JP2009056435A - 沈殿槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】平面視形状が多角形の槽体でありながら、固形分の沈降分離特性に優れた沈殿槽を提供する。
【解決手段】
原水はフィードウェル22内に供給され、主として槽体底面28から槽体内壁面21に沿って流れ、溢流堰25を溢流し、清澄水排出管26より排出される。原水は、内壁面21に沿って流れる間に、傾斜板同士の間を流れることにより、効率良く沈降分離処理がなされる。傾斜板31〜35の幅員W〜Wは、槽体21のコーナー部側ほど大きくなっている。この結果、槽体21の隅角部に優先的に上昇流が生じて偏流が生じることが抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、原水を沈降分離処理するための沈殿槽(沈降分離装置)に係り、特に槽体の中央部に供給された原水の少なくとも一部が槽体の内壁面に沿って上昇して清澄水となり、この清澄水が溢流部から流出するよう構成された沈殿槽に関する。さらに詳しくは、槽体の平面視形状が多角形である沈殿槽に関する。
沈降分離装置には、自然沈降分離装置、傾斜沈降分離装置、凝集沈殿分離装置などがある(水処理管理便覧,丸善株式会社,平成10年9月30日発行,第130頁表2・12参照)。
これらのうち、傾斜沈降分離装置は、沈降槽内に傾斜板や水平板を挿入したものであり、板の下面に清澄液が生成し、挿入面積分だけ沈降面積が多くなり、清澄液の生成速度が速くなるという原理を用いている。したがって、板の挿入面積に比例して分離面積を大きくすることができ、水面積負荷(m/mh)を小さくできるので、沈降速度の小さい粒子の分離が可能となる。
この傾斜板を備えた沈殿槽は、例えば、特開2005−185995号公報に記載されている。第9図及び第10図は、それぞれ同号公報の図1及び図2を示している。
同号公報の沈殿槽10にあっては、槽体11は円形であり、その中央部にフィードウェル12が設置されている。このフィードウェル12は上下両端が開放した円筒状であり、その上端部は槽体1内の水面位よりも上方に突出している。槽体11の中央底部には、沈降した固形分を集めて排出するためのピット状の排出部13が設けられている。槽体11の底部11aは、槽体11の内周壁面11bから中央に向って下り勾配となる円錐形状となっている。
この槽体11の内周壁面11bに多数の傾斜板14が設置されている。各傾斜板14は、略長方形の平板状であり、その一長側辺が内周壁面11bに固着されている。各傾斜板14同士の間隔は一定であり、各傾斜板14の傾斜角度θ(水平面に対する仰角)も同一である。内周壁面11bの上部に沿って溢流部としての溢流堰15が設けられている。
このように構成された沈殿槽10において、原水はフィードウェル12内に供給され、主として槽体底面11aから槽体内周壁面11bに沿って流れ、溢流堰15を溢流し、清澄水排出管16より排出される。この槽体内周壁面11bに沿って流れる間に、傾斜板14同士の間を流れることにより、効率良く沈降分離処理がなされる。沈降物は、内周壁面11bから槽体底面11aに沿って流れ、ピット状の排出部13に流れ込み、ここから槽体11外へ排出される。
水処理管理便覧,丸善株式会社,平成10年9月30日発行 特開2005−185995号公報
上記特開2005−185995号公報の沈殿槽10の槽体11は円形である。このため、フィードウェル12から供給された原水は、槽体11の内周壁面の全周にほぼ一様に達して上昇することになり、槽体11内には偏流が生じ難い。
しかしながら、第11図(a)のように、槽体11Aの平面視形状が四角形となっている沈殿槽10Aの場合、フィードウェル12Aからこの四角形の辺の中央までの距離と、フィードウェルからこの四角形の角部までの距離とが異なる。このため、図中に時計回り方向の矢印aと反時計回り方向の矢印bで示すように、フィードウェル12Aから供給された原水は、この四角形の辺の中央側から角部側すなわち槽体11Aのコーナー部に向って両側から流れ込み、該コーナー部に強い上昇流が生じることになる。これにより、コーナー部では、原水中の固形分が十分に沈降分離されないようになり、生成される清澄液の水質が悪くなる。
