JP2009064028A - エンジン音合成装置、それを用いた車両およびゲーム機、エンジン音合成方法、エンジン音合成のためのコンピュータプログラムおよびそれを組み込んだゲームプログラム、ならびにエンジン音合成のためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
エンジン音合成装置、それを用いた車両およびゲーム機、エンジン音合成方法、エンジン音合成のためのコンピュータプログラムおよびそれを組み込んだゲームプログラム、ならびにエンジン音合成のためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】スロットル開度およびエンジン回転速度をパラメータとして、エンジンの運転状態が複数の運転状態範囲に区分される。エンジン音記憶部102には、各運転状態範囲に対して、複数のエンジン音データが記憶されている。スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbにより特定される運転状態範囲に含まれる複数のエンジン音データを組み合わせて第1気筒の合成エンジン音データが生成される。第1気筒の合成エンジン音データを気筒間の遅れ時間だけ遅延させて、第2気筒の合成エンジン音データが生成される。第1および第2気筒の合成エンジン音データに対して、第1および第2揺らぎ処理部211,212により、音圧の揺らぎ(変動)が付与される。この揺らぎが付与された第1および第2気筒の合成エンジン音データが重ね合わされて混合される。
【選択図】 図11
Description
また、この発明の他の目的は、現実のエンジン音に近い合成エンジン音を生成できるエンジン音合成装置が組み込まれた車両およびゲーム機を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、現実のエンジン音に近い合成音を生成できるコンピュータプログラムおよびそれを組み込んだゲームプログラム、ならびにそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、それに応じて、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
前記エンジン音合成装置は、複数の気筒を有するエンジンのエンジン音を合成するものであってもよい。この場合に、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記エンジン回転速度情報に基づいて、気筒間のエンジン音の遅れ時間を算出する気筒間遅れ時間計算手段と、前記合成処理手段によって生成される合成音データを前記気筒間遅れ時間計算部によって計算された遅れ時間だけ遅延させる遅延処理手段と、前記合成処理手段が生成する合成音データと前記遅延処理部によって遅延された合成音データとを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段とを含むものであることが好ましい。
この構成の場合に、第1の音圧変動付与手段(第1の揺らぎ処理手段)としての前記音圧変動付与手段に加えて、前記遅延処理手段によって遅延された合成音データに対して音圧の変動(揺らぎ)を与え、音圧変動(揺らぎ)の与えられた合成エンジン音データを生成する第2音圧変動付与手段(揺らぎ処理手段)をさらに含むことが好ましい。この場合、前記気筒間混合処理手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によってそれぞれ生成される音圧変動(揺らぎ)付きの合成音データを重ね合わせて混合するものとすればよく、前記音圧変動幅制御手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動(揺らぎ)の幅をそれぞれ制御するものとすればよい。
この発明のコンピュータプログラムは、エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、前記記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段、この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段、および前記運転状態情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段として機能させるものである。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含んでいてもよい。この場合に、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
[第1実施形態]
