JP2009041618A - ディスクブレーキ装置用パッドクリップおよびディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造で、必要十分なブレーキパッド戻し力を発揮することのできるディスクブレーキ装置用パッドクリップを提供することを目的とする。
【解決手段】ディスクブレーキ装置に用いられるパッドクリップ30であって、ブレーキパッドがロータ軸方向へ摺動することをガイドするインナ側脚部32と、アウタ側脚部34、および前記一対の脚部32,34を一体に連結するロータ跨ぎ部36を有し、前記一対の脚部32,34におけるブレーキパッドガイド面32a,34aを互いにロータから離れるに従い、トルク支承面13aに近づくように、前記ロータ跨ぎ部36を湾曲形成又は屈曲形成したことを特徴とする。
【選択図】図7
【解決手段】ディスクブレーキ装置に用いられるパッドクリップ30であって、ブレーキパッドがロータ軸方向へ摺動することをガイドするインナ側脚部32と、アウタ側脚部34、および前記一対の脚部32,34を一体に連結するロータ跨ぎ部36を有し、前記一対の脚部32,34におけるブレーキパッドガイド面32a,34aを互いにロータから離れるに従い、トルク支承面13aに近づくように、前記ロータ跨ぎ部36を湾曲形成又は屈曲形成したことを特徴とする。
【選択図】図7
Description
本発明は、ディスクブレーキ装置用のバッドクリップ、及び当該パッドクリップを採用したディスクブレーキ装置に係り、特に制動解除時におけるブレーキパッドの引き摺りや、騒音、およびロータの空転摩耗等を抑制するのに好適なディスクブレーキ装置用パッドクリップ、及びディスクブレーキ装置に関する。
ディスクブレーキ装置では制動時、ロータのインナ側およびアウタ側にそれぞれ対向して配置されたブレーキパッドにより、前記ロータの主面を狭持する。一方、制動解除後の空転においては、ロータの振れ等を原因として、ブレーキパッドの引き摺りや騒音等、およびロータ側にディスク厚偏差(DTV:Disc Thickness Variation)が生ずることを防止するために、ブレーキパッドをロータから離間させる必要がある。
ロータからブレーキパッドを離間させる手段として従来より知られているものとしては、特許文献1のようなものがある。特許文献1に開示されている技術は、ブレーキパッド間に、V字状のスプリングを掛け渡し、このスプリングの弾性力を利用してブレーキパッドをロータから離間させるというものである。このような構成のディスクブレーキ装置では、スプリングによって、ブレーキパッド外周側のみがロータから離間され、内周側が接触して、内周側のDTVが増加する原因となる。また、パッドクリップの他にスプリングを配置する構成となるため、ディスクブレーキ装置を構成する部品数が増えるという問題もある。
これに対し、弱い力でロータからブレーキパッドを離間させる手段として特許文献2、特許文献3、特許文献4に開示されているようなものがある。特許文献2、3に開示されている技術は、ブレーキパッドを保持するパッドクリップにおけるトルク受け面に、ロータから離間する方向に弾性力を生じさせるバネ片を形成するというものである。そして、特許文献4に開示されている技術は、ブレーキパッドの下面、あるいは上下面を保持する板片であるパッド支持片を形成する際、ブレーキパッドとの当接面がロータと反対方向を向いた傾斜面となるように、前記パッド支持片に捻りを加えるというものである。
実公平5−47300号公報
実開平7−25342号公報
特許第3653675号公報
特開平8−254232号公報
上記特許文献2から4に開示された技術によれば確かに、弱い力でブレーキパッドをロータから離間させることが可能となるように考えられる。しかし、特許文献2、3に開示されているパッドクリップは、トルク受け面の構造を2重構造とする必要がある他、バネ構造を得るための板片(展開時の長い板幅)が必要となる。このような構造は、製造工程の増加や板取性の低下に繋がることとなる。
また、特許文献4に開示されているパッドクリップも、パッド支持片を形成する際に3次元的な捻りを加える必要が生ずるため、従来のパッドクリップの製造工程と比べた場合には、その工程数が増すこととなる。さらに、ブレーキパッドを支持するのはパッド支持片の先端部分となるため、剛性の弱い板部材では反力が弱くなり過ぎ、ブレーキパッドを戻すために十分な力を得ることができない。
