JP2009054289A - アノード材料とその製造方法及びこのアノード材料を用いた燃料電池。 - Google Patents

アノード材料とその製造方法及びこのアノード材料を用いた燃料電池。 Download PDF

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Abstract

【課題】CO酸化活性や価格の面などで問題のない酸化物を担持した導電性炭素ナノへテロアノード材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】アノード材料として、導電性カーボンと、希土類元素などの成分を固溶せず、かつ比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下の未ドープCeO粉末と、比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下のSnO粉末と、平均2次粒子径が30ナノメーター以下のPtの混合物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、メタノールなどの可燃性アルコールを用いる燃料電池のアノード電極とそれを構成する材料の製造方法に関する。
Pt/導電性炭素アノード材料は、高分子型燃料電池用電極材料として用いられる代表的な電極材料である。この材料による電極は、高い電極活性を示すものの、燃料として高純度水素を用いる必要があるという使用上の制約を有していた。
その原因として、燃料電池発電用に用いられる燃料に、微量の可燃性不純物が混在した場合、白金(Pt)表面で、可燃性成分は、燃焼し二酸化炭素(CO)と一酸化炭素(CO)といったガス成分を発生させるが、なかでもCOは、極めて微量であっても、Pt表面上に極めて強く吸着し、Pt表面の活性を著しく低下させることによることが知られている(非特許文献1)。
近年、燃料電池を携帯機器用電源に利用する試みが盛んに検討されているが、この場合は燃料に、水素に代わり、メタノールなどの可燃性アルコールを用いることが一般的である。このように燃料にメタノールを用いて、直接、メタノールを燃料電池内に、燃料として供給する燃料電池を、ダイレクトメタノール型燃料電池と呼ぶが、この燃料電池では、上記のCOによるPt電極の性能低下(CO被覆現象)の問題を克服することが重要であると考えられている。
そこで、従来、ダイレクトメタノール型燃料電池用アノード電極としては、Ptと金属ルテニウム(Ru)や、金属鉄(Fe)、金属マンガン(Mn)などの金属元素の間で合金ナノ粒子を作製し、このナノサイズ合金粒子を導電性カーボン上に分散させることで、Pt自身のCO被覆現象を低下させ、燃料としてメタノールやエタノールといった可燃性アルコールを用いるこころみがなされている(非特許文献2)。
こうしたアルコールを燃料として用いた場合、Pt表面上では、水素とCOが多量に発生するが、Ru、Fe、またはMnといった金属と合金をつくることで、Pt表面の電子がRuなどの合金成分金属側に強く引き寄せられることで、PtとCO間の結合が弱まり、そのうえ、Ruなどの添加金属元素上で活性化した活性な水酸化物イオンが、Pt表面に吸着したCOを酸化してCOに転化することから、Ptの高い電極活性を低下させることなく、長期間燃料電池を利用することが可能になった。
しかし、添加するRu金属は希少な得がたいもの(高価)であるとともに、COの酸化活性はいまだ十分に高いものではなく、他の安価な酸化鉄や酸化マンガンといった化合物も、Ruほどの高いCO酸化活性を示すにいたっていないため、こうしたPt/第2成分/導電性炭素からなるアノード材料を用いることは、いまだ実用化がなされていない。
M.Watanabe, et al., Denki Kagaku, 38巻, 927頁−932頁, 1970年、電気化学協会発行 渡辺政廣、触媒(Catalysis and Catalyst)、44巻、3号、182頁−188頁、2002年、触媒学会発行
背景技術において述べたように、従来のPt/第2成分/導電性炭素系アノード材料は、CO酸化活性や価格の面など、いくつかの点で困難な問題があった。本発明は、このような問題のないPt/CeO・SnO/導電性炭素ナノへテロアノード材料およびその製造方法を提供しようというものである。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意検討を続けた結果、以下の発明を得るに至った。
発明1のアノード材料は、導電性カーボンと、希土類元素などの成分を固溶せず、かつ比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下の未ドープCeO粉末と、比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下のSnO粉末と、平均2次粒子径が30ナノメーター以下のPtの混合物であることともに、その材料が下記化学式1を満たすものであることを特徴とする。
(化学式1)
XPt/Y(ACeO・(1−A)SnO)/Zcarbon
(ただし式中、X、Y、Z、Aは、それぞれ白金(Pt)、CeO、SnO、carbonの含有割合を示すものであり、5×10−2≦X≦4×10−11×10−1≦Y≦3×10−1、Z=1−X−Y、6×10−1≦A<8×10−1であり、Carbonは導電性カーボンを表す)
発明2は、発明1又は2のアノード電極を構成する材料の製造方法であって、以下の工程によることを特徴とする。
濃度5×10−2(M)以上8×10−1(M)以下の硝酸セリウム水溶液を、45℃以上60℃以下の温度にした濃度1×10−1(M)以上5×10−1(M)以下の炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウム水溶液中に、2.5ml/min以下の速度で滴下してセリア前駆体を作製する第一工程と、
第一工程で得られたセリア前駆体を2×10時間以上4×10時間未満その温度に保持して固−液分離し、水洗して乾燥し、その固形分を得る第二工程と、
第二工程で得られた固形分を酸素流雰囲気中にて3×10℃超5×10℃未満で仮焼して結晶性セリアナノ粉末を作製する第三工程と、
第三工程で得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度1×10-2(M)以上5×10-2(M)以下)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥させる第四工程と、
第四工程にて得られた固形分を3×10℃超5×10℃未満の温度で、水素流雰囲気下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)1×10−3(g・min/ml)以上1×10−2(g・min/ml)以下でさらに仮焼する第五工程と、
第五工程にて得られた粉末に、室温においてSnO粉末を物理的に混合した後、導電性カーボンと混合する第六工程。
発明3は、発明1又は2のアノード材料をアノード電極の構成材料としたことを特徴とする燃料電池
本発明は、ダイレクトメタノール型燃料電池などに利用可能なアノード電極特性を大幅に改良することに成功したものであり、今後、ダイレクトメタノール型燃料電池を始めとした各種燃料電池(高分子型燃料電池、中温作動・酸化物形燃料電池)等において使用され、それらの性能アップと、優れた性能の長期安定性に大いに寄与するものと期待される。とりわけ、近年注目されているダイレクトメタノール型燃料電池の小型化、高出力化、低価格化には大いに寄与するものと期待され、その意義は極めて大きいし、重大である。
