JP2009064028A - エンジン音合成装置、それを用いた車両およびゲーム機、エンジン音合成方法、エンジン音合成のためのコンピュータプログラムおよびそれを組み込んだゲームプログラム、ならびにエンジン音合成のためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

エンジン音合成装置、それを用いた車両およびゲーム機、エンジン音合成方法、エンジン音合成のためのコンピュータプログラムおよびそれを組み込んだゲームプログラム、ならびにエンジン音合成のためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】より現実のエンジン音に近い合成音を生成する。
【解決手段】スロットル開度およびエンジン回転速度をパラメータとして、エンジンの運転状態が複数の運転状態範囲に区分される。エンジン音記憶部102には、各運転状態範囲に対して、複数のエンジン音データが記憶されている。スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbにより特定される運転状態範囲に含まれる複数のエンジン音データを組み合わせて第1気筒の合成エンジン音データが生成される。第1気筒の合成エンジン音データを気筒間の遅れ時間だけ遅延させて、第2気筒の合成エンジン音データが生成される。第1および第2気筒の合成エンジン音データに対して、第1および第2揺らぎ処理部211,212により、音圧の揺らぎ(変動)が付与される。この揺らぎが付与された第1および第2気筒の合成エンジン音データが重ね合わされて混合される。
【選択図】 図11

Description

本発明は、現実のエンジン音を材料として、現実により近いエンジン音を合成できるエンジン音合成装置およびエンジン音合成方法に関する。また、この発明は、エンジン音合成装置が組み込まれたゲーム機および車両に関する。さらに、この発明は、エンジン音合成のためのコンピュータプログラム、およびそれを組み込んだゲームプログラム、ならびに前記コンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来のエンジン音合成装置は、特許文献1に示されている。特許文献1に示された従来のエンジン音合成装置では、エンジンの運転状態が、アクセル開度とエンジン回転速度をパラメータとして、複数の運転状態範囲に区分されている。エンジン音は、各運転状態範囲のほぼ中央に該当する運転状態で、予め録音される。録音されたエンジン音から、クランク軸が1燃焼サイクル分回転する時間に相当する区間のエンジン音のディジタルデータが切り出される。この切り出されたエンジン音データが、記憶部に予め記憶される。エンジン音合成装置は、アクセル開度とエンジン回転速度の入力に応じた運転状態範囲のエンジン音データを記憶部から読み出して繰り返して発音させるようになっている。また、実際のエンジン音に特有な不定性を再現するために、発音されるエンジン音の大きさ、高さおよび音色のうちの少なくともいずれかが、エンジン音データの各回の再生の度に変化させられるようになっている。
特開2000−010576号公報
この発明の目的は、より現実のエンジン音に近い合成エンジン音を生成することができるエンジン音合成装置、およびエンジン音合成方法を提供することである。
また、この発明の他の目的は、現実のエンジン音に近い合成エンジン音を生成できるエンジン音合成装置が組み込まれた車両およびゲーム機を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、現実のエンジン音に近い合成音を生成できるコンピュータプログラムおよびそれを組み込んだゲームプログラム、ならびにそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
この発明に係るエンジン音合成装置は、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段と、この記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段と、この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動(揺らぎ)を与え、音圧変動(揺らぎ)の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段(揺らぎ処理手段)と、外部から入力され、仮想エンジンの運転状態を特定する運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段(揺らぎ幅制御手段)とを含む。
この構成によれば、合成音データに対して、エンジンの運転状態に応じた変動幅で音圧の変動(揺らぎ)が与えられる。これにより、運転状態に応じた適切な音圧変動(揺らぎ)を持った合成音を作成することができ、現実のエンジン音に近い合成音を作成できる。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、それに応じて、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
この場合に、前記音圧変動幅制御手段は、エンジン回転速度が小さいほど、音圧の変動(揺らぎ)の幅を大きく定めるものであることが好ましい。これにより、エンジンの状態の不安定性が大きくなる低回転速度時において、大きな音圧変動(揺らぎ)を持った合成音を生成できる。これにより、現実のエンジン音により近い合成音を作成できる。
前記エンジン音合成装置は、複数の気筒を有するエンジンのエンジン音を合成するものであってもよい。この場合に、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記エンジン回転速度情報に基づいて、気筒間のエンジン音の遅れ時間を算出する気筒間遅れ時間計算手段と、前記合成処理手段によって生成される合成音データを前記気筒間遅れ時間計算部によって計算された遅れ時間だけ遅延させる遅延処理手段と、前記合成処理手段が生成する合成音データと前記遅延処理部によって遅延された合成音データとを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段とを含むものであることが好ましい。
この構成によれば、たとえば、単一気筒のエンジンを運転させて収録したエンジン音を用いて、複数気筒の構成のエンジンに対応した合成音を作成でき、かつ、その合成音に音圧変動(揺らぎ)を与えることができる。
この構成の場合に、第1の音圧変動付与手段(第1の揺らぎ処理手段)としての前記音圧変動付与手段に加えて、前記遅延処理手段によって遅延された合成音データに対して音圧の変動(揺らぎ)を与え、音圧変動(揺らぎ)の与えられた合成エンジン音データを生成する第2音圧変動付与手段(揺らぎ処理手段)をさらに含むことが好ましい。この場合、前記気筒間混合処理手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によってそれぞれ生成される音圧変動(揺らぎ)付きの合成音データを重ね合わせて混合するものとすればよく、前記音圧変動幅制御手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動(揺らぎ)の幅をそれぞれ制御するものとすればよい。
この構成によれば、気筒間の遅延処理のされた合成音データに対しても音圧の変動(揺らぎ)が与えられるので、より不定性の大きなエンジン音を合成できる。とくに、第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データにそれぞれ与えられる音圧変動のパターン(強弱パターン)を異ならせておけば、より大きな不定性を持ったエンジン音を合成できる。むろん、音圧変動幅制御手段は、第1および第2音圧変動付与手段に対して、異なる音圧変動幅を設定するものであってもよい。
この発明に係る車両は、前記運転状態特定情報を入力するための入力部と、前述のような構成を有するエンジン音合成装置と、このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含む。たとえば、車両は、電気自動車のようなエンジン(内燃機関)を持たない車両であってもよい。このような場合に、この発明によれば、エンジンを持つ車両に近い音を車両から発生させることができる。これにより、車両の乗員には、その聴覚に訴えて、エンジン付きの車両に乗車しているときのような満足感を与えることができる。また、車両の周囲の者(とくに歩行者)には、その聴覚に訴えて、車両の存在を示すことができる。
この発明に係るゲーム機は、前記運転状態特定情報を入力するための操作部と、前述のような構成を有するエンジン音合成装置と、このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含む。この構成によれば、遊技者による操作部の操作に応じて、十分な不定性を持った合成エンジン音データが生成され、これが出力部から音響化される。これにより、遊技者は、現実のエンジン音に近似した合成音を感じながらゲームを行うことができる。これにより、ゲーム機の迫真性を高めることができる。
この発明のエンジン音合成方法は、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け取るステップと、記憶手段から元データとしてのエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを作成するステップと、この作成された合成音データに対して、音圧の変動(揺らぎ)を与える音圧変動付与ステップと、前記運転状態特定情報に基づいて前記合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御するステップとを含む。
この方法により、合成音データに対して、エンジンの運転状態に応じた変動幅で音圧の変動(揺らぎ)が与えられる。これにより、運転状態に応じた適切な音圧変動を持った合成音を作成することができ、現実のエンジン音に近い合成音を作成できる。
この発明のコンピュータプログラムは、エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、前記記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段、この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段、および前記運転状態情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段として機能させるものである。
このコンピュータプログラムをコンピュータ上で実行することにより、コンピュータを前記エンジン音合成装置として機能させることができる。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含んでいてもよい。この場合に、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
この発明の記録媒体は、前述のような構成を有するコンピュータプログラムを記録したものである。この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータで読み取って実行させることにより、このコンピュータを前述のようなエンジン音合成装置として機能させることができる。コンピュータプログラムは、どのような形式で記録媒体に記録されていてもよく、たとえば、圧縮した形式で記録されていてもよい。記録媒体には、半導体メモリ、磁気記録媒体、光記録媒体および光磁気記録媒体を含む任意の記録形式のものを適用できる。より具体的には、車両やゲーム機に組み込まれる不揮発性メモリの形態を有していてもよい。不揮発性メモリは、ROMであってもよいし、書き換え可能なメモリ(EEPROMなど)であってもよい。