そこで本発明では、簡易な構造で、必要十分なブレーキパッド戻し力を発揮することのできるディスクブレーキ装置用パッドクリップを提供することを目的とする。また、本発明では、前記目的を達成可能なパッドクリップを用いたディスクブレーキ装置を提供することも目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置用パッドクリップは、ディスクブレーキ装置に用いられるパッドクリップであって、ブレーキパッドからの制動トルクを支承するトルク支承面を覆い、前記ブレーキパッドがロータ軸方向へ摺動することをガイドするインナ側脚部と、アウタ側脚部、および前記インナ側脚部と前記アウタ側脚部とを一体に連結するロータ跨ぎ部を有し、前記インナ側脚部におけるブレーキパッドガイド面と前記アウタ側脚部におけるブレーキパッドガイド面とが互いにロータから軸方向に離れるに従ってトルク支承面に近づく傾きを持つように、前記ロータ跨ぎ部を湾曲形成したことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置用パッドクリップは、ディスクブレーキ装置に用いられるパッドクリップであって、ブレーキパッドからの制動トルクを支承するトルク支承面を覆い、前記ブレーキパッドがロータ軸方向へ摺動することをガイドするインナ側脚部と、アウタ側脚部、および前記インナ側脚部と前記アウタ側脚部とを一体に連結するロータ跨ぎ部を有し、前記インナ側脚部におけるブレーキパッドガイド面と前記アウタ側脚部におけるブレーキパッドガイド面とが互いにロータから軸方向に離れるに従ってトルク支承面に近づく傾きを持つように、前記ロータ跨ぎ部に屈曲部を設けたことを特徴とするものであっても良い。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記湾曲部の中心又は屈曲部を前記ロータ跨ぎ部の中心位置から、いずれかの脚部側へシフトするようにしても良い。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記湾曲部又は屈曲部を設けたロータ跨ぎ部に、前記トルク支承部に接する湾曲方向と逆向きの凸部を形成しても良い。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップは、前記インナ側脚部および前記アウタ側脚部における外側縁部を、前記ブレーキパッドガイド面よりもロータから離れるに従ってさらにトルク支承面に近づくように屈曲させても良い。
また、上記目的を達成するためのディスクブレーキ装置は、上記いずれかの構成を有するパッドクリップを用いたディスクブレーキ装置であって、ロータ回入側に配置するパッドクリップにおけるロータ跨ぎ部の湾曲、あるいは屈曲を、ロータ回出側に配置するパッドクリップにおけるロータ跨ぎ部の湾曲、あるいは屈曲よりも大きくしたことを特徴とする。
上記のような構成のディスクブレーキ装置用パッドクリップによれば、簡易な構造で、必要十分なブレーキパッド戻し力を発揮することができる。このため、ライニングの引き摺りや、ブレーキパッドの局部当たりによるロータの偏摩耗等を減少させることができる。
また、上記のような構成のディスクブレーキ装置によれば、ブレーキパッドは常に回出側に寄せられているので、制動時におけるクロンク音(カチン音)を抑制することができる。
以下、本発明のディスクブレーキ装置用パッドクリップ、及びディスクブレーキ装置に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、図2を参照して、本実施形態に係るディスクブレーキ装置用パッドクリップが取り付けられるディスクブレーキ装置10について説明する。なお、図2(A)はディスクブレーキ装置の平面構成を示す図であり、図2(B)は同図(A)におけるA−A断面の構成を示す図である。
図2に示すディスクブレーキ装置10は、オポーズド型のものである。すなわち、キャリパ12、ブレーキパッド20、パッドクリップ30、パッドスプリング26、およびロータ28等を基本的な構成要素として構成されるものである。