図1は、この発明の第1実施形態に係るエンジン音合成装置が適用されるゲーム機40の電気的構成を説明するためのブロック図である。このゲーム機40は、自動車(自動二輪車または四輪自動車)のレーシングゲーム機であってもよいし、ドライビングシミュレータであってもよい。このゲーム機40において、この発明の第1実施形態に係るエンジン音合成装置は、臨場感または迫真性を高めるために使用される。
たとえば、ゲーム機40は、レーシングゲームやドライビングシミュレータのような、いわゆるアーケードゲーム機であってもよい。この場合、ゲーム機40が自動二輪車を模擬したものであれば、操作部42は、ステアリングハンドル、アクセルグリップ、ブレーキペダル(および/またはブレーキレバー)、ならびにシフトペダルを含む。また、ゲーム機40が四輪自動車を模擬したものである場合、操作部42は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルおよびシフトレバーを含む。
ゲーム機本体41は、CPU50と、ROM51と、RAM52と、これらが接続されたバス53とを有する。バス53には、操作部42のセンサ45〜48の入力を受け付ける操作部コントローラ54と、出力部43に音信号を与える音出力コントローラ55と、表示部44に表示信号を与える表示コントローラ56とが接続されている。
バス83にはさらに、磁気記録媒体であるハードディスクドライブ(HDD)75と、光記録媒体であるCD−ROM76を読み取ることができるCD−ROMドライブ77とが接続されている。
図3は、前記図1または図2の構成において、CPU50,80がエンジン音合成プログラム58,88を実行することによって実現されるエンジン音合成装置100の構成を説明するためのブロック図である。
エンジン音記憶部102は、ゲーム機40のROM51またはパーソナルコンピュータ70のハードディスクドライブ75の記憶領域の一部によって構成されており、前述のエンジン音データ59,89を記憶する記憶手段として機能する。
運転状態検出部101は、CPU50,80がゲームプログラム57,87を実行することによって構成される機能処理部であり、運転状態特定情報受け付け手段として機能する。この運転状態検出部101は、運転操作検出部1011およびエンジン回転速度計算部1012を有する。
エンジン回転速度計算部1012は、運転操作検出部1011からの運転操作信号と、仮想エンジン/車体データ記憶部104にあらかじめ記録されているエンジンの出力特性および車両の走行抵抗のデータとに基づいて、エンジン出力と走行抵抗とのバランスがとれる仮想のエンジン回転速度を計算する。
図4の例では、各運転状態範囲1〜16に対応した記憶領域にエンジン音データが1つずつ入るn個のテーブル102−1〜102−nを用意した記憶態様が表されている。むろん、各運転状態範囲1〜16に対応した記憶領域にn個のエンジン音データを格納できる1つのテーブルの形式でエンジン音データを記憶することもできる。
特に、クランク軸が1回転する間に1回の燃焼が発生する2サイクルエンジンでは、アイドリング状態での異常燃焼が起こりやすいため、アイドリング時に対応した運転状態範囲のサンプル数を多くしておくと効果的である。
コントローラ1031は、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbを受け取り、これらに基づいて運転状態範囲を特定する運転状態範囲特定部111を有する。また、コントローラ1031は、エンジン音記憶部102に対して、その特定された運転状態範囲に対応する全てまたは一部のエンジン音データを、対応する重み付け部1032に出力させるための出力命令信号を与える読み出し制御部112を有する。たとえば、運転状態範囲1が特定された場合には、テーブル102−1〜102−nのすべての運転状態範囲1に対応するエンジン音データ1−1〜1−nが読み出され、重み付け部1032−1〜1032−nに与えられる。
一方、コントローラ1031は、複数の重み付け部1032においてエンジン音データにそれぞれ付与される重みを設定する重み設定部113を有している。重み付け部1032は、コントローラ1031から受け取る重みの値により、エンジン音データに重み付け処理を行い、重畳部1033に与える。重畳部1033は、重み付け部1032から、重み付けを施された複数のエンジン音データを受け取って、それらを重ね合わせて合成音データを生成し、出力処理部105に与える。重み付け部1032は、エンジン音データに対して、コントローラ1031から設定された重みに応じた音圧増幅処理を施す。
たとえば、コントローラ1031が、エンジン音記憶部102に対して、1つのテーブルのみからのエンジン音データの出力を指示する出力命令信号を出力するとする。ただし、コントローラ1031は、1度に1つのテーブルを指定するが、エンジン回転速度に合わせた周期で、次々とランダムに異なる1つのテーブルを指定して、エンジン音データを順次出力させる。また、コントローラ1031は、たとえば、いずれの重み付け部1032に対しても、重み「1」を設定するものとする。この場合、スロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに対応する運転状態範囲に関してエンジン音記憶部102に格納されている最大n個のエンジン音データを、ランダムに1つずつ順次取り出して時間軸上に並べた合成エンジン音データが形成されることとなる。すなわち、複数のエンジン音データを時間軸上で結合する時間軸結合処理が行われる。
