JP2009051046A - インクジェット記録ヘッド及び気泡除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタ内の気泡を確実に除去できるインクジェット記録ヘッド及び気泡の除去方法を提供する。
【解決手段】インクを吐出するための複数のノズルと吐出エネルギを発生する吐出エネルギ発生手段とを複数配列したオリフィスプレート101と、インクを収納するチップタンク107とを有する。チップタンク107とオリフィスプレート101との連通部分にフィルタ105が設けられている。フィルタ105は、少なくとも吐出特性を回復するための回復動作時に、重力方向に対して最も高くなる部位である上端部105aを1箇所有する。
【選択図】図3
【解決手段】インクを吐出するための複数のノズルと吐出エネルギを発生する吐出エネルギ発生手段とを複数配列したオリフィスプレート101と、インクを収納するチップタンク107とを有する。チップタンク107とオリフィスプレート101との連通部分にフィルタ105が設けられている。フィルタ105は、少なくとも吐出特性を回復するための回復動作時に、重力方向に対して最も高くなる部位である上端部105aを1箇所有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、インク等の液体を吐出して記録動作を行うインクジェット記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッド及び気泡除去方法に関する。
従来のフルライン型のインクジェット記録ヘッドの一例の構造を図7に示す。
インクジェット記録ヘッドは、タンク部607と、オリフィスプレート601と、支持基盤602と、フィルタ605ならびフィルタプレート604とを有する。タンク部607には所定のインクが貯蔵されている。オリフィスプレート601は、タンク内インク606とタンク部607からのインクを吐出する複数のインク吐出口604ai、604biを有する。支持基盤602は、オリフィスプレート601を支持している。
オリフィスプレート601は接合された該インク吐出口604ai、604biに対向した吐出エネルギ発生手段としてのヒータ613aiおよび613bi(i=1〜N、Nは整数)を有している。
このようなインクジェット記録ヘッドは、例えば、その内部圧力が所定の負圧となるように、そのインクタンク301にインクを供給するインク供給部に対し所定の高低差をもって接続されている。
インクジェット記録装置は、インクを吐出する吐出口(以下ノズルとも言う)を複数有する記録ヘッド(以下、インクジェット記録ヘッド)部を備えており、この吐出口が目詰まり等を生じると正常な記録はできない。
吐出口部において目詰まり等により吐出不良を起こす原因としては以下のものが挙げられる。
例えば、インク保持部材として用いられる多孔質部材の微細な小片やインクを収納するインクタンクを交換する場合にインク供給路に混入する微細な粉塵などのインク供給系から侵入する不純物に起因する場合がある。
また、記録媒体等から発生する粉塵が直接吐出後部に付着する場合などがあげられる。
ヘッド内部には各々のオリフィスプレートに対応した位置にゴミを除去するためのフィルタを通過するインクは、例えば10μmφよりも大きなごみなどを通過させないフィルタによって濾過される。このフィルタによりインク中のごみは、フィルタ内部には侵入しない。
従って、インク収納部から吐出口へ至る経路中にインク中のゴミを取り除く手段を設けることは、インクジェット記録装置において必須の構成となる。この方法として最も一般的なのは、インク供給路中にフィルタを配して、インクを濾過する方法である。
そのため、図7に示しているように、フィルタ605ならびフィルタプレート604はインク606を貯蔵する貯蔵部とオリフィスプレート601が連通している共通液室609内のインクを分離している。これにより、タンク部607内のインク606は、必ずフィルタを経由して共通液室609内のインクを分離している。これにより、タンク部607内の606は、必ずフィルタを経由して共通液室609に供給される構成となっている。
共通液室609に供給されたインクは、共通液室609からオリフィスプレート601内部へと供給される。一方、上述したフィルタを用いる構成とした場合、インク供給路中にインク中の溶存空気がヘッド温度上昇などの環境変化等により発生した気泡が、フィルタ部に集まる。フィルタ部に気泡が集まった時に、記録中にその状態を放置しておくと、ヘッド温度の上昇に伴う気泡膨張による記録の劣化等が懸念される。
以上より、フィルタ内部に残留する気泡に起因する記録品位の低下が課題となっている。また、長時間使用しなかった場合等に吐出口近傍のインク溶媒が蒸発してインクの粘度が上昇し、通常の吐出圧力では吐出できなくなる場合や、外部からの不純物の付着等による吐出口部の目詰まりも記録品位の低下に原因となる。
これらの課題を解消するため、従来、インクを吐出する吐出口からインクを吸引し、気泡を記録ヘッド内部から外部へ吸い出す回復処理が用いられている。
