<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面(遊技者側)から見た状態を示す略示正面図である。
パチンコ機100は、遊技領域104を覆う閉状態および該遊技領域104を開放する開状態のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能なガラス枠151と、このガラス枠151の奥側に視認可能に配設された遊技盤(盤面)102を備えている。この遊技盤102には、遊技球(以下、単に球と称する場合がある。)を遊技盤102の中央に位置する遊技領域104に案内するための外レール106と内レール108を配設している。
遊技領域104の中央やや上側には、横長の装飾図柄表示装置110を配設し、この装飾図柄表示装置110の右下には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を普図、特別図柄を特図と称する場合がある。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図2(b)参照)を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの3つの表示領域に分割し、各々の表示領域110a、110b、110cに異なった装飾図柄を表示することを可能としている。
普図表示装置112は、普図(図2(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図2(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技の開始を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技の開始を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、これらの表示装置やランプの周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、本実施例では左右に2つずつ配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を賞球、遊技者に貸し出す球を貸球と区別して呼ぶ場合があり、賞球と貸球を総称して球(遊技球)と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域104の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では左右に1つずつ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、本実施例では中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技領域104の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
遊技盤102の下方には、後述する発射モータによって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けられて球を遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に上述の装飾図柄表示装置110などによる演出表示を変化させるためのチャンスボタン146と、後述する停止起点図柄設定画面において停止起点図柄を選択するための選択ボタン160と、後述する停止起点図柄設定画面において停止起点図柄を決定するための決定ボタン161を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
また、図示は省略するが、装飾用のランプとして、遊技盤102の所定箇所(例えば、内レール108の内周側に沿った箇所)には複数種類の盤ランプを配設し、遊技盤102上方の外側や貯留皿144には複数種類の枠ランプを配設している。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134などによって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<図柄の種類>
次に、図2(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図2(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、(特別)大当たり図柄である特図1と、外れ図柄である特図2の2種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図の変動表示を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技((特別)大当たり遊技)の当選を報知する場合には特図1を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には特図2を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図2(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、装飾1〜装飾8の8種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、装飾1→装飾2→装飾3→・・・・装飾7→装飾8→装飾1→・・・の順番で表示を切り替える装飾図柄の変動表示を行う(図3参照)。そして、特図変動遊技(大当たり遊技)の当選を報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、装飾2−装飾2−装飾2))を停止表示し、特図変動遊技(特別大当たり遊技)の当選を報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、装飾1−装飾1−装飾1))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技、または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図2(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である普図1と、外れ図柄である普図2の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す普図の変動表示を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には普図1を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には普図2を停止表示する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は主制御部、演出制御部、払出制御部、発射制御部、および電源管理部の回路ブロック図である。