JP2009067855A - 形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法、形状記憶性樹脂組成物および形状記憶性樹脂成形物 - Google Patents

形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法、形状記憶性樹脂組成物および形状記憶性樹脂成形物 Download PDF

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Abstract

【課題】高い形状復元性を有するとともに、任意の損失正接ピーク温度に調整することができる形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法、高い形状復元性および任意の損失正接ピーク温度選択が可能な形状記憶性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の温度特性調整方法は、第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーを主成分とし、かつ前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い損失正接ピーク温度を有する形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法であり、前記形状記憶性樹脂組成物に、第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーを添加することにより、形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度を前記第1の損失正接ピーク温度と前記第2の損失正接ピーク温度間の任意の温度に調整するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法、形状記憶性樹脂組成物および形状記憶性樹脂成形物に関する。
電子機器、家電製品をはじめとする電化製品、機械製品等は多くの部品から成り立ち、ねじやリベットを始めとする多くの締結部品が使用されている。温暖化などを含む地球環境および資源の有効などの観点より、製品のリサイクル化が強く求められているとともに、多くの企業もリサイクル率の向上のための努力を行っている。しかし、ここで、問題となるのは、製品の分解コストである。
最近では、形状記憶材料(合金およびポリマーなど)からなる締結体が多く提案されている。本件出願人もポリウレタン系形状記憶性ポリマーを用いた締結体を提案している(特開2003−145564号公報:特許文献1)。
特許文献1に開示されている締結体は、形状記憶性ポリマーからなる締結体において、一部または全部がポリウレタン系形状記憶性ポリマーからなる締結体であって、該ポリウレタン系形状記憶性ポリマー部分に、締結機能を発揮する、凸部、凹部、凹凸部、ねじ部、および、傾斜部からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の形状を有する。そして、この締結体は、締結機能部をガラス転移温度Tg以上に加熱して軟化させることにより、締結機能が実質的に消失するため、締結体の分解を容易に行うことができる。
また、形状記憶性樹脂組成物としては、多くのものが提案されている。
たとえば、特開平4−77539号公報(特許文献2)には、ポリエステル系形状記憶樹脂およびポリオレフィンからなる混合物と、エチレン構造単位およびエステル構造単位を含有する樹脂とを含む形状記憶性樹脂組成物が開示されている。
また、特開平2−123145号公報(特許文献3)には、ポリオレフィンと、ポリオレフィンより損失正接ピーク温度が低い非晶性ポリエステルとの混合物からなる形状記憶特性を有する樹脂組成物が開示されている。
また、特開2002−30206号公報(特許文献4)には、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A)と、ブタンジオールを主たるジオール成分とし、コハク酸及びグルタル酸から選択された少なくとも1種をジカルボン酸成分とするポリエステル樹脂(B)とで構成されているポリエステル樹脂組成物であって、前記ポリエステル樹脂(B)において、ジカルボン酸成分全体に対して、コハク酸及びグルタル酸から選択された少なくとも1種を25モル%以上含み、前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)との割合が、前者/後者(重量比)=40/60〜95/5であり、前記ポリエステル樹脂組成物が、配向し、かつ形状記憶性を有するポリエステル樹脂組成物が開示されている。
特開2003−145564号公報 特開平4−77539号公報 特開平2−123145号公報 特開2002−30206号公報
従来の形状記憶性樹脂組成物は、形状復元性の点において十分なものではなかった。形状記憶性樹脂組成物としては、高い形状記憶特性、言い換えれば、塑性変形前形状への高い復元率を有することが望ましく、さらに、利用用途に対応した復元作業温度選択性を備えることが望まれる。
形状記憶性樹脂組成物は、第1の形状に溶融射出成形された後、ガラス転移温度以下の温度にて、必要な形状に塑性変形させることにより成形物(例えば、締結部材)となり、各種製品に使用される。
このため、各種製品の通常使用温度において、形状復元するものであってはならず、通常使用温度よりある程度高い形状回復開始温度(ガラス転移温度とほぼ同じ温度)を有することが必要である。しかし、通常使用温度は、各種製品により異なるため、高めの形状回復開始温度(言い換えれば、ガラス転移温度)を有するものを使用することが安全となる。このため、ガラス転移温度がある程度高い形状記憶性樹脂組成物を用いることになり、必然的に、復元作業温度は、高めのガラス転移温度よりも高い温度にて行わなければならず、加温には、エネルギーを必要とする。
従来技術では、形状記憶性樹脂組成物は、ガラス転移温度を基準に考えられている。しかし、本発明者が鋭意検討したところ、形状記憶性樹脂組成物の温度特性をみるためには、ガラス転移温度ではなく、動的粘弾性測定における損失正接値のピークとなる損失正接ピーク温度の方が重要であることがわかった。損失正接ピーク温度は、ガラス転移温度より、若干高い温度を示す場合が多い。
本発明の目的は、高い形状復元性を有するとともに、任意の動的粘弾性測定における損失正接値のピークとなる損失正接ピーク温度に調整することができる形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法、高い形状復元性および任意の損失正接ピーク温度選択が可能な形状記憶性樹脂組成物およびその形状記憶性樹脂より形成された形状記憶性樹脂成形物を提供するものである。
上記目的を達成するものは以下のものである。
(1) 動的粘弾性測定における損失正接値がピークとなる第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーを主成分とし、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い損失正接ピーク温度を有する形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法であって、
