JP2009057370A - 亜硝酸エステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】亜硝酸塩を用いることなく、窒素酸化物を用いて、亜硝酸エステルを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】窒素酸化物(特に、少なくともNを含む窒素酸化物)とアルコール類とを10℃未満の反応温度(例えば、−30℃〜3℃程度)で反応させる。このような方法では、第2級アルコール又は第3級アルコールであっても、高収率(例えば、窒素酸化物基準で80モル%以上の収率)で対応する亜硝酸エステルが得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール類および窒素酸化物から亜硝酸エステルを製造する方法に関する。
亜硝酸エステル(例えば、亜硝酸アルキルエステル)は、自動車用オイル添加物、不飽和有機化合物の安定剤、医薬品、試薬(オキシム化、ニトロソ化、ジアゾ化用試薬など)、化学合成の中間体などとして使用されている。
従来、このような亜硝酸エステルの様々な製造方法が報告されており、例えば、特表2003−529576号公報(特許文献1)およびSynthesis 2005,Vol.11,p.1803(非特許文献1)には、アルコール類(n−ブタノール、t−ブタノール、イソアミルアルコールなど)と亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウムなど)とを反応させる方法が開示されている。しかし、この方法では、副生成物として金属塩が化学量論量副生し、工業生産上好ましくない。
一方、特開平6−298706号公報(特許文献2)には、C−Cアルカノールと窒素酸化物と酸素との反応により亜硝酸C−Cアルキルエステルを製造する方法において、該反応を気体洗浄塔として設計された反応器中、酸素と窒素酸化物類を反応器下部に供給して実施し、ここで該窒素酸化物類は、一酸化窒素は必ず含まれ、そしてその量が窒素酸化物窒素原子の合計グラム原子数の50モル%以上である混合物を表し、該窒素酸化物類は、全使用気体の0ないし90容積%の量の、1種またはそれ以上の不活性気体と混合され、酸素の量は、NOモル当たり0.15ないし0.3モルで、このNOモル数はNOのモル数を越えており、アルカノールの量は、窒素酸化物類の窒素1グラム原子当たり、0.8ないし2モルであり、該アルカノール全量の5ないし60%は反応器下部に、蒸気または噴霧液状態で射出され、残りのアルカノールは反応器上部に供給され、10ないし150℃の反応温度および0.5ないし6barの反応圧力を使用し、そして反応器中の反応成分の滞留時間を1ないし500秒に設定することを特徴とする製造法が開示されている。なお、この文献の方法では、窒素酸化物を気体で使用する必要があるため、反応温度を10ないし150℃としているようである。
この文献には、C−Cアルカノール類は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、i−ブタノール、好ましくはメタノールおよびエタノール、特に好ましくはメタノールであり、好ましくは亜硝酸メチルおよび亜硝酸エチル、特に好ましくは亜硝酸メチルが製造されることが記載されており、すべての実施例で亜硝酸メチルを製造している。
この文献の方法では、前記副生成物の金属塩の問題がなく、また、窒素酸化物は安価な為、工業生産上の観点より好ましい。しかし、この文献の方法では、反応収率が比較的低くなりやすい。特に、第2級および第3級アルコールの亜硝酸エステルは、加水分解を受けやすく不安定なため、より一層収率が低い。すなわち、特許文献2の方法では、第2級又は第3級アルコールの亜硝酸エステルを効率的に製造することは困難であった。
そのため、安価な窒素酸化物から亜硝酸エステルを効率よく製造する方法が求められていた。
特表2003−529576号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開平6−298706号公報(特許請求の範囲、実施例) Synthesis 2005,Vol.11,p.1803
従って、本発明の目的は、窒素酸化物を用いて、亜硝酸エステルを効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、第2級又は第3級アルコールの亜硝酸エステルであっても、高収率で効率よく製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、アルコール類と窒素酸化物との反応(エステル化反応)を特定の低温条件下で行うと、亜硝酸エステルが効率よく得られること、特に、前記条件下では、従来の方法では十分な収率で得られなかった第2級又は第3級アルコール類の亜硝酸エステルであっても、高収率で得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の方法は、窒素酸化物とアルコール類とを10℃未満の反応温度(例えば、−25℃〜3℃の反応温度)で反応させて、亜硝酸エステルを製造する方法である。このような方法において、窒素酸化物は、少なくともNを含んでいてもよい。前記方法では、液体状の窒素酸化物を用いてもよい。例えば、液体状のNを用い、液体状のNをアルコール類と接触させるか、又は液体状のNを気体状にしてアルコール類と接触させて反応させてもよい。