前記キャリパ12は、図2(A)に平面構成を示すように、前記ロータ28を介して略線対称な形態を成す。具体的には、内部にピストン16を有するシリンダ部14と、前記ロータ28を跨ぐブリッジ部18とから構成される。前記キャリパ12には中央に、ブレーキパッド20を介入させるための開口部が形成されている。そして、ブリッジ部18には、介入させたブレーキパッド20を支持するための段差部18aが形成されている。図2に示す形態のキャリパ12では、前記段差部18aを含むブリッジ部18と前記開口部との境界面が、制動時におけるブレーキパッドのトルクを受けるトルク支承部13を構成する。このような構成のキャリパ12には、車体等に固定するための固定部12aが設けられている。
前記ブレーキパッド20は、鋼板により形成されたプレッシャプレート22と、摩擦材から成るライニング24とから構成される。なお、前記プレッシャプレート22には、ブレーキパッド20をキャリパ12に支持するための耳部22aが形成されている。
前記パッドクリップ30は、前記キャリパ12におけるトルク受け部と、前記ブレーキパッド20との間に配置され、ロータ28の軸方向に摺動するブレーキパッド20をガイドする。本実施形態に係るパッドクリップ30は、図1に示すように、ロータ28のインナ側とアウタ側のそれぞれに配置される一対の脚部32,34と、当該脚部32,34を連結するロータ跨ぎ部36、および前記脚部32,34の上端に形成されたパッド保持部38とを基本として構成される。前記脚部32,34は、キャリパ12におけるトルク支承部13の支承面(トルク支承面13a)とブレーキパッド20におけるプレッシャプレート22の側面との間に、トルク支承面13aを覆うように配置され、ロータ28の軸方向に摺動するブレーキパッド20の動きをガイドする。前記ロータ跨ぎ部36は、ロータ28との干渉を避け、これを跨ぐ位置に配置されて前記2つの脚部32,34を連結する金属片である。前記パッド保持部38は、キャリパ12に形成した段差部18aに配置される。
ブレーキパッド20のガイドとなる脚部32,34には、内側(ロータ配置側)またはキャリパ浮動型の場合は外側に(本実施形態においては内側に)、パッドクリップ30がロータ軸方向に変位を阻止されるよう爪部32b,34bが設けられる。
そして、本実施形態に係るパッドクリップ30は、前記ロータ跨ぎ部36を湾曲形成するようにしている。具体的には、対として設けられた脚部32,34のガイド面32a,34aがそれぞれ、わずかに外側(ロータ配置側と逆側)を向くように、ロータ跨ぎ部36に反りを設けるのである。換言すると、ロータ28から離れる位置に行くにしたがって、脚部32,34におけるガイド面32a,34aが、キャリパ12におけるトルク支承面13aに近づくように、ロータ跨ぎ部36に反りを設けるということができる。このようにしてパッドクリップ30に湾曲量dを設けることにより、パッドクリップ30に沿って摺動するブレーキパッド20には、パッドクリップ30の中央へ行くに従って円周方向から弾性的に押付けられる力が増加することとなる。さらには、パッドクリップ30の湾曲によって、ブレーキパッド20はロータ空転時にロータからの接触によってブレーキパッド20が回出側と回入側(円周方向に)に振動しながら円周方向から挟まれて、ロータから離れる方向に押し出されるように力が加わっていく。このため、ブレーキパッド20は、制動解除時には前記外側方向へ向けた力によって、より強く押し戻されることとなり、ロータ28に対するライニング24の引き摺り等を無くすことができる。なお、湾曲量dの値は構成部材の剛性によって変化するが、概ね0.5mm〜3.0mm程度、キャリパ12に組付けた取り付け状態では0.5〜1.5mm程度、ブレーキパッド20を組付けた使用状態では、0.3mm〜1.0mm程度とすることができる。
前記パッドスプリング26は、前記ブレーキパッド20におけるプレッシャプレート22と、パッドピン26aとの間に配置され、ブレーキパッド20やパッドピン26aの抜けやガタツキを防止する役割を担うバネ部材である。
また、前記ロータ28は、車輪等の回転体と一体に回転するリング状部材である。
また、前記ロータ28は、車輪等の回転体と一体に回転するリング状部材である。
このような構成のディスクブレーキ装置10では、キャリパ12におけるシリンダ部14に作動油が導入されブレーキペダルの操作により、内部に配置されたピストン16がロータ28の配置方向へと押し出される。押し出されたピストン16はブレーキパッド20におけるプレッシャプレート22に当接し、ブレーキパッド20をロータ28配置方向へと摺動させる。これによりロータ28主面にブレーキパッド20のライニング24が接触すると、両者の間に摩擦力が発生し、ブレーキパッド20にはロータ28の回転に倣って回動しようとする力が加わり、ブレーキパッド20はロータ28の回出側に配置されたトルク受け部に押付けられることとなる。