従来のシリアルタイププリンタにおいては、不純物による吐出口部の目詰まりや、共通液室内等に微細気泡が存在した場合には、吐出口からインクを吸引する回復処理が行われていた。このような記録ヘッド内部から外部へ吸い出す回復処理を行うことで、目詰まりを解消するとともに微細気泡を除去し、吐出精度への影響を防止していた。
一般にインクジェット記録ヘッドを有しているキャリッジが駆動モータにより移動することで記録を行うシリアル系のインクジェット記録ヘッドにおける回復動作としては、以下の二つの方法が挙げられる。第一の方法は、外側から吸引キャップをオリフィスプレートに密着させて外部から吸引ポンプなどにより気泡を除去する方法である。第二の方法は、記録ヘッドのインクを供給する管に接続されているチューブポンプを回転させることで内部から加圧して回復する方法である。
同様にフルライン型のインクジェットプリンタに関してもこれら二つの方法が回復処理のため用いられる。
まず、フルラインプリンタにおいて、外側から吸引キャップをオリフィスプレートに密着させて、外部から吸引回復する方法について特許文献1に開示されている。このような吸引回復方法の一例について図8を用いて説明する。まず、長尺のインクジェット記録ヘッド710のオリフィスプレート701に対して下部から吸引キャップ720を密着させる。その後、チューブポンプ730を回転させることで、共通液室709およびフィルタプレート704内部に存在している気泡Bが除去される。
続いて、フルラインプリンタにおける加圧回復動作に関して図9を用いて説明する。
チューブ831は、開閉バルブを介して記録ヘッド810の他端部であるインク除去管808に接続されて記録ヘッド810の共通液室に通じている。インク初期充填時もしくは記録媒体への記録動作において発生する気泡を除去するため、ヘッド回復動作は、ポンプ830により、インクタンクと記録ヘッド810の間でインクを循環させながら、所定時間、開閉バルブを閉じることによって行われる。
このように操作することで記録ヘッド810内の圧力が瞬時に高くなり、インク吐出口列からインクが排出される。また、これと同時に、図9に示している共通液室809およびフィルタプレート804内部に存在している気泡とオリフィスプレート801内に残留している気泡Bはインクの流れに沿って、インクの流れと共にオリフィスプレート801から排出される。
特開2001−162838号公報
しかし、長尺のインクジェット記録ヘッドにおいて、このように外部から吸引回復を行う方法は、吸引回復キャップをオリフィスプレートの個数分用意する必要がある。あるいは、吸引回復キャップ120を長尺のインクジェット記録ヘッドの長手方向に対して、モータなどの駆動源により移動させることで、各々のオリフィスプレート101に対して一つずつ吸引回復を行う必要がある。もしくは、一つの大きいキャップを用意し、ヘッド全体を吸引回復する必要がある。
しかし、そのようなヘッド下からの吸引回復動作は、長尺インクジェットプリンタにおいては、キャップ領域増大によるキャップの密着性、ノズル全域での均一な吸引回復性などの点で困難である。また、キャッピングの密着をあげようとするとキャッピング圧が大きくなり、ヘッドへの負荷が増大することになる。このことは、ヘッド構造上の負担が多くなり、コスト・信頼性等に対して不利である。
また、図9に示すように、フルライン型のインクジェット記録ヘッドにおいては、インク加圧管808およびインク除去管810が端部に配置されている。このため、インク加圧管808より加圧する加圧回復方式では、インク除去管810に近い所に位置しているフィルタ面に加わる圧力は、インク加圧管808に近い所に位置しているフィルタ面に加わる値よりも小さくなる。
よって、このような長尺ヘッドにおける構成において、加圧回復を行うと、気泡B1の泡抜け性は、気泡Bの泡抜け性よりも低下する。ここで、気泡B1は、インク除去管810の近傍に位置している共通液室809およびフィルタプレート804内部に存在している気泡である。また、気泡Bは、インク加圧管808の近傍に位置している共通液室809およびフィルタプレート804内部に存在している気泡である。
さらに、記録媒体もの記録幅を有している長尺プリンタにおいては、フィルタ内部気泡を抜くために十分な圧力をかけることは非常に困難であるため、このような加圧回復動作では回復後にフィルタ内部に気泡が除去できずに残留してしまう可能性が大きい。
そのため、フィルタプレート内部においては、気泡を除去しづらく、気泡が残留したまま記録動作に移行せざるを得なくなる。フィルタプレート内部気泡残留が多くなると、オリフィスプレートの昇温、インク循環時における冷却効率の低下、昇温時の気泡膨張による記録への影響などが懸念される。
