JP2009047351A - 循環式の基板焼成炉 - Google Patents

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忠弘 大見
Yusuke Muraoka
祐介 村岡
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【課題】熱損失が少なく、しかも安定した焼成温度が得られる循環式の基板焼成炉を提供する。
【解決手段】炉体本体部10の内部に熱風を吹き出すことによりガラス基板Wの焼成処理が進行する。炉体本体部10から排出された熱排気は循環経路20を経由して合体モジュール50に送給される。合体モジュール50は、同一のハウジング51内にヒータ52、触媒フィルタ部53およびフィルタ部54をこの順番で連続に配置して構成されている。ヒータ52によって再加熱された熱風は直ちに触媒フィルタ部53に流入するため、触媒フィルタ部53の分解効率を最大限高めることができる。触媒用の無駄なヒータが不要となって熱損失の低減が可能なだけでなく、1つのヒータ52を温調するだけで所定温度の熱風を得ることができ、炉体本体部10内の焼成温度を安定させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱風を循環させつつ液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板や半導体ウェハー等の薄板状電子部品用基板(以下、単に「基板」と称する)の焼成処理を行う循環式の基板焼成炉に関する。
カラーフィルタの製造工程の一つにカラーインクをインクジェットで着弾させたガラス基板を焼成する工程がある。この焼成工程は、所定の焼成温度に昇温した焼成炉中にて大気雰囲気下でガラス基板を所定時間保持することによって進行する。また、ガラス基板上に金属配線を形成する場合には、同様の焼成炉中にて窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下でガラス基板を焼成する。いずれの焼成処理工程においても、ガラス基板上のカラーインク等の被焼成物に含まれる有機溶剤が揮発或いは酸化することによって多くの有機物が発生して雰囲気中に拡散する。
このため、焼成処理中は絶えず清浄な熱風を焼成炉に送風するとともに、排気も継続して行って焼成炉中に有機物が滞留しないようにしている。焼成炉から排気された有機物を多量に含む気体をそのまま外気に放出することはできないため、スクラバー等によって排気中の有機物を捕集する処理がなされていた。
ところが、焼成炉からの熱排気をスクラバーで処理すると持ち去られる熱エネルギー量が非常に多くなってエネルギー効率が悪いため、一旦排気された熱風を循環利用することによって無駄に排出される熱エネルギーをなるべく少なくした循環式の焼成炉も使用されている。循環式の焼成炉においては、焼成炉の熱排気の一部を外部に排気するとともに、それに相当する量の新鮮な外気を導入するようにしている。
循環式の焼成炉であっても、排気ラインまたは循環ラインに触媒を設けて有機物を分解除去するようにしていた。有機物を十分に分解するためには触媒温度を所定温度以上としておく必要があり、特に排気ラインに触媒を設ける場合には排気温度の低下が大きいため、触媒を加熱するための別途のヒータが必須の要素となっていた。排気ラインにヒータと触媒とを設け、触媒の出口側温度を検知してヒータ温度を制御する技術については、例えば特許文献1に開示されている。
特開2005−338840号公報
しかしながら、外部に排出するための排気ラインに触媒を加熱するためだけのヒータを付加することは大きな熱損失となって高コストの要因となる。また、循環ラインに触媒を設けた場合であってもやはり付加的なヒータが必要であるためコストアップの要因となるだけでなく、焼成温度の制御性が困難になるという問題もあった。すなわち、焼成炉に循環するためのメインとなるヒータと触媒用の補助ヒータとのそれぞれについて温度制御が必要となり、それら両ヒータがいずれも循環ラインに設けられているため互いに外乱要因となって温度の変動が大きくなる。