JP2009066259A - ハーネス型安全帯 - Google Patents
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Abstract
【課題】フックの掛け替え時においても墜落防止に対する安全性を高めることのできるハーネス型安全帯を提供する。
【解決手段】親綱等に連結するためのフック31を有する二本のロープ30を備えているので、作業者が作業場所を移動する際、一方のロープ30のフック31を親綱に連結したまま他方のロープ30のフック31を親綱に掛けた後、一方のロープ30のフック31を親綱から外すことにより、常に何れか一方のロープ30を親綱に連結しておくことができ、フック31の掛け替え時においても墜落防止に対する安全性を高めることができる。また、作業者が転落した場合でも、人体に加わるロープ30からの張力を肩ベルト11、胴ベルト21及び各腿ベルト22に分散させることができるので、ロープ30からの張力が人体の一部に集中して加わることがなく、人体を安定して支持することができる。
【選択図】図2
【解決手段】親綱等に連結するためのフック31を有する二本のロープ30を備えているので、作業者が作業場所を移動する際、一方のロープ30のフック31を親綱に連結したまま他方のロープ30のフック31を親綱に掛けた後、一方のロープ30のフック31を親綱から外すことにより、常に何れか一方のロープ30を親綱に連結しておくことができ、フック31の掛け替え時においても墜落防止に対する安全性を高めることができる。また、作業者が転落した場合でも、人体に加わるロープ30からの張力を肩ベルト11、胴ベルト21及び各腿ベルト22に分散させることができるので、ロープ30からの張力が人体の一部に集中して加わることがなく、人体を安定して支持することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば建設工事現場等の高所作業において作業者が人体に装着して使用するハーネス型安全帯に関するものである。
一般に、工事現場等の高所で作業を行う場合、作業者には転落防止のための安全帯の着用が義務づけられている。この種の安全帯は、人体の胴部に装着される胴ベルトと、胴ベルトに連結された所定長さのロープとからなり、ロープの先端に取付けられたフックを作業現場の親綱等に掛けるようにしている。
しかしながら、前述の安全帯は人体の胴部に装着されるため、ロープからの張力が胴部に集中するとともに、吊り下げられた姿勢も不安定になり易い。そこで、人体の胴部のみならず、両肩、背部及び大腿部に亘って延びるベルトを備え、背部のベルトにロープを連結することにより、人体に加わるロープからの張力をベルトによって分散させ、人体を安定して支持するようにした、いわゆるハーネス型の安全帯が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−333013号公報
ところで、工事現場等では、作業者が作業場所を移動する際、安全帯のロープのフックを一旦親綱から外し、移動先の作業場所で再度フックを親綱に掛けるようにしているが、フックの掛け替え中は一時的であってもフックが親綱から外されるため、墜落防止に対する安全性が万全とはいえなかった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フックの掛け替え時においても墜落防止に対する安全性を高めることのできるハーネス型安全帯を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、人体の上半身側に装着される上側ベルト部と、人体の下半身側に装着される下側ベルト部とを備え、上側ベルト部は人体の両肩に掛けて装着され、下側ベルト部は人体の大腿部を挿通して装着されるハーネス型安全帯において、前記上側ベルト部に連結され、先端にそれぞれフックを有する二本のロープを備えている。
これにより、親綱等に連結するためのフックを有する二本のロープを備えているので、作業者が作業場所を移動する際、一方のロープのフックを親綱に連結したまま他方のロープのフックを親綱に掛けた後、一方のロープのフックを親綱から外すことにより、常に何れか一方のロープを親綱に連結しておくことができる。また、作業者が転落した場合には、人体に加わるロープからの張力が上側ベルト部及び下側ベルト部に分散することから、ロープからの張力が人体の一部に集中して加わることがない。
本発明のハーネス型安全帯によれば、常に何れか一方のロープを親綱に連結しておくことができるので、フックの掛け替え時においても墜落防止に対する安全性を高めることができる。また、作業者が転落した場合でも、ロープからの張力が人体の一部に集中して加わることがないので、人体を安定して支持することができる。
図1乃至図3は本発明の一実施形態を示すもので、図1はハーネス型安全帯の正面図、図2はその背面図、図3はその要部斜視図である。
このハーネス型安全帯は、人体の上半身側に装着される上側ベルト部10と、人体の下半身側に装着される下側ベルト部20と、上側ベルト部10に連結された二本のロープ30とを備え、各ロープ30は一つのショックアブソーバ40を介して上側ベルト部10に連結されている。
上側ベルト部10は、人体の両肩に掛けられる肩ベルト11と、人体の背部で上下方向に延びる第1の縦ベルト12と、人体の前部を幅方向に延びる胸ベルト13と、肩ベルト11と第1の縦ベルト12とを連結する背面バックル14とから構成され、背面バックル14には複数のベルト挿通孔14aが設けられている。肩ベルト11は長手方向中央を人体の背部で折り返して人体の前部側に延びるように形成され、前部側の下端はそれぞれ下側ベルト部20に接続されている。また、肩ベルト11の折り返し部分は背面バックル14に挿通されている。第1の縦ベルト12は上端を背面バックル14に連結され、その下端は下側ベルト部20に接続されている。胸ベルト13は両端を肩ベルト11の両端側に接続され、その中央側はバックル13aにより着脱自在に結合するようになっている。