そこで、本発明は、フィルタ内の気泡を確実に除去できるインクジェット記録ヘッド及び気泡の除去方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するための複数のノズルと吐出エネルギを発生する吐出エネルギ発生手段とを複数配列したオリフィスプレートと、インクを収納するインクタンクとを有する。また、インクジェット記録ヘッドにはインクタンクとオリフィスプレートとの連通部分にフィルタが設けられている。フィルタは、少なくとも吐出特性を回復するための回復動作時に、重力方向に対して最も高くなる部位を1箇所有する。
本発明によれば、フィルタ内の気泡を確実に除去することが可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
まず、本発明を適用可能なフルラインタイプのプリンタの概略について図1を用いて説明する。
図1において、10Bk、10Y、10M,10Cはそれぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのインク色に対応した記録ヘッドであり、ブロック42に固定されている。各記録ヘッドは吐出エネルギ発生手段として電気熱変換素子を有し、その通電時にインク中に生じる気泡を圧力源として吐出口からインク液滴を吐出させる。
また、ブロック42には吐出、不吐出の吐出口番号を検出するための読み取りヘッド41が設けられている。
キャッピングユニット43は、スタンバイ時等、非記録時にブロック42を所定の位置まで引き上げることにより、キャッピングユニット43をインクジェット記録ヘッド10Bk〜10Cに対向させてキャップする。また、キャッピングユニット43は、循環回復時には(図示しない)回復ポンプ、インク供給系より送り込まれ、吐出口から押し出された廃インクの受け皿となり、廃インクは図示しない廃インクタンクに導かれる。
エンドレスの帯電吸着ベルト44は、記録ヘッド10Bk,10Y、10M,10Cの各々に所定感覚を介して対向配設される記録シートを搬送するためのものである。バックプラテン45は帯電吸着ベルト44を介して各記録ヘッドに対向配設されている。
給紙カセット46は、普通紙などを記録シート47が収納され装着本体に着脱自在に装着される。ピックアップローラ48は、最上面の記録シート47を1枚だけ送り出して給送する。
搬送ローラ49及び搬送ローラ51は記録シート47を搬送するためのローラである。搬送ローラ49は搬送路50の入口側に配設され、搬送路50の出口側に配設されている。記録シート47はピックアップローラ48より送り出され、搬送ローラ49によって搬送路50へと搬送される。
ヒータ53およびファン54は記録シート47に記録によって付着したインク液滴を熱風により乾燥定着させるためのものである。排出ローラ55は定着の終了した記録シート47を装置外に排出するためのローラであり、排出された記録シート47はトレイ56内に順次ストックされる。
次に以上の構成による装置の動作について説明する。
まず、記録動作について説明する。記録開始の捜査が行われると、指定されたサイズの記録シート47がピックアップローラ48によって給紙カセット46から送り出される。送り出された記録シート47は、搬送ローラ49および51によって、予め帯電された状態で回転すると共にバックプラテン45によって平面形状とされている帯電吸着ベルト44に乗せられる。記録シート47の先端部がヘッド10C、10M、10Y、10Bkの各々の下部に到着するのに連動して、各記録ヘッドの電気熱変換素子が画像データに応じて駆動される。この駆動により、画像情報に応じたインク液滴が出口から記録シート47の表面に向けて飛翔し、その着弾により記録が行われる。
記録シート47の吸湿性の低い場合、表面に付着した液滴が乾燥せず、擦られて記録汚れを生じるので、ヒータ53およびファン54によって強制乾燥を行って定着させる。定着の終了した記録シート47は、排出ローラ55によってトレイ56へ排出される。
以上のように、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクに対応した記録ヘッドにそれぞれのヘッドに応じた記録信号を与えることによりカラー画像が形成される。
図2は、ごみ除却装置を備えたインクジェット記録装置のインク供給系を示す模式図である。
インクジェット記録装置の供給系は、図2に示すように、インク300を収納したインクタンク301を備えており、インクタンク301内には、2本のチューブ131、132が配設されている。このうち一方のチューブ131は、ポンプ130を介してインクジェット記録ヘッド10の一端部であるインク加圧管108に接続されて、インクジェット記録ヘッド10の共通液室(太い破線)内に通じている。また、他方のチューブ132は、開閉バルブ112を介してインクジェット記録ヘッド10の他端部であるインク除去管110に接続されてインクジェット記録ヘッド10の共通液室に通じている。
記録時にインクタンクからチューブ132を介して記録ヘッドにインクを供給する場合には、開閉バルブ112を開放し、インクジェット記録ヘッド10、チューブ132のインクに対する毛管力等によって、インク除去管110よりインクの供給が行われる。
記録ヘッド14は複数個のインク吐出口列を有しており、記録時には記録ヘッド駆動回路(図示せず)によりインク液滴を吐出する。