コントローラ1031は、エンジン音記憶部102に対して、コントローラ1031が受け取るスロットル開度データaおよびエンジン回転速度データbに対応する運転状態範囲に関して格納されているエンジン音データをすべてのテーブルから出力させる出力命令信号を与えるようにしてもよい。そして、コントローラ1031は、「0」値を含む重みを複数の重み付け部1032に設定すればよい。この場合、「0」の重みが与えられた重み付け部1032に対応するエンジン音データは非選択状態となり、他の重み付け部1032に対応するエンジン音データが選択されて、合成エンジン音データを形成することになる。このような構成としても、前述の時間軸結合処理および重ね合わせ処理によって、複数のエンジン音データを組み合わせた合成エンジン音データを生成することができる。
次に、エンジン音記憶部102のテーブル102−1〜102−nに運転状態範囲に区分して格納されるエンジン音データの作成方法について、図6から図10を用いて説明する。このエンジン音データの作成に際しては、まず、実際のエンジンを複数の運転状態で作動させるとともに、そのときのエンジン音が収録される。この収録されるエンジン音は、ディジタルデータとして記録される。この記録されたディジタルデータをパーソナルコンピュータ上で加工することによって、エンジン音記憶部102に格納すべきエンジン音データが作成される。
以上の流れにより、1回のエンジンの空ぶかし時に収録したエンジン音から、エンジン音記憶部102のテーブル内の運転状態範囲5、9、13、14、15、16、12、8、4、3、2、1のエンジン音データを用意することができる。
図9は、スロットル開度の最高値を種々の値に異ならせて空ぶかしし、急加速・急減速を行うときの運転状態の変化を示した図である。図9では、スロットル開度の最高値を、(i)3/8、(ii)5/8、(iii)7/8として、急加速・急減速を行った時の運転状態の変化を示している。たとえば、(ii)の場合、すなわち、スロットル開度5/8まで急にアクセルを踏み込んで急加速を行った後に一定操作量に保ち、その後にスロットルを急に閉じるというような急加速・急減速を行ったときには、運転状態範囲1、5、9、10、11、7、3、2のエンジン音データを取得することができる。
実際に走行している車両からエンジン音を取得するとすれば、風切り音の混入が避けられない。また、シャーシダイナモ上で走行している車両からエンジン音を取得するとすれば、ローラの音などの雑音の混入が避けられない。これに対して、空ぶかしをするときのエンジン音からエンジン音データを取得する前述の方法であれば、風切り音その他の雑音の混入を回避できる。したがって、こうして取得されたエンジン音データを用いることにより、現実のエンジン音に極めて近似した合成音を得ることができる。
図10は、エンジン音記憶部102に格納すべきテーブルの概略図である。上述のエンジン音の取得方法により、図10のテーブルに示された運転状態範囲1、4、13、16(テーブルの4つ角に相当する運転状態範囲。斜線を付して示す。)に対応するエンジン音データをまず格納する。そして、その他の運転状態範囲に対応するエンジン音データは、この4つのエンジン音データを用いて補間する。
自動車の合成エンジン音および自動二輪車の合成エンジン音について考えると、1つの気筒のエンジン音から得られるエンジン音データを作成すれば、これに基づいて多気筒エンジンのエンジン音を合成できる。すなわち、多気筒のエンジンの場合には、各気筒の音が少しずつずれて発生する。そこで、1つの気筒のエンジン音から得られるエンジン音データを組み合わせることにより、より具体的には、発音時期をずらして重ね合わせることにより、多気筒エンジンの合成音を作ることができる。
1つの気筒のエンジン音を得る一つの方法は、単気筒エンジン(たとえば自動二輪車用の単気筒エンジン)のエンジン音を収録することである。このようにして収録された単気筒エンジンのエンジン音から1燃焼サイクルに相当する長さのエンジン音データを切り出すことにより、このエンジン音データを、多気筒エンジンの1つの気筒のエンジン音データとして利用できる。
[第2実施形態]
図11は、この発明の第2実施形態に係るエンジン音合成装置の構成を説明するためのブロック図であり、前述の図3の構成において合成エンジン音データ生成部103に代えて用いることができる合成エンジン音データ生成部203の構成が示されている。この図11において、前述の図4に示された各部に対応する部分には、図4の場合と同一の参照符号を付して示す。
(エンジンの最大燃焼圧力の標準偏差)/(最大燃焼圧力の平均値)