前記形状記憶性樹脂組成物に、前記第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーを添加することにより、前記形状記憶性樹脂組成物の前記損失正接ピーク温度を前記第1の損失正接ピーク温度と前記第2の損失正接ピーク温度間の任意の温度に調整する形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法。
(2) 前記形状記憶性ポリマーは、非晶性形状記憶性ポリマー、低結晶性形状記憶性ポリマー、もしくは半結晶性形状記憶性ポリマーである上記(1)に記載の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法。
(3) 前記第1の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエステルであり、前記第2の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエチレンナフタレート、低結晶性形状記憶ポリエチレンナフタレート、もしくは半結晶性ポリエチレンナフタレートである上記(1)に記載の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(4) 動的粘弾性測定における損失正接値のピークとなる第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーと、前記第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーとの混合物からなる形状記憶性樹脂組成物であり、該形状記憶性樹脂組成物は、前記第1の損失正接ピーク温度と前記第2の損失正接ピーク温度間となる形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度を有する形状記憶性樹脂組成物。
(5) 前記形状記憶性ポリマーは、非晶性形状記憶性ポリマー、低結晶性形状記憶性ポリマー、もしくは半結晶性形状記憶性ポリマーである上記(4)に記載の形状記憶性樹脂組成物。
(6) 前記第1の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエステルであり、前記第2の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエチレンナフタレート、低結晶性形状記憶ポリエチレンナフタレート、もしくは半結晶性ポリエチレンナフタレートである上記(4)に記載の形状記憶性樹脂組成物。
(7) 前記形状記憶性樹脂組成物における前記第1の形状記憶性ポリマーと前記第2の形状記憶性ポリマーとの配合比は、10:2〜2:10である上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物。
(8) 前記形状記憶性樹脂組成物は、ガラス繊維もしくは炭素繊維を含有している上記(4)ないし(7)のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(9) 上記(4)ないし(8)のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物からなる形状記憶性樹脂成形物であって、該形状記憶性樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融された前記形状記憶性樹脂成形物によって第1の形態に成形された後、前記第1の損失正接ピーク温度より低い温度条件にて形状固定加工することにより第2の形態に加工され、前記形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、前記第2の形態から前記第1の形態もしくは第1の形態に近づく方向に形状変化する形状記憶性樹脂成形物。
(10) 前記形状固定加工は、塑性加工である上記(9)に記載の形状記憶性樹脂成形物。
(11) 前記形状記憶性樹脂成形物は、締結部材であって、前記第2の形態は、締結機能部を備える形態であり、前記第1の形態は、締結機能部を実質的に備えない形態である上記(9)または(10)に記載の形状記憶性樹脂成形物。
(12) 前記形状記憶性樹脂成形物は、締結部材であって、前記第2の形態は、締結機能部を備える形態であり、前記第1の形態は、締結機能部を実質的に備えない形態であり、前記形状固定加工は、転造による塑性加工である上記(9)に記載の形状記憶性樹脂成形物。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(13) 上記(4)ないし(8)のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物からなる形状記憶性樹脂成形物であって、該形状記憶性樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融された前記形状記憶性樹脂成形物によって所定の形態に成形されたものであって、前記第1の損失正接ピーク温度より低い温度環境における塑性変形が可能であるとともに、前記形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、前記塑性変形後の形態から前記成形時の形態もしくは成形時の形態に近づく方向に形状変化する形状記憶性樹脂成形物。
(14) 前記形状記憶性樹脂成形物は、自動車用艤装部品である上記(13)に記載の形状記憶性樹脂成形物。
(15) 前記自動車用艤装部品は、バンパー、スポイラーまたはフェンダーである上記(14)に記載の形状記憶性樹脂成形物。
本発明の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法は、動的粘弾性測定における損失正接値がピークとなる第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーを主成分とし、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い損失正接ピーク温度を有する形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法であり、前記形状記憶性樹脂組成物に、前記第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーを添加するものであるので、生成される形状記憶性樹脂組成物として重要な温度特性ポイントである損失正接ピーク温度を第1の損失正接ピーク温度と第2の損失正接ピーク温度間に任意に調整できる。
本発明の形状記憶性樹脂組成物は、動的粘弾性測定における損失正接値のピークとなる第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーと、前記第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーとの混合物からなる形状記憶性樹脂組成物であり、該形状記憶性樹脂組成物は、前記第1の損失正接ピーク温度と前記第2の損失正接ピーク温度となる動的粘弾性測定における損失正接値のピークとなる損失正接ピーク温度を有するものである。本発明の形状記憶性樹脂組成物は、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの混合物であるため、良好な形状復元性を有するとともに、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの配合量を調整することにより、形状記憶性樹脂組成物として重要な温度特性ポイントである損失正接ピーク温度を調整可能である。
