JP2009057081A - 光輝性金属缶 - Google Patents

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Abstract

【課題】多様な光輝表現が可能な光輝性金属缶を提供する。
【解決手段】金属製缶基体(1)の外面にベースコート層(10)、印刷層(20)、トップコート層(4)が順次積層塗装された金属缶において、前記ベースコート層(10)が塗料基材中(11)に光輝性顔料(12)を分散させてなり、前記印刷層(20)がインキ基材(21a)(21b)中に光輝性顔料(22)を分散させてなる光輝性部を有する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、多様な光輝感を呈する外面塗装がなされた光輝性金属缶に関する。
飲料用缶等の金属缶の外表面には、内容物や製造元を表示するために各種の印刷や塗装が施されている。図1に示す金属缶の一般的な外面塗装は、アルミニウムやスチール等の金属製缶基体(1)上に、ベースコート層(2)、印刷層(3)、トップコート層(4)を順次積層したものである。また、製品を差別化して消費者の注意を喚起するために、各層の塗装材料に光輝性顔料を添加して装飾性を高めることが行われている(特許文献1、2、3参照)。
特許文献1に記載された金属缶はベースコート層に光輝性顔料を添加したものである。特許文献2に記載された金属缶は印刷インキ層に光輝性顔料を添加したものである。特許文献3に記載された金属缶はトップコートに光干渉型顔料を添加したものである。
特許第3870679号公報 特開2001−146221号公報 特開2003−62522号公報
しかしながら、ベースコート層に光輝性顔料を添加した塗装では、隠蔽性の高いインキを重ねると、ベースコート層の光輝感が隠蔽されてしまう。また、印刷インキは全面に塗装されるとは限らないので、印刷インキに光輝性顔料を添加しても部分印刷の場合は缶全体の光輝感が乏しくなる。しかも濃色のインキを用いると印刷部分の光輝感も乏しくなる。また、トップコート層に光輝性顔料を添加した場合は、全体が一様な光輝感を呈するものとなり、印刷模様による光輝感の差が感じられない。
本発明は、上述した技術背景に鑑み、多様な光輝表現が可能な光輝性金属缶の提供を目的とする。
即ち、本発明の光輝性金属缶は下記[1]〜[10]に記載の構成を有する。
[1]金属製缶基体の外面にベースコート層、印刷層、トップコート層が順次積層塗装された金属缶において、
前記ベースコート層は塗料基材中に光輝性顔料を分散させてなり、
前記印刷層は、少なくとも、インキ基材中に光輝性顔料を分散させてなる光輝性部を有することを特徴とする光輝性金属缶。
[2]前記ベースコート層中の光輝性顔料は鱗片状顔料である前項1に記載の光輝性金属缶。
[3]前記鱗片状顔料の平均粒径が5〜100μmである前項2に記載の光輝性金属缶。
[4]前記印刷層中の光輝性顔料は球状顔料である前項1〜3のいずれかに記載の光輝性金属缶。
[5]前記球状顔料の平均粒径が10〜30μmである前項4に記載の光輝性金属缶。
[6]前記光輝性顔料は基材の表面に金属または金属酸化物を含むコーティング層が形成されたものである前項1〜5のいずれかに記載の光輝性金属缶。
[7]前記印刷層において、光輝性顔料を含有せずインキ基材のみからなる非光輝性部を有する前項1〜6のいずれかに記載の光輝性金属缶。
[8]前記インキ基材はベースコート層を視認可能な光透過性を有する前項1〜7のいずれかに記載の光輝性金属缶。
[9]前記インキ基材はベースコート層を隠蔽する光遮断性を有する前項1〜7のいずれかに記載の光輝性金属缶。
[10]前記印刷層は、ベースコート層の一部の領域に形成されている前項1〜9のいずれかに記載の光輝性金属缶。
上記[1]に記載の光輝性金属缶は、ベースコート層と印刷層の両方に光輝性顔料が添加されているので、多様な光輝表現が可能である。
上記[2][3][4][5][6]に記載の各光輝性金属缶によれば、特に強い光輝感が得られる。
上記[7][8][9][10]に記載の各光輝性金属缶によれば、特に多様な光輝表現が可能である。
