JP2009060043A - 電界効果トランジスタの製造方法及びその電界効果トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】InP基板を用いた電界効果トランジスタ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】InP基板1と、このInP基板上に形成されたバッファ層2と、このバッファ層上に形成された電子走行層3と、この電子走行層上に形成されたスペーサ層4と、このスペーサ層上に形成された電子供給層5と、この電子供給層上に形成されたバリア層6と、このバリア層上に形成されたエッチストップ層7と、このエッチストップ層上に形成された高電子濃度コンタクト層8と、この高電子濃度コンタクト層上に形成された高電子濃度キャップ層9からなる多層膜構造を備え、電子走行層がInGaAsで、スペーサ層がInAlAsで、電子供給層の電子親和力が、電子供給層の下にあるスペーサ層よりも小さいInAlPで、かつ電子供給層の電子密度が、1×1019乃至3×1019/cm3の均一ドーピングを行なうことによって形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電界効果トランジスタの製造方法及びその電界効果トランジスタに関し、より詳細には、InP基板を用いたヘテロ電界効果トランジスタ、及びIII−V族化合物半導体エピタキシャル成長方法を用いてInP基板上にヘテロ電界効果トランジスタを形成する製造方法に関するものである。
一般に、III−V族化合物半導体を用いた電子デバイスは、シリコン電子デバイスと比較すると、高速化や低消費電力化に適しており、従来から様々なデバイスの開発が行われてきている。特に、InP基板を用いた電子デバイスは、GaAs基板を用いたデバイスに比べて格子定数が大きいため、電子走行層を形成するInGaAsのIn濃度を上げることが可能であり、より高速な電子デバイスを作成するのに適している。
このInP基板をベースとした高速電子デバイスを形成するには、高品質な結晶をエピタキシャル成長する必要がある。従来のMOCVD法(有機金属気層成長法)では、トリメチル金属材料を元にした成膜技術が用いられてきた。例えば、InP基板に格子整合する電子走行層として用いられるInGaAsの成膜については、トリメチルインジウム(TMI)とトリメチルガリウム(TMG)及びアルシン(AsH3)を用いてきたが、これらのガスは分解温度が高く、分解の際にメチル基やAsH3からの水素が結晶に混入するため、この水素が不純物となって電子の走行を妨げることがよく知られている。
電界効果トランジスタの一種である高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor;HEMT)は、基板上に形成された電子走行層とこれに隣接する電子供給層を備えており、ドーピングされていない高品質な電子走行層のヘテロ界面へ、電子供給層から与えられた電子が2次元電子ガス層として局在することにより、不純物散乱の少ない高速な動作を達成している。
通常、電子供給層へのドーピングは、電子走行層側とゲート電極側にそれぞれドーピングを行わないスペーサ層やバリア層を設け、その間に非常に薄いデルタ関数的にドーピングを行う層を設けることで達成される。この方法は、ゲートリーク電流を抑制しながらトランジスタの相互コンダクタンスを向上させるのに適しているが、非常に薄い層に不純物を局在させるため、不純物のウェハ面内均一化や高濃度化に限界がある。また、不純物濃度のバラツキは、トランジスタの閾値や相互コンダクタンスの変動の原因となるため、実用的なトランジスタの性能安定性を下げることになる。
さらに、電子供給層にInAlAsを用いると、従来のトリメチル金属材料を原料とした結晶成長方法では、トリメチルアルミニウム(TMA)に含まれる炭素によりドーピング不純物の失活が起こるため、電子走行層へ供給する電子密度を上げるには限界があった。これに加えて、電子供給層からの電子供給量が過剰であると、伝導帯の谷間を形成させることになるため、ドーピング不純物により形成された電子が全て電子走行層に移動せずにその一部が電子供給層に残ってしまい、パラレルコンダクション層を形成して、結果としてトランジスタ特性を劣化させることがある。
一方で、InPを基板として用いるHEMTでは、ゲート電極を形成する工程において、ウェットエッチングによるゲートリセス構造を形成するが、この際のエッチストップ層としてInPを用いる。特許文献1に指摘されているように、InPのショットキー障壁の高さはおよそ0.4eVであり、あまり大きくないため、ゲートリーク電流が大きい。そこで、InPエッチストップ層の下にバンドギャップの広いInAlAs層やInAlP層を設けることで、ゲート電極へのリーク電流を小さくしようという試みが開示されている。