その結果、焼成炉の焼成温度の安定性が損なわれることとなり、焼成処理の再現性に問題が生じていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱損失が少なく、しかも安定した焼成温度が得られる循環式の基板焼成炉を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、熱風を循環させつつ基板の焼成処理を行う循環式の基板焼成炉において、内部に基板を収容する炉体本体部と、前記炉体本体部から排出された熱風を循環させて前記炉体本体部に再度供給する循環経路と、前記循環経路に設けられて熱風を循環させる循環ファンと、熱風を加熱するヒータと、触媒を担持するメタルフィルタにて形成される触媒フィルタ部と、メタルフィルタのみにて形成されるフィルタ部と、をこの順序で熱風の上流側から同一モジュール内に配置した合体モジュールと、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る循環式の基板焼成炉において、前記循環経路の途中に並列に設けられ、二酸化炭素および/または水分を吸着する2つの吸着塔と、前記2つの吸着塔のうちのいずれか一方を熱風が通過するように、熱風の流路を択一的に切り換える切換手段と、前記2つの吸着塔に交互に熱風が通過するように、前記切換手段を制御する切換制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る循環式の基板焼成炉において、前記合体モジュールの熱風出口を前記炉体本体部の熱風供給口に接続したことを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る循環式の基板焼成炉において、前記炉体本体部における焼成温度から前記触媒フィルタ部における分解反応による昇温を減じた温度に熱風を加熱するように前記ヒータを制御する温度制御部をさらに備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、同一モジュール内に、熱風を加熱するヒータと、触媒を担持するメタルフィルタにて形成される触媒フィルタ部と、メタルフィルタのみにて形成されるフィルタ部と、をこの順序で熱風の上流側から配置しているため、ヒータで再加熱された熱風が直ちに触媒フィルタ部に流入することとなり、触媒用の補助ヒータが不要となって熱損失が少なくなり、しかも安定した焼成温度を得ることができる。
また、請求項2の発明によれば、循環経路の途中に2つの吸着塔を並列に設け、それらに交互に熱風が通過するようにしているため、触媒フィルタ部にて有機物から生じた二酸化炭素および/または水分を熱風から除去することができ、基板焼成炉を長時間連続して稼働させることができる。
また、請求項3の発明によれば、合体モジュールの熱風出口を炉体本体部の熱風供給口に接続しているため、清浄かつ温度管理のなされた熱風を直ちに炉体本体部に供給して焼成処理の精度を高めることができる。
また、請求項4の発明によれば、炉体本体部における焼成温度から触媒フィルタ部における分解反応による昇温を減じた温度に熱風を加熱するため、焼成温度をさらに安定させることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る循環式の基板焼成炉の全体構成を示す図である。この基板焼成炉は熱風を循環利用しつつカラーインクなどを載せた角型のガラス基板Wの焼成処理を行うものであり、ガラス基板Wを収容して焼成処理を行う炉体本体部10と、熱風を循環する循環経路20と、熱風中に含まれる水分および二酸化炭素を吸着する吸着塔30と、循環ファン40と、合体モジュール50と、を備えている。また、本実施形態の基板焼成炉には制御部90が設けられている。
炉体本体部10は、ガラス基板Wを多段(本実施形態では40段)に収容可能な筐体である。炉体本体部10の内側は、略四角柱形状の熱処理空間とされている。炉体本体部10の内壁面には図示を省略する多数のフォークが内設されている。各フォークは、炉体本体部10の内壁面から熱処理空間に向けて水平方向に沿って延設されている。水平方向に沿って並んだ複数本のフォークでもって1段の棚が構成されており、そのような棚が40段形成されている。各段の棚には1枚のガラス基板Wを水平姿勢にて載置することが可能である。
炉体本体部10の正面側(図1の紙面左側)には、ルーバタイプのシャッター11が設けられている。シャッター11は、複数個のルーバを多段に積層して構成されている。各ルーバには図示を省略する昇降駆動機構が付設されており、ルーバごとに昇降可能とされている。図外の搬送ロボットが炉体本体部10に対してガラス基板Wの搬出入を行うときには、搬出入先の棚に対向する部位のみをアクセス用開口とするように、当該棚とほぼ同じ高さ位置のルーバが上昇する。このようにすれば、ガラス基板Wの搬出入時の開口を必要最小限として、搬出入に伴う熱エネルギーの漏出を最小限に抑制することができる。なお、シャッター11の比較的下部のルーバを駆動するときには、当該ルーバよりも上段のルーバも連動して駆動することとなるため、下部のルーバ程大きな出力の得られる駆動機構を設けておく必要がある。