ここに、本発明のアノード材料は、導電性カーボンと、希土類元素などの成分を固溶せず、かつ比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下の未ドープCeO粉末と、比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下のSnO粉末と、平均2次粒子径が30ナノメーター以下のPtの混合物である。
CeO粉末の比表面積は、1×10m/g以上1×10/g以下でなければならない。比表面積がこの範囲を下回ると、PtやSnOとの相互作用が低下する。一方、上記範囲を上回る場合、CeOは微粒子ではなく、多孔体や表面にナノ細孔を多量にもつようになり、そのことがかえって、PtやSnOとの十分な接触界面を確保することを妨げる。
アノード材料中のSnO粉末の比表面積もまた、1×10m/g以上1×10/g以下でなければならない。この範囲を下回るとPtやCeOとの相互作用が低下する。一方、上記範囲を上回る場合、SnOは微粒子ではなく、多孔体や表面にナノ細孔を多量にもつようになり、そのことがかえって、PtやCeOとの十分な接触界面を確保すること妨げる。
アノード材料中のPtの平均2次粒子径は、30ナノメーター以下であることが好ましい。平均2次粒子径が30ナノメーターを上回る場合には、Pt、 CeO、 SnO間の相互作用が十分に高まらないので好ましくなく、一方、Ptの平均2次粒子径が、極端に小さいということも現実的にはありえないので、1ナノメーター程度の大きさになっていれば、十分に本発明で開示した効果は現れるので、1ナノメーター以上であればよい。
また、その素材組成としては下記(式1)を満たすものがより好ましい。
(化学式1)
XPt/Y(ACeO・(1−A)SnO)/Zcarbon
(ただし式中、X、Y、Z、Aは、それぞれ白金(Pt)、CeO、SnO、carbonの含有割合を示すものであり、5×10−2≦X≦4×10−11×10−1≦Y≦3×10−1、Z=1−X−Y、6×10−1≦A<8×10−1であり、Carbonは導電性カーボンを表す)
上記のXの範囲を下回ると、活性発現の主役であるPt量が過少であることから、例えば、燃料(メタノール、エタノールなどのアルコール類)からの十分な水素生成が行いにくくなる傾向となることから望ましくない。また上記Xの範囲を上回っても、効果の向上はあまり望めない上、Ptを多量に使用することになり、材料自体の価格が高くなるので望ましくない。
一方、上記一般式中のCeOは、Pt表面に吸着したCOを酸化する働きをすると考えられる活性な酸素を放出すると考えられるうえ、CeO上のPtと同時に還元処理を施すことで、PtとCeO間の相互作用が強まり、Pt表面の電子状態を、通常ではPt表面に現れない1価の状態にし、COとの結合を弱める働きをする。さらに、後に述べるSnO粒子とCeO粒子間の相互作用もPtの活性を高めるうえで重要であると考えられることから、上記Yの範囲を下回ると、このCeOが不足する傾向となり、CO被覆低減効果が低下するので望ましくない。一方、上記の範囲を上回ると、CeO自身に導電性が低下する傾向となり望ましくない。
CeOとSnOの相互の割合を決めるAは6×10−1≦A<8×10−1であるのが好ましい。この範囲を下回るとCeOの割合が少な過ぎることから、Pt上に吸着したCOを酸化する能力が低下する傾向になるので望ましくない。また、この範囲を上回ると、導電性を有するSnOの添加効果が十分に現れずに、望ましくない。上記の範囲の中で、さらに好ましいAの値は0.3の場合である。この場合にはCeOとSnOの界面に(CeSn)O2−xという固溶体表面がもつ酸素欠陥構造が形成されるものと考えられる。(CeSn)O2−xという固溶体は、CeOとSnOの状態図の中では、高温でのみ安定に存在する結晶相であると考えられているが、CeOとSnOの界面では、CeO/SnO= 2/1 (CeO/(CeO+SnO) = 0.77)の割合で配合された場合、上述の(CeSn)O2−x固溶体の表面がもつ酸素欠陥構造が形成されることで、CeO上のPtとの相互作用が最大化し、アノード性能が最大化するものと考察される。
導電性カーボンの割合Zは、上記XとYの値とZを足した合計が1になることが望ましい。この割合を下回ると、アノード材料全体の導電特性が低下する傾向にあるので望ましくはない。また、導電性については上述の割合を上回る場合でも大きな変化はないが、Pt/CeOとSnOの界面の形成が阻害されるか、Pt/CeO/SnOの表面全体を導電性カーボンが覆い、電極反応を阻害する傾向があると思われるので望ましくはない。上述のX、Y、及びZの関係を満たすことが望ましい。
さらに、本発明におけるアノード材料を作成する方法として以下の工程を採用した。
濃度5×10−2(M)以上8×10−1(M)以下の硝酸セリウム水溶液を、45℃以上60℃以下の温度にした濃度1×10−1(M)以上5×10−1(M)以下の炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウム水溶液中に、2.5ml/min以下の速度で滴下してセリア前駆体を作製する第一工程と、
第一工程で得られたセリア前駆体を2×10時間以上4×10時間未満その温度に保持して固−液分離し、水洗して乾燥し、その固形分を得る第二工程と、
第二工程で得られた固形分を酸素流雰囲気中にて3×10℃超5×10℃未満で仮焼して結晶性セリアナノ粉末を作製する第三工程と、
第三工程で得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度1×10-2(M)以上5×10-2(M)以下)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥させる第四工程と、
第四工程にて得られた固形分を3×10℃超5×10℃未満の温度で、水素流雰囲気下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)1×10−3(g・min/ml)以上1×10−2(g・min/ml)以下でさらに仮焼する第五工程と、
第五工程にて得られた粉末に、室温においてSnO粉末を物理的に混合した後、導電性カーボンと混合する第六工程。
<第一工程>
高比表面積CeO粒子を作製するために、まず硝酸セリウム水溶液(濃度5×10−2(M)以上8×10−1(M)以下)を調整する。原料水溶液の濃度は、合成されるCeO粒子の比表面積に関係している。本発明に示す範囲を下回ると、粒子の凝集が大きくなり、高性能化に必要な高表面積が得にくくなるので好ましくない。一方、上記濃度範囲を上回る場合も、空孔径の小さな粒子が多数生じるので、比表面積の低いものが生じるので好ましくない。