この発明のゲームプログラムは、前述のような構成を有する音声合成用コンピュータプログラムが組み込まれたものである。このゲームプログラムを、操作部および出力部(音信号を音響化するもの)が接続されたコンピュータ上で実行させることにより、このコンピュータをゲーム機として作動させることができる。この場合に、ゲーム機としてのコンピュータは、現実のエンジン音に近い合成音を発生させることができ、ゲームの迫真性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、この発明の第1実施形態に係るエンジン音合成装置が適用されるゲーム機40の電気的構成を説明するためのブロック図である。このゲーム機40は、自動車(自動二輪車または四輪自動車)のレーシングゲーム機であってもよいし、ドライビングシミュレータであってもよい。このゲーム機40において、この発明の第1実施形態に係るエンジン音合成装置は、臨場感または迫真性を高めるために使用される。
ゲーム機40は、コンピュータとしての基本構成を有するゲーム機本体41を備えている。このゲーム機本体41には、操作部42と、出力部43と、表示部44とが接続されている。
たとえば、ゲーム機40は、レーシングゲームやドライビングシミュレータのような、いわゆるアーケードゲーム機であってもよい。この場合、ゲーム機40が自動二輪車を模擬したものであれば、操作部42は、ステアリングハンドル、アクセルグリップ、ブレーキペダル(および/またはブレーキレバー)、ならびにシフトペダルを含む。また、ゲーム機40が四輪自動車を模擬したものである場合、操作部42は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルおよびシフトレバーを含む。
この場合に、操作部42は、ステアリングハンドルまたはステアリングホイールの操作量を検出して舵角情報を出力する舵角センサ45と、アクセルグリップまたはアクセルペダルの操作量を検出して出力するアクセル操作量センサ46と、ブレーキペダル(および/またはブレーキレバー)の操作量を検出して出力するブレーキ操作量センサ47と、シフトペダルまたはシフトレバーの操作位置を検出して出力する変速機センサ48とを備えている。これらのセンサ45〜48の出力信号は、ゲーム機本体41に入力されるようになっている。
出力部43は、増幅器およびスピーカを含む。出力部43は、ゲーム機本体41から音信号の供給を受け、この音信号を音響化する。スピーカは、発生する音が遊技者に聴取されるように配置されればよい。通常は、遊技者の着座位置の前方にスピーカを配置すればよい。ゲーム機40が自動二輪車を模擬するものである場合には、スピーカは遊技者が装着するヘルメットに内蔵しておいてもよい。
表示部44は、遊技者の着座位置の前方に配置され、遊技中には、たとえば、実走行時に自動車の運転者が目にすることになる映像を模擬した動画映像を表示する。
ゲーム機本体41は、CPU50と、ROM51と、RAM52と、これらが接続されたバス53とを有する。バス53には、操作部42のセンサ45〜48の入力を受け付ける操作部コントローラ54と、出力部43に音信号を与える音出力コントローラ55と、表示部44に表示信号を与える表示コントローラ56とが接続されている。
ROM51は、コンピュータプログラムであるゲームプログラム57を記録した記録媒体である。このゲームプログラム57には、エンジン音合成プログラム(コンピュータプログラム)58と、エンジン音データ59と、仮想エンジンデータ60と、仮想車体データ61とが組み込まれている。エンジン音データ59、仮想エンジンデータ60および仮想車体データ61は、エンジン音合成プログラム58によって用いられる。エンジン音データ59は、実際のエンジン音を予め録音し、その録音されたエンジン音から所定の区間を切り出して作成したものである。仮想エンジンデータ60は、エンジンの出力特性などを記録したデータである。仮想車体データ61は、車両の走行抵抗などを記録したデータである。
CPU50は、RAM52の記憶領域をワークエリアとして用いながら、ROM51に記録されているゲームプログラム57を実行する。これにより、CPU50は、ゲームプログラム57に従って、操作部42からの入力信号に応じて音出力コントローラ55および表示コントローラ56を制御する。CPU50が、ゲームプログラム57に組み込まれたエンジン音合成プログラム58を実行するとき、ゲーム機本体41は、エンジン音合成装置として機能することになる。
図2は、この実施形態のゲーム機を構成することができるパーソナルコンピュータ70の電気的構成を説明するためのブロック図である。パーソナルコンピュータ70は、コンピュータ本体71を備えており、このコンピュータ本体71に、操作部72、出力部73および表示装置74が接続されている。操作部72は、キーボードやマウスであってもよく、ゲーム用の入力装置(ジョイスティック、ドライビングシミュレータ用入力装置など)であってもよい。出力部73は、たとえば、増幅器およびスピーカを備え、コンピュータ本体71から供給される音信号を音響化する。表示装置74は、CRTや液晶表示装置などからなり、コンピュータ本体71から供給される画像信号に対応した画像を表示する。
コンピュータ本体71は、CPU80と、ROM81と、RAM82と、これらが接続されたバス83とを有する。バス83には、操作部72からの入力を受け付ける操作部コントローラ84と、出力部73に音信号を与える音出力コントローラ85と、表示装置74に表示信号を与える表示コントローラ86とが接続されている。
バス83にはさらに、磁気記録媒体であるハードディスクドライブ(HDD)75と、光記録媒体であるCD−ROM76を読み取ることができるCD−ROMドライブ77とが接続されている。
CD−ROM76には、ゲームプログラムが記録されている。このCD−ROM76をCD−ROMドライブ77に装填して読み取らせることにより、ゲームプログラム87をハードディスクドライブ75内の記憶領域にインストールすることができる。このゲームプログラム87には、ゲーム機40の場合と同様に、エンジン音合成プログラム(コンピュータプログラム)88と、エンジン音データ89と、仮想エンジンデータ90と、仮想車体データ91とが組み込まれている。
CPU80は、RAM82の記憶領域をワークエリアとして用いながら、ハードディスクドライブ75に記録されているゲームプログラム87を実行する。これにより、CPU80は、ゲームプログラム87に従って、操作部72からの入力信号に応じて音出力コントローラ85および表示コントローラ86を制御する。CPU80が、ゲームプログラム87に組み込まれたエンジン音合成プログラム88を実行するとき、コンピュータ本体71は、エンジン音合成装置として機能することになる。
ゲームプログラム87を実行しているCPU80は、操作部72における所定の第1の操作(たとえば所定の第1キー操作)を操舵として検出し、所定の第2の操作(たとえば所定の第2キー操作)をアクセル操作として検出し、所定の第3の操作(たとえば所定の第3キー操作)をシフトレバー操作として検出する。したがって、この場合、操作部72は、運転状態を入力する運転操作部として機能することになる。
ゲーム機は、また、いわゆる家庭用のTVゲーム機として構成することもできる。TVゲーム機の構成は、図2のコンピュータの構成と類似している。ただし、操作部は、押しボタンや操作レバーを有するゲーム専用操作装置で構成される。
図3は、前記図1または図2の構成において、CPU50,80がエンジン音合成プログラム58,88を実行することによって実現されるエンジン音合成装置100の構成を説明するためのブロック図である。
エンジン音合成装置100は、運転状態検出部101、エンジン音記憶部102、合成エンジン音データ生成部103、仮想エンジン/車体データ記憶部104、および出力処理部105を具備する。
エンジン音記憶部102は、ゲーム機40のROM51またはパーソナルコンピュータ70のハードディスクドライブ75の記憶領域の一部によって構成されており、前述のエンジン音データ59,89を記憶する記憶手段として機能する。
仮想エンジン/車体データ記憶部104も同じく、ゲーム機40のROM51またはパーソナルコンピュータ70のハードディスクドライブ75の記憶領域の一部によって構成されており、これらは、前述の仮想エンジンデータ60,90および仮想車体データ61,91を記憶している。
運転状態検出部101は、CPU50,80がゲームプログラム57,87を実行することによって構成される機能処理部であり、運転状態特定情報受け付け手段として機能する。この運転状態検出部101は、運転操作検出部1011およびエンジン回転速度計算部1012を有する。
運転操作検出部1011は、運転操作者の操作部42,72からの入力信号に基づいて、運転操作量を求めて、運転操作信号を出力する。この運転操作信号は、操作部42,72の操作量に応じた仮想のスロットル開度およびシフト位置を表す信号である。この運転操作信号は、エンジン回転速度計算部1012に与えられる。
エンジン回転速度計算部1012は、運転操作検出部1011からの運転操作信号と、仮想エンジン/車体データ記憶部104にあらかじめ記録されているエンジンの出力特性および車両の走行抵抗のデータとに基づいて、エンジン出力と走行抵抗とのバランスがとれる仮想のエンジン回転速度を計算する。
合成エンジン音データ生成部103は、CPU50,80がエンジン音合成プログラム58,88を実行することによって構成される機能処理部である。この合成エンジン音データ生成部103は、運転操作検出部1011から、運転操作信号のうちのスロットル開度データaを受け、また、エンジン回転速度計算部1012からは、エンジン回転速度データbを受ける。これらに基づいて、合成エンジン音データ生成部103は、エンジン音記憶部102に記憶されているエンジン音データを合成して、合成エンジン音データを生成する。
出力処理部105は、前記音出力コントローラ55,85に対応しており、合成エンジン音データ生成部103が生成する合成エンジン音データをアナログ音信号に変換するディジタル/アナログ(D/A)変換器を備えている。この出力処理部105からのアナログ信号が、出力部43,73に与えられることにより、合成エンジン音が音響化されることになる。
図4は、エンジン音記憶部102におけるエンジン音データの記憶態様と、合成エンジン音データ生成部103の具体的な構成とを説明するためのブロック図である。エンジン音記憶部102は、エンジン音データをエンジン回転速度およびスロットル開度に割付けて格納したテーブルを記憶している。より具体的には、エンジン回転速度およびスロットル開度をパラメータとして表される仮想エンジンの運転状態が、それらのパラメータによって、複数(この実施形態では16個)の運転状態範囲1〜16に区分される(図7参照)。そして、各運転状態範囲1〜16に対して、複数個(n個。nは自然数でn≧2)のエンジン音データ1−1,1−2,……,1−n;2−1,2−2,……,2−n;3−1,3−2,……,3−n;…………;16−1,16−2,……,16−nがエンジン音記憶部102に記憶されている。
運転状態範囲1は、エンジンがアイドリング状態のときに対応し、運転状態範囲16は、最大出力時に対応する。
図4の例では、各運転状態範囲1〜16に対応した記憶領域にエンジン音データが1つずつ入るn個のテーブル102−1〜102−nを用意した記憶態様が表されている。むろん、各運転状態範囲1〜16に対応した記憶領域にn個のエンジン音データを格納できる1つのテーブルの形式でエンジン音データを記憶することもできる。
各運転状態範囲1〜16に格納するエンジン音データの数(サンプル数)は、運転状態範囲ごとに異なっていてもよい。具体的には、スロットル開度およびエンジン回転速度が低い運転状態範囲では、スロットル開度およびエンジン回転速度が高い運転状態範囲よりも、サンプル数を多くすることが好ましい。たとえば、アイドリング時に対応した運転状態範囲1に対応するサンプル数を、最高出力時に対応する運転状態範囲16に対応するサンプル数よりも多くしておくことが好ましい。
なぜならば、現実のエンジンは、スロットル開度およびエンジン回転速度が低い運転状態においては、不安定な動きをするからである。そのために、そのような運転状態でのエンジン音は、ばらつきが多く、不定性が大きい。この大きな不定性を忠実に再現するためには、多くのサンプル数が必要となる。
特に、クランク軸が1回転する間に1回の燃焼が発生する2サイクルエンジンでは、アイドリング状態での異常燃焼が起こりやすいため、アイドリング時に対応した運転状態範囲のサンプル数を多くしておくと効果的である。