第11図(b)の沈殿槽10Bは、第11図(a)の沈殿槽10Aの槽体11Aの内壁に、前記第10図(a)の傾斜板14の如き、上部が右方となるように傾斜した傾斜板14Aを設置したものである。この沈殿槽10Bでは、図中に矢印aで示すように、フィードウェル12Aから供給された原水は、これら傾斜板14Aに案内されて時計回り方向に流れ易くなる。しかしながら、原水が槽体11Aのコーナー部に向って流れ込み、コーナー部での沈降分離特性が低下することは、第11図(a)の場合と同様である。
本発明は、平面視形状が多角形の槽体でありながら、固形分の沈降分離特性に優れた沈殿槽を提供することを目的とする。
請求項1の沈殿槽は、槽体の中央部に供給された原水の少なくとも一部が、該槽体の内壁面に沿って上昇し、該槽体上部の溢流部から清澄水となって流出する沈殿槽であって、該槽体の内壁面に沿って、鉛直方向に対し斜交方向に延在した傾斜板を設けた沈殿槽において、該槽体は、複数の平面状の内壁面が連なった、平面視形状が多角形のものであり、該槽体の内壁面同士が連なる隅角部側に配置された該傾斜板の該内壁面からの突出方向の幅員は、該内壁面の辺央部側に配置された該傾斜板の該突出方向の幅員よりも大きいことを特徴とするものである。
請求項2の沈殿槽は、請求項1において、前記傾斜板の該幅員は、最も辺央部側の傾斜板から最も隅角部側の傾斜板にかけて徐々に大きくなっていることを特徴とするものである。
請求項3の沈殿槽は、請求項1又は2において、最も隅角部側の傾斜板の幅員は最も辺央部側の傾斜板の幅員の1.2〜10倍であることを特徴とするものである。
請求項4の沈殿槽は、槽体の中央部に供給された原水の少なくとも一部が、該槽体の内壁面に沿って上昇し、該槽体上部の溢流部から清澄水となって流出する沈殿槽であって、該槽体の内壁面に沿って、鉛直方向に対し斜交方向に延在した傾斜板を設けた沈殿槽において、該槽体は、複数の平面状の内壁面が連なった、平面視形状が多角形のものであり、該槽体の内壁面同士が連なる隅角部側に配置された該傾斜板の上下方向長さは、該内壁面の辺央部側に配置された該傾斜板の上下方向長さよりも大きいことを特徴とするものである。
請求項5の沈殿槽は、請求項4において、前記傾斜板の該上下方向長さは、最も辺央部側の傾斜板から最も隅角部側の傾斜板にかけて徐々に大きくなっていることを特徴とするものである。
請求項6の沈殿槽は、請求項4又は5において、最も隅角部側の傾斜板の上下方向長さは最も辺央部側の傾斜板の上下方向長さの1.1〜5倍であることを特徴とするものである。
請求項7の沈殿槽は、槽体の中央部に供給された原水の少なくとも一部が、該槽体の内壁面に沿って上昇し、該槽体上部の溢流部から清澄水となって流出する沈殿槽であって、該槽体の内壁面に沿って、鉛直方向に対し斜交方向に延在した傾斜板を設けた沈殿槽において、該槽体は、複数の平面状の内壁面が連なった、平面視形状が多角形のものであり、該槽体の内壁面同士が連なる隅角部側における該傾斜板の配列間隔は、該内壁面の辺央部側における該傾斜板の配列間隔よりも小さいことを特徴とするものである。
請求項8の沈殿槽は、請求項7において、前記傾斜板の配列間隔は、最も辺央部側から最も隅角部側にかけて徐々に小さくなっていることを特徴とするものである。
請求項9の沈殿槽は、請求項7又は8において、最も該隅角部側の傾斜板の配列間隔は辺央部の傾斜板の配列間隔の25〜85%であることを特徴とするものである。
請求項10の沈殿槽は、請求項1ないし9のいずれか1項において、各傾斜板の傾斜角度が同一であることを特徴とするものである。
