JP2009052090A - 溶鉄精錬用ランスおよび溶鉄精錬方法 - Google Patents

溶鉄精錬用ランスおよび溶鉄精錬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶鉄を精錬して一般鋼やステンレス鋼を溶製する場合において、精錬初期から中期にかけての高酸素ガス流量時点でのスピッティングおよびダストの発生量を安定して低減すると同時に、精錬末期の酸素ガス流量低下時点での鉄やクロムの酸化量を安定して抑制する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】それぞれ3個以上のノズルからなる2種類のノズルを有し、合計ノズル数は偶数であり、2種類のノズルの傾斜角度は相互に5度以上15度以下の範囲で異なり、各ノズルが円周方向に交互に配置され、傾斜角度の小さいノズルの適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズルの適正膨張絶対圧力P0P2を、精錬中のノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxに対して、下記(1)式かつ(2)式の範囲に限定した溶鉄精錬用ランスを使用して精錬する。
0max/2.0≦P0P1≦P0max/1.3 (1)
0max/1.3<P0P2≦P0max/0.8 (2)
【選択図】図2

Description

本発明は、上吹きランスを用いた溶鉄精錬における酸素ガスの吹込み方法に関する。
製鋼用転炉を例に取ると、上吹きや上底吹き転炉内での精錬反応は、上吹きランスから酸素ガスを供給して、炭素、珪素、りんなどの不純物を燃焼させることによって進行する。上底吹き転炉が開発される前の上吹き転炉では、酸素ガスを供給するとともに、鉄浴の攪拌を強化して脱炭、脱りん等の冶金反応を促進するため、上吹き酸素ガスを強噴流で浴面に衝突させるいわゆるハードブローを指向してきた。そのため、ランスノズル入口側の酸素ガス圧力を高効率で噴流の運動エネルギーに変換することを目的として単孔または複数孔の中細末広ノズル(ラバールノズル)が一般的に採用されている(非特許文献1)。この際、ラバールノズルから噴出される酸素ガスのノズル出口での圧力が雰囲気圧とほぼ等しくすることで、乱れと減衰の少ない整流化された超音速ジェットが形成されるようにノズル入口側酸素圧力を調整する酸素吹き込み方法が一般的に用いられる。この整流化された超音速ジェットが適正膨張噴流、また、ノズル出口での圧力が雰囲気圧とほぼ等しくなる条件が適正膨張条件と呼ばれている。
しかしながら、ハードブローによって浴面に深いキャビティーが形成され、これにともなって粒鉄が飛散するスピッティングやダストの発生量が増加する。そのため、溶鋼歩留が低下し、またスピッティングは炉口地金付き等の操業トラブルも発生させる。特に、転炉精錬の初期から中期段階では、精錬反応速度が酸素供給速度で律速されるために、多量の酸素ガスを短時間に供給する必要があるが、酸素ガス流量を増加するほどハードブローとなり、スピッティングやダスト発生量が増大する。したがって、底吹きガスによって鋼浴の攪拌が担保される現在の上底吹き転炉においては、精錬初期から中期にかけての段階は、高酸素ガス流量を維持しつつ、できるだけ噴流強度を弱めるソフトブローが望ましい。
一方、精錬末期における脱炭反応は火点近傍の溶鉄中炭素の物質移動に律速される。したがって、炭素濃度が低下して火点に供給される炭素量が低下する精錬末期においては、過剰の酸素供給は鉄の過酸化やステンレス鋼精錬の場合のクロムの過酸化を招き、鉄やクロムの歩留が悪化するとともに、鋼中酸素濃度も高くなり、出鋼後の脱酸コストも増大するため、酸素流量を供給炭素量に応じて低減させる方が望ましい。また、火点での炭素の物質移動を促進して脱炭反応効率を向上するためには、火点部の攪拌を強化するためにハードブローとする方が良い。さらに、ソフトブローにしすぎた場合、炉内においてCOガスの二次燃焼が発生することや酸素ガス噴流が炉壁に衝突する等の現象が起き、酸素ガス反応効率の低下や耐火物損耗の増加といった問題を生じる。以上のことから、精錬末期の段階では、酸素ガス流量を低下する一方でできるだけ噴流強度を高めるハードブローが望ましいが、従来の一般的な酸素吹き込み方法では、酸素流量を低下するほどソフトブローとなり、前述のような問題を生じやすい。
スピッティングやダストの発生量を低減する手段として、ジェットの浴面への衝突エネルギーを分散できるランスの多孔化が有効であり、現状の製鋼用転炉において多孔ランスが広く使用されている。多孔ランスは同一円周上に一定傾斜角度のノズルを配置したものであり、孔数が多いほどジェットの衝突エネルギーを分散させる効果が大きいが、多孔化に伴い各ノズルから噴出されるジェットの重なりが問題となる。すなわち、ジェット同士が重なって一つのジェットとなった部分では、多孔化によって分散させたエネルギーが再び合算されるためにハードブローとなり、深いキャビティーが形成される。