合成エンジン音データ生成部103は、運転操作検出部1011から受け取るスロットル開度データaおよびエンジン回転速度計算部1012から受け取るエンジン回転速度データbに基づいて運転状態範囲を特定する。そして、合成エンジン音データ生成部103は、その特定された運転状態範囲に対応する複数のエンジン音データをエンジン音記憶部102から複数読み出し、それらを組み合わせることにより、合成エンジン音データを生成する。
エンジン音記憶部102のテーブルは、必ずしも予め完成されている必要はない。たとえば、図5に示すように、運転状態範囲を25個に区分することとし、その四隅の運転状態範囲1(アイドリング状態:スロットル開度最低、エンジン回転速度最低),5(スロットル開度最低、エンジン回転速度最高),21(スロットル開度最高、エンジン回転速度最低),25(最大出力:スロットル開度最高、エンジン回転速度最高)と、中央の運転状態範囲13とに関してのみ、実際に収録したエンジン音データを格納しておくこととしてもよい。
エンジン音データが未格納の運転状態範囲に関しては、運転状態範囲1,5,13,21,25に格納されたエンジン音データに基づく補間演算によって、当該運転状態範囲に対応したエンジン音データを求めることができる。この補間演算は、ゲームプログラムの実行準備中(初期化処理時)に行われてもよく、必要時にその都度行われてもよい。たとえば、運転状態検出部101によって特定されたスロットル開度およびエンジン回転速度に対応する運転状態範囲のエンジン音データが未格納である場合に、合成エンジン音データ生成部103が、エンジン音記憶部102に格納されている他の運転状態範囲のエンジン音データを使って補間演算を行うようにしてもよい。この場合、合成エンジン音データ生成部103は、補間によって得られた複数のエンジン音データを組み合わせて合成エンジン音データを生成することになる。
図4に戻って、合成エンジン音データ生成部103は、コントローラ1031と、エンジン音記憶部102から与えられるエンジン音データの音圧に対して重み付け処理(音圧増幅処理)を行う重み付け部1032−1〜1032−n(以下、総称するときには「重み付け部1032」という。)と、この重み付け部1032によって重み付けされた複数のエンジン音データを重ね合わせる重ね合わせ手段としての重畳部1033とを有している。これらは、いずれも、CPU50,80がエンジン音合成プログラム58,88を実行することによって実現される機能処理部である。
重み付け部1032は、エンジン音記憶部102において各運転状態範囲に対応して記憶されているエンジン音データの個数nに対応して、n個設けられている。
コントローラ1031は、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbを受け取り、これらに基づいて運転状態範囲を特定する運転状態範囲特定部111を有する。また、コントローラ1031は、エンジン音記憶部102に対して、その特定された運転状態範囲に対応する全てまたは一部のエンジン音データを、対応する重み付け部1032に出力させるための出力命令信号を与える読み出し制御部112を有する。たとえば、運転状態範囲1が特定された場合には、テーブル102−1〜102−nのすべての運転状態範囲1に対応するエンジン音データ1−1〜1−nが読み出され、重み付け部1032−1〜1032−nに与えられる。
読み出し制御部112は、必ずしも、特定された運転状態範囲に対応する全てのエンジン音データをエンジン音記憶部102から読み出させる必要はない。すなわち、コントローラ1031は、どのテーブルからエンジン音データを読み出すかを任意に決定して、その情報を出力命令信号に含めてエンジン音記憶部102に与えてもよい。
一方、コントローラ1031は、複数の重み付け部1032においてエンジン音データにそれぞれ付与される重みを設定する重み設定部113を有している。重み付け部1032は、コントローラ1031から受け取る重みの値により、エンジン音データに重み付け処理を行い、重畳部1033に与える。重畳部1033は、重み付け部1032から、重み付けを施された複数のエンジン音データを受け取って、それらを重ね合わせて合成音データを生成し、出力処理部105に与える。重み付け部1032は、エンジン音データに対して、コントローラ1031から設定された重みに応じた音圧増幅処理を施す。
合成エンジン音データ生成部103が行うエンジン音データの組み合わせ処理について、より具体的に説明する。
たとえば、コントローラ1031が、エンジン音記憶部102に対して、1つのテーブルのみからのエンジン音データの出力を指示する出力命令信号を出力するとする。ただし、コントローラ1031は、1度に1つのテーブルを指定するが、エンジン回転速度に合わせた周期で、次々とランダムに異なる1つのテーブルを指定して、エンジン音データを順次出力させる。また、コントローラ1031は、たとえば、いずれの重み付け部1032に対しても、重み「1」を設定するものとする。この場合、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに対応する運転状態範囲に関してエンジン音記憶部102に格納されている最大n個のエンジン音データを、ランダムに1つずつ順次取り出して時間軸上に並べた合成エンジン音データが形成されることとなる。すなわち、複数のエンジン音データを時間軸上で結合する時間軸結合処理が行われる。
また、たとえば、コントローラ1031が、エンジン音記憶部102に対して、2つのテーブルからエンジン音データを並列に出力すべきことを指示する出力命令信号を与えるとする。ただし、コントローラ1031は、1度に2つのテーブルを指定するが、エンジン回転速度に合わせた周期で、次々とランダムに異なる2つのテーブルを指定して、エンジン音データを順次出力させる。また、コントローラ1031は、たとえば、いずれの重み付け部1032に対しても、重み「1」を設定するものとする。この場合、コントローラ1031が受け取るスロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに対応する運転状態範囲に関してエンジン音記憶部102に格納されている最大n個のエンジン音データを、ランダムに2つずつ取り出して重ね合わせた重ね合わせ音データが生成される。つまり、2つのエンジン音データの重ね合わせ処理が行われる。重ね合わされる2つのエンジン音データは、エンジン回転速度に対応した周期で順次変化していくから、2つのエンジン音データの種々の組み合わせによる重ね合わせ音データを順次時間軸上に並べた合成エンジン音データが形成されることになる。こうして、複数のエンジン音データの重ね合わせ処理と、時間軸結合処理との併用により、合成エンジン音データが生成される。2つのテーブルを順次ランダムに指定するのではなく、一定の2つのテーブルを周期的に指定すれば、その2つのテーブルから読み出した2つのエンジン音データの重ね合わせ音データの繰り返しによる合成エンジン音データが作成されることになる。
コントローラ1031は、時間軸結合処理または重ね合わせ処理によって組み合わせるエンジン音データ、その個数および組み合わせるときの重みの値を任意に決定することができる。そのため、前述の例のほか、多数の組み合わせ方法により、合成エンジン音データを形成することができる。
コントローラ1031は、エンジン音記憶部102に対して、コントローラ1031が受け取るスロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに対応する運転状態範囲に関して格納されているエンジン音データをすべてのテーブルから出力させる出力命令信号を与えるようにしてもよい。そして、コントローラ1031は、「0」値を含む重みを複数の重み付け部1032に設定すればよい。この場合、「0」の重みが与えられた重み付け部1032に対応するエンジン音データは非選択状態となり、他の重み付け部1032に対応するエンジン音データが選択されて、合成エンジン音データを形成することになる。このような構成としても、前述の時間軸結合処理および重ね合わせ処理によって、複数のエンジン音データを組み合わせた合成エンジン音データを生成することができる。
このように、各運転状態範囲に対応したエンジン音データを複数用意し、それらを組み合わせて合成エンジン音データを形成することにより、より現実のエンジン音に近い不定性を有する合成音を形成することができる。
次に、エンジン音記憶部102のテーブル102−1〜102−nに運転状態範囲に区分して格納されるエンジン音データの作成方法について、図6から図10を用いて説明する。このエンジン音データの作成に際しては、まず、実際のエンジンを複数の運転状態で作動させるとともに、そのときのエンジン音が収録される。この収録されるエンジン音は、ディジタルデータとして記録される。この記録されたディジタルデータをパーソナルコンピュータ上で加工することによって、エンジン音記憶部102に格納すべきエンジン音データが作成される。
図6は、エンジンを空ぶかししたときのエンジン音の音圧波形を示す図である。この図6には、エンジン空ぶかし状態で急加速・急減速操作を行った時に収録したエンジン音波形が示されている。急加速・急減速操作は、変速機を接続しないニュートラル状態で、アクセルを急に大きく踏み込んでエンジン回転の急加速を行った後に一定操作量を保ち、その後にスロットルを急に閉じる操作とした。図6には、収録したエンジン音の波形の部分ごとに、どのようなスロットル開度およびエンジン回転速度の状態にあるのかについて、その概略を併記している。
図7は、急加速・急減速を行ったとき、およびスロットル開度を徐々に上げ下げしたときの運転状態の変化を説明するための図である。急加速・急減速の場合には、エンジン回転体の慣性のため、スロットル開度とエンジン回転速度は異なる変化を示す。すなわち、アクセル操作によるスロットル開度が変化すると、これに遅れてエンジン回転速度が変化する。そのため、急加速時には、運転状態範囲1から運転状態範囲5→9→13→14→15→16という順番でエンジンの運転状態が変化していく。また、急減速時には、運転状態範囲16→12→8→4→3→2→1という順番でエンジンの運転状態が変化していく。
このような急加速・急減速操作を行ったときに収録されたエンジン音のディジタルデータがパーソナルコンピュータ上に取り込まれる。作業者は、パーソナルコンピュータ上で、各運転状態範囲に対応する区間のエンジン音データを抜き出す。さらに、作業者は、抜き出したエンジン音データから、さらに、所定単位(たとえば、1気筒分の爆発区間、または1燃焼サイクル分)のエンジン音データを切り出す。この切り出されたエンジン音データが、エンジン音記憶部102のテーブル102−1〜102−nに、運転状態範囲ごとに区分して格納されることになる。
図8は、ある運転状態範囲内で録音した4サイクル4気筒エンジンのエンジン音の音圧波形を示す。スロットル開度およびエンジン回転速度に差がほとんど無い運転状態の間では、音圧波形に大きな差がない。そのため、個々の運転状態範囲内におけるエンジン音の音圧のピークはほぼ一定の値となり、エンジン音は、図8に示すような一連の音圧波形を示す。この音圧波形において、1つのピーク分の期間が、1気筒分の爆発期間に相当する。そこで、作業者は、各運転状態範囲毎に抜き出したエンジン音から、たとえば、パーソナルコンピュータ上で音圧波形を確認しながら、1つのピーク分の区間のエンジン音データを切り出す。これにより、1単位のエンジン音データとして、1気筒分の爆発期間のエンジン音データを切り出すことができる。
作業者は、このような操作をパーソナルコンピュータ上で繰り返し行い、1気筒分の爆発区間に相当する長さのエンジン音データを、抜き出されたエンジン音データ中の任意の場所(時間軸上の場所)から、任意の個数だけ切り出し、運転状態範囲と対応づけて保存する。これにより、エンジン音記憶部102に格納すべきテーブルが、パーソナルコンピュータ上で作成される。
図8は、ある運転状態範囲に対応するエンジン音からWaおよびWbの部分(1気筒分の爆発区間に相当)を切り出して、これを、運転状態範囲1に対応するエンジン音データ1−1,1−nとしてテーブル102−1,102−nにそれぞれ格納している様子を示している。現実のエンジン音は、一定の運転状態であっても、爆発毎にエンジン音が微妙に変化する揺らぎ(音圧変動:不定性)を有する。このため、切り出す場所によって、エンジン音データは異なる。したがって、WaおよびWbの部分のエンジン音データは、近似しているが、異なるデータである。