トルク受け部によりブレーキパッド20の回動が阻止されることにより、ロータ28の回転エネルギーは摩擦による熱エネルギーに変換されて消費され、車両は制動力を得ることとなる。
制動が解除(シリンダ部14に対する作動油の圧送が停止)されると、ピストン16の押し戻しが自由となる。本実施形態に係るパッドクリップ30にはガイド面32a,34aに傾斜が設けられているため、制動が解除された場合には、ロータ振れ等によりライニングと接触して生ずる振動がロータ軸方向及び円周方向の双方の力としてブレーキパッド20へ伝達される。パッドクリップ30におけるガイド面32a,34aは、ロータ28の配置方向と逆向きでトルク支承面13aに近づくよう傾斜しており、更にはブレーキパッド20がパッドクリップ30から円周方向に弾性的に押し付けられているので、ブレーキパッド20は隙間の大きい方向、つまりロータ28から離間する方向へ押し戻されることとなる。
上記のように、本実施形態に係るパッドクリップ30を採用することによれば、ディスクブレーキ装置10の制動解除時に、パッドクリップ30を介した反発作用によりブレーキパッド20が、ロータ28から離間する方向へ押し戻されることとなる。このため、ブレーキの引き摺りやロータ28の偏摩耗(DTVの増加)等を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、ロータ28の回入側に配置されるパッドクリップ30と、ロータ28の回出側に配置されるパッドクリップ30とは折り曲げから加工前の展開時において、同一形状とすることもできる。このような形態とすることで、回入側、回出側双方のパッドクリップを共用することが可能となるからである。そして本発明に掛かるディスクブレーキ装置10は、両者の形態に微差を持たせるようにしても良い。具体的には、ロータ28の回入側に配置するパッドクリップ30の湾曲量を、ロータ28の回出側に配置するパッドクリップ30の湾曲量よりも大きくするという事である。
このような構成とすることにより、ブレーキパッド20はロータ28空転時においてもロータ28の回出側に寄せられることとなる。よって、制動時に生ずるクロンク音(カチン音)を効果的に抑制することが可能となる。なお、このような構成を採る場合、ロータ28の回出側(車両が前進した際のロータ28の回転方向を基準として)に配置するパッドクリップ30は、湾曲量を0としても良い。従って、ロータ28の回出側に配置するパッドクリップ30は、湾曲部を持たない場合もある。
また、本実施形態に係るパッドクリップ30は、以下に示すような形態としても良い。
例えば、図3に示すように、脚部32,34それぞれの外側縁部をトルク受け部側へ折り曲げ、押し戻し片32cを構成するようにしても良い(図4参照)。このような構成とした場合、ライニング24が厚く、比較的外側寄りに配置される新品のブレーキパッド20に対しても効果が大きくなる。具体的には、押し戻し片32cを設けたことにより、ブレーキパッド20が新品の時でも、パッドクリップ30がブレーキパッド20を円周方向に弾性的に押付けることとなる。このため、ロータ28の振れによりたたかれたブレーキパッドが、ロータ28から離間する方向へ押し戻される力を高めることとなる。これは、キャリパ12におけるトルク支承面13aに対するガイド面32a,34aの離間幅が広くなるからである。
例えば、図3に示すように、脚部32,34それぞれの外側縁部をトルク受け部側へ折り曲げ、押し戻し片32cを構成するようにしても良い(図4参照)。このような構成とした場合、ライニング24が厚く、比較的外側寄りに配置される新品のブレーキパッド20に対しても効果が大きくなる。具体的には、押し戻し片32cを設けたことにより、ブレーキパッド20が新品の時でも、パッドクリップ30がブレーキパッド20を円周方向に弾性的に押付けることとなる。このため、ロータ28の振れによりたたかれたブレーキパッドが、ロータ28から離間する方向へ押し戻される力を高めることとなる。これは、キャリパ12におけるトルク支承面13aに対するガイド面32a,34aの離間幅が広くなるからである。
