JP2005320476A - ポリエステル系フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた形状記憶性を有すると共に、形状回復後にタテヒケが極めて少なく、且つミシン目カット性に優れることにより、ラベル用途に好適な形状記憶性ポリエステル系フィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) に対し、分岐ないし架橋構造を構成成分として含有するポリエステル(B-1) および溶融状態においてネマチック液晶相を示すポリエステル(B-2) の少なくとも1種ないし2種以上を配合したポリエステル樹脂組成物により形成された形状記憶性ポリエステル系フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、形状記憶性ポリエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは形状回復後にタテヒケが極めて少なく、且つミシン目カット性に優れることにより、ラベル用途に好適な形状記憶性ポリエステル系フィルムに関するものである。
形状記憶性ポリエステルは、フィルム等の形態に成形され、さらに1軸あるいは2軸方向に延伸変形された後、熱風、熱水、熱放射線等の加熱により形状回復して延伸変形前の形態に近づく性質を利用し、包装材、ラベル、キャップシール、電気絶縁被服材等に利用されている。
ポリエステル系の形状記憶性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する場合がある)系フィルムが最も汎用されている。PET系フィルムは、優れた透明性、耐溶剤性、耐候性を有し、焼却時の有毒ガス量が少ないという長所があるが、形状回復率の限界値が他のフィルムに比べて低い上に形状回復開始温度が高く、形状回復開始温度を超えると急激に限界値に達し、コントロール性に劣るという欠点があった。このような欠点を改善するために、例えば特許文献1では、1,4−シクロヘキサンジメタノール等で変性されたポリエチレンテレフタレートに、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニレンジ酢酸、脂肪族ジカルボン酸から選ばれる2種以上のジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコールの中から選ばれた1種もしくは2種以上のジオール成分からなるポリエステルを配合したポリエステルフィルムが提案されている。また、特許文献2では、ネオペンチルグリコールを含むポリエチレンテレフタレートに、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステル、およびポリエチレンテレフタレートを配合したポリエステルフィルムが提案されている。
特開平4−356533号公報 特開平7−216109号公報
しかしながら、上記方法で得られたフィルムも、以下に述べるように、ラベル用収縮フィルムとして未だ満足できるものではなかった。即ち、今日、地球環境問題への意識の高まりから熱可塑性重合体からなるボトルのリサイクル問題への対応が迫られている。熱可塑性重合体からなるボトル、特にPETボトルのリサイクルへの関心は大きく、リサイクルシステムの早期確立が必要とされている。PETボトルには、一般にポリオレフィン系のストレッチラベルや、ポリエステル、ポリスチレン、塩化ビニル等からなる熱形状記憶ラベル及びプロピレンフィルム等からなるタックラベル等のラベルが装着されている。PETボトルのリサイクルに関しては、通常、ラベルが付いたまま一般消費者から回収され再生業者に持ち込まれ、持ち込まれたボトルは洗浄後、一次粉砕によりラベルの除去作業が行われるが、粉砕物の中にはまた多量のラベルが含まれている。そのため、二次粉砕、ラベルの液比重分離、脱水・乾燥・風力比重分離及びペレタイズ工程を経て再生ペレットを得ていた。
最近、リサイクル工程において、ラベルの除去効率を上げるため、洗浄後にボトルからラベルを取り外し、次いで粉砕しペレタイズ工程を経て再生ペレットを得る試みがなされている。上記工程においては、ボトルからラベルを取り外しやすくするため、ミシン目の入ったラベルが用いられており、実際の取り外し作業は、ミシン目に沿ってラベルを破ることにより達成される。このような用途に用いられるラベルにおいては、ミシン目カット性がフィルムの重要品質となる。しかしながら、上記の如き従来提案されているフィルムは、形状記憶処理後のミシン目カット性が著しく劣り、形状記憶性フィルムとして満足できるものではなかった。
更に、最近の飲料用容器の主流であるPETボトルでは、冷蔵庫への収納性の面からボトル形状が従来の丸形から角形への切り替えが急速に進んでいるが、従来の熱形状記憶性ポリエステル系フィルムからなる筒状のラベルを角形ボトルの胴部に装着した場合、形状記憶後にボトルの角部以外の平坦な部分がアーチ状に湾曲する欠点(タテヒケと称される欠点)が発生しやすい。角形のPETボトルが主流になりつつあることから、このボトルの表示ラベルに用いた場合にもタテヒケが発生しにくい熱形状記憶性ポリエステル系フィルムが求められている。
したがって、本発明の目的は、優れた形状記憶性を有すると共に、形状回復後にタテヒケが極めて少なく、且つミシン目カット性に優れることにより、ラベル用途に好適な形状記憶性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し、特定のポリエステルを配合したポリエステル樹脂組成物を形状記憶性ポリエステル系フィルムの素材とすることが極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) に対し、分岐ないし架橋構造を構成成分として含有するポリエステル(B-1) および溶融状態においてネマチック液晶相を示すポリエステル(B-2) の少なくとも1種ないし2種以上を配合したポリエステル樹脂組成物により形成された形状記憶性ポリエステル系フィルムである。
本発明の形状記憶性ポリエステル系フィルムは、優れた形状記憶性を有すると共に、形状回復後にタテヒケが極めて少なく、且つミシン目カット性に優れ、ラベル用途に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に使用するポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) は、テレフタル酸を主なジカルボン酸成分とし、エチレングリコールを主なジオール成分とする一般周知のポリエステルを主体とするものであるが、本発明で言うポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) は、ポリエチレンテレフタレートの結晶性、融点、ガラス転移点等の改質の必要性に応じて他の構成単位を導入したものであっても良い。他の構成単位の導入の方法は、共重合による変性によってでも良いし、ポリエチレンテレフタレート以外の他のホモポリエステルないし共重合ポリエステルをブレンドすることによってでも良い。共重合による変性の構造単位の具体例としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニレンジカルボン酸、スチルベンジカルボン酸、2,2−(ビフェニルカルボキシフェニル)プロパン、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、及びそれらのエステル形成性誘導体(例えば、アルキルエステ等)など、あるいは1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。共重合による変性の構成成分の量は40モル%以下が好ましい。これを超える変性量だと、耐熱性に劣る問題が起きやすい。また、ブレンドされる他のポリエステルの例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等あるいはこれらの変性ポリエステルが挙げられる。これらのブレンドされる他のポリエステルの量は、(A) 成分中40重量%以下が望ましい。これを超えるブレンド量では収縮率が劣る場合がある。
本発明に用いる(B) 成分は、分岐ないし架橋構造を構成成分として含有するポリエステル(B-1) あるいは溶融状態においてネマチック液晶相を示すポリエステル(B-2) である。
ポリエステル(B-1) は分岐ないし架橋構造を有するポリエステルであり、その主構成要素としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示される。また、その分岐ないし架橋構造は、3官能以上の反応性官能基を有する多官能性モノマーをその構成成分に含むことにより達成しても良いし、イオン架橋性モノマーを含むことにより達成しても良い。分岐ないし架橋構造を構成成分として含有するポリエステル(B-1) は、通常のポリエステルの重合法により製造し得る。3官能以上の反応性官能基を有する多官能性モノマーとしては、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびそれらのエステル成形性誘導体、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。これら多官能性モノマーの変性量は、5モル%以下が望ましい。これを超える変性量では、重合時にゲル化が起こりやすく製造性に問題が生じやすい。また、イオン架橋性モノマーとしては、5−スルフォイソフタル酸ナトリウム、5−スルフォイソフタル酸リチウム、およびそれらのエステル成形性誘導体、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。これらイオン架橋性モノマーの変性量は、20モル%以下が望ましい。これを超える変性量では、重合において高分子量の重合体が得にくく製造性に問題が生じやすい。