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単にコマンドと呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う演出制御部350と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部400と、遊技球の発射制御を行う発射制御部450と、パチンコ機100に供給される電源を、パチンコ機100に搭載した電気部品に送電するための所定の電力を生成する電源管理部500によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ312と、を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する演出制御部350や払出制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、ガラス枠151の開放/閉鎖を検出するガラス枠開放センサ、前枠の開放/閉鎖を検出する前枠開放センサ、下皿150が球で一杯になったことを検出する下皿満タンセンサ、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサなどを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118など)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130などを開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路550にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部500から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路(図示省略)を設けており、この電圧監視回路は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路(図示省略)を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、演出制御部350にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ設けており、演出制御部350には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設け、払出制御部400には、主制御部300からコマンドを受信するための入力インターフェースを設けている。この構成により、主制御部300と、演出制御部350および払出制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と演出制御部350および払出制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は演出制御部350および払出制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、演出制御部350および払出制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<演出制御部>
次に、パチンコ機100の演出制御部350について説明する。
演出制御部350は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて演出制御部350の全体を制御する基本回路352を備えており、この基本回路352には、CPU354と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM356と、一時的にデータを記憶するためのRAM358と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O360と、時間や回数などを計測するためのカウンタタイマ362を搭載している。この基本回路352のCPU354は、水晶発信器364が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路352には、スピーカ366(およびアンプ)の制御を行うための音源IC368と、枠ランプ、盤ランプなどの各種ランプ370の制御を行うための表示回路372と、各種ソレノイド374を制御するためのソレノイド回路376と、各種センサ380が出力する信号を受信するセンサ回路382と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110や遮蔽手段378の制御を行うための液晶制御回路374と、チャンスボタン146の操作を検出した場合に基本回路352に検出信号を出力するチャンスボタン検出回路364を接続している。
また、演出制御部350には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路(図示省略)を設けており、CPU354は、この起動信号出力回路から起動信号を入力した場合に、演出制御を開始する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部400、発射制御部450、および電源管理部500について説明する。
払出制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置402を制御すると共に、払出センサ404が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インターフェース部406を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット552との通信を行う。
発射制御部450は、払出制御部400が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ452の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置454の制御を行う。
電源管理部500は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、払出制御部400などの各制御部や払出装置402などの各装置に供給する。さらに、電源管理部500は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308など)に所定の期間(例えば10日間)電力を供給するための蓄電装置(例えばコンデンサ)と、この蓄電装置よりも静電容量が小さく、所定の部品(例えば主制御部300の基本回路302全体)に供給している電力が、静電気ノイズ、人的なミス、遊技台に供給される電力の低下などが原因で変動し、低下している場合に、ある程度の電力を補うための蓄電装置(例えばコンデンサ)をさらに備えている。この蓄電装置により、所定の部品(例えば主制御部300)に供給される電力が電断時、復電時などに不安定になっても、ある程度安定してその所定の部品は動作できるように構成している。また、電源管理部500を構成する電源基板には遊技店の店員などが操作可能な操作部(RAMクリアスイッチ)を備えており、電源投入時にこの操作部が操作されていることを検出した場合には、各制御部の基本回路302、352および402に、RAM308および358を初期化することを指令するRAMクリア信号を出力するようにしている。
<主制御部のデータテーブル>
次に、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。図5(a)に示す大当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している特図抽選状態の種類と、抽選データと、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この大当たり判定テーブルを用いて特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち大当たり判定を行う。なお、特図抽選状態の情報は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報などを含むが、以下、これらを単に低確率状態および高確率状態と称する。また、遊技状態格納領域に記憶する情報には別の情報もあるが、これらの情報については後述する。