このように、InP基板上のHEMTにおいては、InAlP層のようなよりワイドギャップの半導体層をゲート電極直下に設けることでゲートリーク電流の抑制を行うことは行われてきたが、高濃度にドーピングを行って電子供給層として活用しようという試みはこれまでに行われていなかった。
特開2000−323704号公報(特許第3443034号)
しかしながら、従来の成膜方法では、結晶中に取り込まれる水素が多いことと成長温度が高いため、十分に高品質な化合物半導体多層膜を成膜することが困難であった。また、これを用いた高性能な電界効果トランジスタを作成することも難しかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、InP基板を用いたヘテロ電界効果トランジスタ、及びIII−V族化合物半導体エピタキシャル成長方法を用いてInP基板上にヘテロ電界効果トランジスタを形成する製造方法を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法を用いて電界効果トランジスタを作成することにより、上述した目的に適合することを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
つまり、本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、有機金属材料を用いてIII−V族化合物半導体薄膜をエピタキシャル結晶成長させて多層膜構造を形成する電界効果トランジスタの製造方法であって、InP基板上にバッファ層であるInAlAsを形成する工程と、該バッファ層上に電子走行層であるInGaAsを形成する工程と、該電子走行層上にスペーサ層であるInAlAsを形成する工程と、該スペーサ層上に電子供給層であるInAlPを形成する工程と、該電子供給層上にバリア層であるInAlAsを形成する工程と、該バリア層上にエッチストップ層であるInPを形成する工程と、該エッチストップ層上に高電子濃度コンタクト層であるInAlAsを形成する工程と、該高電子濃度コンタクト層上に高電子濃度キャップ層であるInGaAsを形成する工程とを有し、少なくとも前記電子供給層を形成する工程は、前記有機金属化合物がトリエチル化合物であり、鎖状化合物の生成を抑制しながら、前記III族化合物と前記V族化合物をそれぞれ別々に供給する工程と、混合反応させる前に予め加熱を行なう工程と、前記InP基板の直近で化学反応させる工程とを有し、かつ前記電子供給層に電子密度が、1×1019乃至3×1019/cm3の均一ドーピングを行なうことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記電子供給層を形成する際のトリエチル化合物が、トリエチルインジウムとトリエチルアルミニウムとトリエチルホスフィン及び/又はホスフィンであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スペーサ層を形成する際のトリエチル化合物が、トリエチルインジウムとトリエチルアルミニウムとトリエチルヒ素及び/又はアルシンであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、InP基板と、該InP基板上に形成されたバッファ層と、該バッファ層上に形成された電子走行層と、該電子走行層上に形成されたスペーサ層と、該スペーサ層上に形成された電子供給層と、該電子供給層上に形成されたバリア層と、該バリア層上に形成されたエッチストップ層と、該エッチストップ層上に形成された高電子濃度コンタクト層と、該高電子濃度コンタクト層上に形成された高電子濃度キャップ層からなる多層膜構造を備え、前記電子走行層がInGaAsで、前記スペーサ層がInAlAsで、前記電子供給層の電子親和力が、該電子供給層の下にある前記スペーサ層よりも小さいInAlPで、かつ前記電子供給層の電子密度が、1×1019乃至3×1019/cm3の均一ドーピングを行なうことによって形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、従来のように結晶品質の劣化を招いていた熱処理工程を用いることなく、高品質の化合物半導体多層膜を形成し、それをもとにした高品質な電界効果トランジスタを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