図2は本発明にかかる光輝性金属缶の一例を示す模式的断面図であり、缶基体(1)上に、ベースコート層(10)、印刷層(20)、トップコート層(4)からなる3層構造の外面塗装が施されている。前記ベースコート層(10)および印刷層(20)は光反射率の高い光輝性顔料(12)(22)が添加された光輝性を有する層である。
光輝性顔料は、表面で光を反射して輝き、塗料やインキに添加して塗布できるものであればその材質や形状は問わず使用できる。ベースコート層(10)と印刷層(20)とで同じ光輝性顔料を使用することも、異なる光輝性顔料を使用することもできる。本発明においては、多様で美しい光輝感が得られる構成として、ベースコート層(10)に鱗片状の光輝性顔料(以下「鱗片状顔料(12)」と略する)を用い、印刷層(20)に球状の光輝性顔料(以下「球状顔料(22)」と略する)を用いることを推奨する。
〔ベースコート層と鱗片状顔料〕
図2〜図3Bに示すように、ベースコート層(10)は塗料基材(11)中に鱗片状顔料(12)を分散させてなる層である。
前記塗料基材(11)の組成は限定されないが、鱗片状顔料(12)の光輝感を隠蔽しないように無色または淡色で透明のものが好ましい。具体的にはポリエステル/エポキシ/アミノ系樹脂及びポリエステル/アクリル/アミノ系樹脂を、紫外線硬化型塗料の場合は光重合開始剤を含有させたエポキシ/ポリエチレン系樹脂を推奨できる。また、塗布用塗料に調製する場合には、前記樹脂に溶剤、要すれば添加剤が加えられる。
前記鱗片状顔料(12)の粒子は、図3Aおよび図3Bに示すように、少なくとも一組の向かい合う面(13)が概ね平行で、粒径(x)に対して厚さ(z)が小さく、表面積の大きいものである。このような形状の鱗片状顔料(12)は、塗料基材(11)に添加して塗布すると粒子の平行面(13)が缶基体(1)に対して略平行となる。このため、入射光はランダムな方向に拡散して反射することなく一定方向に反射する。しかも、同一体積の球状粒子よりも表面積が大きいことによっても強い反射光が得られ、トップコート層(4)および印刷層(20)を介してもなお強い光輝感を呈する。
本発明において鱗片状顔料(12)の粒径(x)は平行面(13)における長辺(x)として定義し、その平均粒径は5〜100μmが好ましい。また、鱗片状顔料(12)の厚さ(z)は0.1〜3μmが好ましい。平均粒径(x)が5μm未満では、塗膜中で粒子の平行面(13)がランダムな方向に向き易くなって光輝感が弱くなる。粒径(x)が大きくなる程強い光輝感が得られるが、100μmを超えて大きくなると塗料調製時や塗布時に割れ易くなる。特に好ましい平均粒径(x)は10〜75μmであり、さらに好ましい範囲は25〜40μmである。また、平行面(13)の形状は限定されず、円形、長円形、角形等の定形、不定形等、どのような形状であっても良い。また、長辺(x)/短辺(y)で表されるアスペクト比は1〜5が好ましい。アスペクト比が大きくなりすぎると割れやすくなるためである。また、粒子の厚さ(z)が0.1μm未満のものでは塗料調製時や塗布時に割れ易くなり、かつ塗膜中でランダムな方向に向き易くなって光輝感が弱くなる。一方、厚さ(z)が3μmを超えて厚くなると輸送時に缶同士が接触した際、缶外面の塗膜が脱落しやすくなる。特に好ましい厚さ(z)は0.5〜1.5μmである。
前記鱗片状顔料(12)の材質は、金属、金属化合物、ガラス等の光を反射するものであれば何ら限定されない。上述した形状でかつ多様の色彩の光輝感を得られる顔料として、図3Bに示すような、鱗片状のガラス基材(14)の表面を光輝性物質を含むコーティング層(15)で被覆したもの推奨できる。前記光輝性物質として、金属、金属酸化物、その他の無機顔料、これらの無機顔料を含むシリカ等を例示でき、強い光輝感が得られる点で金属または金属酸化物が好ましい。前記金属としては、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)を例示でき、金属酸化物としては酸化チタン(TiO)、酸化鉄(Fe)、還元酸化鉄(Fe)を推奨できる。これらの金属および金属酸化物によるコーティング層(15)は、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法、LPD法等により形成することができる。また、無機顔料を含むシリカによるコーティング層(15)はゾルゲル法により形成することができる。前記コーティング層(15)の厚さは10nm〜200nmの範囲が好ましい。10nm未満では光輝感が弱く、200nmを超えても光輝感はあまり変わらない。特に好ましい厚さは20〜100nmであり、さらに20〜60nmが好ましい。