なお、ここでは、切り出されたエンジン音データは、1気筒分の爆発区間に相当する長さを持つものとして説明した。これは、記憶するデータをこのように小さくすることで、エンジン音合成装置100のエンジン音記憶部102の容量を小さくすることができるからである。ただし、4気筒エンジンでは4つのピーク分の期間が1燃焼サイクルに相当し、この1燃焼サイクルは、エンジン音の基本周期である。これに鑑みれば、たとえば、4サイクル4気筒エンジンを使ってエンジン音を収録した場合には、1燃焼サイクル(図8における連続する4つのピーク分の区間)に相当する長さで切り出して、エンジン音データとすることも可能である。また、任意の複数個のピーク分の区間のエンジン音を切り出したり、1燃焼サイクルの倍数の長さでエンジン音を切り出したりして、エンジン音記憶部102に格納すべきエンジン音データとすることもできる。
また、エンジン音データを切り出す場所(時間軸上の場所)は、任意に決めて差し支えなく、ランダムに切り出し場所を選択しても、規則的(たとえば、周期的)に切り出し場所を選択してもかまわない。
以上の流れにより、1回のエンジンの空ぶかし時に収録したエンジン音から、エンジン音記憶部102のテーブル内の運転状態範囲5、9、13、14、15、16、12、8、4、3、2、1のエンジン音データを用意することができる。
ここでは、エンジン音記憶部102のテーブルにおける周辺部に位置する運転状態範囲に対応するエンジン音データの取得方法について説明したが、急加速する時に踏み込むアクセルの操作量を変化させることで、すべての運転状態範囲に対応するエンジン音データを取得することができる。
図9は、スロットル開度の最高値を種々の値に異ならせて空ぶかしし、急加速・急減速を行うときの運転状態の変化を示した図である。図9では、スロットル開度の最高値を、(i)3/8、(ii)5/8、(iii)7/8として、急加速・急減速を行った時の運転状態の変化を示している。たとえば、(ii)の場合、すなわち、スロットル開度5/8まで急にアクセルを踏み込んで急加速を行った後に一定操作量に保ち、その後にスロットルを急に閉じるというような急加速・急減速を行ったときには、運転状態範囲1、5、9、10、11、7、3、2のエンジン音データを取得することができる。
また、急激なアクセル操作だけでなく、ゆっくりアクセルを踏み込んでいく操作も組み合わせながらスロットル開度を調節しつつ空ぶかしを行うことにより、すべての運転状態範囲に対応するエンジン音データを取得することが可能である。
実際に走行している車両からエンジン音を取得するとすれば、風切り音の混入が避けられない。また、シャーシダイナモ上で走行している車両からエンジン音を取得するとすれば、ローラの音などの雑音の混入が避けられない。これに対して、空ぶかしをするときのエンジン音からエンジン音データを取得する前述の方法であれば、風切り音その他の雑音の混入を回避できる。したがって、こうして取得されたエンジン音データを用いることにより、現実のエンジン音に極めて近似した合成音を得ることができる。
また、次のようにしてエンジン音記憶部102に格納すべきテーブルを作成することも可能である。
図10は、エンジン音記憶部102に格納すべきテーブルの概略図である。上述のエンジン音の取得方法により、図10のテーブルに示された運転状態範囲1、4、13、16(テーブルの4つ角に相当する運転状態範囲。斜線を付して示す。)に対応するエンジン音データをまず格納する。そして、その他の運転状態範囲に対応するエンジン音データは、この4つのエンジン音データを用いて補間する。
具体的には、まずテーブルの周辺部に位置する運転状態範囲について、補間によってエンジン音データを求める。たとえば、運転状態範囲5のエンジン音データは、運転状態範囲1および運転状態範囲13のエンジン音データを用いて補間することとなる。この際、運転状態範囲5は運転状態範囲1に近いので、運転状態範囲1のエンジン音データに、より大きな重み付けを行って補間する。このようにして、まずテーブルの周辺部に位置する運転状態範囲に対応するエンジン音データが用意される。
次に、それらエンジン音データを用いて、上記テーブルの周辺部以外の運転状態範囲のデータを補間する。たとえば、運転状態範囲7のエンジン音データは、運転状態範囲5と8に格納されたエンジン音データ、運転状態範囲3と15に格納されたエンジン音データ、またはそれらのすべてを用いて補間する。このときも上記と同様の重み付けをした補間が行われる。
なお、さらに運転状態範囲1から運転状態範囲16への対角線上に位置する運転状態範囲のエンジン音データについても実際に収録したエンジン音から切り出すことにより用意することとし、その他の運転状態範囲におけるエンジン音データを補間するようにしてもよい。あるスロットル開度までアクセルを踏み込んだ状態を保持していると、運転状態範囲1から運転状態範囲16への対角線上に位置する運転状態範囲に対応する運転状態に落ち着く(図7参照)。このような運転状態は、安定した状態であるので、この状態でのエンジン音の収録は容易に行うことができる。
エンジン音の実データのない運転状態範囲に関する前述の補間演算は、パーソナルコンピュータ上でエンジン音データのテーブルを作成するときに行われてもよいし、前述のように、ゲーム機等の初期化処理時に行われてもよい。また、エンジン音記憶部102には、実データのみを格納するようにしてもよい。この場合、実データのない運転状態範囲のエンジン音データの補間演算は、当該運転状態範囲のエンジン音データが必要になった時点で行えばよい。
以上のエンジン音データの作成の説明は、自動車のエンジン音の場合に関するものであるが、むろん、自動二輪車のエンジン音データの作成にも適用できる。
自動車の合成エンジン音および自動二輪車の合成エンジン音について考えると、1つの気筒のエンジン音から得られるエンジン音データを作成すれば、これに基づいて多気筒エンジンのエンジン音を合成できる。すなわち、多気筒のエンジンの場合には、各気筒の音が少しずつずれて発生する。そこで、1つの気筒のエンジン音から得られるエンジン音データを組み合わせることにより、より具体的には、発音時期をずらして重ね合わせることにより、多気筒エンジンの合成音を作ることができる。
また、1つの気筒のエンジン音から得られるエンジン音データを合成して多気筒エンジンのエンジン音を合成する場合には、各気筒の発音間隔を自由に制御できる。そこで、たとえば、自動二輪車のエンジン音を合成する場合に、種々のバンク角のV型エンジンのエンジン音を容易に合成できる。
1つの気筒のエンジン音を得る一つの方法は、単気筒エンジン(たとえば自動二輪車用の単気筒エンジン)のエンジン音を収録することである。このようにして収録された単気筒エンジンのエンジン音から1燃焼サイクルに相当する長さのエンジン音データを切り出すことにより、このエンジン音データを、多気筒エンジンの1つの気筒のエンジン音データとして利用できる。
また、1つの気筒のエンジン音を得る他の方法は、たとえば、図8において、音圧ピークを中心として隣接する一対のピーク間に相当する間隔(4気筒の内の1つの気筒のエンジン音に相当)でエンジン音データを切り出すことである。さらに他の方法は、音圧ピークの直前で音圧「0」になる点から隣接する一対のピーク間に相当する間隔でエンジン音データを切り出すことである。音圧「0」の点でエンジン音データを切り出せば、エンジン音データを時間軸結合処理して得られる合成エンジン音データに継ぎ目を無くすことができる。この方法は、自動車および自動二輪車のエンジン音の両方に適用できる。
[第2実施形態]
図11は、この発明の第2実施形態に係るエンジン音合成装置の構成を説明するためのブロック図であり、前述の図3の構成において合成エンジン音データ生成部103に代えて用いることができる合成エンジン音データ生成部203の構成が示されている。この図11において、前述の図4に示された各部に対応する部分には、図4の場合と同一の参照符号を付して示す。
この実施形態のエンジン音合成装置は、第1気筒および第2気筒の2気筒を有する2気筒エンジンのエンジン音を合成するためのものである。すなわち、合成エンジン音データ生成部203は、図4に示された構成(第1気筒の合成音データを生成する合成処理手段をなす。)に加えて、重畳部1033が生成した合成音データを気筒間の遅れ時間だけ遅延させて出力する遅延処理手段としての音遅延部204と、この音遅延部204に、気筒間の遅れ時間を設定する第2気筒遅れ時間計算部205と、重畳部1033が生成する合成音データ(第1気筒の合成エンジン音データ)および音遅延部204が生成する合成音データ(第2気筒の合成エンジン音データ)を重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段としての混合処理部206とを備えている。第2気筒遅れ時間計算部205は、エンジン回転速度データbに基づいて、気筒間の遅れ時間(第1気筒のエンジン音に対する第2気筒のエンジン音の遅れ時間)を計算して、音遅延部204に設定する。この構成により、エンジン音記憶部102に記憶されている1つの気筒のエンジン音データを用いて、2気筒エンジンのエンジン音を合成できる。
この実施形態ではさらに、重畳部1033と混合処理部206との間に第1揺らぎ処理部211(第1音圧変動付与手段)が介挿されており、音遅延部204と混合処理部206との間に第2揺らぎ処理部212(第2音圧変動付与手段)が介挿されている。第1揺らぎ処理部211は、重畳部1033から生成される合成音データに対して音圧の揺らぎ(変動)を与える。同様に、第2揺らぎ処理部212は、音遅延部204から出力される合成音データに対して音圧の揺らぎを与える。
第1および第2揺らぎ処理部211,212における音圧の揺らぎのパターンおよび揺らぎ幅(音圧変動幅)は、コントローラ1031によって制御されるようになっている。コントローラ1031は、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに基づいて、第1および第2揺らぎ処理部211,212における音圧の揺らぎ幅を可変設定する揺らぎ制御部114を有している。この揺らぎ制御部114は、第1および第2揺らぎ処理部211,212に対して、異なる揺らぎパターンの音圧揺らぎ信号を与える。また、第1および第2揺らぎ処理部211,212の音圧の揺らぎの幅を互いに異ならせてもよい。
たとえば、揺らぎ制御部114は、図12に示すように、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに基づいて揺らぎ制御信号としての乱数制御信号を発生する揺らぎ幅制御マップ207(音圧変動幅制御手段)と、この揺らぎ幅制御マップ207からの乱数制御信号を受けて乱数を発生する第1および第2乱数発生部208,209とを有する。この場合、揺らぎ幅制御マップ207が生成する乱数制御信号は、合成音データに付与される音圧の揺らぎの幅を規定するものであり、第1および第2乱数発生部208,209は、その規定された揺らぎの幅に相当する範囲で互いに異なる乱数を発生する。第1および第2乱数発生部208,209で発生された乱数が、音圧揺らぎ信号として、第1および第2揺らぎ処理部211,212にそれぞれ与えられる。
第1および第2揺らぎ処理部211,212は、重畳部1033および音遅延部204からの合成音データに対して音圧増幅処理を施す音圧増幅処理部で構成されている。これらの第1および第2揺らぎ処理部211,212における音圧増幅率は、第1および第2乱数発生部208,209から与えられる音圧揺らぎ信号によって変動するようになっている。
第1および第2乱数発生部208,209は、それぞれ、1気筒の爆発区間ごとに異なる乱数を発生する。すなわち、第1および第2乱数発生部208,209は、エンジン音記憶部102から読み出されたエンジン音データの再生開始と同期して乱数を発生し、そのエンジン音データの再生期間(1気筒の爆発区間に相当)における第1および第2揺らぎ処理部211,212の音圧増幅率を定める。
図13は、揺らぎ幅制御マップ207の設定例を説明するための図である。この図13には、
(エンジンの最大燃焼圧力の標準偏差)/(最大燃焼圧力の平均値)
をスロットル開度およびエンジン回転速度を種々の値に設定して調べた結果が表されている。揺らぎ幅制御マップ207は、この図13の特性に従って定めればよい。