本発明の実施例1について、電界効果トランジスタの一種である高電子移動度トランジスタ(HEMT)を例として以下に説明する。
図1は、本発明の電界効果トランジスタの実施例1及び後述する実施例2を説明するための多層膜基板を示す断面構成図である。以下に実施例1及び実施例2に用いる多層膜基板の製造方法について説明する。
図5は、本発明に用いる多層膜基板を形成するための結晶成長装置の概略構成図である。まず、図5に概略を示す有機金属材料を原料とした結晶成長装置を用いて、基板1上に所望の薄膜をエピタキシャル成長させる。III族材料とV族材料を50℃に予熱しておいたそれぞれ別々の導入配管で反応炉内へ導入し、基板1の直上15mm程度で混合し、即座に反応させることにより、副反応で生成する鎖状化合物の生成を抑制しながら高品質、高効率なエピタキシャル成長が可能となる。
上述した結晶成長装置(成膜装置)を使って、加熱ヒーター51で基板1の表面温度が550℃になるように設定し、基板1であるInP上にバッファ層2となる、InPに格子整合する100nm厚のInAlAs層を形成する。III族材料としては、トリメチルインジウム(TMI)とトリメチルアルミニウム(TMA)を供給し、V族材料としてはトリエチルヒ素(TEAs)かつ/またはアルシン(AsH3)を用いる。
次に、電子走行層3であるInGaAs層を15nm厚、III族材料としてトリメチルインジウムとトリメチルガリウム(TMG)を供給し、V族材料としてAsH3を供給して結晶成長させる。この電子走行層3であるInGaAs層は、InPに格子整合するIn0.53Ga0.47Asであるが、電子走行層3の移動度向上や耐圧を考慮して、結晶欠陥を発生させない範囲でIn濃度を増減させることが可能であり、通常のIII族元素のIn濃度は40〜66%が好ましい。
次に、スペーサ層4であるInAlAs層を3nm厚となるように成長し、その上に電子供給層5であるInAlP層を5nm厚で電子密度が1×1019乃至3×1019/cm3となるように、III族材料としてトリエチルインジウム(TEI)、トリエチルアルミニウム(TEA)、V族材料としてトリエチル燐(TEP)かつ/またはホスフィン(PH3)、n型ドーピング材料としてジシラン(Si26)を供給しながら成長する。
この電子供給層5の材料としては、本実施例1のInAlPのように、その上下に存在するスペーサ層4やバリア層6のInAlAsに対して、伝導帯の電子親和力が小さいものが好ましい。電子供給層5の電子親和力が小さくなると、ドーピングを行って生成する電子がより大きい電子親和力を持つ層へと流れ込み、結果としてドーピングによる電子が電子供給層5に残らないため、パラレルコンダクションが起こりにくくなる。
また、従来のδドーピング層では、非常に薄い領域に高濃度ドーピングを行うため、ドーピング量の面内均一性を保つのが困難であったのに対し、本実施例1のように厚膜の電子供給層5に高濃度の電子密度になるようドーピングを行うと、面積あたり電子密度のウェハ面内均一性を保ちやすく、かつ膜厚をコントロールすることで電子面密度の制御性が向上する。
さらに、従来はトリメチル系金属化合物を原料としていたため、成膜時に取り込まれる水素の影響を受けて、1×1019乃至3×1019/cm3という高濃度の不純物ドーピングが不可能であったが、本実施例1にあるように、トリエチル金属化合物としてTEI,TEA,TEPかつまたはPH3を用いることで、ドーピング不純物の不活性化を抑制しながら高濃度のドーピングを行うことが可能となった。
この電子供給層5であるInAlP層は、面積あたりキャリア密度の所望値に合わせて厚さをかえることができるが、薄すぎるとゲートリーク電流を増加させ、厚すぎるとゲート電極による電子走行層3にある電子のコントロール性に支障をきたすので、通常は、1〜10nmの間で成膜するのが好ましい。更に好ましくは、2〜5nmである。
以上のように、電子供給層5の材料は、結晶欠陥を発生せず結晶成長可能な範囲で任意の材料を選択することが可能であり、この目的に合致すればInAlPに限らない。
続いて、電子供給層5の上には、バリア層6としてInAlAs層を5nm厚になるように成長し、その上にエッチストップ層7となるInPを5nm厚となるように、TEIとTEPかつ/またはPH3を供給しながら成膜する。エッチストップ層7上には、電子走行層3への良好なオーミックコンタクトをとるために、高電子濃度コンタクト層8であるInAlAs層を10nm厚、電子密度が1×1019乃至3×1019/cm3となるように、TEIとTEAと、TEAsかつ/またはAsH3およびドーピング材料としてSi26を供給しながら成膜を行う。