尚、ポリエステル(B-1) についても、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) について述べたと同様に、結晶性、融点、ガラス転移点等の改質の必要性に応じて他の構成単位を少量導入してもかまわない。他の構造単位の具体例としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニレンジカルボン酸、スチルベンジカルボン酸、2,2−(ビフェニルカルボキシフェニル)プロパン、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、及びそれらのエステル形成性誘導体(例えば、アルキルエステル等)など、あるいは1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
次に、ポリエステル(B-2) は、溶融状態においてネマチック液晶相を示すポリエステルであり、各種市販の液晶性ポリエステルを使用することができる。より具体的には、ヒドロキシ安息香酸を主成分とし、更にこれ以外の芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物、芳香族ジカルボン酸化合物、芳香族ヒドロキシル化合物等、およびポリエチレンテレフタレー等の半芳香族ポリエステルにより構成される全芳香族ないし半芳香族ポリエステルであるが、ヒドロキシ安息香酸を主成分とする全芳香族ポリエステルが特に好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂組成物において、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) とポリエステル(B) との配合比率は、全量中ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) が99〜10重量%、好ましくは98〜50重量%である。また、ポリエステル(B) としては、(B-1) および(B-2) の少なくとも1種を用いれば良いが、好ましくは(B-1) と(B-2) を併用する場合である。
また、本発明に用いるポリエステル樹脂組成物には、一般のポリエステル樹脂組成物の場合と同様に、必要に応じ、他の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤等を含有させることができる。
次に、本発明の形状記憶性ポリエステル系フィルムは、通常のポリエステルフィルムの製造に慣用されている方法、例えば、キャスト法、インフレーション法でフィルム状に成形され、それと同時にまたはその後に、1方向に1〜1.2倍程度延伸変形し、それと直角方向に50%以上、好ましくは3〜7倍程度延伸変形し、さらに必要に応じ熱処理することにより製造される。延伸温度は、PET系樹脂(A) のガラス転移点より高い温度で行うのが好ましく、特に好ましくは(PET系樹脂(A) のガラス転移点)〜(ガラス転移点+25℃)の範囲である。
このようにして得られる形状記憶性ポリエステル系フィルムは、60ないし100℃に加熱した時、主変形方向に30%以上形状が回復し、主変形方向に対し直角方法にはわずかに回復する。
また、この形状記憶性ポリエステル系フィルムは、特定の性能を付与するため、必要に応じ通常行われている表面処理、例えば紫外線、α線、β線、γ線、電子線等の照射、コロナ処理、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等による樹脂皮膜処理、金属蒸着処理等を施すことができる。
上記形状記憶性ポリエステル系フィルムの厚さし、用途に応じて適宜選択し得るが、通常1〜600μm の範囲内である。包装用途、特に食品、飲料、医薬品等の用途には厚さ5〜400μm の範囲のものが好適であり、ポリエステルボトル、ガラス瓶やその他のプラスチック容器等のラベルとして用いる場合には15〜70μm の範囲のものが好適である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例中の各物性は以下の方法に従って評価した。
(1)共重合ポリエステル中に導入された構造単位の含有割合
共重合ポリエステルを構成するテレフタル酸等の各モノマーから誘導されたそれぞれの構造単位について、共重合ポリエステル中の全構造単位に対する割合を、重水素化トリフルオロ酢酸を溶媒として、H−NMR測定の結果から求めた。
(2)極限粘度
フェノールとテトラクロロエタンの等重量混合溶媒中、30℃で、ウデローテ粘度計を用いて測定した。
(3)形状回復率とタテヒケの評価
フィルムを100mm角に裁断してサンプルとし、このサンプルを所定温度に調整したオイルバス中に10秒間浸漬した後、縦及び横の寸法を測定し、それぞれ次式に従って計算した。
形状回復率(%)=[100(mm)−(形状回復後の長さ(mm))]/100(mm)×100