一般には、スロットル開度が小さいほど、また、エンジン回転速度が小さいほど、燃焼が不安定になり、エンジン音の音圧の揺らぎが大きくなる。したがって、そのように音圧の揺らぎ幅を制御することにより、現実のエンジン音に近似した合成音を得ることができる。音圧の揺らぎ幅は、第1および第2揺らぎ処理部211,212間で互いに異なるように設定されてもよい。
このようにこの実施形態によれば、スロットル開度およびエンジン回転速度に応じて個別に音圧の揺らぎが付与された2つの合成音データが混合処理部206で重ね合わされることにより、より大きな不定性(揺らぎ)を有する2気筒エンジンの合成エンジン音を得ることができる。そして、音圧の揺らぎの幅がスロットル開度およびエンジン回転速度に基づいて定められていることにより、現実のエンジン音に近似した合成音を得ることができる。
この実施形態では、第1実施形態の合成エンジン音データ生成部103に対して、1気筒のエンジン音データから2気筒エンジンの合成音を得る複数気筒化のための構成と、音圧の揺らぎを合成エンジン音データに付与する音圧揺らぎ処理のための構成とが付加されている。しかし、第1実施形態の合成エンジン音データ生成部103に対して、複数気筒化のための構成のみを組み合わせてもよく、音圧揺らぎ処理のための構成のみを組み合わせてもよい。
3気筒以上のエンジン音の合成も可能である。たとえば、音遅延部204が出力する合成音データを、さらに別の音遅延部に与えて気筒間の遅れ時間だけ遅延させれば、第3気筒のエンジン音に対応する合成音データを作成できる。第4気筒以降のエンジン音の合成音データも同様にして作成できる。
[第3実施形態]
図14は、この発明の第3実施形態に係るエンジン音合成装置800の構成を示すブロック図である。この図14において、前述の図3に示された各部に対応する部分には、図3の場合と同一の参照符号を付して示す。
エンジン音合成装置800は、特に、電気自動車のような静音型車両に装備されて、歩行者に注意を促す音を生成するために使用されるものであり、前述の第1および第2実施形態のエンジン音合成装置100と同様に、コンピュータとしての基本構成を有している。
図14に示したアクセルペダル220、タイヤ221、タイヤ221に付設された車速センサ(車輪速センサ)222および出力部223は、電気自動車に備えられるものである。アクセルペダル220および車速センサ222は、エンジン音合成装置800に運転状態範囲特定情報を入力するための入力部として機能する。出力部223は、増幅器およびスピーカを有する。スピーカは、車両外に向けて音を発生するように車体に取り付けられている。
エンジン音合成装置800は、運転状態検出部801、エンジン音記憶部102および合成エンジン音データ生成部103を具備する。運転状態検出部801は、スロットル開度計算部8011、走行速度検出部8012およびエンジン回転速度計算部8013を有する。
スロットル開度計算部8011は、運転操作者がアクセルを踏み込む量を表すアクセル開度データの入力を受け取り、これをそのままスロットル開度データとして、または所定の変換演算によってスロットル開度データに変換して、合成エンジン音データ生成部103およびエンジン回転速度計算部8013に与える。走行速度検出部8012は、車速センサ222からの出力信号に基づいて、実際に走行している電気自動車の車輪の走行速度を演算し、エンジン回転速度計算部8013に与える。エンジン回転速度計算部8013は、受け取った走行速度およびスロットル開度計算部8011から受け渡されるスロットル開度データに基づいて、実際の車両のモータ回転速度とは異なる仮想のエンジン回転速度を計算し、合成エンジン音データ生成部103に与える。
電動自動車の動力源である電動モータも実際に回転しているのであるから、車両の走行速度やモータ回転速度を直接エンジン回転速度に置き換えることも考えられる。しかしながら、実際には、電動モータとエンジンとは出力特性が異なり、電気自動車とエンジン駆動車では走行中の駆動力回転速度や変速装置の状態が大きく異なる。そのため、仮想のエンジン回転速度をモータ回転速度や車両の走行速度などから直接求めることは不適当である。
そこで、この実施形態では、エンジン回転速度計算部8013でエンジン回転速度を計算してから、この仮想のエンジン回転速度計算とスロットル開度計算部8011で算出したスロットル開度とに基づいて、合成エンジン音データ生成部103が合成エンジン音データを形成することとしている。
より具体的には、エンジン回転速度計算部8013でのエンジン回転速度の計算のために、自動車特性記憶部225に、予め一般的な自動車用自動変速装置の変速パターンと自動車用トルクコンバータの滑り特性とをそれぞれ記録しておく。エンジン回転速度計算部8013は、自動車特性記憶部225に記憶されている自動車用自動変速装置の変速パターンを踏まえた上で、自動車用トルクコンバータの滑り特性に沿うように、スロットル開度と車両走行速度とをパラメータとして、エンジン回転速度を計算する。すなわち、エンジン回転速度計算部8013は、そのような計算プログラムに従って、エンジン回転速度を演算する。
合成エンジン音データ生成部103がスロットル開度データおよびエンジン回転速度データを受け取った後の動作は、第1実施形態の場合と同様である。むろん、この第3実施形態に対しても、第2実施形態と同様な変更を施すことができる。
この第3実施形態によれば、各運転状態範囲に対応したエンジン音データを複数用意し、それらを組み合わせて合成エンジン音データを作成することにより、より現実のエンジン音に近い合成音を発生させることができる。そして、電気自動車から、その運転状態に応じた合成エンジン音を発することにより、電動自動車の周囲の歩行者等に対して自動車の接近を察知させて注意を促すことができる。
[第4実施形態]
図15は、この発明の第4実施形態に係るエンジン音合成装置の構成を説明するためのブロック図であり、図3の構成において、合成エンジン音データ生成部に代えて用いることができる合成エンジン音データ生成部403の構成が示されている。以下、図3および図5を併せて参照して説明する。
この実施形態では、エンジン音記憶部102には、図5に示すように区分された運転状態範囲1〜25のうち、その四隅の運転状態範囲1(アイドリング状態:スロットル開度最低、エンジン回転速度最低),5(スロットル開度最低、エンジン回転速度最高),21(スロットル開度最高、エンジン回転速度最低),25(最大出力:スロットル開度最高、エンジン回転速度最高)と、中央の運転状態範囲13に関して、実際に収録したエンジン音データが1つずつ記憶されている。他の運転状態範囲については、エンジン音データは記憶されておらず、前記5つの運転状態範囲のエンジン音データを利用した補間処理によって、未収録のエンジン音データが生成されるようになっている。収録されているエンジン音データは、1気筒のエンジンの1燃焼サイクル分のデータである。この1気筒のエンジン音データを用いて、この実施形態では、第1気筒および第2気筒を有する2気筒エンジンのエンジン音が合成される。
合成エンジン音データ生成部403は、エンジン音記憶部102に記憶された5つのエンジン音データを合成して合成音データ(第1気筒のエンジン音データ)を生成する合成処理部411と、第2気筒のエンジン音データを作成する複数気筒化処理部412と、合成処理部411および複数気筒化処理部412が生成するエンジン音データに音圧の揺らぎを付与する揺らぎ処理部413と、揺らぎ処理された第1および第2気筒のエンジン音データを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段としての混合処理部414と、合成処理部411および揺らぎ処理部413を制御するコントローラ410とを備えている。
合成処理部411は、コントローラ410によってエンジン音記憶部102から読み出された5つのエンジン音データがそれぞれ与えられる5つの単発音再生部421〜425と、この単発音再生部421〜425によって再生される音信号データをそれぞれ音圧増幅する5つの音圧増幅部431〜435と、この5つの音圧増幅部431〜435が出力する音圧増幅された音信号データを重ね合わせる重畳部420とを有している。
コントローラ410は、エンジン音記憶部102から、前記5つの運転状態範囲の各1つのエンジン音データを読み出して単発音再生部421〜425にそれぞれ与える読み出し制御部418を備えている。単発音再生部421〜425は、こうしてエンジン音記憶部102から与えられた各エンジン音データを繰り返し再生する。単発音再生部421〜425には、運転状態検出部101からのエンジン回転速度データbが与えられるようになっている。単発音再生部421〜425は、与えられたエンジン回転速度データbに対応する再生レートで、各エンジン音データを再生する。これにより、エンジン回転速度に応じた長さの1燃焼サイクル分の音信号データが得られる。
音圧増幅部431〜435は、単発音再生部421〜425が出力する音信号データに対して重み付けを行う重み付け処理部である。これらの音圧増幅部431〜435には、コントローラ410から、音圧増幅信号M1〜M5がそれぞれ与えられるようになっている。この音圧増幅信号は、単発音再生部421〜425が出力する音信号データに対して重みを設定するための重み設定信号である。
こうして、重み付けされた音信号データが、重畳部420において重ね合わされることになる。したがって、単発音再生部421〜425が生成する音信号データに対して適切な重み付けを行うことによって、運転状態範囲1〜25(図5参照)のうちの任意の範囲に該当するエンジン音データを合成できる。すなわち、合成処理部411に補間処理を行わせることができ、第1気筒のエンジン音に対応する合成音データを、任意の運転状態範囲について作成できる。
コントローラ410には、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbが入力されている。このコントローラ410は、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに基づいて前述の音圧増幅信号M1〜M5生成するエンジン音混合制御部441が備えられている。このエンジン音混合制御部441は、たとえば、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに対応した音圧増幅信号M1〜M5を記憶したマップで構成されている。このマップは、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbによって特定される運転状態範囲に対応する合成音データが合成処理部411において生成されるように定められている。
複数気筒化処理部412は、エンジン回転速度データbに基づいて、第1および第2気筒間のエンジン音の遅れ時間(第1気筒のエンジン音に対する第2気筒のエンジン音の遅れ時間)を計算する第2気筒遅れ時間計算部415と、合成処理部411からの合成音データ(第1気筒のエンジン音データ)が与えられ、この合成音データを第2気筒遅れ時間計算部415によって求められた遅れ時間だけ遅延させて出力する遅延処理手段としての音遅延部416とを備えている。
揺らぎ処理部413は、合成処理部411が生成する合成音データに音圧の揺らぎを与える第1揺らぎ処理部451と、音遅延部416から遅延されて生成される合成音データに音圧の揺らぎを与える第2揺らぎ処理部452とを備えている。第1および第2揺らぎ処理部451,452は、音圧増幅処理部であり、コントローラ410から与えられる音圧揺らぎ信号W1,W2に基づいて、異なるパターンの音圧の揺らぎ(変動)を各合成音データに与える。
コントローラ410は、ランダムな音圧揺らぎ信号W1,W2をそれぞれ発生する第1および第2乱数発生部453,454と、この第1および第2乱数発生部453,454が発生する音圧揺らぎ信号W1,W2の揺らぎ幅(音圧の変動の幅)を規定する揺らぎ幅制御信号としての乱数制御信号を生成する揺らぎ幅制御部455とを有している。この揺らぎ幅制御部455は、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに基づいて音圧の揺らぎの幅を規定するように乱数制御信号を生成するものであり、具体的には、スロットル開度およびエンジン回転速度の種々の値に対して予め乱数制御信号を割り付けたマップで構成されていてもよい。このマップとしては、図13を参照して説明したようなマップを用いることができる。