この問題を解決するための一つの手段として、多孔ランスの傾斜角度を大きくし、キャビティーの重なりを小さくする方法(特許文献1)が提案されている。また、より効果的にキャビティーの重なりを小さくするために、傾斜角度の異なる2種類のノズルを交互に配置する方法(特許文献2)も提案されている。さらには、スピッティングの増大に影響の大きい傾斜角度の小さい方のノズル径を小さくすることで、他方のノズルから噴出されるジェットよりも強度を弱める方法(特許文献3)も提案されている。
精錬末期の酸素ガス流量低下時の攪拌力を強化することで過酸化を防止するための手段としては、例えば、酸素管路内にスピンドルを設け、そのスピンドルを上下に昇降させることにより、管路のスロート部の断面積を可変にし、酸素ガス噴流の出口部での流速を維持したまま、酸素流量を低下させる転炉製鋼用ランスが提案されている(特許文献4)。
また、ステンレス鋼精錬における末期のクロム酸化抑制を目的として、上吹きガスに窒素などの非酸化性希釈ガスを混合する方法(例えば、特許文献5、特許文献6)も提案されている。
また、精錬初期から中期のスピッティングやダストの発生量低減と末期の過酸化抑制を両立させるための手段としては、酸素ジェットを意図的に適正膨張条件から外した不適正膨張状態を利用する方法が提案されている。すなわち、精錬初期から中期にかけては不適正膨張状態としてソフトブローとし、精錬末期に適正膨張状態に近くすることで酸素流量を低減した場合でも噴流流速をほぼ一定に保ったハードブローとする方法(特許文献7、特許文献8)である。なお、非特許文献2には、ラバールノズルを用いた転炉上吹きランスの噴流挙動について、特に不適正膨張挙動を調査した結果が記載されている。
特開昭60−165313号公報 特許2848010号公報 特許3424534号公報 特公昭47−4770号公報 特開昭58−130216号公報 特公平1−54409号公報 特許3655662号公報 特開平10−219332号公報 第3版「鉄鋼便覧」、分冊II、日本鉄鋼協会編、1982,p.468 K.Naito et.al., "Characteristics of Jets from Top-blown Lance in Converter", ISIJ International, Vol.40, No.1, pp.23-30
多孔ランスの傾斜角度を大きくし、キャビティーの重なりを小さくする方法では、ノズルの傾斜角度が全て等しいため、効果を得るためには傾斜角度を十分に大きくする必要があり、酸素噴流が炉壁に衝突して耐火物損耗が著しく増大する課題があった。
傾斜角度の異なる2種類のノズルを交互に配置する方法では、酸素ガス流量を大幅に増加した場合にスピッティング抑制が不十分である、精錬末期に酸素ガス流量を低下した場合にソフトブローとなりすぎる、などの課題があった。また、傾斜角度の小さい方のノズル径を小さくすることで、他方のノズルから噴出されるジェットよりも強度を弱める方法では、火点の攪拌に対する寄与が大きい傾斜角度の小さいノズルからの酸素ガスの流量が小さいため、精錬末期に酸素ガス流量を低下した場合に火点の攪拌を強化できるほどのハードブローを維持できない課題があった。
管路内に設けたスピンドルを上下に昇降させる方法では、スピンドルの駆動機構が複雑となり、多大な設備費を要する上に、噴流の合体によりスピッティングが多くなるという課題があった。
ステンレス鋼精錬において、非酸化性希釈ガスを混合する方法では、アルゴンガスを使用した場合にはガスのコストが増加する、窒素ガスを使用した場合には窒素ピックップが生じる、また溶鉄の温度が低下する、などの課題があった。
不適正膨張状態を利用する方法では、各ノズルから噴出される単独の酸素ジェットの特性を利用したものであり、噴流強度の制御範囲が狭く、スピッティングやダストの発生量の低減効果と精錬末期の過酸化抑制効果を十分に両立できない課題があった。
