JP2009068390A - 摺動部材被覆組成物、摺動部材及び内燃機関用ピストン - Google Patents

摺動部材被覆組成物、摺動部材及び内燃機関用ピストン Download PDF

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Abstract

【課題】固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)を用い、固体潤滑剤の配合比を最適化し、低摩擦係数化及び高耐摩耗性化を可能とする摺動部材被覆組成物、摺動部材及び内燃機関用ピストンを提供する。
【解決手段】本発明の実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、樹脂被覆層を形成する被覆組成物であって、該樹脂被覆層を形成する成分が71〜78wt%の耐熱性樹脂からなる結合剤、3〜5wt%のポリテトラフルオロエチレンおよび19〜24wt%の二硫化モリブデンから成り、かつ、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した前記ポリテトラフルオロエチレンの平均粒子径が、0.1〜2.0μmの範囲であり、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した前記二硫化モリブデンの粒子径が、0.5〜3.0μmの範囲である。
【選択図】図4

Description

本発明は、低摩擦係数、耐摩耗性及び密着性を併有する摺動部材被覆組成物に関し、内燃機関用の摺動部材、例えばシリンダボア及びピストンスカート部において、ピストンスカート部の表面に樹脂被覆層を形成するために好適に利用することのできる摺動部材被覆組成物、摺動部材及び内燃機関用ピストンに関する。
内燃機関において、高回転、高圧縮比、軽量化及び燃費向上対策として、軽合金部品や小型化部品を使用する要請が年々高まっている。これに伴い摺動部品表面に対する耐摩耗性、耐焼付き性等の摺動特性を従来にも増して改善する必要性が高まっている。
また、ガソリン燃料事情の悪化に伴い、内燃機関用代替燃料としてアルコール燃料の使用が考慮されている。この対応策として、アルコール燃料使用時における耐食性、耐摩耗性に優れたシリンダボア、ピストンスカート部等の内燃機関用摺動部材の必要性が高まっており、多くの研究がなされている。
このような内燃機関用摺動部材において、例えばシリンダボア及びピストンスカート部の双方の摺動面に同一金属が含まれていると、同一金属同士の凝着により焼付きが発生しやすいという問題がある。この同一金属同士の凝着を防ぐために、例えばピストンスカート部の表面に樹脂被覆層を形成する試みがなされている。そして、この樹脂被覆層の摺動特性を改善する方法として、従来より固体潤滑剤の配合について種々検討されている。
結合剤としてポリイミド樹脂又はシリコン樹脂等の耐熱性樹脂を50〜73wt%とし、固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を3〜15wt%、二硫化モリブデン(MoS2)を20〜30wt%及びグラファイト(C)を2〜8wt%加え、全固体潤滑剤の総和が27〜50wt%となるように配合して樹脂被覆層の耐久性を向上させ得る摺動用樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
特開平07−97517号公報
しかしながら、前記固体潤滑剤の配合割合を増加させると前記結合剤との結合力が低下し、摺動により摺動用樹脂組成物からなる樹脂被覆層が脱落して摩耗量が増加し、摩擦係数を増加させる、という問題がある。
また、前記固体潤滑剤として前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を増加させると、摩擦係数が増加し、摺動用樹脂組成物からなる樹脂被覆層の剥離が発生する、という問題がある。
また、前記固体潤滑剤として前記グラファイトを配合すると、樹脂被覆層の強度が低下することに加え、被覆層の表面が粗くなり、摩擦係数の増加、摩耗量の増加が発生する場合があった。
更には、各々の前記固体潤滑剤の粒子径が大きいと樹脂被覆層の表面粗さが大きくなり、得られる被覆層の摩擦係数の増加、又は摩耗量の増加が発生する、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)を用い、固体潤滑剤の配合比を最適化し、低摩擦係数化及び高耐摩耗性化を可能とする摺動部材被覆組成物、摺動部材及び内燃機関用ピストンを提供することを課題とする。
本発明に係る摺動部材被覆組成物は、樹脂被覆層を形成する被覆組成物であって、該樹脂被覆層を形成する成分が71〜78wt%の耐熱性樹脂からなる結合剤、3〜5wt%のポリテトラフルオロエチレンおよび19〜24wt%の二硫化モリブデンから成り、かつ、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した前記ポリテトラフルオロエチレンの平均粒子径が、0.1〜2.0μmの範囲であり、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した前記二硫化モリブデンの粒子径が、0.5〜3.0μmの範囲であることを特徴とする。
本発明に係る摺動部材被覆組成物においては、前記耐熱性樹脂が、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂からなる群から選択される耐熱性樹脂の1種類または2種類以上を含有することを特徴とする。
本発明に係る摺動部材は、本発明に係る摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層を摺動部位の少なくとも一部に有することを特徴とする。
本発明に係る摺動部材においては、前記摺動部位の下地の中心線平均粗さ(Ra)が、0.2〜1.5μmであることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用ピストンは、本発明に係る摺動部材が内燃機関用ピストンであって、前記摺動部位が、ピストンスカート部であることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用ピストンにおいては、前記ピストンスカート部の面圧が大きいスラスト側の摺動面に、前記ポリテトラフルオロエチレンと前記二硫化モリブデンとの配合量が少ない第一の固体潤滑剤からなる前記摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層が設けられてなると共に、前記ピストンスカート部の面圧が小さい反スラスト側の摺動面に、前記ポリテトラフルオロエチレンと前記二硫化モリブデンとの配合量が多い第二の固体潤滑剤からなる前記摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層が設けられてなることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用ピストンにおいては、前記第一の固体潤滑剤が、3〜4wt%の前記ポリテトラフルオロエチレンと、19〜21wt%の前記二硫化モリブデンとからなると共に、前記第二の固体潤滑剤が、4〜5wt%の前記ポリテトラフルオロエチレンと、21〜24wt%の前記二硫化モリブデンとからなることを特徴とする。