既述のとおり、一般には、スロットル開度が小さいほど、また、エンジン回転速度が小さいほど、燃焼が不安定になり、エンジン音の音圧の揺らぎが大きくなる。したがって、そのように音圧の揺らぎ幅を制御することにより、現実のエンジン音に近似した合成音を得ることができる。
第1および第2揺らぎ処理部451,452における音圧増幅率は、第1および第2乱数発生部453,454から与えられる音圧揺らぎ信号W1,W2によって変動するようになっている。第1および第2乱数発生部453,454は、それぞれ、1気筒の爆発区間ごとに異なる乱数を発生する。すなわち、第1および第2乱数発生部453,454は、単発音再生部421〜425におけるエンジン音データの再生開始と同期して乱数を発生し、そのエンジン音データの再生期間(1気筒の爆発区間に相当)における第1および第2揺らぎ処理部451,452の音圧増幅率を定める。
このように、この実施形態によれば、合成音データに対して、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応した揺らぎ幅で音圧の揺らぎを与えることによって合成エンジン音データが生成されるので、現実のエンジン音に近似した不定性を有する合成音を生成できる。また、複数気筒化処理部412を備えていることにより、1気筒のエンジン音データを用いて2気筒エンジンのエンジン音を合成でき、エンジン音記憶部102の記憶容量を少なくすることができる。
なお、この第4実施形態は、前記第3実施形態のような電気自動車にも適用可能である。
また、3気筒以上のエンジン音の合成も可能である。たとえば、音遅延部416が出力する合成音データを、さらに別の音遅延部に与えて気筒間の遅れ時間だけ遅延させれば、第3気筒のエンジン音に対応する合成音データを作成できる。第4気筒以降のエンジン音の合成音データも同様にして作成できる。
[その他の実施形態]
前述のいずれの実施形態においても、車種を選択する選択入力部が備えられていてもよい。すなわち、エンジン音記憶部102に、複数の車種に対応する複数種類のエンジン音データを格納しておけばよい。この場合、車種ごとのエンジン音データは、車種名データ、エンジンタイプのデータ、気筒数のデータ、爆発間隔のデータ、エンジン音圧揺らぎ幅のデータなどの制御パラメータとともにエンジン音記憶部102に記憶されていることが好ましい。
たとえば、第4実施形態の構成に車種選択入力部を備える場合には、この車種選択入力部からの車種指定信号を、コントローラ410に与えればよい。コントローラ410は、指定された車種のエンジン音データを読み出して単発音再生部421〜425に与える。また、コントローラ410内のエンジン音混合制御部441は、車種に応じた混合割合でエンジン音データが重畳されるように、当該車種に対応した重み(音圧増幅信号)を各音圧増幅部431〜435に設定する。さらに、揺らぎ幅制御部455は、指定された車種に応じて音圧の揺らぎ幅を定めることが好ましい。また、第1および第2乱数発生部453,454は、指定された車種に対応したパターンの揺らぎを与える音圧揺らぎ信号W1,W2を生成することが好ましい。
上記の他、特許請求の範囲に記載した範囲で、種々の変更を施すことが可能である。
[まとめ]
以下に、この明細書の記載から把握されるべき発明の内容を記す。
この発明に係る第1のエンジン音合成装置は、複数の運転状態で収録したエンジン音データを予め定めた複数の運転状態範囲に区分して記憶しているとともに、各運転状態範囲に対して複数のエンジン音データを記憶した記憶手段と、外部から入力される運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出して組み合わせ、合成エンジン音データを生成する合成エンジン音データ生成手段とを含む。
この構成によれば、個々の運転状態範囲に対して複数のエンジン音データが記憶手段に記憶されている。そして、外部から運転状態特定情報が与えられると、それによって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データが記憶手段から読み出され、それらを組み合わせることによって、合成エンジン音データが生成される。したがって、ただ一つのエンジン音データから合成されるエンジン音に比較して、現実のエンジン音により近い不定性を持つエンジン音を合成することができる。
前記エンジン音データは、実際のエンジンを運転させてエンジン音を録音し、この録音されたエンジン音から任意の区間で切り出して得られるデータであることが好ましい。より具体的には、エンジンの運転状態を連続的に、または段階的に変化させ、その間に収録したエンジン音から、運転状態範囲ごとのエンジン音データを切り出せばよい。
複数のエンジン音データを組み合わせる合成処理は、複数のエンジン音データを重ね合わせる重ね合わせ処理を含んでいてもよい。また、この合成処理は、複数のエンジン音データを時間軸上で順次結合していく時間軸結合処理を含んでいてもよい。むろん、この合成処理は、重ね合わせ処理および時間軸結合処理の両方を含んでいてもよい。
より具体的には、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データのうちの少なくとも2つを重ね合わせる重ね合わせ手段を含むものであってもよい。これにより、合成エンジン音データに十分な不定性を与えることができ、現実のエンジン音に近い合成音を得ることができる。
また、この発明の1つの実施形態に係るエンジン音合成装置は、前記重ね合わせ手段によって重ね合わされる少なくとも2つのエンジン音データの音圧に対して重み付けする音圧増幅処理を行う重み付け手段をさらに含む。これにより、合成エンジン音データに対して、より大きな不定性を与えることができるから、より現実のエンジン音に近い合成音を得ることができる。
さらに、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを所定個数ずつ順次選択して結合する手段を含むものであってもよい。これにより、合成エンジン音データを構成するデータが、順次異なるエンジン音データへと切り換えられていくことにより、時間軸上で複数のエンジン音データが結合されることになる。こうして、合成エンジン音データに十分な不定性を与えることができる。複数個のエンジン音データを順次選択して時間軸上で結合して合成エンジン音データを作成すれば、重ね合わせ処理と時間軸結合処理とを併用でき、より大きな不定性を持った合成エンジン音を生成できる。
前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データの音圧に対してそれぞれ重み付けするための音圧増幅処理を行う複数の重み付け手段と、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応して前記記憶手段に記憶されている複数のエンジン音データを読み出して前記重み付け部に与える読み出し制御手段と、前記複数の重み付け部に対して、エンジン音データの音圧に対して与えるべき重みを設定する重み設定手段と、前記重み設定手段によって設定された重みに応じて前記複数の重み付け部によって重み付け処理(音圧増幅処理)されたエンジン音データを重ね合わせる重ね合わせ手段とを含むものであってもよい。
この構成により、複数のエンジン音データに対して個々に重み付けをし、この重み付けされた複数のエンジン音データに対して重ね合わせ処理を行うことができる。或るエンジン音データの重みを零とすれば、そのエンジン音データは合成音には寄与しない。したがって、或るエンジン音データに対する重みを零とするか零以外の値とするかによって、そのエンジン音データの選択/非選択を切り換えることができる。たとえば、所定個数のエンジン音データについてのみ重みを零以外の値とし、他のエンジン音データに対する重みを零とすることにより、所定個数のエンジン音データを選択して、それらのエンジン音データを組み合わせた合成エンジン音データを作成できる。さらに、選択する所定個数のエンジン音データを順次切り換えていけば、前述の時間軸結合処理を行える。
前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出して組み合わせることにより合成音データを生成する合成処理手段と、この合成処理手段が生成する合成音データに対して、音圧の変動(揺らぎ)を与える音圧変動付与手段(揺らぎ処理手段)と、前記音圧変動付与手段によって前記合成音データに付与される音圧の変動(揺らぎ)の幅を、前記運転状態特定情報に基づいて制御する音圧変動幅制御手段(揺らぎ幅制御手段)とを含むものであってもよい。
この構成によれば、合成音データに対して運転状態に応じた変動幅で音圧の変動(揺らぎ)が与えられる。これにより、運転状態に応じた適切な音圧変動(揺らぎ)を持った合成音を作成することができ、合成音を現実のエンジン音により近づけることができる。
音圧変動付与手段は、たとえば、合成音データに対して音圧増幅処理を施す音圧増幅処理部からなっていてもよい。この場合に、音圧変動付与手段は、所定単位の合成音データごとに音圧増幅率を変化させることによって、時間軸上で隣接する合成音データ間に音圧の相対変動(揺らぎ)を与えるものであってもよい。前記所定単位の合成音データとは、たとえば、エンジンの1気筒の1回の爆発区間に対応したデータであってもよく、エンジンの1燃焼サイクルの爆発区間に対応したデータであってもよい。一般的には、記憶手段に所定単位(1気筒の1回の爆発区間、1燃焼サイクルなど)のエンジン音データが記憶されている場合には、同じ単位の合成音データごとに音圧増幅率を変化させればよい。
また、音圧変動付与手段は、たとえば、所定の周期ごとに音圧変動率を変化させることによって、時間軸上で隣接する周期の合成音データに対して音圧の相対変動(揺らぎ)を与えるものであってもよい。
前記運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含むことが好ましい。それに応じて、前記複数の運転状態範囲は、スロットル開度範囲およびエンジン回転速度範囲に基づいて定められており、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むものであることが好ましい。「スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報」とは、アクセル開度や変速機のシフト位置に関する情報のように、所定の演算によって、スロットル開度およびエンジン回転速度を推定できる情報であってもよい。
エンジンのスロットル開度およびエンジン回転速度は、エンジン音に直接的に影響のあるパラメータである。したがって、これらをパラメータとして運転状態範囲を定めることにより、現実のエンジン音に近い合成音を作成できる。
すなわち、スロットル開度(運転操作量に対応する。)およびエンジン回転速度により表される運転状態を複数の範囲に分け、各範囲で収録されたエンジン音のデータが複数用意されることになる。その複数のエンジン音のデータを用いて、各運転状態範囲における現実のエンジン音の不定性を忠実に表現できる。
前記エンジン音合成装置は、複数の気筒を有するエンジンのエンジン音を合成するものであってもよい。この場合に、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出して組み合わせることにより合成音データを生成する合成処理手段と、前記エンジン回転速度情報に基づいて、気筒間のエンジン音の遅れ時間を算出する気筒間遅れ時間計算手段と、前記合成処理手段によって生成される合成音データを前記気筒間遅れ時間計算部によって計算された遅れ時間だけ遅延させる遅延処理手段と、前記合成処理手段が生成する合成音データと前記遅延処理部によって遅延された合成音データとを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段とを含むものであることが好ましい。
この構成によれば、たとえば、単一気筒のエンジン音データを記憶手段に格納しておけば、気筒間の遅れ時間を考慮することにより、複数気筒の構成のエンジン音を合成できる。これにより、記憶手段の記憶容量を削減でき、エンジン音の収録の労力も軽減できる。しかも、単一の音源のデータを用いて複数種類のエンジン音を合成できるので、個々の運転状態範囲のエンジン音データの個数を多くすることができる。これにより、より大きな不定性を持った合成音を作成できる。
