JP2009049264A - 磁気記憶素子及び磁気記憶装置 - Google Patents

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裕一 大沢
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Abstract

【課題】低消費電力で、安定的な書き込みが可能な磁気記憶素子及び磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】第1固着層と、第2固着層と、第1固着層と第2固着層との間に設けられた記憶層と、前記第1固着層と前記記憶層との間に設けられた第1中間層と、前記第2固着層と前記記憶層との間に設けられた第2中間層と、前記第1固着層に接続された第1電極と、前記第2固着層に接続された第2電極と、前記第1中間層に接続され、前記記憶層に直接接続されていない第3電極と、を備え、前記第1固着層、前記第2固着層、および前記記憶層のそれぞれの磁化方向は、互いに平行または反平行であり、前記第1電極と前記第3電極の間で電流を、第1の極性で、第1固着層に流れる電流が第1の閾値以上になるように流した場合に、前記記憶層の磁化方向が、第1の方向となり、前記電流を、第2の極性で、第1固着層に流れる電流が第2の閾値以上になるように流した場合に、前記記憶層の磁化方向が、第2の方向となる、ことを特徴とする磁気記憶素子を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気記憶素子及びそれを用いた磁気記憶装置に関する。
近年、広範囲かつ高度に情報化された社会を支え、また、牽引していく存在として、様々な要求を満たす情報処理デバイスが求められている。特に、強磁性体の磁気モーメントを用いた記憶装置として、ハードディスクドライブや磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)がある。このような、電子のスピン自由度を利用するスピンエレクトロニクスデバイスの特徴として、セルの微細化による高集積化に適していること、高速動作が可能なこと、不揮発性を持つことなどが挙げられ、記憶装置やそれ以外の用途において、今後ますます利用が拡大すると考えられる。
スピンエレクトロニクスデバイスにおける、微小な磁性体の磁化方向を制御する方法として、電流を介したスピントランスファ現象を用いる方法がある。「スピントランスファ」とは、伝導電子のスピンから磁性体の局在磁気モーメントへの角運動量の伝達を意味する。スピントランスファ方式は、磁界作用方式に比べて、セルのサイズが小さくなればなるほど、書き込み電流を低減化できるという特徴を有する。
例えば、磁化固着磁性層(以下、「固着層」とも呼ぶ)、中間層、磁化自由磁性層(以下、「記憶層」とも呼ぶ)からなる積層膜を、数十から数百ナノメートル四方のドット形状にパターニングし、この積層膜に、膜面に垂直な方向に電流を流すことにより、磁化方向の制御(書き込み)および検出(読み出し)が行われ、記憶素子として利用することができる。
また、このようなスピントランスファ書き込みの磁気素子の読み出し効率を高めるために、中間層に絶縁性薄膜を用い、トンネル磁気抵抗効果を用いることもできる。
しかし、これらスピントランスファトルクにより磁化反転させることを特徴とする磁気記憶素子において、絶縁体からなる層に電流を流すと消費電力が増大し、また、大電流を流すことにより素子が破壊される可能性がある。
これを回避するために、記憶層に電極や配線を接続して書き込み時と読み出し時の電流経路を分ける構造も考えられる。しかし、記憶層の側面に他の導電層を設けて記憶層に接続する構造は、製造過程で記憶層の形状のばらつき原因になりえるため、ひいては製造コストの増大に繋がるため実用的ではない。
一方、非磁性層を介して固着層と記憶層とを積層し、固着層の磁化方向が層の主面に対して垂直方向で、記憶層の磁化方向が層の面内に平行方向である磁気素子において、非磁性層と固着層とに流れる電流パルスの極性により記憶層の磁化方向を制御する方法が開示されている(特許文献1)。しかしこの場合、電流パルスを高精度に制御する必要がある点で改善の余地がある。
なお、非特許文献1、2には、磁性層、非磁性層からなる積層膜を流れる電子のスピン状態や、スピントルクトランスファによる磁性体の磁化反転の理論モデルが開示されている。
米国特許第6980469B2号明細書 A.Brataas et al. Phys. Rev. Lett. 84, 2481 (2000) T.Valet and A.Fert, Phys. Rev. B 48, 7099 (1993)
従来のスピントランスファトルクにより磁化反転させることを特徴とする磁気記憶素子は、消費電力が大きく、また大電流を用いることにより素子が破壊される可能性があった。また、これを回避するために提案された方法は、製造ばらつきを伴い製造コストの増大に繋がるものであった。また、固着層の磁化方向が層の面内に対して垂直方向で、記憶層の磁化方向が層の面内に平行方向である従来の磁気素子では、動作条件を高精度で制御する必要があり、実用的ではなかった。
本発明は、低消費電力で、安定的な書き込みが可能な磁気記憶素子及び磁気記憶装置を提供する。
本発明の一態様によれば、強磁性体を含み、磁化方向が固定された第1固着層と、強磁性体を含み、磁化方向が固定された第2固着層と、前記第1固着層と前記第2固着層との間に設けられ、強磁性体を含み磁化方向が可変の記憶層と、前記第1固着層と前記記憶層との間に設けられ、非磁性体からなる第1中間層と、前記第2固着層と前記記憶層との間に設けられ、非磁性体からなる第2中間層と、前記第1固着層に接続された第1電極と、前記第2固着層に接続された第2電極と、前記第1中間層に接続され、前記記憶層に直接接続されていない第3電極と、を備え、前記第1固着層、前記第2固着層、および前記記憶層のそれぞれの磁化方向は、互いに平行または反平行であり、前記第1電極と前記第3電極の間に電流を双方向に流すことが可能とされ、前記電流を、第1の極性で、第1固着層に流れる電流が第1の閾値以上になるように流した場合に、前記記憶層の磁化方向が、第1の方向となり、前記電流を、第2の極性で、第1固着層に流れる電流が第2の閾値以上になるように流した場合に、前記記憶層の磁化方向が、第2の方向となる、ことを特徴とする磁気記憶素子が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、複数のワード線と、複数の書き込みビット線と、複数の読み出しビット線と、上記の複数の磁気記憶素子と、を備え、前記複数のワード線のいずれかと前記複数の書き込みビット線のいずれかとを選択して前記複数の磁気記憶素子のいずれかの前記第1電極と前記第3電極との間に電流を流すことにより、その記憶層の磁化方向を前記第1の方向と前記第2の方向とのいずれかとすることが可能とされ、前記複数のワード線のいずれかと前記複数の読み出しビット線のいずれかとを選択して前記複数の磁気記憶素子のいずれかの前記第2電極と前記第1電極との間に電流を流す、または、前記第2電極と前記第3電極との間に電流を流すことにより、前記記憶層と前記第2固着層との間の磁気抵抗効果が検出可能とされたことを特徴とする磁気記憶装置が提供される。