この高電子濃度コンタクト層8の上にはオーミックメタルと直接接する高電子濃度キャップ層9としてInGaAs層を20nm厚、電子濃度が1×1019乃至3×1019/cm3となるように、TEIとTEGと、TEAsかつ/またはAsH3およびドーピング材料としてSi26を供給しながら成膜を行う。この成膜をもって、図1に示される多層膜基板が完成することになる。
図2は、図1に示した多層膜基板を用いた本発明の実施例1に係る電界効果トランジスタの断面構成図である。本発明の電界効果トランジスタは、InP基板1と、このInP基板1上に形成されたバッファ層2と、このバッファ層2上に形成された電子走行層3と、この電子走行層3上に形成されたスペーサ層4と、このスペーサ層4上に形成された電子供給層5と、この電子供給層5上に形成されたバリア層6と、このバリア層6上に形成されたエッチストップ層7と、このエッチストップ層7上に形成された高電子濃度コンタクト層8と、この高電子濃度コンタクト層8上に形成された高電子濃度キャップ層9からなる多層膜構造を備えている。
電子走行層3がInGaAsで、スペーサ層4がInAlAsで、電子供給層5の電子親和力が、電子供給層5の下にあるスペーサ層4よりも小さいInAlPで、かつ電子供給層5の電子密度が、1×1019乃至3×1019/cm3の均一ドーピングを行なうことによって形成されている。
このような電界効果トランジスタの製造方法は、有機金属材料を用いてIII−V族化合物半導体薄膜をエピタキシャル結晶成長させて多層膜構造を形成する電界効果トランジスタの製造方法であり、InP基板1上にバッファ層2であるInAlAsを形成する工程と、このバッファ層2上に電子走行層3であるInGaAsを形成する工程と、この電子走行層3上にスペーサ層4であるInAlAsを形成する工程と、このスペーサ層4上に電子供給層5であるInAlPを形成する工程と、この電子供給層5上にバリア層6であるInAlAsを形成する工程と、このバリア層6上にエッチストップ層7であるInPを形成する工程と、このエッチストップ層7上に高電子濃度コンタクト層8であるInAlAsを形成する工程と、この高電子濃度コンタクト層8上に高電子濃度キャップ層9であるInGaAsを形成する工程とを有している。
少なくとも電子供給層5を形成する工程は、有機金属化合物がトリエチル化合物であり、鎖状化合物の生成を抑制しながら、III族化合物とV族化合物をそれぞれ別々に供給する工程と、混合反応させる前に予め加熱を行なう工程と、InP基板の直近で化学反応させる工程とを有し、かつ電子供給層5に電子密度が、1×1019乃至3×1019/cm3の均一ドーピングを行なう。
また、電子供給層5を形成する際のトリエチル化合物が、トリエチルインジウムとトリエチルアルミニウムとトリエチルホスフィン及び/又はホスフィンである。
さらに、スペーサ層4を形成する際のトリエチル化合物が、トリエチルインジウムとトリエチルアルミニウムとトリエチルヒ素及び/又はアルシンである。
図6は、図2に示された実施例1に係る電界効果トランジスタの製造方法をより詳細に説明するためのフローチャートを示す図である。以下、図6に示すフローチャートに沿って本発明に係る電界効果トランジスタの製造方法を説明する。まず、トランジスタ素子の各々を分離するためウェットエッチングにより、基板1であるInP表面が露出するまでエッチングを行う(ステップS1)。次に、素子分離された領域の最表面にオーミックコンタクトをとるために、順にTi/Pt/Auの3層メタルを蒸着法により形成する(ステップS2)。
次に、ゲート電極(細線ゲート電極)102を形成するためのゲートの足に相当する部分を形成するため絶縁層(保護膜SiN)100をプラズマCVD法により100nm厚となるように成膜を行い(ステップS3)、この絶縁層100に電子線描画装置あるいは高圧水銀灯のi線(波長365nm)を用いる縮小投影露光装置により形成された細線ゲートの溝をRIE装置で形成して、高電子濃度キャップ層9の表面を露出させる(ステップS4)。
その後、ゲート電極102が電子走行層3に対してショットキーコンタクトを形成するように、高電子濃度キャップ層(InGaAs)9と高電子濃度コンタクト層(InAlAs)8をウェットエッチング法によりリセスエッチングを行う(ステップS5)。この際用いる硫酸と過酸化水素の混合液は、InGaAs、InAlAsに対しては十分な溶解速度を持つのに対し、エッチストップ層7であるInPについては殆どエッチングしないので、このエッチストップ層7であるInPの最表面でエッチストップすることが可能である。
エッチストップ層7の最表面が露出したら、細線ゲートメタルの頭部に相当する形状をパターン形成して、エッチストップ層7であるInPの表面にショットキーコンタクトを形成するゲートメタルを、Ti/Pt/Auの順に3層メタルを蒸着法で形成する(ステップS6)。