をスロットル開度およびエンジン回転速度を種々の値に設定して調べた結果が表されている。揺らぎ幅制御マップ207は、この図13の特性に従って定めればよい。
[第3実施形態]
図14は、この発明の第3実施形態に係るエンジン音合成装置800の構成を示すブロック図である。この図14において、前述の図3に示された各部に対応する部分には、図3の場合と同一の参照符号を付して示す。
図14に示したアクセルペダル220、タイヤ221、タイヤ221に付設された車速センサ(車輪速センサ)222および出力部223は、電気自動車に備えられるものである。アクセルペダル220および車速センサ222は、エンジン音合成装置800に運転状態範囲特定情報を入力するための入力部として機能する。出力部223は、増幅器およびスピーカを有する。スピーカは、車両外に向けて音を発生するように車体に取り付けられている。
スロットル開度計算部8011は、運転操作者がアクセルを踏み込む量を表すアクセル開度データの入力を受け取り、これをそのままスロットル開度データとして、または所定の変換演算によってスロットル開度データに変換して、合成エンジン音データ生成部103およびエンジン回転速度計算部8013に与える。走行速度検出部8012は、車速センサ222からの出力信号に基づいて、実際に走行している電気自動車の車輪の走行速度を演算し、エンジン回転速度計算部8013に与える。エンジン回転速度計算部8013は、受け取った走行速度およびスロットル開度計算部8011から受け渡されるスロットル開度データに基づいて、実際の車両のモータ回転速度とは異なる仮想のエンジン回転速度を計算し、合成エンジン音データ生成部103に与える。
より具体的には、エンジン回転速度計算部8013でのエンジン回転速度の計算のために、自動車特性記憶部225に、予め一般的な自動車用自動変速装置の変速パターンと自動車用トルクコンバータの滑り特性とをそれぞれ記録しておく。エンジン回転速度計算部8013は、自動車特性記憶部225に記憶されている自動車用自動変速装置の変速パターンを踏まえた上で、自動車用トルクコンバータの滑り特性に沿うように、スロットル開度と車両走行速度とをパラメータとして、エンジン回転速度を計算する。すなわち、エンジン回転速度計算部8013は、そのような計算プログラムに従って、エンジン回転速度を演算する。
この第3実施形態によれば、各運転状態範囲に対応したエンジン音データを複数用意し、それらを組み合わせて合成エンジン音データを作成することにより、より現実のエンジン音に近い合成音を発生させることができる。そして、電気自動車から、その運転状態に応じた合成エンジン音を発することにより、電動自動車の周囲の歩行者等に対して自動車の接近を察知させて注意を促すことができる。
[第4実施形態]
図15は、この発明の第4実施形態に係るエンジン音合成装置の構成を説明するためのブロック図であり、図3の構成において、合成エンジン音データ生成部に代えて用いることができる合成エンジン音データ生成部403の構成が示されている。以下、図3および図5を併せて参照して説明する。
第1および第2揺らぎ処理部451,452における音圧増幅率は、第1および第2乱数発生部453,454から与えられる音圧揺らぎ信号W1,W2によって変動するようになっている。第1および第2乱数発生部453,454は、それぞれ、1気筒の爆発区間ごとに異なる乱数を発生する。すなわち、第1および第2乱数発生部453,454は、単発音再生部421〜425におけるエンジン音データの再生開始と同期して乱数を発生し、そのエンジン音データの再生期間(1気筒の爆発区間に相当)における第1および第2揺らぎ処理部451,452の音圧増幅率を定める。
また、3気筒以上のエンジン音の合成も可能である。たとえば、音遅延部416が出力する合成音データを、さらに別の音遅延部に与えて気筒間の遅れ時間だけ遅延させれば、第3気筒のエンジン音に対応する合成音データを作成できる。第4気筒以降のエンジン音の合成音データも同様にして作成できる。
[その他の実施形態]
前述のいずれの実施形態においても、車種を選択する選択入力部が備えられていてもよい。すなわち、エンジン音記憶部102に、複数の車種に対応する複数種類のエンジン音データを格納しておけばよい。この場合、車種ごとのエンジン音データは、車種名データ、エンジンタイプのデータ、気筒数のデータ、爆発間隔のデータ、エンジン音圧揺らぎ幅のデータなどの制御パラメータとともにエンジン音記憶部102に記憶されていることが好ましい。
[まとめ]
以下に、この明細書の記載から把握されるべき発明の内容を記す。
この発明に係る第1のエンジン音合成装置は、複数の運転状態で収録したエンジン音データを予め定めた複数の運転状態範囲に区分して記憶しているとともに、各運転状態範囲に対して複数のエンジン音データを記憶した記憶手段と、外部から入力される運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出して組み合わせ、合成エンジン音データを生成する合成エンジン音データ生成手段とを含む。