本発明によれば、低消費電力で、安定的な書き込みが可能な磁気記憶素子及び磁気記憶装置が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる磁気記憶素子の断面構造を模式的に示す図である。
この磁気記憶素子Rは、基板上に非磁性層などを介して、または介さずに、強磁性層FP1、非磁性層S1、強磁性層FF、非磁性層S2、強磁性層FP2がこの順に積層された構造を有する。磁気記憶素子Rの平面形状は例えば四角形であり、その場合、素子の立体形状は、四角柱、四角錐台の組み合わせとすることができる。なお、強磁性層FP1、FP2,FFは、後述するように複数のサブレイヤーからなる積層構造とすることもできる。しかし、まず、強磁性層FP1、FP2、FFが単層である場合を例に取り、説明する。
強磁性層FP1の磁化方向は、固着されている。これは、例えば、図1中には示してはいないが、強磁性層FP1の非磁性層S1と反対の面側に反強磁性層AF1を設けることにより実現できる。別の方法として、強磁性層FP1に、一軸異方性定数Kuが非常に大きい磁性材料を用いることにより実現できる。以下、強磁性層FP1を第1固着層FP1と称する。
強磁性層FP2の磁化方向も、固着されている。これも、例えば、図1中には示してはいないが、強磁性層FP2の非磁性層S2と反対の面側に反強磁性層AF2を設けることにより実現できる。別の方法として、強磁性層FP2に、一軸異方性定数Kuが非常に大きい磁性材料を用いることによっても実現できる。以下、強磁性層FP2を第2固着層FP2と称する。
強磁性層FFの磁化方向に関しては、このような固着化機構を設けない。よって、強磁性層FFの磁化方向は可変である。以下、強磁性層FFを記憶層FFと称する。
これら、第1固着層FP1、第2固着層FP2、および記憶層FFのそれぞれの磁化方向は、同じ平面内である。例えば、それぞれの磁化方向は各層に対して平行な平面内にあってもよく、あるいは各層に対して垂直で所定の平面内にあっても良い。以下、第1固着層FP1、第2固着層FP2、および記憶層FFのそれぞれの磁化方向が各層に対して平行な平面内にある場合について説明する。
一方、非磁性層S1、S2は、非磁性材料からなり、非磁性層を挟む2つの強磁性層間に働く直接的な相互作用が無視できる程度に両層を隔離するだけの膜厚が必要である。同時に、素子に電流を流した場合に、一方の磁性層を透過した伝導電子が他方の磁性層に至るまでに電子のスピンの方向が反転しないことが要求されるため、非磁性層S1、S2の膜厚はスピン拡散長よりも薄いことが望ましい。これらを両立させる条件として、非磁性層S1、S2の層厚は、0.2nm〜20nmが望ましい。以下、非磁性層S1を第1中間層S1と称し、非磁性層S2を第2中間層S2と称す。
固着層FP1、FP2には、それぞれ電極EL1、EL2が接続されており、第1中間層S1には、電極EL3が接続されている。以下、電極EL1、EL2、EL3をそれぞれ、第1電極EL1、第2電極EL2、第3電極EL3と称する。
第1中間層S1と電極EL3は、同じ材料から構成されていても構わない。ただし、第3電極EL3は、記憶層FFから離された位置に存在する。
第1電極EL1と第3電極EL3の間に電流を流すことができる。これに加えて、第1電極EL1と第2電極EL2の間、または、第2電極EL2と第3電極EL3の間、の少なくとも一方に電流を流すことができる。
この素子は、例えばスパッタリング技術とリソグラフィー技術によって作製することができる。
次に磁気記憶素子Rの記憶層への書き込みについて説明する。
第1電極EL1から第3電極EL3に向かって電子が流れる方向に閾値Ic1 より大きな電流を流すと、記憶層FFの磁化方向は、第1固着層FP1の磁化方向と平行方向を向く。逆に、第3電極EL3から第1電極EL1に向かって電子が流れる方向に閾値Ic2 より大きな電流を流すと、記憶層FFの磁化方向は、第1固着層FP1の磁化方向と反平行方向を向く。つまり、磁気記憶素子Rの記憶層FFに、極性の異なる電流を導入することで2つの異なる状態を書き込むことが可能である。
書き込みにおいて、第1電極EL1と第3電極EL3の間に電流を流す際に、記憶層FF、第2中間層S2を通じて第2電極EL2に電流を流す必要はない。例えば、書き込み時に第2電極EL2、または、それに接続された配線の終端を開放状態としても構わない。書き込み時に、第2電極EL2、または、それに接続された配線の終端を、接地する、または、電源端子に接続する場合、記憶層FF,第2中間層S2を通じて第2電極EL2に流れる電流量は、第2電極EL2の電位の他、記憶層FF、第2中間層S2、第2電極EL2および配線の持つ電気抵抗と、第2中間層S1、第3電極EL3および配線の持つ電気抵抗との比に依存する。したがって、第2中間層S2の材料として、第1中間層S1より導電性の低い材料を用いれば、第2電極EL2の電位に関係なく記憶層FF、第2中間層S2を通じて第2電極EL2に流れる電流を低減でき、消費電力を抑えられるので望ましい。
ただし、後述するように、読み出しの際には、第1電極EL1と第2電極EL2の間、または、第3電極EL3と第2電極EL2の間に電流を流し、その電気抵抗を検出する必要がある。読み出し速度の高速性を確保するためには、極度に高抵抗にならないように、材料や層厚を調整する必要がある。例えば、第1中間層S1に非磁性金属を用い、第2中間層S2に絶縁体や半導体の薄膜を用いることができる。
また、本発明では、第1固着層FP1および記憶層FFのそれぞれの磁化方向は、同じ平面内である。このため、第1電極EL1と第3電極EL3に流れる電流の制御は、特許文献1に記載された磁気記憶素子の場合のように高精度である必要がなく、安定した書き込みを実現できる。
次に、磁気記憶素子Rの記憶層FFの磁化方向として格納されたデータビットの読み出しについて説明する。読み出しには、第1電極EL1と第2電極EL2の間に電流を流す方法と、第2電極EL2と第3電極EL3の間に電流を流す方法がある。
まず、第1電極EL1と第2電極EL2の間に電流を流すことによって読み出しを行う方法について説明する。
第1電極EL1から第2電極EL2に向かって電子が流れる方向に電流を流す、または、第2電極EL2から第1電極EL1に向かって電子が流れる方向に電流を流すときの電気抵抗は、いわゆる磁気抵抗効果により、記憶層FFの磁性層の磁化方向と非磁性層を介してそれに隣接する磁性層の磁化方向との相対角度に依存する。