このような製造プロセスを経て、図2に示される電界効果トランジスタが形成される。このようにして作製されたゲート長Lgが0.1ミクロンのトランジスタの電流利得遮断周波数fTは、およそ210GHzであった。
<実施例2>
図3は、図1に示した多層膜基板を用いた本発明の実施例2に係る電界効果トランジスタの断面構成図で、図7は、図3に示された実施例2に係る電界効果トランジスタの製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
まず、実施例1と同様な手順で、素子分離,オーミックメタル形成,保護膜形成,ゲート溝形成を行う(ステップS1)。次に、ゲート溝形成後、露出した高電子濃度ギャップ層9の表面から、硫酸と過酸化水素の混合液でリセスエッチングを行う(ステップS2)。
次に、エッチストップ層7であるInPを塩酸とリン酸の混合液を用いて選択エッチングを行い、バリア層6のInAlAs層の最表面でエッチストップさせる(ステップS3)。この際のエッチングも実施例1と同様に、エッチストップ層7であるInPに対しては十分な溶解速度を持つのに対し、バリア層6であるInAlAsに対しては殆どエッチングが進まないので、バリア層6であるInAlAs層の最表面でエッチストップ可能である。
リセスエッチング完了後は、実施例1と同様にゲートメタルを形成して(ステップS4)、図3に示される電界効果トランジスタが形成される。このように作製されたゲート長Lg0.1ミクロンのトランジスタの電流利得遮断周波数fTは、およそ220GHzであった。
<比較例>
次に、比較例に用いる多層膜基板の製造方法について以下に説明する。比較例に用いる多層膜基板は、図1に示したような実施例1及び実施例2に用いる多層膜基板とは異なる多層膜基板を用いている。
まず、図5に示される成膜装置を使って、加熱ヒーター51で基板1の表面温度が550℃になるように設定し、基板1であるInP上にバッファ層2となる、InPに格子整合する100nm厚のInAlAs層を形成する。次に、電子走行層3であるInGaAs層を15nm厚、結晶成長させる。
次に、スペーサ層4であるInAlAs層を3nm厚となるように成長する。次に、電子供給層5としてはデルタ関数的にSi26をドーピングしながら成膜を行う。この電子供給層5の成膜が、上述した実施例1及び2に用いる多層膜基板と異なる点である。
この電子供給層5上には、バリア層6としてInAlAs層を5nm厚になるように成長し、その上にエッチストップ層7となるInPを5nm厚となるように成膜する。このエッチストップ層7上には、電子走行層3への良好なオーミックコンタクトをとるために、高電子濃度コンタクト層8であるInAlAs層を10nm厚、電子密度が1×1019乃至3×1019/cm3となるようにSi26を供給しながら成膜を行う。
この高電子濃度コンタクト層8上には、オーミックメタルと直接接する高電子濃度キャップ層9としてInGaAs層を20nm厚、電子濃度が1×1019乃至3×1019/cm3となるように、Si26を供給しながら成膜を行う。
図4は、上述した多層膜基板を用いた本発明の比較例に係る電界効果トランジスタの断面構成図で、図8は、図4に示された比較例に係る電界効果トランジスタの製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
実施例1と同様な手順で、素子分離,オーミックメタル形成を行う(ステップS1)。次に、オーミックメタル形成後、電子線露光用レジストを使ってゲートメタル形状を形成し(ステップS2)、硫酸と過酸化水素の混合液でリセスエッチングを行って最表面から高電子濃度キャップ層(InGaAs)9と高電子濃度コンタクト層(InAlAs)8を除去して、エッチストップ層7であるInPの表面を露出させる(ステップS3)。
その後は、実施例1と同様に、ゲートメタルの蒸着を行うことにより(ステップS4)、図4に示される電界効果トランジスタ3を形成される。このようにして作製されたゲート長Lgが0.1ミクロンのトランジスタの電流利得遮断周波数fTは、およそ190GHzであった。
なお、実施例1乃至実施例2においては、HEMTを一例として説明を行ったが、これに限らず、化合物半導体を用いたその他の様々な形態のHEMTやMESFETでも本発明は適用することができる。
本発明により、高品質なInP基板上の多層膜を形成することが可能となり、実用上性能が安定した電界効果トランジスタを提供することができる。