本発明の方法では、効率よくアルコール類に対応する亜硝酸エステルが得られる。特に、通常の方法では、窒素酸化物を用いて収率よく製造できない第2又は第3級アルコール類であっても高収率で対応する亜硝酸エステルが得られる。そのため、前記方法において、前記アルコール類は、特に、脂肪族第2級アルコール類又は脂肪族第3級アルコール類であってもよい。
また、前記方法では、アルコール類に対応する亜硝酸エステルの存在下で反応させてもよい。
本発明では、特定の反応条件下で反応を行うので、窒素酸化物を用いて、亜硝酸エステルを効率よく製造できる。特に、本発明では、第2級又は第3級アルコールの亜硝酸エステルであっても、高収率で効率よく製造できる。
本発明では、窒素酸化物とアルコール類(フェノール類を含む)とを10℃未満の反応温度で反応させて、亜硝酸エステルを製造する。
窒素酸化物は、アルコール類との反応により亜硝酸エステルを生成する窒素酸化物であればよく、通常、NO(一酸化窒素)、NO(二酸化窒素)、N(三酸化二窒素)、およびN(四酸化二窒素)から選択された少なくとも1種で構成されている場合が多い。特に、窒素酸化物は、少なくともNを含んでいるのが好ましい。
反応に用いる窒素酸化物(又はアルコール類と接触させる前の窒素酸化物)は、液体状、ガス状のいずれであってもよく、特に、少なくとも液体状の窒素酸化物(特に、少なくとも液体状のNを含む窒素酸化物)を含んでいてもよい。
なお、液体状の窒素酸化物を気体状にして反応に供してもよい(すなわち、液体状の窒素酸化物を気体状にしてアルコール類と接触させてもよい)。例えば、液体状のNを含む窒素酸化物を用いる場合、液体状のNをそのままアルコール類と接触させてもよく、気体状にしたNを含む窒素酸化物とアルコール類とを接触させてもよい。なお、液体状のNは、例えば、比較的低温[例えば、3℃以下(例えば、−30℃〜2℃、好ましくは−20℃〜0℃程度)]で、NOとNOとを接触(又は反応)させるか、又はNOと酸素とを接触(又は反応)させることにより得ることができる。
また、窒素酸化物に加えて、酸素を用いても(酸素を共存させても)よい。酸素を共存させたり、あるいは2種類以上の窒素酸化物の混合物を用いることで、各窒素酸化物は相互に平衡状態になり、その平衡混合物を窒素酸化物として反応に供してもよい。特に、NOとNOとの混合物を用いることにより、あるいはNOと酸素との混合物を用いることにより、平衡反応をNに傾けることができるため好ましい。さらに、窒素酸化物(および酸素)として、不活性ガス(窒素、アルゴンなど)で希釈したものを用いてもよい。
アルコール類としては、式:R(OH) (式中、Rは有機基であり、nは1以上の整数である。)で表される化合物であれば特に限定されず種々の化合物を使用できる。
上記式において、nとしては、1以上の整数であればよいが、例えば、1〜6、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3、特に1〜2である。
具体的なアルコール類としては、脂肪族アルコール類、芳香族アルコール類[又はフェノール類、例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール、ヒドロキノンなどのモノ乃至テトラヒドロキシC6−20アレーン]などが挙げられる。
脂肪族アルコール類(脂肪族炭化水素のアルコール類)としては、第1級アルコール{例えば、アルカノール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノールなどのC1−20アルカノール、好ましくはC1−10アルカノール、さらに好ましくはC1−6アルカノール)、芳香脂肪族アルコール又はその水添物(ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなど)、ポリオール[例えば、アルカンポリオール(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのアルカンジ乃至テトラオールなど)、ポリアルカンポリオール(ジエチレングリコールなど)、シクロアルカンポリアルカノール(シクロヘキサンジメタノールなど)、キシリレングリコールなど]など}、第2級アルコール{例えば、アルカノール(例えば、2−プロパノール(イソプロパノール)、2−ブタノール(sec−ブタノール)、2−ペンタノール(sec−アミルアルコール)、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどのC3−20アルカノール、好ましくはC3−10アルカノール、さらに好ましくはC3−6アルカノール)、シクロアルカノール(例えば、シクロヘキサノールなどのC4−10シクロアルカノール、好ましくはC5−8シクロアルカノールなど)、ポリシクロアルカノール(2−アダマンタノールなどのビ乃至テトラシクロアルカノール)、ポリオール[例えば、アルカンポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルカンジ乃至テトラオールなど);シクロアルカンジオール(例えば、シクロヘキサンジオール(1,4−シクロヘキサンジオールなど)などのC4−10シクロアルカンジオール、好ましくはC5−8シクロアルカンジオール)などのシクロアルカンポリオールなど]など}、第3級アルコール{例えば、アルカノール(例えば、t−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール(t−アミルアルコール)などのC4−20アルカノール、好ましくはC4−10アルカノール、さらに好ましくはC4−6アルカノール)、ポリシクロアルカノール(例えば、1−アダマンタノールなどのビ乃至テトラシクロアルカノール)、トリフェニルメタノール、ポリオール[例えば、アルカンポリオール(例えば、ピナコールなどのアルカンジ乃至テトラオールなど)]など}などが挙げられる。
なお、これらのアルコール類には、さらに、置換基(例えば、ハロゲン原子、シアノ基(ニトリル基)、カルボキシル基、エーテル基、ニトロ基など)が置換した化合物も含まれる。
これらのうち、好ましいアルコール類は、脂肪族アルコール類である。また、本発明では、第2級アルコール類又は第3級アルコール類、特に、脂肪族第2級アルコール類[例えば、アルカノール(第2級アルカノール、例えば、2−ブタノール、2−ペンタノールなどの第2級C3−10アルカノール)、シクロアルカンジオール(例えば、シクロヘキサンジオールなどのC5−8シクロアルカンジオール)など]又は脂肪族第3級アルコール類[例えば、アルカノール(第3級アルカノール、例えば、t−ブタノール、t−アミルアルコールなどの第3級C4−10アルカノールなど)など]であっても、対応する亜硝酸エステルを高収率で得ることができるため、これらのアルコール類を好適に使用してもよい。
なお、アルコール類は、反応温度(10℃未満の温度)又は反応系において、気体状、液体状、固体状のいずれであってもよい。
窒素酸化物の使用量は、アルコール類のヒドロキシル基に対して、例えば、0.1〜5等量、好ましくは0.15〜4当量、さらに好ましくは0.2〜3当量程度であってもよい。
なお、窒素酸化物とアルコール類との接触方法は、窒素酸化物とアルコール類とを混合することができれば特に限定されず、例えば、アルコール類に、窒素酸化物(特に液体状の窒素酸化物)を連続的に、間欠的に又は一括で添加してもよく、窒素酸化物(例えば、液体状の窒素酸化物)に、アルコール類を連続的に、間欠的に、又は一括で添加してもよい。また、気体状の窒素酸化物と液体状のアルコール類との反応では、液体状のアルコール類に気体状の窒素酸化物をバブリングさせて接触させてもよい。
反応は、無溶媒(溶媒の非存在下)で行ってもよく、溶媒中(又は溶媒の存在下)で行ってもよい。固体状のアルコール類を使用する場合(又は反応温度で固化するアルコール類を使用する場合)は、そのまま固体状で反応させてもよく、溶媒に溶解させて反応させてもよい。溶媒としては、通常、活性水素基(例えば、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基)を有しない溶媒、例えば、炭化水素系溶媒(例えば、n−へキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素など)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトンなどのアルカノン類)、ハロゲン系溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類など)、ニトロ系溶媒(例えば、ニトロメタンなど)、二トリル系溶媒(例えば、アセトニトリルなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
また、アルコール類(又は反応生成物)に対応する亜硝酸エステル(詳細には、反応生成物と同じ亜硝酸エステル)の存在下で反応を行ってもよい。このような亜硝酸エステルは、液体状である場合、溶媒として使用することができ、後の精製上の観点からも好ましい。
亜硝酸エステルの使用量は、アルコール類100重量部に対して、例えば、1〜200重量部、好ましくは3〜100重量部(例えば、5〜80重量部)、さらに好ましくは10〜60重量部(例えば、15〜50重量部)程度であってもよい。
反応温度は、前記のように、10℃未満であればよく、例えば、8℃以下(例えば、−40℃〜8℃程度)、好ましくは5℃以下(例えば、−30℃〜5℃程度)、さらに好ましくは3℃以下(例えば、−25℃〜3℃程度)、特に1℃以下(例えば、−20℃〜0℃程度)であってもよい。本発明では、このような低温度で(さらに液体状の窒素酸化物(特にN)を用いて)、窒素酸化物とアルコール類とを反応(又は接触)させることにより、効率よく亜硝酸エステルを製造できる。