大当たり判定テーブルの抽選データは、第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。例えば、特図抽選状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値(乱数値については後述する)が10001〜10187であるときは、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(以下、大当たりフラグの格納領域に大当たりの情報を設定することを「大当たりフラグをオンに設定する」という)。一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定して上述の大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(以下、大当たりフラグの格納領域に外れの情報を設定することを「大当たりフラグをオフに設定する」という)。なお、本実施例では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第1特図始動口126または第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における抽選データが示す数値範囲は20001〜21871(数値範囲の大きさは1871)であるから、高確率状態の第1特図始動口126または第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/35.0(=1871/65536)であり、特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
図5(b)に示す高確率状態移行判定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図変動遊技の終了後に大当たり遊技を開始するか、または特別大当たり遊技を開始するかの判定、すなわち確変移行判定を行う。例えば、取得した特図乱数値(乱数値については後述する)が11〜74の数値である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特図変動遊技の終了後に特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に特別大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、取得した特図乱数値が11〜74の数値以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオフに設定するという)。なお、本実施例では、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データの移行判定乱数の範囲は11〜74(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり判定の結果が当選である場合に確変移行判定の結果を当選にする確率、すなわち特別大当たりを開始する確率は1/2(=64/128)である。
図5(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、上述の大当たりフラグと、抽選データと、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号と、を対応付けして記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、このタイマ番号決定テーブルと、上述の大当たり判定結果(大当たりフラグの値)および後述する特図タイマ乱数値(乱数値については後述する)に基づいて、タイマ番号を選択する。例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が0〜60235の数値である場合には、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒)を選択し、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が0〜15535の数値である場合には、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒)を選択する。なお、本実施例では、特図タイマ乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上述の大当たり判定結果が不当選の場合は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒)を選択する確率は60236/65536である。また、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒)を選択する確率は800/65536、タイマ3(変動時間40秒)を選択する確率は250/65536である。一方、大当たり判定結果が当選の場合は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒)を選択する確率は15535/65536である。また、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒)を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒)を選択する確率は3000/65536である。
<演出制御部のデータテーブル>
次に、パチンコ機100の演出制御部350のROM356が記憶しているデータテーブルについて説明する。
図6(a)は上述の大当たり判定の結果が不当選(大当たりフラグがオフ)の場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものであり、同図(b)は上述の大当たり判定の結果が当選(大当たりフラグがオン)の場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものである。
この変動番号選択テーブルは、装飾図柄表示装置110における演出表示態様を決定するための抽選に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。なお、変動選択テーブルの変動態様の項目に対応する列には、変動番号に対応する変動態様を参考までに記載しており、例えば、変動番号の変動3を選択した場合には、後述する演出態様ロングリーチで装飾図柄表示装置110の表示制御を行い、変動番号の変動5を選択した場合には、後述する演出態様トリプルラインリーチで装飾図柄表示装置110の表示制御を行うことを示している。
演出制御部350の基本回路352は、大当たりフラグがオフの場合、図6(a)に示す、大当たりフラグがオフの場合の変動番号選択テーブルと、上述のタイマ番号および後述する変動決定用乱数値に基づいて、変動番号を選択する。例えば、大当たりフラグがオフ、タイマ番号がタイマ1の場合には、取得した変動決定用乱数値に関わらず変動1(リーチなし)を選択する。なお、本実施例では、変動決定用乱数値の取り得る数値は0〜127(数値範囲の大きさは128)であり、変動1に対応する変動選択乱数の数値は0〜127(数値範囲の大きさは128)であるから、変動番号として変動1を選択する確率は100%(=128/128)である。