本発明の沈殿槽にあっては、槽体中央部に供給された原水の多くは、槽体底部に沿って槽体内壁面に向って流れ、次いで該内壁面に沿って上昇し、この間に固形分の沈降分離処理がなされ、清澄水が槽体上部の溢流部を溢流する。この槽体内壁面には傾斜板が設けられているので、この槽体内壁面に沿って水が上昇する間に効率よく沈降分離処理される。
本発明(請求項1〜10)では、槽体は、複数の平面状の内壁面が連なった、平面視形状が多角形のものである。
請求項1〜3では、最も隅角部側に配置された傾斜板の幅員が最も辺央部側の傾斜板の幅員よりも大きい。この結果、内壁面の中央側から該多角形の隅角部に向って原水が流れ込むことが抑制されることになり、該隅角部の上昇流速が小さくなり、隅角部においても原水中の固形分が十分に沈降分離されるようになる。
請求項4〜6では、最も隅角部側に配置された傾斜板の上下方向長さが最も辺央部側の傾斜板の上下方向長さよりも大きい。この結果、内壁面の中央側から該多角形の隅角部に向って原水が流れ込むことが抑制されることになり、該隅角部の上昇流速が小さくなり、隅角部においても原水中の固形分が十分に沈降分離されるようになる。
請求項7〜9では、最も隅角部側における傾斜板の配列間隔が最も辺央部側よりも小さいものとなっている。この結果、内壁面の中央側から該多角形の隅角部に向って原水が流れ込むことが抑制されることになり、該隅角部の上昇流速が小さくなり、隅角部においても原水中の固形分が十分に沈降分離されるようになる。
第1図〜第4図を参照して第1態様(傾斜板の幅員設定)について説明する。第1図はこの実施の形態に係る沈殿槽の縦断面図(第2図のI−I線断面図)、第2図は第1図のII−II線に沿う水平断面図、第3図は傾斜板の幅員を説明する水平断面図、第4図は沈殿槽のコーナー部の斜視断面図である。
この実施の形態に係る沈殿槽20にあっては、槽体21は平面視形状が四角形であり、その中央部にフィードウェル22が設置されている。このフィードウェル22は上下両端が開放した円筒状であり、その上端部は槽体21内の水面位よりも上方に突出している。槽体21の中央底部には、沈降した固形分を集めて排出するためのピット状の排出部23が設けられている。
槽体21の底部28は、槽体21の4つの平面状の内壁面27から中央に向って下り勾配となる四角錐形状となっている。
これら内壁面27の上部に沿って、溢流部としての溢流堰25が設けられている。
この槽体21の内壁面27に、多数の傾斜板31〜35が設置されている。各傾斜板31〜35は、略長方形の平板状であり、その一長側辺が内壁面27に固着されている。傾斜板31〜35の板面は、該傾斜板が固着された内壁面27と垂直である。傾斜板31〜35の長手方向は鉛直方向に対し斜交方向となっている。
各傾斜板31〜35は、傾斜板31が槽体21の最もコーナー側(隅角部側)に位置し、傾斜板35が内壁面27の左右方向の中央側、すなわち辺央部(平面視形状が多角形の槽体21の水平向における内壁面27の中央部)側に位置している。傾斜板31〜35はこの順に配列されている。この実施の形態では、1つの内壁面27に10枚の傾斜板31〜35,35〜31が設置されているが、傾斜板の枚数はこれに限定されない。隣接する傾斜板31〜35同士および傾斜板35,35同士の間隔は一定である。
この実施の形態では、傾斜板31〜35の上下方向長さは同一である。各傾斜板31〜35の上端は同一高さに位置している。各傾斜板31〜35の下端は同一高さに位置している。
傾斜板31〜35の内壁面27からの突出方向の幅員W〜Wは、傾斜板31の幅員Wが最も大きく、傾斜板35の幅員Wが最も小さい。また、この実施の形態では、傾斜板31から傾斜板35にかけて幅員W〜Wがこの順に小さくなっている。即ち、W>W>W>W>Wとなっている。また、この実施の形態では、隣接する傾斜板の幅員の差(W−W),(W−W),(W−W),(W−W)はいずれも等しいものとなっている。
最もコーナー側の傾斜板31の幅員Wは、最も辺央部側の傾斜板35の幅員Wの1.2〜10倍、特に1.5〜4倍であることが好ましい。