本発明によれば、前記結合剤及び前記固体潤滑剤の配合比を最適化すると共に、各々の前記固体潤滑剤であって、その粒子径が小さいものを選択することにより、前記摺動部材被覆組成物を部材表面に塗布後に硬化させてなる樹脂被覆層の部材に対する密着性を向上させると共に、その摩耗量を低減することができる。
また、各々の前記固体潤滑剤であって、その粒子径が小さいものを選択することにより、前記摺動部材被覆組成物を硬化させてなる樹脂被覆層の表面に前記固体潤滑剤を均等に配置することができ、摩擦係数を低減することができる。
また、前記固体潤滑剤であって、その粒子径が小さいものを選択することにより、前記摺動部材被覆組成物を硬化させてなる樹脂被覆層の表面粗さRaを小さくすることができ、更に摩擦係数を低減することができる。また、前記摺動部材被覆組成物を硬化させてなる樹脂被覆層の相手材との摺動抵抗が減少するため、前記樹脂被覆層の摩耗量を低減することができる。
また、エンジンのピストンスカート部に前記摺動部材被覆組成物を用いることにより、前記樹脂被覆層と前記ピストンスカート部の前記樹脂と塗布表面との密着性を向上させ、摩擦係数を低下させることができるため、エンジンの燃費の向上を図ることができる。また、耐摩耗性の向上により、前記樹脂被覆層の摩滅を抑制することができるため、相手ボア面への攻撃性を低減でき、ボア面の鏡面化が防止できる。また、前記シリンダボアとの間で耐焼付き性の向上を図ることができる。
以下、この発明につき図を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態及び実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
また、以下、単に「粒子径」とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した体積累積平均粒子径D50(メジアン径)を表すものであり、「表面粗さRa」または「下地粗さRa」は、JIS B0601−1994に準じて測定された中心平均粗さ(Ra)を表すものである。
まず、本発明の実施の形態に係る摺動部材被覆組成物について、説明する。
本発明の実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、樹脂被覆層を形成する組成物であって、該樹脂被覆層を形成する成分がその重量百分率で71〜78wt%の耐熱性樹脂からなる結合剤、3〜5wt%のポリテトラフルオロエチレンおよび19〜24wt%の二硫化モリブデンからなり、前記ポリテトラフルオロエチレンの粒子径が、0.1〜2.0μmの範囲であり、前記二硫化モリブデンの粒子径が、0.5〜3.0μmの範囲であることを特徴とするものである。
ここで、前記の「樹脂被覆層を形成する成分」は、前記耐熱性樹脂からなる結合剤、ポリテトラフルオロエチレンおよび二硫化モリブデン等の不揮発性成分であって、硬化前にこれらの成分を分散させるための溶媒を含まない。
本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、樹脂被覆層を形成する成分として、71〜78wt%の耐熱性樹脂からなる結合剤を含んでなるものである。該結合剤は任意の1種類または2種類以上の耐熱性樹脂を含んでなるものであり、耐熱性樹脂としてポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂からなる群から選択される耐熱性樹脂の1種類または2種類以上が好適に用いられる。
特に、ポリアミドイミド樹脂又はポリイミド樹脂からなる結合剤の使用が好適である。また、該結合剤は任意の有機溶媒に溶解して本発明の摺動部材被覆組成物に配合することが好ましい。該有機溶媒の種類および、耐熱性樹脂からなる結合剤の濃度は任意であるが、有機溶媒は揮発性の非プロトン系極性溶媒類等であることが好ましい。
また、耐熱性樹脂を10〜50wt%の濃度で有機溶媒に溶解して本発明の摺動部材被覆組成物に配合することが好ましく、有機溶媒としてN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)を選択することが、得られる摺動部材被覆組成物の均一性および樹脂被覆層の均一性の観点からも特に好ましい。
また、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、樹脂被覆層を形成する成分として、3〜5wt%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有する。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の配合割合として前記の臨界的範囲を選択することにより、図1に示すように、摩擦係数μを最も低くすることができる。なお、前記範囲外では、樹脂被覆層の摩擦係数μが増加する。
また、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、小粒径の固体潤滑剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでなることを特徴とする。即ち、該ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した体積累積平均粒子径D50(粒子径)は、0.1〜2.0μmの範囲であることが必要である。図15に示すように、粒子径が前記臨界的範囲にある、小粒径のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を選択することにより、摩擦係数μが0.03以下とすることができる。
該ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子径は、0.1〜2.0μmの範囲であることが必要であるが、樹脂組成物への配合性およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子の調製し易さの見地から、その粒子径が、0.1〜1.0μmの範囲にあることが好ましく、0.1〜0.5μmの範囲にあることが特に好ましい。尚、かかる小粒径のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子は、市販のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を機械力を用いて粉砕することにより、容易に調製することができる。
更に、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、樹脂被覆層を形成する成分として、19〜24wt%の二硫化モリブデン(MoS2)を含有する。図2に示すように、二硫化モリブデン(MoS2)の配合割合として前記の臨界的範囲を選択することにより、摩擦係数μが十分低くなるためである。二硫化モリブデン(MoS2)の配合割合が前記下限未満では、摩擦係数μが十分低下せず、前記上限を超えても摩擦係数μはそれ以上低下しないからである。