この水溶液を炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウム水溶液(いずれも濃度1×10−1(M)以上5×10−1(M)以下)中に滴下するが、この際の水溶液温度は、45℃以上60℃以下であることが好ましい。この温度を下回ると沈殿剤である炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムの反応速度が低く、高い比表面積をもつCeO粒子をつくるための沈殿が沈殿剤中に生成しにくくなり好ましくない。一方、この温度を上回ると、沈殿の溶液中への再溶解が進み、結果として、高い比表面積をもつCeO粒子をつくるための前駆体が沈殿剤中に生成しにくくなり好ましくない。さらに、沈殿剤である炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウム水溶液の濃度は、1×10−1(M)以上5×10−1(M)以下が好ましい。沈殿剤濃度がこの範囲を下回ると、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムとセリウム溶液間の反応性が低く、高い比表面積をもつCeO粒子をつくるための沈殿が沈殿剤中に生成しにくくなり好ましくない。一方、沈殿剤濃度が、この範囲を上回ると、熱分解が高温でおき、比表面積の低下を引き起こす沈殿が生じやすくなるため、高い比表面積をもつCeO粒子を作製することが難しくなる傾向になるので好ましくない。
この滴下速度は、2.5ml/min以下の滴下速度であることが好ましい。しかし、1ml/minを下回っても、1ml/min以上の場合に比してより高い効果が得られない。また、2.5ml/minを越えると生成する沈殿の凝集がすすみ始めることから、高い比表面積をもつCeO粒子をつくるための沈殿が沈殿剤中に生成しにくくなるので好ましくない。
<第二工程>
第二工程にて得られた沈殿(セリア前駆体)は、上述の温度において、2×10時間以上4×10時間未満保持して、沈殿の熟成を行うことが好ましい。この熟成時間が上記範囲を下回り短いと、高い比表面積をもつCeO粒子をつくるための前駆体が沈殿剤中に生成しにくくなるので好ましくない。また逆に、この時間が上記範囲を上回ると(長すぎると)、沈殿の再溶解と再析出が活発にくり替えされ、高い比表面積をもつCeO粒子をつくるための前駆体が沈殿剤中に含まれにくくなるので好ましくない。
<第三工程>
上記第二工程で得られた固−液混合物を固−液分離し、水洗と乾燥を行い、得られた沈殿物(固形分)は、3×10℃超5×10℃未満の温度において、酸素流通下において仮焼し、結晶性セリアナノ粉末を作製する。
この仮焼温度が低いと、十分に前駆体の熱分解が終了せず、未酸化分解反応物が、非晶質状態のまま、CeO粒子の中に取り残され、CeO粒子の働きが阻害されることから好ましくない。また、上記温度範囲を上回ると、高温での熱分解によりCeO粒子の比表面積が大きく低下し、CeO粒子とPtやSnOとの相互作用が低下するので好ましくない。この焼成時間については特に制限はないが、あまり短すぎても、前記低温時と同様に熱分解が十分に進行しないため好ましくない。なお時間が長すぎる場合は、効果の向上がないので、余分なことになる。前記焼結温度を最低温度にした場合でも1時間〜3時間程度の範囲が望ましい。また、最高温度にした場合は、1/2時間〜1時間が好ましい。
<第四工程>
第三工程で得られたセリアナノ粉末は、塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度1×10-2(M)以上5×10-2(M)以下)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥する。
PtCl・6HO水溶液の濃度が上記範囲を上回ると、Pt粒子の凝集がおこり、CeOやSnOとの間に必要な電子のやりとりが阻害されるので好ましくない。また、上記範囲を下回ると、溶媒の乾燥に、極めて長時間を必要とするものの、それなりの効果しか得られないので、工業的に好ましくないことから、その濃度は、0.01M以上が好ましい。
また、溶媒の乾燥は、不活性ガス流通下において室温において行うことが好ましく、室温を越える高温度で乾燥を行うと、Pt粒子の凝集をまねくので好ましくない。
0℃以上室温以下の低温で乾燥を行うと、乾燥ガス中への水分などの溶媒の揮発速度が、著しく遅くなり、乾燥に多大な時間が必要となるので、好ましくない。また0℃未満の極低温では、水分などの溶媒が固体化し、乾燥効果が現れないので、好ましくない。
<第五工程>
第四工程で得られたPt/CeO(固形分)は、3×10℃超5×10℃未満の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)1×10−3(g・min/ml)以上1×10−2(g・min/ml)以下で仮焼することで、PtのCeO表面への担持を行うことが好ましい。上記温度を下回ると、Ptの表面が十分に還元されないうえ、PtとCeO間の相互作用により、はじめて現れるPt+1価の電子状態が、Pt表面に現れないので好ましくない。また上記温度範囲を上回ると、白金の凝集が大きくなり、期待される電極性能が現れないので好ましくない。さらに、こうした焼付け処理は、W/F(試料重量/水素ガス流量)1×10−3(g・min/ml)以上1×10−2(g・min/ml)以下の水素ガス流通下で行うことが好ましい。このW/F(試料重量/水素ガス流量)が
この範囲を上回る(水素ガスの流量が少なすぎる)と、Ptの還元処理が十分に行われれないのみならず、副生成物として塩化セリウムが生成し、著しく活性が低下するので、好ましくない。また、この範囲を下回(水素ガス流量が多すぎ)ても、それなりの効果しか期待できないので、ここで示す下限のW/Fにおいて、試料を処理すればよい。
また、この処理時間については、特に制限はないが、あまり短すぎても、十分な効果が期待できない。なお時間が長すぎる場合は、効果の向上がないので、余分なことになる。1/2時間から2時間の範囲で、選択すればよい。
<第六工程>
第五工程を行ったのちに、Pt/CeOとSnO粉末と物理的に混合することが好ましい。Pt/CeOとSnO粉末を室温において物理的に混合するだけで、その界面には活性な界面が構築される。この混合を加熱状態で行っても、CeOとSnOの界面は大きく変化することはないので、室温で十分に物理的に混合すれば良い。こうしてえられた生成物は、導電性カーボンと混合することで、優れた性能を有するアノード材料の提供が可能になる。
前記アノード材料をアノード電極に用いたことを特徴とする燃料電池について、
電極性能は、電極の電流値のみで規定されるものはなく、メタノールの酸化反応が開始される電位(On Set Potentialと呼ばれる)が低いことも重要である。この電位が低いということは、Pt上に吸着したメタノールの酸化が極めて容易に起こることを意味している。また、低いon set potentialを有するアノードを燃料電池用の電極として用いることで、燃料電池を発電させる場合に生じるアノード損失を低減させ、燃料電池から大きな電流密度ならびに出力をとりだすことが可能になる。よって、on set potentialは十分に低いものでなければならない。このon set potentialを低下させる働きは、Pt/CeO/SnO/導電性炭素アノード材料中のPt−CeO粒子間やCeO−SnO粒子間の相互作用が相まって、はじめて現れるものであり、こうした相互作用は、上記の組成及び製造方法をもってしてはじめて可能となる。
次に、本発明を実施例、図面及び比較例に基づいて説明する。但し、これらの実施例は、あくまでも本発明を具体的に示し、容易に理解するための一助として開示するものであって、本発明の内容は、これらの実施例により制限されるものではない。