第1中間層S1や配線の電気抵抗に比べて、第2中間層S2の電気抵抗が高ければ、記憶層FF/第2中間層S2/第2固着層FP2からなる磁気抵抗効果部の電気抵抗変化が検出される。すなわち、記憶層FFの磁化方向と第2固着層FP2の磁化方向とが、平行である場合に、通常、電気抵抗が低くなり、両者が反平行である場合に電気抵抗が高くなる。このことを利用して、記憶層FFの磁化方向として格納されたデータビットが読み出される。
また、第1中間層S1や配線の電気抵抗に比べて、第2中間層S2の電気抵抗が低ければ、記憶層FF/第1中間層S1/第1固着層FP1からなる磁気抵抗効果部の電気抵抗変化が検出される。
また、第3電極EL3と第2電極EL2の間に電流を流すことによって読み出しを行う場合、記憶層FF/第2中間層S2/第2固着層FP2からなる磁気抵抗効果部の電気抵抗変化が検出される。
また、本発明では、第2固着層FP1および記憶層FFのそれぞれの磁化方向は、同じ平面内である。この構成によると、上に述べた磁気抵抗効果部の電気抵抗が効率的に検出できる。
本実施形態においては、第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFの磁化の安定方向は、互いに平行であるか反平行であるかのいずれかである。第1磁性層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFの磁化の安定方向は、この条件を満たす任意の方向とすることができる。この時、これらの磁性層の磁化方向が、膜面内の方向であっても膜面に対して垂直な方向であっても構わない。また、第1固着層FP1と第2固着層FP2の磁化方向は互いに平行であっても反平行であってもかまわない。
また、第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFは、それぞれ、強磁性サブレイヤーを2層以上含み、非磁性サブレイヤーを0層以上含む多層構造とすることもできる。
一般に、非磁性層を介した2つの強磁性層の間の交換結合は、図2に模式的に示すように、非磁性層の膜厚に対して正負に振動する。したがって、図2において、正(負)のピーク位置のいずれかに対応するように、非磁性サブレイヤーの膜厚を設定すれば、その両側に隣接する強磁性サブレイヤーの間の交換結合を、強磁性的(反強磁性的)にそれぞれ設定できる。
第1固着層FP1が強磁性サブレイヤーを2層以上含むとき、強磁性サブレイヤーの各々の磁化方向は、第1固着層FP1が単層の場合と同じ条件を満たし、第1固着層FP1の磁化方向とは、第1固着層FP1に含まれる強磁性サブレイヤーのうち最も第1中間層S1に近いものの強磁性サブレイヤーの磁化方向を指すものとする。
また、第2固着層FP2が強磁性サブレイヤーを2層以上含むとき、強磁性サブレイヤーの各々の磁化方向は、第2固着層FP2が単層の場合と同じ条件を満たし、第2固着層FP2の磁化方向とは、第2固着層FP2に含まれる強磁性サブレイヤーのうち最も第2中間層S2に近いものの強磁性サブレイヤーの磁化方向を指すものとする。
記憶層FFが強磁性サブレイヤーを2層以上含むとき、強磁性サブレイヤーの各々の磁化方向は、記憶層FFが単層の場合と同じ条件を満たす。また、書き込みのメカニズムにおいて説明した記憶層FFの磁化方向とは、記憶層FFを構成する強磁性サブレイヤーのうち最も第1中間層S1に近いものの磁化方向のことである。そして、読み出しのメカニズムにおいて説明した記憶層FFの磁化方向とは、記憶層FFを構成する強磁性サブレイヤーのうち最も第2中間層S2に近いものの磁化方向のことである。
他の強磁性サブレイヤーの磁化方向は、隣接する強磁性サブレイヤー間の交換結合が強磁性的であるか反強磁性的であるかによって決まるので、一意に決まる。
次に、上記の磁気記憶素子Rの各層の構成材料について説明する。
第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFには、各種の磁性材料を用いることができる。例えば、Co、Fe、Ni、またはこれらを含む合金を用いることができる。これらの材料を用いた場合、通常は、磁化容易軸は面内方向になる。また、本実施形態の磁気記憶素子において、層毎に異なる磁性材料を用いても構わない。
また別の例として、第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFに、一軸異方性定数Kuが大きく、垂直磁気異方性を示すFePt、CoPt、FePd、CoPdなどを用いることができる。また、hcp構造(最密六方構造)の結晶構造を持ち、垂直磁気異方性を示す磁性材料を用いることもできる。このような磁性材料としては、Coを主成分とする金属を含むものが代表的であるが、他のhcp構造を有する金属を用いることもできる。その他、希土類元素と鉄族遷移元素との合金で、垂直磁気異方性を示す材料を用いることもできる。具体的には、GdFe、GdCo、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCo、GdTbFe、GdTbCo、DyFe、DyCo、DyFeCoなどが挙げられる。
また、第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFがそれぞれ積層構造を有する場合、それを構成する強磁性サブレイヤーとしてCoを、非磁性サブレイヤーとしてPtまたはPdを用いることができる。
なお、第1固着層FP1、第2固着層FP2の厚さは、それぞれ、0.6nm以上100nm以下の範囲内とすることが望ましい。また、記憶層FFの厚さは、0.2nm 以上20nm 以下の範囲内とすることが望ましい。
第1固着層FP1にスピン分極率が高い材料を用いると、スピントランスファによる磁化反転の効率が高くなり、電流閾値が下がるので好ましい。また、第2固着層FP2にスピン分極率が高い材料を用いると、磁気抵抗比が大きくなり、読み出しが容易になるので好ましい。したがって、第1固着層FP1や第2固着層FP2に用いる材料として、「ハーフメタル」と呼ばれる高スピン分極率材料は、望ましい材料である。ハーフメタルの例として、ホイスラー系合金、ルチル型酸化物、スピネル型酸化物、ペロブスカイト型酸化物、二重ペロブスカイト型酸化物、閃亜鉛鉱型クロム化合物、パイライト型マンガン化合物、センダスト合金が含まれる。
