JP2009048055A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジならびに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも感光層および保護層をこの順に有した電子写真感光体において、該保護層は酸化チタン粒子を含有し、且つ、該保護層の光触媒性能評価試験法IIa(ガスバックA法)において測定されるアセトアルデヒド除去率が3%以上、70%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】図1
Description
(1)
導電性支持体上に少なくとも感光層および保護層をこの順に有した電子写真感光体において、該保護層は酸化チタン粒子を含有し、且つ、該保護層の光触媒性能評価試験法IIa(ガスバックA法)において測定されるアセトアルデヒド除去率が3%以上、70%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
(2)
酸化チタンの結晶型がアナタース型であることを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。
(3)
酸化チタンは少なくとも有機化合物で表面処理されていることを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。
(4)
前記保護層は、少なくとも硬化性化合物に光照射することで得られる反応硬化物を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載の電子写真感光体。
(5)
前記保護層が、酸化防止剤を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の電子写真感光体。
(6)
電子写真感光体及び該電子写真感光体を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、(1)〜(5)のいずれか1項記載の電子写真感光体と該電子写真感光体上を帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(7)
電子写真感光体及び該電子写真感光体を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置において、(1)〜(5)のいずれか1項記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
1.試験方法
光触媒性能評価試験法IIa(2001年度版)ガスバックA法(光触媒製品技術協議会)
2.試験ガス
アセトアルデヒド(標準ガス)
3.試験の準備
試験で用いる主な薬品、器具等は以下のものを使用したが、特に指定がないかぎり、日本工業規格に規定するものおよび日本薬局方に規定するものを用いるとよい。
材質PVF、容量(呼称)5L、ミニコック1個付き
2)評価用テドラーバッグ
材質PVF、容量(呼称)5L、ミニコック1個付き
3)遮光箱
外から光が入らないようにテドラーバッグ全体に被せるもの
4)紫外線照射装置
ブラックライト蛍光ランプ(東芝ライテック社製:直管スタータ形20W形FL20S・BLB)2本
5)紫外線強度計
紫外線強度計UM−250(コニカミノルタ社製:測定波長域310〜400nm)
6)アセトアルデヒドガス検知管
92M (検知範囲2.5〜100ppm)
92 (検知範囲4 〜750ppm) (いずれもガステック社製)
7)ガス採取機
自動ガス採取装置GSP−311FT(ガステック社製)
4.試験手順
1)試験ガスの調製
試験ガス調製用テドラーバッグを用いて、アセトアルデヒド標準ガス(ガス濃度約6,000ppm)を普通空気で希釈して3L(ガス濃度80〜100ppm)とする。その後ミニコックを閉じてバッグ内のアセトアルデヒド濃度をより均一にするためにバッグの両端を交互に押して内部のガスを混合してから速やかに遮光箱を被せ30分間静置しておく。同様にして、「試験ガス入りバッグ」を合計4個(暗条件用2個と明条件用2個)用意する。
試料を面積約25cm×1cm(25.0±0.2cm2)に切断したものを4個用意し、前処理として紫外線照射装置を用いて3時間紫外線照射(1.0mW/cm2)を行ってから試験試料とする。なお、前処理する前に試験試料の光照射面をエタノールを染み込ませた局方ガーゼまたは脱脂綿で軽く2〜3回拭いて60℃で30分乾燥した後、室温まで冷却した。
(1)評価用テドラーバッグ4個(暗条件用2個と明条件用2個)の片面にそれぞれ切込みを入れ、そこから試験試料を入れた後、出来るだけバッグ内の空気を排出してヒートシール装置を用いて密閉する。
5.試験成立条件
下記の試験成立条件をすべて満たすとき、その試験は有効とみなす。
6.除去率の算出
次式により除去率(%)を計算し、小数点以下を切り捨て整数に丸めて表示する。
本発明における保護層は酸化チタン粒子を含むが、平均一次粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。また、保護層中の酸化チタン粒子の割合は好ましくは30〜150質量%、より好ましくは40〜120質量%の範囲である。
感光体の保護層には、酸化防止剤を適用すると、NOx等活性ガスの攻撃による影響を低減できるため、高温高湿環境での画像流れの発生もより抑制できる。
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤
ヒンダードフェノール系酸化防止剤
・アミン系酸化防止剤
ヒンダードアミン系酸化防止剤
ジアリルジアミン系酸化防止剤
ジアリルアミン系酸化防止剤
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤
チオエーテル類
・燐酸系酸化防止剤
亜燐酸エステル類
なお、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール構造を有する酸化防止剤)とは、フェノール性OH基ないしはフェノール性OHのアルコキシ化基のオルト位にかさ高い有機基を有する化合物であり、ヒンダードアミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン構造を有する酸化防止剤)とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミドが好ましい。
電荷発生層は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を単独もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。バインダー樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びアクリル樹脂などが望ましい。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましい。このような樹脂分散形態の電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
電荷輸送層は主として電荷輸送物質と、本発明に用いるバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料とを塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物などが挙げられる。