実施例1;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(CI化成株式会社製、NanoTek)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、粉末状のアノード材料を得た。
図1には、得られたアノード材料のX線回折図を示す。結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、濃度0.5(M)の HSO 水溶液と濃度 0.5(M)のメタノールの混合水溶液中において、50mV/sの走査速度で、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
図2には、本実施例で得られたアノード材料の28℃におけるサイクリック・ボルタモグラムを示す。この図からも分かるように、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す2.6mA/cmの大きな電流値のピークが確認された。このピークの大きさは、メタノールから水素が発生した際に、副生成物として発生するCOのCOへの転化の効率をはかる指標となり、大きな電流値がとれるほど、COのCOへの転化反応が容易に進むことを意味していることから、実施例1において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加が起こり、かつ副生成物であるCOのCOへの転化反応が容易に進み、極めて高い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こることか否かを示す指標であるon set potentialも、図3に示すように0.39(V vs. RHE)と十分に低いものであった。
実施例1で得られた結果を、表1から表6にまとめて示した。
実施例2;
組成が20wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/61wt%Cになるように、出発原料として、0.1(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.2(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、46℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を1.2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、46℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、380℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.015M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、380℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.002(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、粉末状のアノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ72及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果31m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は9nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す2.6mA/cmの大きな電流値のピークが確認されたことから、実施例2において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加が起こり、かつ副生成物であるCOのCOへの転化反応が容易に進み、極めて高い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.39(V vs. RHE)と十分に低いものであった。
実施例2で得られた結果を、実施例1同様、表1から表6にまとめて示した。
実施例3;
組成が35wt%Pt/30wt%(0.77CeO0.33SnO)/35wt%Cになるように、出発原料として、0.7(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.4(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、35時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、430℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.045M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、430℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)1×10−2(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、粉末状のアノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ38及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果20m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は13nmであった。
こうして得られたアノード材料を、濃度0.5(M)の HSO 水溶液と濃度 0.5(M)のメタノールの混合水溶液中において、50mV/sの走査速度で、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
本実施例で得られたアノード材料の28℃におけるサイクリック・ボルタモグラムは、実施例1の図1と同様な形状を示し、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す2.8mA/cmの大きな電流値のピークが確認された。このピークの大きさは、メタノールから水素が発生した際に、副生成物として発生するCOのCOへの転化の効率をはかる指標となり、大きな電流値がとれるほど、COのCOへの転化反応が容易に進むことを意味していることから、本実施例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加が起こり、かつ副生成物であるCOのCOへの転化反応が容易に進み、極めて高い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialは、0.39(V vs. RHE)と十分に低いものであった。
実施例3で得られた結果を、表1から表6にまとめて示した。