本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、小粒径の固体潤滑剤である二硫化モリブデン(MoS2)を含有してなることを特徴とする。即ち、該二硫化モリブデン(MoS2)のレーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した体積累積平均粒子径D50(粒子径)は、0.5〜3.0μmの範囲であることが必要である。図14に示すように、粒子径が前記の臨界的範囲内にある二硫化モリブデン(MoS2)を選択することにより、部材と樹脂被覆層の密着性が高く、摩擦係数μが0.03以下となり、摩耗量も低くなるためである。
該二硫化モリブデン(MoS2)の粒子径は0.5〜3.0μmの範囲であることが必要であるが、樹脂組成物への配合性および二硫化モリブデン(MoS2)粒子の入手し易さの見地から、その粒子径が0.5〜2.0μmの範囲にあることが好ましく、1.3〜1.7μmの範囲にあることが特に好ましい。尚、かかる小粒径の二硫化モリブデン(MoS2)粒子は、市販の二硫化モリブデン(MoS2)粒子を機械力を用いて粉砕することにより、容易に調製することができる。
本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、前記の結合剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および二硫化モリブデン(MoS2)を前記の所定の量を調合し、適宜の有機溶剤を溶媒とし、機械力を用いて均一に攪拌・混合することにより調製することができる。尚、該組成物の製造時に、結合剤は予め有機溶媒中に溶解した形態で配合することが好ましい。
前記摺動部材被覆組成物の調製に供される有機溶媒としては、揮発性の非プロトン系極性溶媒類等が好適に用いられる。具他的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルクロロホルム、トリクロロエチレン、トリクロロトリフルオエタン等の有機ハロゲン化合物類、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)、メチルイソピロリドン(MIP)、ジメチルホルムアルデヒド(DMF)、ジメチルアセトアルデヒド(DMAC)が例示され、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)が特に好ましく使用できる。また、これら有機溶媒は単独あるいは混合して使用することができる。
前記摺動部材被覆組成物を調製するための機械力を得るための装置、均一に攪拌・混合するために必要な処理時間は、該樹脂組成物の製造量、工程に応じて適時選択することができ、溶解・分散に用いられる装置として、ニーダー、ディゾルバー、ミキサー、高速ディスパーザー、サンドミル、ロールミル、ポールミル、アトライター、ダイノミル、GPミル、ホモジナイザー、超音波分散機、ビーズミル、バンバリーミキサー、石臼式ミルが例示できる。これらの装置は単独或いは組み合わせて使用することができる。ニーダー等の装置により、0.5〜3時間の攪拌・混合処理を行うことが特に好ましい。
尚、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、本発明の目的を損なわない範囲において、保存安定性や被覆適正等改善のための添加剤(分散剤、沈澱防止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤等)を適量添加することができる。但し、粒子径が3.0μmを超える固体潤滑剤(グラファイト等)の粒子成分を添加した場合、該摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層の表面粗さが増加し、摩擦係数の増加や摩耗量の増加という問題が発生する場合があり、かかる大粒子径の成分の添加は本発明の技術的効果を損なうおそれがある。
本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、摺動部材表面に塗工して硬化させることにより、該摺動部材表面に樹脂被覆層を形成することができる。摺動部材表面への塗工は、刷毛塗り、スプレー塗布、ロール塗布、スクリーン印刷による塗布、ナイフコーティング、パッド法による塗布または浸漬塗布法の公知の方法により行なうことができ、工業的にはエアースプレーにより塗布することが好ましい。
本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物は、摺動部材表面に塗工した後、加熱処理を行うことにより、組成物中の有機溶媒を除去し、摺動部材表面に硬化した樹脂被覆層を形成することができる。
本実施の形態に係る樹脂被覆層を形成する条件は、100〜280℃で60〜240分間加熱処理することが好適であり、150〜200℃で加熱処理を行うことが好ましい。更に、本実施の形態に係る樹脂被覆層を形成する際に、60〜100℃で5〜120分間加熱処理して前記有機溶媒を除去した後、更に100〜280℃で60〜240分間加熱処理して樹脂被覆層を形成することができる。
本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層の膜厚は任意であるが、4〜15μmとすることが好ましく、4〜12μmとすることが特に好ましい。これは、摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層の膜厚が4〜15μmの範囲にあるとき、樹脂被覆層と基材との密着性が高くなるためである。
本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物では、樹脂被覆層中のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び二硫化モリブデン(MoS2)の配合量が抑制されているため、該摺動部材被覆組成物を前記摺動部材表面に塗布して形成される樹脂被覆層の摺動部材に対する密着性を向上させると共に、摩耗量を低減することができる。
また、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物では、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び前記二硫化モリブデン(MoS2)であって、その粒子径が小さいものを選択することにより、前記摺動部材被覆組成物を硬化させてなる樹脂被覆層の表面に前記固体潤滑剤を均等に配置することができ、該樹脂被覆層の摩擦係数を低減することができる。
また、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び前記二硫化モリブデン(MoS2)であって、その粒子径が小さいものを含んでなる樹脂被覆層により摺動部を被覆することにより、該摺動部位の表面粗さを小さくすることができる。更に、該樹脂被覆層で摺動部を被覆することにより、該摺動部位の摩擦係数を低減することができる。