また、ベースコート層(10)における鱗片状顔料(12)の含有量は、塗料基材(11)100質量部に対して0.5〜100質量部が好ましい。鱗片状顔料(12)が0.5質量部未満では反射光率が低くて光輝感が弱く、40質量部を超えると層厚方向で粒子が重なった状態となるので、反射率の向上は僅かなものでありコスト的にも不利である。特に好ましい鱗片状顔料(12)の含有量は塗料基材100質量部に対して10〜20質量部である。なお、前記含有量は塗布後焼き付けた塗膜中における含有量であり、焼付けによる揮発成分を除外した状態における含有量である。
また、ベースコート層(10)における鱗片状顔料(12)は、図2に示したように、平行面(13)が缶基材(1)の表面に対して略平行な状態で配向している。このため、多量の鱗片状顔料(12)を添加して膜厚方向で粒子が重なると、入射光は上側の粒子で反射してしまうので下側の粒子には届かず光輝感の向上にあまり寄与しない。そこで、鱗片状顔料(12)の好適量は、粒子による缶基材(1)表面の被覆面積率によっても規定することができる。本発明においては、美しい光輝感を得られる被覆面積率として10%以上を推奨でき、さらに60%以上が好ましい。被覆面積率100%で光輝感が最大となるが、意図的に被覆面積率を下げて缶基体(1)の金属光沢を利用することもできる。
前記ベースコート層(10)の厚さは限定されないが、1μm未満では鱗片状顔料(12)を均一に分散させにくいために良好な光輝感を得にくく、30μmを超えて厚くしても光輝感に有意な差はないので材料コストの点で不利である。このため、ベースコート層(10)の厚さは1〜30μmが好ましく、特に5〜15μmが好ましい。
〔印刷層と球状顔料〕
前記印刷層(20)は装飾性を高めるための層であり、図2に示すように、インキ基材(21)に光輝性の球状顔料(22)を分散させてなる光輝性部を有する層である。前記印刷層(20)は全域を単一色で形成することも、単一色または複数色で模様や文字を描くこともできる。またベースコート層(20)全域に形成することも一部の領域に形成することも任意である。また、複数のインキ基材(21)を用いる場合には、色ごとに球状顔料(22)の含有量を変えることも、球状顔料(22)を含有するものと含有しないものとを併用することもできる。また、インキ基材(21)はベースコート層(10)の光輝感を視認できる程度の光透過性を有することが好ましい。印刷層(20)は薄いので無色透明または有色透明でなくてもベースコート層(10)の光輝感を視認できるが、強い反射光を得るには光透過性の高い淡色が好ましい。但し、ベースコート層(10)の光輝感を完全に隠蔽する光遮断性のインキ基材を用いて、意図的にベースコート層(10)の光輝感を隠すような意匠とすることも任意に選択できる。光遮断性のインキ基材を用いた場合においても、光輝性の球状顔料(22)を分散させてなる光輝性部とインキ基材のみからなる非光輝性部の両方を選択できる。
図2において、(A)はベースコート層が透けて見える淡色のインキ基材(21a)に球状粒子(22)を分散させた領域、(B)は印刷層(20)がなくベースコート層(10)上にトップコート層(4)を積層した領域、(C)は濃色のインキ基材(21b)に球状粒子(22)を分散させた領域、(D)は淡色のインキ基材(21a)のみからなる領域、(E)は光遮断性のインキ基材(21c)のみからなる領域、(F)は光遮断性のインキ基材(21c)に球状粒子(22)を分散させた領域である。領域(A)(C)(F)は本発明における印刷層の光輝性部に対応し、領域(D)(E)は非光輝性部に対応する。なお、前記インキ基材(21b)の濃色とは、淡色のインキ基材(21a)に比べて相対的に濃いという意味であり、ベースコート層(10)が透けて見える程度の色合いである。
前記インキ基材(21)の組成は限定されないが、アルキッド樹脂を主成分とし、顔料(有機、無機、金属粉等)及び/または添加剤を含んだ溶剤系のインキ等を例示できる。