本発明は、酸素ガス流量を変更した場合の噴流強度の制御範囲を高め、精錬初期から中期にかけての高酸素ガス流量時点でのスピッティングおよびダストの発生量を安定して低減すると同時に、精錬末期の酸素ガス流量低下時点での鉄やクロムの酸化量を安定して抑制する方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)酸素ガスを供給しながら溶鉄を精錬する際に用いる溶鉄精錬用ランス1であって、ランス長手方向とノズル噴出方向との角度を傾斜角度θとし、3個以上の傾斜角度の小さいノズル21と、3個以上の傾斜角度の大きいノズル22を有し、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22の合計ノズル数は偶数であり、傾斜角度の小さいノズルの傾斜角度θ1と大きいノズルの傾斜角度θ2は5度以上15度以下の範囲で異なり、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22が円周方向に交互に配置され、傾斜角度の小さいノズル21の適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズル22の適正膨張絶対圧力P0P2を、精錬中のノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxに対して、下記(1)式かつ(2)式の範囲に限定したことを特徴とする溶鉄精錬用ランス。
0max/2.0≦ P0P1 ≦ P0max/1.3 (1)
0max/1.3< P0P2 ≦ P0max/0.8 (2)
(2)酸素ガスを供給しながら溶鉄を精錬するにあたり、ランス長手方向とノズル噴出方向との角度を傾斜角度θとし、3個以上の傾斜角度の小さいノズル21と、3個以上の傾斜角度の大きいノズル22を有し、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22の合計ノズル数は偶数であり、傾斜角度の小さいノズルの傾斜角度θ1と大きいノズルの傾斜角度θ2は15度以下の範囲で異なり、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22が円周方向に交互に配置された溶鉄精錬用ランスを用いて、精錬中のノズル入口側絶対圧力P0を、傾斜角度の小さいノズルの適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズルの適正膨張絶対圧力P0P2に対して、下記(3)〜(5)式の範囲で上吹き酸素流量を調整することを特徴とする溶鉄の精錬方法。
0.8×P0P1≦ P0 ≦ 2.0×P0P1 (3)
0<P0 < 1.3×P0P2 (4)
0P1<P0P2 (5)
(3)精錬中におけるノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxが下記(6)式かつ(7)式の範囲内で、ノズル入口側絶対圧力P0の最小値P0minが下記(8)式の範囲内で、上吹き酸素流量を変更することを特徴とする、請求項2記載の溶鉄の精錬方法。
1.3×P0P1≦ P0max ≦ 2.0×P0P1 (6)
0.8×P0P2≦ P0max < 1.3×P0P2 (7)
0.8×P0P1≦ P0min < 0.8×P0P2 (8)
本発明により、酸素ガスを供給して溶鉄を精錬して一般鋼やステンレス鋼を溶製する場合において、精錬初期から中期にかけての高酸素ガス流量時点でのスピッティングおよびダストの発生量を安定して低減すると同時に、精錬末期の酸素ガス流量低下時点での鉄やクロムの酸化量を安定して抑制することが可能となった。これにより、鉄やクロムの歩留が大幅に向上し、製造コストが大幅に低減した。
ラバールノズルを用いた酸素噴流において、噴出する酸素流量Fは、ノズル入口側の絶対圧力P0とノズルのスロート部開口断面積Stによって定められる。逆に、ノズルのスロート部の開口断面積Stと該ノズルから噴出する酸素流量Fが定まっていれば、下記(10)式によってノズル入口側の絶対圧力P0を定めることができる。ノズル入口側の絶対圧力P0とは、ノズル入口側の酸素ガスの全圧である。
0=0.169・F/St (10)
0:ノズル入口側の絶対圧力(MPa)
F:ノズルから噴出される酸素流量(Nm3/h)
t:ノズルのスロート部の開口断面積(mm2
ラバールノズルは噴流を超音速流にするため、スロート部から出口までを末広ノズルとする。スロート部から出口までにかけて、ガス流速が超音速領域で増大し、一方で圧力は低減する。ノズル出口での圧力がノズル出口側の雰囲気圧力と等しいときが適正膨張と呼ばれる。適正膨張において、ノズル入口側の絶対圧力(適正膨張絶対圧力P0P)、ノズル出口側の雰囲気絶対圧力Pe、ノズルのスロート部の開口断面積St、ノズル出口の開口断面積Seの間の関係は、下記(11)式で表される。さらに適正膨張時吐出マッハ数M0Pは、下記(12)式から算出される。
e/St=0.259・(Pe/P0P-5/7・{1−(Pe/P0P2/7-1/2 (11)
0P=[5・{(P0P/Pe2/7−1}]1/2 (12)
e:ノズル出口の開口断面積(mm2
e:ノズル出口側の雰囲気絶対圧力(MPa)
(大気圧精錬の場合は0.1013)