本発明の形状記憶性樹脂成形物は、上記の形状記憶性樹脂組成物からなるものであるとともに、該形状記憶性樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融された前記形状記憶性樹脂成形物によって第1の形態に成形された後、前記第1の損失正接ピーク温度より低い温度条件にて形状固定加工することにより第2の形態に加工され、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、前記第2の形態から前記第1の形態もしくは第1の形態に近づく方向に形状変化するものである。よって、本発明の形状記憶性樹脂成形物は、良好な形状復元性を有する。
また、本発明の形状記憶性樹脂成形物は、上記の形状記憶性樹脂組成物からなるものであるとともに、該形状記憶性樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融された前記形状記憶性樹脂成形物によって所定の形態に成形されたものであって、前記第1の損失正接ピーク温度より低い温度環境における塑性変形が可能であるとともに、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、前記塑性変形後の形態から前記成形時の形態もしくは成形時の形態に近づく方向に形状変化するものである。よって、本発明の形状記憶性樹脂成形物は、樹脂成形物に不必要な塑性変形が付加された場合、加温することにより、成型時の形状に良好に復元する。
そこで、本発明の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法、形状記憶性樹脂組成物および形状記憶性樹脂成形物について、実施例を用いて説明する。
本発明の形状記憶性樹脂組成物は、動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)値のピークとなる第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーと、前記第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーとの混合物からなる形状記憶性樹脂組成物であり、該形状記憶性樹脂組成物は、前記第1の損失正接ピーク温度と前記第2の損失正接ピーク温度間となる動的粘弾性測定における損失正接値のピークとなる形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度を有している。
ポリマーのような粘弾性体は、理想弾性体と理想粘性体の中間の性質を示す。
ポリマーに正弦波の形で応力を与えた場合、応力波形と歪波形の間には0°〜90°の範囲で位相差δが生じる。なお、理想弾性体では位相差が零であり、理想粘性体は応力に対して歪みは90°(π/2)遅れて検出される。
粘弾性の応力と歪みの関係は、図1に示す複素平面上のベクトルとして表すことが出来る。
E*は、複素弾性率と呼ばれ、応力と歪みの振幅比に相当する。δは位相差である。
E’は、貯蔵弾性率と呼ばれ、試料の弾性としての特性を反映し、1周期あたりに加えられた応力が貯蔵され完全に回復するエネルギーの尺度である。
E’’は、損失弾性率と呼ばれ、試料の粘性としての特性を反映し、1周期あたりに加えられた応力が熱として損失(消費)されるエネルギーの尺度である。
tanδは、損失正接と呼ばれ、貯蔵弾性率と損失弾性率の比で表す。つまり与えられた力学的なエネルギーに対する熱として損失されたエネルギーの割合を示すもので、粘弾性特性の一つとして振動吸収性を表している。
つまり、動的粘弾性測定において得られる損失正接値は、被検材料に正弦的に繰り返す引張方向の応力、及び歪みを与えた時に、その応答として得られる損失弾性率の貯蔵弾性率に対する比の値として表される。損失正接は、被検材料中の分子の束縛状態を示しており、損失正接値が大きくなるほど分子の束縛が緩くなることを示している。なお、この動的粘弾性により得られる値は、測定方法や条件により変化するが、本発明においては、10×50×2〜4mmの板状試験片を、測定温度範囲:室温〜200℃、設定昇温速度:2℃/分、測定周波数:1Hzの条件で固体粘弾性測定したものである。
そして、本願で言う形状記憶特性とは、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱形状を射出成形により成形した後、樹脂組成物の損失正接ピーク温度より低い温度条件にて、高さが1/2になるように圧縮して所定時間放置した後、樹脂組成物の損失正接ピーク温度より高い温度に加温することにより、成形時の高さの90%以上の高さに復元するものを示すものである。
そして、形状記憶性ポリマーとしては、非晶性形状記憶性ポリマー、低結晶性形状記憶性ポリマーもしくは半結晶性形状記憶性ポリマーを用いることが好ましい。このような結晶性の低い形状記憶性ポリマーを用いることにより、形状回復が良好なものとなる。また、非晶性形状記憶性ポリマー、低結晶性形状記憶性ポリマーおよび半結晶性形状記憶性ポリマーは、JISK7122による結晶融解に伴う潜熱が2.1J/g以下の樹脂であることが好ましい。
そして、第1の形状記憶性ポリマーおよび第2の形状記憶性ポリマーは、両者が相溶性を有する熱可塑性樹脂が選択される。また、第2の形状記憶性ポリマーは、第1の損失正接ピーク温度よりも高い損失正接ピーク温度を有するものが選択される。第1の形状記憶性ポリマーの損失正接ピーク温度としては、50〜160℃程度のものが好ましく、第2の形状記憶性ポリマーの損失正接ピーク温度としては、90〜220℃程度のものが好ましい。そして、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーの損失正接ピーク温度の差は、30〜100℃程度であることが好ましい。また、本発明の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、70〜200℃程度であることが好ましい。
形状記憶性樹脂組成物における第1の形状記憶性ポリマーおよび第2の形状記憶性ポリマーの配合量(配合比)は、形状記憶性樹脂組成物の目標損失正接ピーク温度、第1の形状記憶性ポリマーおよび第2の形状記憶性ポリマーの損失正接ピーク温度によって定まるものであり、一義的なものではないが、形状記憶性樹脂組成物における第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーの重量比は、10:2〜2:10程度が好ましく、より好ましくは、10:4〜4:10である。
形状記憶性ポリマーとしては、ポリエステル、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリチオエーテル、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイドなどが使用される。