また、演出制御部350の基本回路352は、大当たりフラグがオンの場合、図6(b)に示す、大当たりフラグがオンの場合の変動番号選択テーブルと、上述のタイマ番号、確変フラグおよび後述する変動決定用乱数の値に基づいて、変動番号を選択する。例えば、大当たりフラグがオン、確変フラグがオフ、取得した変動決定用乱数値が0〜47の数値(数値範囲の大きさは48)である場合には、変動番号として変動6(ノーマルリーチ)を選択し、取得した変動決定用乱数値が48〜127の数値(数値範囲の大きさは80)である場合には、変動番号として変動7(ノーマル逆転リーチ)を選択する。なお、本実施例では、変動決定用乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であり、変動6に対応する変動選択乱数の数値範囲の大きさは48であるから、変動番号として変動6を選択する確率は48/128であり、変動7に対応する変動選択乱数の数値範囲の大きさは80であるから、変動番号として変動7を選択する確率は80/128である。
図7〜図9は、図6を用いて決定した変動番号、後述する図柄決定用乱数の値に基づいて装飾図柄表示装置110に仮停止させる仮停止図柄の組合せ、および停止表示させる停止図柄の組合せを決定するための図柄決定テーブルの一例を示した図であり、図7(a)は変動番号が変動1である場合に使用し、仮停止および停止させる装飾図柄の組合せの種類を決定するための図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動2〜変動5に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(c)は変動6、10、13、14、18に対応する図柄決定テーブルの一例を示したものである。また、図8(a)は変動7に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動9に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(c)は変動11、15、16、19に対応する図柄決定テーブルの一例を、図9(a)は変動8、17、20に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動12に対応する図柄決定テーブルの一例を、それぞれ示したものである。なお、仮停止図柄の組合せは、図柄が停止図柄の組合せとなる前に一時的に停止する仮の停止図柄の組合せを示しており、停止図柄の組合せは、最終的に停止する停止図柄の組合せを示している。
また、図7(a)および(b)に示す、変動1〜変動5に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が不当選の場合(外れの場合)に選択するテーブルであり、図7(c)、図8(a)に示す、変動6、10、13、14、18、7に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が当選で確変移行判定が不当選の場合(大当たりの場合)に選択するテーブルであり、図8(b)および(c)、図9(a)および(b)に示す、変動9、11、15、16、19、8、17、20、12に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が当選で確変移行判定も当選の場合(特別大当たりの場合)に選択するテーブルである。ここで、図8(b)および(c)、図9(a)および(b)に示すテーブルは特別大当たりの場合にのみ選択するように構成しているが、このテーブルを用いて停止図柄の組合せを選択した場合には、図柄表示領域110a〜110cに特別大当たりに対応する図柄組合せではなく、大当たりに対応する図柄組合せを停止表示する場合を含んでいる。もちろん停止表示後には特別大当たり遊技を開始し、大当たり動作の終了後には高確率状態に設定する。
演出制御部350の基本回路352は、大当たり判定が不当選の場合(外れの場合)、図7(a)および(b)に示す、大当たり判定が不当選の場合に選択する図柄選択テーブルと、図6(a)に示す変動選択テーブルを用いて選択した変動番号および後述する図柄決定用乱数値に基づいて、仮停止図柄の組合せと停止図柄の組合せを選択する。例えば、変動番号が変動1、取得した図柄決定用乱数の数値が0〜15(数値範囲の大きさは16)である場合には、停止図柄の組合せとして「装飾1−装飾7−装飾8」を選択し、取得した図柄決定用乱数の数値が16〜31(数値範囲の大きさは16)である場合には、停止図柄の組合せとして「装飾2−装飾8−装飾1」を選択する。なお、この例では、図柄決定用乱数値の取り得る数値は0〜127(数値範囲の大きさは128)であり、変動1の場合に選択され得る停止図柄の組合せに対応する図柄選択乱数の数値範囲の大きさは全て16であるから、各々の停止図柄の組合せを選択する確率は16/128である。
演出制御部350の基本回路352は、大当たり判定が当選の場合((特別)大当たりの場合)、図7(c)、図8(a)〜(c)、図9(a)および(b)に示す、大当たり判定が当選の場合に選択する図柄選択テーブルと、図6(b)に示す変動選択テーブルを用いて選択した変動番号および後述する図柄決定用乱数値に基づいて、仮停止図柄の組合せと停止図柄の組合せを選択する。例えば、変動番号が変動7、取得した図柄決定用乱数の数値が0〜31(数値範囲の大きさは32)である場合には、仮停止図柄の組合せとして「装飾2−装飾1−装飾2」、停止図柄の組合せとして「装飾2−装飾2−装飾2」を選択し、取得した図柄決定用乱数の数値が32〜63(数値範囲の大きさは32)である場合には、仮停止図柄の組合せとして「装飾4−装飾3−装飾4」、停止図柄の組合せとして「装飾4−装飾4−装飾4」を選択する。なお、この例では、図柄決定用乱数値の取り得る数値は0〜127(数値範囲の大きさは128)であり、変動番号が変動7の場合に選択され得る停止図柄の組合せに対応する図柄選択乱数の数値範囲の大きさは全て32であるから、各々の停止図柄の組合せを選択する確率は32/128である。
図10は左図柄用送り図柄数テーブルの一例を示したものである。この左図柄用送り図柄数テーブルは、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110aにおける送り図柄数を決定するための抽選に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
演出制御部350の基本回路352は、この左図柄用送り図柄数テーブルを参照し、上述の大当たりフラグ、確変フラグ、および送り図柄数決定用乱数値を用いて送り図柄数を決定する。例えば、大当たりフラグがオフで、取得した送り図柄数決定用乱数値の数値範囲が0〜49(数値範囲の大きさは50)の場合には、送り図柄数として1を選択する。また、大当たりフラグと確変フラグが共にオンで、取得した送り図柄数決定用乱数値の数値範囲が0〜17(数値範囲の大きさは18)の場合には、送り図柄数として4を選択する。なお、外れ(大当たりフラグがオフ)の場合には、送り図柄数として1を選択する確率(50/128)が最も高く、大当たり(大当たりフラグがオン、確変フラグがオフ)の場合には、送り図柄数として5を選択する確率(40/128)が最も高く、特別大当たり(大当たりフラグがオン、確変フラグがオン)の場合には、送り図柄数として6を選択する確率(60/128)が最も高く、送り図柄数の平均値が、外れ、大当たり、特別大当たりの順番で高くなるように抽選データを設定している。