本発明の電界効果トランジスタの実施例1を説明するための多層膜基板を示す断面構成図である。 図1に示した多層膜基板を用いた本発明の実施例1に係る電界効果トランジスタの断面構成図である。 図1に示した多層膜基板を用いた本発明の実施例2に係る電界効果トランジスタの断面構成図である。 本発明の比較例に係る電界効果トランジスタの断面構成図である。 本発明に用いる多層膜基板を形成するための結晶成長装置の概略構成図である。 図2に示された実施例1に係る電界効果トランジスタの製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。 図3に示された実施例2に係る電界効果トランジスタの製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。 図4に示された比較例に係る電界効果トランジスタの製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
符号の説明
1 InP基板
2 バッファ層(InAlAs)
3 電子走行層(InGaAs)
4 スペーサ層(InAlAs)
5 電子供給層(InAlP)
6 バリア層(InAlAs)
7 エッチストップ層(InP)
8 高電子濃度コンタクト層(InAlAs)
9 高電子濃度キャップ層(InGaAs)
51 加熱ヒーター
100 絶縁膜
101ソース電極
102 ゲート電極
103 ドレイン電極

Claims (4)

  1. 有機金属材料を用いてIII−V族化合物半導体薄膜をエピタキシャル結晶成長させて多層膜構造を形成する電界効果トランジスタの製造方法であって、
    InP基板上にバッファ層であるInAlAsを形成する工程と、該バッファ層上に電子走行層であるInGaAsを形成する工程と、該電子走行層上にスペーサ層であるInAlAsを形成する工程と、該スペーサ層上に電子供給層であるInAlPを形成する工程と、該電子供給層上にバリア層であるInAlAsを形成する工程と、該バリア層上にエッチストップ層であるInPを形成する工程と、該エッチストップ層上に高電子濃度コンタクト層であるInAlAsを形成する工程と、該高電子濃度コンタクト層上に高電子濃度キャップ層であるInGaAsを形成する工程とを有し、
    少なくとも前記電子供給層を形成する工程は、前記有機金属化合物がトリエチル化合物であり、鎖状化合物の生成を抑制しながら、前記III族化合物と前記V族化合物をそれぞれ別々に供給する工程と、混合反応させる前に予め加熱を行なう工程と、前記InP基板の直近で化学反応させる工程とを有し、かつ前記電子供給層に電子密度が、1×1019乃至3×1019/cm3の均一ドーピングを行なうことを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
  2. 前記電子供給層を形成する際のトリエチル化合物が、トリエチルインジウムとトリエチルアルミニウムとトリエチルホスフィン及び/又はホスフィンであることを特徴とする請求項1に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  3. 前記スペーサ層を形成する際のトリエチル化合物が、トリエチルインジウムとトリエチルアルミニウムとトリエチルヒ素及び/又はアルシンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  4. InP基板と、該InP基板上に形成されたバッファ層と、該バッファ層上に形成された電子走行層と、該電子走行層上に形成されたスペーサ層と、該スペーサ層上に形成された電子供給層と、該電子供給層上に形成されたバリア層と、該バリア層上に形成されたエッチストップ層と、該エッチストップ層上に形成された高電子濃度コンタクト層と、該高電子濃度コンタクト層上に形成された高電子濃度キャップ層からなる多層膜構造を備え、
    前記電子走行層がInGaAsで、前記スペーサ層がInAlAsで、前記電子供給層の電子親和力が、該電子供給層の下にある前記スペーサ層よりも小さいInAlPで、かつ前記電子供給層の電子密度が、1×1019乃至3×1019/cm3の均一ドーピングを行なうことによって形成されていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
JP2007228134A 2007-09-03 2007-09-03 電界効果トランジスタの製造方法及びその電界効果トランジスタ Expired - Fee Related JP5331978B2 (ja)

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