また、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物では、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び前記二硫化モリブデン(MoS2)であって、その粒子径が小さいものを選択することにより、該摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層の耐焼付け性を向上させることができる。
次に、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物を用いた摺動部材について説明する。前記摺動部材として、内燃機関用ピストンを用いて、図面を参照して説明する。
図3は、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層を有するピストンスカート部を示す概念図である。図4は、図3中のピストンスカート部に形成される樹脂被覆層の断面図である。
図3及び図4に示すように、本実施の形態に係るピストン10においては、本発明の摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層11を図示しないシリンダボアと摺動するピストンスカート部12の少なくとも一部に備えてなるものである。
前記樹脂被覆層11を前記ピストンスカート部12の少なくとも一部に形成することにより、前記ピストン10を摺動させる際の摩擦係数を低減すると共に、耐摩耗性を向上させることができる。
また、前記樹脂被覆層11を前記ピストンスカート部12の少なくとも一部に形成するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記ピストンスカート部12の全面に前記樹脂被覆層11を形成するようにしてもよい。
また、図5は、前記ピストンスカート部の断面拡大図である。
図5に示すように、前記ピストンスカート部12の少なくとも一部の下地粗さRaは、0.2〜1.5μmであることが好ましい。これは、前記ピストンスカート部12の少なくとも一部の下地粗さRaが、従来においては0.8〜1.0μmであったのに対し、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物では、前記ピストンスカート部12の少なくとも一部の下地粗さRaを0.2〜1.5μmとすることにより、密着性を向上させることができるためである。
例えば、図5に示すように、前記ピストンスカート部12の下地粗さRaが0.5μm以下とすることで前記樹脂被覆層11と前記ピストンスカート部12の表面との密着性が高くなる。
また、前記ピストンスカート部12の少なくとも一部の下地粗さRaを小さくすることで、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物で形成される前記樹脂被覆層11の表面粗さRaも小さくすることができるため、摩擦係数μ及び摩耗量を低減させることができる。
また、ピストンスカート部12の下地粗さRaを小さくすることで、前記樹脂被覆層11の薄膜化を図ることができる。よって、前記樹脂被覆層11とピストンスカート部12の表面との密着性を向上させると共に、材料費及び成膜時間を短くできるため、低コスト化を図ることができる。
また、前記ピストンスカート部12に形成される樹脂被覆層11の膜厚は4〜15μmとするのが好ましく、更には4〜12μmとするのが好ましい。これは、上述のように、樹脂被覆層11の膜厚を4〜15μmの範囲内では、前記樹脂被覆層11とピストンスカート部12の表面との密着性が高いためである。
また、図6は、ピストンピン孔側から見たピストンの側面図である。
図6に示すように、ピストン10は、前記ピストンスカート部12の面圧が大きいスラスト側の摺動面13aに、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と前記二硫化モリブデン(MoS2)との配合量を少なくした第一の固体潤滑剤を含有してなる前記摺動部材被覆組成物で形成される樹脂被覆層を設けてなると共に、前記ピストンスカート部12の面圧が小さい反スラスト側の摺動面13bに、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と前記二硫化モリブデン(MoS2)との配合量を多くした第二の固体潤滑剤を含有してなる前記摺動部材被覆組成物で形成される樹脂被覆層を設けてなるものである。また、図6中、符号14はピストンピン孔である。
ここで、図7に示すように、前記ピストン10の下降時には特に爆発行程において最大のスラスト力F1がピストン10からシリンダボア壁面15に掛かる。また、図8に示すように、ピストン10の上昇時にはスラスト力F1と反対方向のスラスト力F2(<F1)がピストン10からシリンダボア壁面15に掛かる。以下、ピストン10の下降行程においてスラスト力F1が掛かる側を「スラスト側」といい、ピストン10の上昇行程においてスラスト力F2が掛かる側を「反スラスト側」という。
このようなスラスト力F1、F2は、前記ピストン10が上下動する際にも同様に発生し、これにより、スラスト側と反スラスト側の夫々において異なる面圧がピストンスカート部12の外周面とシリンダボア壁面15との間にかかる。例えば図9に示すように、ピストンが下降する時の膨張行程でスラスト力が増大する。
よって、前記ピストン10のように、スラスト側では面圧が大きいため、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と前記二硫化モリブデン(MoS2)との配合量を少なくした前記第一の固体潤滑剤を含有してなる前記摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層をスラスト側に形成することにより、前記樹脂被覆層の摩耗を低減することができる。
また、反スラスト側では面圧が小さいため、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と前記二硫化モリブデン(MoS2)との配合量を多くした前記第二の固体潤滑剤を含有してなる前記摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層を反スラスト側に形成することにより、前記樹脂被覆層の摩擦係数μを低減することができる。
ここで、前記第一の固体潤滑剤は、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と前記二硫化モリブデン(MoS2)との配合量を少なくするため、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を例えば3〜4wt%とし、前記二硫化モリブデン(MoS2)を例えば19〜21wt%とすることが好ましい。
また、前記第二の固体潤滑剤は、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と前記二硫化モリブデン(MoS2)との配合量を多くするため、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を例えば4〜5wt%とし、前記二硫化モリブデン(MoS2)を例えば21〜24wt%とすることが好ましい。