炉体本体部10の側面には、内部の熱処理空間に熱風を供給するための供給口12および熱風を排気するための排気口14が相対向して設けられている。すなわち、炉体本体部10の一方側面から供給された熱風がガラス基板Wの面に沿って水平方向に熱処理空間内を流れて反対側側面へと流れ込むのである。供給口12および排気口14は、炉体本体部10の内壁面のうち少なくともガラス基板Wを収容する多段の棚全体に対応する高さ位置に設けられている。このため、炉体本体部10に収容されている複数枚のガラス基板Wには均一に熱風を供給して均質な焼成処理を行うことができる。
循環経路20は、炉体本体部10の排気口14と供給口12とを連通し、炉体本体部10から排出された熱風を循環させて炉体本体部10に再度供給する気体通過可能な流路である。循環経路20には、吸着塔30および循環ファン40が介設されている。本実施形態においては、循環経路20の上流側に吸着塔30が設けられ、下流側に循環ファン40が設けられている。循環経路20の上流側とは炉体本体部10の排気口14に近い側であり、逆に下流側とは供給口12に近い側である。
本実施形態においては、2つの吸着塔30,30が循環経路20の途中に並列に設けられている。すなわち、循環経路20の一部において2つの流路に分岐されており、その分岐された2つの流路のそれぞれに吸着塔30が設けられている。各吸着塔30は、二酸化炭素(CO2)および水分(H2O)を吸着する吸着剤(本実施形態では活性炭)を内部に充填している。循環経路20を流れる熱風が吸着塔30を通過することによって、熱風から二酸化炭素および水分が除去される。
2つの吸着塔30,30は択一的に使用されるものである。すなわち、分岐された2つの流路のうちの一方のみが選択的に開放されており、循環経路20を流れる熱風は2つの吸着塔30のうちのいずれか一方のみを通過することとなる。このような流路の切り換えは4つのバタフライダンパ31a,31b,32a,32bによって実行される。バタフライダンパ31a,31bを開放し、バタフライダンパ32a,32bを閉鎖しているときには図1の紙面左側の吸着塔30のみが選択的に使用されることとなる。逆に、バタフライダンパ32a,32bを開放し、バタフライダンパ31a,31bを閉鎖しているときには図1の紙面右側の吸着塔30のみが選択的に使用されることとなる。
循環ファン40は、図示を省略するモータと旋回翼とを備えており、モータが旋回翼を回転させることによって循環経路20中に上流側から下流側へと向かう循環気流(つまり、排気口14から供給口12へと向かう気流)を生じさせる。
合体モジュール50は、1つのハウジング51の内部にヒータ52、触媒フィルタ部53およびフィルタ部54を配置して構成されている。ヒータ52は、通電によって発熱することにより合体モジュール50を通過する熱風を加熱する熱源である。フィルタ部54は、耐熱性に優れたメタルフィルタまたは焼結セラミックスによって構成されており、熱風中に含まれるパーティクルを取り除いて清浄な熱風とする。また、触媒フィルタ部53は、フィルタ部54を構成するフィルタと同一のものに白金(Pt)または白金ロジウム(Pt−Rh)の粒子を担持させたものである。触媒フィルタ部53は、熱風中に含まれる有機物を分解するための触媒としての機能とパーティクルを取り除くフィルタとしての機能とを兼ね備える。
合体モジュール50においては、1つのハウジング51内にヒータ52、触媒フィルタ部53およびフィルタ部54が熱風の上流側からこの順番で連続して配置されている。また、合体モジュール50の出口側(フィルタ部54の出口)には温度センサ55が設けられている。温度センサ55は、例えば熱電対によって構成されており、合体モジュール50のモジュール出口温度を検出する。
また、本実施形態においては、合体モジュール50の熱風出口が炉体本体部10の供給口12に直接接続されている。このため、合体モジュール50から吹き出された熱風は直ちに炉体本体部10内に供給されることとなる。