傾斜板31〜35の平均の幅員は、槽体21の一辺の長さ(槽体21が長方形の場合は、長辺と短辺の平均長さ)の2〜30%、特に5〜15%程度が好ましい。
傾斜板31〜35の鉛直方向の寸法は、傾斜板31〜35の幅員W〜Wの平均値の0.5〜10倍、特に1〜3倍が好ましく、槽体21の水深の20〜90%、特に40〜70%程度が好ましい。
傾斜板31〜35同士の間隔は、傾斜板31〜35の幅員W〜Wの平均値の20〜200%、特に50〜150%が好ましい。
各傾斜板31〜35の傾斜角度(水平面に対する仰角)は、45°〜80°特に約55〜70°程度が好適である。なお、各内壁面27において、各傾斜板31〜35はいずれも右傾しているが、各内壁面27において、各傾斜板31〜35が左傾していてもよい。
このように構成された沈殿槽20において、原水はフィードウェル22内に供給され、主として槽体底面28から槽体内壁面27に沿って流れ、溢流堰25を溢流し、清澄水排出管26より排出される。原水は、これら内壁面27に沿って流れる間に、傾斜板31〜35同士の間及び傾斜板35,35同士の間を上方に向かって流れることにより、効率良く沈降分離処理がなされる。沈降物は、内壁面27から槽体底面28に沿って流れ、ピット状の排出部23に流れ込み、ここから槽体21外へ排出される。
この実施の形態では、傾斜板31〜35の幅員W〜Wがコーナー側となるほど大きいものとなっている。このため、槽体21のコーナー部に辺央部よりも優勢な上昇流が生じることが抑制され、内壁面27に沿う上昇流が内壁面27の左右方向において均等化されるようになる。これにより、原水中の固形分を十分に沈降分離することができ、水質の良好な清澄液を生成させることができる。
この実施の形態では、最もコーナー側の傾斜板31から最も辺央部側の傾斜板35にかけて幅員W〜Wが序々に減少するよう構成されているが、コーナー部に近い2枚又は複数枚の傾斜板の幅員が互いに等しく、かつ、それらよりも辺央部側の傾斜板の幅員よりも大きいものであってもよい。また、この実施の形態では、辺央部側の2枚の傾斜板35,35が同一幅員のものとなっているが、辺方向の中間の1枚の傾斜板の幅員を最も小さくし、そこからコーナー側に向って傾斜板の幅員が序々に大きくなる構成とされてもよい。また、辺央部以外においても、一部の隣接する2枚もしくは複数枚の傾斜板の幅員が等しい構成とされてもよいが、隣接する傾斜板の幅員の差がコーナー側において大きくなるようにするとより好ましい。即ち、(W−W)<(W−W)<(W−W)<(W−W)とするとより好ましい。
第5図,6図を参照して第2態様(傾斜板の上下方向長さ設定)について説明する。第5図はこの実施の形態に係る槽体の水平断面図であり、前記第2図と同様部分の断面を示している。第6図は第5図のVI−VI線断面図である。
この実施の形態では、槽体21の各内壁面27にそれぞれ傾斜板41〜45が設けられている。
各傾斜板41〜45は、傾斜板41が槽体21の最もコーナー側に位置し、傾斜板45が内壁面27の最も辺央部側に位置している。傾斜板41〜45はこの順に配列されている。この実施の形態では、1つの内壁面27に10枚の傾斜板41〜45,45〜41が設置されているが、傾斜板の枚数はこれに限定されない。隣接する傾斜板41〜45同士および傾斜板45,45同士の間隔は一定である。
この実施の形態では、各傾斜板41〜45の上端は同一高さに位置している。
傾斜板41〜45の上下方向長さ(この実施の形態では、鉛直方向長さ)H〜Hは、傾斜板41の上下方向長さHが最も大きく、傾斜板42の上下方向長さH、傾斜板43の上下方向長さH、傾斜板44の上下方向長さHの順に小さくなり、辺央部側の傾斜板45の上下方向長さHが最も小さい(なお、H,H,Hは図中に記載されていない。)。即ち、H>H>H>H>Hとなっている。また、この実施の形態では、隣接する傾斜板の上下方向長さの差(H−H),(H−H),(H−H),(H−H)はいずれも等しいものとなっている。