このように、前記ピストンスカート部12にかかる面圧の相違に応じて前記固体潤滑剤及び前記結合剤の配合量を調製し、前記樹脂被覆層を形成することができる。
また、図10は、ピストンのシリンダボア内での動きを模式的に示す図である。
図10中、左側図が行程中央の状態を示し、図10中、中央図が上死点近傍の状態を示し、図10中、右側図が下死点近傍の状態を示す。また、図10中、符号17はボア摺動面であり、符号18はピストンリングである。
また、図11は、図10に示す行程中央から下死点近傍までの状態におけるピストンのクランク角と摩擦係数との関係を示す図である。
ここで、行程中央の状態は、オイルが多量にある流体潤滑状態であり、上死点近傍の状態は、オイルがほとんどない境界潤滑状態であり、下死点近傍の状態は、流体潤滑と境界潤滑との中間状態であり、比較的流体潤滑状態に近い混合状態である。
図10、図11に示すように、上死点近傍、下死点近傍でオイルがほとんどない境界潤滑状態になり易い状態ではシリンダボア16とピストン10とのフリクションが大きくなるが、本発明の摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層11を前記ピストンスカート部12のボア摺動面17に設けることにより、前記シリンダボア16と前記ピストン10とのフリクションを低減できることとなる。これにより、前記ピストン10の上下動に伴うシリンダボア16とピストン10とのフリクションを理想の状態(図中太線)に近づけることができる。
次に、シリンダボアの下地粗さとピストンスカート部の下地粗さとを変えたときのシリンダボアとピストンとのフリクションについて検討した結果を説明する。
図12は、シリンダボアの下地粗さと、ピストンスカート部の下地粗さを変えたときの摩擦係数の関係を示す図である。図12に示すように、シリンダボアの下地が粗い状態であるクロスハッチの状態においては、ピストンスカート部の条痕有無に関係なく、前記シリンダボアと前記ピストンスカート部とのフリクションは共に、約0.50Nm程度であった。
また、前記シリンダボアの下地粗さが小さい鏡面の状態では、前記ピストンスカート部に条痕がある場合の前記シリンダボアと前記ピストンスカート部とのフリクションは、約0.52Nm程度であった。
また、前記ピストンスカート部にも条痕がない鏡面に近い状態の場合における前記シリンダボアと前記ピストンスカート部とのフリクションは、約0.46Nm程度であった。
よって、前記シリンダボアの下地が粗い場合には、前記シリンダボアと前記ピストンスカート部とのフリクションには前記ピストンスカート部の条痕の有無は影響しないと考えられる。
また、シリンダボアの表面粗さの少ない鏡面に近い場合には、前記ピストンスカート部に条痕が無い場合の方が前記シリンダボアと前記ピストンスカート部とのフリクションが、低くなると考えられる。
従って、前記ピストンスカート部及び前記シリンダボアの両方の下地粗さが小さく鏡面に近い状態のもの同士の場合では、前記シリンダボアと前記ピストンスカート部とのフリクションをもっとも小さくすることができるが、鏡面状態では前記シリンダボア等の部品の掃除が出来ないため、シリンダボア又はピストンスカート部の何れか一方又は両方の表面粗さを大きくした場合でも、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層を前記ピストンスカート部に設けることにより前記シリンダボアと前記ピストンスカート部とのフリクションを小さくすることができる。
このように、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物によれば、前記結合剤及び前記固体潤滑剤の配合比を最適化すると共に、各々の前記固体潤滑剤の粒子径を小さくしているため、樹脂被覆層と前記樹脂の塗布表面との密着性を向上させると共に、摩耗量を低減することができる。
また、エンジンのピストンスカート部に本発明に係る摺動部材被覆組成物を用いて形成される樹脂被覆層を形成することにより、シリンダボアとの間で摩擦係数を低減することができ、エンジンの燃費向上を図ることができる。さらに、耐摩耗性の向上により、樹脂被覆層の摩滅が抑制されるので、相手ボア面への攻撃性を低減でき、ボア面の鏡面化が防止できる。
また、本実施の形態に係る摺動部材被覆組成物においては、前記摺動部材及び摺動装置として、内燃機関用ピストンを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば軸受や人工関節の摺動部分などにも用いることができ、これらに限定されるものではない。
次に、試験例、実施例および比較例を示して本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、下記実施の形態及び実施例における構成要素には当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本実施例等において、二硫化モリブデン(MoS2)粒子、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の固体潤滑剤の平均粒子径の測定は、以下に示す機器および測定条件により、レーザー回折散乱式粒度分布測定法で体積累積平均粒子径(D50)を測定することにより行なった。
レーザー回折散乱式粒度分布測定装置:「モデルLS‐230:商品名」(ベックマンコールター社製)
測定値:体積累積平均粒子径(D50
測定方法:PIDS(偏光散乱強度差計測)
分散媒:キシレン
サンプル濃度:0.5wt%
[固体潤滑剤の平均粒子径の測定条件]
測定用サンプルとして、各個体潤滑剤のキシレン分散媒(0.5wt%濃度)を調製した。室温下、上記測定用サンプルをレーザー回折散乱式粒度分布測定装置:「モデルLS‐230:商品名」のフローセル内に循環させ、固体潤滑剤サンプルの体積累積平均粒子径(D50)を測定した。
本実施例等において、樹脂被覆層の形成は以下に示す方法により行なった。
[樹脂被覆層の形成]
実施例または比較例に係る樹脂被覆層の形成は、アルカリ脱脂したアルミニウム基材(表面粗さRa 0.2μm)表面に各摺動部材被覆組成物(試料)をナイフコーティングし、80℃×30分にて乾燥した後、180℃×90分による条件で該アルミニウム基材上に樹脂被覆層を形成させることにより行なった(樹脂被覆層の厚さは、10〜13μm)。
被覆層を形成させる前に基材の表面粗さRa(μm)および樹脂被覆層の表面粗さRa(μm)は、JIS B0601−1994に規定する中心線平均粗さ(Ra)の測定法に準じて測定した。
以下、表面粗さRaは単位「下地粗さRa」「樹脂被覆層の表面粗さRa」ともいう。
各摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層の特性は、以下に示す方法により測定した。
[摩擦係数]
図13は、荷重往復動試験装置を示す概略図である。図13に示すように、荷重往復動試験装置20は、アルミニウム合金AC8Bの試験板21と、直径7mmのローラ22と、ロードセル23とからなる措置である。試験温度25度(室温)で、乾性被膜塗布アルミニウム合金AC8Bの試験板21を本発明の各摺動部材被覆組成物(試料)により被覆した樹脂被覆層24の表面にエンジンオイル「0W‐20:製品名」を1.0mg塗布し、直径7mmのローラ22で垂直荷重29.4Nを与え、ストローク100mm、速度120cpmの条件で、7200サイクルの荷重往復動を行なうことにより、樹脂被覆層24の摩擦係数μを測定した。