前記記憶手段は、第1の運転状態範囲に対応して、第1の個数のエンジン音データを記憶しており、前記第1の運転状態範囲よりもスロットル開度の小さな運転状態に対応する第2運転状態範囲に対応して、前記第1の個数よりも多い第2の個数のエンジン音データを記憶しているものであることが好ましい。また、前記記憶手段は、第3の運転状態範囲に対応して、第3の個数のエンジン音データを記憶しており、前記第3の運転状態範囲よりもエンジン回転速度の小さな運転状態に対応する第4運転状態範囲に対応して、前記第3の個数よりも多い第4の個数のエンジン音データを記憶しているものであることが好ましい。
すなわち、小さなスロットル開度および/または低いエンジン回転速度に対応する運転状態範囲については、記憶手段に記憶されるエンジン音データのサンプル数が多くなっている。また、大きなスロットル開度および/または高いエンジン回転速度に対応する運転状態範囲については、記憶手段に記憶されるエンジン音データのサンプル数が少なくなっている。これにより、実際のエンジン音により近似した合成音を作成できる。なぜなら、現実のエンジンは、スロットル開度が小さいほど、また、エンジン回転速度が低いほど、動きが不安定になり、それに応じてエンジン音の不定性も大きくなるからである。
この発明に係る第2のエンジン音合成装置は、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段と、この記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段と、この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動(揺らぎ)を与え、音圧変動(揺らぎ)の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段(揺らぎ処理手段)と、外部から入力され、仮想エンジンの運転状態を特定する運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段(揺らぎ幅制御手段)とを含む。
この構成によれば、合成音データに対して、エンジンの運転状態に応じた変動幅で音圧の変動(揺らぎ)が与えられる。これにより、運転状態に応じた適切な音圧変動(揺らぎ)を持った合成音を作成することができ、現実のエンジン音に近い合成音を作成できる。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、それに応じて、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
この場合に、前記音圧変動幅制御手段は、エンジン回転速度が小さいほど、音圧の変動(揺らぎ)の幅を大きく定めるものであることが好ましい。これにより、エンジンの状態の不安定性が大きくなる低回転速度時において、大きな音圧変動(揺らぎ)を持った合成音を生成できる。これにより、現実のエンジン音により近い合成音を作成できる。
前記エンジン音合成装置は、複数の気筒を有するエンジンのエンジン音を合成するものであってもよい。この場合に、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記エンジン回転速度情報に基づいて、気筒間のエンジン音の遅れ時間を算出する気筒間遅れ時間計算手段と、前記合成処理手段によって生成される合成音データを前記気筒間遅れ時間計算部によって計算された遅れ時間だけ遅延させる遅延処理手段と、前記合成処理手段が生成する合成音データと前記遅延処理部によって遅延された合成音データとを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段とを含むものであることが好ましい。
この構成によれば、たとえば、単一気筒のエンジンを運転させて収録したエンジン音を用いて、複数気筒の構成のエンジンに対応した合成音を作成でき、かつ、その合成音に音圧変動(揺らぎ)を与えることができる。
この構成の場合に、第1の音圧変動付与手段(第1の揺らぎ処理手段)としての前記音圧変動付与手段に加えて、前記遅延処理手段によって遅延された合成音データに対して音圧の変動(揺らぎ)を与え、音圧変動(揺らぎ)の与えられた合成エンジン音データを生成する第2音圧変動付与手段(揺らぎ処理手段)をさらに含むことが好ましい。この場合、前記気筒間混合処理手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によってそれぞれ生成される音圧変動(揺らぎ)付きの合成音データを重ね合わせて混合するものとすればよく、前記音圧変動幅制御手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動(揺らぎ)の幅をそれぞれ制御するものとすればよい。
この構成によれば、気筒間の遅延処理のされた合成音データに対しても音圧の変動(揺らぎ)が与えられるので、より不定性の大きなエンジン音を合成できる。とくに、第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データにそれぞれ与えられる音圧変動のパターン(強弱パターン)を異ならせておけば、より大きな不定性を持ったエンジン音を合成できる。むろん、音圧変動幅制御手段は、第1および第2音圧変動付与手段に対して、異なる音圧変動幅を設定するものであってもよい。
この発明に係る車両は、前記運転状態特定情報を入力するための入力部と、前述のような構成を有するエンジン音合成装置と、このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含む。たとえば、車両は、電気自動車のようなエンジン(内燃機関)を持たない車両であってもよい。このような場合に、この発明によれば、エンジンを持つ車両に近い音を車両から発生させることができる。これにより、車両の乗員には、その聴覚に訴えて、エンジン付きの車両に乗車しているときのような満足感を与えることができる。また、車両の周囲の者(とくに歩行者)には、その聴覚に訴えて、車両の存在を示すことができる。
この発明に係るゲーム機は、前記運転状態特定情報を入力するための操作部と、前述のような構成を有するエンジン音合成装置と、このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含む。この構成によれば、遊技者による操作部の操作に応じて、十分な不定性を持った合成エンジン音データが生成され、これが出力部から音響化される。これにより、遊技者は、現実のエンジン音に近似した合成音を感じながらゲームを行うことができる。これにより、ゲーム機の迫真性を高めることができる。
この発明の第1のエンジン音合成方法は、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け取るステップと、複数の運転状態で収録したエンジン音データを予め定めた複数の運転状態範囲に区分して記憶しているとともに、各運転状態範囲に対して複数のエンジン音データを記憶した記憶手段から、前記運転状態特定情報に対応する運転状態範囲のエンジン音データを読み出して組み合わせることにより、合成エンジン音データを生成する合成エンジン音データ生成ステップとを含む。
この方法により、運転状態特定情報に応じた運転状態範囲の複数のエンジン音データを合成して合成エンジン音データが生成される。こうして生成される合成エンジン音データは、大きな不定性を有するから、この合成エンジン音データを用いることにより、現実のエンジン音に近い合成音を生成できる。
前記合成エンジン音データ生成ステップは、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データのうちの少なくとも2つを重ね合わせる重ね合わせステップを含んでいてもよい。また、前記合成エンジン音データ生成ステップは、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを所定個数ずつ順次選択して結合するステップを含んでいてもよい。
前記合成エンジン音データ生成ステップは、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出すステップと、読み出された複数のエンジン音データを組み合わせて合成音データを作成するステップと、この作成された合成音データに対して、音圧の変動(揺らぎ)を与える音圧変動付与ステップと、前記運転状態特定情報に基づいて前記合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御するステップとを含むことが好ましい。これにより、音圧の変動が与えられた合成エンジン音データは、より大きな不定性を有することになる。したがって、より現実のエンジン音に近似した合成音を生成することができる。
この発明の第2のエンジン音合成方法は、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け取るステップと、記憶手段から元データとしてのエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを作成するステップと、この作成された合成音データに対して、音圧の変動(揺らぎ)を与える音圧変動付与ステップと、前記運転状態特定情報に基づいて前記合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御するステップとを含む。
この方法により、合成音データに対して、エンジンの運転状態に応じた変動幅で音圧の変動(揺らぎ)が与えられる。これにより、運転状態に応じた適切な音圧変動を持った合成音を作成することができ、現実のエンジン音に近い合成音を作成できる。
この発明の第1のコンピュータプログラムは、エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、複数の運転状態で収録したエンジン音データを予め定めた複数の運転状態範囲に区分して記憶しているとともに、各運転状態範囲に対して複数のエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、および前記運転状態特定情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出して組み合わせ、合成エンジン音データを生成する合成エンジン音データ生成手段として機能させるものである。
このコンピュータプログラムをコンピュータ上で実行することにより、コンピュータを前記第1のエンジン音合成装置として機能させることができる。むろん、コンピュータプログラムをバージョンアップすれば、コンピュータで構成されるエンジン音合成装置の機能を容易に高めることができる。
前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データのうちの少なくとも2つを重ね合わせる重ね合わせ手段を含むものであってもよい。また、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを所定個数ずつ順次選択して結合する手段を含むものであってもよい。
さらに、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出して組み合わせることにより、合成音データを生成する合成処理手段と、この合成処理手段によって生成された合成音データに対して、音圧の変動を与える音圧変動付与手段と、前記運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって前記合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段とを含むことが好ましい。
前記運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含んでいてもよい。この場合、前記複数の運転状態範囲は、スロットル開度範囲およびエンジン回転速度範囲に基づいて定められており、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