最もコーナー側の傾斜板41の上下方向長さHは、辺央部側の傾斜板45の上下方向長さHの1.1〜1.5倍、特に1.2〜3倍であることが好ましい。
傾斜板41〜45の幅員は、いずれも同一であり、槽体21の一辺の長さ(槽体21が長方形の場合は、長辺と短辺の平均長さ)の2〜30%、特に5〜15%程度が好ましい。
傾斜板41〜45の鉛直方向の平均寸法は、傾斜板41〜45の幅員の0.5〜10倍、特に1〜3倍が好ましく、槽体21の水深の20〜90%、特に40〜70%程度が好ましい。
傾斜板41〜45同士の間隔は、傾斜板41〜45の幅員の20〜200%、特に50〜150%が好ましい。
各傾斜板41〜45の傾斜角度(水平面に対する仰角)は、45°〜80°特に約55〜70°程度が好適である。なお、各内壁面27において、各傾斜板41〜45はいずれも右傾しているが、各内壁面27において、各傾斜板41〜45が左傾していてもよい。この沈殿槽のその他の構成は第1態様の沈殿槽と同じである。
このように構成された沈殿槽においても、原水はフィードウェル22内に供給され、主として槽体底面28から槽体内壁面27に沿って流れ、溢流堰25を溢流し、清澄水排出管26より排出される。原水は、これら内壁面27に沿って流れる間に、傾斜板41〜45同士の間および傾斜板45,45同士の間を流れることにより、効率良く沈降分離処理がなされる。沈降物は、内壁面27から槽体底面28に沿って流れ、ピット状の排出部23に流れ込み、ここから槽体21外へ排出される。
この実施の形態では、傾斜板41〜45の上下方向長さH〜Hがコーナー側となるほど大きいものとなっている。このため、槽体21のコーナー部に辺央部よりも優勢な上昇流が生じることが抑制され、内壁面27に沿う上昇流が内壁面27の左右方向において均等化されるようになる。これにより、原水中の固形分を十分に沈降分離することができ、水質の良好な清澄液を生成させることができる。
この実施の形態では、最もコーナー側の傾斜板41から最も辺央部側の傾斜板45にかけて上下方向長さH〜Hが序々に減少するよう構成されているが、コーナー部に近い2枚又は複数枚の傾斜板の上下方向長さが互いに等しく、かつ、それらよりも辺央部側の傾斜板の上下方向長さよりも大きいものであってもよい。また、この実施の形態では、辺央部側の2枚の傾斜板45,45が同一上下方向長さのものとなっているが、辺方向の中間の1枚の傾斜板の上下方向長さを最も小さくし、そこからコーナー側に向って傾斜板の上下方向長さが序々に大きくなる構成とされてもよい。また、辺央部以外においても、一部の隣接する2枚もしくは複数枚の傾斜板の幅員が等しい構成とされてもよいが、隣接する傾斜板の上下方向長さの差がコーナー側において大きくなるようにするとより好ましい。即ち、(H−H)<(H−H)<(H−H)<(H−H)とするとより好ましい。
第7図及び第8図を参照して第3態様(傾斜板の間隔の設定)について説明する。第7図はこの実施の形態に係る槽体の縦断面図であり、1つの内壁面に正対した縦断面図である。第8図は第7図のVIII−VIII線断面図である。第7,8図では1つの内壁面の構成のみを示しているが、槽体21の残りの3面の内壁面の構成も第7,8図と同一である。
この実施の形態では、槽体の内壁面に傾斜板51〜57,58、57〜51がこの順に設けられている。
各傾斜板51〜58は、傾斜板51が槽体21の最もコーナー側に位置し、傾斜板58が辺央部に位置している。この実施の形態では、1つの内壁面27に15枚の傾斜板51〜58が設置されているが、傾斜板の枚数はこれに限定されない。
この実施の形態では、各傾斜板51〜58の上端の高さは同一である。各傾斜板51〜58の下端は同一高さに位置している。各傾斜板51〜58の内壁面27からの突出方向の幅員は同一である。