また、本実施形態に係るパッドクリップ30は、図5に示すように、ロータ跨ぎ部36にハーフブランク36aを形成し、切り出した板片37をロータ跨ぎ部36の湾曲方向と逆側(キャリパ12へ取り付けた状態ではブリッジ部18側)へ押し出す構成としても良い。このような構成とした場合、キャリパ12に対してパッドクリップ30を取り付けると、押し出した板片37がブリッジ部18に弾性的に接触することとなる。このため、板片37の押し出し量、曲げ角度等を調整することにより、ブレーキパッド20の押し戻し効果の調整、ブリッジ部とロータ跨ぎ部との隙間の調整等を行うことができる。また、パッドクリップをこのような構成とすることによれば、ブリッジ部18から浮いた状態となるロータ跨ぎ部36の剛性を向上させ、取り付け状態にあるパッドクリップ30の形態の安定化を図ることができる。
また、本実施形態に係るパッドクリップ30は、ハーフブランク36aの替わりに、図6に示すように、ロータ跨ぎ部36に一対の切れ込み36b,36bを入れ、切れ込み36b,36bの間に位置する金属片37aを、ロータ跨ぎ部36の湾曲方向と逆側へ押し出す構成としても良い。このような構成であっても、図5に示す形態のパッドクリップ30と同様な効果を奏することができる。
さらに本実施形態に係るパッドクリップ30は、ハーフブランク36a(図5参照)や切れ込み36b(図6参照)の替わりに、ロータ跨ぎ部36の中央部を、ロータ跨ぎ部36の湾曲方向と逆側に湾曲、あるいは屈曲させて逆凸部39を形成する構成としても良い。逆凸部39の先端をキャリパ12におけるブリッジ部18に接触させれば、上述した図5、図6に示す形態のパッドクリップ30と同様な効果を奏することができるからである。また、ブリッジ部18から浮いた状態で取り付けが成されるロータ跨ぎ部36の剛性は、上述した2つの形態よりもさらに高めることができ、取り付け形態の安定化を図る際に好適であるといえる。
次に、本発明のディスクブレーキ装置用パッドクリップに係る第2の実施形態について、図8を参照して説明する。なお、本実施形態に係るパッドクリップの構成の殆どは、図1に示した形態のパッドクリップと同様である。したがって、その機能を同様とする箇所には図1に示した符号に100を足した符号を付して図8に示し、その詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係るパッドクリップ130の特徴は、ロータ跨ぎ部136に屈曲部135を設けた点にある。ロータ跨ぎ部136を屈曲させて脚部132,134のガイド面132a,134aに傾斜を設けるようにすることで、パッドクリップ130の外側端部から屈曲部135までの傾斜角を一様なものとすることができる。
また、屈曲部135により傾斜を構成する場合には、ロータ跨ぎ部136に対する屈曲部135の形成位置により、インナ側、アウタ側に配置されたブレーキパッド20に対する引き摺り抑制効果の多寡を調整することができる。例えば、インナ側に配置されたブレーキパッド20の引き摺り抑制効果を高めたい場合には、屈曲部135をロータ跨ぎ部136の中心部よりもインナ側に寄せて形成すれば良い。
次に本発明のディスクブレーキ装置用パッドクリップに係る第3の実施形態について、図9を参照して説明する。なお、本実施形態に係るパッドクリップの構成も、その殆どは、図1に示した形態のパッドクリップと同様である。したがって、その機能を同様とする箇所には図1に示した符号に200を足した符号を付して図9に示し、その詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係るパッドクリップ230の特徴は、ロータ跨ぎ部236に形成する屈曲部235を2箇所設けたことにある。基本的構成は、上記第1、第2の実施形態と同じであるが、屈曲部235を2つとすることで、脚部232,234におけるガイド面232a,234aの傾斜角設定の自由度が増すこととなる。すなわち、ブレーキパッド20をロータ28から離間させる効果の強弱の調整自由度が向上するのである。
上記実施形態はいずれも、オポーズド型のディスクブレーキ装置に対応したパッドクリップに関するものである。しかしながら本発明に係るディスクブレーキ装置はキャリパ浮動型のものであっても良く、本発明に係るパッドクリップはこれに対応したものであっても良い。
具体的には、図10に示すような形態のものを挙げることができる。なお、図10(A)はキャリパ浮動型ディスクブレーキ装置に対応したパッドクリップの斜視図であり、図10(B)は同図(A)に記載されたパッドクリップをサポートに取り付けた際の側面図を示すものである。