複数のエンジン音データを組み合わせる合成処理は、複数のエンジン音データを重ね合わせる重ね合わせ処理を含んでいてもよい。また、この合成処理は、複数のエンジン音データを時間軸上で順次結合していく時間軸結合処理を含んでいてもよい。むろん、この合成処理は、重ね合わせ処理および時間軸結合処理の両方を含んでいてもよい。
音圧変動付与手段は、たとえば、合成音データに対して音圧増幅処理を施す音圧増幅処理部からなっていてもよい。この場合に、音圧変動付与手段は、所定単位の合成音データごとに音圧増幅率を変化させることによって、時間軸上で隣接する合成音データ間に音圧の相対変動(揺らぎ)を与えるものであってもよい。前記所定単位の合成音データとは、たとえば、エンジンの1気筒の1回の爆発区間に対応したデータであってもよく、エンジンの1燃焼サイクルの爆発区間に対応したデータであってもよい。一般的には、記憶手段に所定単位(1気筒の1回の爆発区間、1燃焼サイクルなど)のエンジン音データが記憶されている場合には、同じ単位の合成音データごとに音圧増幅率を変化させればよい。
前記運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含むことが好ましい。それに応じて、前記複数の運転状態範囲は、スロットル開度範囲およびエンジン回転速度範囲に基づいて定められており、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むものであることが好ましい。「スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報」とは、アクセル開度や変速機のシフト位置に関する情報のように、所定の演算によって、スロットル開度およびエンジン回転速度を推定できる情報であってもよい。
すなわち、スロットル開度(運転操作量に対応する。)およびエンジン回転速度により表される運転状態を複数の範囲に分け、各範囲で収録されたエンジン音のデータが複数用意されることになる。その複数のエンジン音のデータを用いて、各運転状態範囲における現実のエンジン音の不定性を忠実に表現できる。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、それに応じて、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
前記エンジン音合成装置は、複数の気筒を有するエンジンのエンジン音を合成するものであってもよい。この場合に、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記エンジン回転速度情報に基づいて、気筒間のエンジン音の遅れ時間を算出する気筒間遅れ時間計算手段と、前記合成処理手段によって生成される合成音データを前記気筒間遅れ時間計算部によって計算された遅れ時間だけ遅延させる遅延処理手段と、前記合成処理手段が生成する合成音データと前記遅延処理部によって遅延された合成音データとを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段とを含むものであることが好ましい。
この構成の場合に、第1の音圧変動付与手段(第1の揺らぎ処理手段)としての前記音圧変動付与手段に加えて、前記遅延処理手段によって遅延された合成音データに対して音圧の変動(揺らぎ)を与え、音圧変動(揺らぎ)の与えられた合成エンジン音データを生成する第2音圧変動付与手段(揺らぎ処理手段)をさらに含むことが好ましい。この場合、前記気筒間混合処理手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によってそれぞれ生成される音圧変動(揺らぎ)付きの合成音データを重ね合わせて混合するものとすればよく、前記音圧変動幅制御手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動(揺らぎ)の幅をそれぞれ制御するものとすればよい。
前記合成エンジン音データ生成ステップは、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データのうちの少なくとも2つを重ね合わせる重ね合わせステップを含んでいてもよい。また、前記合成エンジン音データ生成ステップは、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを所定個数ずつ順次選択して結合するステップを含んでいてもよい。
この発明の第1のコンピュータプログラムは、エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、複数の運転状態で収録したエンジン音データを予め定めた複数の運転状態範囲に区分して記憶しているとともに、各運転状態範囲に対して複数のエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、および前記運転状態特定情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを前記記憶手段から読み出して組み合わせ、合成エンジン音データを生成する合成エンジン音データ生成手段として機能させるものである。