0P:ランスノズルの適正膨張絶対圧力(MPa)
ところで、前述のとおり、上吹きランスからの酸素流量を調整するに当たってはノズル入口側のガス圧力の調整が行われる。酸素流量が高い場合にはノズル入口側の絶対圧力P0が適正膨張絶対圧力P0Pよりも高くなり、酸素流量が低い場合にはノズル入口側の絶対圧力P0が適正膨張絶対圧力P0Pよりも低くなる。いずれも不適正な膨張状態でノズルから酸素が噴出され、前者の状態を不足膨張、後者の状態を過膨張と一般に呼ぶ。不足膨張の場合は、ノズル出口側圧力が雰囲気圧力よりも高くなっており、ガスがノズルから噴出した直後に膨張波が発生し、以降衝撃波と膨張波の発生を繰り返しながら噴流が乱れ、エネルギーを損失する。逆に過膨張の場合は、ノズル出口側圧力が雰囲気圧力よりも低くなっており、ガスがノズルから噴出した直後に衝撃波が発生し、以降膨張波と衝撃波の発生を繰り返しながら噴流が乱れ、エネルギーを損失する。適正膨張に近い条件の場合のみ、乱れの少ない滑らかな超音速噴流が形成される。上吹きランスの噴流挙動を正確に把握するには、この不適正膨張挙動を把握することが重要である。
非特許文献2は、ラバールノズルを用いた転炉上吹きランスの噴流挙動について、特に不適正膨張挙動を調査した結果が記載されている。P0/P0Pの比を0.4〜5.0の間で変化させ、噴流のジェットコア長さHCの実測を行っている。ここで、P0/P0P=1におけるジェットコア長さHCPについては、
CP=M0P・(4.2+1.1M0P 2)・dt×1.4
t:ランスノズルのスロート部の直径(mm)
となることが知られている。そこで、横軸をP0/P0P、縦軸を測定したHCに基づいてHC/HCPとして実験結果をプロットしたところ、図1にプロットで示す結果が得られている。この結果に基づき、0.7<P0/P0P≦2.1、0.4<P0/P0P≦0.7の範囲に分けてそれぞれ多項式近似を行ったところ、f(X)=1.4×HC/HCP、X=P0/P0Pとおいて、以下の式が得られた。この式から計算される結果を図1に曲線で記した。
f(X)=−2.709X4+17.71X3−40.99X2+40.29X−12.90
(0.7<X)
f(X)=0.7994X−0.0602
(X≦0.7)
ジェットコア長さとは噴流の中心軸上の流速が音速となるまでの超音速ジェット領域の距離のことであり、それ以降は噴流の中心軸上流速は距離に反比例して減衰する。したがって、ジェットコア長さがランス先端から同一距離における噴流の強度を代表する。但し、これは個々のノズルから噴出される噴流が干渉せずに分離されている場合であり、噴流同士が干渉して合体すると運動エネルギーが合算され、噴流流速すなわち噴流強度も増大する。また、ジェットコア領域では噴流はあまり広がらないが、それ以降は周囲のガスを巻き込みやすくなり、広がりやすくなる。そのため、近接する噴流との干渉が生じやすくなる。
本発明においては、図3に示すように、ランス長手方向とノズル噴出方向との角度を傾斜角度θとし、各々3個以上の合計が偶数の傾斜角度が異なる2種類のノズルが円周方向に交互に配置された上吹き酸素ランス(3個以上の傾斜角度の小さいノズル21と、3個以上の傾斜角度の大きいノズル22を有し、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22の合計ノズル数は偶数であり、傾斜角度の小さいノズルの傾斜角度θ1と大きいノズルの傾斜角度θ2は異なり、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22が円周方向に交互に配置された上吹き酸素ランス1)を使用する。傾斜角度が異なることにより、個々のノズルから噴出される酸素噴流が効率良く分離されやすくなる。なお、ランスへの地金付着防止などのためにランス中心に設置した傾斜角度0度のノズルは上記2種類のノズルには含まない。
精錬初期から中期にかけて、高速で脱炭精錬を行いたい場合には、酸素供給量を多くして、すなわち高酸素流量の下で、できるだけソフトブローとして、スピッティングやダストの発生量を低減する酸素吹き込み方法が望ましい。一方、精錬末期には、酸素供給量を低減して、すなわち低酸素流量の下で、できるだけハードブローとして、鉄の過酸化やステンレス鋼精錬の場合のクロムなどの過酸化を抑制し、鋼中の酸素濃度も低減する酸素吹き込み方法が望ましい。そのため、本発明においては、火点の攪拌に対する寄与の大きい傾斜角度の小さいノズル21から噴出される酸素噴流には、上記不足膨張側の不適正膨張挙動を利用した噴流強度の制御を利用する。