実施例4;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.65CeO0.35SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、58℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2.4ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、58℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(CI化成株式会社製、NanoTek)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、粉末状のアノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1で示した図1と同様な結果を示し、その結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、濃度0.5(M)の HSO 水溶液と濃度 0.5(M)のメタノールの混合水溶液中において、50mV/sの走査速度で、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
本実施例で得られたアノード材料の28℃におけるサイクリック・ボルタモグラムは、実施例1の図2と同様な形状を示し、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す2.4mA/cmの大きな電流値のピークが確認された。このピークの大きさは、メタノールから水素が発生した際に、副生成物として発生するCOのCOへの転化の効率をはかる指標となり、大きな電流値がとれるほど、COのCOへの転化反応が容易に進むことを意味していることから、本実施例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加が起こり、かつ副生成物であるCOのCOへの転化反応が容易に進み、極めて高い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こることか否かを示す指標であるon set potentialは、0.40(V vs. RHE)と十分に低いものであった。
実施例4で得られた結果を、表1から表6にまとめて示した。
実施例5;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.72CeO0.28SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、46℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、46℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(CI化成株式会社製、NanoTek)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、粉末状のアノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1で示した図1と同様な結果を示し、その結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果27m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、濃度0.5(M)の HSO 水溶液と濃度 0.5(M)のメタノールの混合水溶液中において、50mV/sの走査速度で、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
本実施例で得られたアノード材料の28℃におけるサイクリック・ボルタモグラムは、実施例1の図2と同様な形状を示し、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す2.4mA/cmの大きな電流値のピークが確認された。このピークの大きさは、メタノールから水素が発生した際に、副生成物として発生するCOのCOへの転化の効率をはかる指標となり、大きな電流値がとれるほど、COのCOへの転化反応が容易に進むことを意味していることから、本実施例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加が起こり、かつ副生成物であるCOのCOへの転化反応が容易に進み、極めて高い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialは、0.39(V vs. RHE)と十分に低いものであった。
実施例5で得られた結果を、表1から表6にまとめて示した。
比較例1;
組成が3wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/78wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿(固形分)は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.5mA/cmの小さな電流値のピークが確認されたことから、比較例1において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.52(V vs. RHE)と高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例1で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例2;
組成が20wt%Pt/5wt%(0.77CeO0.33SnO)/75wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.8mA/cmの小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.51(V vs. RHE)と高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例2で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例3;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.5CeO0.5SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.2mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.48(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例3で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例4;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.85CeO0.15SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.3mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.48(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例4で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