また、オイルバスによる熱処理後の形状回復率の主変形方向に対し直交する方向の値でタテヒケの評価とした。
(4)引き裂き強度測定によるミシン目カット性の評価
ミシン目は主収縮方向と直交する方向に成形されるため、ミシン目カット性の評価方法として、この方向の引き裂き強度の低さをもってミシン目カット性とした。実施方法はJIS K7128、C法に準じて形状回復前のフィルムから直角型引き裂き試験片を主変形方向に対して平行方向、および直交方向に裁断し、それぞれの引き裂き強度を測定した。
[製造例]
(1)ホモポリエステルA-1の製造
テレフタル酸100重量部、エチレングリコール75重量部からなるスラリーを調製し、これに0.03重量部の三酸化アンチモン及び0.01重量部の亜リン酸を加えたのち、加圧下(絶対圧2.5kg/cm2)、250℃の温度でエステル化率が95%になるまでエステル化を行い、低重合体を製造した。次いで、絶対圧1mmHg(=1.33322×10Pa)の減圧下、270℃の温度で、この低重合体を重縮合し、極限粘度0.78dl/gのホモポリエステルA-1を得た。
(2)共重合ポリエステルA-2の製造
テレフタル酸100重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール28.9重量部及びエチレングリコール44.8重量部からなるスラリーを調製し、これに0.035重量部の三酸化アンチモン及び0.01重量部の亜リン酸を加えたのち、加圧下(絶対圧2.5kg/cm2)、250℃の温度でエステル化率が95%になるまでエステル化を行い、低重合体を製造した。次いで、絶対圧1mmHgの減圧下、270℃の温度で、この低重合体を重縮合し、極限粘度0.80dl/gの共重合ポリエステルA-2を得た。得られた共重合ポリエステルA-2における各構造単位の全構造単位に対する含有割合は、テレフタル酸単位50モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位15モル%、エチレングリコール単位34モル%、副生ジエチレングリコール単位1モル%であって、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位とエチレングリコール単位のモル比は30:70であった。
(3)ホモポリエステルA'-1の製造
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオール60重量部からなるスラリーを調製し、これに0.05重量部のテトラブチルチタネートを加えたのち、常圧窒素気流下で170℃から230℃まで徐々に昇温しながらメタノールを留出させ、エステル交換率が90%になるまでエステル交換を行って、低重合体を製造した。次いで、絶対圧1mmHgの減圧下、250℃の温度で、この低重合体を重縮合し、極限粘度0.88dl/gのホモポリエステルA'-1を得た。
(4)共重合ポリエステルB-1-1の製造
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオール61重量部、トリメリット酸トリメチル0.65重量部からなるスラリーを調製し、これに0.07重量部のテトラブチルチタネートを加えたのち、常圧窒素気流下で170℃から230℃まで徐々に昇温しながらメタノールを留出させ、エステル交換率が90%になるまでエステル交換を行って、低重合体を製造した。次いで、絶対圧1mmHgの減圧下、250℃の温度で、この低重合体を重縮合し、極限粘度0.96dl/gの共重合ポリエステルB-1-1を得た。得られた共重合ポリエステルB-1-1における各構造単位の全構造単位に対する含有割合は、テレフタル酸単位49.75モル%、1,4−ブタンジオール単位50モル%、トリメリット酸トリメチル単位0.25モル%であった。
(5)共重合ポリエステルB-1-2の製造
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオール61重量部、5−スルフォイソフタル酸ナトリウムジメチルエステル3.91重量部からなるスラリーを調製し、これに0.12重量部のテトラブチルチタネートを加えたのち、常圧窒素気流下で170℃から230℃まで徐々に昇温しながらメタノールを留出させ、エステル交換率が90%になるまでエステル交換を行って、低重合体を製造した。次いで、絶対圧1mmHgの減圧下、250℃の温度で、この低重合体を重縮合し、極限粘度0.65dl/gの共重合ポリエステルB-1-2を得た。得られた共重合ポリエステルB-1-2における各構造単位の全構造単位に対する含有割合は、テレフタル酸単位48.75モル%、1,4−ブタンジオール単位50モル%、5−スルフォイソフタル酸ナトリウムジメチルエステル単位1.25モル%であった。
(6)液晶性ポリエステルB-2-1の準備
溶融状態においてネマチック液晶相を示す全芳香族ポリエステルとして、ポリプラスチックス(株)製ベクトラA950を使用した。