前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データのうちの少なくとも2つを重ね合わせる重ね合わせ手段を含むものであってもよい。また、前記合成エンジン音データ生成手段は、前記運転状態特定情報によって特定される運転状態範囲に対応した複数のエンジン音データを所定個数ずつ順次選択して結合する手段を含むものであってもよい。
この発明の第2のコンピュータプログラムは、エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、前記記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段、この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段、および前記運転状態情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段として機能させるものである。
前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含んでいてもよい。この場合に、前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことが好ましい。
41 ゲーム機本体
42 操作部
43 出力部
44 表示部
45 舵角センサ
46 アクセル操作量センサ
47 ブレーキ操作量センサ
48 変速機センサ
50 CPU
51 ROM
52 RAM
53 バス
54 操作部コントローラ
55 音出力コントローラ
56 表示コントローラ
57 ゲームプログラム
58 エンジン音合成プログラム
59 エンジン音データ
60 仮想エンジンデータ
61 仮想車体データ
70 パーソナルコンピュータ
71 コンピュータ本体
72 操作部
73 出力部
74 表示装置
75 ハードディスクドライブ
76 CD−ROM
77 CD−ROMドライブ
80 CPU
81 ROM
82 RAM
83 バス
84 操作部コントローラ
85 音出力コントローラ
86 表示コントローラ
87 ゲームプログラム
88 エンジン音合成プログラム
89 エンジン音データ
90 仮想エンジンデータ
91 仮想車体データ
100 エンジン音合成装置
101 運転状態検出部
1011 運転操作検出部
1012 エンジン回転速度計算部
102 エンジン音記憶部
102−1〜102−n テーブル
103 合成エンジン音データ生成部
1031 コントローラ
1032−1〜1032−n 重み付け部
1033 重畳部
104 仮想エンジン/車体データ記憶部
105 出力処理部
111 運転状態範囲特定部
112 読み出し制御部
113 重み設定部
114 揺らぎ制御部
203 合成エンジン音データ生成部
204 音遅延部
205 第2気筒遅れ時間計算部
206 混合処理部
207 揺らぎ幅制御マップ
208 第1乱数発生部
209 第2乱数発生部
211 第1揺らぎ処理部
212 第2揺らぎ処理部
220 アクセルペダル
221 タイヤ
222 車速センサ
223 出力部
225 自動車特性記憶部
403 合成エンジン音データ生成部
410 コントローラ
411 合成処理部
412 複数気筒化処理部
413 揺らぎ処理部
414 混合処理部
415 第2気筒遅れ時間計算部
416 音遅延部
418 読み出し制御部
420 重畳部
421〜425 単発音再生部
431〜435 音声増幅部
441 エンジン音混合制御部
451 第1揺らぎ処理部
452 第2揺らぎ処理部
453 第1乱数発生部
454 第2乱数発生部
455 揺らぎ幅制御部
800 エンジン音合成装置
801 運転状態検出部
8011 スロットル開度計算部
8012 走行速度検出部
8013 エンジン回転速度計算部
a スロットル開度データ
b エンジン回転速度データ
Claims (12)
- 元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段と、
この記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段と、
この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧の変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段と、
外部から入力され、仮想エンジンの運転状態を特定する運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段とを含むことを特徴とするエンジン音合成形成装置。 - 前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、