さらに、第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFに用いられるこれらの磁性体に、Ag、Cu、Au、Al、Mg、Si、Bi、Ta、B、C、O、N、Pd、Pt、Zr、Ir、W、Mo、Nb、Hなどの非磁性元素を添加して、磁気特性を調節したり、その他、結晶性、機械的特性、化学的特性などの各種物性を調節することができる。また、第1固着層FP1、第2固着層FP2や記憶層FFが多層膜構造を有する場合、それを構成する非磁性サブレイヤーの材料として、Cu、Au、Ag、Ru、Ir、Osまたは、これらのいずれか一種以上を含む合金を用いることができる。
反強磁性層AF1、AF2の材料としては、Fe−Mn、Pt−Mn、Pt−Cr−Mn、Ni−Mn、Pd−Mn、Pd−Pt−Mn、Ir−Mn、Pt−Ir−Mn、NiO、Fe、磁性半導体などを用いることができる。なお、本願明細書において、例えば「X−Y」と表したものは、XとYとの合金または化合物を表す。3種類以上の元素を「−」で接続して表した場合も同様とする。
また、第1中間層S1、第2中間層S2、電極EL1,電極EL2,電極EL3に非磁性金属を用いる場合には、A u、Cu、Cr、Zn、Ga、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Pt、Biのうちのいずれか、または、これらのいずれか一種以上を含む合金を用いることができる。また、この非磁性金属からなる第1中間層S2、第2中間層S2の層厚は、0.2nm以上20nm以下の範囲内とすることが望ましい。
本実施形態の磁気記憶素子の磁気抵抗効果を大きくするには、第2中間層S2の材料をトンネルバリア層として機能させることが効果的である。この場合、第2中間層S2の材料として、Al、SiO、MgO、AlN、Bi、MgF、CaF、SrTiO、AlLaO、Al−N−O、Si−N−O、非磁性半導体(ZnO、InMn、GaN、GaAs、TiO、Zn、Te、または、それらに遷移金属がドープされたもの)などを用いることができる。これらの化合物は、化学量論的にみて完全に正確な組成である必要はなく、酸素、窒素、フッ素などの欠損、または過不足が存在していてもよい。また、この絶縁材料からなる第2中間層S2の厚さは、0.2nm以上5nm以下とすることが望ましい。
第2中間層S2が絶縁層である場合、その内部にピンホールPHが存在しても良い。この場合、ピンホールPHは、その両側の第2固着層FP2および記憶層FFの少なくともいずれかの材料により埋め込まれている。第2固着層FP2と記憶層FFとがピンホールPHを介して接続されていると、いわゆる「磁性ポイントコンタクト」による「BMR効果(ballistic magnetoresistance effect)」が発現し、極めて大きい磁気抵抗効果が得られ、その結果、読み出し時のマージンが大きくなる。ピンホールPHの開口径は、概ね20nm以下であることが望ましい。また、ピンホールPHの形状は、円錐状、円柱状、球状、多角錘状、多角柱状などの各種の形状を取り得る。また、ピンホールPHの数は、1個でも複数でもよい。
次に、本発明の別の実施形態、すなわち、第2〜第5の実施形態の例について、それぞれ図3〜図6に表す。これらの実施形態の磁気素子においては、各層の断面積が互いに異なる構成とすることができる。
図3に示すように、上方の層ほど断面積が小さくなるような構成の場合、すべての層を成膜した後に各層のパターニングを行う、という製造方法を用いることができる。また、図4と図5に表したように、第1電極EL1と第1固着層FP1が第2電極EL2と第2固着層FP2に対して、層に対して水平方向にずれた構造とすることもできる。
この場合、第1電極EL1と第1固着層FP1が、第2電極EL2と第2固着層FP2より第3電極EL3から離れた位置に配置された、図4に表した構造の方が、図5に表した構造に比べて、第1中間層S1内の記憶層FFとの界面近傍の領域におけるスピン蓄積が大きくなるので、記憶層FFにスピン流が流れやすくなり、書き込み効率が増大するので、より有利である。
また、図6に表した第5の実施の形態では、第3電極EL3を、第1中間層S1の上面で、かつ、記憶層FFから離された位置に配置することも可能である。また、図には示さないが、同様に、第3電極EL3を、第1中間層S1の下面で、かつ、記憶層FFから離された位置に配置することも可能である。
本実施形態の動作および発明の効果を明らかにするために、非特許文献1、2において開示されている理論モデルに基づき、以下のパラメータを用いてシミュレーションを行った。
この際、シミュレーションには、本発明の第1の実施形態の構造、すなわち、以下に示す構造Aであり、以下に表す構造に関するパラメータを用いた。

構造A(本発明の第1の実施形態):第2電極EL2/第2固着層FP2(磁性体、層厚20nm)/第2中間層S2(絶縁体、層厚0.9nm)/記憶層FF(磁性体、層厚2.5nm)/第1中間層S1(非磁性金属、層厚をXnmとし変化させた)/第1固着層FP1(磁性体、層厚20nm)/第1電極EL1であり、中間層S1の断面積が100nm×200nmで、他の層は断面積50nm×100nmの柱状形状とし、中間層S1に第3電極EL3が接続されている構造。

また、比較例として、以下に表す構造Bのものを用いた。

構造B(比較例):上記中間層S1も含め、全ての層が50nm×100nmの柱状形状であり、第3電極EL3を有さない構造。
また、材料に関するパラメータとしては、非磁性金属の電気抵抗率を1.7×10−8上Ωm、磁性体の電気抵抗率を6.7×10−8Ωm、非磁性金属のスピン拡散長を150nm、磁性体のスピン拡散長を20nm、磁性体内でのスピン偏極率を0.5とした。
また、磁性体/非磁性体の界面に関するパラメータとして、界面抵抗を5×10−4Ωm、スピン偏極率0.75、界面ミキシングコンダクタンスをコンダクタンスの0.88倍とした。磁性体/絶縁体/磁性体界面に関するパラメータとして、障壁高さを0.4eV、入射電子のスピン偏極率を0.5とした。
比較例である構造Bの計算においては、第1電極EL1と第2電極EL2の間に一定電圧を与えたときに記憶層FFの磁化に作用するトルクの大きさを見積もることにより、磁化反転に必要な電流の閾値を求めた。同様に、本発明の一実施形態である構造Aの計算においては、第1電極EL1と第3電極EL3の間に一定電圧を与え、第2電極EL2を接地したときに記憶層FFの磁化に作用するトルクの大きさから反転に必要な電流の閾値を求めた。ただし、この場合の電流の値とは、第1固着層FP1と第1中間層S1の間を流れる電流の値である。
計算結果の一例と示すと、第1中間層S1の層厚が6nmのとき、正負の反転電流閾値の平均値は、比較例の構造Bの場合は0.3mA、本発明の一実施形態である構造Aの場合は0.5mAであった。このとき、本実施形態の構造Aにおいては、第1固着層と中間層S1の間を流れる電流の値が上記の値のとき、第2中間層S2を流れるトンネル電流の値は、0.0003mAであった。このように、本実施形態の構造Aでは、絶縁体からなる第2中間層S2を流れる電流が、比較例の構造Bと比べて1000分の1になることから、大幅な低消費電力化が実現される。