<主制御部メイン処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS101で初期設定1を行う。この初期設定1では、入出力ポートの初期設定、各種変数の初期化、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理などを行う。
ステップS102では、ウォッチドッグタイマ(WDT)をリセットし、ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。
ステップS104では、初期設定2を行い、ステップS105では、復帰データ(前回、電源が遮断された時点における制御状態を復帰させるための情報を保存したデータ)をRAM308が記憶しているか否かを判断する。そして、復帰データをRAM308に記憶していた場合にはステップS109に進み、記憶していなかった場合にはステップS106に進んで初期化処理を行う。
ステップS107およびS108では、ソフトウェア乱数カウンタの更新を行う。ここでは、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始する主制御部タイマ割り込み処理を行っている間を除いて、このステップS107およびS108の処理を繰り返し実行する。
ステップS109では、復帰データを用いて、電源の遮断前の状態に復帰する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図12を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込みを契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDTのカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述のガラス枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS204では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS107で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。
ステップS205では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS206では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口122、第1、第2特図始動口126、128、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合に、RAM308に各入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
ステップS207では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口126、128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316bのカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。
ステップS208では、払出要求数送信処理を行う。
ステップS209では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、上述の普図1の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、上述の普図2の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS210に移行するようにしている。
ステップS210では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS211では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合、または大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置114に特図1、大当たりフラグがオフの場合には、特図2の態様となるように特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS316)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS213)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
ステップS212では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の図5(a)の大当たり判定テーブル、同図(b)の高確率状態移行判定テーブル、同図(c)のタイマ番号決定テーブルなどを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行い、大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。また、大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。
ステップS213では、コマンド設定送信処理を行う。
ステップS214では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路550に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、演出制御部350に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や、可変入賞口130の開閉を制御したり、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS216では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS217に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS218に進む。
ステップS217では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
ステップS218では、電断時処理を行う。この電断時処理では、上述のスタックポインタ退避領域に現在のスタックポインタの値を記憶し、上述の電源ステータス記憶領域にサスペンドを示す情報を設定する。また、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算し、チェックサム算出用数値記憶領域に記憶している値からその加算した結果を減算した値をチェックサム(電断時チェックサム)として算出し、算出した電断時チェックサムを上述のチェックサム算出用数値記憶領域に記憶し、RAM308への書き込みを禁止する設定を行った後、無限ループとなる。
<演出制御部メイン処理>
次に、図13(a)を用いて、演出制御部350のCPU354が実行する演出制御部メイン処理について説明する。なお、同図は演出制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御部350には、電源が投入されると起動信号を出力する起動信号出力回路を設けている。この起動信号を入力した基本回路352のCPU354は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM356に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定、各種変数の初期化、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ352に設定する処理などを行う。