そして、第1の形状記憶性ポリマーおよび第2の形状記憶性ポリマーは、相溶性を有する熱可塑性樹脂が選択される。このため、第1の形状記憶性ポリマーおよび第2の形状記憶性ポリマーは、上記の形状記憶性ポリマーより、同系統の2種のポリマーを選択することが好ましい。
ポリエステルとしては、非晶性ポリエチレンテレフタレート、半結晶性ポリエチレンナフタレートもしくは低結晶性ポリエチレンナフタレートが好適である。非晶性ポリエチレンテレフタレートの損失正接ピーク温度は、約70℃である。半結晶性ポリエチレンナフタレートは、非晶性ポリエチレンテレフタレートより約40℃程度高い損失正接ピーク温度を有し、その損失正接ピーク温度は、約110℃である。そして、両者は、相溶性を有する。
本発明の形状記憶性樹脂組成物における第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの組合せは、第1のポリエステルと第1のポリエステルと異なる第2のポリエステルの組合せであることが好適である。特に、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの組合せは、非晶性ポリエチレンテレフタレートと半結晶性ポリエチレンナフタレートであることが好適である。この組合せによる形状記憶性樹脂組成物は、高い形状復元性を有するとともに、狭いガラス遷移温度領域を有する。狭いガラス遷移温度領域を有するため、形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度を若干超える程度に加熱することにより、記憶形状に復元するので、復元のための加熱効率が良好であるとともに、ガラス遷移温度領域未満における不測の形状復元を起こすことがなく、形状保持および形状復元のための温度管理が容易なものとなる。また、非晶性ポリエチレンテレフタレートを用いることにより、工業的にマテリアル・リサイクルが可能であり、さらに、食品容器にも使用可能である。
非晶性ポリエチレンテレフタレートとしては、例えば、ジオール成分の50モル%以上がエチレングリコールであるジオールと、ジカルボン酸成分の50モル%以上がテレフタル酸またはそのアルキルエステルであるジカルボン酸類を重縮合して得られるホモポリマー、コポリマーまたはこれらの混合物であり、コポリマーとしては、例えば全カルボン酸類の50モル%以下の範囲で他のジカルボン酸、例えばイソフタル酸あるいはハロゲン化テレフタル酸を共重合したものや、全ジオールの50モル%以下の範囲でポリ(アルキレングリコール)具体的にはジエチレングリコールを共重合したものまたは、C3〜C12のアルキレングリコール例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したものが挙げられる。例えば、イーストマンケミカル社製の商品名「PETG6763」(テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、30モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと70モル%のエチレングリコールからなるジオール成分とを共重合したコポリエステル)、および商品名「Provista」(テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、30モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと70モル%のエチレングリコールからなるジオール成分と、極めて少量の第3成分を共重合した溶融粘度が高いコポリエステル)として市販されている。
ポリエチレンナフタレートとしては、エチレン−2,6−ナフタレート繰り返し単位から主としてなるが、それ以外にも以下に示すような成分を20モル%を超えない範囲で共重合成分として含んでいても良い。かかる共重合の酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸があげられる。また、該共重合のジオール成分としては、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族のジオールがあげられる。かかる共重合成分の共重合量は好ましくは10モル%以下である。
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリルとスチレンとの共重合体であるAS樹脂、アクリロニトリルとブタジエンとスチレンとの共重合体であるABS樹脂、アクリロニトリルとEPDMとスチレンとの共重合体であるAES樹脂などがある。
ポリカーボネートとしては、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族−芳香族ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリイミドは、例えば、ピロメリット酸二無水物を1〜80モル%、及び、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を99〜20モル%含む芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンである4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを重縮合し、得られたポリアミック酸を脱水することにより製造される。
ポリフェニレンエーテルとしては、ポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジニトリル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)などが挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、炭素数2〜14のα−オレフィンと少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体が好ましい。炭素数2〜14のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラドデセン等が挙げられる。環状オレフィンとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプトー2エン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−デセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.112.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−イコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−イコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.14]−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ[4.7.0.112.5.08.13.19.12]−3−ペンタデセン誘導体及びノナシクロ[9.10.1.14.7.113.20.115.18.02.10.012.21.014.19]−5−ペンタコセン誘導体等を挙げることができる。α−オレフィンと上記の少なくとも1種の環状オレフィンとの重合方法としては、炭化水素溶媒(例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等)中で、例えばバナジウム化合物、有機アルミニウム化合物等の触媒を用いて行う方法が好ましいものとして例示できるが、特に制限はない。