次に、第1中間層S1の層厚を変化させて、構造Aと構造Bのそれぞれに対し、反転電流閾値を計算した。
図7は、反転電流閾値を表すグラフ図である。図7において、横軸は第1中間層S1の層厚tS1を、縦軸は、構造Aの反転電流閾値と構造Bの反転電流閾値の比Ith(A)/Ith(B)を、それぞれ表す。
図7から、構造Aの場合、構造Bの場合より、第1中間層S1の層厚を厚くすることによる反転電流閾値の増加率が顕著になることがわかる。エレクトロマイグレーションが起こる可能性を抑えるために、構造Aにおける反転電流閾値を構造Bの3倍以内に抑えようとすると、第1中間層S1の層厚を60nm 以下にしなければならない。また、構造Bの2倍以内に抑えようとすると、第1中間層S1の層厚は15nm 以下にしなければならない。実用上、反転電流閾値は従来例に比べて2.1倍以内に押さえることが必要であり、この時、第1中間層S1の層厚は20nm 以下にしなければならないことになる。
次に、本発明の一実施形態の磁気記録素子を製造する工程の例を以下に説明する。
ここで説明する素子構造および材料は、以下の如くである。なお、括弧内の数値は層厚を表す。

第2電極EL2(Cu)/反強磁性層AF2(PtMn:20nm)/第2固着層FP2(Fe:25nm)/第2中間層S2(MgO:0.85nm)/記憶層FF(CoFeNi:3nm)/第1中間層S1(Cu:7nm)/第1固着層FP1(CoFe:10nm/ Ru:1nm/ CoFe:10nm)/反強磁性層AF1(IrMn:18nm)/第1電極EL1(Cu)

この構造および材料を持つ磁気記憶素子は、以下の工程により製造することができる。まず、ウェーハの上面に第1電極EL1を形成し、その上に超高真空スパッタ装置を使って、反強磁性層AF1、第1固着層FP1、第1中間層S1を積層し、さらにその上に保護膜を形成する。次に保護膜上にレジストを塗布してEB(Electron Beam)露光することにより、第1中間層S1の形状(70nm×200nm)に応じたマスクが形成される。なお、通常の場合、マスクの開口部は複数設けられ、これにより、この開口部に対応して複数の磁気記憶素子が形成される。以下、この磁気記憶素子の一要素を「セル」と称する。
次にイオンミリングにより、マスクに被覆されない領域をエッチングする。エッチング後、マスクが剥離され、さらに、超高真空スパッタを用いて、セルの相互間にSiOを成膜する。その後、表面をイオンミリングによって平滑化し、第1中間層S1の表面を露出させる。次にその上に、記憶層FF、第2中間層S2、第2固着層FP2、反強磁性層AF2からなる積層構造を形成し、さらにその上に保護膜を形成する。このウェーハを磁場中真空炉にて、例えば270℃で10時間、磁場中アニールすることにより、第1固着層FP1、第2固着層FP2に一方向異方性が付与される。
次に、保護膜上にレジストを塗布してEB露光することにより、第2固着層の形状(50nm×100nm)に応じたマスクが形成される。次に、イオンミリングにより、マスクに被覆されない領域をエッチングする。エッチング後、マスクを剥離し、さらにセルの相互間にSiOを超高真空スパッタを使って成膜する。その後、表面をイオンミリングにより平滑化し、保護膜の表面を露出させる。この保護膜の表面の上に第2電極EL2が形成される。この結果、図3に表した第2の実施形態の磁気記憶素子Rが形成される。ただし、このサンプルにおいて、第1中間層S1の一部が電極EL3とみなされている。
次に、本発明の第6〜11の実施形態の磁気記憶素子について説明する。
図8は、本発明の第6の実施形態の磁気記憶素子の断面構造を表す模式図である。
本実施形態の磁気記憶素子Rは、図1に表した第1の実施形態の素子に加えて、第1中間層S1と第3電極EL3の間に磁化が固定された第3固着層FP3が設けられている。第3固着層FP3の磁化方向は、第1固着層FP1の磁化方向に対し、反平行である。
第3固着層FP3の磁化を固定する方法は、第1固着層FP1、第2固着層FP2の磁化を固定する方法と同様である。また、第3固着層FP3の形状や位置は、様々なものを用いてよい。第3固着層FP3と第1中間層の界面を膜面に垂直方向とする必要はなく、例えば図9に表した第7の実施形態のように傾斜した界面を有していても良い。また、図10に表した第8実施形態や、図11に表した第9実施形態のように、第1中間層S1の下面、または、上面に、第3固着層FP3と第3電極層EL3を積層した構造としても良い。
また、すでに説明したように、第1中間層S1と電極EL3の間に磁化が固定された第3固着層FP3が設けた構造において、第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FF、第3固着層FP3のうち少なくとも一つが、複数の強磁性サブレイヤーと非磁性サブレイヤーから構成されていてもよい。この一例として、第10の実施形態として、図12に、第1中間層S1の上面に、第3固着層FP3と第3電極層EL3を積層した構造で、第1固着層FP1が複数の強磁性サブレイヤーSFP1及びSFP2並びに非磁性サブレイヤーSS1から構成されている例を表す。
また、図13に表した第11の実施形態のように、傾斜した界面を持つ第3固着層FP3と第3電極層EL3が設けられた構造で、第3固着層FP3が複数の強磁性サブレイヤーSFP1及びSFP2並びに非磁性サブレイヤーSS1から構成させることもできる。
なお、これら第3固着層が複数の強磁性サブレイヤーから構成される場合、第3固着層FP3の磁化方向とは、第1中間層S1に最も近い強磁性サブレイヤーの磁化方向を指す。
また、これらの実施形態における記憶層への書き込み方法および読み出し方法は、第1の実施形態の場合と同様である。
次に、本実施形態の効果を説明するための計算例について説明する。
構造C(本発明の第9の実施形態):構造Bの構造に加えて、第1中間層S1の上面に層厚20nmの第3磁性層FP3が設けられた、図11に表した構造の素子。ただし、第3固着層FP3の断面積は50nm×100nmとし、第3固着層FP3は記憶層FFから60nm離されているとした。また、第3固着層FP3の磁化方向は第1固着層FP1の磁化方向に対して反平行とされている。
材料に関するパラメータは、構造A、構造Bについての計算で説明した値とした。
構造A、構造Bについての計算方法と同じ方法にて、反転電流閾値を計算した。その結果、第1中間層S1の膜厚を6nmとしたとき、構造Cの反転電流閾値は0.3mAとなり、構造Aの場合の反転電流閾値0.5mAより反転電流閾値が下がった。これは、第1中間層S1と第3固着層FP3の界面において反射された電子の作用により、書き込み効率が向上したことによるものと考えられる。また、構造Cにおいて、第1固着層FP1と第1中間層S1の間を流れる電流の値が上記の値のとき、第2中間層S2を流れるトンネル電流の値は、0.0002mAになった。このように、本発明の第9の実施形態である構造Cの磁気記憶素子は、先に述べた本発明の第1の実施形態である構造Aより、さらに消費電力を低減化することができる。
なお、本実施形態の磁気記憶素子においては、すでに述べたように、第1固着FP1と第2固着層のそれぞれの磁化方向は同じ平面内にあり、互いに平行方向または、反平行方向とすることができるが、平行方向で有る場合は、素子の製造において、磁場中アニールを一括で行うことができるため、より有利である。
以上説明した本実施形態の磁気記憶素子を多数並べて、磁気記憶装置に適用することができる。以下、本実施形態の磁気記録装置の実施形態の例について説明する。
図14は、本発明の磁気記憶装置の第1の実施形態の概略図である。
すなわち、本実施形態の磁気記憶装置においては、ワード線と呼ばれる配線WLが複数、互いに平行に並べられ、これらと交わる方向に、書き込みビット線と呼ばれる配線WBLが複数、互いに平行に並べられている。さらに、書き込みビット線に平行に、読み出しビット線と呼ばれる配線RBLが複数、互いに平行に並べられている。また、トランジスタ等のスイッチング素子Tと、すでに例示された本実施形態の磁気記憶素子Rを備える記憶要素(以降メモリセルと称する)が複数個、行列状に並べられており、それぞれのメモリセルには、1本のワード線WL、1本の書き込みビット線WBL、1本の読み出しビット線RBLが接続されている。これら、ワード線WL、書き込みビット線WBL、読み出しビット線RWL、スイッチング素子T、磁気記憶素子RからメモリセルアレイMCAが構成される。
また、このメモリセルアレイMCAの外部に各配線を選択するデコーダ、読み出し回路等の周辺回路Sが、各配線に接続されている。これらは、公知技術を用いて構成することが出来る。これら、メモリセルアレイMCAと周辺回路により、磁気記録装置が構成されている。
図15は、本実施形態の磁気記録装置において、各メモリセルにおける磁気記憶素子R、スイッチング素子T、各配線の接続関係を表している。この実施形態においては、メモリセルを構成する磁気記憶素子Rの第1電極EL1がスイッチング素子Tの一端に接続され、第2電極EL2が読み出しビット線RBLに接続され、第3電極EL3が書き込みビット線WBLに接続され、スイッチング素子Tのゲート部には、ワード線WLが接続されている。
図16(a)、(b)は、本実施形態の磁気記憶装置に含まれる、磁気記憶素子Rおよびそれに接続されているワード線WL、書き込みビット線WBL、読み出しビット線RBLの断面構造を模式的に示す図である。図16(a)と(b)は、互いに平行な、異なる断面を表しており、それぞれの断面図において非磁性層S1が共通に表されている。この断面図において、書き込みビット線WBLは磁気記憶素子Rの下方に配置されているが、上方に配置しても良い。なお、図には示されていないが、各磁気記憶素子Rは絶縁膜Iによって相互に電気的に絶縁されている。
磁気記憶素子Rの記憶層FFへの書き込みは、まず、外部からのアドレス信号に応じたアドレスを有する配線WLを選択することにより、スイッチング素子TをONとする。次いで、書き込みビット線WBLに電流Iwを流すことにより、書き込みが行われる。Iwの符号、大きさに必要な条件は、本実施形態の磁気記憶素子の第1の実施形態の書き込みについて例示して説明した通りである。
磁気記憶素子Rの記憶層FFに保存されたデータの読み出しは、まず、外部からのアドレス信号に応じたアドレスを有する配線WLを選択することにより、スイッチング素子TをONとする。次いで、読み出しビット線RBLに電流Irを流すことにより行われる。Irの符号は、正負どちらでも構わない。Irが正のとき、Irの大きさは、正の書き込み電流の大きさより小く、また、Irが負のとき、Irの大きさは、負の書き込み電流の大きさより小さいものとする。
次に、本発明の磁気記憶装置の別の実施形態について説明する。
図17は、本発明の磁気記憶装置の第2の実施形態についての、各メモリセルにおける磁気記憶素子R、スイッチング素子T、配線の接続関係を表している。
この実施形態においては、メモリセルを構成する磁気記憶素子Rの第1電極EL1が書き込みビット線WBLに接続され、第2電極EL2が読み出しビット線RBLに接続され、第3電極EL3がスイッチング素子Tの一端に接続され、前記スイッチング素子Tのゲート部には、ワード線WLが接続されている。
図18(a)、(b)は、本実施形態の磁気記憶装置に含まれる、磁気記憶素子Rおよびそれに接続されているワード線WL、書き込みビット線WBL、読み出しビット線RBLの断面構造の模式図である。図18(a)と(b)は、互いに平行な、異なる断面を表しており、それぞれの断面図の(※)で示される部分は互いに接続されている。この断面図において、書き込みビット線WBLは磁気記憶素子Rの下方に配置されているが、上方に配置しても良い。また、上に述べたのと同様に、各磁気記憶素子Rは絶縁膜Iによって相互に電気的に絶縁されている。
本実施例における、書き込み、読み出し方法は、上に述べた本発明の磁気記録装置の第1の実施形態の場合と同様である。
なお、図15と図17に示した構造を比較すると、図17に示した構造の場合、図17中の「read」印で示す点線のように読み出し時の電流経路は膜面垂直方向に対して電極EL3の方向に湾曲した形状になるのに対し、図15に示した構造の場合は、図15中の「read」印で示す点線のように読み出し時の電流経路は膜面に対してほぼ垂直となる。トンネル伝導には膜面垂直方向に運動する伝導電子が寄与するため、図15に示す構造の方が図17に示す構造よりも読み出し時の効率が高いという特徴がある。
さらに、本発明の磁気記憶装置の別の実施形態について、図19(a)、(b)に表す。図19(a)に示す実施形態においては、メモリセルを構成する磁気記憶素子Rの第1電極EL1がスイッチング素子Tの一端に接続され、第2電極EL2が読み出しビット線RBLに接続され、第3電極EL3は接地され、前記スイッチング素子Tのゲート部にはワード線WLが接続され、前記スイッチング素子Tの別の端は書き込みビット線WBLに接続されている。
また、図19(b)に示す本発明の磁気記憶装置の第4の実施形態においては、メモリセルを構成する磁気記憶素子Rの第1電極EL1が接地され、第2電極EL2が読み出しビット線RBLに接続され、第3電極EL3は、スイッチング素子Tの一端に接続され、前記スイッチング素子Tのゲート部にはワード線WLが接続されている。
さらに、本発明の磁気記録装置の別の実施形態の例として、第2書き込みビット線WBL2を追加した構成が挙げられる。