各傾斜板51〜58の間隔は、コーナー側において最も小さく、辺央部側になるほど大きくなっている。即ち、傾斜板51,52の間隔をp、傾斜板52,53の間隔をp、傾斜板53,54の間隔をp、傾斜板54,55の間隔をp、傾斜板55,56の間隔をp、傾斜板56,57の間隔をp、傾斜板57,58の間隔をpとした場合、p<p<p<p<p<p<pとなっている。
また、この実施の形態では、隣接する傾斜板の配列ピッチの差(p−p),(p−p),(p−p),(p−p),(p−p),(p−p)はいずれも等しいものとなっている。
最もコーナー側の傾斜板51,52の間隔pは、最も辺央部側の傾斜板57,58の間隔pの25〜85%、特に30〜65%であることが好ましい。
傾斜板51〜58同士の間隔p〜pの平均値は、傾斜板51〜58の幅員の20〜200%、特に50〜150%が好ましい。
傾斜板51〜58の幅員は、槽体21の一辺の長さ(槽体21が長方形の場合は、長辺と短辺の平均長さ)の2〜30%、特に5〜15%程度が好ましい。
傾斜板51〜58の鉛直方向の寸法は、傾斜板51〜58の幅員の0.5〜10倍、特に1〜3倍であり、槽体21の水深の20〜90%、特に40〜80%程度が好ましい。
各傾斜板51〜58の傾斜角度(水平面に対する仰角)は、45°〜80°特に約55〜70°程度が好適である。なお、各内壁面27において、各傾斜板51〜58はいずれも右傾しているが、各内壁面27において、各傾斜板51〜58が左傾していてもよい。
この沈殿槽のその他の構成は第1図〜第4図の実施の形態と同一である。
このように構成された沈殿槽20において、原水はフィードウェル22(第7,第8図では図示略)内に供給され、主として槽体底面28から槽体内壁面27に沿って流れ、溢流堰25を溢流し、清澄水排出管26より排出される。原水は、これら内壁面27に沿って流れる間に、傾斜板51〜58同士の間を流れることにより、効率良く沈降分離処理がなされる。沈降物は、内壁面27から槽体底面28に沿って流れ、ピット状の排出部23に流れ込み、ここから槽体21外へ排出される。
この実施の形態では、傾斜板51〜58の間隔p〜pがコーナー側となるほど小さいものとなっている。このため、槽体21のコーナー部に辺央部よりも優勢な上昇流が生じることが抑制され、内壁面27に沿う上昇流が内壁面27の左右方向において均等化されるようになる。これにより、原水中の固形分を十分に沈降分離することができ、水質の良好な清澄液を生成させることができる。
この実施の形態では、最もコーナー側の傾斜板51から辺央部の傾斜板58にかけて間隔p〜pが序々に増大するよう構成されているが、コーナー部に近い複数枚の傾斜板の間隔が互いに等しく、かつ、それらよりも辺央部側の傾斜板の間隔よりも小さいものであってもよい。また、この実施の形態では、辺央部に位置する傾斜板58と、その両側の2枚の傾斜板57,57同士の間隔pが同一幅員のものとなっているが、辺方向の中間に最も間隔が小さくなるように2枚の傾斜板を配置し、コーナー側にかけて傾斜板の間隔を序々に大きくしてもよい。また、辺央部以外においても、一部の隣接する2枚もしくは複数枚の傾斜板の間隔が等しい構成とされてもよい。また、隣接する傾斜板の間隔の差がコーナー側において小さく、辺央部側において大きくなるようにしてもよい。即ち、(p−p)<(p−p)<(p−p)<(p−p)<(p−p)<(p−p)としてもよい。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されない。
例えば、第1〜第3態様のうちいずれか2態様の構成を具備してもよく、3態様のすべての構成を具備してもよい。
上記実施の形態では槽体21は平面視形状が四角形であるが、三角形や五角形以上の多角形であってもよい。なお、槽体の平面視形状が長方形の場合、その長辺の長さは短辺の2倍以内であることが好ましい。
本発明では、傾斜板同士の間にラシヒリング形状の多孔質充填体を充填し、傾斜板同士の間の流路を細かく分割してもよい。
本発明では、槽体底面に沿って回転する集泥用レーキ装置を設けてもよい。