例5;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cを基準として、この配合割合に、さらに20wt%C分を添加した組成となるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.4mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.47(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例5で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例6;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.02(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ6及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.8mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.52(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例6で得られた結果を、比較例1同様、表7から表12にまとめて示した。
比較例7;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、1.2(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示し、結晶相の同定結果から、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ5及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.6mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.52(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例7で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例8;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.05(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。沈殿は生成したが、沈殿剤水溶液の濃度が低いことから十分な量の沈殿が生成していないように見受けられた。硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示していたが、CeO2のピーク強度は、極めて低いものであった。しかし、結晶相の同定結果からは、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ8及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.3mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.53(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例8で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例9;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と1.0(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。沈殿は生成したが、沈殿剤水溶液の濃度が高すぎたとから、かえって沈殿の再溶解・再析出が起こったと思われ、沈殿は生成してが、凝集が大きく、他の例に比しても明らかな違いとして、生成した沈殿が極めて早く、水溶液中において、反応容器のそこに堆積したように見受けられた。
引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ4及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.7mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.52(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例9で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例10;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、30℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、30℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ5及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.2mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.48(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例10で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例11;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、70℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、70℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ8及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.3mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.48(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例11で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例12;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を5ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード材料のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード材料は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ7及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.2mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.49(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例12で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例13;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、1時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード粉末のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード粉末は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ6及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.2mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.48(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例13で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例14;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、200℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、200℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード粉末のX線回折図は、実施例1に示した図1とはことなる結果を示し、結晶相の同定結果からは、アノード粉末は、Pt, Ce(NO, Ce(OH)(NOなどのセリウム硝酸塩及びSnOの複数の成分からなることが分かった。BET法により測定したCe塩 及びSnOの比表面積は、それぞれ15及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.3mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.54(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。その理由として、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、200℃の温度で、水素流通下において、焼成することで、電極材料中の原料の熱分解が完全に終了せず、Pt, CeO, SnOの他に Ce(NOやCe(OH)(NOなどのセリウム硝酸塩が共存したことが、結果的に、電極反応を大きく低下させる要因になったものと考察した。
比較例14で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例15;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸水素アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、550℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード粉末のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード粉末は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ8及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果8.5m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は33nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.6mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.52(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。その主たる理由は、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、550℃の温度で焼成したことで、Ptの粗大化が進み、活性を著しく低下させたものと考察した。
比較例15で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例16;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1の試料を空気中、1時間1000℃で仮焼したもの)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード粉末のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード粉末は、Pt, CeO 及びSnOの3種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ50及び8m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.1mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.48(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
比較例16で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例17;
組成が30wt%Pt/19wt%(0.77CeO0.33SnO)/51wt%Cになるように、出発原料として、0.4(M)の硝酸セリウム(純度99.99%)と0.25(M)の炭酸アンモニウム水溶液(純度99.5%)を調製し、55℃に熱した炭酸アンモニウム水溶液中に、硝酸セリウム水溶液を2ml/minの速度で滴下して沈殿を作製した。引き続き、この沈殿を含む溶液に関しては、硝酸セリウム水溶液滴下終了後、55℃の温度で、20時間熟成を行った。
こうして得られた沈殿は、水洗処理とろ過とを交互に3回繰り返したのち、エタノール処理とろ過とを交互に2回繰り返し、乾燥窒素ガス中において、2日間乾燥し、前駆体粉末を作製した。前駆体粉末は引き続き、酸素流通下において、400℃の温度で2時間仮焼して結晶性セリア粉末を作成した。得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度0.025M)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥した後、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.05(g・min/ml)で、1時間仮焼し、その後、室温において所定量のSnO粉末(実施例1の試料に同じ)を物理的に混合した後、所定量のカーボンブラック粉末と混合して、アノード材料を得た。