前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことを特徴とする請求項1記載のエンジン音合成装置。 - 前記音圧変動幅制御手段は、エンジン回転速度が小さいほど、音圧の変動の幅を大きく定めるものであることを特徴とする請求項2記載のエンジン音合成装置。
- 前記エンジン音合成装置は、複数の気筒を有するエンジンのエンジン音を合成するものであり、
前記合成エンジン音データ生成手段は、
前記エンジン回転速度情報に基づいて、気筒間のエンジン音の遅れ時間を算出する気筒間遅れ時間計算手段と、
前記合成処理手段によって生成される合成音データを前記気筒間遅れ時間計算部によって計算された遅れ時間だけ遅延させる遅延処理手段と、
前記合成処理手段が生成する合成音データと前記遅延処理部によって遅延された合成音データとを重ね合わせて混合する気筒間混合処理手段とを含むものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジン音合成装置。 - 第1の音圧変動付与手段としての前記音圧変動付与手段に加えて、
前記遅延処理手段によって遅延された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧の変動の与えられた合成エンジン音データを生成する第2音圧変動付与手段をさらに含み、
前記気筒間混合処理手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によってそれぞれ生成される音圧変動付きの合成音データを重ね合わせて混合するものであり、
前記音圧変動幅制御手段は、前記第1および第2音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅をそれぞれ制御するものであることを特徴とする請求項4記載のエンジン音合成装置。 - 前記運転状態特定情報を入力するための入力部と、
請求項1ないし5のいずれかに記載のエンジン音合成装置と、
このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含むことを特徴とする車両。 - 前記運転状態特定情報を入力するための操作部と、
請求項1ないし5のいずれかに記載のエンジン音合成装置と、
このエンジン音合成装置によって合成された合成エンジン音データを音響化する出力部とを含むことを特徴とするゲーム機。 - 仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け取るステップと、
記憶手段から元データとしてのエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを作成するステップと、
この作成された合成音データに対して、音圧の変動を与える音圧変動付与ステップと、
前記運転状態特定情報に基づいて前記合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御するステップとを含むことを特徴とするエンジン音合成方法。 - エンジン音を合成するエンジン音合成装置としてコンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、元データとしてのエンジン音データを記憶した記憶手段を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
仮想エンジンの運転状態を特定するための運転状態特定情報を受け付ける運転状態特定情報受け付け手段、
前記記憶手段からエンジン音データを読み出し、この読み出したエンジン音データを合成して合成音データを生成する合成処理手段、
この合成処理手段によって生成された合成音データに対して音圧の変動を与え、音圧変動の与えられた合成エンジン音データを生成する音圧変動付与手段、および
前記運転状態情報受け付け手段によって受け付けられた運転状態特定情報に基づいて前記音圧変動付与手段によって合成音データに付与される音圧の変動の幅を制御する音圧変動幅制御手段
として機能させるものであることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記仮想エンジンの運転状態は、スロットル開度およびエンジン回転速度を含み、
前記運転状態特定情報は、スロットル開度およびエンジン回転速度に対応する情報を含むことを特徴とする請求項9記載のコンピュータプログラム。 - 請求項9または10記載のコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体。
- 請求項9または10記載のコンピュータプログラムが組み込まれたゲームプログラム。
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