このような特定の反応温度での反応で、亜硝酸エステルを効率よく製造できる理由は定かではないが、亜硝酸エステル(特に第2又は第3級アルコールの亜硝酸エステル)が、不安定で分解しやすいこともその一因であると考えられる。すなわち、本発明者らは、特に上記温度範囲外(例えば、10℃以上)において、亜硝酸エステルが水と反応して分解しやすいことを見出した。詳細には、反応により副生した水が、亜硝酸エステル、特に第2又は第3級アルコールの亜硝酸エステルと上記温度範囲外(例えば、10℃以上)において反応しやすく、結果として亜硝酸エステルを分解し、生成効率を大きく低下させるものと考えられる。また、亜硝酸エステルを特に効率良く生成する三酸化二窒素は、4〜6℃程度で気化し、分解が始まる。このような観点からも10℃以上の温度で反応させると、三酸化二窒素を用いた場合に、特に亜硝酸エステルの生成効率が低下しやすい。以上のように、本発明においては、水が反応系内に存在しても、生成した亜硝酸エステルの安定性が著しく向上し、分解が抑制されていること(さらには高濃度で液体状態の三酸化二窒素をアルコール類と反応させることができること)により、非常に高収率で亜硝酸エステルが得られる要因となっているものと考えられる。
反応は、常圧下、減圧下、又は加圧下で行ってもよい。なお、減圧下で、気相反応を行ってもよい。また、反応は、酸素雰囲気、不活性ガス雰囲気(窒素雰囲気、アルゴン雰囲気など)などの何れの雰囲気下で行ってもよい。なお、前記のように、本発明では、反応系内に水(特に反応により生成した水)が存在していても効率よく亜硝酸エステルを製造できる。そのため、本発明では、水(反応により生成した水)を反応系から除去することなく(又は実質的に除去することなく)、窒素酸化物とアルコール類とを反応させることができる。
また、反応は、バッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよい。
このような反応により、反応生成物としての亜硝酸エステルが得られる。すなわち、前記式:R(OH)で表されるアルコール類を用いた場合、式:(HO)R(ONO)(式中、Rは前記と同じであり、kは0以上の整数、mは1以上の整数であり、k+m=nを充足する)で表される亜硝酸エステルが得られる。
なお、反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明の方法では、亜硝酸エステルが高収率で得られる。亜硝酸エステルの収率は、窒素酸化物(特に、少なくともNを含む窒素酸化物)基準で、例えば、75モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上である。
本発明の方法では、亜硝酸塩を用いることなく、窒素酸化物により、亜硝酸エステルを効率よく製造できる。特に、液体状の窒素酸化物を用いて10℃未満の低温で反応させることにより、通常、十分な収率が得られない第2級アルコール又は第3級アルコールであっても、高収率で対応する亜硝酸エステルが得られる。そのため、本発明の方法は、工業的に極めて有利な亜硝酸エステルの製造方法である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
5LのNOバルーンを200mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。そして、生成した液体状のNに、t−ブタノール40g(540mmol)と亜硝酸t−ブチル10g(97mmol)との混合液を30分かけて滴下を行った。発熱反応であるため、反応器内を−5〜0℃でコントロールした。滴下終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸t−ブチルが90%(40.1g、389mmol)の収率で生成していた。
(実施例2)
5LのNOバルーンを100mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。別の窒素置換した100mLの4つ口フラスコにt−ブタノール40g(540mmol)と亜硝酸t−ブチル10g(97mmol)とを添加し、−5℃に冷却し、前記に示した液体状のNをガスバックに移し室温まで暖めて気化させた気体状のNを、1時間かけてバブリングさせた。バブリング中は発熱があるため、−5〜0℃で反応させた。なお、気体状のNは−5〜0℃において直ちに液状となった。すなわち、Nは液体状で反応した。反応バブリング終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸t−ブチルが91%(40.5g、393mmol)の収率で新たに生成していた。
(比較例1)
5LのNOバルーンを100mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。別の窒素置換した100mLの4つ口フラスコにt−ブタノール40g(540mmol)と亜硝酸t−ブチル10g(97mmol)とを添加し、25℃に調整した後、前記に示した液体状のNをガスバックに移し室温まで暖め気化させた気体状のNを、1時間かけてバブリングさせた。バブリング中は発熱があるため、25〜30℃で反応させた。バブリング終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸t−ブチルが31%(13.8g、134mmol)の収率で新たに生成した。
(実施例3)