また、形状記憶性樹脂組成物は、ガラス繊維または炭素繊維を含有していることが好ましい。ガラス繊維または炭素繊維を含有させることにより、記憶形状への形状復元率が良好となる。さらには、このような繊維を添加することにより、回復時における熱膨張に起因する変形の発生を抑えることができ、回復後の寸法安定性も良好となる。
また、本発明の形状記憶性樹脂組成物は、形状記憶特性および損失正接ピーク温度に顕著な影響を与えない範囲で、無機フィラー、有機フィラー、補強材、着色剤、安定剤(ラジカル捕捉剤、酸化防止剤など)、抗菌剤、防かび材、難燃剤などを、必要に応じて添加してもよい。無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、タルク、砂、粘土、鉱滓などを使用できる。有機フィラーとしては、ポリアミド繊維や植物繊維などの有機繊維を使用できる。補強材としては、炭素繊維、ポリアミド繊維、ポリアリレート繊維、針状無機物、繊維状フッ素樹脂などを使用でき、上述したガラス繊維も補強材として機能する。
次に、本発明の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法について説明する。
本発明の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法は、第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーを主成分とし、かつ前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い損失正接ピーク温度を有する形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法であって、形状記憶性樹脂組成物に、第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーを添加することにより、形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度を前記第1の損失正接ピーク温度と第2の損失正接ピーク温度間の任意の損失正接ピーク温度に調整するものである。
第1の形状記憶性ポリマーおよび第2の形状記憶性ポリマーについては、上述した通りである。
本発明の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法によれば、生成される形状記憶性樹脂組成物の第1の損失正接ピーク温度と第2の転移温度間に任意に調整できる。
形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法における第1の形状記憶性ポリマーに対する第2の形状記憶性ポリマーの添加量は、第1の形状記憶性ポリマー100重量部に対して、第2の形状記憶性ポリマーが20〜500重量部であることが好ましい。具体的には、第1の形状記憶性ポリマー100重量部に対して、第2の形状記憶性ポリマーを例えば、20重量部、50重量部、100重量部、150重量部、(以降500重量部まで50重量部ずつ)増加させた形状記憶性樹脂組成物を調整し、各形状記憶性樹脂組成物における損失正接ピーク温度を測定し、その測定値より、形状記憶性樹脂組成物における損失正接ピーク温度と、第1の形状記憶性ポリマー100重量部に対する第2の形状記憶性ポリマー配合量との関係式を算出する。そして、目的とする形状記憶樹脂組成物の調整損失正接ピーク温度を策定した場合には、上記の関係式を用いることにより、第1の形状記憶性ポリマー100重量部に対する第2の形状記憶性ポリマー配合量を算出することができる。
なお、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの組合せは、第1のポリエステルと第1のポリエステルと異なる第2のポリエステルの組合せであることが好適である。特に、非晶性ポリエチレンテレフタレート(損失正接ピーク温度約70℃)と半結晶性ポリエチレンナフタレート(損失正接ピーク温度約110℃)との組合せであることが好ましい。そして、非晶性ポリエチレンテレフタレート(損失正接ピーク温度約70℃)と半結晶性ポリエチレンナフタレート(損失正接ピーク温度約110℃)を選択した場合における配合量と調整損失正接ピーク温度との関係式は、下記の通りであった。
y=-0.4138x(形状記憶樹脂組成物中のポリエチレンテレフタレート重量率%)+130.69
次に、本発明の形状記憶性樹脂成形物について説明する。
本発明の形状記憶性樹脂成形物は、上述した形状記憶性樹脂組成物からなる形状記憶性樹脂成形物である。形状記憶性樹脂組成物としては、上述した通りである。
なお、上述したように、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの組合せは、第1のポリエステルと第1のポリエステルと異なる第2のポリエステルの組合せであることが好適である。特に、非晶性ポリエチレンテレフタレート(損失正接ピーク温度約70℃)と半結晶性ポリエチレンナフタレート(損失正接ピーク温度約110℃)との組合せであることが好ましい。このようなものとすることにより、損失正接ピーク温度をコントロールできかつ高い記憶形状への復元性を有するものとなる。
そして、本発明の形状記憶性樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融された形状記憶性樹脂成形物によって第1の形態に成形された後、第1の損失正接ピーク温度より低い温度条件にて形状固定加工することにより第2の形態に加工され、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、第2の形態から第1の形態もしくは第1の形態に近づく方向に形状変化するものとなっている。
そして、形状固定加工としては、第2の形態への塑性加工であることが好ましい。また、第1の形態への成形は、溶融した形状記憶性樹脂組成物を射出成形、ブロー成形などの公知の溶融成形により行うことができる。好ましくは、射出成形である。
そして、第1の形態に溶融成形され、形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度より低い温度まで冷却する。なお、第1の形状記憶性ポリマーの損失正接ピーク温度より低い温度まで冷却することが好ましく、特に、好ましくは、第1の形状記憶性ポリマーの軟化温度よりも低い温度まで冷却することが好ましい。一般的には、常温まで冷却する。
そして、冷却された第1の形態を有する形成物を塑性加工によって、第2の形態に加工する。これによって、製品形態である第2の形態を備えるものの、第1の形態を記憶している形状記憶性樹脂成形物となる。この形状記憶性樹脂成形物は、使用されている形状記憶性樹脂の損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、第2の形態から第1の形態もしくは第1の形態に近づく方向に形状変化する。