本実施形態に係るパッドクリップ40は、ロータのインナ側とアウタ側にそれぞれ配置されることとなる一対の脚部42,44と、ロータを跨ぎ、前記一対の脚部42,44を一体に連結するロータ跨ぎ部46を有することを基本とする。
前記脚部には、キャリパ浮動型のディスクブレーキ装置におけるサポート50の凸部を狭持するためのコ字状部42b,44bと図示しないブレーキパッドにおける耳部を支持するパッド支持片42a,44aとが形成されている。
そして、前記ロータ跨ぎ部46は、上述したオポーズド型のディスクブレーキ装置に対応したパッドクリップ30(図1参照)と同様に、コ字状部42b,44bや、パッド支持片42a,44aを構成する板片の主面が、それぞれロータ(不図示)配置方向と反対側、すなわち外側に傾斜角を持つように、湾曲量dを持たせるように湾曲させられている。
このような構成のパッドクリップ、およびこのような構成のパッドクリップを備えたディスクブレーキ装置であっても、上述したパッドクリップやディスクブレーキ装置と同様な効果を奏することができるため、本発明に係るパッドクリップ、およびディスクブレーキ装置ということができる。
なお、これらパッドクリップがブレーキパッドを円周方向に弾性的に押圧する構造は、空転時の足廻り等からの振動によるブレーキパッドの打音、つまりラトル音を効果的に抑制することは言うまでもない。
10………ディスクブレーキ装置、12………キャリパ、14………シリンダ部、16………ピストン、18………ブリッジ部、20………ブレーキパッド、22………プレッシャプレート、24………ライニング、26………パッドスプリング、26a………パッドピン、30………パッドクリップ、32………脚部32a………ガイド面、32b………爪部、34………脚部、34a………ガイド面、34b………爪部、36………ロータ跨ぎ部、38………パッド保持部。
Claims (6)
- ディスクブレーキ装置に用いられるパッドクリップであって、
ブレーキパッドからの制動トルクを支承するトルク支承面を覆い、前記ブレーキパッドがロータ軸方向へ摺動することをガイドするインナ側脚部と、アウタ側脚部、および前記インナ側脚部と前記アウタ側脚部とを一体に連結するロータ跨ぎ部を有し、
前記インナ側脚部におけるブレーキパッドガイド面と前記アウタ側脚部におけるブレーキパッドガイド面とが互いにロータから軸方向に離れるに従ってトルク支承面に近づく傾きを持つように、前記ロータ跨ぎ部を湾曲形成したことを特徴とするディスクブレーキ装置用パッドクリップ。 - ディスクブレーキ装置に用いられるパッドクリップであって、
ブレーキパッドからの制動トルクを支承するトルク支承面を覆い、前記ブレーキパッドがロータ軸方向へ摺動することをガイドするインナ側脚部と、アウタ側脚部、および前記インナ側脚部と前記アウタ側脚部とを一体に連結するロータ跨ぎ部を有し、
前記インナ側脚部におけるブレーキパッドガイド面と前記アウタ側脚部におけるブレーキパッドガイド面とが互いにロータから軸方向に離れるに従ってトルク支承面に近づく傾きを持つように、前記ロータ跨ぎ部に屈曲部を設けたことを特徴とするディスクブレーキ装置用パッドクリップ。 - 前記湾曲部の中心又は屈曲部を前記ロータ跨ぎ部の中心位置から、いずれかの脚部側へシフトさせたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
- 前記湾曲部又は屈曲部を設けたロータ跨ぎ部に、前記トルク支承部に接する湾曲方向と逆向きの凸部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
- 前記インナ側脚部および前記アウタ側脚部における外側縁部を、前記ブレーキパッドガイド面よりもロータから離れるに従ってさらにトルク支承面に近づくように屈曲させたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1に記載のパッドクリップを用いたディスクブレーキ装置であって、ロータ回入側に配置するパッドクリップにおけるロータ跨ぎ部の湾曲、あるいは屈曲を、ロータ回出側に配置するパッドクリップにおけるロータ跨ぎ部の湾曲、あるいは屈曲よりも大きくしたことを特徴とするディスクブレーキ装置。
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