ステップS302では、コマンド入力処理を行う(詳細は後述)。
ステップS303では、液晶制御回路378にコマンドを送信した後、ステップS302に戻る。
<演出制御部タイマ割り込み処理>
次に、図13(b)を用いて、演出制御部350のCPU354が実行する演出制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は演出制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御部350は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するカウンタタイマ362を備えており、このタイマ割り込みを契機として演出制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS401では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、遊技状態などに基づいて、装飾図柄表示装置110を用いて行う各種演出の演出データを更新する。
ステップS402では、音出力処理を行う。この音出力処理では、音源IC368の制御を行って、スピーカ366から音声を出力する。
ステップS403では、ランプ制御処理を行い。このランプ制御処理では、表示回路372を制御して、各種ランプ370の点灯/消灯を行う。
ステップS404では、ステッピングモータ制御処理を行う。このステッピングモータ制御処理では、ソレノイド回路376を制御して、各種演出用のソレノイドなどを作動する。
ステップS405では、開始ボタン(本実施例では選択ボタン160)の入力を検出したか否かを判定し、開始ボタンの入力を検出した場合にはステップS406に進み、開始ボタンの入力を検出しなかった場合には処理を終了する。
ステップS406では、停止起点情報入力処理を行う(詳細は後述)。
<主基板割り込み処理>
次に、図13(c)を用いて、演出制御部350のCPU354が実行する主基板割り込み処理について説明する。なお、同図は主基板割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
演出制御部350を構成するサブ基板には、主制御部300を構成する主基板がコマンドとともに出力するストローブ信号が入力している。演出制御部350のCPU354は、このストローブ信号の入力を検出した場合に主基板割り込み処理を実行する。この主基板割り込み処理では、主制御部300から受信したコマンドを、未処理コマンドとして、RAM358に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
<コマンド入力処理>
次に、図14を用いて、上記演出制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。なお、同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS501では、RAM358のコマンド記憶領域を参照して未処理コマンドがあるか無いかを判定し、未処理コマンドがある場合にはステップS502に進み、未処理コマンドが無い場合には処理を終了する。
ステップS502では、受信したコマンドが変動態様選択コマンドであるか否かを判定し、変動態様選択コマンドの場合にはステップ503の演出データ選択処理(詳細は後述)に進み、そうでない場合にはステップS504に進む。
ステップS504では、受信したコマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定し、図柄停止コマンドの場合にはステップ506の図柄停止処理(詳細は後述)に進み、そうでない場合にはステップS505に進んで、その他の処理を行う。
<演出データ選択処理>
次に、図15を用いて、上記コマンド入力処理における演出データ選択処理(ステップS503)について説明する。なお、同図は演出データ選択処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601では、変動態様を抽選によって選択する。具体的には、演出制御部350は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を変動決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている変動決定用乱数値記憶領域に記憶する。次に、大当たりフラグに基づいて、図6(a)および(b)のいずれか一方の変動番号選択テーブルを参照すると共に、タイマ番号、確変フラグ、取得した変動決定用乱数値に基づいて、対応する変動番号を選択し、選択した変動番号をRAM358に設けている変動番号記憶領域に記憶する。例えば、大当たりフラグがオフ、タイマ番号がタイマ4、取得した変動決定用乱数値が120の場合には、図6(a)に示すテーブルを参照し、変動決定用乱数値が0〜95の数値範囲に無いことから変動4を選択せず、変動決定用乱数値が96〜127の数値範囲に含まれることから変動5を選択して変動番号記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオン、確変フラグがオフ、タイマ番号がタイマ2、取得した変動決定用乱数値が100の場合には、図6(b)に示すテーブルを参照し、変動決定用乱数値が0〜47の数値範囲に無いことから変動6を選択せず、変動決定用乱数値が48〜127の数値範囲に含まれることから変動7を選択して変動番号記憶領域に記憶する。
ステップS602では、停止図柄組合せを抽選により選択する。具体的には、演出制御部350は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を図柄決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている図柄決定用乱数値記憶領域に記憶する。そして、図7〜9に示す図柄選択テーブルと、変動番号、取得した図柄決定用乱数値に基づいて、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せを選択し、RAM358に設けたそれぞれの図柄記憶領域に記憶して処理を終了する。例えば、変動番号記憶領域に記憶している変動番号が3で、取得した図柄決定用乱数値が50の場合には、図7(b)に示す図柄選択テーブルを参照し、図柄決定用乱数値が0〜21の範囲に無いことから「装飾1-装飾8-装飾1」を選択せず、図柄決定用乱数値が22〜31の範囲にも無いことから「装飾2-装飾1-装飾2」を選択せず、図柄決定用乱数値が変動決定用乱数値が32〜53の範囲に含まれることから「装飾3-装飾2-装飾3」を選択し、RAM358に設けている図柄記憶領域に記憶する。一方、変動番号記憶領域に記憶している変動番号が7、取得した図柄決定用乱数値が60の場合には、図8(a)に示す図柄選択テーブルを参照し、図柄決定用乱数値が0〜31の範囲に無いことから仮停止図柄の組合せとして「装飾2-装飾1-装飾2」、停止図柄の組合せとして「装飾2-装飾2-装飾2」を選択せず、図柄決定用乱数値が32〜63の範囲に含まれることから仮停止図柄の組合せとして「装飾4-装飾3-装飾4」、停止図柄の組合せとして「装飾4-装飾4-装飾4」を選択し、選択した仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せをRAM358に設けているそれぞれの図柄記憶領域に記憶する。