(第1実施例)
次に、上記インクジェット記録装置に用いられる本発明に関わる第1の実施例としてのインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図3に示す。
記録ヘッド14は複数個のインク吐出口列を有しており、記録時には記録ヘッド駆動回路(図示せず)によりインク液滴を吐出する。
(第1実施例)
次に、上記インクジェット記録装置に用いられる本発明に関わる第1の実施例としてのインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図3に示す。
本発明のインクジェット記録ヘッド10は、インクを収納するインクタンクであるチップタンク107を有し、チップタンク107の内部にはインク106が満たされている。また、インクジェット記録ヘッド10は、オリフィスプレート101をノズル配列方向に複数個有している支持基板102を有する。オリフィスプレート101は、インクを吐出するための複数のノズルと、吐出エネルギを発生する吐出エネルギ発生手段とが複数配列されている。また、支持基板102においては、オリフィスプレート101に対してインクが流入するための共通液室109が設けられている。
さらに、共通液室109を通じてオリフィスプレート101と反対側の支持基板面1021には、各々の共通液室109に対向するようにフィルタプレート104が配置されている。フィルタプレート104上には傾斜した状態でフィルタ105が配置されている。すなわち、フィルタ105は、重力に反して浮上する気泡を所定の箇所に集合させるため、重力方向(図中下向き)に対して傾斜させている。
フィルタ105は、チップタンク107とオリフィスプレート101との連通部分に設けられており、チップタンク107内のゴミ等がオリフィスプレート101に形成されたノズル内へと侵入するのを防止している。
フィルタ105は、チップタンク107とオリフィスプレート101との連通部分に設けられており、チップタンク107内のゴミ等がオリフィスプレート101に形成されたノズル内へと侵入するのを防止している。
傾斜したフィルタ105の上端部105aには、フィルタ105の端部の表面においてはフィルタに密着するかたちでフィルタ内部気泡除去管136が設けられている。フィルタ内部気泡除去管136はすべてのフィルタ内部と連通させることで、全てのフィルタ105が気泡吸引チューブ135に連通しているような構成になっている。気泡吸引チューブ135には気泡吸引チューブポンプ134が接続されている。
また、インクジェット記録ヘッド10の両端部には、インク加圧管108及びインク除去管110が配置されており、それぞれチューブ131、132が接続されている。なお、インク加圧管108にはチューブポンプ130が接続されており、インク除去管110側には開閉バルブ112が設けられている。記録動作が行われているときは、インクジェット記録ヘッド10内部に配置されている開閉バルブ112を開放し、さらにインクジェット記録ヘッド10内部を大気圧よりも低い負圧状態に保つようにする。インク加圧管108に接続されているチューブポンプ130は通常は記録中に作動していないが、ヘッドの昇温を押さえるためにインクを循環させることで、冷却を行うときは、記録中にチューブポンプ130を回転させる必要もある。
上述の構成の本実施例のフルライン型のインクジェット記録ヘッド10における気泡の除去方法について説明する。
インクの初期充填時、または連続記録動作時においては、気泡Bが共通液室109、およびフィルタプレート104内部に残留する。
本実施例においては、フィルタ105を重力方向に対して傾斜させているので、共通液室109内の気泡をフィルタ105の一部に集中的に集めることができる。すなわち、残留した気泡Bは浮力により、フィルタ面105bに接触しながら上端部105aにて保持される。
回復動作を行うときは、気泡吸引チューブポンプ134を図3の矢印A方向に回転させる。
気泡吸引チューブポンプ134が回転を始めると同時に、気泡吸引チューブ135の内部が負圧になる。気泡吸引チューブ135はフィルタ内部気泡除去管136を介してインクジェット記録ヘッド10の内部のすべてのフィルタ内部と連通している。また、フィルタ内部気泡除去管136は、気泡が集中的に集まるフィルタ105の上端部105aに密着して配置されている。このため、本実施例のインクジェット記録ヘッド10は、気泡吸引チューブポンプ134の回転により発生した負圧によって上端部105aに集まった各フィルタ内部の気泡を確実に除去することができる。
さらに、連通路がフィルタの一部に付いている構成になっているために、フィルタ面に付着した気泡を記録時のリフィルによって一部に傾斜したフィルタ105の上端部105aに収集することができる。さらに負圧発生機構を作動させてフィルタ下部の気泡を吸引回復している時においても、インクがフィルタ部位から供給されるため、吐出ノズルから空気を吸い込むことがない。そのため、記録中においても気泡の回復動作を行うことができる。