図20(a)、(b)は、これらの実施形態について、各メモリセルにおける磁気記憶素子R、スイッチング素子T、配線の接続関係を表している。図20(a)に例示する、第5の実施形態磁気記憶装置の場合では、メモリセルを構成する磁気記憶素子Rの第1電極EL1がスイッチング素子Tの一端に接続され、第2電極EL2が読み出しビット線RBLに接続され、第3電極EL3は書き込みビット線WBLに接続され、前記スイッチング素子Tのゲート部にはワード線WLが接続され、前記スイッチング素子Tの別の端は第2書き込みビット線WBL2に接続されている。
また、図20(b)に例示する、第6の実施形態磁気記憶装置の場合では、メモリセルを構成する磁気記憶素子Rの第1電極EL1が書き込みビット線WBLに接続され、第2電極EL2が読み出しビット線RBLに接続され、第3電極EL3はスイッチング素子Tの一端に接続され、前記スイッチング素子Tのゲート部にはワード線WLが接続され、前記スイッチング素子Tの別の端は第2書き込みビット線WBL2に接続されている。
本実施形態において、書き込みに際し、書き込むデータビットに応じた方向に磁気記憶素子Rに電流を流すが、例えば図15と図17に関して前述した本発明の第1、第2の実施形態の磁気記憶装置の例では、書き込みビット線WBL、磁気記憶素子R、スイッチング素子Tがこの順で接続され、スイッチング素子Tの別の一端が、接地、または、電源端子に接続されているため、WBLの終端に2つの異なる値の電位を与えるか、異なる符号の電流を流す手段を具備している。また、同様に、図19(a)、(b)に関して前述した本発明の第3、第4の実施形態の磁気記憶装置の例では、書き込みビット線WBL、スイッチング素子T、磁気記憶素子Rがこの順で接続され、磁気記憶素子Rの第3電極EL3または第1電極EL1が接地、または、電源端子に接続されているため、WBLの終端に2つの異なる値の電位を与えるか、異なる符号の電流を流す手段を具備している。
これに対して、図20(a)、(b)に示す構成を有する本発明の第5、第6の実施形態の磁気記憶装置の例においては、書き込み時にWBLとWBL2の間に電流を流すことにより書き込みを行うことができる。すなわち、WBLとWBL2のうち、どちらかを選択して電源に接続し、他方を接地することにより、電流の流れる向きを変える、という使い方が可能になるため、1つの電源を用意すれば済むという利点がある。
以上、第1固着層FP1、第2固着層FP2、および記憶層FFのそれぞれの磁化方向が各層に対して平行な平面内にある場合について説明したが、本発明はこの構造にこだわらない。すなわち、第1固着層FP1、第2固着層FP2、および記憶層FFのそれぞれの磁化方向が同じ平面内で、互いに平行、または反平行で有れば良く、例えば、第1固着層FP1、第2固着層FP2、記憶層FFの磁化方向が層の主面に対して略垂直である、いわゆる垂直磁化膜を用いても良い。この垂直磁化膜を用いた場合は、熱揺らぎ耐性を劣化させることなく素子サイズを小さくできるので好適である。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気記憶素子を構成する各要素の具体的な寸法関係や材料、その他、電極、パッシベーション、絶縁構造などの形状や材質に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
また、本発明の磁気記憶素子において、実施形態の例として図1、図3ないし図6、図8ないし図13で示された構造を上下反転させた構造とすることができる。
また、磁気記憶素子における反強磁性層、中間層、絶縁層などの構成要素は、それぞれ、単層として形成しても良く、または、2以上の層を積層した構造としても良い。
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気記憶素子や磁気記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうる全ての磁気素子、記録再生装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書を通じて「垂直」は、製造工程のばらつき等による厳密な垂直からのずれが含まれるものとする。同様に、本明細書を通じて、「平行」、「水平」、「反平行」は、それぞれ厳密な平行、水平、反平行からのずれが含まれる。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気記憶素子の断面構造を表す模式図である。 非磁性層を介した2つの強磁性層の間の交換結合を例示するグラフ図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である 本発明の第4の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第1の実施形態における反転連流閾値と従来技術による反転連流閾値の比と、第1中間層S1の層厚の関係を計算した結果を表すグラフ図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第7の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第8の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第9の実施の形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第10の実施形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第11の実施形態にかかる磁気記憶素子を表す模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかる磁気記憶装置の構成を表す模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかる磁気記憶装置における、各メモリセルおよびそれに接続されているスイッチング素子T、ワード線WL、書き込みビット線WBL、読み出しビット線RBLを表す模式図である。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態にかかる磁気記憶装置における、磁気記憶素子Rに接続されている読み出しビット線RBLと書き込みビット線WBL、磁気記憶素子Rの近傍に配置されたワード線WLの断面構造を例示する、異なる断面を表す模式図である。 本発明の第2の実施形態にかかる磁気記憶装置における、各メモリセルおよびそれに接続されているスイッチング素子T、ワード線WL、書き込みビット線WBL、読み出しビット線RBLを表す模式図である。 (a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態にかかる磁気記憶装置における、磁気記憶素子Rに接続されている読み出しビット線RBLと書き込みビット線WBL、磁気記憶素子Rの近傍に配置されたワード線WLの断面構造を例示する、異なる断面を表す模式図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第3及び第4の実施形態にかかる磁気記憶装置における、各メモリセルおよびそれに接続されているスイッチング素子T、ワード線WL、書き込みビット線WBL、読み出しビット線RBLを表す模式図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第5及び第6の実施形態にかかる磁気記憶装置における、各メモリセルおよびそれに接続されているスイッチング素子T、ワード線WL、書き込みビット線WBL、第2の書き込みビット線WBL2、読み出しビット線RBLを表す模式図である。