本発明は、排水処理のほか、各種プロセスでの沈殿槽にも用いることができる。
実施の形態に係る沈殿槽の縦断図である。 図1のII−II線に沿う水平断面図である。 図2の一部分の拡大図である。 図2のコーナー部の斜視図である。 別の実施の形態に係る沈殿槽の縦断図である。 図5のVI−VI線断面図である。 さらに別の実施の形態に係る沈殿槽の縦断図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 従来の沈殿槽の縦断面図である。 図10(a)は図9のX−X線矢視図、図10(b)は同(a)のB−B線断面図である。 図11(a)は別の従来例の沈殿槽の縦断面図、同(b)はさらに別の従来例の沈殿槽の縦断面図である。
符号の説明
20 沈殿槽
21 槽体
22 フィードウェル
25 溢流堰
27 内壁面
31〜35,41〜45,51〜58 傾斜板

Claims (10)

  1. 槽体の中央部に供給された原水の少なくとも一部が、該槽体の内壁面に沿って上昇し、該槽体上部の溢流部から清澄水となって流出する沈殿槽であって、該槽体の内壁面に沿って、鉛直方向に対し斜交方向に延在した傾斜板を設けた沈殿槽において、
    該槽体は、複数の平面状の内壁面が連なった、平面視形状が多角形のものであり、
    該槽体の内壁面同士が連なる隅角部側に配置された該傾斜板の該内壁面からの突出方向の幅員は、該内壁面の辺央部側に配置された該傾斜板の該突出方向の幅員よりも大きいことを特徴とする沈殿槽。
  2. 請求項1において、前記傾斜板の該幅員は、最も辺央部側の傾斜板から最も隅角部側の傾斜板にかけて徐々に大きくなっていることを特徴とする沈殿槽。
  3. 請求項1又は2において、最も隅角部側の傾斜板の幅員は最も辺央部側の傾斜板の幅員の1.2〜10倍であることを特徴とする沈殿槽。
  4. 槽体の中央部に供給された原水の少なくとも一部が、該槽体の内壁面に沿って上昇し、該槽体上部の溢流部から清澄水となって流出する沈殿槽であって、該槽体の内壁面に沿って、鉛直方向に対し斜交方向に延在した傾斜板を設けた沈殿槽において、
    該槽体は、複数の平面状の内壁面が連なった、平面視形状が多角形のものであり、
    該槽体の内壁面同士が連なる隅角部側に配置された該傾斜板の上下方向長さは、該内壁面の辺央部側に配置された該傾斜板の上下方向長さよりも大きいことを特徴とする沈殿槽。
  5. 請求項4において、前記傾斜板の該上下方向長さは、最も辺央部側の傾斜板から最も隅角部側の傾斜板にかけて徐々に大きくなっていることを特徴とする沈殿槽。
  6. 請求項4又は5において、最も隅角部側の傾斜板の上下方向長さは最も辺央部側の傾斜板の上下方向長さの1.1〜5倍であることを特徴とする沈殿槽。
  7. 槽体の中央部に供給された原水の少なくとも一部が、該槽体の内壁面に沿って上昇し、該槽体上部の溢流部から清澄水となって流出する沈殿槽であって、該槽体の内壁面に沿って、鉛直方向に対し斜交方向に延在した傾斜板を設けた沈殿槽において、
    該槽体は、複数の平面状の内壁面が連なった、平面視形状が多角形のものであり、
    該槽体の内壁面同士が連なる隅角部側における該傾斜板の配列間隔は、該内壁面の辺央部側における該傾斜板の配列間隔よりも小さいことを特徴とする沈殿槽。
  8. 請求項7において、前記傾斜板の配列間隔は、最も辺央部側から最も隅角部側にかけて徐々に小さくなっていることを特徴とする沈殿槽。
  9. 請求項7又は8において、最も該隅角部側の傾斜板の配列間隔は辺央部の傾斜板の配列間隔の25〜85%であることを特徴とする沈殿槽。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項において、各傾斜板の傾斜角度が同一であることを特徴とする沈殿槽。
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