実施例1
上記で得られたホモポリエステルA-1を70重量部、共重合ポリエステルB-1-1を20重量部、および共重合ポリエステルB-1-2を10重量部の割合で混合し、290℃に加熱して溶融させ、T−ダイより30℃の冷却ロール上に押出し、厚さ0.16mm、幅600mmの未延伸フィルムを得た。
次に、この未延伸フィルムを、ロール式縦延伸機を用いて90℃で1.05倍に縦方向に延伸した後、テンターを用いて85℃で4.5倍に横方向に延伸し、厚さ30μm の延伸フィルムを得た。このフィルムを90℃のオイルバス中にて前記記載の方法で形状回復させた。このフィルムの物性評価結果を表1に示す。
実施例2
ホモポリエステルA-1を40重量部、共重合ポリエステルA-2を30重量部、および共重合ポリエステルB-1-1を30重量部の割合で混合し、実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表1に示す。
実施例3
ホモポリエステルA-1を60重量部、共重合ポリエステルA-2を25重量部、および共重合ポリエステルB-1-2を15重量部の割合で混合し、実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表1に示す。
実施例4
ホモポリエステルA-1を55重量部、共重合ポリエステルA-2を25重量部、ホモポリエステルA'-1を15重量部、および液晶性ポリエステルB-2-1を5重量部の割合で混合し、実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表1に示す。
実施例5
ホモポリエステルA-1を60重量部、共重合ポリエステルA-2を30重量部、共重合ポリエステルB-1-2を8重量部、および液晶性ポリエステルB-2-1を2重量部の割合で混合し、実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表1に示す。
比較例1
ホモポリエステルA-1を40重量部、共重合ポリエステルA-2を30重量部、およびホモポリエステルA'-1を30重量部の割合で混合し、実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表1に示す。
比較例2
ホモポリエステルA-1を60重量部、共重合ポリエステルA-2を25重量部、およびホモポリエステルA'-1を15重量部の割合で混合し、実施例1と同様にしてフィルムを得て評価した。結果を表1に示す。
比較例3
比較例2と同様の樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た。次に、この未延伸フィルムを、ロール式縦延伸機を用いて90℃で1.15倍に縦方向に延伸した後、テンターを用いて85℃で4.0倍に横方向に延伸し、厚さ30μm の延伸フィルムを得た。このフィルムを90℃のオイルバス中にて前記記載の方法で形状回復させた。このフィルムの物性評価結果を表1に示す。
Figure 2005320476
表1の結果から明らかなように、本発明の形状記憶性ポリエステル系フィルムでは、主方向に直交する方向の収縮率の小ささと、主方向に直交する方向の引き裂き強度の低さが同時に達成されている。即ち、形状回復後にタテヒケが極めて少なく、且つミシン目カット性に優れている。

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート系樹脂(A) に対し、分岐ないし架橋構造を構成成分として含有するポリエステル(B-1) および溶融状態においてネマチック液晶相を示すポリエステル(B-2) の少なくとも1種ないし2種以上を配合したポリエステル樹脂組成物により形成された形状記憶性ポリエステル系フィルム。
  2. 分岐ないし架橋構造を構成成分として含有するポリエステル(B-1) が、多官能性モノマーを構成成分として含有するポリエステルである請求項1記載の形状記憶性ポリエステル系フィルム。
  3. 分岐ないし架橋構造を構成成分として含有するポリエステル(B-1) が、イオン架橋性モノマーを構成成分として含有するポリエステルである請求項1記載の形状記憶性ポリエステル系フィルム。
  4. 溶融状態においてネマチック液晶相を示すポリエステル(B-2) が、ヒドロキシ安息香酸を主成分とする全芳香族ポリエステルである請求項1〜3の何れか1項記載の形状記憶性ポリエステル系フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009067855A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Meira Corp 形状記憶性樹脂組成物の温度特性調整方法、形状記憶性樹脂組成物および形状記憶性樹脂成形物

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