図1から明らかなようにP0/P0Pが0.8〜2.0の範囲において、噴流強度を代表するジェットコア長さHCがほとんど変化せず一定である。P0を変化させると酸素流量Fが変化することは上記(10)式から明らかである。即ち、本発明においては、傾斜角度の小さいノズル21(適正膨張絶対圧力:P0P1)から噴出される酸素の噴流強度をほぼ一定に保持しつつ酸素流量Fを大幅に変化させ得るP0/P0P1が0.8〜2の範囲においてP0を変化させる。傾斜角度の小さいノズル21におけるP0/P0P1の制御範囲として、酸素流量を上げるべき精錬初期から中期においてはP0/P0P1制御範囲0.8〜2のうちの上限側1.3以上2.0未満の不足膨張領域を用い、酸素流量を下げるべき精錬末期においてはP0/P0P1制御範囲0.8〜2のうちの下限側0.8以上1.3未満の適正膨張に近い領域を用いるのがより望ましい実施の形態である。この制御により、精錬初期から中期にかけては高酸素流量の場合でも噴流強度をあまり強くせず、精錬末期に酸素流量を低減しても噴流強度が低減しない酸素吹き込みが可能となる。
図1から、P0/P0Pが0.8未満ではジェットコア長さHCが著しく低下するため、精錬末期に酸素流量を低下させたときのP0はP0Pの0.8倍以上が必要である。また、P0/P0Pが2以上では、ジェットコア長さHCが適正膨張時のコア長さHCPの1.5倍以上となり、精錬初期から中期においてスピッティングやダスト発生量の十分な低減効果が得られない。
また、本発明者らは、上記ランスから噴出される酸素噴流の強度を種々測定した結果、上記不適正膨張挙動を利用して傾斜角度の小さいノズル21から噴出される酸素噴流を高酸素流量の場合にソフトブローとした際に、傾斜角度の大きいノズル22から噴出される酸素噴流32を適正膨張に近い領域にしないと、前述の雰囲気圧力との圧力差による噴流の乱れが生じることで、両者の噴流の干渉、合体が進み、火点が分散できないことを知見した。逆に、精錬末期に酸素流量を低下した場合に、傾斜角度の大きいノズル22からの噴流32を過膨張条件として噴流の乱れを増加させてジェットコア長さHC2を小さくすることで、噴流の干渉、合体を促進させて火点の重なり度合いを大きくでき、単独噴流の場合よりも極めて大きな噴流強度が得られることも知見した。
本発明においては、傾斜角度の大きいノズル22(適正膨張絶対圧力:P0P2)から噴出される酸素噴流32にも、上記不適正膨張挙動を利用した噴流強度の制御を利用するが、上述の傾斜角度の異なる2種類のノズルから噴出される酸素噴流同士の干渉、合体を制御するため、精錬末期の酸素流量低下時にジェットコア長さが著しく低減できるように、P0/P0P2が1.3未満の範囲においてP0を変化させる。傾斜角度の大きいノズル22におけるP0/P0P2の制御範囲として、酸素流量を上げるべき精錬初期から中期においてはP0/P0P2が0.8以上1.3未満の適正膨張に近い範囲を用い、酸素流量を下げるべき精錬末期においてはP0/P0P2が0.8未満の過膨張範囲を用いるのがより望ましい実施の形態である。望ましい実施の形態での上吹き酸素ジェットの挙動を模式的に図2に示す。本発明のP0/P0Pの制御により、図2(a)に示す高酸素流量時には、傾斜角度の大きいノズルから噴出される酸素噴流32のジェットコア長HC2が伸び、傾斜角度の小さいノズルから噴出される酸素噴流31との干渉が起こらずに火点が効率良く分散され、スピッティングやダストの発生量が低減される。一方、図2(b)に示す低酸素流量時には、傾斜角度の大きいノズルから噴出される酸素噴流32のジェットコア長HC2が短くなり、傾斜角度の小さいノズルから噴出される酸素噴流31と合体して火点が重なり合うため、火点部の攪拌が強化されることで鉄やクロムの過酸化が抑制される。
上記のように、本発明においては、傾斜角度の小さいノズル21(適正膨張絶対圧力:P0P1)から噴出される酸素噴流31にはP0/P0P1が0.8〜2の適正膨張に近い領域から不足膨張領域を利用し、傾斜角度の大きいノズル22(適正膨張絶対圧力:P0P2)から噴出される酸素噴流32にはP0/P0P2が1.3未満の過膨張領域から適正膨張に近い領域を利用するため、傾斜角度の小さいノズル21の適正膨張絶対圧力P0P1は傾斜角度の大きいノズル22の適正膨張絶対圧力P0P2よりも小さくないと効果がない。
なお、傾斜角度の小さいノズル21の傾斜角度θ1と傾斜角度の大きいノズル22の傾斜角度θ2との差が15度超の場合には、過膨張領域のジェットコア長さが小さくなる場合でも、酸素噴流同士が干渉、合体する現象が認められず、本発明は適用できない。また、傾斜角度の差が5度未満では、傾斜角度の違いによる火点分散効果が十分に得られないため、やはり本発明には適用できない。
なお、ランスへの地金付着防止のためのランス中心軸上のノズルは適宜設置しても良く、上記2種類の傾斜角度の異なるノズルには含まない。