前記球状顔料(22)では、入射光が球面で四方八方に反射するため、上記鱗片状顔料(12)による強い光輝感とは趣の異なる光輝感を呈する。
印刷層(20)では、ベースコート層(10)の光輝感を隠蔽しないように、表面積の小さい球状の光輝性顔料を用いることが好ましい。球状顔料(22)は、粒径が小さくなると光輝感が弱くなり、大きくなると塗装用ローラから缶基体(1)への転移性が悪くなるため、平均粒径が10〜30μmの範囲が好ましい。特に好ましい平均粒径は15〜25μmである。なお、前記球状顔料(22)は必ずしも真球である必要はないが、球体に近い形状であることが好ましい。具体的には、最大直径/最小直径で表されるアスペクト比は3以下が好ましく、さらに2以下が好ましく、さらに1.5以下のものが好ましい。
前記球状顔料(22)の材質は、金属、金属化合物、ガラス等の光を反射するものであれば何ら限定されない。多様の色彩の光輝感を得られる顔料として、図3に示すような、球状のガラス基材(23)の表面を光輝性物質を含むコーティング層(24)で被覆したもの推奨できる。前記光輝性物質として、金属、金属酸化物、その他の無機顔料、これらの無機顔料を含むシリカ等を例示でき、強い光輝感が得られる点で金属または金属酸化物が好ましい。前記金属としては、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)を例示でき、金属酸化物としては酸化チタン(TiO)、酸化鉄(Fe)、還元酸化鉄(Fe)を推奨できる。これらの金属および金属酸化物によるコーティング層(24)は、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法、LPD法等により形成することができる。また、無機顔料を含むシリカによるコーティング層(15)はゾルゲル法により形成することができる。前記コーティング層(24)の厚さは10nm〜200nmの範囲が好ましい。10nm未満では光輝感が弱く、200nmを超えても光輝感はあまり変わらない。特に好ましい厚さは20〜100nmであり、さらに20〜60nmが好ましい。
また、印刷層(20)における球状顔料(22)の含有量は、インキ基材(21)100重量部に対して0.1〜40質量部が好ましい。球状顔料(22)が0.1質量部未満では反射率が小さく光輝感も弱くなる。一方、40質量部を超えるとベースコート層(10)の光輝感を隠蔽するおそれがあるとともに、光輝感に有意な差が無くなるためにコスト的にも不利である。特に好ましい球状顔料(22)の含有量はインキ基材(21)100重量部に対して20〜30質量部である。なお、上記含有量は、塗布後焼き付けた塗膜中における含有量であり、焼付けによる揮発成分を除外した状態における含有量である。
前記印刷層(20)の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。0.1μm未満では添加可能な球状粒子量が少なく良好な光輝感を得ることが困難であり、10μmを超えて厚くしても光輝感に有意な差はない。印刷層(20)の特に好ましい厚さは0.5〜5μmである。ここで言う印刷層(20)の厚さとは層の最小厚さである。従って、図2に示すように、平均粒径10〜30μmの球状顔料(22)を分散させると、一部の粒子は層の表面から突出した状態となっている。このように、球状顔料(22)を層の表面から突出させることによって強い光輝感が得られる。
〔トップコート層〕
トップコート層(4)は印刷層(20)を保護するとともに、塗膜表面の滑性を良好にして、缶の製造時、飲料の充填時、輸送時の缶同士の衝突に対して塗膜割れや剥離を防止するための層である。光輝感を隠蔽しないように透明であればその組成は特に限定されるものではなく、エポキシ/フェノール樹脂、ポリエステル/アミノ系樹脂、エポキシ/ポリエステル/アクリル/アミノ系樹脂等を例示できる。エポキシ/ポリエステル/アクリル/アミノ系樹脂は水性塗料であるので、焼付け乾燥時に揮発する有機溶剤量が少ない。また、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、低分子ポリエステル樹脂、天然油脂、蝋等の添加剤も任意に配合される。さらに、塗装時には溶剤や添加剤を加えて所要粘度の液状塗料に調製される。また、トップコート層(4)の厚さは1〜20μmが好ましく、特に3〜10μmが好ましい。