形状記憶性樹脂成形物としては、例えば、締結部材が考えられる。締結部材としては、例えば、ねじ、ボルト、ナット、リベット、クリップ、クランプ、スナップフィット等のファスナーなどが考えられる。
そこで、本発明の形状記憶性樹脂成形物を図2に示すボルトに応用した実施例について説明する。
この場合、形状記憶性樹脂成形物は、締結部材であり、第2の形態は、締結機能部を備える形態であり、第1の形態は、締結機能部を実質的に備えない形態であり、形状固定加工は、転造による塑性加工が行われるものとなる。
具体的には、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの混合物である形状記憶性樹脂組成物を金型を用いた溶融射出成形することにより、図2(a)に示すようなボルト基材成形物を作製する。そして、射出成形されたボルト基材成形物を損失正接ピーク温度以下(具体的には、常温)まで冷却した後、金型より取り出す。このボルト基材成形物の締結機構形成部位となるシャフト部分の側面部には、まだ締結機能(ねじ山)は形成されていない。そして、図2(b)に示すような雄ねじのネジと同じ山形、同じピッチのネジを刻んだ一組の転造ダイスにより、上記のボルト基材成形物の締結機構形成部位を挟持し、転造ダイス間をボルト基材成形物の締結機構形成部位が転がるように、転造ダイスを移動させ、転造加工する。これにより、ボルト基材成形物の締結機構形成部位の表面は、塑性変形し、図2(b)に示すようなねじ山が、形成される。
そして、このようにして形成されたボルトは、使用する形状記憶性樹脂成形物の損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、ねじ山が実質的に消失し、ほぼボルト基材成形物の形態に復元し、締結機能を消失する。
次に、本発明の形状記憶性樹脂成形物を図3に示すナットに応用した実施例について説明する。
第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの混合物である形状記憶性樹脂組成物を金型を用いた溶融射出成形することにより、図3(a)に示すような断面形状を有するナット基材成形物を射出成形する。そして、射出成形されたナット基材成形物を損失正接ピーク温度以下(具体的には、常温)まで冷却した後、金型より取り出す。このナット基材成形物の締結機構形成部位となる内腔の内側面部分には、まだ締結機能(ねじ溝)は形成されていない。そして、図3(b)に示すような雌ねじのネジと同じ山形、同じピッチのネジを刻んだダイスにより、ナット基材成形物の内側面を塑性変形させて、図3(b)に示すようなねじ溝を形成する。
そして、このようにして形成されたナットは、使用する形状記憶性樹脂成形物の損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、ねじ溝が実質的に消失し、ほぼナット基材成形物の形態に復元し、締結機能を消失する。
また、本発明の形状記憶性樹脂成形物としては、下記のようなものであってもよい。
この実施例の形状記憶性樹脂成形物は、上述した形状記憶性樹脂組成物からなる形状記憶性樹脂成形物である。形状記憶性樹脂組成物としては、上述した通りである。
なお、上述したように、第1の形状記憶性ポリマーと第2の形状記憶性ポリマーとの組合せは、第1のポリエステルと第1のポリエステルと異なる第2のポリエステルの組合せであることが好適である。特に、非晶性ポリエチレンテレフタレート(損失正接ピーク温度約70℃)と半結晶性ポリエチレンナフタレート(損失正接ピーク温度約110℃)との組合せであることが好ましい。このようなものとすることにより、高い記憶形状への復元性を有する。
そして、この実施例の形状記憶性樹脂成形物は、上述した形状記憶性樹脂組成物の前記損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融されることにより、所定の形態に成形されている。この所定の形態は、いわゆる製品形態である。そして、この樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度より低い温度環境における塑性変形が可能なものとなっている。つまり、製品形態の樹脂成形物に塑性変形を生じる力(例えば、衝撃)が付与された場合、塑性変形し、製品形態(成形物製造形態)と異なる形態に変形する。そして、この成型時と異なる形態に変形した形状記憶性樹脂成形物は、使用する形状記憶性樹脂成形物の損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、塑性変形後の形態から成形時の形態もしくは成形時の形態に近づく方向に形状変化する。
このようなタイプの形状記憶性樹脂成形物としては、種々のものが考えられる。例えば、自動車用艤装部品(具体的には、バンパー、スポイラー、フェンダーなど)、各種ハウジング、容器などに有効である。
具体的に実施例について説明する。
なお、損失正接値(損失正接ピーク温度)の測定は、以下のようにして行った。
[動的粘弾性の測定]
参考例、実施例、比較例の各重合体(組成物)の損失正接値は、以下の手順に従い動的粘弾性法により測定した。
(1)各重合ペレットを200〜300℃の条件で加圧プレスし、10×50×2〜4mmの板状試験片を作製した。
(2)23℃、50%RH室内に24時間以上保管した後、下記の装置を用いて該試験片である重合体に固有な貯蔵弾性率、及び損失弾性率を温度変化させながら測定し、その損失正接値を計算させた。
装置:セイコーインスツルメンツ社製粘弾性測定装置DMS6100
設定温度範囲:室温〜200℃
設定昇温速度:2℃/分
測定周波数:1Hz
形状記憶性ポリマーとして、下記のものを用いた。
1) 非晶性ポリエチレンテレフタレート[イーストマンケミカル社製、商品名PETG、6763(テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、30モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと70モル%のエチレングリコールからなるジオール成分とを共重合したコポリエステル)、損失正接ピーク温度約70℃、融点220℃、曲げ弾性率2100MPa]
2) 半結晶性ポリエチレンナフタレート[帝人化成株式会社製、商品名テオネックス、TN8065S(ポリエチレンナフタレートホモポリマー)、損失正接ピーク温度約110℃、融点265℃、曲げ弾性率2300MPa]
3) ポリカーボネート[三菱エンジニアリングプラスチックス製、商品名ユーピロン、S−3000、損失正接ピーク温度約140℃、融点250℃、曲げ弾性率2300MPa]
4)ポリスチレン樹脂[PSジャパン製、商品名PSJ−ポリスチレン、損失正接ピーク温度約80℃、融点210℃、曲げ弾性率2600MPa]
5) アクリロニトリルスチレン樹脂[ダイセルポリマー株式会社製、商品名セビアン−N、070SF、損失正接ピーク温度約80℃、融点220℃、曲げ弾性率3600MPa]
6) アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂[電気化学工業社製、商品名デンカABS、GR−3000、損失正接ピーク温度約100℃、融点220℃、曲げ弾性率1950MPa]
7) ポリアリレート樹脂[ユニチカ株式会社製、商品名U−ポリマー、U−8000、損失正接ピーク温度約110℃、融点250℃、曲げ弾性率2300MPa]