この発明の第2のコンピュータプログラムは、エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、前記記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段、この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段、および前記運転状態情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段として機能させるものである。
このコンピュータプログラムをコンピュータ上で実行することにより、コンピュータを前記第2のエンジン音合成装置として機能させることができる。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含んでいてもよい。この場合に、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
この発明の記録媒体は、前述のような構成を有するコンピュータプログラムを記録したものである。この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータで読み取って実行させることにより、このコンピュータを前述のようなエンジン音合成装置として機能させることができる。コンピュータプログラムは、どのような形式で記録媒体に記録されていてもよく、たとえば、圧縮した形式で記録されていてもよい。記録媒体には、半導体メモリ、磁気記録媒体、光記録媒体および光磁気記録媒体を含む任意の記録形式のものを適用できる。より具体的には、車両やゲーム機に組み込まれる不揮発性メモリの形態を有していてもよい。不揮発性メモリは、ROMであってもよいし、書き換え可能なメモリ(EEPROMなど)であってもよい。
この発明のゲームプログラムは、前述のような構成を有する音声合成用コンピュータプログラムが組み込まれたものである。このゲームプログラムを、操作部および出力部(音信号を音響化するもの)が接続されたコンピュータ上で実行させることにより、このコンピュータをゲーム機として作動させることができる。この場合に、ゲーム機としてのコンピュータは、現実のエンジン音に近い合成音を発生させることができ、ゲームの迫真性を高めることができる。
この発明の第1実施形態に係るエンジン音合成装置が適用されるゲーム機の電気的構成を説明するためのブロック図である。 前記第1実施形態のゲーム機を構成することができるパーソナルコンピュータの電気的構成を説明するためのブロック図である。 前記第1実施形態のエンジン音合成装置の構成を説明するためのブロック図である。 エンジン音記憶部におけるエンジン音データの記憶態様と、合成エンジン音データ生成部の具体的な構成とを説明するためのブロック図である。 スロットル開度およびエンジン回転速度をパラメータとした運転状態範囲の区分と、エンジン音の補間処理とを説明するための図である。 エンジンを空ぶかししたときのエンジン音の音圧波形を示す図である。 急加速・急減速を行ったとき、およびスロットル開度を徐々に上げ下げしたときの運転状態の変化を説明するための図である。 ある運転状態範囲内で録音した4サイクル4気筒エンジンのエンジン音の音圧波形を示す図である。 スロットル開度の最高値を種々の値に異ならせて空ぶかしし、急加速・急減速を行うときの運転状態の変化を示した図である。 エンジン音記憶部に格納すべきテーブルの概略図である。 この発明の第2実施形態に係るエンジン音合成装置の構成を説明するためのブロック図であり、合成エンジン音データ生成部の構成が示されている。 揺らぎ制御部の構成例を示すブロック図である。 揺らぎ幅制御マップの設定例を説明するための図である。 この発明の第3実施形態に係るエンジン音合成装置の構成を示すブロック図である。 この発明の第4実施形態に係るエンジン音合成装置の構成を説明するためのブロック図であり、合成エンジン音データ生成部の構成が示されている。
符号の説明
40 ゲーム機
41 ゲーム機本体
42 操作部
43 出力部
44 表示部
45 舵角センサ
46 アクセル操作量センサ
47 ブレーキ操作量センサ
48 変速機センサ
50 CPU
51 ROM
52 RAM
53 バス
54 操作部コントローラ
55 音出力コントローラ
56 表示コントローラ
57 ゲームプログラム
58 エンジン音合成プログラム
59 エンジン音データ
60 仮想エンジンデータ
61 仮想車体データ
70 パーソナルコンピュータ
71 コンピュータ本体
72 操作部
73 出力部
74 表示装置
75 ハードディスクドライブ
76 CD−ROM
77 CD−ROMドライブ
80 CPU
81 ROM
82 RAM
83 バス
84 操作部コントローラ
85 音出力コントローラ
86 表示コントローラ
87 ゲームプログラム
88 エンジン音合成プログラム
89 エンジン音データ
90 仮想エンジンデータ
91 仮想車体データ
100 エンジン音合成装置
101 運転状態検出部
1011 運転操作検出部
1012 エンジン回転速度計算部
102 エンジン音記憶部
102−1〜102−n テーブル
103 合成エンジン音データ生成部
1031 コントローラ
1032−1〜1032−n 重み付け部
1033 重畳部
104 仮想エンジン/車体データ記憶部
105 出力処理部
111 運転状態範囲特定部
112 読み出し制御部
113 重み設定部
114 揺らぎ制御部
203 合成エンジン音データ生成部
204 音遅延部
205 第2気筒遅れ時間計算部
206 混合処理部
207 揺らぎ幅制御マップ
208 第1乱数発生部
209 第2乱数発生部
211 第1揺らぎ処理部
212 第2揺らぎ処理部
220 アクセルペダル
221 タイヤ
222 車速センサ
223 出力部
225 自動車特性記憶部
403 合成エンジン音データ生成部
410 コントローラ
411 合成処理部
412 複数気筒化処理部
413 揺らぎ処理部
414 混合処理部
415 第2気筒遅れ時間計算部
416 音遅延部
418 読み出し制御部
420 重畳部
421〜425 単発音再生部
431〜435 音声増幅部
441 エンジン音混合制御部
451 第1揺らぎ処理部
452 第2揺らぎ処理部
453 第1乱数発生部
454 第2乱数発生部
455 揺らぎ幅制御部
800 エンジン音合成装置
801 運転状態検出部
8011 スロットル開度計算部
8012 走行速度検出部
8013 エンジン回転速度計算部
a スロットル開度データ
b エンジン回転速度データ

Claims (12)

  1. 元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段と、
    この記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段と、
    この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧の変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段と、
    外部から入力され、仮想エンジンの運転状態を特定する運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段とを含むことを特徴とするエンジン音合成形成装置。
  2. 前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、
    前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことを特徴とする請求項1記載のエンジン音合成装置。
  3. 前記音圧変動幅制御手段は、エンジン回転速度が小さいほど、音圧の変動の幅を大きく定めるものであることを特徴とする請求項2記載のエンジン音合成装置。
  4. 前記エンジン音合成装置は、複数の気筒を有するエンジンのエンジン音を合成するものであり、
    前記合成エンジン音データ生成手段は、
    前記エンジン回転速度情報に基づいて、気筒間のエンジン音の遅れ時間を算出する気筒間遅れ時間計算手段と、
    前記合成処理手段によって生成される合成音データを前記気筒間遅れ時間計算部によって計算された遅れ時間だけ遅延させる遅延処理手段と、
    前記合成処理手段が生成する合成音データと前記遅延処理部によって遅延された合成音データとを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段とを含むものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジン音合成装置。
  5. 第1の音圧変動付与手段としての前記音圧変動付与手段に加えて、
    前記遅延処理手段によって遅延された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧の変動の与えられた合成エンジン音データを生成する第2音圧変動付与手段をさらに含み、
    前記気筒間混合処理手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によってそれぞれ生成される音圧変動付きの合成音データを重ね合わせて混合するものであり、
    前記音圧変動幅制御手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅をそれぞれ制御するものであることを特徴とする請求項4記載のエンジン音合成装置。
  6. 前記運転状態特定情報を入力するための入力部と、
    請求項1ないし5のいずれかに記載のエンジン音合成装置と、
    このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含むことを特徴とする車両。
  7. 前記運転状態特定情報を入力するための操作部と、
    請求項1ないし5のいずれかに記載のエンジン音合成装置と、
    このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含むことを特徴とするゲーム機。
  8. 仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け取るステップと、
    記憶手段から元データとしてのエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを作成するステップと、
    この作成された合成音データに対して、音圧の変動を与える音圧変動付与ステップと、
    前記運転状態特定情報に基づいて前記合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御するステップとを含むことを特徴とするエンジン音合成方法。
  9. エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータは、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、
    前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
    仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、
    前記記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段、
    この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段、および
    前記運転状態情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段
    として機能させるものであることを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、
    前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことを特徴とする請求項9記載のコンピュータプログラム。
  11. 請求項9または10記載のコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体。
  12. 請求項9または10記載のコンピュータプログラムが組み込まれたゲームプログラム。
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