保護層について説明する。一般に保護層は下層の感光層を機械的なストレスから保護することを目的としており、本発明の構成以外に高分子量のポリカーボネート樹脂や熱による硬化性樹脂、シリコーン系のハードコート材料を併用してもよい。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
(感光体1の作製)
下記の様に感光体1を作製した。
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3部
メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくともブラッグ角2θ=27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 225部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱エンジニアリング社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:チバスペシャルティケミカルズ社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
保護層塗布液の調製
酸化チタンA(平均一次粒径30nm、表面処理のされていないルチル型酸化チタン)1.5部をテトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2)溶液5部に添加し、USホモジナイザーにて分散した後、ポリカーボネート樹脂「Z300」1.5部を溶解し、保護層塗布液を調製した。
酸化チタンB(平均一次粒径8nm:表面処理のされていないアナタース型酸化チタン)を用いた以外は実施例1同様に保護層を形成した。
酸化チタンC(酸化チタンBにアルミナによる5%表面処理がされている)1.5部を2−プロパノール5部に添加し、USホモジナイザーにて分散した後、硬化性の官能基を有する化合物「M315」(東亞合成社製)1.5部を溶解した。これに重合開始剤「Irgacure184」(チバスペシャルティケミカルズ社製)を0.1部添加し、保護層塗布液を調製した。この保護層塗布液を円形スライドホッパー塗布方法で塗布し、水銀ランプ照射装置ECS−401GX(アイグラフィックス社製)を用いて、紫外線積算照度計UVPF−A1(PD−365)(アイグラフィックス社製)にて積算光量が25J/cm2相当照射した後、120℃で60分間熱乾燥させて乾燥膜厚5.0μmの保護層を形成した。
酸化チタンD(酸化チタンCに二次処理としてイソブチルトリメトキシシランによる25%表面処理されている)を用いた以外は実施例2同様に保護層を形成した。
酸化チタンE(酸化チタンBにイソブチルトリメトキシシランによる25%表面処理されている)を用い、さらに酸化防止剤「Irganox1010」(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.08部を添加した以外は実施例2同様に保護層を形成した。
酸化チタンDを用い、PTFE分散液(KD−500AS:固形分20%((株)喜多村製))5部を加えた以外は実施例4同様に保護層を形成した。
酸化チタンCを用いた以外は実施例4同様に保護層を形成した。
酸化チタンD′(酸化チタンDの粒径違い)にした以外は実施例3同様に保護層を形成した。
酸化チタンに代わりシリカ(平均一次粒径30nm:ヘキサメチルジシラザンによる8%表面処理されている)とした以外は実施例2同様に保護層を形成した。
酸化チタンに代わり酸化スズ(平均一字粒径30nm:表面処理なし)とした以外は実施例2同様に保護層を形成した。
酸化チタンF(酸化チタンBにアルミナによる1%表面処理がされている)を用いた以外は実施例2同様に保護層を形成した。
上記の通り作製した実施例1〜7、比較例1〜4のサンプルについて本文記載の光触媒性能評価試験法IIa(2001年度版)ガスバックA法(光触媒製品技術協議会)に準拠した方法により、アセトアルデヒド除去率を測定した。得られたアセトアルデヒド除去率を表1に示す。
上記各電子写真感光体を画像形成装置(magicolor2400:A4紙カラー5枚/分、モノクロ20枚/分のプリンター:コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)に各々装着し、以下の評価項目で評価した。尚、評価基準を下記に示す。得られた結果を表1に示す。
30℃、85%RH環境下にてドラム10000回転相当実写し、実写終了12時間後の画像を目視評価した。
○:画像流れがほとんど認められない
△:画像流れが一部発生し、使用に耐えないレベルである
×:画像流れが全面に発生し、全く使用に耐えないレベルである。
23℃、50%RH環境にてドラム100000回転相当実写した後の膜減耗量を測定した。2.0μm以下なら実用可能である。
23℃、50%RH環境にてドラム100000回転相当実写したドラムを蛍光灯下1000ルクス30分照射した後、マシンに装着し、転写ベルトにかける印加電圧を振り、メモリーの発生有無を評価した。メモリー未発生領域が、レンジで800V以上であれば実用可能である。なお、実写前のドラムの評価結果は、いずれもメモリー未発生領域のレンジは800V以上であった。
21 感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング装置
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
250 分離爪ユニット
Claims (7)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層および保護層をこの順に有した電子写真感光体において、該保護層は酸化チタン粒子を含有し、且つ、該保護層の光触媒性能評価試験法IIa(ガスバックA法)において測定されるアセトアルデヒド除去率が3%以上、70%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
- 酸化チタンの結晶型がアナタース型であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 酸化チタンは少なくとも有機化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記保護層は、少なくとも硬化性化合物に光照射することで得られる反応硬化物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体及び該電子写真感光体を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、請求項1〜5のいずれか1項記載の電子写真感光体と該電子写真感光体上を帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体及び該電子写真感光体を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置において、請求項1〜5のいずれか1項記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
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