次に、酸素ガスを供給しながら溶鉄を精錬する際に用いる本発明の溶鉄精錬用ランスについて、傾斜角度の小さいノズル21の適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズル22の適正膨張絶対圧力P0P2それぞれの好適範囲について検討する。
精錬中のノズル入口側絶対圧力P0の最大値をP0max、ノズル入口側絶対圧力P0の最小値をP0minとする。
前記(3)式の右辺にP0≦2.0×P0P1とあるように、P0の最大値P0maxは2.0×P0P1以下である。よって、
0max/2.0≦ P0P1 (1−1)
が得られる。同様に(4)式右辺から
0max/1.3< P0P2 (2−1)
が得られる。
一方、P0maxが1.3×P0P1よりも小さい場合には、P0をP0max以下の範囲で変化させたとき、傾斜角度の小さいノズルをP0/P0P1が0.8〜2の適正膨張に近い領域から不足膨張領域で利用することが困難となる。そこで、
0P1 ≦ P0max/1.3 (1−2)
とすることが必要である。また、P0maxが0.8×P0P2より小さい場合には、傾斜角度の大きいノズルからの噴流が過膨張範囲となり、傾斜角度の小さいノズルからの噴流との干渉、合体が進み、火点が分散できなくなるため、精錬初期から中期にかけてのダスト低減効果が得られなくなる。そこで、
0P2 ≦ P0max/0.8 (2−2)
とすることが必要である。
(1−1)(1−2)(2−1)(2−2)の各式から、
0max/2.0≦ P0P1 ≦ P0max/1.3 (1)
0max/1.3< P0P2 ≦ P0max/0.8 (2)
が導かれる。
以上より、酸素ガスを供給しながら溶鉄を精錬する際に用いる本発明の溶鉄精錬用ランス1において、図3に示すように、ランス長手方向とノズル噴出方向との角度を傾斜角度とし、3個以上の傾斜角度の小さいノズル21と、3個以上の傾斜角度の大きいノズル22を有し、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22の合計ノズル数は偶数であり、傾斜角度の小さいノズルの傾斜角度θ1と傾斜角度の大きいノズルの傾斜角度θ2とは5度以上15度以下の範囲で異なり、傾斜角度の小さいノズル21と大きいノズル22が円周方向に交互に配置され、傾斜角度の小さいノズル21の適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズル22の適正膨張絶対圧力P0P2を、精錬中のノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxに対して、上記(1)式かつ(2)式の範囲に限定し、この溶鉄精錬用ランスを用いることにより、上記(3)〜(5)式の範囲で上吹き酸素流量を調整することを特徴とする溶鉄の精錬方法を実施することが可能となる。
同様に、(1−1)(1−2)(2−1)(2−2)の各式から、
1.3×P0P1≦ P0max ≦ 2.0×P0P1 (6)
0.8×P0P2≦ P0max < 1.3×P0P2 (7)
が導かれる。
さらに、前記(3)式の左辺に0.8×P0P1≦P0とあるように、P0の最小値P0minは0.8×P0P1以上である。よって、
0.8×P0P1≦ P0min (8−1)
が得られる。また、P0minが0.8×P0P2と同等あるいはこれよりも大きい場合には、酸素流量を下げるべき精錬末期においてP0/P0P2が0.8未満の過膨張範囲を用いることができない。そこで、
0min < 0.8×P0P2 (8−2)
とすることが必要である。
(8−1)(8−2)の各式から、
0.8×P0P1≦ P0min < 0.8×P0P2 (8)
が導かれる。
本発明の溶鉄の精錬方法において、精錬中におけるノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxが上記(6)式かつ(7)式の範囲内で、ノズル入口側絶対圧力P0の最小値P0minが上記(8)式の範囲内で、上吹き酸素流量を変更することにより、本発明の溶鉄の精錬方法を好ましく実施することができる。
(実施例1)
転炉を用いて普通鋼の脱炭操業を実施し、約350トンの溶鋼を溶製した。溶銑を転炉に装入した後、上吹きランスから流量80000Nm3/hの酸素を吹き込みつつ脱炭精錬を行い、溶鋼中C濃度が0.3〜0.4質量%となった時点から酸素流量を50000Nm3/hに低下した。脱炭後の溶鋼中C濃度は約0.04質量%一定となるように総酸素量を調整した。上吹きランスには、表1に示す6種類のランスを使用し、それぞれ10チャージの脱炭操業を実施した。ランスギャップを3.5mとした。表2に実施例と比較例の操業条件および精錬実績を示す。表2に精錬初期〜中期(総酸素流量80000Nm3/h時)として記載したP0がP0maxである。