また、ノズル内部に溜まった気泡を除去するためには、インク加圧管108に接続されているチューブポンプ130を図3の矢印C方向に回転させ、かつインク除去管110に設けられている開閉バルブ112を閉じてもよい。これにより、インクジェット記録ヘッド10の内部を正圧にし、インクを吐出口から吐出させるとともにノズル内部気泡も除去することができる。
以上、本実施例によれば、フィルタ105は、重力方向に傾斜して設けられているため、初期充填時、連続記録動作時及び回復動作時に、重力方向に対して最も高くなる部位(上端部105a)を1箇所有することとなる。そして、この部位に気泡を吸引する吸引手段としてのフィルタ内部気泡除去管136を設けていることで、確実に気泡を除去することが可能となる。
(第2実施例)
本実施例のインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図4に示す。なお、第1実施例と同様の構成については、説明に用いる符号は第1実施例と同じ符号を用いるものとし、また、詳細の説明は省略する。
(第2実施例)
本実施例のインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図4に示す。なお、第1実施例と同様の構成については、説明に用いる符号は第1実施例と同じ符号を用いるものとし、また、詳細の説明は省略する。
本実施例では、インクジェット記録ヘッド10の内部に配置されているフィルタプレート204は、並列して配置された共通液室109の全てを連通させるように設けられている。そして、このフィルタプレート204にフィルタ205が重力方向に傾斜して設けられている。第1実施例では個々のオリフィスプレート101に対してそれぞれフィルタプレート104及びフィルタ105が設けられていた例を示した。これに対し、本実施例では、複数のオリフィスプレート101の全てを覆うフィルタ205を1つだけ設けた構成とした点で異なる。
本実施例も第1実施例と同様に気泡を上端部205aの1箇所に集めることができるので、フィルタ内の気泡を確実に除去できる。
以上、本実施例によれば、フィルタ205は、吐出特性を回復するための回復動作時に、重力方向に対して最も高くなる部位(上端部205a)を1箇所有することとなる。そして、この部位に気泡を吸引する吸引手段としてのフィルタ内部気泡除去管136を設けていることで、確実に気泡を除去することが可能となる。
(第3実施例)
本実施例のインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図5に示す。なお、第1実施例と同様の構成については、説明に用いる符号は第1実施例と同じ符号を用いるものとし、また、詳細の説明は省略する。
(第3実施例)
本実施例のインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図5に示す。なお、第1実施例と同様の構成については、説明に用いる符号は第1実施例と同じ符号を用いるものとし、また、詳細の説明は省略する。
本実施例においては、フィルタプレート304に取り付けられたフィルタ305が支持基板102に対して平行になるように取り付けられている点以外は第1実施例のインクジェット記録ヘッドと同様である。また、フィルタ内部気泡除去管336は、フィルタ305の一端側に配置されている点では第1実施例と同様である。
本実施例のインクジェット記録ヘッド10は、気泡を除去する際に、不図示の駆動手段によりヘッド自体を重力方向に対して傾斜させることでフィルタ305を重力方向に対して傾斜させるようにしている。つまり、フィルタ内部気泡除去管336が配置されている側を重力方向上側となるようにインクジェット記録ヘッド10を傾斜させることで気泡をフィルタ305の一部(フィルタ内部気泡除去管336が配置された側)に集める。
このように、本実施例も第1及び第2実施例と同様に気泡をフィルタ305の1箇所に集めることができるので、フィルタ内の気泡を確実に除去できる。
以上、本実施例によれば、吐出特性を回復するための回復動作時に、インクジェット記録ヘッド自体を傾斜させることで、フィルタ305は重力方向に対して最も高くなる部位を1箇所有することとなる。そして、この部位に気泡を吸引する吸引手段としてのフィルタ内部気泡除去管136を設けていることで、確実に気泡を除去することが可能となる。
(第4実施例)
本実施例のインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図6に示す。なお、第1実施例と同様の構成については、説明に用いる符号は第1実施例と同じ符号を用いるものとし、また、詳細の説明は省略する。
(第4実施例)
本実施例のインクジェット記録ヘッドの断面概略図を図6に示す。なお、第1実施例と同様の構成については、説明に用いる符号は第1実施例と同じ符号を用いるものとし、また、詳細の説明は省略する。
図6は、本発明を適応した、重力方向に対して垂直の方向(水平方向)にインクを吐出するフルライン型インクジェット記録ヘッドの断面図を示している。