[摩耗量]
各摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層24を有するアルミニウム合金AC8Bの試験板21に対し、前記の摩擦係数測定(荷重往復動試験)の前後で、該樹脂被覆層24の表面粗さRaを上記の方法により測定した。更に、試験前後の表面粗さRaの差から該樹脂被覆層24の摩耗量(μm)を測定した。
<試験例1〜試験例4>
本発明にかかる数値範囲の臨界的意義を明らかにすべく、以下の比較試験を行なった。
[試料の調製]
ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)のn‐メチル‐2‐ピロリドン溶液(PAI樹脂分34wt%)に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)を加え、ニーダにて1時間の粉砕・攪拌を行い、n‐メチル‐2‐ピロリドンを更に添加して粘度:12,000mPa・s(25℃)の試料を得た。
そして、固体潤滑剤(ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン)とポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)の配合量については、固体潤滑剤の配合量とポリアミドイミド樹脂との配合量が100wt%となるように調製した。
<試験例1:二硫化モリブデン(MoS2)の配合量(wt%)>
下記表1の通り、二硫化モリブデン(MoS2)粒子の粒子径、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子径、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の配合量(wt%)を固定して、二硫化モリブデン(MoS2)の配合量(wt%)が樹脂被覆層の摩擦係数μに及ぼす影響を確認した。
得られた結果と、二硫化モリブデン(MoS2)の配合量(wt%)の臨界範囲の関係を表1に示す。
尚、表1中の「PS」は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法で測定した体積累積平均粒子径を表す(以下、同じ)。
Figure 2009068390
<試験例2:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の配合量(wt%)>
下記表2の通り、二硫化モリブデン(MoS2)粒子の粒子径、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子径、二硫化モリブデン(MoS2)の配合量(wt%)を固定して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の配合量(wt%)が樹脂被覆層の摩擦係数μに及ぼす影響を確認した。
得られた結果と、二硫化モリブデン(MoS2)の配合量(wt%)の臨界範囲の関係を表2に示す。
Figure 2009068390
<試験例3:二硫化モリブデン(MoS2)の粒子径>
下記表3の通り、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子径、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の配合量(wt%)及び二硫化モリブデン(MoS2)の配合量(wt%)を固定して、二硫化モリブデン(MoS2)粒子の粒子径が樹脂被覆層の密着性、摩擦係数μ、摩耗量(μm)に及ぼす影響を確認した。
得られた結果と、二硫化モリブデン(MoS2)の粒子の粒子径の臨界範囲の関係を図14、表3に示す。
Figure 2009068390
<試験例4:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子径>
下記表4の通り、二硫化モリブデン(MoS2)の粒子径、及び二硫化モリブデン(MoS2)の配合量(wt%)を固定して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子の粒子径が樹脂被覆層の摩擦係数μに及ぼす影響を確認した。
得られた結果と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子の粒子径の臨界範囲の関係を図15、表4に示す。
Figure 2009068390
表1〜表4および図1、図2、図14、図15に示す通り、本発明にかかるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)の樹脂被覆層中における重量百分率(wt%)およびそれらの粒子径(μm)の数値範囲において、得られる樹脂被覆層の摩擦係数μは最小値あるいは減少傾向を示し、かかる数値範囲を選択することに臨界的意義があることが示された。
<実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例14>
本発明の実施例に係る摺動部材被覆組成物(試料)は下記方法により、表5に示す配合比で調製した。
<実施例1〜実施例3>
[試料の調製]
ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)のn‐メチル‐2‐ピロリドン溶液(PAI樹脂分34wt%)に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)を加え、ニーダにて1時間の粉砕・攪拌を行い、n‐メチル‐2‐ピロリドンを更に添加して粘度:12,000mPa・s(25℃)の試料を得た。
そして、固体潤滑剤(ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン)とポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)の配合量については、固体潤滑剤の配合量とポリアミドイミド樹脂との配合量が100wt%となるように調製した(表5参照)。
[各試料の配合量および固体潤滑剤の粒子径]
固体潤滑剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)の配合量の割合(wt%)と、結合剤であるポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)の配合量(wt%)と、固体潤滑剤と結合剤との配合量(wt%)の割合比と、二硫化モリブデン(MoS2)の粒子径と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子径とを表5に示す。
Figure 2009068390
<比較例1〜比較例14>
比較例に係る摺動部材被覆組成物(試料)は下記方法により、表6〜表8に示す配合比で調製した。
[試料の調製]
ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)のn‐メチル‐2‐ピロリドン溶液(PAI樹脂分34wt%)に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)、グラファイトを加え、ニーダにて1時間の粉砕・攪拌を行い、n‐メチル‐2‐ピロリドンを更に添加して粘度:12,000mPa・s(25℃)の試料を得た。
また、固体潤滑剤(ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、グラファイト)とポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)の配合量については、固体潤滑剤の配合量とポリアミドイミド樹脂との配合量が100wt%となるように調製した(表6〜表8参照)。
[各試料の配合量および固体潤滑剤の粒子径]
固体潤滑剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)、グラファイトの配合量の割合(wt%)と、結合剤であるポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)の配合量(wt%)と、固体潤滑剤と結合剤との配合量(wt%)の割合比と、各固体潤滑剤の粒子径の関係を表6〜表8に示す。
Figure 2009068390
Figure 2009068390
Figure 2009068390
以下、[A:本発明の摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層の(1)密着性、(2)摩擦係数μ、(3)摩耗量及び(4)表面粗さRaの評価]、[B:下地粗さRaが異なる試験板上に形成される樹脂被覆層の表面粗さRaと摩擦係数μの評価]、及び[C:試験板の下地粗さRaと該試験板上に形成される樹脂被覆層の表面粗さRaとの関係]について検討した結果を示す。
[A:本発明の摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層の(1)密着性、(2)摩擦係数μ、(3)摩耗量及び(4)表面粗さRaの評価]
実施例1〜実施例3で得られた摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層特性の評価結果を表5に示す。
比較例1〜比較例5で得られた摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層の特性の評価結果を表6に示し、比較例6〜比較例10で得られた摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層の特性の評価結果を表7に示し、比較例11〜比較例14で得られた摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層の特性の評価結果を表8に示す。
[(1)密着性の評価]
表5〜表8に示すように、実施例1〜実施例3の樹脂被覆層の密着性は良好(表中、二重丸印)であった。これに対し、比較例1、3、4、11〜14の密着性は低め(○)であり、比較例5〜10の密着性は悪く(×)、比較例2の試料では点剥離した。
即ち、実施例に係る摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層は比較例の樹脂被覆層(従来品)に比して、部材への密着性が向上していた。
[(2)摩擦係数μの評価]
表5〜表8に示すように、実施例1〜実施例3の樹脂被覆層の摩擦係数μは0.020〜0.025であった。これに対し、比較例1〜14の摩擦係数μは0.030〜0.060であった。
即ち、本発明の実施例に係る摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層は、比較例の樹脂被覆層(従来品)に比して、摩擦係数μが低減されていた。
[(3)摩耗量の評価]
表5〜表8に示すように、実施例1〜実施例3の樹脂被覆層の摩耗量はいずれも0.1μm以下であった。一方、比較例2〜5、7、8、10〜13の樹脂被覆層の摩耗量は0.1μm以下であったが、比較例1の樹脂被覆層の摩耗量は0.8〜1.0μmであり、比較例6、9の樹脂被覆層の摩耗量は0.5μmであり、比較例14の樹脂被覆層の摩耗量は0.15μmであった。
よって、本発明の実施例に係る摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層は、比較例の樹脂被覆層(従来品)に比して、その摩耗量が同等あるいは低減されており、本発明の樹脂被覆層の摩耗耐久性は従来品と同等以上であることが確認できた。
[(4)表面粗さRaの評価]
表5〜表8に示すように、実施例1〜実施例3の樹脂被覆層の表面粗さRaは0.16〜0.21μmであった。これに対し、比較例5の表面粗さRaは0.15μmであり、比較例11の表面粗さRaは0.19μmであったが、比較例1〜4、6〜10、12〜14の表面粗さRaは0.22〜0.92μmであった。
即ち、本発明の実施例に係る摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層は、比較例の樹脂被覆層(従来品)に比して、表面粗さRaが低減されていた。
以上は、本発明の摺動部材被覆組成物(試料)から形成される樹脂被覆層の(1)密着性、(2)摩擦係数μ、(3)摩耗量及び(4)表面粗さRaを評価した結果について説明したが、次に、下地粗さRaが異なる試験板上に形成される樹脂被覆層の表面粗さRaと摩擦係数μの評価について検討した結果について以下に説明する。
[B:下地粗さRaが異なる試験板上に形成される樹脂被覆層の表面粗さRaと摩擦係数μの評価]
<実施例1−1〜実施例1−6、比較例1−1〜比較例1−6>
下地粗さRaが異なる試験板上に形成される樹脂被覆層の表面粗さRaと摩擦係数μを以下に示す評価方法により測定した。
実施例1−1〜実施例1−6の検討に用いた試料は、表5に示す実施例1と同様の組成を有する摺動部材被覆組成物であり、比較例1−1〜比較例1−6の検討に用いた試料は、表6に示す比較例1と同様の組成を有する摺動部材被覆組成物である。
[評価方法]
試験板の下地粗さRaが、0.2μm、0.8μm、1.6μmである3種類の試験板に、実施例1又は比較例1の摺動部材被覆組成物(試料)を塗布し、前記[樹脂被覆層の形成]に示す方法により形成された樹脂被覆層の表面粗さRaを測定した。
次に、該樹脂被覆層の表面に塗布するエンジンオイル「0W‐20:製品名」を下記の所定量とするほかは、前記摩擦係数μの測定方法と同様の条件で、図13に示す荷重往復動試験装置を用いて、1200サイクルの荷重往復運動を行なうことにより、樹脂被覆層の摩擦係数μを測定した。
<エンジンオイル0W‐20の塗布量>
実施例1−1、比較例1−1:1.0mg
実施例1−2、1−3、比較例1−2、1−3:2.0mg
実施例1−4〜1−6、比較例1−4〜1−6:5.0mg
表9及び表10は、試料を塗布する前の各試験板の下地粗さRa、試験板上に形成される樹脂被覆層の表面粗さRa及び摩擦係数μの測定結果を示したものである。
Figure 2009068390