得られたアノード粉末のX線回折図は、実施例1に示した図1と同様な結果を示しており、結晶相の同定結果からは、アノード粉末は、Pt, CeCl, CeO 及びSnOの4種類の成分からなることが分かった。BET法により測定したCeO 及びSnOの比表面積は、それぞれ21及び60m/gであった。また作製したアノード材料中のPtの粒径を、COストリッピング法により測定した表面積から見積もった結果28m/gであり、その表面積から計算される平均2次粒子径は10nmであった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す0.4mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.53(V vs. RHE)と比較的高い値であり、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。この理由を考察するために、X線回折試験により、電極材料を調べた結果、塩化セリウムに帰属する回折線が観察され、セリアに帰属する回折線の強度が著しく低下していた。このように、副生成物である塩化セリウムの生成と不十分なPtの還元処理が、活性の大幅な低下を招いたものと考察した。
比較例17で得られた結果を、表7から表12にまとめて示した。
比較例18;
比較のために、組成が30 wt%Pt/15wt%Ru/55wt%Cとして市販されているアノード材料(Johnson Mattey社製、HighSPEC 7000)を用いて、このアノード材料を、400℃の温度で、水素流通下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)0.005(g・min/ml)で、1時間仮焼し、Pt表面の活性化処理を行った。
作製した電極物質活物質上のPt粒子は、TEM観察結果から、2次粒子径が3から5ナノメーター程度のナノ粒子になっていることが分かった。
こうして得られたアノード材料を、実施例1と同じ実験条件下において、サイクリック・ボルタンメトリーにより、電極活性評価を行った。
その結果、0.82V vs RHEの電位に、メタノール酸化を示す1.75mA/cmの比較的小さな電流値のピークが確認されたことから、本比較例において得られたアノード材料は、メタノールから水素とCOへの添加は起こるものの、副生成物であるCOのCOへの転化反応が起こりにくく、極めて低い電極活性を示すことが確認された。また、メタノールの酸化反応が容易に起こるか否かを示す指標であるon set potentialも0.46(V vs. RHE)と比較的高い値であり、本発明により作製したアノード電極にくらべ、メタノールの酸化が始まりにくい結果となった。
以上の実施例及び比較例を総合すると、本発明の特許請求の範囲で規定した、一般式に基づく組成式で規定されるアノード材料であって、アノード材料の平均粒子径、比表面積がそれぞれ特定の値を有してなる場合、その範囲外に比し極めて高い電極活性を有することが明らかにされた。すなわち、このデータによると特許請求の範囲で規定した各要件事項は、それぞれ格別意義のある事項を規定したものと言える。
近年、温暖化対策の一環として二酸化炭素削減が叫ばれる一方、高まるエネルギー需要に応えるために、高出力小型燃料電池の開発が活発に進められている。こうした燃料電池の開発には、家庭などでも気軽につける温度域で、高い出力を示す燃料電池用固体電解質の研究、開発が必要不可欠である。本発明は、まさにこのニーズに対応した燃料電池用電極材料を提供するもので、今後大いに利用されることが期待される。また本発明の高性能電極は、極めて多角的且つ基本的な観点に立脚してナノレベルへテロ界面における新たな知見を得、その上で開発することに成功したものであるところから、極めて安定した品質が保証され、今後は、燃料電池のみならず、各種技術分野において優れた電極材料として供され、且つ利用されるものと期待される。とくに、白金などのリサイクル性に優れた電極であるところから、その利用範囲は広く、新産業創出へと発展することが期待される。
本発明にもとづき合成したPt/CeO・SnO/導電性炭素系ナノへテロアノード材料(a:実施例1のアノード材料)、Pt/CeO/導電性炭素系ナノへテロアノード材料(b)と市販のPt/Ru/導電性炭素系ナノへテロアノード材料(c:比較例20のアノード材料)のX線回折図。 本発明にもとづき合成したPt/CeO・SnO/導電性炭素系ナノへテロアノード材料(a:実施例1のアノード材料)と市販のPt/Ru/導電性炭素系ナノへテロアノード材料(b:比較例20のアノード材料)のサイクリック・ボルタモグラムの比較。(電解液:0.5M硫酸水溶液+0.5Mメタノール、走査速度:50mV/sec) 本発明にもとづき合成したPt/CeO・SnO/導電性炭素系ナノへテロアノード材料(a:実施例1のアノード材料)と市販のPt/Ru/導電性炭素系ナノへテロアノード材料(b:比較例20のアノード材料)上におけるメタノール酸化反応のon set potentialの比較。

Claims (3)

  1. 酸化活性を有するアノード材料であって、導電性カーボンと、希土類元素などの成分を固溶せず、かつ比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下の未ドープCeO粉末と、比表面積が1×10m/g以上1×10/g以下のSnO粉末と、平均2次粒子径が30ナノメーター以下のPtの混合物であるとともに、下記化学式1を満たすものであることを特徴とする。
    (化学式1)
    XPt/Y(ACeO・(1−A)SnO)/Zcarbon
    (ただし式中、X、Y、Z、Aは、それぞれ白金(Pt)、CeO、SnO、carbonの含有割合を示すものであり、5×10−2≦X≦4×10−11×10−1≦Y≦3×10−1、Z=1−X−Y、6×10−1≦A<8×10−1であり、Carbonは導電性カーボンを表す)
  2. 請求項1に記載のアノード材料の製造方法であって、以下の工程によることを特徴とする。
    濃度5×10−2モル/リットル(以下(M)と記す)以上8×10−1(M)以下の硝酸セリウム水溶液を、45℃以上60℃以下の温度にした濃度1×10−1(M)以上5×10−1(M)以下の炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウム水溶液中に、2.5ml/min以下の速度で滴下してセリア前駆体を作製する第一工程と、
    第一工程で得られたセリア前駆体を2×10時間以上4×10時間未満その温度に保持して固−液分離し、水洗して乾燥し、その固形分を得る第二工程と、
    第二工程で得られた固形分を酸素流雰囲気中にて3×10℃超5×10℃未満で仮焼して結晶性セリアナノ粉末を作製する第三工程と、
    第三工程で得られたセリアナノ粉末を塩化白金酸(HPtCl・6HO)水溶液(濃度1×10-2(M)以上5×10-2(M)以下)と混合し、溶媒を不活性ガス流通下において蒸発させ乾燥させる第四工程と、
    第四工程にて得られた固形分を3×10℃超5×10℃未満の温度で、水素流雰囲気下において、W/F(試料重量/水素ガス流量)1×10−3(g・min/ml)以上1×10−2(g・min/ml)以下でさらに仮焼する第五工程と、
    第五工程にて得られた粉末に、SnO粉末を物理的に混合した後、導電性カーボンと混合する第六工程。
  3. 請求項1に記載のアノード材料をアノード電極に用いたことを特徴とする燃料電池
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