8) メチルメタクリル樹脂[住友化学社製、商品名スミペックス、HT03Y、損失正接ピーク温度約80℃、融点210℃、曲げ弾性率1700MPa]
(実施例1)
上述1)のポリエチレンテレフタレート70重量部に上述2)のポリエチレンナフタレート30重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率70%)を作製した。この実施例1の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約80℃であった。
(実施例2)
上述1)のポリエチレンテレフタレート50重量部に上述2)のポリエチレンナフタレート50重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率50%)を作製した。この実施例2の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約90℃であった。
(実施例3)
上述1)のポリエチレンテレフタレート30重量部に上述2)のポリエチレンナフタレート70重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率30%)を作製した。この実施例3の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約100℃であった。
(実施例4)
上述1)のポリエチレンテレフタレート50重量部に上述2)のポリエチレンナフタレート50重量部およびガラス繊維10重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率46%)を作製した。この実施例4の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約90℃であった。
(実施例5)
上述1)のポリエチレンテレフタレート60重量部に上述3)のポリカーボネート40重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率60%)を作製した。この実施例5の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約90℃であった。
(実施例6)
上述1)のポリエチレンテレフタレート70重量部に上述4)のポリスチレン樹脂30重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率70%)を作製した。この実施例6の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約95(80・110)℃であった。
(実施例7)
上述1)のポリエチレンテレフタレート70重量部に上述5)のアクリロニトリルスチレン樹脂30重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率70%)を作製した。この実施例7の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約95(80・110)℃であった。
(実施例8)
上述1)のポリエチレンテレフタレート70重量部に上述6)のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン30重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率70%)を作製した。この実施例8の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約90(80・100)℃であった。
(実施例9)
上述1)のポリエチレンテレフタレート60重量部に上述7)のポリアリレート樹脂40重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率60%)を作製した。この実施例9の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約90℃であった。
(実施例10)
上述1)のポリエチレンテレフタレート70重量部に上述8)のメチルメタクリル樹脂30重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物(ポリエチレンテレフタレート重量率70%)を作製した。この実施例10の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約90(80・100)℃であった。
(実施例11)
上述5)のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン60重量部に上述3)のポリカーボネート40重量部を添加し混合して本発明の形状記憶性樹脂組成物を作製した。この実施例11の形状記憶性樹脂組成物の損失正接ピーク温度は、約120(100・140)℃であった。
(実施例12)
実施例1の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例13)
実施例2の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例14)
実施例3の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例15)
実施例4の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例16)
実施例5の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例17)
実施例6の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例18)
実施例7の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例19)
実施例8の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例20)
実施例9の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例21)
実施例10の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(実施例22)
実施例11の形状記憶性樹脂組成物を用いて、射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物を作製した。
(参考例1ないし6)
上述1)のポリエチレンテレフタレートを用いて射出成形により、直径5.3mm、高さ7.8mmの円柱状の形状記憶性樹脂成形物(参考例1)を作製した。
同様に、上述2)のポリエチレンナフタレートを用いて円柱状の形状記憶性樹脂成形物(参考例2)、上述3)のポリカーボネートを用いて円柱状の形状記憶性樹脂成形物(参考例3)、上述4)のポリスチレン樹脂を用いて円柱状の形状記憶性樹脂成形物(参考例4)、上述5)のアクリロニトリルスチレン樹脂を用いて円柱状の形状記憶性樹脂成形物(参考例5)、上述6)のアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂を用いて円柱状の形状記憶性樹脂成形物(参考例6)を作製した。