Figure 2009052090
Figure 2009052090
A,B,Cのランスは図3に示すような本発明例のランスであり、表1と表2からわかる通り、傾斜角度の小さいノズル21の適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズル22の適正膨張絶対圧力P0P2が、総酸素流量80000Nm3/h時に相当するノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxに対して、P0max/2.0≦P0P1≦P0max/1.3かつ、P0max/1.3<P0P2≦P0max/0.8の範囲となっている。D,E,Fは比較例のランスであり、Dは傾斜角度の大きいノズルの適正膨張絶対圧力P0P2が、Eは傾斜角度の小さいノズルの適正膨張絶対圧力P0P1が、前記範囲から外れている。また、Fは傾斜角度の小さいノズルと傾斜角度の大きいノズルの傾斜角度の差が15度超となっている。
表2の発明例1、2、3はランスA、B、Cを使用した場合の実施例を示す。傾斜角度の小さいノズルから噴出される噴流を、精錬初期から中期については1.3≦P0/P0P1≦2.0の不足膨張領域とし、さらに精錬末期には0.8≦P0/P0P1<1.3の適正膨張に近い領域として火点部の攪拌を維持するとともに、傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流を、精錬初期から中期については0.8≦P0/P0P1として適正膨張に近い範囲を用い、精錬末期にはP0/P0P2<0.8の過膨張領域として、噴流同士の干渉、合体を促進した。これにより、精錬初期から中期については火点を分散し、精錬末期には火点の重なり度合いを大きくできたため、スラグ中の全鉄分濃度であるT.Fe(質量%)や溶鋼中の[O]濃度(ppm)が著しく低減できており、鉄の過酸化が抑制されている。
一方、比較例1はランスDを使用した場合を示すが、精錬初期から中期の傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流が1.3≦P0/P0P2の不足膨張度合いが強い領域となっているため、ダスト発生量がやや増加している。また、精錬末期において、傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流が0.8≦P0/P0P2<1.3の適正膨張に近い領域となっているため、噴流同士が干渉せず、鉄の過酸化が進み、スラグ中T.Fe濃度や溶鋼中の[O]濃度が増加している。比較例2はランスEを使用した場合であるが、精錬末期の傾斜角度の小さいノズルから噴出される噴流がP0/P0P1<0.8の過膨張領域となっており、火点部の攪拌力が著しく低下して、鉄の過酸化が大幅に進み、スラグ中T.Fe濃度や溶鋼中の[O]濃度が大きく増加している。また、比較例3はランスFを使用した場合を示す。精錬末期における傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流はP0/P0P2<0.8の過膨張領域となっているが、傾斜角度の小さいノズルとの角度差が15度超であるため、噴流同士が干渉せず、鉄の過酸化が進み、スラグ中T.Fe濃度や溶鋼中の[O]濃度が増加している。
(実施例2)
実施例1と同じ大きさの転炉を用いて、ステンレス鋼の脱炭操業を実施した。普通溶銑を転炉に装入後、クロム原料としてフェロクロムを、熱源として炭材を適当量使用して、クロム濃度約17%のステンレス溶鋼を溶製した。溶銑を転炉に装入した後、上吹きランスから流量80000Nm3/hの酸素を吹き込みつつ脱炭精錬を行い、溶鋼中C濃度が約1質量%となった時点から酸素流量を50000Nm3/hに低下した。脱炭後の溶鋼中C濃度は約0.5質量%一定となるように総酸素量を調整した。上吹きランスには、表1に示す6種類のランスを使用し、それぞれ10チャージの脱炭操業を実施した。ランスギャップを2.5mとした。表3に実施例と比較例の操業条件および精錬実績を示す。
Figure 2009052090
表3の発明例4はランスAを使用した場合の実施例を示す。精錬初期から中期の傾斜角度の小さいノズルから噴出される噴流を1.3≦P0/P0P1≦2.0の不足膨張領域とすることで、高酸素流量においてもダスト発生量が低減できている。また、発明例5、6はランスB、Cを使用した場合の実施例を示す。精錬初期から中期の傾斜角度の小さいノズルから噴出される噴流を1.3≦P0/P0P1≦2.0の不足膨張領域とし、さらに精錬末期には0.8≦P0/P0P1<1.3の適正膨張に近い領域として火点部の攪拌を維持するとともに、傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流をP0/P0P2<0.8の過膨張領域として、噴流同士の干渉、合体を促進したため、クロムの酸化量が著しく低減できている。