符号の説明
AF1、AF2、AF3 反強磁性層
EL1、EL2、EL3 電極
FF 記憶層
FP1、FP2、FP3 固着層
MCA メモリセルアレイ
RBL 読み出しビット線
S 周辺回路
S1、S2 中間層
SFP1、SFP2 強磁性サブレイヤー
SS1 非磁性サブレイヤー
T スイッチング素子
RBL 読み込みビット線
WBL 書き込みビット線
WBL2 第2の書き込みビット線
WL ワード線

Claims (13)

  1. 強磁性体を含み、磁化方向が固定された第1固着層と、
    強磁性体を含み、磁化方向が固定された第2固着層と、
    前記第1固着層と前記第2固着層との間に設けられ、強磁性体を含み磁化方向が可変の記憶層と、
    前記第1固着層と前記記憶層との間に設けられ、非磁性体からなる第1中間層と、
    前記第2固着層と前記記憶層との間に設けられ、非磁性体からなる第2中間層と、
    前記第1固着層に接続された第1電極と、
    前記第2固着層に接続された第2電極と、
    前記第1中間層に接続され、前記記憶層に直接接続されていない第3電極と、
    を備え、
    前記第1固着層、前記第2固着層、および前記記憶層のそれぞれの磁化方向は、互いに平行または反平行であり、
    前記第1電極と前記第3電極の間に電流を双方向に流すことが可能とされ、
    前記電流を、第1の極性で、第1固着層に流れる電流が第1の閾値以上になるように流した場合に、前記記憶層の磁化方向が、第1の方向となり、
    前記電流を、第2の極性で、第1固着層に流れる電流が第2の閾値以上になるように流した場合に、前記記憶層の磁化方向が、第2の方向となる、
    ことを特徴とする磁気記憶素子。
  2. 前記第1電極と前記第2電極との間、または、前記第3電極と前記第2電極との間に電流を流すことにより、前記記憶層の磁化方向を検知することが可能であることを特徴とする請求項1記載の磁気記憶素子。
  3. 前記第1中間層の層厚は、0.2ナノメートル以上20ナノメートル以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記憶素子。
  4. 前記第1中間層と前記第3電極との間に設けられ、強磁性体を含み、磁化方向が前記第1固着層の磁化方向に対して反平行方向に固定された第3固着層をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の磁気記憶素子。
  5. 前記第1固着層の磁化方向と前記第2固着層の磁化方向とは、互いに平行方向であることを特徴とする請求項3記載の磁気記憶素子。
  6. 前記第1固着層、前記第2固着層、及び前記記憶層の磁化方向が、層の主面に対して略垂直であることを特徴とする請求項3記載の磁気記憶素子。
  7. 前記第1固着層、前記第2固着層及び前記記憶層のうちの少なくともいずれかは、複数の強磁性サブレイヤー、または、複数の強磁性サブレイヤーと1つ以上の非磁性サブレイヤーから構成されていることを特徴とする請求項3記載の磁気記憶素子。
  8. 前記第1固着層、前記第2固着層、前記記憶層及び前記第3固着層のうちの少なくともいずれかは、複数の強磁性サブレイヤー、または、複数の強磁性サブレイヤーと1つ以上の非磁性サブレイヤーから構成されていることを特徴とする請求項4記載の磁気記憶素子。
  9. 前記第1電極と前記第1固着層との間、前記第2電極と前記第2固着層との間、前記第3電極と前記第3固着層との間、の少なくともいずれかに設けられた反強磁性層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  10. 前記第2中間層はピンホールを有し、前記ピンホールは、前記第2固着層または前記記憶層の少なくともいずれかの材料により埋め込まれていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気記憶素子。
  11. 複数のワード線と、
    複数の書き込みビット線と、
    複数の読み出しビット線と、
    請求項1〜10のいずれか1つに記載の複数の磁気記憶素子と、
    を備え、
    前記複数のワード線のいずれかと前記複数の書き込みビット線のいずれかとを選択して前記複数の磁気記憶素子のいずれかの前記第1電極と前記第3電極との間に電流を流すことにより、その記憶層の磁化方向を前記第1の方向と前記第2の方向とのいずれかとすることが可能とされ、
    前記複数のワード線のいずれかと前記複数の読み出しビット線のいずれかとを選択して前記複数の磁気記憶素子のいずれかの前記第2電極と前記第1電極との間に電流を流す、または、前記第2電極と前記第3電極との間に電流を流すことにより、前記記憶層と前記第2固着層との間の磁気抵抗効果が検出可能とされたことを特徴とする磁気記憶装置。
  12. 前記複数のワード線のいずれかと前記複数の読み出しビット線のいずれかとを選択して前記複数の磁気記憶素子のいずれかの前記第2電極と前記第1電極との間に電流を流すことにより、前記記憶層と前記第2固着層との間の磁気抵抗効果が検出可能とされたことを特徴とする請求項11記載の磁気記憶装置。
  13. 複数の第2の書き込みビット線をさらに備え、
    前記複数のワード線のいずれかと、前記複数の書き込みビット線と前記複数の第2の書き込みビット線のいずれかとを選択して前記複数の磁気記憶素子のいずれかの前記第1電極と前記第3電極との間に電流を流すことにより、その記憶層の磁化方向を前記第1の方向と前記第2の方向とのいずれかとすることが可能とされていることを特徴とする請求項11または12に記載の磁気記憶装置。
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