ってあらかじめ設定しておく。さらにはある時間とは1ヶ月であるとし、タイマー30が1〜2ヶ月のときの予想量、2〜3ヶ月のときの予想量、という様にあらかじめ設定しておく。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録装置であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するチューブと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、計測中の経過時間と計測時間中のインク吐出量に応じて吸引回復処理を制御する吸引回復制御部と、を備え、前記吸引回復制御部が適宜吸引回復処理を施すことで、より精度が高くまた効率的に顔料の沈降を起因とする印字画像の劣化を抑制することができるインクジェット記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、顔料の沈降問題に対する対策シーケンスを説明する図である。
【図2】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の全体構成の一例を示す概略斜視図である。
【図3】インクジュット記録装置の制御系の構成の一例を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 記録シート
2 回復手段
3 第1搬送ローラ対
4 第2搬送ローラ対
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
7 ベルト
8 プーリ
9 ガイドシャフト
10 供給チューブ
11 インクタンク
13 温度センサ
23 キャリッジモータ
Claims (22)
- 複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録方法であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するチューブと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、計測中の経過時間と計測時間中のインク吐出量に応じて吸引回復処理を制御する吸引回復制御部と、を備えることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記吸引回復制御部は、毎回の印字終了時に、計測時間中に各色が吐出したインク量が各色ごとに設定された所定量以上かどうかを判定し、全色とも所定量以上だった場合は計測中の経過時間をリセットし、1色でも所定量以下だった場合は計測時間に対して何もしないという制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記吸引回復制御部は、計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記吸引回復処理1とは、前記各色ごとに設定された所定量のうち最大の量だけ各色から吸引する処理であることを特徴とする、請求項1〜3に記載のインクジェット記録方法。
- 前記所定量とは、前記所定時間Aほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の量であり、前記吸引回復処理1によって前記濃度が上昇した部分は前記インクタンクから前記チューブに移動することを特徴とする、請求項1〜4に記載のインクジェット記録方法。
- 前記所定時間Aとは、該時間ほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の中の、一番濃い部分が印字画像に与える劣化の程度が許容範囲内に収まる経過時間であることを特徴とする、請求項1〜5に記載のインクジェット記録方法。
- 前記所定時間Aとは、1ヶ月であることを特徴とする、請求項1〜6に記載のインクジェット記録方法。
- 前記印字画像の劣化の許容範囲とは、50%印字dutyのハーフトーンを用いて測色したときに、沈降現象が全く起きていないインクとのΔEが3以下であることを特徴とする、請求項1〜7に記載のインクジェット記録方法。
- 前記吸引回復制御部は、何らかの理由により計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行うことが出来ず、その後吸引回復処理を行うことが出来る状況になったとき、吸引回復処理2を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴とする、請求項1〜8に記載のインクジェット記録方法。
- 前記吸引回復処理2とは、長期放置による前記インク成分の沈降現象により、前記インクタンクの底部の前記インク成分の濃度が上がった部分を、前記記録ヘッドのノズル部から排出できる量を吸引する処理であることを特徴とする、請求項1〜9に記載のインクジェット記録方法。
- 前記吸引回復処理2により排出されるインク量は、経過時間に応じて変化することを特徴とする、請求項1〜10に記載のインクジェット記録方法。
- 複数の記録素子を有する記録ヘッドから吐出されるインクにより記録を行うインクジェット記録装置であって、放置により含有成分が沈降し得るインクを保持するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するチューブと、前記記録ヘッドのノズル部からインクを吸引する吸引回復部と、任意の経過時間を計測することが出来る時計機能部と、前記記録ヘッドが装着されてからのインク吐出量を各色ごとに測定するドットカウント部と、計測中の経過時間と計測時間中のインク吐出量に応じて吸引回復処理を制御する吸引回復制御部と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記吸引回復制御部は、毎回の印字終了時に、計測時間中に各色が吐出したインク量が各色ごとに設定された所定量以上かどうかを判定し、全色とも所定量以上だった場合は計測中の経過時間をリセットし、1色でも所定量以下だった場合は計測時間に対して何もしないという制御を行うことを特徴とする、請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸引回復制御部は、計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴とする、請求項12または13に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸引回復処理1とは、前記各色ごとに設定された所定量のうち最大の量だけ各色から吸引する処理であることを特徴とする、請求項12〜14に記載のインクジェット記録装置。
- 前記所定量とは、前記所定時間Aほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の量であり、前記吸引回復処理1によって前記濃度が上昇した部分は前記インクタンクから前記チューブに移動することを特徴とする、請求項12〜15に記載のインクジェット記録装置。
- 前記所定時間Aとは、該時間ほど経ったときに、前記インクタンクの底部で沈降現象により前記インク成分の濃度が上昇した部分の中の、一番濃い部分が印字画像に与える劣化の程度が許容範囲内に収まる経過時間であることを特徴とする、請求項12〜16に記載のインクジェット記録装置。
- 前記所定時間Aとは、1ヶ月であることを特徴とする、請求項12〜17に記載のインクジェット記録装置。
- 前記印字画像の劣化の許容範囲とは、50%印字dutyのハーフトーンを用いて測色したときに、沈降現象が全く起きていないインクとのΔEが3以下であることを特徴とする、請求項12〜18に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸引回復制御部は、何らかの理由により計測中の経過時間が所定時間Aほど経ったときに吸引回復処理1を行うことが出来ず、その後吸引回復処理を行うことが出来る状況になったとき、吸引回復処理2を行い、かつ計測中の経過時間をリセットする制御を行うことを特徴とする、請求項12〜19に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸引回復処理2とは、長期放置による前記インク成分の沈降現象により、前記インクタンクの底部の前記インク成分の濃度が上がった部分を、前記記録ヘッドのノズル部から排出できる量を吸引する処理であることを特徴とする、請求項12〜20に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸引回復処理2により排出されるインク量は、経過時間に応じて変化することを特徴とする、請求項12〜21に記載のインクジェット記録装置。
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2003
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