基板焼成炉に設けられている制御部90のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。制御部90は、4つのバタフライダンパ31a,31b,32a,32bのそれぞれと電気的に接続されており、それらの動作を制御する。また、制御部90は、基板焼成炉の全体の各動作機構(循環ファン40、ヒータ52、シャッター11の昇降駆動機構など)の動作も制御する。さらに、制御部90は、温度センサ55とも電気的に接続されており、温度センサ55からの検出信号に基づいてヒータ52を制御する。
次に、上記構成を有する循環式の基板焼成炉における動作内容について説明する。まず、焼成処理中においては、搬送ロボットが一定間隔でガラス基板Wを順次炉体本体部10に搬入して所定の段の棚に渡す。棚を構成するフォークに載置されたガラス基板Wは供給口12からの熱風によって焼成温度にまで昇温する。そして、炉体本体部10内にて所定の焼成時間が経過したガラス基板Wは搬送ロボットによって搬出される。
本実施形態のようにガラス基板Wに載せられた被焼成物がカラーインクである場合には加熱空気が循環されて炉体本体部10が空気雰囲気とされるが、被焼成物が金属配線材料(有機金属)である場合には窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とされる(つまり、加熱不活性ガスが循環される)。被焼成物がいずれであっても、ガラス基板W上の被焼成物に含まれる有機溶剤が揮発或いは酸化することによって多くの有機物が発生して炉体本体部10内の雰囲気中に放散する。そして、有機物を含んだ熱雰囲気は炉体本体部10の排気口14から熱排気として排出される。排気口14から排出された熱排気は循環ファン40によって循環経路20内を循環されて合体モジュール50に送給される。合体モジュール50においては、ヒータ52によって熱風が再加熱されるとともに、触媒フィルタ部53によって有機物が分解され、さらにはフィルタ部54によってパーティクル等の微粒子が取り除かれる。
ここで、本実施形態の合体モジュール50は、同一のハウジング51内にヒータ52、触媒フィルタ部53およびフィルタ部54を熱風の上流側からこの順番で連続に配置して構成されている。このため、合体モジュール50に流入してまずヒータ52によって再加熱されて昇温した熱風は直ちに触媒フィルタ部53に流入することとなる。そうすると、触媒フィルタ部53の触媒温度も高温となり、熱風に含まれる有機物が高い効率にて分解されることとなる。すなわち、同一のハウジング51内にヒータ52と触媒フィルタ部53とを連続して配置することによって、ヒータ52から触媒フィルタ部53までの熱風の温度低下を最小限に抑制し、触媒フィルタ部53の分解効率を最大限高めているのである。
本実施形態のように被焼成物がカラーインクである場合には熱風として加熱空気が循環されており、触媒フィルタ部53では有機物の加熱分解と酸化分解とが同時に生じる。具体的には、有機物が酸化されて水と二酸化炭素とに分解される。また、被焼成物が金属配線材料である場合には熱風として加熱された不活性ガス(窒素ガス)が循環されるため、触媒フィルタ部53では有機物の加熱分解のみが生じる。なお、焼成処理を不活性ガス雰囲気で行う場合であっても、合体モジュール50に酸素(または空気)を補助的に供給する酸化性雰囲気供給機構を備え、触媒フィルタ部53にて有機物の加熱分解と酸化分解との双方が生じるようにしても良い。
続いて、触媒フィルタ部53を通過した熱風はフィルタ部54に流入する。フィルタ部54では、炉体本体部10から循環経路20を一巡する間に熱風に含まれることとなったパーティクル等の微粒子のみならず、触媒フィルタ部53にて完全には分解されずに残留している有機物も取り除かれる。すなわち、同一のハウジング51内にて触媒フィルタ部53よりも後段にフィルタ部54を配置することによって、触媒フィルタ部53から若干漏れ出た微粒子や有機物も確実に取り除かれて、熱風の清浄度をより向上させることができるのである。なお、触媒フィルタ部53は、フィルタとしての機能も兼ね備えているため、触媒フィルタ部53自体も熱風に含まれる微粒子を取り除く。
ところで、触媒フィルタ部53にて発生する有機物の酸化分解反応は、いわゆる発熱反応である。従って、有機物の酸化分解反応が活発に行われているときには、触媒フィルタ部53の入り側熱風温度(ヒータ52の側の温度)よりも出側熱風温度(フィルタ部54の側の温度)の方が高くなる。