5LのNOバルーンを100mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。別の窒素置換した100mL4つ口フラスコにイソプロパノール(32.5g、540mmol)を添加し、−5℃に冷却し、前記に示した液体状のNをガスバックに移し室温まで暖め気化させた気体状のNを、1時間かけてバブリングさせた。バブリング中は発熱があるため、−5〜0℃で反応させた。なお、気体状のNは−5〜0℃において直ちに液状となった。すなわち、Nは液体状で反応した。バブリング終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸イソプロピルが93%(35.8g、402mmol)の収率で生成していた。
(比較例2)
5LのNOバルーンを100mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。別の窒素置換した100mLの4つ口フラスコにイソプロパノール32.5g(540mmol)を添加し、25℃に調整した後、前記に示した液体状のNをガスバックに移し室温まで暖め気化させた気体状のNを、1時間かけてバブリングさせた。バブリング中は発熱であるため、25〜30℃で反応させた。バブリング終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸イソプロピルが52%(20g、225mmol)の収率で生成した。
(実施例4)
5LのNOバルーンを200mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−15℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。生成した液体状のNにt−ブタノール40g(540mmol)と亜硝酸t−ブチル10g(97mmol)との混合液を30分かけて滴下した。発熱反応であるため、反応器内を−15〜−10℃でコントロールした。滴下終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸t−ブチルが94%(41.9g、406mmol)の収率で新たに生成していた。
(実施例5)
5LのNOバルーンを200mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、酸素ガス(217mmol)をシリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。生成した液体状のNにt−ブタノール40g(540mmol)と亜硝酸t−ブチル10g(97mmol)との混合液を30分かけて滴下した。発熱反応であるため、反応器内を−5〜0℃でコントロールした。滴下終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸t−ブチルが90%(40.1g、389mmol)の収率で新たに生成していた。
(実施例6)
5LのNOバルーンを200mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。生成した液体状のNに1,4−シクロヘキサンジオール15.7g(135mmol)とアセト二トリル(100mL)との混合液を30分かけて滴下した。発熱反応であるため、反応器内を−5〜0℃でコントロールした。滴下終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところシクロへキサンジオール基準でシクロへキサンジオールのジ亜硝酸エステルが59%(13.9g、80mmol)、シクロへキサンジオールのモノ亜硝酸エステルが37%(7.26g、50mmol)の収率で生成していた。N基準での亜硝酸エステル類の収率は97%であった。
(比較例3)
5LのNOバルーンを100mLの4つ口反応器にとりつけ系内をNOに置換した後、−5℃に冷却し、液体のNOを10g(217mmol)シリンジで添加した。−5℃で30分攪拌するとN(青い液体)が16.4g(216mmol)生成した。別の窒素置換した100mLの4つ口フラスコにt−ブタノール40g(540mmol)と亜硝酸t−ブチル10g(97mmol)とを添加し、25℃に調整した後、前記に示した液体状のNをガスバックに移し12℃まで暖め気化させた気体状のNを、1時間かけてバブリングさせた。バブリング中は発熱があるため、10〜12℃で反応させた。バブリング終了後、ガスクロマトグラフィーにより分析したところN基準で亜硝酸t−ブチルが52%(23.1g、224mmol)の収率で新たに生成した。

Claims (5)

  1. 窒素酸化物とアルコール類とを10℃未満の反応温度で反応させて、亜硝酸エステルを製造する方法。
  2. 窒素酸化物が少なくともNを含む請求項1記載の製造方法。
  3. アルコール類が、脂肪族第2級アルコール類又は脂肪族第3級アルコール類である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. アルコール類に対応する亜硝酸エステルの存在下で反応させる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. −25℃〜3℃の反応温度で反応させる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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