(実験)
上記実施例12ないし22および参考例1ないし6の形状記憶性樹脂成形物についての形状回復性に関する実験を行った。
実施例12ないし22および参考例1ないし8の形状記憶性樹脂成形物をそれらの損失正接ピーク温度より十分に低い室温にて、高さ方向に圧迫し50%圧縮した後、圧迫を解除し、室温にて60分間放置した。そして、それぞれの形状記憶性樹脂成形物を加温し、加温時における高さを測定することにより、回復率を算出した。その結果は、図4ないし図7に示す通りであった。図4ないし図7における横軸は、温度であり、縦軸は、回復度である。
図1は、粘弾性測定による損失正接の算出過程を説明するための説明図である。 図2は、本発明の形状記憶性樹脂成形物の作用を説明するための説明図である。 図3は、本発明の他の実施例の形状記憶性樹脂成形物の作用を説明するための説明図である。 図4は、本発明の実施例および参考例の形状記憶性樹脂成形物の温度−回復率結果を示す図である。 図5は、本発明の実施例の形状記憶性樹脂成形物の温度−回復率結果を示す図である。 図6は、本発明の実施例の形状記憶性樹脂成形物の温度−回復率結果を示す図である。 図7は、参考例の形状記憶性樹脂成形物の温度−回復率結果を示す図である。

Claims (15)

  1. 動的粘弾性測定における損失正接値がピークとなる第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーを主成分とし、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い損失正接ピーク温度を有する形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法であって、
    前記形状記憶性樹脂組成物に、前記第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーを添加することにより、前記形状記憶性樹脂組成物の前記損失正接ピーク温度を前記第1の損失正接ピーク温度と前記第2の損失正接ピーク温度間の任意の温度に調整することを特徴とする形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法。
  2. 前記形状記憶性ポリマーは、非晶性形状記憶性ポリマー、低結晶性形状記憶性ポリマー、もしくは半結晶性形状記憶性ポリマーである請求項1に記載の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法。
  3. 前記第1の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエステルであり、前記第2の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエチレンナフタレート、低結晶性形状記憶ポリエチレンナフタレート、もしくは半結晶性ポリエチレンナフタレートである請求項1に記載の形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法。
  4. 動的粘弾性測定における損失正接値のピークとなる第1の損失正接ピーク温度を有する第1の形状記憶性ポリマーと、前記第1の形状記憶性ポリマーと相溶性を有し、かつ動的粘弾性測定における損失正接値のピークが前記第1の損失正接ピーク温度よりも高い第2の損失正接ピーク温度を有する第2の形状記憶性ポリマーとの混合物からなる形状記憶性樹脂組成物であり、該形状記憶性樹脂組成物は、前記第1の損失正接ピーク温度と前記第2の損失正接ピーク温度間となる形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度を有することを特徴とする形状記憶性樹脂組成物。
  5. 前記形状記憶性ポリマーは、非晶性形状記憶性ポリマー、低結晶性形状記憶性ポリマー、もしくは半結晶性形状記憶性ポリマーである請求項4に記載の形状記憶性樹脂組成物。
  6. 前記第1の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエステルであり、前記第2の形状記憶性ポリマーは、非晶性ポリエチレンナフタレート、低結晶性形状記憶ポリエチレンナフタレート、もしくは半結晶性ポリエチレンナフタレートである請求項4に記載の形状記憶性樹脂組成物。
  7. 前記形状記憶性樹脂組成物における前記第1の形状記憶性ポリマーと前記第2の形状記憶性ポリマーとの配合比は、10:2〜2:10である請求項4ないし6のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物。
  8. 前記形状記憶性樹脂組成物は、ガラス繊維もしくは炭素繊維を含有している請求項4ないし7のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物。
  9. 請求項4ないし8のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物からなる形状記憶性樹脂成形物であって、該形状記憶性樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融された前記形状記憶性樹脂成形物によって第1の形態に成形された後、前記第1の損失正接ピーク温度より低い温度条件にて形状固定加工することにより第2の形態に加工され、前記形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、前記第2の形態から前記第1の形態もしくは第1の形態に近づく方向に形状変化することを特徴とする形状記憶性樹脂成形物。
  10. 前記形状固定加工は、塑性加工である請求項9に記載の形状記憶性樹脂成形物。
  11. 前記形状記憶性樹脂成形物は、締結部材であって、前記第2の形態は、締結機能部を備える形態であり、前記第1の形態は、締結機能部を実質的に備えない形態である請求項9または10に記載の形状記憶性樹脂成形物。
  12. 前記形状記憶性樹脂成形物は、締結部材であって、前記第2の形態は、締結機能部を備える形態であり、前記第1の形態は、締結機能部を実質的に備えない形態であり、前記形状固定加工は、転造による塑性加工である請求項9に記載の形状記憶性樹脂成形物。
  13. 請求項4ないし8のいずれかに記載の形状記憶性樹脂組成物からなる形状記憶性樹脂成形物であって、該形状記憶性樹脂成形物は、形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度より高い温度に加熱溶融された前記形状記憶性樹脂成形物によって所定の形態に成形されたものであって、前記第1の損失正接ピーク温度より低い温度環境における塑性変形が可能であるとともに、前記形状記憶性樹脂組成物損失正接ピーク温度以上の温度に加温することにより、前記塑性変形後の形態から前記成形時の形態もしくは成形時の形態に近づく方向に形状変化することを特徴とする形状記憶性樹脂成形物。
  14. 前記形状記憶性樹脂成形物は、自動車用艤装部品である請求項13に記載の形状記憶性樹脂成形物。
  15. 前記自動車用艤装部品は、バンパー、スポイラーまたはフェンダーである請求項14に記載の形状記憶性樹脂成形物。
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