ステップS603では、送り図柄数を抽選によって選択する。具体的には、演出制御部350は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を送り図柄数決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている送り図柄数決定用乱数値記憶領域に記憶する。そして、図10に示す左図柄用送り図柄数テーブルと、大当たりフラグ、確変フラグ、取得した送り図柄数決定用乱数値に基づいて、送り図柄数を選択し、RAM358に設けた送り図柄数記憶領域に記憶して処理を終了する。例えば、大当たりフラグがオフで、取得した送り図柄数決定用乱数値が40の場合には、送り図柄数決定用乱数値が0〜49の範囲に含まれることから送り図柄数として1を選択し、RAM358に設けている送り図柄数記憶領域に記憶する。また、大当たりフラグ、確変フラグが共にオンで、取得した送り図柄数決定用乱数値が40の場合には、送り図柄数決定用乱数値が0〜17の範囲でないことから送り図柄数として4は選択せず、送り図柄数決定用乱数値が18〜47の範囲に含まれることから送り図柄数として5を選択し、RAM358に設けている送り図柄数記憶領域に記憶する。
<図柄停止処理>
次に、図16を用いて、上記コマンド入力処理における図柄停止処理(ステップS506)について説明する。なお、同図は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS701では、停止起点図柄の入力があるかないかを判定し、入力がある場合にはステップS702に進み、入力がない場合にはステップS703に進む。
ステップS702では、装飾図柄表示装置110を用いて、入力された図柄の表示位置を停止起点として報知する。
ステップS703では、上述の抽選で選択した送り図柄数に従って装飾図柄を変動表示した後、装飾図柄を停止する。
<停止起点情報入力処理>
次に、図17を用いて、上記演出制御部タイマ割り込み処理における停止起点情報入力処理(ステップS406)について説明する。なお、同図は停止起点情報入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS801では、選択ボタン160の入力を検出した場合に、装飾1〜装飾8の8種類の装飾図柄の中から停止起点図柄に設定する装飾図柄を選択する。
ステップS802では、決定ボタン161の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出した場合にはステップS803に進み、入力を検出していない場合にはステップS801に戻って停止起点図柄の選択を継続する。
<停止起点図柄設定>
次に、図18を用いて、上述の停止起点情報入力処理で行う停止起点図柄設定について説明する。同図は、停止起点図柄設定の一例を示した図である。
演出制御部350は、選択ボタン160の入力などを契機として、装飾図柄表示装置110の表示画面に同図(a)に示すような停止起点図柄設定画面の表示を行う。そして、演出制御部350は、上記ステップS801において、選択ボタン160の入力を検出するたびに、矩形形状の選択枠の表示を装飾1→装飾2→・・・装飾7→装飾8→装飾1→・・・の順番で切り替えるとともに(同図(b)参照)、上記ステップS802において、決定ボタン161の入力を検出した場合に、上記ステップS803において矩形形状の選択枠で囲まれた装飾図柄(この例では装飾2)を停止起点図柄に設定する(同図(c)参照)。
<図柄送り>
次に、図19を用いて、上述の図柄停止処理で行う図柄送りについて説明する。同図は、図柄送りの一例を示した図である。
演出制御部350は、特図変動遊技の開始を契機として、装飾図柄表示装置110の上側表示画面110dに設けた上述の左、中、右図柄表示領域110a〜110cを用いて装飾図柄の変動表示を行うとともに、装飾図柄表示装置110の下側表示画面110eに、一般的なスロットマシンが備える3つの停止ボタンを模した左停止ボタン画像S1、中停止ボタン画像S2、右停止ボタン画像S3を表示する(同図(a)参照)。
次に、演出表示部350は、上記ステップS701において、上述の停止起点図柄が設定されているか否かを判定する。そして、停止起点図柄が設定されている場合には、上記ステップS702において、停止起点図柄(この例では装飾2)が左図柄表示領域110aの中段に表示されたときに、装飾図柄表示装置110の下側表示画面110eに表示している左停止ボタン画像S1を、左停止ボタンが押下操作されたような表示態様(この例では左停止ボタン画像S1を光らせる)に変化させるとともに、停止起点図柄である装飾2を矩形形状の枠で囲むことによって、図柄の停止起点を遊技者に報知する(同図(b)参照)。
次に、演出表示部350は、左、中、右図柄表示領域110a〜110cの全ての装飾図柄の変動表示を継続するとともに(同図(c)参照)、左図柄表示領域110aの中段を基準とした停止起点図柄の図柄位置(送り図柄数)を示す画像を左停止ボタン画像S1の右横に表示する(同図(d)参照)。なお、同図(d)の例では、停止起点図柄の図柄位置は、左図柄表示領域110aの中段から図柄1つ分だけ送られている(進んでいる)ので、送り図柄数は1であり、左停止ボタン画像S1の右横には、送り図柄が1であることを示す画像を表示している。
次に、演出表示部350は、上記ステップ703において、抽選で選択した所定の送り図柄数(この例では2)に達するまで左図柄表示領域110aの変動表示を継続し(同図(e)参照)、所定の送り図柄数に達した場合に、左図柄表示領域110aにおける図柄の変動表示を停止する(同図(f)参照)。なお、この例では、送り図柄数が2であるため、上記図10の左図柄用送り図柄数テーブルによれば、大当たりに当選する可能性は僅かにあるものの(確率は10/128)、特別大当たりに当選する可能性はない(確率は0)。すなわち、送り図柄数の報知によって、遊技者は、自身が得ることができる特別な利益の大小を直感的に把握することが可能となっている。
以上説明したように、本実施例1に係るパチンコ機100は、図柄を変動表示する図柄変動表示部(本実施例では、装飾図柄表示装置110の上側表示画面110d)と、図柄の変動表示を制御する図柄変動制御手段(本実施例では演出制御部)350と、を備えた遊技台において、図柄変動の停止の起点となる停止起点情報(本実施例では、装飾図柄表示装置110の下側表示画面110eに表示している左停止ボタン画像S1を、左停止ボタンが押下操作されたような表示態様に変化させるとともに、停止起点図柄を矩形形状の枠で囲む)を報知する停止起点報知手段(本実施例では、図柄停止処理のステップS702や装飾図柄表示装置110の下側表示画面110eが該当)をさらに備え、図柄変動制御手段は、停止起点報知手段が停止起点情報の報知を行った後に、図柄変動を停止させることを特徴とする、遊技台である。
本実施例1に係るパチンコ機100によれば、遊技者に図柄変動が停止されることを予め認識させることができ、図柄の停止前動作(変動している図柄が停止するまでに行われれる演出などの動作)に対する遊技者の期待感を高めることができる。そのため、図柄変動の停止態様に関して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、「停止起点情報」は上記実施例1に示した例に限定されず、例えば、枠ランプを全点灯して図柄変動の停止の起点を報知してもよく、スピーカから音を出力して図柄変動の停止の起点を報知してもよく、可動物を作動させて図柄変動の停止の起点を報知してもよい。また、本発明に係る「停止の起点」とは、停止を予告する情報を含むものである。