本実施例の場合、フィルタプレート404の側面部にインクリフィルフィルタ1051が配置されている。インクリフィルフィルタ1051は、重力方向と平行に設けられ、気泡除去フィルタ1052は、インクリフィルフィルタ1051よりも重力方向において上方、かつ重力方向と交差する方向に設けられている。除去管接続治具437は気泡除去フィルタ1052に密着するように配置されている。また、支持基板102内の共通液室409は発生した気泡をフィルタプレート404の位置まで気泡の浮力により移動できるよう、フィルタプレート404に向かって広がるテーパ型としている。
除去管接続治具437は気泡吸引チューブ135に接続されており、気泡吸引チューブポンプ134を図5の矢印方向に作動させることでフィルタプレート404内部の気泡Bを除去することができる。
なお、図6には、第2実施例で示した構成と同様に複数の共通液室を一つのフィルタで覆う構成を例示したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、各共通液室に個別にフィルタが設けられている構成としてもよい。
また、本実施例では水平方向にインクを吐出するフルライン型ジェットヘッド記録装置に関して述べているが、重力方向に対して斜め方向に対して記録を行うような形態においても本発明は適用できる。このような構成にすることで、フィルタプレート内部にたまった気泡を除去する時において、インクがリフィルフィルタ1051から供給されるために吐出ノズルから空気を吸い込むことなく、回復できる。
以上、本実施例によれば、吐出特性を回復するための回復動作時に、本実施例のフィルタは、重力方向に対して最も高くなる部位(気泡除去フィルタ1052)を1箇所有することとなる。そして、この部位に気泡を吸引する吸引手段としての除去管接続治具437を設けていることで、確実に気泡を除去することが可能となる。
101 オリフィスプレート
105 フィルタ
105a 上端部
107 チップタンク
105 フィルタ
105a 上端部
107 チップタンク
Claims (9)
- インクを吐出するための複数のノズルと吐出エネルギを発生する吐出エネルギ発生手段とを複数配列したオリフィスプレートと、インクを収納するインクタンクとを有し、前記インクタンクと前記オリフィスプレートとの連通部分にフィルタが設けられているインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記フィルタは、少なくとも吐出特性を回復するための回復動作時に、重力方向に対して最も高くなる部位を1箇所有するように配置されることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記フィルタは、重力方向に対して傾斜して設けられている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記フィルタは、リフィル用フィルタと気泡除去フィルタとを有し、前記リフィル用フィルタは、重力方向と平行に設けられ、前記気泡除去フィルタは、前記リフィル用フィルタよりも重力方向において上方、かつ重力方向と交差する方向に設けられている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記フィルタは、記録動作時にも、前記部位を有するように配置される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記回復動作時に、前記インクジェット記録ヘッド自体が重力方向に対して傾斜させられる、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 複数の前記フィルタが、複数の前記オリフィスプレートに対してそれぞれ個別に設けられている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 複数の前記オリフィスプレートに対して1つの前記フィルタが設けられている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記部位に対応する位置に気泡を吸引する吸引手段が密着して設けられている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
- インクを吐出するための複数のノズルと吐出エネルギを発生する吐出エネルギ発生手段とを複数配列したオリフィスプレートと、インクを収納するインクタンクとを有し、前記インクタンクと前記オリフィスプレートとの連通部分にフィルタが設けられているインクジェット記録ヘッドを用いた気泡除去方法において、
吐出特性を回復するための回復動作時に、前記インクジェット記録ヘッド自体を重力方向に対して傾斜させ、前記フィルタに重力方向に対して最も高くなる部位から気泡を吸引することを特徴とする気泡除去方法。
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