下側ベルト部20は、人体の胴部に装着される胴ベルト21と、人体の大腿部に装着される一対の腿ベルト22と、胴ベルト21と各腿ベルト4との間に亘って延びる一対の第2の縦ベルト23及び一対の第3の縦ベルト24とから構成され、胴ベルト21には肩ベルト11の下端と第1の縦ベルト12の下端がそれぞれ接続されている。胴ベルト21は人体の胴部を巻回するように形成され、その前面側はバックル21aにより着脱自在に結合するようになっている。また、胴ベルト21の左右両側にはそれぞれ環状のフック係止部21bが設けられている。各腿ベルト22は人体の大腿部を巻回するように形成され、その前面側はバックル22aにより着脱自在に結合するようになっている。各第2の縦ベルト23は胴ベルト21の前面幅方向両端側から各腿ベルト22の前面側に向かって延びるように形成され、各第3の縦ベルト24は胴ベルト21の背面側中央部から各腿ベルト22の背面側に向かって延びるように形成されている。
各ロープ30はポリアリレート等の高弾性率繊維からなる芯材をウレタン樹脂等の被覆材によって被覆してなり、長手方向に伸縮可能なコイル状に形成されている。各ロープ30の一端(先端)にはフック31が取付けられ、フック31は環状部分の一部を開閉することにより親綱等に着脱可能な周知の構造からなる。
ショックアブソーバ40は、両端側を除いた部分を折り畳んで逢着したベルト41を合成樹脂のケース42で被覆した周知の構成からなり、ベルト41の一端は背面バックル14に連結されている。ベルト41の他端にはD環部材43が取付けられ、D環部材43には各ロープ30の他端がそれぞれ連結されている。
以上のように構成されたハーネス型安全帯は、上側ベルト部10の肩ベルト11を人体の両肩に掛けるとともに、下側ベルト部20の各腿ベルト22に人体の大腿部を挿通することにより人体に装着され、何れか一方のロープ30のフック31を作業現場の親綱等に掛けることによって使用される。ここで、作業者が作業場所を移動する際、例えば一方のロープ30が親綱に連結されている場合は、一方のロープ30のフック31を親綱に連結したまま他方のロープ30のフック31を親綱に掛けた後、一方のロープ30のフック31を親綱から外すことにより、常に何れか一方のロープ30を親綱に連結しておくことができる。また、例えば一方のロープ30を親綱に連結している際、使用していない他方のロープ30のフック31は、図2の一点鎖線に示すように胴ベルト21のフック係止部21bに係止しておくことができる。この場合、各ロープは伸縮可能なコイル状に形成されているため、使用していない他方のロープ30は収縮した状態となり、他方のロープ30がループ状に垂れ下がることがない。
次に、作業者が転落した場合には、人体に加わるロープ30からの張力が肩ベルト11、胴ベルト21及び各腿ベルト22に分散することから、人体が安定して支持される。また、落下の際、ロープ30からの張力がショックアブソーバ40に加わると、ショックアブソーバ40のベルト41が逢着用の糸を破断させながら徐々に伸びることから、ロープ30に加わる衝撃がショックアブソーバ40によって吸収される。
このように、本実施形態のハーネス型安全帯によれば、親綱等に連結するためのフック31を有する二本のロープ30を備えているので、作業者が作業場所を移動する際、一方のロープ30のフック31を親綱に連結したまま他方のロープ30のフック31を親綱に掛けた後、一方のロープ30のフック31を親綱から外すことにより、常に何れか一方のロープ30を親綱に連結しておくことができ、フック31の掛け替え時においても墜落防止に対する安全性を高めることができる。また、作業者が転落した場合でも、人体に加わるロープ30からの張力を肩ベルト11、胴ベルト21及び各腿ベルト22に分散させることができるので、ロープ30からの張力が人体の一部に集中して加わることがなく、人体を安定して支持することができる。
また、各ロープ30を一つのショックアブソーバ40を介して上側ベルト部10に連結するようにしたので、各ロープ30ごとにショックアブソーバ40を設ける必要がなく、部品点数を少なくすることができる。これにより、コストを低減することができるとともに、ショックアブソーバ40を追加する必要がないので、重量の増加を来すことがないという利点もある。
更に、各ロープ30を長手方向に伸縮可能なコイル状に形成したので、使用していないロープ30を収縮させることができ、垂れ下がって周囲の突起物等に接触して作業や移動の妨げになったり、或いは床面等との接触によって摩耗して強度が低下することもないという利点がある。
10…上側ベルト部、20…下側ベルト部、30…ロープ、31…フック、40…ショックアブソーバ。
Claims (3)
- 人体の上半身側に装着される上側ベルト部と、人体の下半身側に装着される下側ベルト部とを備え、上側ベルト部は人体の両肩に掛けて装着され、下側ベルト部は人体の大腿部を挿通して装着されるハーネス型安全帯において、
前記上側ベルト部に連結され、先端にそれぞれフックを有する二本のロープを備えた
ことを特徴とするハーネス型安全帯。 - 前記各ロープを一つのショックアブソーバを介して上側ベルト部に連結した
ことを特徴とする請求項1記載のハーネス型安全帯。 - 前記各ロープを長手方向に伸縮可能なコイル状に形成した
ことを特徴とする請求項1または2記載のハーネス型安全帯。
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