図2は、合体モジュール50を通過する熱風の温度履歴を示す図である。循環経路20を一巡する間に経路を構成する構造物によって熱を奪われた熱風は、合体モジュール50に流入する時点では焼成温度から相応に温度低下している。この温度低下した熱風がヒータ52を通過することによって再加熱されるが、この段階では炉体本体部10での焼成温度にまでは昇温しない。ヒータ52によって再加熱された熱風が触媒フィルタ部53での酸化分解反応によってさらに熱を吸収して昇温し、触媒フィルタ部53での出側にて焼成温度に到達する。なお、フィルタ部54では熱風の温度変化はほとんど生じない(厳密には僅かに温度低下するが、その程度はヒータ52および触媒フィルタ部53での温度変化に比較すると微小である)。
すなわち、ヒータ52のみによって熱風を焼成温度に昇温するのではなく、ヒータ52による加熱と触媒フィルタ部53での酸化分解反応とを合わせて所定の焼成温度を得ているのである。従って、制御部90は、炉体本体部10における焼成温度から触媒フィルタ部53における分解反応による昇温を減じた温度に熱風を加熱するようにヒータ52を制御する。但し、触媒フィルタ部53での温度変化は熱風中に含まれる有機物の量に依存していて必ずしも一定ではないため、具体的には、合体モジュール50の出口側に設けられた温度センサ55の検出信号に基づいて、当該出口側の熱風温度が焼成温度となるように制御部90がヒータ52を制御する。このようにすれば、触媒フィルタ部53での昇温量が変動したとしても、炉体本体部10に供給される熱風の温度を安定して焼成温度とすることができる。
そして、本実施形態においては、合体モジュール50の熱風出口が炉体本体部10の供給口12に直接接続されている。このため、合体モジュール50から吹き出された清浄度が高く、かつ、焼成温度に正確に温度管理された熱風がそのまま炉体本体部10内に供給される。従って、炉体本体部10の内部は、安定して焼成温度に保たれるとともに、常に高いレベルの清浄度に維持されることとなる。
このように、本実施形態の循環式基板焼成炉においては、合体モジュール50のハウジング51内にヒータ52、触媒フィルタ部53およびフィルタ部54を熱風の上流側からこの順番で連続に配置しているため、従来のように触媒専用のヒータが不要となり、ヒータ52が循環用のメインヒータと触媒フィルタ部53を加熱する補助ヒータとの双方を兼ねることとなる。その結果、無駄なヒータが不要となって熱損失を少なくすることが可能になるだけでなく、1つのヒータ52を温調するだけで所定温度の熱風を得ることができ、炉体本体部10内の焼成温度を安定させることができる。
また、上述のように、触媒フィルタ部53においては有機物が水と二酸化炭素とに分解される。分解によって生じたこれらの物質は熱風中に気相として含まれることとなる。熱風中におけるこれらの濃度が高くなり過ぎると焼成処理を妨害するおそれがある。このため、本実施形態の循環式基板焼成炉には、2つの吸着塔30,30が循環経路20の途中に設けられている。吸着塔30は、内部に活性炭を充填しており、熱風が通過することによって水分および二酸化炭素が吸着除去される。これにより、熱風中における水蒸気および二酸化炭素の濃度が必要以上に高くなることは無く、基板焼成炉を長期間安定して稼働させることができる。
2つの吸着塔30は循環経路20の途中に並列に設けられており、それらのうちのいずれか一方のみを熱風が通過するように、熱風の流路は4つのバタフライダンパ31a,31b,32a,32bによって択一的に切り換えられる。熱風が通過している方の吸着塔30においては、徐々に活性炭の吸着能が低下してくるため、十分に水分および二酸化炭素が吸着除去できなくなる。このため、適当なタイミングにて使用する吸着塔30を切り換える。すなわち、2つの吸着塔30に交互に熱風が通過するように、制御部90が4つのバタフライダンパ31a,31b,32a,32bの開閉を制御する。使用する吸着塔30を切り換えるタイミングとしては、吸着塔30の稼働時間が所定時間を経過した時点で切り換えるようにしても良いし、また熱風中に含有される水蒸気または二酸化炭素の濃度が所定値を超えた時点で切り換えるようにしても良い。
使用する吸着塔30の切り換えが実行された後、それまで使用されていた吸着塔30の再生処理を行う。再生処理としては、例えば吸着塔30に再生用のヒータを設け、それによって活性炭を加熱して吸着した水および二酸化炭素を離脱させて吸着能を回復させるようにすれば良い。このときのヒータの温度制御を制御部90によって自動で行うようにしても良い。また、再生処理としては吸着塔30の活性炭を単に新しいものに交換する形態であっても良い。