上記構成の外面塗装がなされた光輝性金属缶においては、図2に示すように、多様な光輝感を得ることができる。図2において、線種でおおよその光の強弱を表すものとし、太実線、細実線、点線の順で強、中、弱を示している。
領域(A)において、缶表面に入射した光は、印刷層(20)の球状粒子(22)、ベースコート層(10)の鱗片状粒子(12)、缶基体(1)で1回または複数回反射し、反射光はそれぞれの反射率や通過した層に応じて強弱が生じ、さらに淡色のインキ基材(21a)の色が加わって多様な光輝感を呈する。領域(B)においては、印刷層(20)を介さずベースコート層(10)の鱗片状粒子(12)または缶基体(1)で反射するため、領域(A)よりも強い反射光となる。領域(C)は領域(A)と同じ反射パターンであるがインキ基材(21b)が濃色であるために、印刷層(20)を通過する際に入射光および反射光が弱まって、領域(A)とは趣の異なる光輝感となる。領域(D)においては、ベースコート層(10)の鱗片状粒子(12)および缶基体(1)で反射し、この反射光に印刷層(20)のインキ基材(21a)の色が加わり、領域(B)とは趣の異なる光輝感が得られる。領域(E)においては、印刷層(20)のインキ基材(21c)によってベースコート層(10)が隠蔽されている。領域(F)においては、印刷層(20)に光遮断性のインキ基材(21c)が用いられてベースコート層(10)を隠蔽しているが、球状顔料(22)が突出していることで光輝感を有する領域である。
上述した6つの反射パターンに、鱗片状顔料および球状顔料が有する光輝色、粒径、含有量、各層の厚さ、インキ基材の色彩および濃淡、印刷層による模様等の複数の要因が複雑に絡み合って、多様で美しい光輝表現が可能である。
本発明の光輝性金属缶の形状や用途は何ら限定されない。例えば飲料用缶としては、有底円筒状の2ピース缶用の缶胴(図1参照)や、ネック部を細く縮径したボトル缶を例示できる。また、本発明による3層塗装は必ずしも缶の全面に行う必要はなく、ボトル缶のように加工度の大きい成形を行う缶に対しては、加工時の塗膜割れを回避するために部分的に光輝性顔料を含まない外面塗装を行うことも好ましい。
図1に示す飲料用2ピース缶の缶胴に塗装を行った。缶基体(1)として胴径66mmのアルミニウムDI缶を用い、外周面にベースコート層(10)、印刷層(20)、トップコート層(4)の3層の外面塗装を行った。
ベースコート層(10)用塗料として、下記塗料基材(11)に表1、2に示す種々の鱗片状顔料(12)を配合したものを用いた。前記鱗片状顔料(12)は、鱗片状ガラス基材(14)に表1、2に示す光輝性物質からなるコーティング層(15)を形成したものである。また、比較例1、11では、鱗片状顔料を添加せずに塗料基材のみを用いた。
〔ベースコート層用塗料基材(11)〕
熱硬化性エポキシ樹脂:0.5質量%
ポリエステル樹脂:16質量%
アミノ樹脂:18質量%
顔料(酸化チタンTiO):40質量%
エチレングリコールモノブチルエーテル:7質量%
残部:芳香族炭化水素系溶剤および添加剤
印刷層(20)用インキとして、下記濃淡2種類の光透過性インキ基材(21a)(21b)および光遮断性インキ基材(21c)に表1、2に示す球状顔料(22)を配合したものを用いた。印刷層(20)用インキは、インキ基材(21a)(21b)(21c)と球状顔料(22)との組合せによって複数種を調製した。前記球状顔料(22)は、球状ガラス基材(23)に表1、2に示す光輝性物質からなるコーティング層(24)を形成したものである。また、比較例2、3、12、13では、球状顔料(22)を添加せずにインキ基材(21a)(21b)のみを用いた。
〔印刷層用光透過性淡色インキ基材(21a)〕
顔料:10質量%
アルキッド樹脂:55質量%
残部:高沸点系石油溶剤および添加物
〔印刷層用光透過性濃色インキ基材(21b)〕
顔料:30質量%
アルキッド樹脂:35質量%
残部:高沸点系石油溶剤および添加物
トップコート層用塗料として下記組成の塗料を用いた
〔印刷層用光遮断性インキ基材(21c)〕