一方、比較例4はランスDを使用した場合を示すが、精錬初期から中期の傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流が1.3≦P0/P0Pの不足膨張度合いが強い領域となっているため、ダスト発生量がやや増加している。また、精錬末期において、傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流が0.8≦P0/P0P<1.3の適正膨張に近い領域となっているため、噴流同士が干渉せず、クロムの過酸化が進行している。比較例5はランスEを使用した場合であるが、精錬末期の傾斜角度の小さいノズルから噴出される噴流がP0/P0P<0.8の過膨張領域となっており、火点部の攪拌力が著しく低下して、クロムの過酸化が大幅に進んでいる。また、比較例6はランスFを使用した場合を示す。精錬末期における傾斜角度の大きいノズルから噴出される噴流はP0/P0P<0.8の過膨張領域となっているが、傾斜角度の小さいノズルとの角度差が15度超であるため、噴流同士が干渉せず、鉄の過酸化が進み、クロム酸化量が増加している。
ランスノズル入口側の絶対圧力比P0/P0Pと、ジェットコア長さ比HC/HCPとの関係を示す図である。 本発明の望ましい実施の形態における上吹き酸素ジェットの挙動の変化を模式的に示す図であり、(a)は高酸素流量時、(b)は低酸素流量時を示す図である。 本発明の溶鉄精錬用ランス先端を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)は下から見た図である。
符号の説明
1 溶鉄精錬用ランス
2 ノズル
21 傾斜角度の小さいノズル
22 傾斜角度の大きいノズル
3 酸素噴流
31 傾斜角度の小さい酸素噴流
32 傾斜角度の大きい酸素噴流
4 溶鋼

Claims (3)

  1. 酸素ガスを供給しながら溶鉄を精錬する際に用いる溶鉄精錬用ランスであって、ランス長手方向とノズル噴出方向との角度を傾斜角度とし、3個以上の傾斜角度の小さいノズルと、3個以上の傾斜角度の大きいノズルを有し、傾斜角度の小さいノズルと大きいノズルの合計ノズル数は偶数であり、傾斜角度の小さいノズルと大きいノズルの傾斜角度は5度以上15度以下の範囲で異なり、傾斜角度の小さいノズルと大きいノズルが円周方向に交互に配置され、傾斜角度の小さいノズルの適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズルの適正膨張絶対圧力P0P2を、精錬中のノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxに対して、下記(1)式かつ(2)式の範囲に限定したことを特徴とする溶鉄精錬用ランス。
    0max/2.0≦ P0P1 ≦ P0max/1.3 (1)
    0max/1.3< P0P2 ≦ P0max/0.8 (2)
  2. 酸素ガスを供給しながら溶鉄を精錬するにあたり、ランス長手方向とノズル噴出方向との角度を傾斜角度とし、3個以上の傾斜角度の小さいノズルと、3個以上の傾斜角度の大きいノズルを有し、傾斜角度の小さいノズルと大きいノズルの合計ノズル数は偶数であり、傾斜角度の小さいノズルと大きいノズルの傾斜角度は15度以下の範囲で異なり、傾斜角度の小さいノズルと大きいノズルが円周方向に交互に配置された溶鉄精錬用ランスを用いて、精錬中のノズル入口側絶対圧力P0を、傾斜角度の小さいノズルの適正膨張絶対圧力P0P1と傾斜角度の大きいノズルの適正膨張絶対圧力P0P2に対して、下記(3)〜(5)式の範囲で上吹き酸素流量を調整することを特徴とする溶鉄の精錬方法。
    0.8×P0P1≦ P0 ≦ 2.0×P0P1 (3)
    0<P0 < 1.3×P0P2 (4)
    0P1<P0P2 (5)
  3. 精錬中におけるノズル入口側絶対圧力P0の最大値P0maxが下記(6)式かつ(7)式の範囲内で、ノズル入口側絶対圧力P0の最小値P0minが下記(8)式の範囲内で、上吹き酸素流量を変更することを特徴とする、請求項2記載の溶鉄の精錬方法。
    1.3×P0P1≦ P0max ≦ 2.0×P0P1 (6)
    0.8×P0P2≦ P0max < 1.3×P0P2 (7)
    0.8×P0P1≦ P0min < 0.8×P0P2 (8)
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