また、図柄変動表示部は、図柄を変動表示する図柄変動領域(本実施例では、装飾図柄表示装置110の上側表示画面)110dを有し、停止起点報知手段は、図柄変動表示部の図柄変動領域110dにおいて停止起点情報の報知を行うようにすれば、遊技者が図柄変動に注目している場合であっても遊技者が停止起点情報を見逃してしまうおそれが少ない。
また、図柄変動表示部は、図柄を変動表示する図柄変動領域110dを有し、停止起点報知手段は、図柄変動表示部の図柄変動領域110dとは別の表示領域(本実施例では、装飾図柄表示装置110の下側表示画面110e)において停止起点情報の報知を行えば、図柄の変動表示と、停止起点情報の報知の独立性を高めることができ、制御プログラムを簡素化できる場合がある。
また、図柄変動制御手段は、所定の条件(本実施例では、はずれ、大当たり、または特別大当たり)に基づいて、停止起点報知手段が停止起点情報の報知を行ってから図柄変動を停止するまでの間に行う図柄の停止前動作(本実施例では送り図柄数)を設定すれば、遊技者は停止前動作に基づいて所定の条件の内容をある程度推測することができるため、図柄変動の停止態様に関して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の興趣を高めることができる場合がある。なお、上記実施例1では、停止の起点となる情報を報知してから停止するまでの送り図柄数を変化させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、停止の起点となる情報を報知してから停止するまでの経過時間を変化させてもよい。
また、所定の抽選条件が成立した場合に遊技者に与える利益の量を抽選する利益抽選手段(本実施例では、演出データ選択処理のステップS603が該当)をさらに備え、図柄変動制御手段は、利益抽選手段の抽選結果に基づいて、図柄の停止前動作を設定すれば、遊技者は停止前動作に基づいて、自身に与えられる利益の量(大小)をある程度推測することができるため、図柄変動の停止態様に関して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の興趣を高めることができる場合がある。
また、図柄変動制御手段は、図柄の停止前動作として、停止起点報知手段が停止起点情報の報知を行ってから図柄変動を停止するまでの間に図柄変動表示部に表示させる図柄の送り図柄数を設定すれば、遊技者は送り図柄数の大小によって、自身に与えられる利益の量(大小)をある程度推測することができるため、図柄変動の停止態様に関して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の興趣を高めることができる場合がある。
また、所定の抽選条件が成立した場合に遊技者に与える利益の量を抽選する利益抽選手段をさらに備え、利益抽選手段は、少なくとも、第1の利益と、第1の利益よりも利益の量が大きい第2の利益のいずれかの抽選を行い、図柄変動制御手段は、利益抽選手段の抽選結果が第2の利益の場合に、第1の利益の場合よりも、送り図柄数を多く設定すれば、送り図柄数が多ければ多いほど遊技者に与える利益が大きくなるため、図柄変動の停止態様に関して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の興趣を高めることができる場合がある。
また、停止起点報知手段は、(図柄変動の停止タイミングに関わらず)停止起点情報の報知タイミングが一定になるように停止起点情報の報知を行うように構成すれば、遊技者は図柄変動の停止起点を確実に把握することができるため、図柄変動の停止起点から図柄変動の停止までの停止態様の違い(例えば、送り図柄数の違い、経過時間の違い)などを容易に把握できる場合がある。
また、報知タイミングに関する情報の入力を受け付ける入力操作部(本実施例では、選択ボタンや決定ボタン)をさらに備え、停止起点報知手段は、入力された報知タイミングに関する情報に基づいて、停止起点情報を報知すれば、遊技者は停止起点情報の報知タイミングを自身で設定することができる上に報知タイミングを確実に把握することができるため、図柄変動の停止起点から図柄変動の停止までの停止態様の違いなどを容易に把握できる場合がある。
また、入力操作部は、図柄に関する情報の入力操作を受け付け、停止起点報知手段は、入力操作により入力した図柄が図柄変動表示部の特定の箇所(本実施例では、最初に停止表示する左図柄表示領域110aの中段)に表示された際に停止起点情報を報知すれば、遊技者は図柄停止開始の契機となる図柄を自身で設定することができる上に報知タイミングを確実に把握することができるため、図柄変動の停止起点から図柄変動の停止までの停止態様の違いなどを容易に把握できる場合がある。なお、上記実施例1では、遊技者が設定した停止起点図柄に基づいて図柄の変動停止を開始する例を示したが、例えば、所定の演出ステージに突入した場合に図柄の変動停止を開始してもよく、また、所定の遊技(確率変動遊技、時短遊技など)を開始した場合に図柄の変動停止を開始してもよい。
また、図柄変動制御手段は、入力操作部によって図柄に関する情報が入力された場合に、入力操作部によって図柄に関する情報が入力されていない場合に変動表示する図柄の表示態様とは異ならせて変動表示すれば、遊技者は自身が入力した図柄を容易に把握することが可能となる。なお、上記実施例1では、図柄の周囲に矩形形状の枠を表示することで図柄の表示態様を異ならせたが、例えば、図柄を光らせたり、図柄の色を変えることによって図柄の表示態様を異ならせてもよく、このように構成すれば、遊技者は、停止起点をより一層確実に把握することが可能となる。
なお、上記実施例1では、左図柄表示領域110aに表示する図柄の変動表示を最初に停止させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、中図柄表示領域110bまたは右図柄表示領域110cに表示する図柄の変動表示を最初に停止させてもよい。 また、停止起点図柄に設定した図柄を含む表示ラインを最初に停止させる場合に限定されるものではなく、停止起点図柄に設定した図柄を含む表示ラインを2番目または最後に停止させてもよい。ただし、停止起点図柄に設定した図柄を含む表示ラインを最初に停止させることによって、変動停止の早い段階から図柄変動の停止態様に関して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の興趣を一層高めることができる場合がある。
また、停止起点図柄として設定可能な図柄も左図柄表示領域110aに表示する図柄に限定されるものではなく、中図柄表示領域110bまたは右図柄表示領域110cに表示する図柄を停止起点図柄に設定するように構成してもよい。ただし、変動表示領域に表示する図柄全てについて停止起点図柄に設定可能な構成とした場合、遊技者が大当たりに対応する図柄の組合せを容易に停止表示可能となるため、停止起点図柄として設定可能な図柄は、変動表示する図柄の一部(例えば、上記実施例1のように3つの表示ラインがある場合には、1つまたは2つの表示ラインの図柄)に限定する必要がある。また、上記実施例では、上から下へ縦方向に回転するような変動表示の例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、横方向に回転するような変動表示、奥から手前に回転するような変動表示、連続的に図柄が変化するような変動表示など、いずれの変動表示であっても構わない。