Figure 2009068390
表9、表10に示すように、実施例1−1〜実施例1−6では、比較例1−1〜比較例1−6に比して、試験板の下地粗さRaが小さくなるに従って樹脂被覆層の表面粗さRaが小さくなり、試料を塗布する前の試験板の下地粗さRaがそのまま樹脂被覆層の表面粗さRaに影響することが確認された。
また、試験板の下地粗さRa及び樹脂被覆層の表面粗さRaが小さくなるに従い、樹脂被覆層の摩擦係数μも小さくなることが確認された。
更に、本発明の実施例に係る樹脂被覆層の摩擦係数μは、下地粗さRaが0.2〜1.5μmの範囲にある場合、特に下地粗さRaが0.2〜1.0μmの範囲にある場合に比較例に係る樹脂被覆層の摩擦係数μよりも小さくなり、かかる下地粗さRaを有する摺動部材に塗布することで、部材表面の摩擦係数μを更に小さくすることできる。
また、樹脂被覆層上のエンジンオイルの塗布量を変化させても摩擦係数μはほとんど変化しないことが確認された。
[C:試験板の下地粗さRaと該試験板上に形成される樹脂被覆層の表面粗さRaとの関係]
試験板の下地粗さRaが、0.2μm、0.8μm、1.6μmである3種類の試験板に、実施例1又は比較例1の摺動部材被覆組成物(試料)を塗布し、前記[樹脂被覆層の形成]に示す方法により形成された樹脂被覆層の表面粗さRaを測定した結果は、表9、10に示した通りである。
図16に、実施例1−1〜実施例1−6、比較例1−1〜比較例1−6の試験結果について、試料を塗布する前の試験板の下地粗さRaと該試験板上に形成させた樹脂被覆層の表面粗さRaとの関係を示す。
図16に示す通り、比較例に係る試験結果では、試験板の下地粗さRaが0.6〜0.8μmの範囲で、樹脂被覆層の表面粗さRaの値の収束が見られ、それ以上下地粗さRaが小さい試験板を用いても、樹脂被覆層の表面粗さRaが減少しないのに対して、本発明の実施例に係る試験結果では、試験板の下地粗さRaが小さくなるに従い、樹脂被覆層の表面粗さRaが減少することが確認された。
従って、本発明の摺動部材被覆組成物を用い、該摺動部材の下地粗さRaがより小さい部材を選択することにより、表面粗さRaが小さく、摩擦係数μが小さい樹脂被覆層を該摺動部材上に形成することができる利点がある。
本発明に係る摺動部材被覆組成物は、摩擦係数が低く、定常摩耗量が低減されており、焼付き面圧が向上した摺動用樹脂被覆層を形成することができる。かかる摺動用樹脂被覆層を備えた摺動部材は、内燃機関用ピストンとして好適に使用することができ、特にエンジンのピストンスカート部に好適に使用することができる。
ポリテトラフルオロエチレンの配合量と摩擦係数との関係を示す図である。 二硫化モリブデンの配合量と摩擦係数との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る摺動部材被覆組成物からなる樹脂被覆層を有するピストンスカート部を示す概念図である。 図3中のピストンスカート部に形成した樹脂被覆層の断面図である。 ピストンスカート部の断面拡大図である。 ピストンピン孔側から見たピストンの側面図である。 ピストン下降時においてピストンとシリンダボア壁面との間に掛かるスラスト力を説明する図である。 ピストン上昇時においてピストンとシリンダボア壁面との間に掛かるスラスト力を説明する図である。 クランク角と摩擦力との関係を示す概念図である。 ピストンのシリンダボア内での動きを模式的に示す図である。 図10に示す行程中央から下死点近傍までの状態におけるピストンのクランク角と摩擦係数との関係を示す図である。 シリンダボアの下地粗さと、ピストンスカート部の面性状を変えたときの摩擦係数の関係を示す図である。 荷重往復動試験装置を示す概略図である。 二硫化モリブデンの粒子の粒子径の臨界範囲の関係を示す図である。 ポリテトラフルオロエチレンの粒子の粒子径の臨界範囲の関係を示す図である。 試験板の下地粗さRaとそこに形成される樹脂被覆層の表面粗さRaとの関係を示す図である。
符号の説明
10 ピストン
11、24 樹脂被覆層
12 ピストンスカート部
13a スラスト側の摺動面
13b 反スラスト側の摺動面
14 ピストンピン孔
15 シリンダボア壁面
16 シリンダボア
17 シリンダボア摺動面
18 ピストンリング
20 荷重往復動試験装置
21 試験板
22 ローラ
23 ロードセル
Ra 下地粗さ、表面粗さ

Claims (7)

  1. 樹脂被覆層を形成する被覆組成物であって、該樹脂被覆層を形成する成分が71〜78wt%の耐熱性樹脂からなる結合剤、3〜5wt%のポリテトラフルオロエチレンおよび19〜24wt%の二硫化モリブデンから成り、かつ、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した前記ポリテトラフルオロエチレンの平均粒子径が、0.1〜2.0μmの範囲であり、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した前記二硫化モリブデンの粒子径が、0.5〜3.0μmの範囲であることを特徴とする摺動部材被覆組成物。
  2. 請求項1において、
    前記耐熱性樹脂が、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂からなる群から選択される耐熱性樹脂の1種類または2種類以上を含有することを特徴とする摺動部材被覆組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層を摺動部位の少なくとも一部に有することを特徴とする摺動部材。
  4. 請求項3において、
    前記摺動部位の下地の中心線平均粗さ(Ra)が、0.2〜1.5μmであることを特徴とする摺動部材。
  5. 請求項3又は4に記載の摺動部材が内燃機関用ピストンであって、
    前記摺動部位が、ピストンスカート部であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  6. 請求項5において、
    前記ピストンスカート部の面圧が大きいスラスト側の摺動面に、前記ポリテトラフルオロエチレンと前記二硫化モリブデンとの配合量が少ない第一の固体潤滑剤からなる前記摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層が設けられてなると共に、
    前記ピストンスカート部の面圧が小さい反スラスト側の摺動面に、前記ポリテトラフルオロエチレンと前記二硫化モリブデンとの配合量が多い第二の固体潤滑剤からなる前記摺動部材被覆組成物から形成される樹脂被覆層が設けられてなることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  7. 請求項6において、
    前記第一の固体潤滑剤が、3〜4wt%の前記ポリテトラフルオロエチレンと、19〜21wt%の前記二硫化モリブデンとからなると共に、
    前記第二の固体潤滑剤が、4〜5wt%の前記ポリテトラフルオロエチレンと、21〜24wt%の前記二硫化モリブデンとからなることを特徴とする内燃機関用ピストン。
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