やがて、再生処理が終了して吸着能が回復した吸着塔30を熱風が通過するように、再び4つのバタフライダンパ31a,31b,32a,32bが切り換えられる。そして、もう一方の吸着塔30の再処理が同様にして行われる。このようにすれば、基板焼成炉を停止することなく連続して稼働させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、吸着塔30の吸着剤として活性炭を使用していたが、これに限定されるものではなく、二酸化炭素および/または水分を吸着する素材であれば良く、例えばシリカゲルやゼオライトを使用するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、炉体本体部10の上流側に合体モジュール50を配置していたが、これに限定されるものではなく、炉体本体部10の下流側に合体モジュール50を配置するようにしても良い。このようにしても、合体モジュール50のハウジング51内にヒータ52、触媒フィルタ部53およびフィルタ部54を熱風の上流側からこの順番で連続に配置することとなるため、従来のように触媒専用のヒータが不要となり、ヒータ52が循環用のメインヒータと触媒フィルタ部53を加熱する補助ヒータとの双方を兼ねることとなる。その結果、無駄なヒータが不要となって熱損失を少なくすることが可能になるだけでなく、1つのヒータ52を温調するだけで所定温度の熱風を得ることができ、炉体本体部10内の焼成温度を安定させることができる。もっとも、上記実施形態のように、合体モジュール50の熱風出口が炉体本体部10の供給口12に直接接続されるようにしたほうが、炉体本体部10における焼成温度の制御は容易となる。
また、上記実施形態においては、基板焼成炉の循環経路20を完全に閉じた系としていたが、これに一部の雰囲気を排出しつつ新しい雰囲気を導入する雰囲気交換機構を備えるようにしても良い。
また、基板焼成炉の炉体本体部10に収容可能なガラス基板Wの枚数は40枚に限定されるものではなく任意の数とすることができる。
また、本発明に係る給排気システムを備えた基板焼成炉によって焼成処理の対象となる基板はガラス基板Wに限定されるものではなく、半導体ウェハであっても良い。また、基板に載せられる被焼成物もカラーインクや金属配線材料に限定されるものではなく、バンク用材料、ITO電極(インジウム錫酸化物の透明電極)用材料などであっても良い。
本発明に係る循環式の基板焼成炉の全体構成を示す図である。 合体モジュールを通過する熱風の温度履歴を示す図である。
符号の説明
10 炉体本体部
20 循環経路
30 吸着塔
31a,31b,32a,32b バタフライダンパ
40 循環ファン
50 合体モジュール
51 ハウジング
52 ヒータ
53 触媒フィルタ部
54 フィルタ部
55 温度センサ
90 制御部

Claims (4)

  1. 熱風を循環させつつ基板の焼成処理を行う循環式の基板焼成炉であって、
    内部に基板を収容する炉体本体部と、
    前記炉体本体部から排出された熱風を循環させて前記炉体本体部に再度供給する循環経路と、
    前記循環経路に設けられて熱風を循環させる循環ファンと、
    熱風を加熱するヒータと、触媒を担持するメタルフィルタにて形成される触媒フィルタ部と、メタルフィルタのみにて形成されるフィルタ部と、をこの順序で熱風の上流側から同一モジュール内に配置した合体モジュールと、
    を備えることを特徴とする循環式の基板焼成炉。
  2. 請求項1記載の循環式の基板焼成炉において、
    前記循環経路の途中に並列に設けられ、二酸化炭素および/または水分を吸着する2つの吸着塔と、
    前記2つの吸着塔のうちのいずれか一方を熱風が通過するように、熱風の流路を択一的に切り換える切換手段と、
    前記2つの吸着塔に交互に熱風が通過するように、前記切換手段を制御する切換制御手段と、
    を備えることを特徴とする循環式の基板焼成炉。
  3. 請求項1または請求項2記載の循環式の基板焼成炉において、
    前記合体モジュールの熱風出口を前記炉体本体部の熱風供給口に接続したことを特徴とする循環式の基板焼成炉。
  4. 請求項3記載の循環式の基板焼成炉において、
    前記炉体本体部における焼成温度から前記触媒フィルタ部における分解反応による昇温を減じた温度に熱風を加熱するように前記ヒータを制御する温度制御部をさらに備えることを特徴とする循環式の基板焼成炉。
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