顔料:50質量%
アルキッド樹脂:20質量%
残部:高沸点系石油溶剤および添加物
〔トップコート層用塗料〕
アミノ樹脂:28質量%
アクリル樹脂:21質量%
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:1質量%
水:20質量%
エチレングリコールモノブチルエーテル:5質量%
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル:3質量%
残部:芳香族炭化水素系溶剤および添加剤
各例において、以下の工程で外面塗装を行った。
(1)缶基体(1)に、ベースコート層用塗料を塗布し200℃で30秒間焼き付けた。焼付け後のベースコート層(10)の厚さは10μmである。また、鱗片状顔料の量に応じて被覆面積率は表1、2に示すものとなった。
(2)1種または複数種の印刷用インキを用いて、図2に示すA〜Fの6つのパターンから1種または複数種のパターンで印刷した。続いてトップコート層用塗料を塗布した。
(3)200℃で30秒間焼き付けた。この焼付けにより、厚さ2μmの印刷層(20)および厚さ5μmのトップコート層(4)が形成された。
製作した光輝性金属缶の光輝感について下記の基準で評価した。評価結果を表1、2に併せて示す。
光輝感の評価は目視にて行った。キラキラ感に加えて光沢度に深み(奥行き感)があって最も訴求性に優れているものを5点、最もキラキラ感のないものを0点とし、5点〜0点の6段階の点数で評価した。
Figure 2009057081
Figure 2009057081
表1、2より、ベースコート層および印刷層に光輝性顔料を添加することによって、どちらか一方に添加するよりも多様な光輝感が得られた。
本発明の光輝性金属缶によれば、多様な光輝表現ができるので様々の意匠が求められる飲料用缶として好適に用いることができる。
飲料用2ピース缶の缶胴を示す断面図である。 本発明の光輝性金属缶の外面塗装部分の断面図である。 鱗片状の光輝性顔料の粒子の斜視図である。 図3Aにおける3B−3B線断面図である。 球状の光輝性顔料の粒子の断面図である。
符号の説明
1…缶基体
4…トップコート層
10…ベースコート層
11…塗料基材
12…鱗片状顔料(光輝性顔料)
14、23…ガラス基材(基材)
15、24…光輝性物質からなるコーティング層
20…印刷層
21…インキ基材
21a、21b…光透過性インキ基材(インキ基材)
21c…光遮断性インキ基材(インキ基材)
22…球状粒子(光輝性顔料)

Claims (10)

  1. 金属製缶基体の外面にベースコート層、印刷層、トップコート層が順次積層塗装された金属缶において、
    前記ベースコート層は塗料基材中に光輝性顔料を分散させてなり、
    前記印刷層は、少なくとも、インキ基材中に光輝性顔料を分散させてなる光輝性部を有することを特徴とする光輝性金属缶。
  2. 前記ベースコート層中の光輝性顔料は鱗片状顔料である請求項1に記載の光輝性金属缶。
  3. 前記鱗片状顔料の平均粒径が5〜100μmである請求項2に記載の光輝性金属缶。
  4. 前記印刷層中の光輝性顔料は球状顔料である請求項1〜3のいずれかに記載の光輝性金属缶。
  5. 前記球状顔料の平均粒径が10〜30μmである請求項4に記載の光輝性金属缶。
  6. 前記光輝性顔料は基材の表面に金属または金属酸化物を含むコーティング層が形成されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の光輝性金属缶。
  7. 前記印刷層において、光輝性顔料を含有せずインキ基材のみからなる非光輝性部を有する請求項1〜6のいずれかに記載の光輝性金属缶。
  8. 前記インキ基材はベースコート層を視認可能な光透過性を有する請求項1〜7のいずれかに記載の光輝性金属缶。
  9. 前記インキ基材はベースコート層を隠蔽する光遮断性を有する請求項1〜7のいずれかに記載の光輝性金属缶。
  10. 前記印刷層は、ベースコート層の一部の領域に形成されている請求項1〜9のいずれかに記載の光輝性金属缶。
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